説明

デバイス発見方法

【課題】携帯端末と通信可能なデバイスを発見したときに、発見したデバイスが実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができるデバイス発見方法を提供する。
【解決手段】撮影部および表示部を有する携帯端末を用いて携帯端末と通信可能なデバイスを発見するデバイス発見方法において、撮影部の撮影状態を表す撮影情報を取得する撮影情報取得ステップと、デバイスの位置を表す位置情報および該デバイスと通信するための通信方式を表す通信情報を少なくとも含むデバイス情報を格納するデータベースから、撮影部によって撮影されたデバイスのデバイス情報を撮影情報に基づいて取得するデバイス情報取得ステップと、撮影部によって撮影された映像を表示部に表示させる表示ステップとを有し、表示ステップでは、デバイス情報取得ステップで取得されたデバイス情報に基づいた情報50〜53を表示部に表示されたデバイス4〜6に対応するように表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス発見方法に関し、特に、近距離無線通信を行う携帯端末と通信可能なデバイスを発見するデバイス発見方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、近距離無線通信を行う携帯端末と通信可能なデバイスを発見するものとして、図15に示すように、メディア表示装置のメディア関連サービスがファイルシステムサービスと協働して、UPnP(Universal Plug and Play)に準拠して発見したデバイスにそれぞれ対応するファイルシステムエントリをファイルシステム内に作成することにより、対応するファイルシステムエントリをメディア表示装置のファイルシステムウィンドウを介して一覧表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006−524848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術は、携帯端末と通信可能なデバイスを発見することができるものの、当該デバイスが実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができないといった問題があった。
【0005】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、携帯端末と通信可能なデバイスを発見したときに、発見したデバイスが実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができるデバイス発見方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のデバイス発見方法は、撮影部および表示部を有する携帯端末を用いて前記携帯端末と通信可能なデバイスを発見するデバイス発見方法において、前記撮影部の撮影状態を表す撮影情報を取得する撮影情報取得ステップと、前記デバイスの位置を表す位置情報および該デバイスと通信するための通信方式を表す通信情報を少なくとも含むデバイス情報を格納するデータベースから、前記撮影部によって撮影されたデバイスのデバイス情報を前記撮影情報に基づいて取得するデバイス情報取得ステップと、前記撮影部によって撮影された映像を前記表示部に表示させる表示ステップと、を有し、前記表示ステップでは、前記デバイス情報取得ステップで取得されたデバイス情報に基づいた情報を前記表示部に表示されたデバイスに対応するように表示させる。
【0007】
したがって、本発明のデバイス発見方法は、携帯端末の撮影部によって撮影され、表示部に表示された映像のなかから通信可能なデバイスの情報を表示部に表示されたデバイスに対応するように表示させるため、携帯端末と通信可能なデバイスを発見したときに、発見したデバイスが実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、携帯端末と通信可能なデバイスを発見したときに、発見したデバイスが実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができるデバイス発見方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるデバイス発見システムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における携帯端末の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における携帯端末のハードウェア構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における携帯端末を構成する撮影部によって撮影された映像の一例を示す概念図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における携帯端末を構成する表示部に表示される映像の第1の例を示す概念図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における携帯端末を構成する表示部に表示される映像の第2の例を示す概念図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における携帯端末を構成する表示部に表示される映像の第3の例を示す概念図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるサーバ装置の機能ブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるサーバ装置のハードウェア構成図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるデバイスの機能ブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるデバイス発見システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における携帯端末の機能ブロック図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるサーバ装置の機能ブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるデバイス発見システムの動作例を示すシーケンス図である。
【図15】従来のメディア表示装置の表示部に表示される映像の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のデバイス発見方法を実現するデバイス発見システムを図1に示す。
【0012】
図1に示すように、デバイス発見システム1は、携帯端末2と、サーバ装置3と、デバイス4〜6とを備えている。なお、携帯端末2とサーバ装置3との間には、無線基地局や交換機等の中継機器が介在するが、図1においては、これら中継機器の図示は省略されている。
【0013】
また、図1においては、1つの携帯端末、1つのサーバ装置および3つのデバイスが示されているが、本発明に係るデバイス発見システムを構成する携帯端末、サーバ装置およびデバイスの数を限定するものではない。
【0014】
図2に示すように、携帯端末2は、撮影部10と、撮影情報取得部11と、空間識別情報(以下、単に「空間ID」という。)取得部12と、遠距離無線通信部13と、デバイス情報取得部14と、画像合成部15と、表示部16と、操作部17と、近距離無線通信部18と、サービス実行部19とを備えている。
【0015】
携帯端末2は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)およびノートPC(Personal Computer)のようなモバイル通信機器によって構成され、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)20と、RAM(Random Access Memory)21と、ROM(Read Only Memory)22と、フラッシュメモリ23と、近距離無線通信方式で無線通信を行う近距離無線通信モジュール24と、遠距離無線通信方式で無線通信を行う遠距離無線通信モジュール25と、カメラ26と、液晶ディスプレイ等よりなる表示装置27と、液晶ディスプレイ上に設けられたタッチパネル等のポインティングデバイスやキーボード装置よりなる入力装置28と、GPS(Global Positioning System)29と、3軸地磁気センサ30と、3軸加速度センサ31とを有している。なお、GPS29で位置取得ができない場合に備えて、携帯端末2は、更にジャイロと高度計とを有していてもよい。
【0016】
ROM22およびフラッシュメモリ23には、当該モバイル通信機器を携帯端末2として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPU20がRAM21を作業領域としてROM22およびフラッシュメモリ23に記憶されたプログラムを実行することにより、当該モバイル通信機器が携帯端末2として機能する。
【0017】
ここで、図2における撮影部10は、カメラ26によって構成される。撮影情報取得部11は、GPS29、3軸地磁気センサ30および3軸加速度センサ31によって構成される。空間ID取得部12は、CPU20および近距離無線通信モジュール24によって構成される。遠距離無線通信部13は、CPU20および遠距離無線通信モジュール25によって構成される。
【0018】
また、デバイス情報取得部14、画像合成部15およびサービス実行部19は、CPU20によって構成される。表示部16は、表示装置27によって構成される。操作部17は、入力装置28によって構成される。近距離無線通信部18は、CPU20および近距離無線通信モジュール24によって構成される。
【0019】
撮影情報取得部11は、GPS29によって検出された携帯端末2の緯度、経度および高度と、3軸地磁気センサ30によって検出された携帯端末2が向いている方位と、3軸加速度センサ31によって検出された携帯端末2の傾きとに基づいて、撮影部10の緯度、経度、高度および光軸方向を算出し、撮影部10の緯度、経度、高度および光軸方向と、撮影部10から得られる撮影部10の視野角とからなる撮影状態を表す撮影情報を取得するようになっている。
【0020】
空間ID取得部12は、携帯端末2が置かれた空間を一意に識別するための空間IDを取得し、取得した空間IDを撮影情報に含めるようになっている。例えば、空間ID取得部12は、当該空間に設けられた無線送信器等によって継続的に送信される空間IDを受信するようになっている。空間IDとしては、例えば、住所を用いてもよい。なお、空間ID取得部12は、当該空間に設けられた二次元バーコード等を撮影部10を介して読み取ることにより、空間IDを取得するようにしてもよい。
【0021】
遠距離無線通信部13は、遠距離無線通信方式でサーバ装置3と通信を行うようになっている。ここで、遠距離無線通信方式には、PHS(Personal Handyphone System)、GSM(Global System for Mobile Communications)、CdmaOne、Cdma2000、W−CDMAおよびLTE(Long Term Evolution)等のような移動体通信のために規定された通信方式が含まれる。
【0022】
本実施の形態においては、遠距離無線通信部13を介して、撮影部10によって撮影された撮影映像と、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報とがサーバ装置3に送信される。
【0023】
デバイス情報取得部14は、撮影部10によって撮影された撮影映像と、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報との送信に応じて、サーバ装置3から送信されたデバイス情報を遠距離無線通信部13を介して取得するようになっている。
【0024】
デバイス情報には、デバイスを識別するためのID、ならびに、デバイスの製造メーカ、名称および型番号等のデバイスの仕様等を表す属性情報と、デバイスの位置を表す位置情報と、デバイスと通信するための近距離無線通信方式および当該近距離無線通信方式に要するパラメータを表す通信情報と、デバイスから提供されるサービスを表すサービス情報とが含まれている。
【0025】
ここで、位置情報は、サーバ装置3に送信した撮影映像におけるデバイスの座標を表す。また、サービス情報には、デバイスの状態を送信するサービスおよびデバイスを制御するための情報を受信するサービス等を実行するためのマークアップ言語やスクリプト等が含まれている。
【0026】
画像合成部15は、デバイス情報取得部14によって取得されたデバイス情報に基づいて、各デバイスの位置情報が表す位置の周辺に各デバイスの情報を合成するようになっている。ここで、本実施の形態において、撮影映像に合成される情報は、通信情報が表す近距離無線通信方式を表す情報とする。
【0027】
例えば、図4に示すような撮影映像が撮影されると、画像合成部15は、図5に示すように、撮影部10によって撮影された各デバイス4〜7に対応するように、通信情報が表す近距離無線通信方式を表す通信方式情報50〜53を撮影映像にそれぞれ合成するようになっている。なお、図5は、デバイス4がIrDA(登録商標)とWi−Fi(登録商標)との各近距離無線通信方式に準拠して通信し、デバイス5、6がBluetooth(登録商標)に準拠して通信し、デバイス7が無線通信できないことを表している。
【0028】
なお、図5において、通信方式情報53は、デバイス7が近距離無線通信機能を有していないことを表しているが、画像合成部15は、携帯端末2の近距離無線通信機能とデバイス7の近距離無線通信機能と比較し、これらを相互に接続する近距離無線通信方式がない場合には、通信方式情報53をデバイス7に対応するように撮影映像に合成するようにしてもよい。
【0029】
また、この場合には、画像合成部15は、図6に示すように、デバイス7と携帯端末2とを相互に接続する近距離無線通信方式がないことと、デバイス7が準拠可能な近距離無線通信方式とを表す通信方式情報53をデバイス7に対応するように合成する。
【0030】
図2において、表示部16は、画像合成部15によって合成された画像を表示するようになっている。操作部17は、表示部16に表示されたデバイスを選択させることができるようになっている。ここで、デバイス6が選択されたと仮定して、以下、説明する。
【0031】
表示部16に表示されたデバイス6が操作部17によって選択されると、近距離無線通信部18は、選択されたデバイスと該当する通信方式で接続を確立するようになっている。
【0032】
なお、近距離無線通信部18と各デバイス4〜6との間では、各種のメッセージがオーバレイプロトコルにしたがって伝送される。このオーバレイプロトコルでは、携帯端末2と各デバイス4〜6との各ノードが行う通信に関する設定情報や生存情報を表すHELLO、HELLOの応答を表すHELLO応答(以下、「HELLO Response」と記載する。)、サービスに関する機能の起動要求を表すサービス起動要求(以下、「Invoke Request」と記載する。)、および、Invoke Requestの応答を表すサービス起動応答(以下、「Invoke Response」と記載する。)等のメッセージが規定されている。
【0033】
また、オーバレイプロトコルの下位層にあたる近距離無線通信方式には、Bluetooth(登録商標)と、ZigBee(登録商標)と、IrDA(Infrared Data Association)(登録商標)等の赤外線や可視光による光通信方式と、ISM(Industry-Science-Medical)バンド等の用いた特定小電力無線通信方式と、Felica(登録商標)、mifare(登録商標)およびNFC(Near Field Communication)等の非接触ICカード通信方式と、UWB(Ultra Wide Band)と、Wi−Fi(登録商標)等のWLAN(Wireless LAN)と、Z−Wave(登録商標)と、ANT+と、その他、微弱電波を用いた無線通信のために規定された通信方式とが含まれる。
【0034】
画像合成部15は、携帯端末2とデバイス6の接続が確立している間には、図7に示すように、接続が確立されたデバイス6を識別するためのアイコン54をデバイス6に対応するように撮影映像に合成し、表示部16に表示させるようになっている。
【0035】
また、サービス実行部19は、デバイス情報取得部14によって取得されたデバイス情報に含まれるサービス情報に基づいて、デバイス6の状態を表す情報55を撮影映像におけるデバイス6に対応するように合成すると共に、デバイス6を制御するためのコントロールパネル56を撮影映像に合成するよう画像合成部15を制御するようになっている。この結果、図7に示すような映像が表示部16に表示される。
【0036】
ここで、コントロールパネル56のコントローラが操作部17によって選択されると、サービス実行部19は、選択されたコントローラに対応する制御情報を近距離無線通信部18を介してデバイス6に送信するようになっている。
【0037】
図8に示すように、サーバ装置3は、デバイス情報を格納するデータベース60と、携帯端末2の遠距離無線通信部13等と通信を行うための通信部61と、デバイス情報検出部62と、位置情報補正部63とを備えている。
【0038】
図9に示すように、サーバ装置3は、CPU70と、RAM71と、ROM72と、ハードディスク装置73と、通信モジュール74とを備えた一般的なコンピュータ装置によって構成されている。
【0039】
ROM72およびハードディスク装置73には、当該コンピュータ装置をサーバ装置3として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPU70がRAM71を作業領域としてROM72およびハードディスク装置73に記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータ装置は、サーバ装置3として機能する。
【0040】
ここで、図8におけるデータベース60は、ハードディスク装置73によって構成され、通信部61は、通信モジュール74によって構成され、デバイス情報検出部62および位置情報補正部63は、CPU70によって構成される。
【0041】
デバイス情報には、前述したように、属性情報と、位置情報と、通信情報と、サービス情報とが含まれているが、データベース60に格納されているデバイス情報の位置情報には、該当するデバイスが置かれた空間を一意に識別するための空間ID、ならびに、デバイスの緯度、経度および高度を表す情報が含まれている。
【0042】
データベース60には、映像からデバイスを識別するための画像抽出情報がデバイス情報に対応して更に格納されている。画像抽出情報は、例えば、デバイスを複数の方向から撮影して得られた画像の輝度成分から抽出された特徴点の集合からなる。なお、画像抽出情報は、画像の輝度成分から抽出された特徴点の集合の他に、画像の輝度成分から抽出された輪郭線の集合であってもよく、輝度成分のみからなる複数の画像であってもよい。
【0043】
デバイス情報検出部62は、携帯端末2から送信された撮影情報と、データベース60に格納されたデバイス情報の位置情報とに基づいて、撮影映像に映されたデバイスのデバイス情報をデータベース60から検出するようになっている。
【0044】
具体的には、デバイス情報検出部62は、撮影情報に含まれる空間IDと同一の空間IDが位置情報に含まれるデバイス情報をデータベース60から検出し、検出したデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、携帯端末2から送信された撮影情報とに基づいて、撮影映像に映されたデバイスのデバイス情報を検出するようになっている。
【0045】
位置情報補正部63は、デバイス情報検出部62によって検出されたデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、携帯端末2から送信された撮影情報とに基づいて、撮影映像における各デバイスの位置を算出するようになっている。
【0046】
また、位置情報補正部63は、デバイス情報検出部62によって検出されたデバイス情報に対応してデータベース60に格納された画像抽出情報に基づいて、撮影映像における各デバイスの位置を補正するようになっている。
【0047】
例えば、位置情報補正部63は、画像抽出情報が表す特徴点の座標の集合を拡縮および回転させながら、算出したデバイスの位置を起点として徐々にずらしながら撮影映像との相関値を算出し、算出した相関値が予め定められた閾値を超えた位置を撮影映像におけるデバイスの位置として補正する。
【0048】
ここで、撮影映像の全体に渡って相関値が閾値を超えなかった場合には、位置情報補正部63は、最も相関値が高かった位置を撮影映像におけるデバイスの位置として補正してもよく、このデバイスが撮影映像にないものとしてもよい。
【0049】
このように、デバイス情報検出部62によって検出され、位置情報補正部63によって位置情報が補正されたデバイス情報は、通信部61を介して携帯端末2に送信される。
【0050】
図1において、各デバイス4〜6は、照明機器、エアコン等の白物家電、テレビ等のAV(Audio Visual)機器、プリンタなどのOA(Office Automation)機器、店頭で電子クーポンを配信するような広告用通信装置、および、無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント等によって構成されている。
【0051】
図10に示すように、各デバイス4〜6は、近距離無線通信部80と、サービス提供部81とを備えている。なお、図10は、デバイス6について示しているが、デバイス4、5についても同様である。
【0052】
サービス提供部81は、CPU等のプロセッサによって構成され、デバイス6の状態(例えば、設定温度)の取得要求に応じて、近距離無線通信部80を介して、デバイス6の状態をその要求元に送信したり、デバイス6の制御要求(例えば、設定温度の変更)に応じて、デバイス6の状態を変化させたりするようになっている。
【0053】
以上のように構成されたデバイス発見システム1について図11を用いてその動作を説明する。なお、以下の説明においては、携帯端末2がデバイス6と接続し、デバイス6のサービスを受ける場合を例に説明する。
【0054】
まず、携帯端末2の撮影部10によって撮影が行われると(ステップS1)、撮影部10によって撮影された撮影映像と、撮影情報取得部11および空間ID取得部12によって取得された撮影情報とが遠距離無線通信部13を介してサーバ装置3に送信される(ステップS2)。
【0055】
撮影映像と撮影情報とを受信したサーバ装置3では、撮影情報と、データベース60に格納されたデバイス情報の位置情報とに基づいて、撮影映像に映されたデバイスのデバイス情報が、デバイス情報検出部62によってデータベース60から検出される(ステップS3)。
【0056】
次に、デバイス情報検出部62によって検出されたデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、携帯端末2から送信された撮影情報とに基づいて、撮影映像における各デバイスの位置が位置情報補正部63によって算出され、デバイス情報検出部62によって検出されたデバイス情報に対応してデータベース60に格納された画像抽出情報に基づいて、撮影映像における各デバイスの位置が補正される(ステップS4)。
【0057】
位置情報が補正されたデバイス情報は、通信部61を介して携帯端末2に送信される(ステップS5)。このデバイス情報を受信した携帯端末2では、このデバイス情報に含まれる通信情報が表す近距離無線通信方式を表す情報が画像合成部15によって撮影映像に合成され、表示部16に表示される(ステップS6、図5参照)。
【0058】
ここで、操作部17を介してデバイス6が選択されると(ステップS7)、携帯端末2とデバイス6との間で、Bluetoothに準拠した接続が確立される(ステップS8)。
【0059】
携帯端末2とデバイス6との間で、Bluetoothに準拠した接続が確立されると、携帯端末2からデバイス6にHELLOメッセージが送信され(ステップS9)、HELLOメッセージを受信したデバイス6から携帯端末2にHELLO Responseメッセージが送信される(ステップS10)。
【0060】
次いで、デバイス情報に含まれるサービス情報に基づいて、デバイス6の状態(ここでは、設定温度)を表す情報を取得するためのInvoke Requestメッセージが携帯端末2からデバイス6に送信される(ステップS11)。
【0061】
Invoke Requestメッセージに応じて、デバイス6の状態を含むInvoke Responseメッセージがデバイス6から携帯端末2に送信される(ステップS12)。Invoke Responseメッセージを受信すると、携帯端末2では、デバイス情報に含まれるサービス情報に基づいて、デバイス6の状態を表す情報を撮影映像におけるデバイス6に対応させて合成するように画像合成部15がサービス実行部19によって制御される(ステップS13)。
【0062】
また、デバイス6を制御するためのコントロールパネルを撮影映像に合成するよう画像合成部15がサービス実行部19によって制御される(ステップS14)。この結果、図7に示したような映像が表示部16に表示される。
【0063】
このような本発明の第1の実施の形態のデバイス発見方法を実現するデバイス発見システム1は、携帯端末2の撮影部10によって撮影され、表示部16に表示された映像のなかから通信可能なデバイスの情報を表示部16に表示されたデバイス4〜6に対応するように表示させるため、携帯端末2と通信可能なデバイス4〜6を発見したときに、発見したデバイス4〜6が実際にどのデバイスなのかをユーザに認識させることができる。
【0064】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態のデバイス発見方法を実現するデバイス発見システムについて説明する。本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態における位置情報補正部63がサーバ装置3に代えて携帯端末2に設けられている。
【0065】
すなわち、携帯端末2は、図12に示すように、撮影部10と、撮影情報取得部11と、空間ID取得部12と、遠距離無線通信部13と、デバイス情報取得部14と、画像合成部15と、表示部16と、操作部17と、近距離無線通信部18と、サービス実行部19とに加えて、位置情報補正部63を備えている。なお、本実施の形態において、位置情報補正部63は、CPU20によって構成される。
【0066】
また、サーバ装置3は、図13に示すように、データベース60と、通信部61と、デバイス情報検出部62とを備えている。デバイス情報検出部62は、検出したデバイス情報と、当該デバイス情報に対応してデータベース60に格納された画像抽出情報とを通信部61を介して携帯端末2に送信するようになっている。
【0067】
図12において、位置情報補正部63は、デバイス情報検出部62によって送信されたデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報とに基づいて、撮影映像における各デバイスの位置を算出するようになっている。また、位置情報補正部63は、デバイス情報検出部62によって送信された画像抽出情報に基づいて、撮影映像における各デバイスの位置を補正するようになっている。
【0068】
このため、本実施の形態においては、遠距離無線通信部13を介して、撮影部10によって撮影された撮影映像をサーバ装置3に送信する必要がなく、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報のみがサーバ装置3に送信される。
【0069】
以上のように構成されたデバイス発見システムについて図14を用いてその動作を説明する。なお、以下の説明においては、携帯端末2がデバイス6と接続し、デバイス6のサービスを受ける場合を例に説明する。
【0070】
まず、携帯端末2の撮影部10によって撮影が行われると(ステップS21)、撮影情報取得部11および空間ID取得部12によって取得された撮影情報が遠距離無線通信部13を介してサーバ装置3に送信される(ステップS22)。
【0071】
撮影情報を受信したサーバ装置3では、撮影情報と、データベース60に格納されたデバイス情報の位置情報とに基づいて、撮影映像に映されたデバイスのデバイス情報が、デバイス情報検出部62によってデータベース60から検出される(ステップS23)。
【0072】
データベース60から検出されたデバイス情報は、通信部61を介して携帯端末2に送信される(ステップS24)。このデバイス情報を受信した携帯端末2では、サーバ装置3から送信されたデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報とに基づいて、撮影映像における各デバイスの位置が位置情報補正部63によって算出され、このデバイス情報と共にサーバ装置3から送信された画像抽出情報に基づいて、撮影映像における各デバイスの位置が補正される(ステップS25)。
【0073】
次に、このデバイス情報に含まれる通信情報が表す近距離無線通信方式を表す情報が画像合成部15によって撮影映像に合成され、表示部16に表示される(ステップS26、図5参照)。
【0074】
ここで、操作部17を介してデバイス6が選択されると(ステップS27)、携帯端末2とデバイス6との間で、Bluetoothに準拠した接続が確立される(ステップS28)。
【0075】
携帯端末2とデバイス6との間で、Bluetoothに準拠した接続が確立されると、携帯端末2からデバイス6にHELLOメッセージが送信され(ステップS29)、HELLOメッセージを受信したデバイス6から携帯端末2にHELLO Responseメッセージが送信される(ステップS30)。
【0076】
次いで、デバイス情報に含まれるサービス情報に基づいて、デバイス6の状態(ここでは、設定温度)を表す情報を取得するためのInvoke Requestメッセージが携帯端末2からデバイス6に送信される(ステップS31)。
【0077】
Invoke Requestメッセージに応じて、デバイス6の状態を含むInvoke Responseメッセージがデバイス6から携帯端末2に送信される(ステップS32)。Invoke Responseメッセージを受信すると、携帯端末2では、デバイス情報に含まれるサービス情報に基づいて、デバイス6の状態を表す情報を撮影映像におけるデバイス6に対応するように合成するように画像合成部15がサービス実行部19によって制御される(ステップS33)。
【0078】
また、デバイス6を制御するためのコントロールパネルを撮影映像に合成するよう画像合成部15がサービス実行部19によって制御される(ステップS34)。この結果、図7に示したような映像が表示部16に表示される。
【0079】
このように本発明の第2の実施の形態のデバイス発見方法を実現するデバイス発見システムにおいても、本発明の第1の実施の形態のデバイス発見方法を実現するデバイス発見システム1と同様な効果が得られる。
【0080】
なお、同様に、サーバ装置3のデータベース60およびデバイス情報検出部62を携帯端末2に設けても同様な効果が得られるが、本発明の第1および第2の実施の形態の説明に基づいて容易に想到できるため、その説明は省略する。
【0081】
また、上述した本発明の第1および第2の実施の形態において、データベース60に格納されている位置情報に空間IDが含まれている例について説明したが、本発明においては、データベース60に格納されている位置情報に空間IDが含まれていなくてもよい。
【0082】
この場合には、携帯端末2から空間ID取得部12を省き、携帯端末2からサーバ装置3に送信される撮影情報には、操作部17等によって予め設定された検出距離を表す距離情報を含めるように撮影情報取得部11を構成する。
【0083】
さらに、デバイス情報検出部62は、撮影情報に含まれる空間IDと同一の空間IDが位置情報に含まれるデバイス情報をデータベース60から検出するのに代えて、撮影情報から得られる撮影位置から検出距離内に位置情報が表す位置が含まれるデバイス情報をデータベース60から検出するように構成される。
【0084】
また、上述した本発明の第1および第2の実施の形態において、データベース60に画像抽出情報が格納されている例について説明したが、本発明においては、データベース60に画像抽出情報が格納されていなくてもよい。
【0085】
この場合には、位置情報補正部63は、撮影映像における各デバイスの位置を算出するが、撮影映像における各デバイスの位置を補正しないように構成される。したがって、本発明の第1の実施の形態においては、携帯端末2は、サーバ装置3に撮影映像を送信しないように構成される。また、本発明の第2の実施の形態においては、サーバ装置3は、携帯端末2に画像抽出情報を送信しないように構成される。
【0086】
また、上述した本発明の第1および第2の実施の形態において、データベース60に格納されている位置情報に撮影部10の緯度、経度、高度、光軸方向および視野角が含まれている例について説明したが、本発明においては、データベース60に格納されている位置情報に撮影部10の緯度、経度、高度、光軸方向および視野角が含まれていなくてもよい。
【0087】
この場合には、撮影情報には、空間IDのみが含まれ、携帯端末2の撮影情報取得部11は、空間ID取得部12によって取得された空間IDのみを取得するように構成される。すなわち、携帯端末2のハードウェア構成からGPS29、3軸地磁気センサ30および3軸加速度センサ31を除くことができる。
【0088】
また、位置情報補正部63は、デバイス情報検出部62によって検出されたデバイス情報の位置情報に含まれる緯度、経度および高度と、撮影情報取得部11によって取得された撮影情報とに基づいて、撮影映像における各デバイスの位置を算出せずに、撮影映像における各デバイスの位置を画像抽出情報に基づいて算出するように構成される。
【0089】
例えば、位置情報補正部63は、画像抽出情報が表す特徴点の座標の集合を拡縮および回転させながら、撮影映像の予め定められた位置を起点として徐々にずらしながら撮影映像との相関値を算出し、算出した相関値が予め定められた閾値を超えた位置を撮影映像におけるデバイスの位置として算出する。
【符号の説明】
【0090】
1 デバイス発見システム
2 携帯端末
3 サーバ装置
4、5、6、7 デバイス
10 撮影部
11 撮影情報取得部
12 空間ID取得部
13 遠距離無線通信部
14 デバイス情報取得部
15 画像合成部
16 表示部
17 操作部
18、80 近距離無線通信部
19 サービス実行部
20、70 CPU
21、71 RAM
22、72 ROM
23 フラッシュメモリ
24 近距離無線通信モジュール
25 遠距離無線通信モジュール
26 カメラ
27 表示装置
28 入力装置
29 GPS
30 3軸地磁気センサ
31 3軸加速度センサ
60 データベース
61 通信部
62 デバイス情報検出部
63 位置情報補正部
73 ハードディスク装置
74 通信モジュール
81 サービス提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部および表示部を有する携帯端末を用いて前記携帯端末と通信可能なデバイスを発見するデバイス発見方法において、
前記撮影部の撮影状態を表す撮影情報を取得する撮影情報取得ステップと、
前記デバイスの位置を表す位置情報および該デバイスと通信するための通信方式を表す通信情報を少なくとも含むデバイス情報を格納するデータベースから、前記撮影部によって撮影されたデバイスのデバイス情報を前記撮影情報に基づいて取得するデバイス情報取得ステップと、
前記撮影部によって撮影された映像を前記表示部に表示させる表示ステップと、を有し、
前記表示ステップでは、前記デバイス情報取得ステップで取得されたデバイス情報に基づいた情報を前記表示部に表示されたデバイスに対応するように表示させることを特徴とするデバイス発見方法。
【請求項2】
前記位置情報は、前記デバイスの緯度および経度を表す情報を含み、
前記撮影情報は、前記撮影部の緯度、経度、光軸方向および視野角を表す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のデバイス発見方法。
【請求項3】
前記デバイスに対応させて表示させる情報の表示位置を補正する位置補正ステップを更に有し、
前記データベースは、映像から前記デバイスを識別するための画像抽出情報をさらに格納し、
前記位置補正ステップでは、前記デバイスに対応させて表示させる情報の表示位置を前記画像識別情報に基づいて補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデバイス発見方法。
【請求項4】
前記位置情報は、前記デバイスが位置する空間を識別するための空間識別情報を更に含み、
前記撮影情報は、前記撮影部が位置する空間を識別するための空間識別情報を更に含み、
前記デバイス情報取得ステップでは、前記撮影部の空間識別情報と同一の空間識別情報を含むデバイス情報のなかから、前記撮影部によって撮影されたデバイスのデバイス情報を取得することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のデバイス発見方法。
【請求項5】
前記表示ステップでは、前記デバイス情報に含まれる前記通信情報を前記表示部に表示されたデバイスに対応するように表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のデバイス発見方法。
【請求項6】
前記デバイスが提供するサービスを実行するサービス実行ステップを更に有し、
前記デバイス情報は、前記デバイスが提供するサービスを表すサービス情報を更に含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のデバイス発見方法。
【請求項7】
前記デバイスが提供するサービスは、該デバイスの状態を送信するサービスを含み、
前記表示ステップでは、該デバイスの状態を表す情報を該デバイスに対応するように前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6に記載のデバイス発見方法。
【請求項8】
前記表示部に表示されたデバイスを選択させるデバイス選択ステップを更に有し、
前記デバイスが提供するサービスは、該デバイスを制御するための情報を受信するサービスを含み、
前記表示ステップでは、前記選択ステップで選択されたデバイスを制御するためコントローラを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のデバイス発見方法。
【請求項9】
前記携帯端末と前記デバイスとは、前記デバイスによって提供されるサービスに関するアプリケーションレイヤの情報の少なくとも一部を、相互に実行可能なオーバレイプロトコルにしたがって伝送することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載のデバイス発見方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−97167(P2011−97167A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246676(P2009−246676)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503101792)株式会社アライド・リソーシズ・コミュニケーションズ (2)
【Fターム(参考)】