説明

デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けるための方法および装置

デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けるための方法およびカメラに関する。このカメラは、撮像ユニット、無線周波数/中間周波数(RF/IF)フロントエンドおよびメモリを含む。撮像ユニットは、デジタル写真を生成するように構成される。RF/IFフロントエンドは、衛星測位システム信号を受信し、その信号からデジタルサンプルを生成するように構成される。メモリは、RF/IFフロントエンドによって生成された一組のデジタルサンプルを、撮像ユニットによって生成されたそれぞれのデジタル写真とともに記憶するように構成される。RF/IFフロントエンドによって生成されたデジタルサンプルは、中間周波数サンプルであってもよく、同相サンプルおよび直交サンプルの両方を含んでもよい。特に、メモリは、位置データではなく、GPS信号のデジタルサンプルを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般的には、デジタル写真システムに関し、より詳細には、デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けることに関する。
【関連技術の説明】
【0002】
[0002]全地球測位システム(GPS)装置は、位置を計算するために、いくつかの衛星からの測定値を使用する。GPS装置は、通常、衛星から送信された送信信号と地球の表面上または表面の近くで受信機によって受信された受信信号との間の時間遅延を計算することによって、これらの位置を決定する。光の速度×時間遅延は、受信機から、その受信機から見える所に存在するそれぞれの衛星までの距離を提供する。
【0003】
[0003]より詳細には、商業目的に利用することのできるそれぞれのGPS信号は、1.023MHzの拡散率を有する固有の擬似ランダム雑音(PN)コード(粗捕捉(C/A)コードと呼ばれる)によって定義される直接拡散スペクトル拡散信号を使用する。それぞれのPNコードは、1575.42MHzの搬送波信号(L1搬送波と呼ばれる)を2値位相変調し、特定の衛星を固有に識別する。PNコード系列長は、1023個のチップであり、1ミリ秒の時間に対応する。1023個のチップからなる1サイクルは、PNフレームまたはPNエポックと呼ばれる。
【0004】
[0004]信号の送信と受信との間の時間遅延は、受信されたPNコード信号系列と内部生成されたPN信号系列との時刻シフトを比較することによって、決定されてもよい。これらの測定された時間遅延は、「サブミリ秒擬似距離」と呼ばれる。なぜなら、これらは、1ミリ秒のPNフレーム境界を法とする既知のモジュロであるからである。それぞれの衛星ごとの、それぞれの遅延に対応する整数のミリ秒を解くことによって、真の曖昧でない擬似距離が得られる。4つで一組の擬似距離は、GPS信号の送信の既知の絶対時刻とこれらの絶対時刻に関連する既知の衛星位置とを組み合わせれば、GPS装置の位置を決定するのに十分なものである。
【0005】
[0005]したがって、GPS衛星のそれぞれは、衛星航法メッセージとして既知である衛星軌道およびクロックデータのモデルを放送する。衛星航法メッセージは、50ビット/秒(bps)のデータストリームであり、それは、PNフレームの開始点に整合されたビット境界を備えるPNコードにモジュロ2加算される。20個のPNフレーム/データビット期間(20ミリ秒)が、正確に存在する。衛星航法メッセージは、「エフェメリス」データとして知られている衛星測位データを含み、それは、衛星およびこれらの軌道、さらには、衛星信号に関連する絶対時刻情報(本明細書では、「GPS時刻」または「タイムオブデイ」とも呼ばれる)を識別する。絶対時刻情報は、タイムオブウィーク(TOW)と呼ばれる秒からなるウィーク信号の形を有する。この絶対時刻信号は、受信されたそれぞれの信号がいつそれぞれの衛星によって送信されたかに関する時刻タグを受信機が曖昧さを伴うことなく決定するのを可能にする。
【0006】
[0006]GPS衛星は、約3.9km/sで移動し、したがって、地球から観測される衛星の距離は、最大で±800m/sの割合で変化する。絶対タイミング誤差は、タイミング誤差のミリ秒ごとに最大で0.8mの距離誤差を発生させる。これらの距離誤差は、GPS受信機位置において同様の大きさの誤差をもたらす。したがって、10msの絶対時刻精度は、約10mの位置精度を得るには十分なものである。10msよりもかなり大きな絶対時刻誤差は、大きな位置誤差を発生させ、そのために、典型的なGPS受信機は、約10ミリ秒の精度かまたはそれよりも良好な絶対時刻を必要としてきた。
【0007】
[0007]GPS測位に密接に関係する別の時刻パラメータは、サブミリ秒擬似距離を測定するのに使用される時刻基準におけるサブミリ秒オフセットである。このオフセットは、すべての測定値に等しく悪影響を及ぼし、この理由から、それは、「共通モード誤差」として知られている。共通モード誤差は、絶対時刻誤差と混同されてはならない。上述したように、1ミリ秒の絶対時刻誤差は、最大で0.8メートルの距離誤差をもたらし、1マイクロ秒の絶対時刻誤差は、1ミリメートル以下のほとんど観測できない距離誤差をもたらす。しかしながら、1ミリ秒の共通モード誤差は、1ミリ秒×光の速度の擬似距離誤差(すなわち、300メートル)を発生させる。共通モード誤差は、擬似距離の計算に大きな影響を及ぼし、現実面において、共通モード誤差を較正するのは極めて難しい。このようなものとして、伝統的なGPS受信機は、十分な数の擬似距離が特定の受信機において測定されると、位置とともに決定されなければならない未知数として共通モード誤差を取り扱う。
【0008】
[0008]GPSの出現とともに、位置決定能力をデジタルカメラのような様々な携帯用電子機器に組み込むことが、強く要求されている。伝統的なGPS受信機は、位置を決定するために、デジタルカメラに結合されてきた。しかしながら、このようなGPS受信機は、デジタルカメラの位置を突き止めるのに使用される。位置決定処理は、時間がかかり、かつ、デジタルカメラ内において大規模な処理を必要とする。
【0009】
[0009]したがって、デジタルカメラにおいて位置を突き止めることなくデジタル写真に地理的位置を記述したタグを付ける方法および装置が、当分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
[0010]デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けるための方法および装置が説明される。一実施形態においては、デジタルカメラは、撮像ユニット、無線周波数/中間周波数(RF/IF)フロントエンド、およびメモリを含む。撮像ユニットは、デジタル写真を生成するように構成される。RF/IFフロントエンドは、衛星測位システム信号を受信し、その信号からデジタルサンプルを生成するように構成される。メモリは、RF/IFフロントエンドによって生成された一組のデジタルサンプルを、撮像ユニットによって生成されたそれぞれのデジタル写真とともに記憶するように構成される。RF/IFフロントエンドによって生成されたデジタルサンプルは、中間周波数サンプルであってもよく、また、同相サンプルおよび直交サンプルの両方を含んでもよい。特に、メモリは、位置データではなく、GPS信号のデジタルサンプルを記憶する。デジタルGPSサンプルは、位置データを生成するために、コンピュータのようなオフライン処理ユニットによって処理されてもよい。
【0011】
[0011]本発明の上述した特徴を詳細に理解できるように、上で簡単に説明された本発明のより詳細な説明が、実施形態を参照してなされ、これらの実施形態のいくつかは、添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、本発明の例示的な実施形態のみを示し、したがって、これらは、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことに注意されたい。なぜなら、本発明には、同等の効果を有するその他の実施形態が含まれるからである。
【0012】
[0018]理解を容易にするために、可能な限り、同一の符号が、図面を通して共通する同一の構成要素を示すのに使用される。
【発明の詳細な説明】
【0013】
[0019]デジタル写真に地理的位置を記述したタグを付けるための方法および装置が説明される。本発明の1つ以上の態様が、デジタルスチール写真を撮ることのできるデジタルカメラに関して説明される。しかしながら、当業者には、本発明がデジタルビデオカメラなどのような、その他の種類のデジタルカメラとともに使用されるように適合されてもよいことがわかる。
【0014】
[0020]図1は、本発明の1つ以上の態様に基づいて構成された例示的な実施形態によるデジタルカメラ100を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、撮像ユニット102、制御ユニット104、メモリ106、データポート108、クロック110、GPSフロントエンド112、アンテナ116、およびユーザインタフェース114を含む。撮像ユニット102のデータおよび制御インタフェースは、制御ユニット104に結合される。撮像ユニット102は、電子画像データを生成する一般的な電荷結合素子(CCD)アレイを備えてもよい。GPSフロントエンド112のデータおよび制御インタフェースは、制御ユニット104に結合される。GPSフロントエンド112は、アンテナ116を介して受信されたGPS信号のデジタルサンプルを生成する。例示的な実施形態によるGPSフロントエンド112が図2に示される。制御ユニット104は、マイクロプロセッサー、命令セットプロセッサー(例えば、マイクロコントローラ)、または、当分野において既知であるこれらに類似する種類の処理エレメントを備えてもよい。あるいは、制御ユニット104は、ディスクリート回路、特定用途向け集積回路(ASIC)のような集積回路(IC)に内蔵されたロジック、または、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラマブルロジックデバイス(PLD)内において構成されたロジックを備えてもよい。
【0015】
[0021]制御ユニット104のインタフェースは、データポート108、ユーザインタフェース114、およびメモリ106に結合される。データポート108は、制御ユニット104を介してメモリ106へ外部からアクセスすることを提供するように構成される。あるいは、データポート108は、メモリ106に直接にアクセスするように構成されてもよい。いずれの場合においても、データポート108は、シリアルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394FireWireポート、赤外線ポート(例えば、赤外線通信協会(IrDA)ポート)、および無線周波数(RF)ポート(例えば、BLUETOOTHポート)のような当分野において既知である様々な有線通信ポートまたは無線通信ポートのいずれかから構成されてもよい。ユーザインタフェース114は、デジタルカメラ100のユーザからコマンドを受信するように構成される。特に、ユーザインタフェース114は、デジタル写真を撮ることを引き起こすためのシャッターボタン115を含む。メモリ106は、1つ以上のランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗読み込み/書き込みメモリ、光学的読み込み/書き込みメモリ、キャッシュメモリ、磁気的読み込み/書き込みメモリなどを含んでもよい。特に、メモリ106は、当分野において既知であるフラッシュメモリから構成されてもよい。
【0016】
[0022]動作中、ユーザインタフェース114によって生成された命令データが、制御ユニット104によって受信される。命令データに応じて、制御ユニット104は、制御信号を撮像ユニット102およびGPSフロントエンド112の制御インタフェースに結合する。命令データは、デジタル写真を撮るために、撮像ユニット102に特有の命令を備えてもよく、あるいは、GPS信号のデジタルサンプルを捕獲するために、GPSフロントエンド112に特有の命令を備えてもよい。あるいは、命令データは、撮像ユニット102にデジタル写真を撮らせ、かつ、GPSフロントエンド112にGPS信号のデジタルサンプルを捕獲させる単一命令を備えてもよい。例えば、シャッターボタン115の作動は、撮像ユニット102がデジタル写真を撮ること、およびGPSフロントエンド112がGPS信号を捕獲することを引き起こしてもよい。
【0017】
[0023]デジタル写真を定義する電子画像データは、撮像ユニット102のデータインタフェースおよび制御ユニット104を介してメモリ106内に記憶される。あるいは、電子画像データは、撮像ユニット102からメモリ106に直接に結合されてもよい。GPS信号のデジタル信号サンプルは、GPSフロントエンド112のデータインタフェースおよび制御ユニット104を介してメモリ106内に記憶される。あるいは、デジタル信号サンプルは、GPSフロントエンド112からメモリ106内に直接に記憶されてもよい。
【0018】
[0024]図2は、図1のGPSフロントエンド112の例示的な実施形態を示すブロック図である。GPSフロントエンド112は、例として、増幅器203、同調器204、発振器208、フィルター段210、アナログ−デジタル(A/D)変換器206、およびサンプルクロック212を備える。増幅器203の入力インタフェースは、アンテナ116に結合される。増幅器203の出力インタフェースは、同調器204に結合される。増幅器203は、同調器204によって処理される前に、アンテナ116によって受信されたGPS信号を増幅するように構成される。増幅器203は、例えば、低雑音増幅器(LNA)から構成されてもよい。
【0019】
[0025]同調器204の別の入力インタフェースは、発振器208の出力インタフェースに結合される。同調器204は、発振器208によって生成された局部発振器(LO)信号に応じて、GPS信号を中間周波数(IF)に周波数シフト(ダウンコンバート)する。一実施形態においては、同調器204は、同相(I)出力信号および直交(Q)出力信号の両方を生成する直交混合器を備えてもよい。あるいは、同調器204は、狭帯域出力信号を生成してもよい。発振器208は、温度補償水晶発振器(TCXO)のような当分野において既知であるいかなる種類の発振器から構成されてもよい。
【0020】
[0026]同調器204の出力インタフェースは、フィルター段210の入力インタフェースに結合される。フィルター段210は、同調器204によって生成されるDC成分および虚像成分を除去するために、高域通過フィルターと低域通過フィルターとを組み合わせたもの(または、帯域通過フィルター)を備えてもよい。フィルター段210の出力インタフェースは、A/D変換器206の入力インタフェースに結合される。A/D変換器206の別の入力インタフェースは、サンプルクロック212に結合される。A/D変換器206は、サンプルクロック212によって生成されたサンプルクロック信号に応じて、同調器204によって生成された出力信号(1つかまたは複数)をデジタル化する。例えば、A/D変換器206は、IデジタルサンプルおよびQデジタルサンプルの両方を生成してもよい。あるいは、A/D変換器206は、狭帯域サンプルを生成してもよい。本発明の一実施形態においては、A/D変換器206は、生成されたサンプルごとにマルチビット量子化を使用する。例えば、A/D変換器206は、2ビットのサンプルを生成してもよい。あるいは、A/D変換器206は、1ビットバイナリー比較器から構成されてもよい。
【0021】
[0027]図1に戻ると、制御ユニット104からの制御信号に応じて、GPSフロントエンド112は、一組のデジタル信号を生成するために、特定の時間にわたってデジタルサンプルを捕獲するように構成されてもよい。時間は、予め定義されてもよく(デフォルトの時間)、あるいは、制御ユニット104からの制御信号を介して設定されてもよい(例えば、ユーザが選択した時間)。例えば、GPSフロントエンド112は、数百ミリ秒(例えば、250ミリ秒)のデータを捕獲してもよい。デジタルサンプルのそれぞれの組は、撮像ユニット102によって撮られたデジタル写真に対応づけられてもよい。したがって、メモリ106は、デジタル写真と一組のデジタルサンプルとからなる対を記憶してもよい。特に、GPSフロントエンド112は、GPS信号のサンプルを生成するだけであり、デジタルカメラ100の位置を突き止めることはしない。位置を突き止めるために、GPSフロントエンド112によって生成されたサンプルは、その後に、コンピュータのようなオフライン処理装置によって処理されてもよい。
【0022】
[0028]クロック110は、タイムオブデイを追跡するように構成され、GPSフロントエンド112によって生成されたデジタルサンプルの組ごとに時刻タグを提供するのに使用されてもよい。例えば、クロック110は、リアルタイムクロック(RTC)であってもよい。一実施形態においては、クロック110は、おおよそのタイムオブデイを提供するように構成される。例えば、クロック110は、2秒以下かまたはそれよりも良い精度でGPS時刻を追跡してもよい。クロック110は、コンピュータのようなオフライン処理装置によって定期的に較正されてもよい。以下で説明するように、時刻タグを付けられたデジタルサンプルの組のそれぞれは、位置結果を生成するために、コンピュータによって外部で処理されてもよい。
【0023】
[0029]図4は、本発明の1つ以上の態様に基づいて、デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けるための処理400の例示的な実施形態を示すフローチャートである。処理400の態様は、図1を参照して理解されてもよい。処理400は、ステップ402において開始する。ステップ404において、デジタル写真が、デジタルカメラ100の撮像ユニット102によって撮られる。ステップ406において、GPS信号の一組のデジタルサンプルが、デジタルカメラ100のGPSフロントエンド112によって捕獲される。GPS信号サンプルは、複素数サンプルまたは狭帯域サンプルであってもよい。ステップ404および406は、同時に実行されてもよい。ステップ408において、デジタル写真およびそれに対応する一組のデジタルサンプルは、メモリ306に記憶される。ステップ410において、さらに多くのデジタル写真が撮られるべきかどうかに関する決定がなされる。撮られるのであれば、処理400は、ステップ404に戻り、反復する。撮らないのであれば、処理400は、終了ステップ412に進む。
【0024】
[0030]図3は、ネットワーク320に接続されたコンピュータ300の例示的な実施形態を示すブロック図である。コンピュータ300は、図1のデジタルカメラ100内に記憶されたデータを処理するのに適したものである。コンピュータ300は、中央演算処理装置(CPU)301、メモリ303、様々な支援回路304、およびI/Oインタフェース302を含む。CPU301は、当分野において既知であるいかなる種類のマイクロプロセッサーであってもよい。CPU301の支援回路304は、一般的なキャッシュ、電源、クロック回路、データレジスタ、I/Oインタフェースなどを含む。I/Oインタフェース302は、メモリ303に直接に結合されてもよく、あるいは、CPU301を介して結合されてもよい。I/Oインタフェース302は、ディスプレイ314に加えて、一般的なキーボート、マウス、プリンター、ディスプレイなどのような様々な入力装置312および出力装置311に結合されてもよい。
【0025】
[0031]I/Oインタフェース302は、デジタルカメラ100のデータポート108と通信する通信ポート316を含む。通信ポート316は、シリアルポート、USBポート、IEEE1394FireWireポート、赤外線ポート(例えば、IrDAポート)、およびRFポート(例えば、BLUETOOTHポート)のような当分野において既知であるいかなる種類のポートから構成されてもよい。特に、コンピュータ300は、通信ポート316を用いて、デジタルカメラ100のメモリ106からデジタル写真データおよびGPSデジタルサンプルデータを検索してもよい。また、I/Oインタフェース302は、ネットワーク320と通信する通信ポート318を含む。例えば、通信ポート318は、当分野において既知であるEthernetポートまたはそれに類似する種類のネットワークポートであってもよい。コンピュータ300は、外部支援ソース322からネットワーク320を介して衛星軌道経路データ(例えば、エフェメリスデータ、アルマナックデータなど)を検索してもよい。例えば、コンピュータ300は、ウェブサーバーからインターネットを介して衛星軌道経路データを検索してもよい。外部支援ソース322は、当分野において既知であるように、GPS衛星から放送される衛星航法メッセージからデータを収集する衛星追跡ステーションのネットワークから構成されてもよく、あるいは、衛星追跡ステーションのネットワークと通信できる状態にあってもよい。以下で説明するように、衛星軌道データは、GPSデジタルサンプルを用いて位置を突き止めるのに必要とされる。
【0026】
[0032]メモリ303は、本明細書で説明される処理および方法を実施するための1つ以上のプログラムおよび/またはデータのすべてかまたは一部を記憶してもよい。特に、メモリ303は、GPS信号のデジタルサンプルを処理し、処理されたサンプルから位置結果を生成するソフトウェア350を記憶してもよい。本発明の1つ以上の態様が、コンピュータ実行ソフトウェアプログラムとして実施されるようなものとして開示されるが、当業者には、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせたもので実施されてもよいことがわかるはずである。このような実施形態は、ASICのような様々なプログラムを独立して実行するいくつかのプロセッサーおよび専用ハードウェアを含んでもよい。
【0027】
[0033]コンピュータ300は、オペレーティングシステムとともにプログラムされてもよく、そのオペレーティングシステムは、その他の知られているプラットフォームもあるが、特に、OS/2、Java Virtual Machine、Linux、Solaris、Unix、Windows、Windows95、Windows98、WindowsNT、Windows2000、WindowsME、およびWindowsXPであってもよい。オペレーティングシステムの少なくとも一部分は、メモリ303に配置されてもよい。メモリ303は、以下で説明するような信号保持媒体に加えて、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、磁気抵抗読み込み/書き込みメモリ、光学的読み込み/書き込みメモリ、キャッシュメモリ、磁気的読み込み/書き込みメモリなどの中から1つかまたは複数を含んでもよい。
【0028】
[0034]図5は、記憶されたGPS信号サンプルから地理的位置データを計算する処理500の例示的な実施形態を示すフローチャートである。処理500は、メモリ303に記憶されたソフトウェアとして実施されてもよく、図3に示されるコンピュータ300のCPU301によって実行されてもよい。あるいは、処理500は、ハードウェア、または、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせたものとして実施されてもよい。処理500は、記憶されたGPS信号サンプル502によって開始し、そのGPS信号サンプル502は、処理のためにカメラ100から受け取られたものである。GPS信号サンプル502は、上述したように、複素数信号サンプルかまたは狭帯域サンプルであってもよい。
【0029】
[0035]ステップ504において、GPS信号サンプル502は、コード位相データ506を生成するために、相関器504によって処理される。コード位相データ506は、GPS信号サンプルによって表現されるPNコード信号系列と基準PN信号系列との間のサブミリ秒時刻シフトを備える。当分野において既知であるように、コード位相データ506は、GPS信号サンプル502によって表現されるGPS衛星までの擬似距離のサブミリ秒部分を提供する。相関処理の例示的な実施形態が、図6を参照して以下に説明される。一実施形態においては、相関器504は、コード位相データ506を計算するのを助けるために、位置推定値512を使用してもよい。特に、位置推定値512は、期待コード位相データ(すなわち、期待擬似距離データ)を生成するために、エフェメリス510とともに使用されてもよい。相関器504は、コード位相データ506を計算するとき、コード位相サーチ空間(すなわち、サーチ窓)およびそのための処理時間を減少させるために、期待コード位相データを使用してもよい。特に、コード位相サーチ窓を制限するために、相関器504は、最初に、おおよその受信機クロックバイアス(すなわち、共通モード誤差)を決定または推定しなければならない。なぜなら、このような受信機クロックバイアスは、最初は未知であるからである。当分野において周知であるように、おおよその受信機クロックバイアスは、1つかまたは2つの衛星信号からのデータを用いて推定されてもよい。
【0030】
[0036]さらに、相関器504は、相関処理を改善するために、環境データ511を受け取ってもよい。特に、環境データ511は、GPS信号サンプル502に対応する写真が屋内環境と対照して屋外環境で撮られたかどうかに関する知識を提供してもよい。相関器504は、環境データ511に応じて、コヒーレント積分時間および非コヒーレント積分時間のような相関パラメータを変化させてもよい。例えば、環境データ511が、屋内環境においてGPS信号サンプル502が捕獲されたことの指示を提供するならば、相関器504は、信号対雑音比を増加させるために、非コヒーレント積分期間を通常の期間から増加させてもよい。環境データ511は、GPS信号サンプル502に対応するデジタル写真を解析することによって得られてもよい。例えば、デジタル写真は、カメラ100が写真を撮った環境の種類を指示する照明またはその他の写真パラメータを決定するために、処理されてもよい。さらなる例においては、デジタル写真を撮るのにカメラ100のフラッシュが使用されたかどうかが、カメラ100が屋外環境と対照して屋内環境に存在したかどうかを指示するのに使用されてもよい。
【0031】
[0037]ステップ508において、コード位相データ506、エフェメリスデータ510、位置推定値512、および時刻タグデータ514が、地理的位置データ516を生成するために、位置計算器508によって処理される。エフェメリスデータ410は、当分野において既知であるような衛星軌道情報を含む。時刻タグデータ514は、GPS信号サンプル502がカメラ100によって捕獲されたおおよそのタイムオブデイを含む(例えば、クロック110によって提供される時刻タグ)。特に、カメラ100内におけるメモリの制約のために、GPS信号サンプル502は、衛星航法メッセージ内のTOWを突き止めて復号化するための十分な情報を含まなくてもよい。当分野において周知であるように、TOWを復号化するためには、少なくとも6秒のサンプルが、カメラ100によって捕獲されなければならない。しかしながら、カメラ100は、メモリ106の大きさの制約のために、1秒以下(例えば、250ミリ秒)のデータを捕獲するように構成されてもよい。
【0032】
[0038]位置推定値512は、GPS信号サンプルが捕獲されたカメラ100のおおよその位置を提供する。一実施形態においては、現在の写真に対応するGPS信号サンプル502のために、位置推定値512は、以前の写真に対応するGPS信号サンプルから計算された地理的位置データから得られてもよい。現在の写真と以前の写真との間で経過した時間長(時刻タグデータから決定される)が、以前の地理的位置データが位置推定値512に有効なおおよその位置として使用されてもよいかどうかを決定するのに使用されてもよい。あるいは、位置推定値512は、ユーザの住所または活動領域(例えば、活動している州または国)の位置であってもよい。
【0033】
[0039]一実施形態においては、ステップ508において、コード位相データ506、エフェメリスデータ510、時刻タグデータ514、および位置推定値512は、地理的位置データ516を生成するための数学的モデルを用いて処理される。特に、位置計算器508は、エフェメリスデータ510、時刻タグデータ514、および位置推定値512を用いて、擬似距離の整数部分を計算する。計算された整数部分は、完全な擬似距離を計算するために、コード位相データ506と組み合わせられる。整数ミリ秒不確定性を解くための処理は、当分野において周知である。整数ミリ秒不確定性を解くための例示的な処理は、2004年5月11日に発行された同一出願人による米国特許第6,734,821号に説明されており、この米国特許第6,734,821号は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0034】
[0040]数学的モデルは、実際の擬似距離と期待擬似距離との間の残留差分を、位置(例えば、x位置、y位置、およびz位置)および時刻(例えば、ローカルクロックバイアス(t)およびタイムオブデイ誤差(t))の更新に関連づけるのに使用される。期待擬似距離は、位置推定値512に基づくものである。一実施形態においては、数学的モデルは、以下のように定義されてもよい。
【数1】

【0035】
[0041]ここで、は、擬似距離残差(期待擬似距離と実際の擬似距離との差分)のベクトルであり、Hマトリックスは、位置更新(x、y、z)を擬似距離残差に関連づける周知の視線ベクトル(最初の3つの列)、ローカルクロックバイアス(t)を擬似距離残差に関連づける定数(光の速度c)の周知の列、およびタイムオブデイ誤差(t)を擬似距離残差に関連づけるレンジレートの列を含む。上述した数学的モデルを詳細に理解するには、同一出願人による米国特許第6,734,821号を参照されたい。ある位置に収束させるために、上述した数学的モデルが、何回か反復されてもよい。処理500は、カメラ100から検索されたGPS信号サンプルのそれぞれの組ごとに反復されてもよい。
【0036】
[0042]図6は、本発明とともに使用する相関処理600の例示的な実施形態を示すフローチャートである。ステップ602において、記憶されたGPS信号サンプルが、処理のために受け取られる。GPS信号サンプルは、上述したように、複素数サンプルかまたは狭帯域サンプルであってもよい。相関処理600は、図5に示される処理500のステップ504において使用されてもよい。処理600は、2つの主たるプロセッサー、すなわち、信号検出処理601および信号計測処理602からなる。信号検出処理601は、GPS信号およびその信号のおおよそのPNコード位相が存在するかしないかを決定する。上述したように、PNコード位相は、位置を突き止めるための擬似距離を決定するのに使用される。次いで、信号計測処理602において、PNコード位相の正確な値が決定される。
【0037】
[0043]信号検出処理601は、以下に簡単に説明するようないくつかのステップからなる。ステップ611において、第1の位相は、搬送周波数補正項を適用することを必要とする。補正を適用するために、入力サンプルは、搬送周波数補正の複素共役に等しい複素指数項を乗算される。搬送周波数補正項は、ドップラー(すなわち、衛星の移動および受信機の移動によるGPS信号の周波数における見掛け上のシフト)およびGPSフロントエンド112に固有の公称同調オフセットを補償する。
【0038】
[0044]ステップ612において、信号対雑音比(SNR)を改善するために、かつ、処理負荷を減少させるために、入力サンプルの和が、処理の前に事前に計算される。事前和処理は、GPS信号が少なくとも20個の同一エポック(それぞれのエポックは、PNコードの1サイクルからなり、20個のエポックは、衛星航法メッセージのデータビット期間である)からなることをうまく利用する。すべてのエポックを表現するただ1つの組のサンプルを提供するために、後続のエポックからなる小さなグループ内における同一相対位置において得られるサンプルの和が計算されてもよい。一実施形態においては、事前和処理は、9個のエポックからなるグループにわたって実行され、データビットがGPS搬送波上で遷移することを保証する値は、通常、事前和の量に影響を及ぼすことはない。それとは対照的に、より長い期間にわたる事前和は、データビット遷移のためにゼロとなる傾向がある。
【0039】
[0045]次いで、入力信号と既知の衛星信号との間の相関点を識別するために、畳み込み処理(マルチステップ処理620)が実行される。この畳み込みは、様々な技術によって実行されてもよいが、高速畳み込みとして一般的に知られているFFTに基づいたアプローチが、計算処理的に効率がよい。より詳細には、高速畳み込み処理620は、ステップ621において、入力サンプルのブロックにFFTを実行することによって開始する。ステップ623において、その結果は、PNコード波形622のFFTを乗算される。次いで、ステップ624において、処理600は、その積に時刻ドリフト補正626を乗算する。ステップ625において、結果の逆FFTが、所望の畳み込みを得るために計算される。計算処理的な負荷を節減するために、すべての衛星に対するPNコードのFFTは、事前に計算され、コンピュータ300のメモリ303に記憶される。
【0040】
[0046]SNRを改善するために、多くの高速畳み込みの結果の和が、非コヒーレント積分ステップ630において、個々の畳み込みの2乗振幅の和を計算することによって、計算される。その結果は、畳み込みの改善されたSNR2乗振幅推定値である。非コヒーレント積分ステップ630は、事前に和を計算されたグループ間におけるPNコードのドリフトを補償するために、個々の畳み込みが時間整合されることを必要とする。それぞれの事前和グループ間の期待時刻ドリフトが、計算されてもよい。なぜなら、期待コード周波数は、そのサーチにとって既知であるからである(コード周波数は、常に、搬送周波数の1/1540である)。時刻ドリフトは、ステップ624で時刻ドリフト補正626を適用することによって、畳み込み処理中にうまい具合に補償される。ステップ624において、畳み込みの変換領域表現が、線形位相特性を備える複素指数を乗算され、それは、畳み込み出力を時間的にシフトする作用を有する。それぞれのグループが、処理されると、ステップ626における線形位相項の傾きは、第1のグループに対するPNコードの期待時刻シフトを補償するために、増加させられる。このようにして、すべての畳み込み出力は、時間的にほぼ整合させられ、そして、和が計算される。一実施形態において、非コヒーレント積分ステップ630の長さは、環境データ(例えば、屋外と対照して屋内)を用いて決定される。例えば、非コヒーレント積分期間は、環境データがIFサンプル610が屋内環境(例えば、低いSNR環境)において捕獲されたことを指示すれば、公称期間から増加してもよい。
【0041】
[0047]非コヒーレント積分の後に、ステップ640が続き、ピーク検出が、実行され、相関ピークを得るために、非コヒーレント積分の結果が、スキャンされる。結果として得られたピークのリストが、ステップ650におけるピーク識別でさらに解析される。リストは、相関サイドローブから結果的に得られる可能性のある誤りピークを除去される。処理600の高速畳み込み技術およびピーク識別技術は、衛星のおおよその遅延値、例えば、おおよそのピーク位置を識別することだけを意図したものであることに注意されたい。より良好な精度を得るために、処理600は、信号計測処理602へ進む。信号計測処理602は、衛星の遅延値の正確な計測を実行し、例えば、正確なピーク位置が、決定される。
【0042】
[0048]信号計測処理602は、最初に記憶されたIFサンプルによって開始し、次いで、ステップ662において、ステップ611と体系的に同一である搬送波補正ステップを開始する。搬送波補正ステップの出力は、早期−晩期(E−L)相関器660に結合される。搬送波を補正されたIFサンプルは、ステップ661のPN発生器によって生成されたPN基準コードの早期バージョンおよび晩期バージョンの両方を乗算される。早期の積および晩期の積は、差が計算され、早期信号から晩期信号を引いたものが形成され、それは、いくつかのエポックにわたるサンプルに対して積算される。積算器出力の複素2乗振幅値が、ステップ673において形成され、これらの値は、ステップ675の非コヒーレント積算器において、さらに、より長い時間スパンにわたって積算される。その結果は、E−L相関をうまく平均した値である。
【0043】
[0049]E−L出力をもたらす積算は、コヒーレント和および非コヒーレント和(2乗振幅)の両方からなる。一実施形態においては、コヒーレント和間隔は、9個のエポックとして選択される。この値は、GPS航法メッセージによるデータビット遷移が平均されるときに大きな損失を発生させないことを保証できるほどに十分に短い(上の説明を参照)。さらに、コヒーレント平均化時間を制限することは、搬送波補正処理は高い精度でなければならないという要件を緩和する。
【0044】
[0050]ステップ661のPN発生器は、早期−晩期相関器660において使用される基準コードを提供する。最初に、コードオフセット、例えば、記憶された入力サンプルに対するコードの開始点が、ステップ650のピーク識別処理から結果として得られた値に設定される。ステップ663において、コード発生のレートが、数値制御コード発振器(コードNCO)によって、期待コードレートに設定される。搬送波レートおよびコードレートは、L1周波数と1.023MhzのC/Aコードチップ化レートとの比に基づいて互いに比例する。期待搬送波およびコードレートは、推定された位置およびおおよそのタイムオブデイとともにエフェメリスを用いて決定されてもよい。期待搬送波およびコードレートの精度に依存して、いくつかの候補周波数を得るために、周波数のサーチを実行すること、すなわち、様々な周波数補正のために、信号計測処理602を再試行することを必要とする可能性がある。
【0045】
[0051]E−L相関の平均値は、PNコード発生器を入力信号により良好に整合させるために、NCOの位相を更新するのに使用される。最良の整合が、達成されると、E−L相関器出力値は最小となる。NCOの位相更新は、E−L相関器出力値が許容できる小さなレベル(すなわち、ステップ680におけるしきい値)に達するまで、反復する形で継続する。しきい値に達してしまえば、ステップ665において生成された遅延推定値が、ステップ690において出力されたPNコード位相の最終的な値とみなされる。別の実施形態においては、E−L相関ではなく、遅延推定値が、相関応答を横切る一組の相関値を決定することによって、かつ、データに最も良好に一致する応答三角形を微細化するために(すなわち、応答三角形のピークが、真の遅延の推定値である)、曲線近似処理を実行することによって、計算されてもよい。GPS信号処理をより詳細に理解するためには、2002年9月17日に発行された同一出願人による米国特許第6,453,237号を参照されたい。この米国特許第6,453,237号は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0046】
[0052]これまでの説明において、本発明が、米国全地球測位システム(GPS)への応用を参照して説明された。しかしながら、これらの方法は、類似する衛星システム、特に、ロシアGLONASSシステム、欧州GALILEOシステム、これらのシステムを互いに組み合わせたもの、およびこれらのシステムをGPSに類似する信号を提供する広域補強システム(WAAS)およびSBASのような類似する信号を提供するその他の衛星と組み合わせたものに同等に適用できることは明らかなことである。本明細書で使用される「GPS」という用語は、ロシアGLONASSシステム、欧州GALILEOシステム、WAASシステム、およびSBASシステム、さらに、これらを組み合わせたものを含めて、このような代替の衛星測位システムを含む。
【0047】
[0053]上述したことは、本発明の実施形態を説明することを意図したものであり、本発明のその他のおよびさらなる実施形態が、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく工夫されてもよく、本発明の範囲は、特許請求の範囲に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の1つ以上の態様に基づいて構成されたデジタルカメラの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1のGPSフロントエンドの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図3】図1のデジタルカメラ内に記憶されたデータを処理するのに適したコンピュータの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の1つ以上の態様に基づいて、デジタル写真に地理的位置データを記述したタグを付けるための処理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図5】記憶されたGPS信号サンプルから地理的位置データを計算する処理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明とともに使用する相関処理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル写真を生成する撮像ユニットと、
衛星測位システム信号を受信し、その信号からデジタルサンプルを生成するフロントエンドと、
前記フロントエンドによって生成された一組のデジタルサンプルを、前記撮像ユニットによって生成されたそれぞれのデジタル写真とともに記憶するメモリと、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項2】
前記メモリに記憶されたデジタルサンプルのそれぞれの組が、同相サンプルおよび直交サンプルを備える、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
デジタル写真を撮るように前記撮像ユニットに命令し、かつ、一組のデジタルサンプルを捕獲するように前記フロントエンドに命令する制御ユニット、
をさらに備える、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
タイムオブデイを追跡するクロックをさらに備え、
前記クロックによって生成されるタイムオブデイ値が、前記一組のデジタルサンプルとともにメモリに記憶される、請求項4に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記フロントエンドが、
アンテナと、
前記衛星測位システム信号を中間周波数に変換するために前記アンテナに結合された同調器と、
前記変換された衛星測位システム信号をデジタル化し、前記デジタルサンプルを生成するアナログ−デジタル変換器と
を備える、請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
デジタル写真を編成するシステムであって、
デジタル写真を生成する撮像ユニット、
衛星測位システム信号を受信し、その信号からデジタルサンプルを生成するフロントエンド、
前記フロントエンドによって生成された一組のデジタルサンプルを、前記撮像ユニットによって生成されたそれぞれのデジタル写真とともに記憶するメモリ、および、
前記メモリと通信するように構成されたデータポート、を備えるデジタルカメラと、
少なくとも1つのデジタル写真およびそれに対応する一組のデジタルサンプルを前記メモリから検索するために、かつ、検索されたデジタルサンプルのそれぞれの組を処理し、位置データを生成するために、前記データポートに結合されたコンピュータと、
を具備するシステム。
【請求項7】
前記コンピュータが、前記メモリから検索されたデジタルサンプルのそれぞれの組を擬似ランダム基準コードと相関し、擬似距離データを生成するように構成された、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータが、前記少なくとも1つのデジタル写真に対応する環境データに応じて、1つ以上の相関パラメータを調節するように構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピュータが、ネットワークと通信するように構成された通信ポートを含み、前記コンピュータが、前記ネットワークから衛星軌道データを受信するように構成された、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピュータが、前記擬似距離データおよび前記衛星軌道データに応じて、位置データを計算するようにさらに構成された、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータが、前記擬似距離データおよび前記衛星軌道データを位置および時間変数の更新に関連づける数学的モデルを用いて前記位置データを計算するように構成された、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
デジタルカメラにおいて1つ以上のデジタル写真を生成するステップと、
前記デジタルカメラにおいて複数の衛星測位システム信号から1つ以上の組のデジタルサンプルを生成するステップと、
前記1つ以上の組のデジタルサンプルを、それぞれ、前記1つ以上のデジタル写真とともにメモリに記憶するステップと、
を備える方法。
【請求項13】
前記1つ以上の組のデジタルサンプルのそれぞれが、同相サンプルおよび直交サンプルを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
タイムオブデイ値を前記1つ以上の組のデジタルサンプルのそれぞれとともに記憶するステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の組のデジタルサンプルを生成する前記ステップが、
前記衛星測位システム信号を中間周波数に変換する工程と、
前記変換された衛星測位システム信号をデジタル化する工程と、
を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のデジタル写真および前記1つ以上の組のデジタルサンプルを前記メモリから検索するステップと、
前記1つ以上の組のデジタルサンプルのそれぞれを擬似ランダム基準コードと相関し、擬似距離データを生成するステップと、
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上のデジタル写真に対応する環境データに応じて1つ以上の相関パラメータを調節するステップをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ネットワークから衛星軌道データを検索するステップと、
前記擬似距離データおよび前記衛星軌道データに応じて位置データを計算するステップと、
をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
位置を計算する前記ステップが、数学的モデルを用いて前記擬似距離データおよび前記衛星軌道データを位置および時間変数の更新に関連づける工程を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
1つ以上のデジタル写真を生成する撮像ユニットと、
前記デジタルカメラにおいて複数の衛星測位システム信号から1つ以上の組のデジタルサンプルを生成する手段と、
前記1つ以上の組のデジタルサンプルを、それぞれ、前記1つ以上のデジタル写真とともにメモリに記憶する手段と、
を備えるデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−503191(P2008−503191A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527802(P2007−527802)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/020879
【国際公開番号】WO2005/125183
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ETHERNET
3.JAVA
4.WINDOWS
5.Linux
6.UNIX
【出願人】(504174973)グローバル ロケート, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】