デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法
【課題】SIの収集を目的とする処理において、不要な情報の処理を行うことで生じる無駄な時間を削減すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置100は、スキャン処理を実行する際に、復調部102及びストリーム調整部103は、電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成し、デマルチプレクス部104は、スキャン用共通ストリームから番組情報を分離する。
【解決手段】本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置100は、スキャン処理を実行する際に、復調部102及びストリーム調整部103は、電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成し、デマルチプレクス部104は、スキャン用共通ストリームから番組情報を分離する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送技術では、単一の周波数チャンネルにおいて複数の放送プログラムを多重化して同時に伝送することができる。例えば、複数の放送プログラムの符号化ストリーム(符号化映像ストリーム及び符号化音声ストリーム等)から放送プログラム毎にES(Elementary Stream)と称するストリームデータが生成される。送信機は、このストリームデータを分割し、当該分割されたストリームデータを多重化して単一の周波数チャネルを用いて送信できる。
【0003】
日本の地上デジタル放送の場合には、多重化する際に、MPEG−2システム(Moving Picture Experts Group phase 2 system)で定義されるTS(Transport Stream)形式が用いられる。MPEG−2システムによれば、符号化ストリームから生成されたESは、適当な大きさのデータブロックに分割されて、PES(Packetized Elementary Stream)と呼ばれるパケットストリーム形式のデータに変換される。更に、このPESから、各々が固定長のTSパケット(Transport Stream Packet)が生成される。送信機は、これらTSパケットを多重化することで生成されたTSを変調して送信する。
【0004】
一方、欧州電気通信標準化機構(ETSI)によって採用された第2世代の地上デジタル放送規格であるDVB−T2では、複数のTSを個々に異なる変調パラメータを用いて単一の周波数チャンネル中で伝送することができる。DVB−T2では、個々のストリームを伝送する物理的な伝送路は、PLP(Physical Layer Pipe)と呼ばれており、TS及び他の種類のストリームを各PLPに対応付けて物理層で多重化して伝送が行われる。
【0005】
DVB−T2でTSの伝送が行われる場合、非特許文献1のAnnex Dに示されるように、複数のTSに共通するパケットを抜き出して個別のPLPで伝送する方式が用いられることがある。この場合、共通パケットを伝送するPLPは、common PLPと呼ばれ、また、各ストリームデータから共通パケットを除いた残りのパケットを伝送するPLPは、data PLPと呼ばれる。非特許文献1により、共通パケットにはSI(Service Information)と呼ばれる放送局や放送プログラムに関する情報が含まれることが示唆されている。
【0006】
デジタル放送受信装置が特定のTSを受信したい場合は、該当TSに対応付けられた一対のcommon PLP及びdata PLPを個別に復調し、さらに復調されたストリーム間でパケット単位の同期を取ってマージを行うことで元々のTSを復元することができる。デジタル放送受信装置は、復元されたストリームをデマルチプレクス処理によって分離することでSIを取得することができる。そして、デジタル放送受信装置は、取得されたSIに基づいて、デマルチプレクス処理により分離された符号化ストリームをデコードすることで、映像や音声を再生する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“Digital Video Broadcasting(DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system(DVB−T2)”、ETSI EN 302 755 V1.2.1、2011年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に示される方法では、元々のTSを復元するためには、一対のcommon PLP及びdata PLPの復調処理及びマージ処理を行う必要がある。この点、一般的なデジタル放送受信装置の持つ機能のうち、SIの取得を目的としたスキャンと呼ばれる各種機能においては、必ずしも元々のTSの全てを入力対象とする必要はなく、SIのみを参照することができればよい。
【0009】
言い換えると、非特許文献1に示される方法を用いた場合、映像や音声を含む符号化ストリームのTSパケットについても復調処理及びマージ処理を実施することになり、参照不要なTSパケットを読み捨てるための無駄な処理時間が生じてしまう。
【0010】
そこで、本発明は、SIの収集を目的とする処理において、不要な情報の処理を行うことで生じる無駄な時間を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、受信された電波から受信信号を生成するチューナ部と、前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理部と、前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス部と、前記チューナ部、前記復調処理部及び前記デマルチプレクス部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、スキャン処理を実行する際に、前記復調処理部に、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させ、前記デマルチプレクス部に、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、SIの収集を目的とする処理において、不要な情報の処理を行うことで生じる無駄な時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1〜3に係るデジタル放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】DVB−T2規格による放送で、複数のTSが伝送される際に共通ストリームがcommon PLPで送られてくる場合を示す模式図である。
【図3】Null Packet Deletionという処理を説明するための模式図である。
【図4】従来のスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図5】従来のスキャン処理におけるグループ内PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図8】DVB−T2規格で定められるT2フレームの構成を示す概略図である。
【図9】実施の形態1におけるスキャン処理時の共通ストリームを説明するための概略図である。
【図10】実施の形態2におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3における全common PLP解析処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
【0015】
図1は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100の構成を概略的に示すブロック図である。なお、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、欧州等において使用されているDVB−T2規格に対応するものとする。
【0016】
図1に示すように、デジタル放送受信装置100は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部102と、復調部102の出力部に接続されるストリーム調整部103と、ストリーム調整部103の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部107と、記憶部108とを備える。ここで、復調部102及びストリーム調整部103により、復調処理部が構成される。なお、図1の括弧内の符号は、実施の形態2及び3における構成を示す。
【0017】
チューナ部101は、アンテナ130に接続され、アンテナ130で受信された電波より、受信信号を生成する。なお、チューナ部101は、制御部107からの同調指示に従って、指示された物理チャンネルに基づいて放送局の選局を行い、選局された放送局からの受信信号を生成する。また、チューナ部101は、生成された受信信号を復調部102に与える。
【0018】
復調部102は、チューナ部101より与えられた受信信号の復調処理及び誤り訂正処理を行い、デジタルストリームを生成する。DVB−T2規格では、復調処理の結果としてBBFRAMEと呼ばれる形式のストリームデータが得られる。そして、復調部102は、生成されたデジタルストリームをストリーム調整部103に与える。また、復調部102は、復調処理の結果に応じて、フレームロック検出信号又はフレームアンロック検出信号を制御部107に与える。
また、復調部102は、制御部107からの指示に応じて、チューナ部101より与えられた受信信号に含まれているcommon PLPの信号だけを復調して、複数のTSで利用されるTSパケットである共通パケットをデータフィールドに含むBBFRAME形式の共通デジタルストリームを生成する。ここで、BBFRAME形式のストリームデータは、BBヘッダと、データフィールドとからなり、TSパケットはこのデータフィールドに分割されて格納される。また、データフィールドには、TSパケットの前後に、TSを復元するために使用されるDNP及びISSYといった情報が挿入される。
そして、復調部102は、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。なお、本実施の形態では、制御部107は、復調部102に、common PLPの信号だけを復調するための変調パラメータを与えることで、復調部102にcommon PLPの信号だけを復調させる。
【0019】
ストリーム調整部103は、復調部102から与えられたデジタルストリームよりTSを復元する処理、又は、共通デジタルストリームに含まれている共通パケットからなるスキャン用共通ストリームを復元する処理を行う。
例えば、ストリーム調整部103は、復調部102より与えられたデジタルストリームについて、その中に含まれるNULLパケットの挿入情報及び時刻情報を参照して、送信側の装置で入力されたTSパケットの内容及び入力タイミングを復元することで、TSを復元する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたTSを、デマルチプレクス部104に与える。なお、DVB−T2規格ではストリームの形式としてTSの他にGSE(Generic Stream Encapsulation)、GCS(Generic Continuous Stream)及びGFPS(Generic Fixed−length Packetized Stream)が定義されているが、本実施の形態では1つの周波数チャンネルに含まれる全ストリームがTSであるような場合を想定する。
また、ストリーム調整部103は、制御部107からの指示に応じて、復調部102から与えられた共通デジタルストリームより、スキャン処理に必要な情報を含んだTSパケットを選別して、選別されたTSパケットからなるスキャン用共通ストリームを生成する。ここで、スキャン処理に必要な情報は、例えば、番組情報である。なお、ストリーム調整部103は、選別されたTSパケットの間隔を詰めることによりスキャン用共通ストリームを生成する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたスキャン用共通ストリームをデマルチプレクス部104に与える。
【0020】
ここで、復調部102及びストリーム調整部103により構成される復調処理部は、チューナ部101より与えられた受信信号を復調して、TS又はスキャン用共通ストリームを生成することになる。
【0021】
デマルチプレクス部104は、ストリーム調整部103より与えられたTS又はスキャン用共通ストリームに対して、デマルチプレクス処理を行う。例えば、デマルチプレクス部104は、TS又はスキャン用共通ストリームから番組特定情報(PSI:Program Specific Information)及び番組配列情報(サービス情報:SI:Service Information)等のサービス(番組)を選択するために必要な情報を含む番組情報を分離する。
さらに、デマルチプレクス部104は、分離された番組情報より検出された、映像TSパケット及び音声TSパケットのPID(Packet Identifier)の値に基づいて、TSをフィルタリングし、TSから映像TSパケット及び音声TSパケットを分離する。そして、デマルチプレクス部104は、分離された映像TSパケット及び音声TSパケットをデコード部105に与える。
【0022】
デコード部105は、デマルチプレクス部104から与えられた映像TSパケット及び音声TSパケットをデコード(復号)して、映像信号及び音声信号をそれぞれ生成する。そして、デコード部105は、生成された映像信号及び音声信号を、映像及び音声を出力することのできる出力装置131に与える。出力装置131は、例えば、ディスプレイとスピーカとを備える。
【0023】
制御部107は、デジタル放送受信装置100で行う処理を統括的に制御する。例えば、制御部107は、チューナ部101、復調部102、ストリーム調整部103、デマルチプレクス部104及びデコード部105を制御する。図1に示されているように、制御部107は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部1073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部1075と、個別情報解析部1076とを備える。
受信周波数選択部1071は、チューナ部101及び復調部102を制御する。
共通情報解析部1072及び復調ストリーム選択部1073は、復調部102を制御する。
ストリーム調整制御部1074及びストリーム伝送制御部1075は、ストリーム調整部103を制御する。
個別情報解析部1076は、デマルチプレクス部104を制御する。
【0024】
記憶部108は、デジタル放送受信装置100での処理に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部108は、制御部107で取得された番組情報を記憶する。
【0025】
図2は、非特許文献1に記載のDVB−T2規格による放送で、複数のTSが伝送される際に共通ストリームがcommon PLPで送られてくる場合を示す模式図である。図2に示すように、common PLPが運用される場合、送信側の装置で入力されたN本のTS(TS_1〜TS_N)は、変調器で、N本の個別ストリーム(TSPS1〜TSPSN)と1本の共通ストリーム(TSPSC)に分離され、N本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号と1本のcommon PLP(CPLP)の信号に変調される。そして、変調されたN本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号と1本のcommon PLP(CPLP)の信号とは、放送波として送信される。受信側の装置では、例えば、TS_2を復調したい場合には、復調器に、TS_2の個別ストリーム(TSPS2)を変調したdata PLPの信号であるPLP2と、TS_2の共通ストリーム(TSPSC)を変調したcommon PLPの信号であるCPLPとを選択して復調させ、これらの復調ストリームをマージすることによってTS_2を得ることができる。
【0026】
受信側の装置では、TSによって伝送されるSIの一つであるNIT(Network Information Table)中に含まれるT2 delivery system descriptorを参照することで、同じ周波数チャンネルで伝送される各TSとdata PLPとの対応関係を知ることができる。受信側の装置では、復調器に、予めスキャン時にこの情報を取得して保持しておき、選局動作の際には選局対象となるTSに対応したdata PLPの信号とcommon PLPの信号とを選択して復調させる。
【0027】
DVB−T2規格によれば、このようなcommon PLPを用いた共通ストリームの伝送は、必須のものではなく、このような伝送が使用されない場合もある。その場合は、図2に示されているN本のTS(TS_1〜TS_N)は、共通部分が分離されることなく、そのままの形でN本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号に変調される。従って、受信側の装置は、特定のTSを復調したい場合に、1本のdata PLPの信号を選択して復調すればよい。
【0028】
またDVB−T2規格によれば、common PLPは、単一の周波数チャンネルに複数含まれることもあり得る。この場合、任意のcommon PLPとdata PLPとの対応関係は、L1−Signallingと呼ばれる、周波数チャンネルに固有の情報に含まれるPLP_GROUP_IDによって知ることができる。PLP_GROUP_IDは、common PLPを含めた各々のPLPに設定された固有の値であり、そのPLPが属するPLPグループを示す。受信側の装置では、特定のdata PLPの個別ストリームを含んだTSを復調したい場合に、そのdata PLPと同じPLP_GROUP_ID値を持つcommon PLPを選択して、選択されたcommon PLPの信号を復調することで、正しく対応する共通ストリームを得ることができる。
【0029】
このようにしてcommon PLP及びdata PLPの信号を復調すると、受信側の装置では、BBFRAME形式のデジタルストリームデータが得られる。このデジタルストリーム中には、ISSY(Input Stream SYnchronizer)と呼ばれるタイムスタンプデータが含まれており、受信側の装置では、この情報を元に送信側でのストリームの入力ビットレートやパケット単位の入力タイミングを復元することができる。
【0030】
また、入力TS中にはビットレート調整のためにNULLパケット(有効なデータの含まれないパケット)が含まれる可能性があるが、NULLパケットを伝送することによる処理負荷を抑えるため、DVB−T2規格では、Null Packet Deletionという処理が用いられることがある。この場合、図3に示すように、パケットの間にDNP(Deleted Null−Packets)と呼ばれる1バイトのデータが挿入される。DNPは有効なデータを含むパケット間にNullパケットが何個存在したかを示す数値である。受信側の装置では、例えば、DNPの値が2であれば、直前のパケットとさらに1つ前のパケットの間にNULLパケットを2つ挿入することで、元の入力ストリームを復元することができる。
【0031】
図4は、従来のスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。ここで、図4では、図1に示された、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100が、従来のスキャン処理を行う場合を例に説明するが、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、図4に示されている従来のスキャン処理を行うものではない。
【0032】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部102に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S10)。
受信周波数選択部1071は、復調部102の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S11)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S11:Yes)には、ステップS12の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S11:No)には、ステップS16の処理に進む。
【0033】
DVB−T2の場合は、周波数チャンネルに対してL1−Signallingと呼ばれる情報が伝送されており、このL1−Signallingにその周波数チャンネル内で伝送される各ストリームについての変調情報等が記載されている。信号受信が確認できた場合(S11:Yes)には、共通情報解析部1072は、このL1−Signalingを受信し解析する(S12)。共通情報解析部1072は、L1−Signallingに記載される情報のうち、ストリームの物理的伝送単位であるPLPの情報を解析すると、PLPのセットであるPLPグループがいくつ存在し、各PLPがそのうちのどれに属するのかが分かる。そこで、ステップS12では、共通情報解析部1072は、解析結果として、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部1073に与える。
【0034】
復調ストリーム選択部1073は、共通情報解析部1072から与えられた情報で特定されるPLPグループのうち未選択のものを順に選択し(S13)、選択されたPLPグループについて、グループ内PLP解析処理を行う(S14)。ステップS14におけるグループ内PLP処理については、図5を用いて詳細に説明する。
【0035】
ステップS14におけるグループ内PLP解析処理が終了した後、復調ストリーム選択部1073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S15)。その結果、復調ストリーム選択部1073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S15:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS16の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部1073は、未選択のPLPグループがあれば(S15:NO)、ステップS13の処理に戻り、未選択のPLPグループを選択して、ステップS14及びS15の処理を繰り返す。
【0036】
ステップS16では、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S16:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S16:No)、ステップS10の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S10〜S16の処理を繰り返す。
【0037】
図5は、図4のステップS14におけるグループ内PLP解析処理を示すフローチャートである。
復調ストリーム選択部1073は、選択されているPLPグループに属するPLPのうち未選択のものを選択する(S20)。そして、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPについて、L1−Signallingに記載の変調パラメータ等の情報を用いて、復調部102に復調を行わせる。
【0038】
ストリーム調整制御部1074は、復調部102で復調した結果得られたBBFRAME形式のデジタルストリームから、送信側で入力されたTSストリームデータとその入力タイミングとをストリーム調整部103に復元させる(S21)。
そして、ストリーム伝送制御部1075は、ストリーム調整部103を制御して、以上のようにして復元されたTSを、デマルチプレクス部104へと伝送させる(S22)。
【0039】
デマルチプレクス部104は、伝送されたTSからNIT等のSIを取得し、個別情報解析部1076は、デマルチプレクス部104で取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S23)。
【0040】
復調ストリーム選択部1073は、選択されているPLPグループに含まれる全てのPLPをスキャン済みが否かを判断する(S24)。そして、復調ストリーム選択部1073は、全てのPLPをスキャン済みであれば(S24:YES)、本フローを終了し、選択されているPLPグループに含まれていて、未スキャンのPLPが存在すれば(S24:No)、ステップS21の処理に戻る。
【0041】
なお、上記のS23の処理で取得できるSIは、DVB−T2規格においてはL2−Signallingと呼ばれる。ストリーム毎のSIには、自TSについての情報を含んだactualと、他TSについての情報を含んだotherが存在する。otherが運用される場合には、個別情報解析部1076は、該当するテーブルを取得することで他のTSの情報を得ることができる。
【0042】
以上のように、従来のスキャン処理においては、デジタル放送受信装置100は、1つの周波数チャンネルをスキャンする際にその中で伝送される全てのストリームを復調して、SI(L2−Signalling)を収集する。また、従来のスキャン処理においては、デジタル放送受信装置100は、不要なはずの映像や音声を含んだパケットデータも共に復調していたり、ストリーム入力時のタイミングを再現してデマルチプレクス部104へと入力したりしているため、SI(L2−Signalling)を収集する際に該当データを含んだパケットが流れてくるまで、入力時のタイミングに依存した待ち時間が必要となる。
【0043】
図6は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0044】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部102に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S30)。
受信周波数選択部1071は、復調部102の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S31)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S31:Yes)には、ステップS32の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S31:No)には、ステップS38の処理に進む。
【0045】
ステップS32では、共通情報解析部1072は、L1−Signallingを受信し解析する。そして、共通情報解析部1072は、L1−Signallingに記載される情報のうち、ストリームの物理的伝送単位であるPLPの情報を解析すると、PLPのセットであるPLPグループがいくつ存在し、各PLPがそのうちのどれに属するのかが分かる。そこで、ステップS22では、共通情報解析部1072は、解析結果として、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部1073に与える。
【0046】
復調ストリーム選択部1073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、PLPグループのうち未選択のものを順に選択する(S33)。
そして、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPグループにcommon PLPが含まれるかどうかを判定する(S34)。ここで、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPグループのPLP_GROUP_IDの値を持つPLPの中で、L1−Signallingに記述されているPLP_TYPEがcommon PLPであるものが存在するかどうかで、ステップS34の判定を行うことができる。
【0047】
common PLPが存在しない場合(S34:NO)は、PLPグループ内にdata PLPのみが含まれていることになる。この場合は、復調ストリーム選択部1072は、ステップS25の処理に進み、グループ内PLP解析処理を行う。この処理は、図5に示されているフローと同様の処理である。
一方、common PLPが存在する場合(S34:YES)は、復調ストリーム選択部107は、ステップS36に進み、common PLP解析処理を行う。この処理については、図7を用いて詳細に説明する。
【0048】
ステップS35におけるグループ内PLP解析処理が終了した後、又は、ステップS36におけるcommon PLP解析処理が終了した後、復調ストリーム選択部1073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S37)。その結果、復調ストリーム選択部1073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S37:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS38の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部1073は、未選択のPLPグループがあれば(S37:NO)、ステップS33の処理に戻り、未選択のPLPグループを選択して、ステップS34〜S37の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS38では、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S38:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S38:No)、ステップS30の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S30〜S38の処理を繰り返す。
【0050】
図7は、図6のステップS36におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
まず、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に対してcommon PLPの復調を指示して復調処理を行わせる(S40)。この際には、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に、common PLPに対して対となるdata PLPを指定しないため、復調部102は、common PLPの信号のみの復調を行う。そして、復調部102は、common PLPの信号のみを復調して、共通デジタルストリームを生成し、この共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。
【0051】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して、スキャン用共通ストリームの生成を指示する(S41)。ストリーム調整部103には、復調部102でcommon PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームが入力されている。このため、ストリーム調整部103は、入力された共通デジタルストリームから、必要なパケットを抽出することで、スキャン用共通ストリームを生成する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたスキャン用共通ストリームを、ストリーム伝送制御部1075の制御によりデマルチプレクス部104に伝送する。
なお、スキャン用共通ストリームを生成する際には、ストリーム調整部103は、Null Packet DeletionによるDNPがストリーム中に含まれていても、NULLパケットの挿入は行わないようにする。即ち、有効なデータを含んだパケットのみが後段に出力されるように、ストリーム調整制御部1074がストリーム調整部103を制御する。
さらに、ストリーム調整制御部1074の指示により、ストリーム調整部103は、スキャン用共通ストリームを生成する際に、後段の処理で取得したい情報を含んだTSパケットのみを抽出するようにする。通常、スキャン処理において取得対象となるのはSIを含んだパケットのみであり、NITの他にBIT(Broadcaster Information Table)、SDT(Service Description Table)及びEIT(Event Information Table)等が含まれている。これらのSIについては、MPEG2システムの規格上でTSパケットのPIDが特定の固定値になると定められているため、ストリーム調整部103は、該当するPIDを持つパケットのみを抽出してデマルチプレクス部104に出力する。
【0052】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076は、取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S42)。ここで、元々のcommon PLPにはそのPLPグループ内で伝送される全てのTSの共通情報が含まれているので、TS毎に共通するSIの内容が一度に全て記録できることになる。ここまでの処理を実行した時点で、図6のcommon PLP解析処理(S36)は終了される。
【0053】
ここで、実施の形態1におけるスキャン処理におけるスキャン用共通ストリームの生成及び伝送について、図8及び図9を参照して説明する。
【0054】
図8は、DVB−T2規格で定められるT2フレームの構成を示す概略図である。T2フレームは、DVB−T2の物理層における時分割多重フレームである。T2フレームは、先に述べたL1−Signalling、common PLP及びdata PLPで構成される。DVB−T2の放送はT2フレームの連続によって構成される。
【0055】
図8に示すように、common PLP及びdata PLPは、時間的に独立して順番に送信される。従って、従来のスキャン処理の場合、common PLP及びdata PLPの両方を復調するためには、先に受信可能なcommon PLPを復調しておき、所望のdata PLPを受信するタイミングまで待って処理を行う必要がある。しかし、実施の形態1におけるスキャン処理では、common PLPの復調のみを行うため、data PLPの受信を待たずに、スキャン処理を開始することが可能となる。
【0056】
図9は、スキャン処理時のスキャン用共通ストリームを説明するための概略図である。
送信側の入力TSには、映像情報、音声情報及びSI等の各種の情報を含んだTSパケットが多重化されている。SIは映像情報、音声情報に比べると情報量が大幅に小さいため、一般的にストリーム中に占める割合は大きくない。また、SIの各テーブルはある周期で繰り返し送信されているため、テーブルを受信可能かどうか判断する際には少なくともテーブルの最大周期分の時間、待機する必要がある。
【0057】
先に述べたように、SIには自TSの情報を記述したactualと他TSの情報を記述したotherとが存在するため、複数のTSについて同じSIテーブルが存在する場合がある。このようなSIテーブルが存在する場合、DVB−T2規格による放送ではcommon PLPにSIを含んだパケットを分離して伝送することがある。この際には、図9のdata PLPに示されているように、共通しているパケットを抜き出した部分は、NULLパケットによって埋められる。また、図9のcommon PLPでも、共通していないパケット(data PLPのパケットに対応)の部分は、NULLパケットによって埋められる。
ここで、従来のスキャン処理では、受信側では、対応するcommon PLPとdata PLPを個別に復調した後、NULLパケットの挿入とタイムスタンプによるタイミング同期を行い、得られた2本のTSを1パケット毎に比較して片方がNULLパケットであればもう片方のパケットを出力することで、元のTS(図9に示されている送信側の入力TS)を復元することができる。
【0058】
これに対して、実施の形態1におけるスキャン処理では、図9に示されているスキャン用共通ストリームのように、common PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームだけに基づいて、NULLパケットの挿入及びタイミングの同期を行うことなく、スキャン用共通ストリームを生成することができる。実施の形態1におけるスキャン処理では、スキャン用共通ストリームとして、TSパケットのうちSIを含むパケットのみが抜き出されて、出力される。これによって、デマルチプレクス部104では、従来のスキャン処理のようにSI以外の映像情報及び音声情報等を含んだパケットを処理する必要がなくなる。また、実施の形態1におけるスキャン処理では、本来は周期的に伝送されるSIのタイムスタンプを無視して、固めて伝送することができるため、SIを格納したTSパケットの入力タイミングに依存した待機を行わずに、直ちにSIを含むTSパケットを取得することができる。ここで、T2フレームの規格上の最大長は250msであるため、SIを取得可能なタイミングも最大で250ms弱程度短縮できる。
【0059】
以上のように、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、複数のストリームが1つの周波数チャンネル内で伝送される場合に、その共通部分を含んだスキャン用共通ストリームのみを復調してスキャンを行うことで、各ストリームを全て順番に復調してスキャンを行う場合に比べてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0060】
また、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、復調部102で復調しストリーム調整部103で復元したスキャン用共通ストリームをデマルチプレクス部104へ伝送する際に、T2フレーム毎に、復調したストリームの各パケットに含まれるタイムスタンプを無視して隙間無くパケットを詰めて伝送することができる。このため、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、より早いタイミングでSIを取得することができ、結果としてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0061】
さらに、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、ストリーム調整部103からデマルチプレクス部104へストリームを伝送する際に、復元したストリームの各パケットのうち、スキャンに必要なSIを含んだパケットのみを選別して伝送することができる。このため、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、より早いタイミングでSIを取得することができ、結果としてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、ストリーム中に含まれるスキャン処理時に必要なパケットのみを後段に出力するので、後段の処理における負荷を減らすことができる。
【0063】
実施の形態1は、DVB−T2規格に準拠した放送に対応するデジタル放送受信装置100に適用することが可能である。なお、実施の形態1は、SIを含む共通ストリームが他のストリームから分かれて伝送されるような、別の規格に準拠した放送に対しても同様に適用可能である。
【0064】
また、実施の形態1では、全ての周波数チャンネルについてSIを収集するチャンネルスキャンを例に説明したが、番組情報の収集のみを目的とした番組情報スキャン、並びに、視聴中の放送局の系列局及び中継局を探索する系列局サーチ等、スキャン系の処理全般に対して、同様にスキャン処理時間を短縮することができる。
【0065】
実施の形態2.
続いて、実施の形態2について以下で説明する。
図1に示すように、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部102と、復調部102の出力部に接続されるストリーム調整部203と、ストリーム調整部203の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部207と、記憶部108とを備える。ここで、復調部102と、ストリーム調整部203とにより、復調処理部が構成される。実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、ストリーム調整部203及び制御部207において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
図1に示されているように、実施の形態2における制御部207は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部1073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部2075と、個別情報解析部1076とを備える。実施の形態2における制御部207は、ストリーム伝送制御部2075において、実施の形態1における制御部107と異なっている。
【0066】
実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、制御部207のストリーム伝送制御部2075の指示によって、ストリーム調整部203からデマルチプレクス部104へのストリームの伝送レートを制御できるものとする。
【0067】
実施の形態2におけるスキャン処理全体の流れは、図6に示されている実施の形態1におけるフローと同様であるが、ステップS26におけるcommon PLP解析処理の内容において異なっている。
【0068】
図10は、実施の形態2におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に対してcommon PLPの復調を指示して復調処理を行わせる(S50)。この処理は、図7に示されているステップS40と同様の処理である。
【0070】
次に、ストリーム伝送制御部2075は、ストリーム調整部203とデマルチプレクス部104との間の伝送クロックレートを最大化する設定を行う(S51)。なお、ここでいう最大化は、デジタル放送受信装置200がTS伝送用バスによって伝送可能な最大のレート値を設定することを意味している。これにより、スキャン用共通ストリームはシステムが許容する最大速度でデマルチプレクス部104へ伝送されることになる。
【0071】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して、スキャン用共通ストリームの生成を指示し、このような指示を受けたストリーム調整部103は、スキャン用共通ストリームを生成する(S52)。この処理は、図7のステップS41と同様の処理である。但し、生成されたスキャン用共通ストリームがデマルチプレクス部104に伝送される速度は、ステップS51で設定された最大速度となる。
【0072】
次に、ストリーム伝送制御部2075は、スキャン用共通ストリームの伝送処理(S52)が終了した後に、伝送クロックレートの最大化設定を解除する(S53)。
【0073】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076は、取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S54)。この処理は、図7のステップS42と同様である。
【0074】
なお、ストリームの伝送を行う場合、通常、一部のパケット中に含まれるPCR(Program Clock Reference)と呼ばれるタイムスタンプ情報によって、受信機側のH/Wクロックを校正し、これを元に映像・音声の提示タイミングを調整する。そのため、通常ならばTSの伝送レートを変更する場合は、各パケットの入力タイミングの変更に伴ってPCRの値を付け替える必要がある。
しかし、実施の形態2においては、後段でPCRを取得しないスキャン処理を行う場合のみ、ストリーム伝送制御部2075の指示により、クロックレートを変更するようにしている。このため、番組視聴中等、PCRを含むパケットを後段に伝送する必要がある場合には、元のTSの伝送レートで入力が行われることになり、クロックの校正において問題が発生することはない。
【0075】
以上のように、実施の形態2におけるデジタル放送受信装置200は、スキャン処理を行う場合のみストリーム調整部203からデマルチプレクス部104への伝送クロックレートを最大化することで、実施の形態1で述べた効果に加えて、TSパケット中のSIを取得するまでの時間をさらに短縮することができる。このため、実施の形態2におけるデジタル放送受信装置200は、スキャン処理時間をさらに短縮することができる。
【0076】
実施の形態3.
続いて、実施の形態3について以下で説明する。
図1に示すように、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部302と、復調部302の出力部に接続されるストリーム調整部103と、ストリーム調整部103の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部307と、記憶部108とを備える。ここで、復調部302と、ストリーム調整部103とにより、復調処理部が構成される。実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、復調部302及び制御部307において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
図1に示されているように、実施の形態3における制御部307は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部3073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部1075と、個別情報解析部1076とを備える。実施の形態3における制御部307は、復調ストリーム選択部3073において、実施の形態1における制御部107と異なっている。
【0077】
復調部302は、実施の形態1と同様の処理を行う他、復調ストリーム選択部3073からの指示に応じて、周波数チャンネルに含まれる全てのcommon PLPの信号を復調する処理を行い、このような復調処理の結果として、共通デジタルストリームを生成する。そして、復調部302は、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部303に与える。
【0078】
復調ストリーム選択部3073は、実施の形態1と同様の処理を行う他、現在選択されている周波数チャンネルの中に、common PLPを含むPLPグループが少なくとも1つ存在する場合には、その周波数チャンネルに含まれる全てのcommon PLPを復調するよう復調部302に指示を出す。
【0079】
図11は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0080】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部302に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S60)。
受信周波数選択部1071は、復調部302の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S61)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S61:Yes)には、ステップS62の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S61:No)には、ステップS68の処理に進む。
【0081】
ステップS62では、共通情報解析部1072は、L1−Signallingを受信し解析する。そして、ステップS62の解析結果として、共通情報解析部1072は、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部3073に与える。
【0082】
復調ストリーム選択部3073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、現在選択されている周波数チャンネルの中に含まれるPLPグループについて、common PLPを含むPLPグループが少なくとも1つ存在するかどうかを判定する(S63)。そして、復調ストリーム選択部3073は、common PLPを含むPLPグループが1つ以上存在すれば(S63:YES)、ステップS64の処理に進み、common PLPを含むPLPグループが存在しなければ(S63:No)、ステップS65の処理に進む。
【0083】
ステップS64では、復調ストリーム選択部3073は、全common PLP解析処理を行う。ここでの処理については、図12を用いて詳細に説明する。
【0084】
ステップS65では、復調ストリーム選択部3073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S65)。その結果、復調ストリーム選択部3073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S65:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS68の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部3073は、未選択のPLPグループがあれば(S65:NO)、ステップS66の処理に進む。
【0085】
ステップS66では、復調ストリーム選択部3073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、PLPグループのうち未選択のものを順に選択する。
そして、復調ストリーム選択部3073は、選択されたPLPグループについて、グループ内PLP解析処理を行う。この処理は、図5に示されているフローと同様の処理である。
【0086】
ステップS68において、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S68:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S68:No)、ステップS60の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S60〜S68の処理を繰り返す。
【0087】
図12は、図11における全common PLP解析処理を示すフローチャートである。
まず、復調ストリーム選択部3073から復調部302に指示を出し、復調部302は、選択されている周波数チャネルに含まれる全てのcommon PLPの信号を復調する(S70)。ここでは、復調ストリーム選択部3073は、復調部302に、common PLPを含む全てのグループのcommon PLPの変調パラメータを設定して、一度に、common PLPを含む全てのグループのcommon PLPのストリームデータを復調させる。そして、復調部302は、このような復調処理の結果として、共通デジタルストリームを生成し、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。なお、図8に示されているように、T2フレーム中で、common PLPは、全てdata PLPに先立って伝送されるため、この復調処理は、一対のcommon PLP及びdata PLPの復調に要する通常の復調処理よりも遅くなることはない。
【0088】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して指示を出すことで、ストリーム調整部103に、復調部302から与えられる共通デジタルストリームより必要な情報を抽出することにより、スキャン用共通ストリームを生成させる(S71)。ストリーム調整部103には、復調部302で各々のcommon PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームが入力されており、この共通デジタルストリームから抽出されたパケットを繋ぎ合わせることで、スキャン用共通ストリームを生成する。
なお、スキャン用共通ストリームの生成処理をストリーム調整部103が実施する際には、ストリーム調整制御部1074は、実施の形態1のスキャン処理と同様に、NULLパケットの挿入は行わせず、SIを含んだTSパケットのみをPIDを元に抽出させる。これにより、各common PLPに含まれていた全てのSIがデマルチプレクス部104に入力されることになる。
【0089】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076が取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S72)。ここで、元々の各common PLPには、そのPLPグループ内で伝送される全てのTSの共通情報が含まれているので、個別情報解析部1076は、該当するPLPグループに含まれる全てのTSのSIの内容を一度に全て記録できることになる。ここまでの処理を実行した時点で、図11に示されている全common PLP解析処理(S64)は、終了される。
【0090】
以上のように、実施の形態3におけるデジタル放送受信装置300は、common PLPが使用されている全PLPグループ分のcommon PLPの信号をまとめて復調して受信することで、common PLPが1つの周波数チャンネル中で複数存在するような場合に、一度にそれらのcommon PLPが属するPLPグループのスキャンを行うことができる。このため、実施の形態3におけるデジタル放送受信装置300は、実施の形態1のデジタル放送受信装置100と比較して、さらに高速にスキャン処理を行うことが可能である。
【0091】
以上に記載された実施の形態1〜3においては、ストリーム調整部103、203は、復調部102、302から与えられた共通デジタルストリームより、スキャン処理に必要な情報を含んだTSパケットを選別して、選別されたTSパケットからなるスキャン用共通ストリームを生成しているが、このような例に限定されるものではない。例えば、ストリーム調整部103、203は、復調部102、302から与えられた共通デジタルストリームに含まれている共通パケットを全て用いてスキャン用共通ストリームを生成してもよい。この場合でも、ストリーム調整部103、203、303は、共通パケットの間隔を詰めることによりスキャン用共通ストリームを生成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
100,200,300:デジタル放送受信装置、 101:チューナ部、 102,302:復調部、 103,203:ストリーム調整部、 104:デマルチプレクス部、 105:デコード部、 107,207,307:制御部、 1071:受信周波数選択部、 1072:共通情報解析部、 1073,3073:復調ストリーム選択部、 1074:ストリーム調整制御部、 1075,2075:ストリーム伝送制御部、 1076:個別情報解析部、 108:記憶部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置及びデジタル放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送技術では、単一の周波数チャンネルにおいて複数の放送プログラムを多重化して同時に伝送することができる。例えば、複数の放送プログラムの符号化ストリーム(符号化映像ストリーム及び符号化音声ストリーム等)から放送プログラム毎にES(Elementary Stream)と称するストリームデータが生成される。送信機は、このストリームデータを分割し、当該分割されたストリームデータを多重化して単一の周波数チャネルを用いて送信できる。
【0003】
日本の地上デジタル放送の場合には、多重化する際に、MPEG−2システム(Moving Picture Experts Group phase 2 system)で定義されるTS(Transport Stream)形式が用いられる。MPEG−2システムによれば、符号化ストリームから生成されたESは、適当な大きさのデータブロックに分割されて、PES(Packetized Elementary Stream)と呼ばれるパケットストリーム形式のデータに変換される。更に、このPESから、各々が固定長のTSパケット(Transport Stream Packet)が生成される。送信機は、これらTSパケットを多重化することで生成されたTSを変調して送信する。
【0004】
一方、欧州電気通信標準化機構(ETSI)によって採用された第2世代の地上デジタル放送規格であるDVB−T2では、複数のTSを個々に異なる変調パラメータを用いて単一の周波数チャンネル中で伝送することができる。DVB−T2では、個々のストリームを伝送する物理的な伝送路は、PLP(Physical Layer Pipe)と呼ばれており、TS及び他の種類のストリームを各PLPに対応付けて物理層で多重化して伝送が行われる。
【0005】
DVB−T2でTSの伝送が行われる場合、非特許文献1のAnnex Dに示されるように、複数のTSに共通するパケットを抜き出して個別のPLPで伝送する方式が用いられることがある。この場合、共通パケットを伝送するPLPは、common PLPと呼ばれ、また、各ストリームデータから共通パケットを除いた残りのパケットを伝送するPLPは、data PLPと呼ばれる。非特許文献1により、共通パケットにはSI(Service Information)と呼ばれる放送局や放送プログラムに関する情報が含まれることが示唆されている。
【0006】
デジタル放送受信装置が特定のTSを受信したい場合は、該当TSに対応付けられた一対のcommon PLP及びdata PLPを個別に復調し、さらに復調されたストリーム間でパケット単位の同期を取ってマージを行うことで元々のTSを復元することができる。デジタル放送受信装置は、復元されたストリームをデマルチプレクス処理によって分離することでSIを取得することができる。そして、デジタル放送受信装置は、取得されたSIに基づいて、デマルチプレクス処理により分離された符号化ストリームをデコードすることで、映像や音声を再生する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“Digital Video Broadcasting(DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system(DVB−T2)”、ETSI EN 302 755 V1.2.1、2011年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1に示される方法では、元々のTSを復元するためには、一対のcommon PLP及びdata PLPの復調処理及びマージ処理を行う必要がある。この点、一般的なデジタル放送受信装置の持つ機能のうち、SIの取得を目的としたスキャンと呼ばれる各種機能においては、必ずしも元々のTSの全てを入力対象とする必要はなく、SIのみを参照することができればよい。
【0009】
言い換えると、非特許文献1に示される方法を用いた場合、映像や音声を含む符号化ストリームのTSパケットについても復調処理及びマージ処理を実施することになり、参照不要なTSパケットを読み捨てるための無駄な処理時間が生じてしまう。
【0010】
そこで、本発明は、SIの収集を目的とする処理において、不要な情報の処理を行うことで生じる無駄な時間を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係るデジタル放送受信装置は、受信された電波から受信信号を生成するチューナ部と、前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理部と、前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス部と、前記チューナ部、前記復調処理部及び前記デマルチプレクス部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、スキャン処理を実行する際に、前記復調処理部に、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させ、前記デマルチプレクス部に、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、SIの収集を目的とする処理において、不要な情報の処理を行うことで生じる無駄な時間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1〜3に係るデジタル放送受信装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】DVB−T2規格による放送で、複数のTSが伝送される際に共通ストリームがcommon PLPで送られてくる場合を示す模式図である。
【図3】Null Packet Deletionという処理を説明するための模式図である。
【図4】従来のスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図5】従来のスキャン処理におけるグループ内PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係るデジタル放送受信装置が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図8】DVB−T2規格で定められるT2フレームの構成を示す概略図である。
【図9】実施の形態1におけるスキャン処理時の共通ストリームを説明するための概略図である。
【図10】実施の形態2におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係るデジタル放送受信装置が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3における全common PLP解析処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
【0015】
図1は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100の構成を概略的に示すブロック図である。なお、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、欧州等において使用されているDVB−T2規格に対応するものとする。
【0016】
図1に示すように、デジタル放送受信装置100は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部102と、復調部102の出力部に接続されるストリーム調整部103と、ストリーム調整部103の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部107と、記憶部108とを備える。ここで、復調部102及びストリーム調整部103により、復調処理部が構成される。なお、図1の括弧内の符号は、実施の形態2及び3における構成を示す。
【0017】
チューナ部101は、アンテナ130に接続され、アンテナ130で受信された電波より、受信信号を生成する。なお、チューナ部101は、制御部107からの同調指示に従って、指示された物理チャンネルに基づいて放送局の選局を行い、選局された放送局からの受信信号を生成する。また、チューナ部101は、生成された受信信号を復調部102に与える。
【0018】
復調部102は、チューナ部101より与えられた受信信号の復調処理及び誤り訂正処理を行い、デジタルストリームを生成する。DVB−T2規格では、復調処理の結果としてBBFRAMEと呼ばれる形式のストリームデータが得られる。そして、復調部102は、生成されたデジタルストリームをストリーム調整部103に与える。また、復調部102は、復調処理の結果に応じて、フレームロック検出信号又はフレームアンロック検出信号を制御部107に与える。
また、復調部102は、制御部107からの指示に応じて、チューナ部101より与えられた受信信号に含まれているcommon PLPの信号だけを復調して、複数のTSで利用されるTSパケットである共通パケットをデータフィールドに含むBBFRAME形式の共通デジタルストリームを生成する。ここで、BBFRAME形式のストリームデータは、BBヘッダと、データフィールドとからなり、TSパケットはこのデータフィールドに分割されて格納される。また、データフィールドには、TSパケットの前後に、TSを復元するために使用されるDNP及びISSYといった情報が挿入される。
そして、復調部102は、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。なお、本実施の形態では、制御部107は、復調部102に、common PLPの信号だけを復調するための変調パラメータを与えることで、復調部102にcommon PLPの信号だけを復調させる。
【0019】
ストリーム調整部103は、復調部102から与えられたデジタルストリームよりTSを復元する処理、又は、共通デジタルストリームに含まれている共通パケットからなるスキャン用共通ストリームを復元する処理を行う。
例えば、ストリーム調整部103は、復調部102より与えられたデジタルストリームについて、その中に含まれるNULLパケットの挿入情報及び時刻情報を参照して、送信側の装置で入力されたTSパケットの内容及び入力タイミングを復元することで、TSを復元する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたTSを、デマルチプレクス部104に与える。なお、DVB−T2規格ではストリームの形式としてTSの他にGSE(Generic Stream Encapsulation)、GCS(Generic Continuous Stream)及びGFPS(Generic Fixed−length Packetized Stream)が定義されているが、本実施の形態では1つの周波数チャンネルに含まれる全ストリームがTSであるような場合を想定する。
また、ストリーム調整部103は、制御部107からの指示に応じて、復調部102から与えられた共通デジタルストリームより、スキャン処理に必要な情報を含んだTSパケットを選別して、選別されたTSパケットからなるスキャン用共通ストリームを生成する。ここで、スキャン処理に必要な情報は、例えば、番組情報である。なお、ストリーム調整部103は、選別されたTSパケットの間隔を詰めることによりスキャン用共通ストリームを生成する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたスキャン用共通ストリームをデマルチプレクス部104に与える。
【0020】
ここで、復調部102及びストリーム調整部103により構成される復調処理部は、チューナ部101より与えられた受信信号を復調して、TS又はスキャン用共通ストリームを生成することになる。
【0021】
デマルチプレクス部104は、ストリーム調整部103より与えられたTS又はスキャン用共通ストリームに対して、デマルチプレクス処理を行う。例えば、デマルチプレクス部104は、TS又はスキャン用共通ストリームから番組特定情報(PSI:Program Specific Information)及び番組配列情報(サービス情報:SI:Service Information)等のサービス(番組)を選択するために必要な情報を含む番組情報を分離する。
さらに、デマルチプレクス部104は、分離された番組情報より検出された、映像TSパケット及び音声TSパケットのPID(Packet Identifier)の値に基づいて、TSをフィルタリングし、TSから映像TSパケット及び音声TSパケットを分離する。そして、デマルチプレクス部104は、分離された映像TSパケット及び音声TSパケットをデコード部105に与える。
【0022】
デコード部105は、デマルチプレクス部104から与えられた映像TSパケット及び音声TSパケットをデコード(復号)して、映像信号及び音声信号をそれぞれ生成する。そして、デコード部105は、生成された映像信号及び音声信号を、映像及び音声を出力することのできる出力装置131に与える。出力装置131は、例えば、ディスプレイとスピーカとを備える。
【0023】
制御部107は、デジタル放送受信装置100で行う処理を統括的に制御する。例えば、制御部107は、チューナ部101、復調部102、ストリーム調整部103、デマルチプレクス部104及びデコード部105を制御する。図1に示されているように、制御部107は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部1073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部1075と、個別情報解析部1076とを備える。
受信周波数選択部1071は、チューナ部101及び復調部102を制御する。
共通情報解析部1072及び復調ストリーム選択部1073は、復調部102を制御する。
ストリーム調整制御部1074及びストリーム伝送制御部1075は、ストリーム調整部103を制御する。
個別情報解析部1076は、デマルチプレクス部104を制御する。
【0024】
記憶部108は、デジタル放送受信装置100での処理に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部108は、制御部107で取得された番組情報を記憶する。
【0025】
図2は、非特許文献1に記載のDVB−T2規格による放送で、複数のTSが伝送される際に共通ストリームがcommon PLPで送られてくる場合を示す模式図である。図2に示すように、common PLPが運用される場合、送信側の装置で入力されたN本のTS(TS_1〜TS_N)は、変調器で、N本の個別ストリーム(TSPS1〜TSPSN)と1本の共通ストリーム(TSPSC)に分離され、N本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号と1本のcommon PLP(CPLP)の信号に変調される。そして、変調されたN本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号と1本のcommon PLP(CPLP)の信号とは、放送波として送信される。受信側の装置では、例えば、TS_2を復調したい場合には、復調器に、TS_2の個別ストリーム(TSPS2)を変調したdata PLPの信号であるPLP2と、TS_2の共通ストリーム(TSPSC)を変調したcommon PLPの信号であるCPLPとを選択して復調させ、これらの復調ストリームをマージすることによってTS_2を得ることができる。
【0026】
受信側の装置では、TSによって伝送されるSIの一つであるNIT(Network Information Table)中に含まれるT2 delivery system descriptorを参照することで、同じ周波数チャンネルで伝送される各TSとdata PLPとの対応関係を知ることができる。受信側の装置では、復調器に、予めスキャン時にこの情報を取得して保持しておき、選局動作の際には選局対象となるTSに対応したdata PLPの信号とcommon PLPの信号とを選択して復調させる。
【0027】
DVB−T2規格によれば、このようなcommon PLPを用いた共通ストリームの伝送は、必須のものではなく、このような伝送が使用されない場合もある。その場合は、図2に示されているN本のTS(TS_1〜TS_N)は、共通部分が分離されることなく、そのままの形でN本のdata PLP(PLP1〜PLPN)の信号に変調される。従って、受信側の装置は、特定のTSを復調したい場合に、1本のdata PLPの信号を選択して復調すればよい。
【0028】
またDVB−T2規格によれば、common PLPは、単一の周波数チャンネルに複数含まれることもあり得る。この場合、任意のcommon PLPとdata PLPとの対応関係は、L1−Signallingと呼ばれる、周波数チャンネルに固有の情報に含まれるPLP_GROUP_IDによって知ることができる。PLP_GROUP_IDは、common PLPを含めた各々のPLPに設定された固有の値であり、そのPLPが属するPLPグループを示す。受信側の装置では、特定のdata PLPの個別ストリームを含んだTSを復調したい場合に、そのdata PLPと同じPLP_GROUP_ID値を持つcommon PLPを選択して、選択されたcommon PLPの信号を復調することで、正しく対応する共通ストリームを得ることができる。
【0029】
このようにしてcommon PLP及びdata PLPの信号を復調すると、受信側の装置では、BBFRAME形式のデジタルストリームデータが得られる。このデジタルストリーム中には、ISSY(Input Stream SYnchronizer)と呼ばれるタイムスタンプデータが含まれており、受信側の装置では、この情報を元に送信側でのストリームの入力ビットレートやパケット単位の入力タイミングを復元することができる。
【0030】
また、入力TS中にはビットレート調整のためにNULLパケット(有効なデータの含まれないパケット)が含まれる可能性があるが、NULLパケットを伝送することによる処理負荷を抑えるため、DVB−T2規格では、Null Packet Deletionという処理が用いられることがある。この場合、図3に示すように、パケットの間にDNP(Deleted Null−Packets)と呼ばれる1バイトのデータが挿入される。DNPは有効なデータを含むパケット間にNullパケットが何個存在したかを示す数値である。受信側の装置では、例えば、DNPの値が2であれば、直前のパケットとさらに1つ前のパケットの間にNULLパケットを2つ挿入することで、元の入力ストリームを復元することができる。
【0031】
図4は、従来のスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。ここで、図4では、図1に示された、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100が、従来のスキャン処理を行う場合を例に説明するが、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100は、図4に示されている従来のスキャン処理を行うものではない。
【0032】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部102に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S10)。
受信周波数選択部1071は、復調部102の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S11)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S11:Yes)には、ステップS12の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S11:No)には、ステップS16の処理に進む。
【0033】
DVB−T2の場合は、周波数チャンネルに対してL1−Signallingと呼ばれる情報が伝送されており、このL1−Signallingにその周波数チャンネル内で伝送される各ストリームについての変調情報等が記載されている。信号受信が確認できた場合(S11:Yes)には、共通情報解析部1072は、このL1−Signalingを受信し解析する(S12)。共通情報解析部1072は、L1−Signallingに記載される情報のうち、ストリームの物理的伝送単位であるPLPの情報を解析すると、PLPのセットであるPLPグループがいくつ存在し、各PLPがそのうちのどれに属するのかが分かる。そこで、ステップS12では、共通情報解析部1072は、解析結果として、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部1073に与える。
【0034】
復調ストリーム選択部1073は、共通情報解析部1072から与えられた情報で特定されるPLPグループのうち未選択のものを順に選択し(S13)、選択されたPLPグループについて、グループ内PLP解析処理を行う(S14)。ステップS14におけるグループ内PLP処理については、図5を用いて詳細に説明する。
【0035】
ステップS14におけるグループ内PLP解析処理が終了した後、復調ストリーム選択部1073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S15)。その結果、復調ストリーム選択部1073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S15:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS16の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部1073は、未選択のPLPグループがあれば(S15:NO)、ステップS13の処理に戻り、未選択のPLPグループを選択して、ステップS14及びS15の処理を繰り返す。
【0036】
ステップS16では、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S16:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S16:No)、ステップS10の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S10〜S16の処理を繰り返す。
【0037】
図5は、図4のステップS14におけるグループ内PLP解析処理を示すフローチャートである。
復調ストリーム選択部1073は、選択されているPLPグループに属するPLPのうち未選択のものを選択する(S20)。そして、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPについて、L1−Signallingに記載の変調パラメータ等の情報を用いて、復調部102に復調を行わせる。
【0038】
ストリーム調整制御部1074は、復調部102で復調した結果得られたBBFRAME形式のデジタルストリームから、送信側で入力されたTSストリームデータとその入力タイミングとをストリーム調整部103に復元させる(S21)。
そして、ストリーム伝送制御部1075は、ストリーム調整部103を制御して、以上のようにして復元されたTSを、デマルチプレクス部104へと伝送させる(S22)。
【0039】
デマルチプレクス部104は、伝送されたTSからNIT等のSIを取得し、個別情報解析部1076は、デマルチプレクス部104で取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S23)。
【0040】
復調ストリーム選択部1073は、選択されているPLPグループに含まれる全てのPLPをスキャン済みが否かを判断する(S24)。そして、復調ストリーム選択部1073は、全てのPLPをスキャン済みであれば(S24:YES)、本フローを終了し、選択されているPLPグループに含まれていて、未スキャンのPLPが存在すれば(S24:No)、ステップS21の処理に戻る。
【0041】
なお、上記のS23の処理で取得できるSIは、DVB−T2規格においてはL2−Signallingと呼ばれる。ストリーム毎のSIには、自TSについての情報を含んだactualと、他TSについての情報を含んだotherが存在する。otherが運用される場合には、個別情報解析部1076は、該当するテーブルを取得することで他のTSの情報を得ることができる。
【0042】
以上のように、従来のスキャン処理においては、デジタル放送受信装置100は、1つの周波数チャンネルをスキャンする際にその中で伝送される全てのストリームを復調して、SI(L2−Signalling)を収集する。また、従来のスキャン処理においては、デジタル放送受信装置100は、不要なはずの映像や音声を含んだパケットデータも共に復調していたり、ストリーム入力時のタイミングを再現してデマルチプレクス部104へと入力したりしているため、SI(L2−Signalling)を収集する際に該当データを含んだパケットが流れてくるまで、入力時のタイミングに依存した待ち時間が必要となる。
【0043】
図6は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0044】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部102に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S30)。
受信周波数選択部1071は、復調部102の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S31)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S31:Yes)には、ステップS32の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S31:No)には、ステップS38の処理に進む。
【0045】
ステップS32では、共通情報解析部1072は、L1−Signallingを受信し解析する。そして、共通情報解析部1072は、L1−Signallingに記載される情報のうち、ストリームの物理的伝送単位であるPLPの情報を解析すると、PLPのセットであるPLPグループがいくつ存在し、各PLPがそのうちのどれに属するのかが分かる。そこで、ステップS22では、共通情報解析部1072は、解析結果として、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部1073に与える。
【0046】
復調ストリーム選択部1073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、PLPグループのうち未選択のものを順に選択する(S33)。
そして、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPグループにcommon PLPが含まれるかどうかを判定する(S34)。ここで、復調ストリーム選択部1073は、選択されたPLPグループのPLP_GROUP_IDの値を持つPLPの中で、L1−Signallingに記述されているPLP_TYPEがcommon PLPであるものが存在するかどうかで、ステップS34の判定を行うことができる。
【0047】
common PLPが存在しない場合(S34:NO)は、PLPグループ内にdata PLPのみが含まれていることになる。この場合は、復調ストリーム選択部1072は、ステップS25の処理に進み、グループ内PLP解析処理を行う。この処理は、図5に示されているフローと同様の処理である。
一方、common PLPが存在する場合(S34:YES)は、復調ストリーム選択部107は、ステップS36に進み、common PLP解析処理を行う。この処理については、図7を用いて詳細に説明する。
【0048】
ステップS35におけるグループ内PLP解析処理が終了した後、又は、ステップS36におけるcommon PLP解析処理が終了した後、復調ストリーム選択部1073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S37)。その結果、復調ストリーム選択部1073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S37:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS38の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部1073は、未選択のPLPグループがあれば(S37:NO)、ステップS33の処理に戻り、未選択のPLPグループを選択して、ステップS34〜S37の処理を繰り返す。
【0049】
ステップS38では、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S38:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S38:No)、ステップS30の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S30〜S38の処理を繰り返す。
【0050】
図7は、図6のステップS36におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
まず、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に対してcommon PLPの復調を指示して復調処理を行わせる(S40)。この際には、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に、common PLPに対して対となるdata PLPを指定しないため、復調部102は、common PLPの信号のみの復調を行う。そして、復調部102は、common PLPの信号のみを復調して、共通デジタルストリームを生成し、この共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。
【0051】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して、スキャン用共通ストリームの生成を指示する(S41)。ストリーム調整部103には、復調部102でcommon PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームが入力されている。このため、ストリーム調整部103は、入力された共通デジタルストリームから、必要なパケットを抽出することで、スキャン用共通ストリームを生成する。そして、ストリーム調整部103は、生成されたスキャン用共通ストリームを、ストリーム伝送制御部1075の制御によりデマルチプレクス部104に伝送する。
なお、スキャン用共通ストリームを生成する際には、ストリーム調整部103は、Null Packet DeletionによるDNPがストリーム中に含まれていても、NULLパケットの挿入は行わないようにする。即ち、有効なデータを含んだパケットのみが後段に出力されるように、ストリーム調整制御部1074がストリーム調整部103を制御する。
さらに、ストリーム調整制御部1074の指示により、ストリーム調整部103は、スキャン用共通ストリームを生成する際に、後段の処理で取得したい情報を含んだTSパケットのみを抽出するようにする。通常、スキャン処理において取得対象となるのはSIを含んだパケットのみであり、NITの他にBIT(Broadcaster Information Table)、SDT(Service Description Table)及びEIT(Event Information Table)等が含まれている。これらのSIについては、MPEG2システムの規格上でTSパケットのPIDが特定の固定値になると定められているため、ストリーム調整部103は、該当するPIDを持つパケットのみを抽出してデマルチプレクス部104に出力する。
【0052】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076は、取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S42)。ここで、元々のcommon PLPにはそのPLPグループ内で伝送される全てのTSの共通情報が含まれているので、TS毎に共通するSIの内容が一度に全て記録できることになる。ここまでの処理を実行した時点で、図6のcommon PLP解析処理(S36)は終了される。
【0053】
ここで、実施の形態1におけるスキャン処理におけるスキャン用共通ストリームの生成及び伝送について、図8及び図9を参照して説明する。
【0054】
図8は、DVB−T2規格で定められるT2フレームの構成を示す概略図である。T2フレームは、DVB−T2の物理層における時分割多重フレームである。T2フレームは、先に述べたL1−Signalling、common PLP及びdata PLPで構成される。DVB−T2の放送はT2フレームの連続によって構成される。
【0055】
図8に示すように、common PLP及びdata PLPは、時間的に独立して順番に送信される。従って、従来のスキャン処理の場合、common PLP及びdata PLPの両方を復調するためには、先に受信可能なcommon PLPを復調しておき、所望のdata PLPを受信するタイミングまで待って処理を行う必要がある。しかし、実施の形態1におけるスキャン処理では、common PLPの復調のみを行うため、data PLPの受信を待たずに、スキャン処理を開始することが可能となる。
【0056】
図9は、スキャン処理時のスキャン用共通ストリームを説明するための概略図である。
送信側の入力TSには、映像情報、音声情報及びSI等の各種の情報を含んだTSパケットが多重化されている。SIは映像情報、音声情報に比べると情報量が大幅に小さいため、一般的にストリーム中に占める割合は大きくない。また、SIの各テーブルはある周期で繰り返し送信されているため、テーブルを受信可能かどうか判断する際には少なくともテーブルの最大周期分の時間、待機する必要がある。
【0057】
先に述べたように、SIには自TSの情報を記述したactualと他TSの情報を記述したotherとが存在するため、複数のTSについて同じSIテーブルが存在する場合がある。このようなSIテーブルが存在する場合、DVB−T2規格による放送ではcommon PLPにSIを含んだパケットを分離して伝送することがある。この際には、図9のdata PLPに示されているように、共通しているパケットを抜き出した部分は、NULLパケットによって埋められる。また、図9のcommon PLPでも、共通していないパケット(data PLPのパケットに対応)の部分は、NULLパケットによって埋められる。
ここで、従来のスキャン処理では、受信側では、対応するcommon PLPとdata PLPを個別に復調した後、NULLパケットの挿入とタイムスタンプによるタイミング同期を行い、得られた2本のTSを1パケット毎に比較して片方がNULLパケットであればもう片方のパケットを出力することで、元のTS(図9に示されている送信側の入力TS)を復元することができる。
【0058】
これに対して、実施の形態1におけるスキャン処理では、図9に示されているスキャン用共通ストリームのように、common PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームだけに基づいて、NULLパケットの挿入及びタイミングの同期を行うことなく、スキャン用共通ストリームを生成することができる。実施の形態1におけるスキャン処理では、スキャン用共通ストリームとして、TSパケットのうちSIを含むパケットのみが抜き出されて、出力される。これによって、デマルチプレクス部104では、従来のスキャン処理のようにSI以外の映像情報及び音声情報等を含んだパケットを処理する必要がなくなる。また、実施の形態1におけるスキャン処理では、本来は周期的に伝送されるSIのタイムスタンプを無視して、固めて伝送することができるため、SIを格納したTSパケットの入力タイミングに依存した待機を行わずに、直ちにSIを含むTSパケットを取得することができる。ここで、T2フレームの規格上の最大長は250msであるため、SIを取得可能なタイミングも最大で250ms弱程度短縮できる。
【0059】
以上のように、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、複数のストリームが1つの周波数チャンネル内で伝送される場合に、その共通部分を含んだスキャン用共通ストリームのみを復調してスキャンを行うことで、各ストリームを全て順番に復調してスキャンを行う場合に比べてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0060】
また、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、復調部102で復調しストリーム調整部103で復元したスキャン用共通ストリームをデマルチプレクス部104へ伝送する際に、T2フレーム毎に、復調したストリームの各パケットに含まれるタイムスタンプを無視して隙間無くパケットを詰めて伝送することができる。このため、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、より早いタイミングでSIを取得することができ、結果としてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0061】
さらに、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、ストリーム調整部103からデマルチプレクス部104へストリームを伝送する際に、復元したストリームの各パケットのうち、スキャンに必要なSIを含んだパケットのみを選別して伝送することができる。このため、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、より早いタイミングでSIを取得することができ、結果としてスキャン処理時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、実施の形態1におけるデジタル放送受信装置100は、ストリーム中に含まれるスキャン処理時に必要なパケットのみを後段に出力するので、後段の処理における負荷を減らすことができる。
【0063】
実施の形態1は、DVB−T2規格に準拠した放送に対応するデジタル放送受信装置100に適用することが可能である。なお、実施の形態1は、SIを含む共通ストリームが他のストリームから分かれて伝送されるような、別の規格に準拠した放送に対しても同様に適用可能である。
【0064】
また、実施の形態1では、全ての周波数チャンネルについてSIを収集するチャンネルスキャンを例に説明したが、番組情報の収集のみを目的とした番組情報スキャン、並びに、視聴中の放送局の系列局及び中継局を探索する系列局サーチ等、スキャン系の処理全般に対して、同様にスキャン処理時間を短縮することができる。
【0065】
実施の形態2.
続いて、実施の形態2について以下で説明する。
図1に示すように、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部102と、復調部102の出力部に接続されるストリーム調整部203と、ストリーム調整部203の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部207と、記憶部108とを備える。ここで、復調部102と、ストリーム調整部203とにより、復調処理部が構成される。実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、ストリーム調整部203及び制御部207において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
図1に示されているように、実施の形態2における制御部207は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部1073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部2075と、個別情報解析部1076とを備える。実施の形態2における制御部207は、ストリーム伝送制御部2075において、実施の形態1における制御部107と異なっている。
【0066】
実施の形態2に係るデジタル放送受信装置200は、制御部207のストリーム伝送制御部2075の指示によって、ストリーム調整部203からデマルチプレクス部104へのストリームの伝送レートを制御できるものとする。
【0067】
実施の形態2におけるスキャン処理全体の流れは、図6に示されている実施の形態1におけるフローと同様であるが、ステップS26におけるcommon PLP解析処理の内容において異なっている。
【0068】
図10は、実施の形態2におけるcommon PLP解析処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、復調ストリーム選択部1073は、復調部102に対してcommon PLPの復調を指示して復調処理を行わせる(S50)。この処理は、図7に示されているステップS40と同様の処理である。
【0070】
次に、ストリーム伝送制御部2075は、ストリーム調整部203とデマルチプレクス部104との間の伝送クロックレートを最大化する設定を行う(S51)。なお、ここでいう最大化は、デジタル放送受信装置200がTS伝送用バスによって伝送可能な最大のレート値を設定することを意味している。これにより、スキャン用共通ストリームはシステムが許容する最大速度でデマルチプレクス部104へ伝送されることになる。
【0071】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して、スキャン用共通ストリームの生成を指示し、このような指示を受けたストリーム調整部103は、スキャン用共通ストリームを生成する(S52)。この処理は、図7のステップS41と同様の処理である。但し、生成されたスキャン用共通ストリームがデマルチプレクス部104に伝送される速度は、ステップS51で設定された最大速度となる。
【0072】
次に、ストリーム伝送制御部2075は、スキャン用共通ストリームの伝送処理(S52)が終了した後に、伝送クロックレートの最大化設定を解除する(S53)。
【0073】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076は、取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S54)。この処理は、図7のステップS42と同様である。
【0074】
なお、ストリームの伝送を行う場合、通常、一部のパケット中に含まれるPCR(Program Clock Reference)と呼ばれるタイムスタンプ情報によって、受信機側のH/Wクロックを校正し、これを元に映像・音声の提示タイミングを調整する。そのため、通常ならばTSの伝送レートを変更する場合は、各パケットの入力タイミングの変更に伴ってPCRの値を付け替える必要がある。
しかし、実施の形態2においては、後段でPCRを取得しないスキャン処理を行う場合のみ、ストリーム伝送制御部2075の指示により、クロックレートを変更するようにしている。このため、番組視聴中等、PCRを含むパケットを後段に伝送する必要がある場合には、元のTSの伝送レートで入力が行われることになり、クロックの校正において問題が発生することはない。
【0075】
以上のように、実施の形態2におけるデジタル放送受信装置200は、スキャン処理を行う場合のみストリーム調整部203からデマルチプレクス部104への伝送クロックレートを最大化することで、実施の形態1で述べた効果に加えて、TSパケット中のSIを取得するまでの時間をさらに短縮することができる。このため、実施の形態2におけるデジタル放送受信装置200は、スキャン処理時間をさらに短縮することができる。
【0076】
実施の形態3.
続いて、実施の形態3について以下で説明する。
図1に示すように、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、チューナ部101と、チューナ部101の出力部に接続される復調部302と、復調部302の出力部に接続されるストリーム調整部103と、ストリーム調整部103の出力部に接続されるデマルチプレクス部104と、デマルチプレクス部104の出力部に接続されるデコード部105と、制御部307と、記憶部108とを備える。ここで、復調部302と、ストリーム調整部103とにより、復調処理部が構成される。実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300は、復調部302及び制御部307において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置100と異なっている。
図1に示されているように、実施の形態3における制御部307は、受信周波数選択部1071と、共通情報解析部1072と、復調ストリーム選択部3073と、ストリーム調整制御部1074と、ストリーム伝送制御部1075と、個別情報解析部1076とを備える。実施の形態3における制御部307は、復調ストリーム選択部3073において、実施の形態1における制御部107と異なっている。
【0077】
復調部302は、実施の形態1と同様の処理を行う他、復調ストリーム選択部3073からの指示に応じて、周波数チャンネルに含まれる全てのcommon PLPの信号を復調する処理を行い、このような復調処理の結果として、共通デジタルストリームを生成する。そして、復調部302は、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部303に与える。
【0078】
復調ストリーム選択部3073は、実施の形態1と同様の処理を行う他、現在選択されている周波数チャンネルの中に、common PLPを含むPLPグループが少なくとも1つ存在する場合には、その周波数チャンネルに含まれる全てのcommon PLPを復調するよう復調部302に指示を出す。
【0079】
図11は、実施の形態3に係るデジタル放送受信装置300が行うスキャン処理全体の流れを示すフローチャートである。
【0080】
スキャン処理実行時、受信周波数選択部1071は、受信周波数を順に選択して、チューナ部101及び復調部302に指示を出して、チューニング処理及び復調処理を行わせる(S60)。
受信周波数選択部1071は、復調部302の検出信号によって信号受信が確認できたかどうかを判定する(S61)。そして、受信周波数選択部1071は、信号受信が確認できた場合(S61:Yes)には、ステップS62の処理に進み、信号受信が確認できなかった場合(S61:No)には、ステップS68の処理に進む。
【0081】
ステップS62では、共通情報解析部1072は、L1−Signallingを受信し解析する。そして、ステップS62の解析結果として、共通情報解析部1072は、PLPグループと、このPLPグループに属するPLPとを特定する情報を復調ストリーム選択部3073に与える。
【0082】
復調ストリーム選択部3073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、現在選択されている周波数チャンネルの中に含まれるPLPグループについて、common PLPを含むPLPグループが少なくとも1つ存在するかどうかを判定する(S63)。そして、復調ストリーム選択部3073は、common PLPを含むPLPグループが1つ以上存在すれば(S63:YES)、ステップS64の処理に進み、common PLPを含むPLPグループが存在しなければ(S63:No)、ステップS65の処理に進む。
【0083】
ステップS64では、復調ストリーム選択部3073は、全common PLP解析処理を行う。ここでの処理については、図12を用いて詳細に説明する。
【0084】
ステップS65では、復調ストリーム選択部3073は、現在チューニングしている周波数チャンネルの全てのPLPグループをスキャンしたかどうかを判定する(S65)。その結果、復調ストリーム選択部3073は、全PLPグループをスキャン済みであれば(S65:YES)、1つの周波数チャンネルについての処理を終了し、ステップS68の処理に進む。一方、復調ストリーム選択部3073は、未選択のPLPグループがあれば(S65:NO)、ステップS66の処理に進む。
【0085】
ステップS66では、復調ストリーム選択部3073は、共通情報解析部1072から与えられた情報に基づいて、PLPグループのうち未選択のものを順に選択する。
そして、復調ストリーム選択部3073は、選択されたPLPグループについて、グループ内PLP解析処理を行う。この処理は、図5に示されているフローと同様の処理である。
【0086】
ステップS68において、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャンしたかどうかを判定する。そして、受信周波数選択部1071は、全周波数チャンネルをスキャン済みであれば(S68:YES)、本フローを終了する。一方、受信周波数選択部1071は、未スキャンの周波数チャンネルが残っていれば(S68:No)、ステップS60の処理に戻り、次の周波数チャンネルを選択して、S60〜S68の処理を繰り返す。
【0087】
図12は、図11における全common PLP解析処理を示すフローチャートである。
まず、復調ストリーム選択部3073から復調部302に指示を出し、復調部302は、選択されている周波数チャネルに含まれる全てのcommon PLPの信号を復調する(S70)。ここでは、復調ストリーム選択部3073は、復調部302に、common PLPを含む全てのグループのcommon PLPの変調パラメータを設定して、一度に、common PLPを含む全てのグループのcommon PLPのストリームデータを復調させる。そして、復調部302は、このような復調処理の結果として、共通デジタルストリームを生成し、生成された共通デジタルストリームをストリーム調整部103に与える。なお、図8に示されているように、T2フレーム中で、common PLPは、全てdata PLPに先立って伝送されるため、この復調処理は、一対のcommon PLP及びdata PLPの復調に要する通常の復調処理よりも遅くなることはない。
【0088】
次に、ストリーム調整制御部1074は、ストリーム調整部103に対して指示を出すことで、ストリーム調整部103に、復調部302から与えられる共通デジタルストリームより必要な情報を抽出することにより、スキャン用共通ストリームを生成させる(S71)。ストリーム調整部103には、復調部302で各々のcommon PLPの信号を復調して得られた共通デジタルストリームが入力されており、この共通デジタルストリームから抽出されたパケットを繋ぎ合わせることで、スキャン用共通ストリームを生成する。
なお、スキャン用共通ストリームの生成処理をストリーム調整部103が実施する際には、ストリーム調整制御部1074は、実施の形態1のスキャン処理と同様に、NULLパケットの挿入は行わせず、SIを含んだTSパケットのみをPIDを元に抽出させる。これにより、各common PLPに含まれていた全てのSIがデマルチプレクス部104に入力されることになる。
【0089】
デマルチプレクス部104では、上記の処理の結果として入力されたスキャン用共通ストリームからSIを取得し、個別情報解析部1076が取得されたSIを記憶部108に記憶させる(S72)。ここで、元々の各common PLPには、そのPLPグループ内で伝送される全てのTSの共通情報が含まれているので、個別情報解析部1076は、該当するPLPグループに含まれる全てのTSのSIの内容を一度に全て記録できることになる。ここまでの処理を実行した時点で、図11に示されている全common PLP解析処理(S64)は、終了される。
【0090】
以上のように、実施の形態3におけるデジタル放送受信装置300は、common PLPが使用されている全PLPグループ分のcommon PLPの信号をまとめて復調して受信することで、common PLPが1つの周波数チャンネル中で複数存在するような場合に、一度にそれらのcommon PLPが属するPLPグループのスキャンを行うことができる。このため、実施の形態3におけるデジタル放送受信装置300は、実施の形態1のデジタル放送受信装置100と比較して、さらに高速にスキャン処理を行うことが可能である。
【0091】
以上に記載された実施の形態1〜3においては、ストリーム調整部103、203は、復調部102、302から与えられた共通デジタルストリームより、スキャン処理に必要な情報を含んだTSパケットを選別して、選別されたTSパケットからなるスキャン用共通ストリームを生成しているが、このような例に限定されるものではない。例えば、ストリーム調整部103、203は、復調部102、302から与えられた共通デジタルストリームに含まれている共通パケットを全て用いてスキャン用共通ストリームを生成してもよい。この場合でも、ストリーム調整部103、203、303は、共通パケットの間隔を詰めることによりスキャン用共通ストリームを生成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
100,200,300:デジタル放送受信装置、 101:チューナ部、 102,302:復調部、 103,203:ストリーム調整部、 104:デマルチプレクス部、 105:デコード部、 107,207,307:制御部、 1071:受信周波数選択部、 1072:共通情報解析部、 1073,3073:復調ストリーム選択部、 1074:ストリーム調整制御部、 1075,2075:ストリーム伝送制御部、 1076:個別情報解析部、 108:記憶部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された電波から受信信号を生成するチューナ部と、
前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理部と、
前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス部と、
前記チューナ部、前記復調処理部及び前記デマルチプレクス部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させ、
前記デマルチプレクス部に、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離させること
を特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記共通パケットの時間情報に従わずに、前記共通パケットの間隔を詰めて前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、無効パケットを挿入することを示す挿入情報に従った前記無効パケットの挿入を行わずに、前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記共通パケットの内、前記スキャン処理に必要な情報を含む共通パケットを選別させ、当該選別された共通パケットにより前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部から前記デマルチプレクス部への前記スキャン用共通ストリームの伝送を、利用可能な最大伝送クロックレートにより行わせること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記電波に重畳されているストリームの全てのグループの共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記共通パケットは、DVB−T2規格において定義されるcommon PLPによって伝送されるものであること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
受信された電波から受信信号を生成するチューニング過程と、
前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理過程と、
前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス過程と、
を有し、
スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成し、
前記デマルチプレクス過程は、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離すること
を特徴とするデジタル放送受信方法。
【請求項9】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記共通パケットの時間情報に従わずに、前記共通パケットの間隔を詰めて前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項10】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、無効パケットを挿入することを示す挿入情報に従った前記無効パケットの挿入を行わずに、前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8又は9に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項11】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記共通パケットの内、前記スキャン処理に必要な情報を含む共通パケットを選別し、当該選別された共通パケットにより前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項12】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記スキャン用共通ストリームの伝送を、利用可能な最大伝送クロックレートにより行うこと
を特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項13】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記電波に重畳されているストリームの全てのグループの共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8から12の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項14】
前記共通パケットは、DVB−T2規格において定義されるcommon PLPによって伝送されるものであること
を特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項1】
受信された電波から受信信号を生成するチューナ部と、
前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理部と、
前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス部と、
前記チューナ部、前記復調処理部及び前記デマルチプレクス部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させ、
前記デマルチプレクス部に、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離させること
を特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記共通パケットの時間情報に従わずに、前記共通パケットの間隔を詰めて前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、無効パケットを挿入することを示す挿入情報に従った前記無効パケットの挿入を行わずに、前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記共通パケットの内、前記スキャン処理に必要な情報を含む共通パケットを選別させ、当該選別された共通パケットにより前記スキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部から前記デマルチプレクス部への前記スキャン用共通ストリームの伝送を、利用可能な最大伝送クロックレートにより行わせること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理部に、前記電波に重畳されているストリームの全てのグループの共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成させること
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記共通パケットは、DVB−T2規格において定義されるcommon PLPによって伝送されるものであること
を特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のデジタル放送受信装置。
【請求項8】
受信された電波から受信信号を生成するチューニング過程と、
前記受信信号を復調することでパケットを生成し、当該生成されたパケットを含むストリームを生成する復調処理過程と、
前記ストリームから、必要なパケットを分離するデマルチプレクス過程と、
を有し、
スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記電波に重畳されている複数のストリームで共通して利用される共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成し、
前記デマルチプレクス過程は、前記スキャン用共通ストリームから番組情報を分離すること
を特徴とするデジタル放送受信方法。
【請求項9】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記共通パケットの時間情報に従わずに、前記共通パケットの間隔を詰めて前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項10】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、無効パケットを挿入することを示す挿入情報に従った前記無効パケットの挿入を行わずに、前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8又は9に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項11】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記共通パケットの内、前記スキャン処理に必要な情報を含む共通パケットを選別し、当該選別された共通パケットにより前記スキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項12】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記スキャン用共通ストリームの伝送を、利用可能な最大伝送クロックレートにより行うこと
を特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項13】
前記スキャン処理を実行する際に、
前記復調処理過程は、前記電波に重畳されているストリームの全てのグループの共通パケットを抜き出したスキャン用共通ストリームを生成すること
を特徴とする請求項8から12の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【請求項14】
前記共通パケットは、DVB−T2規格において定義されるcommon PLPによって伝送されるものであること
を特徴とする請求項8から13の何れか一項に記載のデジタル放送受信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−89985(P2013−89985A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225569(P2011−225569)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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