説明

デジタルメディアコンテンツ共有方法およびシステム

メディアクリップを生成して共有する方法およびシステムを説明する。幾つかの実施例に共通であるが、メディアプレーヤーにおいてデジタルメディアコンテンツ(例えば映画、テレビ番組、オーディオトラック等)の選択内容を提示している間に、ユーザは一つ以上のメディアクリップの境界(例えば起点と終点)を定義するウェイポイント(例えばタイムマーカー)の一つ以上の組を作成する。これらのウェイポイントをあるメディアプレーヤー装置から他のメディアプレーヤー装置に通信し、これにより受信するメディアプレーヤー装置が、ウェイポイントを生成したメディアプレーヤー装置以外のソースからメディアクリップを取得して再生することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年9月9日に出願された米国特許出願No.12/878,901の優先権、および2009年9月10日に出願された米国仮特許出願No.61/241,276の優先権を主張する。これらの出願は、それらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的にはデジタルメディアコンテンツシステムおよびアプリケーションに関わる。より具体的には、本開示はデジタルメディアコンテンツの特定の選択内容の一部分(例えば一つ以上のメディアクリップ)を共有するための方法およびシステムに関わる。
【背景技術】
【0003】
コンピュータネットワーキング技術、オーディオ・ビデオ放送システム、およびデジタルメディアプレーヤー装置が著しく向上したにもかかわらず、デジタルメディアコンテンツの特定の選択内容の一部分を他の人と共有することは依然として課題である。例えば、映画、テレビ番組、ニュース放送、スポーツイベントまたはユーザが作成した番組などのデジタルメディアコンテンツのストリームで視聴するために従来のメディアプレーヤー装置を使用する場合、ユーザは、他の人と共有したいコンテンツの特定の部分を認識するかもしれない。ユーザは映画のワンシーン、ニュース番組の特定の部分、または特定のチームが得点した野球の試合のイニングのみを他の人と共有することを望むかもしれない。従来のメディアプレイーヤー装置の殆どは、ユーザが、本明細書においてメディアクリップと呼ぶデジタルメディアコンテンツの一部を、その視聴しているユーザと時間的にも場所的にも一緒に居合わせない他の人と共有することを可能にするメカニズムを備えていない。
【0004】
メディアプレーヤー装置によっては、そのメディアプレーヤー装置にストリーミングされて提示されているデジタルメディアコンテンツを記録することができる。しかし、これらのメディアプレーヤー装置は、主にタイムシフト、すなわちユーザにとってより都合のいい時間に視聴するための記憶媒体への番組の記録を可能にするコンテンツ記録機能があるだけである。コンテンツ記録機能のあるメディアプレーヤー装置の多くは、記録したデジタルメディアコンテンツを、他の装置で再生するためにその装置に転送する機能がない。
【0005】
メディアプレーヤー装置の他の種類では、一般的に場所シフトと呼ばれる機能が可能である。場所シフトは、第一メディアプレーヤー装置から第二メディアプレーヤー装置へデジタルメディアコンテンツのストリームを転送することに関っている。例えば、典型的な使用例として、セットトップボックスは放送ネットワーク(例えばテレビまたはラジオネットワーク)を介してデジタルコンテンツを受信し、そのデジタルコンテンツの受信したストリームをコンピュータネットワーク(例えばインターネットプロトコル(IP)またはIPネットワーク)を介して携帯電話やノートパソコンなどの携帯またはパーソナルメディアプレーヤー装置に転送する。場所シフトを正しく機能させるために、第一メディアプレーヤー装置と第二メディアプレーヤー装置との間のネットワーク接続は、リアルタイムに近いデジタルメディアコンテンツの転送に十分対応するだけの帯域と処理速度を必要とする。高品質フォーマット(例えば高精細フォーマット)で符号化されたデジタルコンテンツに特に関連するコンピュータファイルのサイズ(例えばデータ量)を与えられた場合、場所シフトが常に実行可能なオプションである訳ではない。
【0006】
メディアプレーヤー装置によっては、タイムシフトと場所シフトの両方を可能にするセット機能を備えるかもしれない。例えば、第一メディアプレーヤー装置から離れた場所のメディアプレーヤー装置にデジタルメディアコンテンツをユーザが選択した時間にストリームできるように、第一メディアプレーヤー装置(例えばセットトップボックス)に以前記録されたデジタルメディアコンテンのツストリームを、離れた場所のメディアプレーヤー装置がアクセス可能かもしれない。しかし、ここでも二つの装置間のネットワーク接続が、大きなコンピュータファイルのリアルタイムに近いストリーミングに対応するために十分である必要がある。さらに、従来のタイムシフトと場所シフトを行う装置では、ユーザは選択したデジタルメディアコンテンツのある部分(例えばメディアクリップ)のみを共有する便利な方法がない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
いくつかの実施例は添付した図面に示す図で例証されるが、これらに限定されるものではない。
【図1】図1はいくつかの関心場面を含む映画等のデジタルメディアコンテンツの選択内容を図で表した時系列図の例を示す。
【図2】図2はいくつかの関心部分を含むニュース番組や教室での講義等のデジタルオーディオコンテンツの選択内容を図で表した時系列図の例を示す。
【図3】図3は一実施例による、3つの異なるメディアクリップを再生するためのバウンダリを定義する地点情報を含むデジタルメディアコンテンツの選択内容を図で表した時系列図の例を示す。
【図4】図4は一実施例による、デジタルコンテンツ配信システムの実現を示す。
【図5】図5は一実施例による、メディアプレーヤー装置の機能ブロック図の例を示す。
【図6】図6は一実施例による、一つ以上のメディアクリップを共有する方法の例を示す。
【図7】図7は、本明細書において説明する方法の任意の一つ以上をマシンに実行させる命令セットが実行されてよいコンピュータシステム(例えばメディアプレーヤー装置またはコンテンツソース装置)の形態であるマシンのブロック図である。
【図8】図8は、本明細書において説明される本発明の主題の或る局面が展開され得る対話型テレビ環境の例を示す図である。
【図9】図9は一実施例による、放送サーバー、変調器ボックス、セットトップボックス、およびオプションとしての記憶装置の構成の詳細を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
メディアクリップ共有方法およびシステムを説明する。説明のため、以下の記述においては、本発明の異なる実施例の様々な局面を完全に理解してもらうために、具体的な細部を数多く記載している。しかし当業者にとって、本発明をこれら特定の細部なしに実現することができることは明らかであろう。
【0009】
いくつかの実施例に共通であるが、デジタルメディアコンテンツがデジタルメディアプレーヤーでストリームされている、及び・又は、提示されている間、そのデジタルメディアコンテンツを視聴しているユーザは、提示されているデジタルメディアコンテンツの部分の起点と終点の境界を共に定義する一組のタイムマーカーを設定することができる。これらのタイムマーカーで識別されるデジタルメディアコンテンツの部分を、本明細書においては“ビデオクリップ”、“オーディオクリップ”、“メディアクリップ”または単に“クリップ”と呼ぶ。クリップの境界(例えば起点と終点)を定義する前記タイムマーカーを、本明細書では一括して“ウェイポイント”と呼ぶ。より具体的には、本明細書において、クリップの起点の境界を表すウェイポイントおよびそのクリップの終点の境界を表すウェイポイントを、それぞれ“インポイント”、“アウトポイント”と呼ぶ。本開示の説明において、デジタルメディアコンテンツの選択内容は、映画の題名、テレビ番組、ニュース番組、スポーツイベント、歌、教室での講義、ホームビデオのコレクション等のメディアコンテンツの単なる一単位である。
【0010】
ユーザが、それぞれがメディアクリップを定義するペアであるウェイポイントの一つ以上のペアを識別した後、そのユーザは、他のメディアプレーヤー(例えば目標のメディアプレーヤー)に対してそのウェイポイントを通信するようにメディアプレーヤーに指示するコマンドを起動することができる。いくつかの実施例において、ウェイポイントは、支援メタ・データと共に目標のプレーヤーに通信されるであろう。支援メタ・データは、例えば、ウェイポイントが生成されたデジタルメディアコンテンツの様々な属性または特徴を識別することができる。例えば、いくつかの実施例において、メタ・データはそのウェイポイントが関係する特定のデジタルメディアコンテンツ(例えば題名、及び・又は、トラック)とバージョン、またはフォーマットを示すコンテンツ識別子を含むことができる。さらにメタ・データは、メディアクリップが生成されるメディアコンテンツの選択内容がアクセスされストリームされることができるコンテンツソースを識別するコンテンツソース識別子を含むことができる。いくつかの実施例において、前記メタ・データは、前記受信(例えば目標の)メディアプレーヤー装置におけるユーザインターフェースにおいてビデオクリップを図で表した“サムネイル”画像として使用することのできる、ビデオクリップの一つのフレームを表すデータを含んでよい。いくつかの実施例において、前記メタ・データはウェイポイントの一部であり、またいくつかの実施例において、前記メタ・データはウェイポイントとは別に記憶されてよい。いずれにしても、ウェイポイントと支援メタ・データの組み合わせによって、デジタルメディアコンテンツを要求するために必要な全ての情報がコンテンツソースから目標のプレーヤーに提供され、そのウェイポイントによって定義されたようにメディアクリップが提示される。
【0011】
いくつかの実施例において、ウェイポイントを受信した目標のプレーヤーは、ウェイポイントと共に受信したメタ・データで識別されたコンテンツソースに対してコンテンツ要求を通信する。いくつかの実施例において、目標のプレーヤーからコンテンツソースに通信されたコンテンツ要求はウェイポイントを含み、これによりコンテンツソースは要求されたメディアコンテンツからメディアクリップを抽出し、ウェイポイントによって定義されたメディアクリップを表すデータのみを通信することができる。他の実施例において、目標のプレーヤーからコンテンツソースに通信されたコンテンツ要求はウェイポイントを含まない。このような実施例においては、目標のプレーヤーは要求されたデジタルコンテンツの全体を受信し、目標のプレーヤーにおいてウェイポイントを使用して該当するメディアクリップを抽出する。
【0012】
様々な実施例において、ウェイポイントを定義することのできる様々なメカニズムがあり得る。例えば、セットトップボックスを実現するにあたり、従来の赤外線リモートコントロール等のリモートコントロール装置のボタンを単に押すか、またはWiFi(登録商標)で接続された携帯電話上で走る仮想リモートコントロールアプリケーションによってウェイポイントを定義することができる。例えばリモートコントロール装置は、ウェイポイント(インポイント、及び・又は、アウトポイント)を定義するための専用のボタン(配線で接続されたかまたはプログラム可能なソフトウェアボタン)を備えることができる。このように実現するにあたり、セットトップボックスは、ウェイポイントを設定するためのコマンドを含む(例えば赤外線、ラジオ周波数、ブルートゥースまたはWiFi)信号を受信する信号受信機を備えることができる。受信されたコマンドは処理されて、コマンドが起動された時に提示されるメディア選択内容に対応するメディアクリップの起点または終点の境界のどちらかを識別するウェイポイントを設定する。ウェイポイントにおけるデータは、コンテンツにおいて、その冒頭からのコンテンツの特定の時点を識別する、時間基準またはオフセットのように単純であってよい。他の実施例において、処理されてウェイポイントを生成する前記コマンド自体を他の方法で生成することができる。例えば、携帯メディアプレーヤーの実現では、その携帯メディアプレーヤーは、押された時にウェイポイントを定義するためのコマンドを起動する専用のボタンを備えることができる。いくつかの実施例においては、一つはインポイント用であり他方はアウトポイント用である別々のボタンとすることができる。他の実施例において、ボタンが最初に押されるとインポイントが定義され、二回目に押されるとアウトポイントが定義されるような一つのボタンをウェイポイントを定義するために使用することができる。さらに他の実施例において、タッチスクリーンを備えるメディアプレーヤー装置は、そのタッチスクリーン上に提示することができ、押されるとユーザがウェイポイントを定義できるようなユーザインターフェース(UI)ボタンを備えることができる。当業者は、デジタルメディアコンテンツを提示するメディアプレーヤー装置においてウェイポイントを生成するためのコマンドを起動するために使用されうる多数の他の入力メカニズムを、即座に認識するであろう。
【0013】
一旦生成されると、ウェイポイントをプライベートまたは公共、有線または無線の通信ネットワークを介して他のメディアプレーヤーに通信することができる。ウェイポイントが通信される通信ネットワークは、インターネット等の従来のコンピュータネットワーク、または固有ネットワークであってよい。いくつかの実施例において、比較的近距離に存在する他のメディアプレーヤー装置にウェイポイントを通信するために、メディアプレーヤー装置は、ブルートゥース、近距離無線通信(NFC)または赤外線などの近距離通信技術を使用することができる。例えば、ユーザは、携帯メディアプレーヤー装置(携帯電話、タブレットコンピュータ、パーソナルメディアプレイヤー等)に記憶した(ウェイポイントで定義された)好みのメディアクリップのアーカイブを持つことができる。ユーザが他のメディアプレーヤーのエリア内である場合、そのユーザは、一つ以上のメディアクリップを定義するウェイポイントを他のメディアプレーヤーに転送するために近距離通信技術を使用することができる。携帯メディアプレーヤー装置上のメディアクリップはウェイポイントとして記憶されるので、その転送は非常に早い。目標のメディアプレーヤー装置がウェイポイントを受信すると、その目標のメディアプレーヤーは、そのウェイポイントを使用して、ローカルに記憶されたデジタルメディアコンテンツの選択内容のコピーから該当するメディアクリップを抽出するか、または異なる通信ネットワークを使用して該当するコンテンツをダウンロードし、ウェイポイントによって定義されているようにそのコンテンツを提示することができる。したがって、いくつかの実施例においては、コンテンツをリモートコンテンツソースからストリームまたはダウンロードしてよく、他の実施例においては、以前ダウンロードされ記憶されたコンテンツが処理されてウェイポイントによって定義された部分のみを抽出し再生することができる。様々な実施例の他の局面を、以下の図の説明に関連付けて説明する。
【0014】
図1は関心場面14、16、18を含む、映画等のデジタルメディアコンテンツ12の選択内容を図として表した時系列図10の例を示す。例えば、参照番号20で示すラインに沿って左から右に時間の経過を示す。同様に、デジタルメディアコンテンツ12の図表示に沿って左から右に、デジタルメディアコンテンツが提示される時系列順序を示す。したがって、メディアコンテンツの図表示の左端は、例えばコンテンツ(映画等)の起点を表す。コンテンツの図表示の右端はコンテンツの終点を表す。
【0015】
本実施例においては、視聴者が他の人と共有したい3つの関心場面14,16、18がある。図1に示すように、デジタルメディアコンテンツ12の図表示において、3つの関心場面14,16、18を、デジタルメディアコンテンツ全体の時間の長さに対する、場面の時間の長さを表す幅を持つ一つの静止フレームで表す。本実施例において、参照番号22で示すラインは現在表示されているフレームを表し、これがデジタルメディアコンテンツの現在の再生位置である。例えば、参照番号22で示すラインは、ディスプレイ24の例において表示された画像に対応する。
【0016】
図1と同様に、図2は、ユーザにとって関心のある3つの異なる部分(例えば部分28、30、32)を持つオーディオトラック26の図表示の時系列図24の例を示す。図1に示した映画12の図表示と同様に、図2において、オーディオトラックの聴き手にとって関心のある3つの部分を持つボックス26として、オーディオトラックを図示する。この例において、オーディオトラックを一組のスピーカー34で再生する。オーディオトラックはラジオ放送、教室での講義または任意の他のオーディオ録音から記録された歌、番組(例えばニュース番組)であってよい。この例において、オーディオトラック全体の時間の長さに対して、前記3つの関心部分28、30、32をそれぞれ時間の長さを表す幅を持つボックスで図示する。
【0017】
図3は、一実施例による、3つの異なるメディアクリップ44、46、48を再生するための境界を定義するウェイポイントを含むデジタルメディアコンテンツ42(例えば映画)の選択内容を図で表わす時系列図40の例を示す。図3に示すように、メディアコンテンツ42の図表示は3つのクリップ46、48、50を含む。第一クリップ44はインポイント50とアウトポイント52を含むウェイポイントペアによって定義される。第二クリップ46は、インポイント54とアウトポイント56を含む第二ウェイポイントペアによって定義される。第三クリップ48は、インポイント58とアウトポイント60を含むウェイポイントペアによって定義される。3つのウェイポイントペアは、デジタルメディアコンテンツ42の同じ選択内容からの3つのメディアクリップを定義する。
【0018】
いくつかの実施例において、ウェイポイントは、例えば選択されたデジタルメディアコンテンツ(例えば題名によって選択された映画)を識別するコンテンツ識別子、前記デジタルコンテンツの特定のバージョンまたはフォーマット、および前記デジタルコンテンツをアクセスすることのできるコンテンツソースを識別するコンテンツソース識別子を含むことができるメタ・データを含むかまたは関連付けられる。いくつかの実施例では、メタ・データは、目標のメディアプレーヤー装置において選択するためのメディアクリップのサンプルを提示するために使用される非常に短い部分(例えば1フレームまたはわずかのオーディオコンテンツ)を含むことができる。これらのウェイポイントおよび関連するメタ・データを第一メディアプレーヤー装置から第二(例えば目標の)メディアプレーヤー装置に通信することにより、目標のメディアプレーヤー装置はウェイポイントおよび対応するメタ・データを使用して該当するクリップを取得し提示することができる。ウェイポイントは実際のメディアクリップを表すデータではなく極く僅かな量のデータで転送できるので、第一メディアプレーヤー装置から第二メディアプレーヤー装置への転送は非常に早く行われる。自身の目標のメディアプレーヤー装置でウェイポイントを受信したユーザは、メディアクリップを再生するかどうかを選択することができ、場合によっては、共有されたコンテンツにアクセスする特定のコンテンツソースを選ぶことができる。この結果、一実施例において、メディアクリップを共有する、受信するユーザが、メディアクリップの再生を選択する場合のみ、実際のメディアクリップを表すデータの転送が行われる。これは、受信するユーザがメディアクリップの再生を所望している否かに関わらず、メディアクリップを表す実際のデータを第一メディアプレーヤー装置から第二メディアプレーヤー装置に転送する従来のメディアプレーヤー装置とは対照的である。
【0019】
図3において、結合したメディアクリップを参照番号62で示した長方形で図示する。以下に詳細に説明するように、いくつかの実施例において、目標の装置はウェイポイントペアを使用してデジタルメディアコンテンツのストリームから該当するメディアクリップを抽出する。例えば、いくつかの実施例では、ウェイポイントによって定義されているように該当するメディアクリップをデジタルコンテンツから抽出するよう、デジタルコンテンツが目標の装置(例えばウェイポイントと関連メタ・データを受信したセットトップボックス)で処理される。他の実施例において、ウェイポイントペアで定義されたメディアクリップを表す該当データのみがコンテンツソースから目標のメディアプレーヤー装置に通信されるように、ウェイポイントペアをコンテンツソースに通信し、そのコンテンツソースにおいて処理することができる。有利なことに、ウェイポイントをコンテンツソースに通信することにより、そのコンテンツソースはデジタルコンテンツの選択内容全体を送信する必要がなく、代わりに、選択したデジタルメディアコンテンツからウェイポイントにしたがって抽出したメディアクリップのみを送信することができる。これによりネットワーク帯域が保存される。
【0020】
いくつかの実施例に共通であるが、ユーザのメディアプレーヤーがデジタルメディアコンテンツの選択内容を提示している場合、そのユーザは一つ以上のコントロールメカニズム(例えばボタン)を操作して、メディアクリップを定義するウェイポイントペアを設定する。メディアプレーヤー装置のユーザインターフェースによって、ユーザが選択した順番で連結可能な複数のメディアクリップが選択しやすくなる。いくつかの実施例では、ユーザは、例えば様々な音響または視覚効果などの、場面、トラックまたはクリップのトランジションを定義することができる。さらに、いくつかの実施例では、コンテンツがアクセスされることのできる各コンテンツソースのためにコンテンツソース識別子が目標のメディアプレーヤーに通信されるようメディアクリップを生成したユーザが、コンテンツをアクセスされることのできる一つ以上のソースを選択することができる。これにより、クリップを共有した受信ユーザが、自分でコンテンツソースを選択することができる。例えば、受信ユーザが特定のコンテンツソースを申し込む場合、そのユーザは共有されるメディアクリップにアクセスするためのコンテンツソースを選択することができる。
【0021】
図4は一実施例による、デジタルコンテンツ配信システム69の実施を示す。図4に示すように、デジタルコンテンツ配信システム69は第一メディアプレーヤー装置70、第二(目標の)メディアプレーヤー装置72およびメディアコンテンツソース74を含む。この開示では、目標のメディアプレーヤー装置は、ユーザが一つ以上のメディアクリップを共有するために選択した単なる装置である。
【0022】
図4に示した例において、第一メディアプレーヤー装置70はデジタルメディアコンテンツのストリームを受信し、そのデジタルメディアコンテンツを第一メディアプレーヤー装置70のユーザに提示する。この第一メディアプレーヤー装置70は、セットトップボックス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、パーソナルメディアプレーヤー、またはデジタルコンテンツを使用する任意の他の同様な装置であってよい。様々な実施例において、デジタルメディアコンテンツのストリームは、任意の数であり種類であるコンテンツソースから発信され得る。例えば、コンテンツソースは衛星放送、ケーブル放送、オーディオまたはビデオ・オン・デマンドソース、コンピュータネットワークに基づいたソース、ローカル記憶装置等で有り得る。いずれにせよ、第一メディアプレーヤー装置のユーザがストリームされたデジタルコンテンツを聴き及び・又は、及び・又は、見るので、そのユーザはウェイポイントペアを生成することとなる。例えば、ユーザはリモートコントロール装置の一つまたは複数のボタンを押してウェイポイントペアを生成することができる。メディアプレーヤー装置70は、生成したウェイポイントおよび対応するメタ・データを記憶する記憶装置76を含む。例えば、いくつかの実施例では、ユーザがコントロールメカニズム(例えばボタン)を操作し、メディアプレーヤー装置に備えられたウェイポイント処理モジュールが、ウェイポイントペアおよび対応するメタ・データを自動的に生成する。
【0023】
一つ以上のウェイポイントペア、および対応するメタ・データを生成した後、ユーザはウェイポイントで定義されるメディアクリップを共有することを所望することができる。したがって、前記ユーザは、メディアプレーヤー装置70によって使い勝手がよくなり前記ユーザが他のユーザ(例えば目標のユーザ)またはウェイポイントペアが通信される他のメディアプレーヤー装置(例えば目標の装置)を選択可能にするグラフィカルユーザインターフェースと対話することができる。例えば、前記ユーザは、所有者、又は局外者、社会ネットワークの部分であるユーザ達で密集している仲間リストから一人の人物を選び出すことができる。または、ユーザは、メールアドレス、電話番号、ユーザ名、またはコンテンツを共有する人を識別する他の識別手段を単に入力してもよい。目標のユーザまたは目標のメディアプレーヤー装置が選択されるか識別されると、メディアプレーヤー装置70はウェイポイントペアを目標のユーザまたは目標の装置70に通信する。
【0024】
いくつかの実施例において、目標のメディアプレーヤー装置はウェイポイントが生成されたメディアプレーヤー装置と同様の装置であってよく、セットトップボックス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、パーソナルメディアプレーヤー、またはデジタルコンテンツを使用する任意の他の同様な装置を含んでよいが、これらに限定されない。目標のメディアプレーヤー装置72がウェイポイントペアおよび対応するメタ・データを受信すると、そのウェイポイントペアおよび対応するメタ・データが処理され、グラフィカルユーザインターフェースで提示される。これにより、目標のメディア装置のユーザが再生用の各メディアクリップを選択することが可能となる。例えば、いくつかの実施例において、ユーザによる選択のために、メディアクリップの題名、及び・又は、概要が提示され得る。いくつかの実施例において、サムネイル画像、及び・又は、簡単なプレビューを利用することができ、受信するユーザが一つまたは複数のクリップを実際に再生する要求を行う前に前記一つまたは複数のメディアクリップを事前に見ることができる。いくつかの実施例において、ウェイポイントペアと関連メタ・データを受信すると、目標のメディアプレーヤーはそのコンテンツに対するコンテンツ要求を自動的に行う。いくつかの実施例において、前記コンテンツ要求がデフォルトメディアコンテンツソース74に通信される。または前記コンテンツ要求は、ウェイポイント、及び・又は、メタ・データにおいて示されるメディアコンテンツソース74に通信され得る。または目標のメディアプレーヤー装置72は、コンテンツソース選択アルゴリズムを使用して様々なコンテンツソースの中からコンテンツソースを選択することができる。例えば、目標のメディアプレーヤー装置72は、メディアクリップが生成されたコンテンツのコピーをローカルに記憶していてもよい。この場合、リモートソースからコンテンツを要求せずに一つまたは複数のウェイポイントペアからメディアクリップを生成し提示することができる。したがって、いくつかの実施例では、目標のメディアプレーヤー装置は前記メディアクリップが生成されたデジタルメディアコンテンツの選択内容のコピーをローカルに利用可能かどうかを最初に判別することができる。コピーがローカルに使用できない場合のみ、目標のメディアプレーヤー装置はユーザがコンテンツソースを選択することを要求するか、またはデフォルトコンテンツソースからコンテンツを自動的に要求する。
【0025】
図4に示しているように、いくつかの実施例において、目標のメディアプレーヤー装置72がコンテンツ要求78をコンテンツソース74に通信する場合、そのコンテンツ要求は、メディアプレーヤー装置70から目標のメディアプレーヤー装置72に最初に通信された一つまたは複数のウェイポイントペアのコピーを含む。このように、図4に示すように、いくつかの実施例において、メディアコンテンツソース74は、実際のメディアクリップ(例えばクリップされたメディアコンテンツ80)を表すデータのみがコンテンツソース74から目標のメディアプレーヤー装置72に通信されるように、コンテンツ要求に含まれたウェイポイントを処理しウェイポイントによって定義されるメディアクリップを生成することができる。クリップされたメディアコンテンツ80が目標のメディアプレーヤー装置72で受信されると、そのクリップは後に再生するために記憶されるか、または即座にユーザに提示される(例えば再生される)。
【0026】
いくつかの他の実施例において、目標のメディアプレーヤー装置72からコンテンツソース74に通信されたコンテンツ要求は、メディアクリップが抽出されるデジタルメディアコンテンツの選択内容を識別するコンテンツ識別子のみを含んでいるであろう。例えば、実際のメディアクリップを定義する一つまたは複数のウェイポイントペアを、コンテンツ要求においてメディアコンテンツソース74に通信しなくてよい。したがってコンテンツソース74は、デジタルメディアコンテンツの全選択内容を目標のメディアプレーヤー装置72に通信することになるであろう。例えば、デジタルメディアコンテンツの選択内容が映画を表している場合、その映画全体がコンテンツソース74から目標のメディアプレーヤー装置72に通信される。目標のメディアプレーヤー装置72がメディアコンテンツを受信すると、その目標のメディアプレーヤー装置72はメディアコンテンツと一つまたは複数のウェイポイントペアを処理してウェイポイントによって定義されたメディアクリップを生成する。メディアクリップが生成されると、ユーザに提示される(例えば再生される)。
【0027】
図5は、一実施例によるメディアプレーヤー装置90の機能ブロック図の例を示す。図5に示すように、メディアプレーヤー装置90を、例えばストリーミングメディア受信モジュール92、ウェイポイント処理モジュール94、コマンド処理モジュール96およびグラフィカルユーザインターフェースモジュール98を含むとして図示する。メディアプレーヤー装置はさらに、オーディオ・ビデオ記録インターフェース91および通信モジュール96を含む、メディアプレーヤー装置90はセットトップボックス、パーソナルコンピュータ(デスクトップ、ワークステーションまたは携帯ラップトップ)、パーソナルメディアプレーヤー、携帯電話(スマートフォン)、タブレットコンピュータまたは同様の装置であってよい。いくつかの実施例に共通であるが、ストリーミングメディア受信モジュール92は、コンテンツソースからデジタルメディアコンテンツのストリームを受信する。様々な実施例において、ストリーミングメディア受信モジュール92は、様々なソースの中から選択された一つ以上のソースからコンテンツを受信することができる。例えば、ストリーミングメディア受信モジュール92は、従来の無線テレビ放送、衛星放送、データネットワーク(例えば従来のIPに基づくコンピュータネットワークまたは携帯電話WAN)からストリーミングメディアコンテンツを受信することができる。いくつかの実施例において、コンテンツのソースは外部ではなく据付ディスクであってもよく、またはいくつかの実施例において、DVD、ブルーレイディスク、コンパクトディスクまたはフラッシュメモリ機器などの、マシンで読み取り可能な他の媒体であってもよい。
【0028】
図5に示したように、メディアプレーヤー装置90は、ウェイポイント定義モジュール100およびメディアクリップ生成モジュール102で構成されるウェイポイント処理モジュールを含む。いくつかの実施例において、ウェイポイント定義モジュール100はコマンド処理モジュール96と連携してメディアクリップを定義するウェイポイントを生成する。例えばいくつかの実施例において、コマンド処理モジュール96は(図示されない)タッチスクリーン装置、またはリモートコントロール装置から信号を受信し、メディアプレーヤー装置90にウェイポイント(インポイントまたはアウトポイント)を生成するよう指示する。コマンド処理モジュール96がこのようなコマンドを受信して処理すると、ウェイポイント定義モジュール100は、メディアプレーヤー装置90によって現在提示されているメディアコンテンツの時間的位置に対応するウェイポイントを生成する。いくつかの実施例において、ウェイポイント定義モジュール100は、デジタルメディアコンテンツの選択内容の冒頭からの、現在提示されているコンテンツのオフセットを識別するために、提示されているコンテンツの一つ以上のデータパケットを分析するであろう。したがって、いくつかの実施例において、ウェイポイントに含まれるタイミング情報は、ストリーミングメディアコンテンツを含むデータパケットに存在するタイミング情報の分析に由来する。しかし、いくつかの実施例において、ウェイポイント定義モジュール100は、タイミングオフセットを生成するためのタイミングメカニズムを含むことができる。このような実施においては、生成されたウェイポイントに含まれるタイミング情報は、デジタルメディアコンテンツの選択内容を含むデータパケットの外部であるかまたは内部に含まれるタイミング情報の分析に基づいて生成されるであろう。いくつかの実施例において、ウェイポイントの生成に関する分析においては、提示されているデジタルメディアコンテンツの特定のバージョンが考慮されてよい。例えば、コンテンツのバージョンがテレビ放送からの場合、タイミング分析はテレビコマーシャル等を除いてよい。ウェイポイントのためのタイミング情報の分析、抽出、及び・又は、生成に加えて、ウェイポイント定義モジュール100は、ウェイポイントに挿入されるかまたは生成されたウェイポイントに関連して別に記憶されるメタ・データを抽出または生成してもよい。
【0029】
いくつかの実施例において、メディアクリップ生成モジュール102は既存のウェイポイントおよび対応するメタ・データを読み込んで、メディアプレーヤー装置90を介して提示されるメディアクリップを生成する。例えば、いくつかの実施例において、メディアプレーヤー装置90は一つ以上のウェイポイントペア、および関連メタ・データをリモートメディアプレーヤー装置から受信することができる。メディアクリップ生成モジュール102は、受信したウェイポイントペアとメタ・データを処理して、ウェイポイントペアによって定義されるメディアクリップを生成する。いくつかの実施例において、メディアクリップを、ウェイポイントによって定義されるメディアコンテンツの特定の部分から選択して生成する。いくつかの他の実施例において、ウェブに基づくコンテンツソース、またはオーディオあるいはビデオ・オン・デマンドソースなどのリモートコンテンツソース装置によってメディアクリップを生成することができる。いくつかの実施例に共通であるが、グラフィカルユーザインターフェース成分は、ユーザがその中から特定のソースを選ぶか選定するコンテンツソースを選び出して表示することができる。したがって、コンテンツ要求は、選択されたコンテンツソースに対して行われる。
【0030】
いくつかの実施例において、メディアプレーヤー装置90は、場合によってはユーザがウェイポイントを生成し再生用のメディアクリップを選択可能にする、一つ以上のユーザインターフェース成分を提示しやすくするグラフィカルユーザインターフェースを備える。例えば、いくつかの実施例において、メニューで駆動されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)はタッチスクリーン装置上でボタンを提示してよく、これによりユーザはタッチスクリーン装置上に提示されたボタンを押して、画面上に表示されるコンテンツ用のメディアクリップを定義するウェイポイントを生成することができる。同様に、いくつかの実施例において、GUIは、様々なソースから受信したメディアクリップのいくつかのセットを提示するためのメカニズムを提供することができる。例えば、複数の人が異なるメディアクリップを共有した場合、GUIはユーザが再生される特定のメディアクリップまたはメディアクリップセットを選択できるようなメカニズムを提供する。さらに、GUIは、チャンネル選択機能、音量選択機能、コンテンツソース選択およびコンテンツガイドなどの他の画面情報の数々を提供することができる
【0031】
図5に示すように、メディアプレーヤー装置90はマイク、ウェブカメラ、ビデオカメラ等の外付けで接続されたオーディオ・ビデオ取り込み装置を介する、オーディオ、及び・又は、ビデオを記録しやすくすることができるオーディオ・ビデオ記録インターフェース91を含む。いくつかの実施例において、メディアプレーヤー装置は、総合的な組込みオーディオ・ビデオ記録装置(不図示)を含むことができる。オーディオ・ビデオ記録装置(内蔵または外付けにかかわらず)を使用して、ウェイポイントペアまたはウェイポイントセットと共に通信され得るパーソナルビデオメッセージと関連メタ・データを取り込むことができる。したがって、ユーザは共有した様々なメディアクリップの意味を述べる紹介のためのオーディオ・ビデオメッセージを記録することができる。ユーザインターフェースは、このようなパーソナルビデオメッセージを記録しやすくすることができる。
【0032】
グラフィカルユーザインターフェース98は、ユーザは自身の決めた順序で、自身の選択したトランジションと特殊効果を使って(ウェイポイントによって定義された)様々なメディアクリップを連結することを可能にする。例えば、ウェイポイントペアによって定義された様々なメディアクリップを表すグラフィカルユーザインターフェースのエレメントを操作することにより、ユーザはメディアクリップの順序を変更することができる。同様に、ユーザは任意の二つのメディアクリップ間のトランジションポイントにおいて提示される、予め定義された様々なトランジション効果の中から選択することができる。
【0033】
当業者は、モジュールによって実現されるこの明細書における機能が、実際には異なるモジュールによって提供されてよいことを即座に認識するであろう。同様に、本明細書で述べたモジュールのうちの幾つかとそれらの各機能は、ある実施例においては本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく組み合わせてよい。さらに、図5に提示した例で明確には言及されていない他の様々なモジュールを、実施例に共通のメディアプレーヤーとしてさらに実現してもよい。
【0034】
図6は一実施例による、一つ以上のメディアクリップを共有する方法の例を示す。図6の方法は、コマンドを受信した時に方法動作110で起動され、メディアプレーヤー装置にウェイポイントを生成するよう指示する。例えば、方法動作10は、一般的には装置上でデジタルメディアコンテンツをユーザに提示している間に実行される。提示されているコンテンツにおける、ユーザがメディアクリップを開始するかまたは終了した箇所をマークするためにウェイポイントを、生成する。このように、デジタルメディアコンテンツを再生している間、ユーザは方法動作110を何度も繰り返して、メディアクリップを定義する任意の数のウェイポイントペアを生成することができる。さらに、上記したように、ウェイポイントを生成するコマンドを起動するために使用する特定の入力メカニズムは、メディアプレーヤー装置の実現の仕方によって異なってよい。いくつかの実施例において、リモートコントロール装置を使用して、ウェイポイントを設定するためにセットトップボックスをシグナリングすることができる。しかし、他の実施例においては、メディアプレーヤー装置と統合された一つ以上のコントロールメカニズム(例えばタブレットコンピュータのタッチスクリーンディスプレイ上に表示された仮想ボタン)がウェイポイントを設定するコマンドを起動しやすくすることができる。
【0035】
次の方法動作112において、一つまたは複数のウェイポイントペアと、動作110で生成された一つまたは複数のクリップを定義する対応メタ・データとがメディアクリップを生成したメディアプレーヤー装置から他の目標メディアプレーヤー装置に通信される。一般的に、ウェイポイントおよび対応メタ・データは、ユーザが生成したコマンドの受信、またはウェイポイントとメタ・データの特定の人または装置への通信の指示要求に応えて通信される。 上記したように、通信メカニズムの細部は、実現の仕方によって異なってよい。いくつかの実施例において、ウェイポイントおよび対応メタ・データは、従来のネットワークプロトコルを使用するコンピュータベースネットワークを介して通信される。いくつかの実施例において、ウェイポイントおよび対応メタ・データを電子メールで送るか、またはメッセージングプロトコル(例えばショートメッセージングシステム(SMS))を介して通信される。他の実施例においては、通信メカニズムに、Bluetooth、NFCまたは赤外線などの近距離ネットワーク技術を使用することができる。
【0036】
方法動作114において、ウェイポイント、および対応メタ・データが目標メディアプレーヤー装置で受信される。いくつかの実施例において、目標メディアプレーヤー装置がウェイポイントおよびメタ・データを受信した場合に、ウェイポイントによって定義された一つまたは複数のメディアクリップを目標メディアプレーヤーのユーザが選択可能なオプションとして提示することができるように、その目標メディアプレーヤー装置はウェイポイントを単に記憶するだけである。このような場合、ユーザが提示用のメディアクリップを選択するまで、前記メディアクリップを生成してはならない。他の実施例においては、ユーザが一つまたは複数のメディアクリップを選択して再生する場合に、ウェイポイントに対応するメディアクリップが目標メディアプレーヤー装置のローカル記憶装置に存在しているように、任意の対応するメディアクリップがプリフェッチされるようにウェイポイントとメタ・データを前もって処理することができる。
【0037】
方法動作114において目標のメディアプレーヤー装置がウェイポイントおよび対応するメタ・データを受信した後、方法動作116においてメディアクリップに関連するメディアコンテンツを含むコンテンツソースを識別する。例えば、コンテンツをプリフェッチする場合、目標メディアプレーヤー装置はデジタルメディアコンテンツがローカルにアクセス可能かどうかを最初に判断する。デジタルメディアコンテンツをローカルにアクセスできない場合のみ、目標メディアプレーヤー装置はリモートソースからデジタルメディアコンテンツをアクセスしようと試みる。いくつかの実施例では、コンテンツ識別子によって、コンテンツソース、およびメディアクリップが生成されるコンテンツの選択内容の両方が識別される。しかし実施例によっては、コンテンツ識別子によって識別されたコンテンツが要求されるコンテンツソースを、コンテンツソース識別子を使用して判別することができる。いくつかの実施例においては、デフォルトのコンテンツソースが自動的に選択される。例えば、目標メディアプレーヤーが同じコンテンツソースから常にコンテンツにアクセスしようとするような、独占コンテンツ配信システムに目標メディアプレーヤーを結び付けることができる。ウェイポイント、及び・又は、メタ・データによって、コンテンツをアクセスすることのできるコンテンツソースを識別することができる。いくつかの実施例では、コンテンツソース選択アルゴリズムを使用して、多くの利用可能コンテンツソースの中から特定のコンテンツソースが選択されるかもしれない。いくつかの実施例では、コンテンツがアクセスされるコンテンツソースを選択するようにユーザを促し、デジタルコンテンツのアクセスに必要なコストを示す価格情報を前記ユーザに提示することができる。場合によっては、要求されるデータのサイズに見合った額を価格情報に反映することができる。一方他の場合には、要求されるメディアクリップのサイズに関係なく、定額料金を要求することができる。いずれにしても、コンテンツソースが選択された後、方法動作118においてコンテンツ要求が選択されたコンテンツソースに通信される。
【0038】
図6に示すように、いくつかの実施例において、選択されたかまたは識別されたコンテンツソースに対して行われるコンテンツ要求は、方法動作114において目標メディアプレーヤーが受信したウェイポイントを含む。さらに、コンテンツ識別子をコンテンツソースに通信することができる。したがってコンテンツソースは、コンテンツ要求と共にウェイポイントを受信し、ウェイポイントに含まれた情報に基づいて、要求されたコンテンツを処理してメディアクリップを生成する。このように、コンテンツソースはデジタルコンテンツの選択内容全体ではなく、実際のメディアクリップを表すデータのみを提供またはストリームする。したがって、コンテンツ要求を通信した後、方法動作120において目標メディアプレーヤー装置は要求されたコンテンツ、この場合は方法動作114で受信したウェイポイントによって定義されたメディアクリップを受信する。最後に方法動作122において、目標メディアプレーヤー装置は受信したメディアクリップを提示または再生する。コンテンツソースからのメディアクリップの取得が、プリフェッチ動作の一部であった場合、ユーザのメディアクリップの再生要求に応えてメディアクリップが方法動作122において提示される。または、前にユーザが行ったメディアクリップの再生要求に応えてメディアクリップが取得された場合、メディアクリップはコンテンツソースを介して受信され、方法動作122において提示される。ビデオクリップは、メディアプレーヤー装置に備えられた表示装置または取り付けられた表示装置で提示されるであろう。同様に、オーディオクリップは、目標メディアプレーヤー装置に取り付けられたスピーカーを介して再生されるであろう。
【0039】
メディアクリップを共有する他の方法において、識別されたかまたは選択されたコンテンツソースに対して行われたコンテンツ要求は、例えば方法動作114において受信されたウェイポイントを含まない。代わりに、目標メディアプレーヤー装置からコンテンツソースに通信されたコンテンツ要求は、メディアクリップが生成されるデジタルメディアコンテンツの選択内容を識別する。コンテンツ要求の受信に応えて、コンテンツソースはデジタルメディアコンテンツの識別された選択内容を提供する。デジタルメディアコンテンツを受信した場合、目標メディアプレーヤー装置は受信したデジタルメディアコンテンツを処理し、ウェイポイントの情報に基づいてメディアクリップを生成する。一旦生成されると、メディアクリップを即座に提示することができ、または要求されるまで格納することができる。
【0040】
本明細書において説明した方法例の様々な動作を、少なくとも部分的に、該当する動作を実行するために(例えばソフトウェアによって)一時的または永続的に構成された一つ以上のプロセッサによって実行することができる。一時的または永続的に構成されたかどうかにかかわらず、このようなプロセッサを、一つ以上の動作または機能を実行するプロセッサによって実現されるモジュールで構成することができる。したがって、本明細書において言及されたモジュールは、いくつかの実施例において、プロセッサによって実現されるモジュールを備えることができる。
【0041】
同様に本明細書において説明した方法を、少なくとも部分的にプロセッサによって実現することができる。例えば方法の少なくとも一部の動作が、一つ以上のプロセッサまたはプロセッサによって実現されるモジュールによって実行されてよい。単一のマシン内だけでなく多数のマシンにわたって展開された前記一つ以上のプロセッサ間で、ある動作の実行が分散されてよい。いくつかの実施例において、前記一つまたは複数のプロセッサを一つの場所(例えば家庭環境、会社環境またはサーバーファーム)に配置することができる。他の実施例においては、前記プロセッサを多数の場所に渡って分散することができる。
【0042】
前記一つ以上のプロセッサは、“クラウドコンピューティング”環境における該当動作、または“サービスとしてのソフトウェア(SaaS)”におけるサービスとして動作してもよい。例えば、少なくとも動作の一部を一群のコンピュータ(例えばプロセッサを含むマシン)によって実行してよく、これらの動作はネットワーク(例えばインターネット)および一つ以上の適切なインターフェース(例えばアプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0043】
図7は、本明細書において説明した方法のいずれか一つ以上をマシンに実行させる命令セットが実行されてよいコンピュータシステムの形態をしたマシンのブロック図である。いくつかの実施例において、前記マシンをスタンドアロン装置として動作させるか、または他のマシンに接続することができる(例えばネットワーク化することができる)。ネットワーク化において、前記マシンはサーバー・クライアントネットワーク環境におけるサーバまたはクライアントマシン、またはピア・ツー・ピア(または分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作することができる。前記マシンはパソコン(PC)、タブレットPC、サーバ、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチあるいはブリッジ、またはそのマシンによって行われる動作を指定する(シーケンシャルまたはその他の)命令を実行することのできる任意のマシンであってよい。また、一つのマシンのみを図示しているが、用語“マシン”は、個々または共同して一つ(または複数)の命令セットを実行するマシンの任意の集合も含むとして解釈されるべきである。
【0044】
実例コンピュータシステム200はプロセッサ202(例えば中央処理装置(CPU)、図形処理装置(GPU)または両方)、メインメモリ201およびスタティックメモリ206を含み、それらの構成要素はバス208を介して相互に通信する。コンピュータシステム200は表示ユニット210、英数字入力装置(例えばキーボード)およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーション装置214(例えばマウス)をさらに含んでよい。一実施例において、表示装置、入力装置とカーソルコントロール装置はタッチスクリーンディスプレイである。コンピュータシステム200は記憶装置(例えばドライブユニット216)、信号生成装置218(例えばスピーカー)、ネットワークインターフェース装置220、およびGPSセンサー、コンパス、加速度計または他のセンサーなどの一つ以上のセンサーをさらに含んでよい。
【0045】
ドライブユニット216は、本明細書において説明した方法または機能の任意の一つ以上を実現するかそれらによって使用される、一つ以上の命令セットとデータ構造体(例えばソフトウェア223)が記憶される、マシンが読み取り可能な媒体222を含む。コンピュータシステム200によって実行されている間、ソフトウェア223はその全体または少なくとも一部がメインメモリ201、及び・又は、プロセッサ202に存在してよく、前記メインメモリ204および前記プロセッサ202はマシンで読み取り可能な媒体も構成する。
【0046】
マシンが読み取り可能な媒体222を、一実施例においては単一の媒体として図示するが、用語“マシンが読み取り可能な媒体”は、前記一つ以上の命令を記憶する一つまたは複数の媒体(例えば集中または分散データベース、及び・又は、関連するキャッシュとサーバ)を含んでよい。また、用語“マシンが読み取り可能な媒体”は、マシンによって実行される命令であって本発明の任意の一つ以上の方法をマシンに実行させる命令を記憶、符号化または伝搬可能であるか、またはこのような命令に利用されるか関連するデータ構造体を記憶、符号化または伝搬可能な任意の有形の媒体を含むと解釈されるべきである。したがって、用語“マシンが読み取り可能な媒体”は、ソリッドステートメモリ、および光学と磁気媒体を含むとして解釈されるべきであるが、これらに限定されない。マシンが読み取り可能な媒体の具体例は、例えばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリ装置等の半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクと取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む不揮発性メモリを含む。
【0047】
ソフトウェア223を、多数の既知の転送プロトコル(例えばHTTP)のいずれか一つを使用するネットワークインターフェース装置220を介し、伝送媒体を使用して通信ネットワーク226を介してさらに送信または受信することができる。通信ネットワークは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、携帯電話網、POTSネットワーク、および無線データネットワーク(例えばWiFi(登録商標)およびWiMAX(登録商標)ネットワーク)を含む。用語“伝送媒体”は、マシンによって実行される命令を記憶、符号化または伝搬可能な任意の無形媒体を含むとして解釈されるべきであり、このようなソフトウェアを通信しやすくするデジタルまたはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む。
【0048】
図8は、本明細書において説明した本発明の主題のある局面が展開されてよい対話型テレビ環境の例を示す図である。対話型テレビ環境310は、データ(例えばデジタルメディアコンテンツの選択内容、テレビコンテンツデータ、及び・又は、対話型アプリケーションデータ)を、配信ネットワークまたはシステム314と変調器ボックス370を介して受信システム316に通信するソースシステム312を含む。いくつかの実施例に共通するが、ソースシステム312はメディアプレーヤー装置から受信したウェイポイントを処理して他のメディアプレーヤー装置に通信されその装置上で提示されるメディアクリップを選択および連結することができる。一実施例において対話型テレビ環境310は、記憶したデータをネットワーク374を介して変調器ボックス370に通信する記憶ユニット372(例えばパソコン)をオプションとして含む。そして変調器ボックス370は、前記記憶したデータ、テレビコンテンツデータおよび対話型アプリケーションデータを受信システム316に通信する。変調器ボックス370、記憶ユニット372および受信システム316は、通常は購入者の家に共に配置されている。したがって、一実施例において、変調器ボックス370は、リモートソースシステム312から受信したテレビコンテンツデータおよび対話型アプリケーションデータと、加入者の家に備えられた記憶ユニット372によって提供されるローカル記憶データとを合成することができる。
【0049】
最初にソースシステム312において、例示されたヘッドエンドシステム318が放送送信としてデータを通信する。このために、ヘッドエンドシステム318が一つ以上の放送サーバ320、およびオプションとして一つ以上のアプリケーションサーバ322を含むとして図示する。各放送サーバ320は様々な種類のデータを様々なソースから受信、符号化、パケット化、多重化、変調および放送することができる。本明細書において記述する実施例を、ヘッドエンドシステム318から放送としてデータを送信するとして説明するが、該当データを配信システム314と変調器ボックス370を介してソースシステム312から受信システム316にユニキャストまたはマルチキャストできるであろうことが理解されるであろう。様々な実施例においては、ネットワーク接続を介してソースシステム312から受信システム316にデータを送信することもできるであろう。いくつかの実施例に共通であるが、ケーブルネットワーク、衛星放送ネットワーク、またはデータネットワーク(例えばインターネット等)、またはこれらの組み合わせを介してコンテンツを受信することができる。放送サーバ320の例を、図9を参照しながらさらに詳細に以下に述べる。
【0050】
各アプリケーションサーバ322は、対話型データモジュールをコンパイルして放送サーバ320に提供することができる。対話型データモジュールは、対話型テレビアプリケーションによって使用されるデータを含むことができる。アプリケーションサーバ322は、例えば対話型テレビアプリケーションおよび関連するデータを、様々なソースから受信したオーディオ・ビデオ信号に多重化することが可能な多重化機能を含むことができる。アプリケーションサーバ322は、複数の対話型テレビアプリケーションを受信システム316に配信するために一つ以上の放送サーバ320に与える(例えばストリーム)する機能も持つことができる。このために、各アプリケーションサーバ322は、いわゆる“回転ラック”を実現してよく、これによりヘッドエンドシステム318からの送信にコードとデータモジュールが周期的に繰り返し含まれて放送サーバ320に提供される。
【0051】
ヘッドエンドシステム318が例えば、アプリケーションサーバ322とモデムプール326に接続された一つ以上のバックエンドサーバ324を含むとしてさらに図示する。具体的には、モデムプール326を、ネットワーク328(例えばインターネット)を介して受信システム316からデータを受信しこのデータをバックエンドサーバ324に提供するように接続する。そしてバックエンドサーバ324は、受信システム316から受信したデータをアプリケーションサーバ322と放送サーバ320に提供することができる。したがって、ネットワーク328とモデムプール326がリターンチャネルとして動作し、これにより受信システム316がソースシステム312と対話できるようになる。リターンチャネルを介してヘッドエンドシステム318に提供されるデータは、例えば、受信システム316において実行される対話型テレビアプリケーションへのユーザ入力、または受信システム316によって生成されソースシステム312に通信されるデータを含むことができる。リターンチャネル330は通信路も提供し、これによりソースシステム312から番組、目標とされる広告・コマーシャル、およびアプリケーションが受信システム316に提供される。
【0052】
ソースシステム312内において、ヘッドエンドシステム318が、データ(例えばコンテンツ、コードおよびアプリケーションデータ)を外部ソースからオプションとして受信するとしてさらに示す。例えば図8は、ヘッドエンドシステム318がネットワーク336(例えばインターネット)を介して一つ以上のコンテンツソース332および一つ以上のアプリケーションソース334に接続されるとして示す。例えば、コンテンツソース332は娯楽コンテンツ(例えば映画)のプロバイダ、リアルタイム動的データ(例えば天気情報)、目標とされる複数の広告、ゴールデンタイムに視聴される広告等のプロバイダであることができるであろう。アプリケーションソース334は任意の対話型テレビアプリケーションのプロバイダであってよい。例えば、一つ以上のアプリケーションソース34は、TVメディアプレーヤーアプリケーション、電子番組ガイド(EPG)およびナビゲーションアプリケーション、メッセージングおよび通信アプリケーション、情報アプリケーション、スポーツアプリケーション、またはゲームおよびゲームアプリケーションを提供することができる。
【0053】
次に配信システム314において、配信システム314は一実施例において、ソースシステム312から受信システム316へのデータの放送配信をサポートすることができる。図示したように、配信ネットワークまたはシステム314は衛星、ケーブル、地上波、またはデジタルサブスクライバーライン(DSL)ネットワーク、または任意の他のデータ通信ネットワーク、またはこれらネットワークの組み合わせを備えることができる。
【0054】
受信システム316を、一実施例において、配信システム310と変調器ボックス370を介してデータを受信するセットトップボックス(STB)338、およびヘッドエンドシステム318とリターンチャネル通信するためのモデム340を含むとして図示する。ユーザ入力装置343(例えばキーボード、リモートコントロール、マウス等)、およびセットトップボックス338において受信したコンテンツを表示するための、セットトップボックス338に接続された表示装置342等の、オプションとしての他の外部システムを含むとして受信システム316をさらに図示する。一実施例において、表示装置342はテレビセットであってよい。
【0055】
セットトップボックス338は3層のソフトウェア、すなわちオペレーティングシステム344、ミドルウェア346、およびオプションとしての一つ以上の対話型テレビアプリケーション348を実行することができる。ミドルウェア346は、様々なオペレーティングシステム544の相違、および様々なセットトップボックス338のハードウェアの相違から対話型テレビアプリケーション348を保護することができる。このために、ミドルウェア346は、対話型テレビまたは記憶されたデータアプリケーション48から受信された命令を、セットトップボックスのハードウェア(例えばモデム、インターフェースポート、スマートカードリーダー等)が理解することができる低レベルのコマンドに変換するドライバアプリケーションプログラムインターフェース(API)およびライブラリを提供することができる。
【0056】
変調器ボックス370は、一実施例においては、記憶したデータ598(図9、下方参照)を記憶ユニット372、およびソースシステム312からの放送送信から受信する。変調器ボックス370は記憶したデータ398を放送送信に多重化することによって受信システム316に通信される第二送信を生成する。しかし、記憶ユニットの機能はオプションであることが理解されるであろう。記憶ユニット372はデータを記憶し、要求に応じて記憶したデータをネットワーク374(例えばイーサネット)を介して変調器ボックス370に通信する。記憶ユニット372は、ユーザによってセットトップボックス338から入力されリンク376を介して記憶ユニット372に通信されたコマンドに応じて、記憶したデータを通信することができる。
【0057】
図9は、本発明の主題の一実施例による、放送サーバ、変調器ボックス、セットトップボックス、およびオプションとしての記憶装置の構成の詳細を示すブロック図である。具体的には図9は、モジュールの回転ラックをサポートすることができる放送サーバ420を、入力をマルチプレクサ450に提供する多数のパラレルパスを含むとして示す。各パラレルパスは、エンコーダ452およびパケタイザ454を含む。各エンコーダ452は、一つ以上のソースから入力を受信することができる。例えばエンコーダ452aを、一つ以上のアプリケーションソース434からアプリケーションデータを受信するよう接続されたアプリケーションサーバ422からストリームされたアプリケーションモジュールを受信するよう図示する。アプリケーションソース434は、ヘッドエンドシステム318の内部または外部であってよい。同様にエンコーダ452bを、ヘッドエンドシステム318の内部または外部であってよい一つ以上のコンテンツソース432からコンテンツを受信するとして図示する。
【0058】
当業者は、各放送サーバ420が、入力をマルチプレクサ450に提供する任意の数のソース(例えばアプリケーションまたはコンテンツソース434、432)に接続された任意の数のパラレルパスを含んでよいことを理解するであろう。さらに、ヘッドエンドシステム318は任意の数の放送サーバ420を展開することができる。
【0059】
各エンコーダ452は、例えばMPEG圧縮アルゴリズム等の、任意の一つ以上の数の圧縮アルゴリズムを使用してデータを符号化する。各エンコーダ452は、同期させるためにデータにタイムスタンプしてもよい。当業者は、ある種のデータタイプは符号化されずにエンコーダ452を通過または迂回し、符号化されていない状態でパケタイザ454に提供されてよい事をさらに理解するであろう。一実施例において、パケタイザ454は符号化されたデータと符号化されていないデータの両方を受信し、配信システム414(例えば放送チャネル)を介して最終的に送信される前にこれらのデータをパケットにフォーマットするように接続されてよい。
【0060】
各パケタイザ454はマルチプレクサ450にパケットを提供し、前記マルチプレクサ450は、変調器451によって変調される送信にパケットを多重化する。変調器451は、配信システム414を介して放送送信を配信する前に変調技術を使用することができる。例えば、変調器451は同軸ケーブルネットワーク設備を介してデータを通信するQPSK(4位相偏移変調)、または無線ネットワーク設備を介してデータを通信するために使用するQAM(デジタル直角位相振幅変調)技術を使用することができる。
【0061】
変調器ボックス470は、一実施例において、復調器478、マルチプレクサ480、変調器482、パケタイザ484、コンピュータシステム487を含む。復調器478は放送送信を受信して復調し、復調されたデータはマルチプレクサ480に通信され、そして上記の変調技術を使用して変調する変調器482に通信され、セットトップボックス438に通信される。コンピュータシステム487は、通信モジュール488を含む変調器アプリケーション486を実行することができる。通信モジュール488は、アプリケーションデータとコンテンツデータの形態で記憶されたデータ498を含むデータモジュールを記憶ユニット472から受信することができる。アプリケーションデータは、セットトップボックス438上でコンピュータシステム464によって実行されてよい実行可能アプリケーションを含む。コンテンツデータは、セットトップボックス438に接続された表示装置442上で表示されてよい英数字、画像、ビデオ・オーディオデータを含む。パケタイザ484はデータモジュールをパケット化し、記憶されたデータ498を含むパケットのストリームと放送送信におけるパケットの複数のストリームとを多重化するマルチプレクサ480にパケットを通信する。
【0062】
記憶ユニット472(例えばパソコン)はコンピュータシステム490、記憶装置494、エンコーダ492を含む。コンピュータシステム490は、セットトップボックス438を操作するユーザによって入力されたコマンドを受信し処理する記憶装置メディアプレーヤーアプリケーション(SDMPA)を含むことができるアプリケーション491(例えばオペレーティングシステム、ワードプロセッサー等)を実行することができる。SDMPAは、記憶装置494上のデータベース496に存在する、例えばファイルの形態で記憶されたデータ498を要求するユーザからコマンドを受信することができる。前記コマンドの受信に応えて、SDMPAはデータモジュールの形態における要求されたファイルを変調器ボックス470に通信するよう記憶ユニット472に対して指示することができる。そして変調器ボックス470は、前記データモジュールをセットトップボックス438に通信する。エンコーダ492は、例えばMPEG圧縮アルゴリズム等の、任意の一つ以上の圧縮アルゴリズムを使用してデータを符号化する。エンコーダ492は、同期させるためにデータをタイムスタンプしてもよい。ただしある種のデータタイプは符号化されずにエンコーダ492を通過または迂回し、符号化されていない状態で変調器ボックス470に提供されてよいことが理解されるであろう。
【0063】
実例受信システム16のセットトップボックス538は、配信システム414を介してヘッドエンドシステム418から送信された放送送信を受信するために、ネットワーク入力(例えばモデム)、ケーブル入力、衛星アンテナ、またはアンテナに接続されるマルチプレクサボックス470に接続されてよい。放送送信は、セットトップボックス438上の入力456(例えば受信機、ポート等)に提供される送信を生成する変調器ボックス470に与えられてよい。前記入力456が受信機を備える場合、その入力456は例えば、前記送信が通信されるチャネルを選択する(図示されない)チューナを含むことができる。そしてパケット化された送信が、送信信号を構成するアプリケーションとコンテンツデータを分離するデマルチプレクサ458に前記入力456から与えられる。例えば、デマルチプレクサ458はコンテンツデータをオーディオ・ビデオデコーダ560に提供し、アプリケーションデータをコンピュータシステム464に与えてよい。オーディオ・ビデオデコーダ460はコンテンツデータを、例えばテレビ信号に復号する。例えばオーディオ・ビデオデコーダ460は受信したコンテンツデータを、NTSC、PAL、またはHDTV信号等の適切なテレビ信号に復号することができる。そして復号されたテレビ信号は、オーディオ・ビデオデコーダ460から表示装置442に提供される。
【0064】
プロセッサとメモリを含み得るコンピュータシステム464は、(例えばソースシステム412から発信される)一つ以上の対話型テレビアプリケーション、および(例えば記憶ユニット472から発信される)一つ以上の記憶されたデータアプリケーションを、デマルチプレクサ458によって提供されたアプリケーションデータから再構築する。アプリケーションデータは、アプリケーション448によって使用されるアプリケーションコードまたはアプリケーション情報の双方を含むことができる。コンピュータシステム464は、アプリケーション448の再構築に加え、このようなアプリケーション448を実行してセットトップボックス438に一つ以上の動作を行わせる。例えば、コンピュータシステム487は表示装置442に信号を出力することができる。例えば、コンピュータシステム464からのこの信号が、オーディオ・ビデオデコーダ460から表示装置442に与えられた信号の結果生成された画像上に重畳される画像またはグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を構成することができる。ユーザがセットトップボックス438に入力できるように、ユーザ入力装置443(例えばキーボード、リモートコントロール、マウス、マイク、カメラ等)が入力456に接続されているとして図示する。このような入力は、例えば英数字、オーディオ、ビデオ、またはコントロール(ユーザインターフェースで提示されたオブジェクトの操作)入力であってよい。
【0065】
また、コンピュータシステム464は、コンピュータシステム564がデコーダ460を制御できるようにオーディオ・ビデオデコーダ460に接続されるものとして図示される。また、コンピュータシステム464は、コンピュータシステム464が合成した信号を表示装置442に供給することができるように、デコーダ560からのオーディオまたはビデオ信号を受信し、この受信した信号を生成した信号と合成することができる。
【0066】
また、コンピュータシステム464は、例えば、セットトップボックス438がリターンチャネル430を介して出力データを、例えばヘッドエンドシステム448等の外部システムに供給できるような(例えば送信機、出力ポート等の)出力466に接続されるものとして図示される。このために、前記出力466は、受信システム416のモデム440に接続されるものとして図示される。
【0067】
受信システム416が、表示装置442に連結されたセットトップボックス438を備えるものとして図8と9に示されているが、受信システム416の構成要素は一つの装置(例えばコンピュータシステム)に統合され得る、または多数の独立したシステム間に分散させることができるであろう。例えば、別個の受信システム416は、表示装置442に連結されるセットトップボックス438に入力を与えることができる。
【0068】
一つの実施例が特定の実用実施例群を参照しながら説明されてきたが、本発明のより広い趣旨と範囲から逸脱することなく、これらの実施例に様々な修正と変更を加えてよいことは明らかであろう。したがって、本明細書と図面は、限定的ではなく例証的な意味としてみなされるべきである。本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の主題が実施されてよい特定の実施例を示しているが、これらに限定するものではない。当業者が本明細書において開示された教唆を実施できるように、例証した実施例の詳細を十分に説明している。本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的置換と変更を行えるように、他の実施例を使用し派生させてよい。したがって、この詳細な説明は限定した意味に解釈されるべきではなく、様々な実施例の範囲は、添付の請求項に対して権利化された同等物の全範囲を伴って、これらの請求項によってのみ定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一メディアプレーヤー装置においてデジタルメディアコンテンツの選択内容を提示している間に、第一ウェイポイントを設定する第一要求および第二ウェイポイントを設定する第二要求の検出に応えて、前記第一および第二ウェイポイントを生成し、前記第一および第二ウェイポイントは、メディアクリップの起点と終点を共に定義するウェイポイントペアを形成し、
前記ウェイポイントペアを第二メディアプレーヤー装置に送信する要求の検出に応じて、前記ウェイポイントペアが関連する前記デジタルメディアコンテンツの選択内容を識別するデジタルコンテンツ識別子と共に、前記ウェイポイントペアを前記第二メディアプレーヤー装置に送信する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第一および第二ウェイポイントは、前記デジタルメディアコンテンツの選択内容の時点に対して、メディアクリップの前記起点と終点を定義する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
前記ウェイポイントペアおよび前記コンテンツ識別子と共にコンテンツソース識別子を前記第二メディアプレーヤーに送信し、前記コンテンツソース識別子は、前記デジタルメディアコンテンツの選択内容を要求されることができるコンテンツソースを識別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一メディアプレーヤー装置はセットトップボックスであり、第一ウェイポイントを設定する第一要求および第二ウェイポイントを設定する第二要求の検出は、前記セットトップボックスの制御に使用されるリモートコントロール装置を介して生成された信号の検出を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
ウェイポイントを設定する前記第一および第二要求の検出に続いて、前記デジタルメディアコンテンツの選択内容から更なるメディアクリップを定義する更なるウェイポイントペアを設定する更なる要求を検出し、
前記更なるウェイポイントペアを、前記コンテンツ識別子と共に前記第二メディアプレーヤー装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、
ウェイポイントを設定する前記第一および第二要求の検出に続いて、前記デジタルメディアコンテンツの一つ以上の異なる選択内容から更なるメディアクリップを定義する更なるウェイポイントペアを設定する更なる要求を検出し、
前記更なるウェイポイントペアを、前記更なるウェイポイントペアが関連するデジタルメディアコンテンツ一つ以上の異なる選択内容を識別する一つ以上の更なるコンテンツ識別子と共に前記第二メディアプレーヤー装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェイポイントペアを第二メディアプレーヤー装置に送信する要求の検出は、前記ウェイポイントペアによって定義される前記メディアクリップを表すグラフィカルユーザインタフェースエレメントの選択内容の検出、および前記ウェイポイントペアが送信される前記第二メディアプレーヤー装置に関連する人を表すグラフィカルユーザインターフェースエレメントの選択内容の検出を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第一メディアプレーヤー装置において、第二メディアプレーヤー装置からウェイポイントペアおよびコンテンツ識別子を受信し、前記ウェイポイントペアはメディアクリップの起点を定義する第一ウェイポイント、および前記メディアクリップの終点を定義する第二ウェイポイントで構成され、前記コンテンツ識別子は前記ウェイポイントペアが関連するデジタルメディアコンテンツの選択内容を識別し、
コンテンツ要求と共に、前記ウェイポイントペアと前記コンテンツ識別子をコンテンツソースに通信し、
前記ウェイポイントペアに従って前記コンテンツ識別子によって識別される前記デジタルメディアコンテンツの選択内容から抽出されたメディアクリップを表すデータを、前記コンテンツソースから受信し、
前記第一メディアプレーヤー装置において前記メディアクリップを提示する、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
さらに、
前記コンテンツ識別子によって識別されるコンテンツを要求されることのできるコンテンツソースを識別するコンテンツソース識別子を、前記第二メディアプレーヤー装置から受信し、
前記コンテンツ要求が通信される前記コンテンツソースは、前記コンテンツソース識別子によって識別される前記コンテンツソースである、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コンテンツ識別子によって識別される前記コンテンツを要求されることのできるコンテンツソースを識別するコンテンツソース識別子を、前記第二メディアプレーヤー装置から受信し、
前記コンテンツ識別子によって識別される前記コンテンツを要求されることのできる複数のコンテンツソースを表示し、前記コンテンツ識別子によって識別される前記コンテンツソースを示すために前記複数のコンテンツソースが提示され、
前記複数の表示されたコンテンツソースから一つのコンテンツソースの選択内容を受信し、前記コンテンツ要求と一緒の前記ウェイポイントペアと前記コンテンツ識別子の前記コンテンツソースへの通信は、前記コンテンツ要求の前記選択されたコンテンツソースへの通信を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
コンテンツ要求と一緒の前記ウェイポイントペアと前記コンテンツ識別子のコンテンツソースへの通信は、前記コンテンツ識別子によって識別される前記デジタルメディアコンテンツの選択内容がローカルにアクセスできないとの判別に続いて行われる、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ウェイポイントペアと前記コンテンツ識別子の受信に続いて、メディアクリップが共有されたことを示す通知を表示し、前記通知はメディアクリップを共有した人を識別する情報を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
さらに、
前記ウェイポイントペアと前記コンテンツ識別子に加えて、前記第二メディアプレーヤー装置のオーディオまたはビデオ取り込み装置で生成されたメディアクリップを前記第二メディアプレーヤー装置から受信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【公表番号】特表2013−504838(P2013−504838A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528932(P2012−528932)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/048462
【国際公開番号】WO2011/031994
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.イーサネット
【出願人】(506209916)オープンティーヴィー,インク. (14)
【氏名又は名称原語表記】OPENTV,INC.
【Fターム(参考)】