説明

データセンタの冷却

【課題】安価、かつ、一群の特にハイパワー用ラックおよび/または囲いを支援し得る、または、設備機器室内またはデータセンタ内の局所熱の問題を克服し得るラック冷却のシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】ハウジングの第1の部分は、熱を生じる電子設備機器を保持するように構成され、ハウジングの第2の部分は、少なくとも1つの冷却ユニットを保持するように構成される。第1の部分の各ハウジングは、設備機器の表の面からガスが引き込まれ、設備機器によって熱ガスを生じ、ハウジングの裏を介して放出され、電子設備機器を保持するように構成される。ハウジングおよび少なくとも1つのパネルは、ホット領域を側方から囲い込み、かつ、ガスがホット領域を鉛直に抜け出すことを可能とする頂部の開口を規定するように配置され連結される。第1の部分のハウジングの裏は、熱ガスをホット領域へ追い出すようにホット領域に隣り合わせて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ラック装備されるデバイスの冷却に関する。より詳細には、冷却システムを有するデータセンタのインフラストラクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の設備機器は、通常、ラックに装備するように、および囲いの中に収容するように設計される。設備機器のラックおよび囲いは、小さな配線クロゼット、設備機器室および大きなデータセンタの中に、サーバ、CPU、インターネットワーキング設備機器、およびストレージデバイスのような情報通信技術の設備機器を含みかつ配列するために使用される。設備機器ラックは、オープンな構成であり得、かつ、ラックの囲いの中に収容され得る。標準的なラックは、一般的に、サーバおよびCPUのような複数の設備機器ユニットが、ラック内に装備され垂直に積み重ねられる、フロントマウンティングレールを含む。標準的なラックの設備機器収容力は、マウンティングレールの高さに関係する。高さは、標準的な区切り1.75インチで設定され、それは、「U」単位またはラックの「U」高さ収容力と表現される。一般的なラックのU高さまたは値は、42Uである。常に、標準ラックが、様々な異なるコンポーネントおよび異なる製造者のコンポーネントについて、数少なくまたは数多く存在している。
【0003】
たいていのラック装備された情報通信技術の設備機器は、電力を消費し、熱を発生する。ラック装備された設備機器によって生成された熱は、設備機器コンポーネントの性能、信頼性、有効寿命に対して悪い影響を与え得る。とくに、囲い内に収容されるラック装備される設備機器は、動作中に囲いの範囲内で生成される熱蓄積および熱溜でにとくに被害を被りやすい。ラックによって生成される熱の量は、動作中にラック内の設備機器によって消費される電力の量に依存する。ラックの熱出力は、ラックに装備されるコンポーネントの数およびタイプに依存して、ラック収容力U単位当り数ワットからU単位当り500ワットまで、またはさらに高くまで変わり得る。情報通信の設備機器のユーザは、彼らのニーズが変化し、新しいニーズが生まれるにつれて、ラック装備されたコンポーネントを追加し、除去し、再配置する。従って、あるラックまたは囲いの熱の量は、数十ワットから約10,000ワット以上まで大きく変動し得る。
【0004】
ラック装備された設備機器は、一般的には、ラックまたは囲いの表側または吸気側に沿って空気を採り入れることによって機器自体を冷却し、そのコンポーネントを介して空気を取り入れ、その後、ラックまたは囲いの裏側または排気側から空気を排出する。従って、冷却のために十分な空気を提供するための空気の流れの要件は、ラック装備されたコンポーネントの数およびタイプ、並びに、ラックおよび囲いの構成の結果としてかなり変動し得る。
【0005】
設備機器室およびデータセンタは、一般に、ラック装備された設備機器および囲いに冷気を供給し、かつ、循環させる空気調整または冷却システムを備えている。特許文献1で開示されるシステムのような多くの空気調整または冷却システムは、設備機器室またはデータセンタが、システムの空気調整または空気循環を容易にするために上げ床構造を有することを要求する。これらのシステムは、一般的には、空気の通路からの冷気を配送し設備機器室の上げ床の下に処分するために、オープンフロアタイルおよび格子床または通気口を使用する。オープンフロアタイルおよび格子床または通気口は、一般には、設備機器ラックおよび囲いの表の面に、並びに、隣合って配列されたラックおよび囲いの列の間の通路に沿って位置される。
【0006】
一般的に、上げ床構造を要求する冷却システムおよび方法は、ラック装備された設備機器の冷却要件に十分に適合しない。特に、5,000ワットを超え10,000ワットまでの熱排気出力を有するハイパワー設備機器を含むラックは、そのようなシステムおよび方法に対して格別の課題を提起する。上げ床構造は、一般的に、約12インチ×12インチの大きさのオープンフロアタイルまたは格子床または通気口を備え、約200cfmから約500cfmの冷気を供給するように構成される。最高10,000ワット以上を消費し、約1,600cfmの空気の流れを要求するハイパワー設備機器のラックは、従って、その冷却要件に適合する十分な冷気を供給するために、ラック周辺に配置される約3.2から約8のオープンフロアタイル、格子床または通気口が必要であろう。そのようなフロア構成は、ラックおよび囲いで混雑する設備機器室において達成することは難しく、ラックおよび囲いが隣合って配置されている場合には、実現することは不可能であろう。上げ床構造を組み込む空気冷却システムおよび方法は、一般的には、複数のオープンフロアタイル、格子床または通気口に対応する十分な床面積を提供するために間隔がとられたラックおよび囲いに対してのみ使用される。一般的なラックのスペーシングについては、このことは、実現され得る設備機器の密度に限界をもたらす。上げ床が使用されない場合には、一般的に、冷気は、ラックの列を含む部屋を横切って分配されねばならないので、1以上の集中空調システムから冷気を分配する問題は、なおさらに大きい。
【0007】
設備機器室およびデータセンタは、個々のラックおよび囲いが再配置および/または置き換えられることを要求する新しいおよび/または異なる設備機器のニーズに適合するように、しばしば再構成される。このような状況において、上げ床冷却のシステムおよび方法は、柔軟性がなく、かなりのコストをかけた場合にのみ、再アレンジされたサービス、再配置されたおよび/または新しく導入された設備機器ラックに対して、再構成および/または装備改良され得る。ユーザが、一般的に、新しいまたは変化するニーズに適合するように、設備機器ラックを配置し、設備機器室およびデータセンタを再構築する態様には、上げ床構成は、容易かつ安価に対応し得ない。
【0008】
さらに上げ床構造を要求する冷却システムおよび方法は、物理的な柔軟性および可搬性に欠け、設備機器室における異なるラックおよび囲いの間、特に、同列に位置するラックと囲いとの間での電力消費の大きな変化に対処できない。冷気を供給するために、上げ床の空気通路およびオープンフロアタイル、格子床、または通気口に頼る冷却システムおよび方法は、比較的大量の電力を消費し、高熱排気出力を有するそれらのハイパワーラックに対し、容易かつ安価に冷気を変動または集中させ得ない。さらに、新しく導入される設備機器は、交換または既存の設備機器よりも多くの電力を使用し、機能中の設備機器室に熱的に問題のある領域を生み出し得る。
【0009】
さらに、既存の空調解決策に特有の問題は、ラックから部屋の空調機の戻り側への排気の適切な再循環不足のために、室内に熱溜りが生じ得るということである。これは、ラックがラックの中に暖気を望ましくなくも引き込む原因となる。空気循環の問題を克服するために、多くの空調機は、約58°Fの非常にクールな空気を提供し、一般的な温度約78°Fの戻りの空気を受け取るように設計される。そのような空調機についての1つの問題は、58°Fの出力空気の温度についてのそれであり、この温度を達成するために潜在的な冷却が生じるので、データセンタ内の空気の湿度を高めるために、加湿システムを追加することがしばしば必要となる。そのような加湿システムは、導入し動作するのに高価であり得る。
【0010】
従って、上げ床を有するデータセンタおよび上げ床を有しないデータセンタの両方に対して、設備機器の冷却要件に効果的かつ経済的に適合するラック装備された情報通信技術の設備機器を冷却するためのシステムおよび方法を提供することが望まれる。安価、かつ、一群の特にハイパワー用ラックおよび/または囲いを支援し得る、または、設備機器室内またはデータセンタ内の局所熱の問題を克服し得るラック冷却のシステムおよび方法が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,494,050号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の最初の局面は、モジュラデータセンタに向けられる。モジュラデータセンタは、複数のラックを含み、各ラックは表の面と裏面を有し、複数のラックは、第1の列と第2の列に配列され、第1の列のラックの裏面は第2の列と対面し、第2の列のラックの裏面は第1の列と対面する。データセンタは、第1の列の第1のラックと第2の列の第1のラックとを連結する第1のエンドパネルをも含み、第1のエンドパネルは下端および上端を有する。さらに、データセンタは、第1の列の第2のラックと第2の列の第2のラックとを連結する第2のエンドパネルを含み、第2のエンドパネルは上端および下端を有し、そして、第1のパネルの上端と第2のパネルの上端との間を連結するようにルーフパネルが含まれる。
【0013】
モジュラデータセンタは、ルーフパネルが、第1の列のうちの少なくとも1のラックの頂部に、および第2の列のうちの少なくとも1つの頂部に連結されるように設計され得、その結果として、ルーフパネル、第1のエンドパネル、第2のエンドパネル、およびラックの第1および第2の列が、ラックの第1の列とラックの第2の列との間の領域の周りに囲いを形成する。複数のラックは該領域から空気を引き込み、空気を冷却し、そして冷却された空気をラックの1つの表の面から戻す冷却設備も含み得る。第1のエンドパネルおよび第2のエンドパネルのうちの少なくとも1つは、ドアを含み得る。さらに、ルーフパネルの少なくとも1部は、半透明であり得る。モジュラデータセンタは、複数のラックのうちの少なくとも1つの他のラックの中の設備に中断無しに電力を提供するために無停電電源を含む少なくとも1つのラックを有し得る。モジュラデータセンタのラックの第1の列は、第2の列に実質的に平行であり得る。さらに、モジュラデータセンタは、第1の列と第2の列との間の領域から空気を引き込み、空気を冷却し、そして、冷却された空気をラックの1つ以上の表の面から戻す冷却設備を、複数のラックのうちの1つが含むように設計され得る。
【0014】
本発明の別の局面は、データセンタのラックに含まれる電子設備機器を冷却する方法に向けられる。該方法は、2列にラックを配列することを含み、それは、第1の列および第1の列に実質的に平行な第2の列を含み、第1の列のラックのうちの少なくとも1つの裏面は、第2の列のうちの少なくとも1つの裏面に向け対面する。該方法は、第1の列と第2の列との間の領域の周りに囲いを形成すること、およびラックのうちの1つの中に該領域から空気を引き込み、ラックのうちの1つの表の面の外へ空気を通すことをも含む。
【0015】
該方法は、表の面の外へ空気を通す前に、ラックのうちの1つの中に取り込んだ空気を冷却するさらなるステップを含み得る。囲いを形成するステップは、第1および第2のサイドパネルと第1の列と第2の列との間のルーフパネルとを連結することを含む。第1のサイドパネルおよび第2のサイドパネルのうち少なくとも1つは、ドアを含み得、ルーフパネルは、半透明な部分を含み得る。さらに、該方法は、ラック内の設備機器に電力を供給するために無停電電源を使用することを含み得る。
【0016】
さらに、本発明の別の局面は、モジュラデータセンタに向けられ、それは、複数のラックを含み、各ラックは表の面と裏面を有し、複数のラックは、第1の列および第2の列に配列され、第1の列のラックの裏面は第2の列に対面し、第2の列のラックの裏面は第1の列に対面する。モジュラデータセンタは、第1の列と第2の列との間の第1の領域を囲む手段、および閉じた領域から空気を引き出し、かつ冷却された空気を第2の領域に戻す手段をさらに含む。
【0017】
空気を引き込む手段は、ラックのうちの1つの表の面を介して冷却された空気を通過させる手段をさらに含み得る。モジュラデータセンタは、ラック内の設備機器に中断のない電力を提供する手段をも備え得る。第1の領域の中へのアクセスを可能とするアクセス手段は、モジュラデータセンタの設計上の特徴でもあり得る。
【0018】
さらに本発明の別の局面は、モジュラデータセンタに向けられ、それは、複数の設備機器ラック、および、複数の設備機器ラックのうちの第1のラックと第2のラックとの間に連結される少なくとも1つの囲いパネルを含み、各設備機器ラックは、第1の領域から冷却された空気を引き込み、第2の領域に排気するように構成される。設備機器ラックのうちの少なくとも1つは、第2の領域から排気を引き込み、かつ第1の領域に冷気を提供するように構成される冷却設備を含み、複数の設備機器ラックおよび少なくとも1つの囲いパネルは、第2の領域を実質的に囲うように配列される。
【0019】
少なくとも1つの囲いパネルは、1つの設備機器ラックのルーフから別の設備機器ラックのルーフに連結されるルーフパネルであり得る。データセンタは、複数の設備機器ラックの1つと複数の設備機器ラックの別の1つとの間に配置される少なくとも1つのエンドパネルをさらに含み得、少なくとも1つのエンドパネルは、第1の領域から第2の領域へのアクセスを提供するドアを含む。ルーフパネルの少なくとも1部は、半透明であり得、複数の設備機器ラックのうちの少なくとも1つは、無停電電源を含み得る。
【0020】
本発明の別の局面は、複数の設備機器ラック内の設備機器を冷却する方法に向けられる。該方法は、第1のエリアから設備機器ラックのうちの少なくとも1つの中へ冷気を引き込み、かつ設備機器ラックの少なくとも1つから第2のエリアの中へ排気すること、第2のエリアの周りに囲いを提供すること、第2のエリアから複数の設備機器ラックのうちの第2の1つに排気を引き込むこと、排気を冷却し冷却された空気を生成すること、および、第1のエリアへ冷却された空気を提供することを含む。該方法は、第2のエリアが列の間となる2つの列を形成するように複数の設備機器ラックを配列することも含み得る。
【0021】
一般的に、別の局面においては、本発明は、電子設備機器を収容し、冷却するためにモジュラデータセンタを提供し、データセンタは、複数のハウジング、および、1対のハウジングの間のギャップを埋めるように該1対のハウジングに連結される少なくとも1つのパネルを含む。ハウジングの第1の部分は、熱を生じる電子設備機器を保持するように構成され、ハウジングの第2の部分は、少なくとも1つの冷却ユニットを保持するように構成される。第1の部分の各ハウジングは、表の面と裏面を有し、設備機器の表の面から設備機器の中にガスが引き込まれ、設備機器によって熱せられて熱ガスを生じ、ハウジングの裏を介して電子設備機器によって排出されるように、熱を生じる電子設備機器を保持するように構成される。ハウジングおよび少なくとも1つのパネルは、側方を囲まれた配列を形成するように配置され連結され、ホット領域を側方から囲い込み、ガスがホット領域を鉛直に抜け出すことを可能とする頂部の開口を規定する。第1の部分のハウジングの裏は、熱を生じる設備機器が、ハウジングに装備されたときに、熱ガスをホット領域へ追い出すように、ホット領域に隣り合わせて配置される。
【0022】
本発明の実施は、1つ以上の次の特徴を含む。データセンタは、少なくとも1つの冷却ユニットをさらに含み、少なくとも1つの冷却ユニットは、ホット領域から少なくとも1つの冷却ユニットに熱ガスを引き込み、熱ガスを冷却し比較的クールなガスを生じ、少なくとも1つの冷却ユニットからハウジングでホット領域から分離されたクールな領域に熱ガスを追い出すように構成される。少なくとも1つの冷却ユニットは、ハウジングの第1の部分の表にクールなガスを導くように構成される。少なくとも1つの冷却ユニットは、ハウジングの第1の部分の表の底の部分にクールなガスを導くように構成される。少なくとも1つの冷却ユニットは、約72°Fにガスを冷却し、約72°Fでガスを追い出すように構成される。データセンタは、少なくとも1つの冷却ユニットに連結され、かつ少なくとも1つの冷却ユニットに非常用電源を提供するように構成される無停電電源をさらに含む。
【0023】
本発明の実施は、1つ以上の次の特徴をも含み得る。少なくとも1つのパネルは、ホット領域にアクセスを提供するように開かれ、ガスがギャップを介しホット領域から側方にデータセンタを抜け出さないように閉じられるように構成されたドアである。少なくとも1つのパネルは、ハウジングの第1および第2の部分のうちの最も低い高さと少なくともほぼ同じ高さである。複数のハウジングは、平行な2列に配列され、少なくとも1つのパネルは、列の反対の端に配置され、それぞれの端で2つの列を互いに連結する、2つのドアを含む。
【0024】
一般的に、別の局面において、本発明は、動作中に熱を生じる電子設備機器を含み、冷却するためのシステムを提供し、システムは、複数のハウジング、ホット領域を取り囲む側面の囲いを完成するように少なくとも2つのハウジングを横に連結する囲い手段、および、ハウジングの少なくとも1つに配置され、比較的クールなガスを生成しハウジングの第1の部分の表に比較的クールなガスを供給するために熱ガスを冷却する冷却手段を含む。ハウジングの第1の部分は、ハウジングの表を介し、ハウジングの内部を介し、そして、ハウジングの裏を介して外へガスが通過可能となるように構成される。さらに、ハウジングの第1の部分は、ハウジングの表を介し、それによりガスを熱し熱ガスを生じる設備機器を介して、設備機器がガスを引き込み、そしてハウジングの裏を介して熱ガスを放出するような配列に電子設備機器を含むように構成される。複数のハウジングは、実質的に側面囲いの部分を形成するように配置され、ホット領域を側方から取り囲む。囲い手段および複数のハウジングは、システムがホット領域に対して実質的に上部境界を与えないように頂部の開口を提供する。複数のハウジングは、動作中、電子設備機器が熱ガスをホット領域の中へ放出するように配置される。
【0025】
本発明の実施は、1つ以上の次の特徴を含み得る。冷却手段は、比較的クールなガスをハウジングの第1の部分の表の底の部分のほうに導くように構成される。冷却手段は、熱ガスを約72°Fに冷却し、比較的クールなガスを生成するように構成される。囲い手段は、少なくとも1つの断熱ドアを含み、該ドアは、ホット領域へのアクセスを提供するように開かれ、かつ、熱ガスが、囲い手段が連結されるハウジングの間のホット領域から側方に抜け出さないように閉じられるように構成される。ハウジングは、平行な2列に配置され、囲い手段は、列の反対の端に配置され、かつそれぞれの端で2つの列を互いに連結する2つのドアを含む。さらに、システムは、冷却手段に連結され、冷却手段に非常用電源を提供するように構成される無停電電源をも含む。
【0026】
一般的に、別の局面においては、本発明は、ラック装備された電子設備機器を動作し、かつ冷却する方法を含む。該方法は、ハウジングの表を介して設備機器を含むハウジングの中にガスを引き込み、ガスを熱し、熱ガスを生成し、ホット領域の中に熱ガスを放出するようにラック装備された電子設備機器に電力を与えること、少なくともハウジングの頂部より上にガスが上昇するまでは実質的に妨げられることなく、熱ガスがホット領域を上方に抜け出せるようにする一方で、設備機器を含むハウジング、および、少なくとも2つのハウジングに連結される少なくとも1つのパネルを使用して、熱ガスが、冷却メカニズムの中へ抜け出す以外は、ホット領域を側方に抜け出せないようにすること、少なくとも熱ガスの一部をホット領域から冷却メカニズムに引き込むこと、および、引き込んだガスを冷却ガスを生成するために冷却し、かつ冷却ガスをハウジングの表に提供することとを含む。
【0027】
本発明の実施は、1つ以上の次の特徴を含み得る。前記抜け出せないようにすることは、さらに熱ガスをホット領域に吹き込み、かつ、1対のハウジングの間のギャップに連結される少なくとも1つのバリアによって熱ガスの側方の流れを妨げることを含む。前記提供することは、クールなガスをハウジングの表の底のほうに導くことを含む。
【0028】
本発明は、添付された図面、発明を実施するための最良の形態、および特許請求の範囲をレビューした後にさらによく理解される。
(項目1)
電子設備機器を収容し、かつ、冷却するためのモジュラデータセンタであって、該データセンタは、
複数のハウジングであって、該ハウジングの第1の部分は、熱を生じる電子設備機器を保持するように構成され、該ハウジングの第2の部分は、少なくとも1つの冷却ユニットを保持するように構成され、該第1の部分のうちの該ハウジングのそれぞれは、表と裏を有し、かつ、ガスが該設備機器の表から設備機器の中に引き込まれ、該設備機器によって熱せられて熱ガスを生じ、該ハウジングの該裏を介して該電子設備機器によって放出される、複数のハウジングと、
1対のハウジングの間のギャップを埋めるための該1対のハウジングに連結される
少なくとも1つのパネルと
を備え、
該ハウジングおよび該少なくとも1つのパネルは、側面囲いの配列を形成するように配置され、かつ、連結され、側方からホット領域を囲い込み、かつ、頂部の開口を規定し、ガスが該ホット領域から鉛直に抜け出すことを可能とし、
該第1の部分のうちの該ハウジングの裏は、該熱を生じる設備機器が、該ハウジングに装備されたときに、該熱ガスを該ホット領域に放出する
データセンタ。
(項目2)
前記少なくとも1つの冷却ユニットであって、前記ホット領域から該少なくとも1つの冷却ユニットの中に熱ガスを引き込み、該熱ガスを冷却し比較的クールなガスを生成し、該少なくとも1つの冷却ユニットから、前記ハウジングで該ホット領域から分離されたクールな領域に該熱ガスを放出するように構成される
該少なくとも1つの冷却ユニットをさらに備える、項目1に記載のデータセンタ。
(項目3)
前記少なくとも1つの冷却ユニットは、前記ハウジングの前記第1の部分の表のほうに前記クールなガスを導くように構成される、項目2に記載のデータセンタ。
(項目4)
前記少なくとも1つの冷却ユニットは、前記ハウジングの前記第1の部分の前記表の底の部分のほうに前記クールなガスを導くように構成される、項目3に記載のデータセンタ。
(項目5)
前記少なくとも1つの冷却ユニットは、約72°Fに前記ガスを冷却し、約72°Fで該ガスを放出する、項目2に記載のデータセンタ。
(項目6)
前記少なくとも1つの冷却ユニットに連結され、かつ、該少なくとも1つの冷却ユニットに非常用電源を提供するように構成される無停電電源をさらに備える、項目2に記載のデータセンタ。
(項目7)
前記少なくとも1つのパネルは、前記ホット領域へのアクセスを提供するために開かれ、熱いガスが前記ギャップを介して該ホット領域から側方に前記データセンタを抜け出さないように閉じられるように構成されるドアである、項目1に記載のデータセンタ。
(項目8)
前記少なくとも1つのパネルは、前記ハウジングの前記第1および第2の部分のうちの最低部分の高さに少なくともほぼ同じである、項目1に記載のデータセンタ。
(項目9)
前記複数のハウジングは、平行な2列に配置され、前記少なくとも1つのパネルは、該列の反対の端に配置され、該それぞれの端で該2つの列を互いに連結する2つのドアを含む、項目1に記載のデータセンタ。
(項目10)
動作中に熱を生じる電子設備機器を含み、かつ、それを冷却するシステムであって、該システムは、
複数のハウジングであって、該ハウジングの第1の部分は、該ハウジングの表を介し、該ハウジングの内部を介し、および、該ハウジングの裏を介して外へガスが通過することを可能とするように構成され、さらに、該ハウジングの該第1の部分は、該設備機器が、該ハウジングの表を介しガスを引き込み、設備機器を介しそれにより該ガスを熱し熱ガスを生じ、かつ、該ハウジングの該裏を介し該熱ガスを放出するような配列で該電子設備機器を含むように構成され、該複数のハウジングは、ホット領域を側方から取り囲む実質的に側面囲いの部分を形成するように配置される複数のハウジングと、
該ホット領域を取り囲む該側面囲いを完成するために少なくとも2つの該ハウジングを側方に連結する封鎖手段であって、該封鎖手段および該複数のハウジングは、該システムが該ホット領域に上部限界を実質的にもたらさないように頂部の開口を提供する封鎖手段と、
該熱ガスを冷却し、比較的クールなガスを生成するために、かつ、該ハウジングの該第1の部分の表に比較的クールなガスを提供するために、該ハウジングの少なくとも1つに配置される冷却手段と
を備えるシステムであって、
該複数のハウジングは、動作する間、該ホット領域に該熱ガスを放出するように配置される、システム。
(項目11)
前記冷却手段は、前記ハウジングの前記第1の部分の前記表の底の部分のほうに前記比較的クールなガスを導くように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記冷却手段は、前記熱ガスを約72°Fに冷却し、前記比較的クールなガスを生成するように構成される、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記封鎖手段は、前記ホット領域へのアクセスを提供するために開かれ、かつ、前記熱ガスが、該封鎖手段が連結される前記ハウジングの間の該ホット領域を側方に抜け出さないように閉じられるように構成される少なくとも1つの断熱ドアを含む、項目10のシステム。
(項目14)
前記ハウジングは、平行な2列に配置され、前記封鎖手段は、該列の反対の端に配置され、かつ、該それぞれの端で該2つの列を互いに連結する2つのドアを含む、項目10に記載のシステム。
(項目15)
前記冷却手段に連結され、かつ、該冷却手段に非常用電源を提供するように構成される無停電電源をさらに備える、項目10に記載のシステム。
(項目16)
ラック装備された電子設備機器を動作し、かつ、冷却する方法であって、該方法は、
該設備機器を含むハウジングの中に該ハウジングの表を介してガスを引き込み、該ガスを熱し熱ガスを生成し、ホット領域に該熱ガスを放出するように、該ラック装備された電子設備機器に電力供給することと、
少なくとも該ハウジングの頂部より上に該ガスが上昇するまでは実質的に妨げられることなく、該熱ガスがホット領域を上方に抜け出せるようにする一方で、該設備機器を含む該ハウジング、および、少なくとも2つの該ハウジングに連結される少なくとも1つのパネルを使用して、該熱ガスが、冷却メカニズムの中へ抜け出す以外は、該ホット領域を側方に抜け出せないようにすることと、
該ホット領域から該冷却メカニズムの中に該熱ガスの少なくとも1部を引き込むこと、および、引き込まれたガスを冷却し、クールなガスを生成することと、
該ハウジングの表に該クールなガスを提供することと
を包含する、方法。
(項目17)
前記抜け出せないようにすることは、前記ホット領域の中にさらに熱ガスを吹き込むこと、および、1対の該ハウジングのギャップに連結された少なくとも1つのバリアによって該熱ガスの側方への流れを妨げることを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記提供することは、前記ハウジングの前記表の底のほうに前記クールなガスを導くことを含む、項目16記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に従ったラック装備される設備機器のためのモジュラデータセンタ冷却システムの透視図である。
【図2】図2は、図1のシステムに類似する、別のモジュラデータセンタの平面図である。
【図3】図3は、本発明の1つの実施形態におけるモジュラデータセンタに取り付けられる冷却設備のプロセスのブロックフロー図である。
【図4】図4は、本発明に従ってラック装備された設備機器および冷却ユニットを含むシステムの透視図である。
【図5】図5は、図4に示されるシステムの冷却ユニットを使用する図4に示されるシステムにおける冷却設備のプロセスのブロックフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のさらなる理解のために、図面が参照され、図面は本明細書において参考として援用される。
【0031】
本発明の実施形態は、ラック装備された電子設備機器を冷却するための冷却システムを有するデータセンタのインフラストラクチャを提供する。本発明の実施形態は、ラック装備された設備機器のためのデータモジュラセンタを提供し、データモジュラセンタは、ラック装備された設備機器のための電力配給、冷却および構造的支援を提供する。電力配給ユニットおよび冷却は、電気的または機械的な故障による中断時間を避けるために冗長システムを使用する一部の実施形態において提供される。当業者によって理解されるように、電子設備機器以外の設備機器のためのインフラストラクチャを提供するために使用される実施形態のような、他の実施形態は、本発明の範囲内である。
【0032】
本発明の実施形態で使用され得る、ラック装備された設備機器のための電力配給を提供するシステムは、米国特許出願第10/038,106号、「Adjustable Scalable Rack Power System and Method」において記述され、本明細書において参考として援用される。
【0033】
図1を参照すると、モジュラデータセンタ10の透視図が示されている。モジュラデータセンタ10は、電力配給ユニット14、電力保護ユニット12、床据え付け冷却ユニット16、設備機器ラック18、およびホットルーム22を含む。モジュラデータセンタ10は、窓54を有するドア52、ルーフ56、冷却水のサプライとリターン60、電圧フィード58をも含む。冷却水のサプライとリターン60は、冷却ユニット16が水冷直接膨張式である場合にはコンデンサの水、冷却ユニット16が冷水式である場合には冷水、または、冷却ユニット16が空冷直接膨張式である場合には冷媒のサプライとリターンから構成され得る。データセンタ10は、電力配給ユニット14、電力保護ユニット12、床据え付け冷却ユニット16、および、列32および列34を形成するように互いに隣合い位置される設備機器ラック18を備えるモジュラユニットである。列32および列34は、実質的に平行である。電力配給ユニット14および電力保護ユニット12は、互いに直接隣合い位置され得、かつ列のうちの1つの端に設置され得る。床据え付け冷却ユニット16は、電力配給ユニット14に隣合い設置および位置され得る。データセンタにおける少なくとも1つのさらなる列を形成する残りの囲いは設備機器ラック18である。ホットルーム22は、列32と列34との間に設置され、列32および列34は、モジュラデータセンタの周壁のうちの2つを構成する。
【0034】
電力配給ユニット14は、一般的に、モジュラデータセンタ10の各ラックに電力を配給するために、変圧器、および回路遮断器のような電力配給の回路構成要素を含む。電力供給ユニット14は、ラック18に冗長電力を提供し、かつ電流引き込み総量をモニタし得る。無停電電源は、電力配給ユニット14に中断のない電力を提供し得る。好ましくは、別の電力モジュールを追加する能力がN+1の冗長性を提供する場合には、電力配給ユニット14は、N+1の冗長性を有する40kW無停電電源を含む。本発明の1つの実施形態においては、電力配給ユニット14への入力電力は、電圧フィード58からラックの頂部を介し受け取られる。1つの実施形態においては、電圧フィード58は、ルーフパネル56を介して入り電力配給ユニット14に連結される240ボルトフィード(または、3相208ボルトフィード)である。あるいは、入力電力は、上げ床を介するようなラックの下から、またはラックの裏を介し受け取られ得る。
【0035】
電力保護ユニット12は、設備機器ラック18に含まれる中央集中情報技術設備機器の保護ために冗長電力を提供する。電力保護ユニット12は、異なる負荷要求に対応するように別々に追加されまたは取り除かれ得る、個々の電力モジュールおよびバッテリモジュールを有し得る。複数の電力モジュールおよびバッテリモジュールの使用は、どれか1つの電力モジュールまたはバッテリモジュールの故障にもかかわらず、継続した動作を可能とすることによって冗長性を提供する。例えば、電力保護ユニットは、West Kingston,Rhode IslandのAmerican Power Conversion Corporation社製の、3相入力および3相出力を有するSymmetra PX(登録商標)の拡張可能な無停電電源を含み得、または、電力保護ユニットは、本明細書において参考として援用される、米国特許第5,982,652号、「Method and Apparatus for Providing Uninterruptible Power」に記載される無停電源の1つを含み得る。
【0036】
床据え付け冷却ユニット16は、サプライライン60を介しユニットに入る冷水の使用によって熱除去を提供する。あるいは、冷却ユニットは、ユニット自身に内在し得る直接膨張冷媒ベースのユニットの使用を経てDXコンプレッサライズド冷却(DX compressorized cooling)を使用する熱除去を提供し得る。冷却ユニットは、同じフレーム内に一次冷水コイルおよび二次的直接膨張コイルを含み得る。冷却ユニットは、空気、水またはグリコール用に構成され得る。冷却された空気は、ユニットの底またはユニットの頂部を介して放出され得る。本発明の1つの実施形態においては、空気の流れがラックの裏からラックの表に出るように、冷気は、冷却ユニット16からその表の面の外へ放出される。さらに、冷却ユニット16は、1つ、2つまたは3つのモジュールとして構成され得る。図1に示される実施形態においては、3モジュールの冷却ユニットが使用される。
【0037】
図1の実施形態においては、列32および列34のそれぞれは、6つのラックから成る。本発明の実施形態においては、ラックの数およびラック内の設備機器の機能は様々であり得る。本発明の1つの実施形態においては、ラック18は、商品名NETSHELTER VX Enclosures(登録商標)で、West Kingston,RIのAmerican Power Conversion Corporation社から購入可能な、修正標準19インチのラックである。
【0038】
電力配給ユニット14、電力保護ユニット12、床据え付け冷却ユニット16、および設備機器ラック18それぞれの裏面は、モジュラデータセンタ10の内部に、すなわちホットルーム22に向かう。実質的に、列32のラックの裏面は、列34のラックの裏面に対面する。1つの実施形態においては、設備機器ラック18は、各ラック18がホットルーム22の内側にオープンなままであるように、裏面のドアは取り除かれる。示される実施形態においては、モジュラデータセンタ10は、7つの設備機器ラック18を含む。あるいは、別の実施形態においては、6つの設備機器ラック18が列を完成するが、7つを超える設備機器ラック18が、データセンタに含まれる列を完成し得、互いに、または、電力配給ユニット14、電力保護ユニット12、または床据え付け冷却ユニット16のような、データセンタ10内の他の囲いを構成する要素と隣合わせられ得る。
【0039】
ラックの列の端に設置されるドア52は、取り外し可能なフレーム55にヒンジ53によって取り付けられる。取り外し可能なフレーム55は、電力保護ユニット12の後ろに設置され得る。取り外し可能なフレームは、どのユニットがデータセンタ10の列の端に位置づけられるかに依存して、電力保護ユニット12、電力配給ユニット14、または設備機器ラック18のうちの任意の1つの後ろに位置され得る。取り外し可能なフレーム55は、必要な場合、電力保護ユニット12の交換に対して、ドア52がすばやく取り除かれることを可能とする。ホットルームは、ドア52によってアクセス可能であり、監視窓54を介してモニタされ得る。好ましくは、ドア52は、ホットルーム22の各端に設置される。一般的に、ドア52は、断熱の監視窓54を有する、2×36インチの断熱の、施錠可能なスチールドアである。
【0040】
水または冷媒のサプライとリターン60は、ルーフ56の中へのサプライパイプを介してホットルームに、または直接ラックのルーフの中に入る。電圧フィード58もまた、ルーフ56を介しまたはラックのルーフを介し入り得る。あるいは、水または冷媒のサプライとリターン60および電圧フィード58は、モジュラデータセンタが置かれている上げ床を介しホットルームへ、または、ラックの側面の中へのように、ルームの外側の別の位置から、そしてラックの中へ入る。
【0041】
ルーフパネル56は、好ましくは、データセンタ10の奥行き72沿いに間をおいて位置されるスチールサポート62によって支持される半透明のプレキシガラスのルーフパネルである。ルーフ56は、ラックの列の中央に設置されるホットルーム22の頂部をカバーするように広がる。ルーフ56は、必要なときに、ラック18または電力保護ユニット12の取り除きを可能とするように容易に取り外し可能であり得る。半透明プレキシガラスで構築されるルーフパネル56は、ホットルーム22を規定するスペースにルームライトが入ることを可能とする。さらに、プレキシガラスのルーフ56は、好ましくは、実質的に気密である。
【0042】
ホットルーム22は、完全に封鎖され、ラック18の裏面によって形成される壁、およびホットルーム22の各端に取り付けられるドア52で構成される壁を有する。あるいは、ドアのないパネルが、ホットルームを完成する壁であり得る。ホットルーム22は、ルーフパネル56が設置されているときは、実質的に気密な通路である。従って、モジュラデータセンタ10は、各ラック18、電力保護ユニット12、電力配給ユニット14、および冷却ユニット16の表の面によってその外側の境界線が規定され、中央部分にホットルーム22を有する、囲まれたコンピュータインフラストラクチャである。ドア52によって形成されるホットルームの外側壁は、モジュラデータセンタ10の外側壁のうちの2つの一部である。
【0043】
図2を参照すると、本発明の1つの実施形態におけるモジュラデータセンタ10の平面図が示されている。図2のモジュラデータセンタは、図1のそれに類似するが、図1の各列には6つのラックを有するが、列32および列34のそれぞれには5つのラックを有する。同様の実施形態に同様の番号を用い、図2のモジュラデータセンタ10は、電力配給ユニット14、電力保護ユニット12、床据え付け冷却ユニット16、設備機器ラック18、およびホットルーム22により構成される。電力保護ユニット12は、電力配給ユニット14の片側に直接隣り合わされて位置し、一方で、床据え付け冷却ユニット16は、電力配給ユニットの他の片側に位置される。保守スペースエリア20は、モジュラデータセンタ10を取り囲む。図2においては、本発明の実施形態は、6つの設備機器ラック18および2つのモジュールを有する冷却ユニット16を有するように示される。
【0044】
モジュラデータセンタ10の大きさは、ラックの各列に含まれるラックの数に依存する。例えば、6つの設備機器ラックを有するデータセンタ10は、矢印28によって示される120インチの幅、矢印29で示される120インチの長さ、および、矢印24で示される36インチのホットルーム幅(列の間隔)、および好ましくは36インチ幅の保守スペース26を有する。保守スペース26を含めると、データセンタ10の床面積は、好ましくは、192インチの長さ30および192インチの幅31である。あるいは、再び図1を参照すると、7つの設備機器ラックを有するデータセンタ10は、幅120インチおよび長さ144インチを有し得る。保守エリア26を含めると、代替のデータセンタに対する床面積は、192インチ×216インチである。モジュラデータセンタの大きさは、例として与えられただけであり、データセンタの設計に使用されるラックのタイプおよび寸法に依存して大きく変動し得る。
【0045】
モジュラデータセンタ10は、冷水、冷却水、または冷媒の配管60、および電圧フィード58のソースが提供されたときに運転可能である。データセンタは、多数の違った電力入力設計を含み得るが、例えば、6つの設備機器ラック18を有するシステムにおいて6.7kW/ラック、または、7つの設備機器ラック18を有するシステムにおいて5.7kW/ラックを可能とする40kW設計が好ましい。冷却水または冷媒は、サプライライン60を経由して床据え付け冷却ユニットに入る。冷却ユニット16は、切断が容易であるフレキシブルホースにより共用のサプライ60に接続されるとき、共用のサプライライン60は、同時に1つ以上の冷却ユニットに冷水を提供し得る。
【0046】
モジュラデータセンタ10は、以下のようにデータセンタ内の設備機器を冷却する。部屋からの空気、または周囲の空気は、ラック18の表を介して入り、ラック18に格納された設備機器を冷却する。空気は、ラック18の表を介して入り、ラック18の裏の側から放出される。空気が設備機器ラックを通るにつれて、空気の温度は上昇する。暖かい空気は、ホットルーム22の中に放出される。ホットルーム22は、暖かい空気を含み、暖かい空気が周りの部屋の空気と混合することを妨げる。冷却ユニット16は、ホットルームから暖かい空気を引き込み、データセンタ10の外側の部屋に冷気を戻す。暖かい空気は、ホットルーム22から直接冷却ユニット16に入る。冷却ユニットは、空気の温度を下げるように作用し、冷された空気は、その後、周りの領域の中に放出される。空気は、実質的に冷却された温度で周りの部屋にリサイクルされる。例えば、冷却ユニット16は、一般的に、ホットルームから95°Fで空気を受け取り、データセンタ10を取り囲む領域の中にそれが放出される前に約72°Fの温度にそれを冷却する。床据え付け冷却ユニット16は、潜熱除去を伴わない高能力を実現可能とする、実質的に高いサプライおよびリターン温度で動作する。
【0047】
図1、図2をさらに参照しつつ図3を参照すると、データセンタ10は、独立した電力およびクーラントのサプライを有するインフラストラクチャを使用して、囲まれたラックに格納される設備機器を冷却するプロセスを実行するように構成される。プロセス100は、示されるようなステージを含むが、プロセス100は、例えば、示されるステージについて、ステージを追加、削除、移動することによって修正され得る。
【0048】
図3のプロセス100は、ステージ102を含み、電力配給ユニットから複数の設備機器ラック18に、電力が供給される。設備機器ラック18は、システムの中断を避けるために一貫した電力供給を要求する様々な電子設備機器を含み得る。電力は、冗長電力の供給を保証するために、好ましくは電力配給ユニット14に隣合い配置される電力保護ユニット12を伴い、電力配給ユニット14に接続される電圧フィード58を経由して供給される。
【0049】
ステージ104においては、ラック18は、ラック18の表の面を介して周りの部屋から冷気を引き込む。例えば、空気配給ユニットは、ラック内、および/または、ラックに含まれる設備内にあり得、該設備は、ラック内に部屋の空気を引き込み、ラック内に含まれるコンポーネントを冷却するためにラックを介して空気を配給する。
【0050】
ステップ106においては、ラック18は、ホットルーム22の中へ温度上昇した空気を放出する。空気は、ラック18の裏側から放出される。上述のように、1つの実施形態においては、ラック18は、後部ドアを有さない。他の実施形態においては、後部ドアはラックに含まれ得、ラックは、ドアの排気口を介しホットルームの中へ放出される暖かい空気を伴う。空気は、上昇した温度でホットルーム22内に保持され、そして、取り囲む周りの空気と暖かい空気との混合が妨げられる。本発明の1つの実施形態においては、モジュラデータセンタは、ホットルームの外側の空気圧にほぼ等しい空気圧をホットルーム内で維持するように設計される。これは、冷気がホットルームに入ることを許すことなくドアの1つが開かれることを可能とする。1つのそのような実施形態においては、冷却ユニットは、160cfm/kWを提供する。
【0051】
ステージ108においては、冷却ユニットは、ホットルーム22から暖かい空気を引き込む。冷却ユニット16は、ホットルームからの空気を冷却するために冷水のサプライ60からの冷水を使用する。ステージ110においては、冷やされた空気は、周りの部屋の中へ冷却ユニットから放出され、それは冷却サイクルを完成する。その後、周りの部屋の空気は、再びラック18の中に引き込まれ、サイクルは継続する。
【0052】
他の実施形態は、添付の請求項の範囲および意図の内にある。例えば、空気は、設備機器ラック18を介し強制的に上昇させられ得る。ラック18を介し送風される空気は、熱い空気も含み、様々な温度のものであり得る。データセンタ10は、空気の他にガスを配給するように構成され得る。さらに、冷媒または他のクーラントが冷水の他に使用される。さらに、各ラックが一貫して適切な電力を提供されるように、コントローラは、電力供給と共に空気の温度および流速をモニタするために、データセンタ10に連結され得る。データセンタは、単一の冷却ユニット16を有する単一設備のラック18を含み、個々のデータセンタを作り得、それによって、電力は、ただ1つのデータセンタ10または複数の単一ラックのデータセンタに同時に配給される。
【0053】
本発明の1つの実施形態においては、冷却ユニットへの各ラックからの熱気の引き込みを等しくしようとの試みから、モジュラデータセンタの中央に1つ以上の冷却ユニットが設置される。他の実施形態においては、冷却ユニットは他の場所に置かれ、1つの実施形態においては、1つ以上の冷却ユニットが、モジュラデータセンタ内で最も多くの熱を生じる1つまたは複数のラックに最も近づけられるように位置され得る。
【0054】
さらに、本発明の実施形態においては、モジュラデータセンタ内の空調ユニットの故障、および/または、ホット領域の空気の温度が所定の限界を超えたときに、またはホット領域の空気圧が所定の限界を超えた場合に、ホット領域から空気を排出するように制御される多数のファンを、ホット領域を覆うルーフは含み得る。
【0055】
上述の本発明の実施形態においては、モジュラデータセンタのラックは、2列に配列されるとして記述されている。別の実施形態においては、ラックは、他の幾何学的配置で配列され得る。さらに、モジュラデータセンタの側面に、1つ以上のラックが、一方または両方のサイドパネルに追加してまたは代わって使用され得る。
【0056】
なおさらなる、実施形態は本発明の範囲および意図の内にある。図4を参照すると、システム210は、電力保護ユニット212、電力配給ユニット(PDU)214、複数の冷却ユニット216を含む床据え付け冷却システム215、設備機器ラック218、およびドア220、222を含む。ここでの使用においては、デバイス212、214、216、218は、機能的設備(それぞれに見合った)、装備ブラケット、および/または、ブラケットおよび設備を含む囲い/ハウジングに関する。従って、ここで使用されるラック218は、装備ブラケット(電子、熱を発生する設備機器を装備するため)、および/または、装備ブラケットを含み、かつハウジングを介しガスの通過を可能にするハウジングに関する。システム210は、ドア220、222によって連結される2つの離れて位置する列224、226の中に配置されるデバイス212、214、216、218で構成される。デバイス212、214、216、218の裏は、ホット領域の2つの側面を形成するように互いに隣合い(および可能なら連結されて)配置され、ホット領域は、ホット領域228の他の2つの側面を形成するドア220、222を伴う。ドア220、222は、例えば、ホット領域228へのアクセスを制限するために施錠されることによって、ラック218内の設備機器へのアクセスを制御することを助け得る。冷却ユニット216は、PDU214に隣合い配置される端のユニットを伴い、互いに隣合うように配置され示されているが、これは要件ではなく、他のデバイス212、214、218に対して、冷却ユニット216の他の位置が許容可能である。
【0057】
システム210は、ドア220、222によって接続される2つの列224、226に配列されて示されているが、他の配列が許容可能である。例えば、システム210は、三角形、円形、または長方形/正方形の配列などで構成され得る。さらに、2つのドア220、222が示されるが、例えば、1つまたは3つなど、他の数のドアが使用され得る。さらに、開かないパネルがいくつかまたは全て(全てでないのが好ましいが)のドアに代わって使用され得る。システム210は、ホット領域228を規定し、かつ、ガスが、冷却システム215を介する以外には、ホット領域228から側方に抜け出させない、側方または水平方向に制限的な環境を提供する。
【0058】
システム210は、熱気をホット領域228に封じ込め、かつ、冷却システム215によって提供される冷却された空気から、ラック218から放出される熱気を隔離することを助ける。ラック218内の設備機器は、ラック218の表230、232から冷気を引き込み、ホット領域228の中へラック218の裏から外へ熱気を放出する。設備機器を介するガスの流れは、ガスが、ラック218を介しホット領域228から表230、232に向かって流れないようにする。さらに、ドア220、222は、ホット領域228のガスからの熱を封じ込めるのを助ける断熱ドアである。デバイス212、214、216、218およびドア220、222は、頂部の開口229を提供し、例えば、上昇することによって、ホット領域228から、ガスがホット領域228を鉛直方向に抜け出すことを可能とする。ドア220、222は、ホット領域228に熱ガスを保つのを助けるように、デバイス212、214、216、218のうちの最低の高さに少なくともほぼ同じ高さである。好ましくは、デバイス212、214、216、218およびドア220、222は、ほぼ同じ高さである。ドア220、222およびラック218を介するガスの流れは、ホット領域228に熱ガスを封じ込め、領域228の熱ガスをシステム210の外側のガスから隔離することを助ける。熱ガスを隔離し封じ込めることは、熱ガスが、水平方向に流れ、冷却システム215によって提供される冷却ガスと混合しないようにするのを助ける。電力保護ユニット212およびPDU214のようなデバイスは、領域228の中に少量の熱ガスを排出する。
【0059】
冷却システム215は、ホット領域228から熱ガスを引き込み、それを冷却し、クールなガスをラック218の表230、232の底の近くのシステム210の外部へ提供するように構成される。システム215は、電圧フィード240を介して受電し、引き込まれた空気を冷却するためにサプライライン242からの冷水または他の冷媒を使用する。温度上昇した水または冷媒は、再び冷却されるようにリターンライン244を経由してシステム215を離れる。好ましくは、冷却ユニット216は、熱ガスが、領域228を上昇し抜け出る前に、ホット領域228からかなりの量の熱気/熱ガスを引き込むように配置され、かつ構成される。一般的に、約95°Fの熱ガスは、ユニット216によって約72°Fに冷却され、ラック218の表230、232近くのユニット216の表234に放出される。冷却ユニット216が、設備機器ラック218と同じ列224、226に配置されない場合には、自然に生じる対流の影響が、1つ以上のユニット216からのクールなガスを、他の列224、226のラック218の表232へ流れるようにさせる。好ましくは、冷却ユニット216は、床付近(ラック218の底付近)に、かつ、大半のクールなガスが設備機器ラック218の中に引き込まれるような量で、クールなガスを提供する。ユニット216は、例えば、ファン、ダクト、排気口、ベーン、管などを使用して、望むようにクールなガスを導き得る。ユニット216は、大した潜熱除去(脱湿冷却)もなく、かつガスの中に湿気を生じることもなくガスを冷却する。
【0060】
冷却システム215は、設備機器ラック218内の熱を生じる設備機器に近接して配置されるコンピュータルーム空調機(CRAC)である。ラック218に近接して冷却システム215を設置することは、熱を生じる設備機器からかなり遠くに置かれるCRACを伴うシステムが遭遇する問題、特に、CRACから熱を生じる設備機器への冷気を奪う問題を減少させ、および/または、消滅させる。例えば、冷却システム215は、離れて設置されるシステムより、より低速の空気/ガスを使用し得、圧力低下(ファンコイルCRAC圧力ロス)を減少させるので、従って、空気/ガスを推進するために低いファン電力を使用し得る。
【0061】
システム210の実施形態は、図1に示されるデータセンタ10に似た大きさを有し得る。例えば、7つの設備機器ラック218を伴うシステム210は、両端に36インチの保守スペースを含み216インチの長さ、および、両端36インチの保守スペースを含み192インチの幅を有し得る。
【0062】
システム210の実施形態は、システム210に関してとくに言及されることなくシステム10の特徴を含み得る。例えば、ドア220、222は、成人が見るために、設定され、配置された窓を有し得る。さらに、システム210は、PDU214を介し接続されたUPSを含み得、システム210のデバイスに電力を提供し、システム210における所望のデバイスに対して中断のない電力を保証するのを助ける。他の特徴もシステム210に含まれ得る。
【0063】
図4をさらに参照しつつ図5を参照すると、システム210は、囲われたラックに格納される設備機器を冷却するプロセス250を実行するように構成され、独立した電力およびクーラントの供給を有するインフラストラクチャを使用する。プロセス250は、図示されるステージを含むが、例えば、示されるステージに関して、ステージを追加、削除、および移動することによって、プロセス250は修正され得る。
【0064】
ステージ252においては、電力は、電力配給ユニット214から設備機器ラック218に供給される。設備機器ラック218は、システム停止時間を回避するために無停電電源を使用する様々な電子設備機器を含み得る。電力は、電力配給ユニット214に連結される電圧フィード240を介して供給され、それは、好ましくは、電力配給ユニット214に隣り合って配置され、冗長電力の供給を保証するように構成される電力保護ユニット212を伴う。
【0065】
ステージ254においては、ラック218は、ラック218の表の面230、232を介して周囲の部屋から冷気を引き込む。例えば、空気配給ユニットは、ラック218内、および/または、ラック218に含まれる設備機器内に存在し得、ラックに含まれる設備機器は、部屋の空気をラック218に引き込み、ラック218に含まれるコンポーネントを冷却するために、ラック218を介して空気を配給する。空気がラック218を介し通過するにつれ、空気の温度は上昇する。
【0066】
ステージ256においては、ラック18は、ホット領域228に温度上昇した空気を放出する。空気は、ラック218の裏側から放出され、すなわち、後部ドアの細長いギャップもしくは通気口、またはラック218が裏ドアを有しない場合には直接に領域228に放出される。空気は、デバイス212、214、216、218、ドア220、222、かつ、領域228の中への空気の流れによってホット領域228の中に閉じ込められ、従って、暖かい空気が取り囲む周囲の空気と混合しないようにさせられる。
【0067】
ステージ258においては、冷却ユニット216は、ホット領域228から暖かい空気を引き込む。冷却ユニット16は、ホット領域228からの空気を冷却するために冷水供給242からの冷水を使用する。
【0068】
ステージ260においては、冷却された空気は、冷却ユニット216から周囲の部屋に解放される。冷気は、ユニット216から放出され、ラック218の表230、232に導かれる。周囲の部屋の空気は、その後、ラック218の中に再び引き込まれ、そして、サイクルは継続する。好ましくは、ユニットが冷却された空気を提供し、冷却された空気の多くがラック218の中へ引き込まれるようにラック218が冷気を引き込むように、すなわち、冷却された空気とホット領域228からの熱気との混合を減らすのを助けるように、ユニット216およびラックは、構成される。
【0069】
本発明の実施形態は、1つ以上の次の能力を提供し得る。データセンタ内における排気と冷気との混合が減らされる。ハイパワーラック群の周りの熱溜まりは、上述のモジュラデータセンタ内にそのようなハイパワーラックを含むことによって減らされ得る。局所的な冷却の使用は、モジュラデータセンタ内を含むデータセンタにおける空調がより効果的に動作し、より高い温度で冷気を生成することを可能とし、それによって、除湿システムの必要性を無くす。温度勾配は、従来のシステムに比べて緩和され得る。設備機器の信頼性は、従来の設備機器/冷却の配置に比べて改善され得る。冷却ユニットは、効果的かつほぼそれらの設計能力で動作し得る。設備機器は、従来システムによるよりも少ないエネルギを使用して冷却され得る。従来のシステムと比べた冷却ユニットの効率性は、大きくなり得、従来のシステムにおけるよりもより小さく、および/または低い能力を有する冷却ユニットが、同程度の冷却効果を提供する(すなわち、同程度の大きさの領域を冷却する)ために使用され得る。標準的な建物の防火および照明がデータセンタに対して使用され得る。既存のデータセンタは、本発明に従って容易に改装/アップグレードされ得る。物理的な安全確保が、従来のシステムに比べて改善され得る。
【0070】
達成し得るものに顕熱比のような、さらなる能力も提供され得る。顕熱比(SHR)は、顕冷却能力QSを全冷却能力QTで割ったもの(SHR=QS/QT)である。BTUにおける顕冷却能力および全冷却能力は、下式で与えられる。
【0071】
QS=(T−T)・CFM・1.08
QT=(H−H)・CFM・4.45
ここで、Tは、冷却ユニット216に入るガスの温度であり、Tは、冷却ユニット216を出るガスの温度であり、Hは、冷却ユニット216に入るガスのエンタルピ−、Hは冷却ユニット216を出るガスのエンタルピーであり、1.08は、CFMによって乗ぜられるときの温度差をBTUに変換するための、標準的な空気に対する定数であり、4.45は、CFMによって乗ぜられるときのエンタルピー差をBTUに変換するための、標準的な空気に対する定数であり、CFMは、立方フィート毎分あたりのガスの量(ユニット216への、入りと出のそれぞれ)である。例えば、入りの温度Tが80°Fで36%RH(相対湿度)、入りのエンタルピーHが27.82btu/lbmass、出の温度Tが50°Fで95%RH(相対湿度)、出のエンタルピーHが19.89btu/lbmassに対し、SHRは約0.92である。
【0072】
本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態が記述されたが、様々な代替、修正、および改善は、当業者にとっては容易である。そのような、代替、修正、および改善は、本発明の範囲および意図のうちにある。従って、先の記述は、一例でしかなく、限定することを意図したものではない。本発明の限定は、特許請求の範囲およびそれに均等な範囲内においてのみ規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のラックを有するデータセンサにおいて空気の混合を制限するためのシステムであって、該複数のラックの各々は、表の面および裏の面を有し、該複数のラックは、第1の列および第2の列に配列され、該第1の列のラックの裏の面は、該第2の列のラックの裏の面と対面し、
該システムは、該複数のラックの裏の面から解放される空気を集めるための囲いを備え、該囲いは、該第1の列と該第2の列との間の領域において実質的に該空気を含むように構成され、該第1の列のラックおよび該第2の列のラックに連結されたルーフパネルを有し、該ルーフパネルは、該第1の列のラックと該第2の列のラックとの間の距離に及ぶように構成され、
該囲いは、該囲いの外側の第2の空気圧に実質的に等しい第1の空気圧を該囲いの内側で維持するように構成される、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記複数のラックの表の面に空気を供給するための冷却ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記囲いは、前記第1の列の第1のラックと前記第2の列の第1のラックとの間に連結された第1のエンドパネルと、該第1の列の第2のラックと該第2の列の第2のラックとの間に連結された第2のエンドパネルとをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のエンドパネルおよび前記第2のエンドパネルのうちの少なくとも1つは、ドアを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ルーフパネルの少なくとも一部は、半透明である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のラックのうちの少なくとも1つのラックは、該複数のラックのうちの他の少なくとも1つのラック内の設備機器に中断なしの電力を提供するための無停電電源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記囲いにおいて集められた空気は、前記複数のラックの表の面に供給するための前記供給ユニットのための供給空気を含む、請求項2に記載のシステム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−182318(P2010−182318A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43329(P2010−43329)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【分割の表示】特願2007−527647(P2007−527647)の分割
【原出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(501231130)アメリカン パワー コンバージョン コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】