説明

データベース利用システム及びデータベース利用プログラム

【課題】基本テンプレートから各詳細画面を生成するための制御ロジックを予めコーディングしておくことなく、クライアント端末のディスプレイ上に各詳細画面を表示させる技術の提供。
【解決手段】DBサーバ14とクライアント端末12との間に介装されたフロントエンドサーバ16が、DBサーバ14から送信されたデータリストを一覧画面生成用のテンプレートに充填してWebファイルを生成してクライアント端末12に送信し、特定データの参照用、修正用などの詳細画面を形成するために必要な画面構成部品を備えた基本テンプレートを備え、クライアント端末12から特定の詳細画面への遷移要求があると遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成し、基本テンプレートに定義コード及び必要なデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成し、クライアント端末12に送信する機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はデータベース利用技術に係り、特に、クライアント端末とデータベースサーバとの間にフロントエンドサーバを設置し、このフロントエンドサーバを介してクライアント端末のWebブラウザプログラムからデータベースサーバ内の登録データを利用する仕組みを備えたデータベース利用システム及びデータベース利用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
元来、データベースサーバが管理しているデータベースをクライアント端末において利用(参照または更新)するために、専用のアプリケーションプログラムをクライアント端末にセットアップすることが行われていた。
この専用のアプリケーションプログラムは、操作ボタンの配置や入力・表示欄の構成などの、いわゆるユーザインターフェイスの設計に適した第四世代言語、例えばVisual Basic(登録商標)等で一般にコーディングされており、非特許文献1に示すように、データベースの参照及び更新に際し視認性や一覧性に優れた画面をディスプレイに表示することができる利点を備えている。
これに対し最近は、個々のクライアント端末に専用のアプリケーションプログラムを搭載することの非効率性が認識されるようになり、またインターネットを中心としたWebシステムの普及もあり、汎用的なWebブラウザプログラムを用いてデータベースの参照や更新を行いたいという要請が強まってきている。
【0003】
図1は、このようなWebシステムを用いたデータベースの利用形態の一例を示すものであり、DB(Database)サーバ14の前段にWebサーバ機能及びAP(Application)サーバ機能を備えたフロントエンドサーバ16が設置され、インターネットやイントラネット等の通信ネットワーク18を介してこのサーバ16が多数のクライアント端末12と接続されている様子が描かれている。
各クライアント端末12にはWebブラウザプログラムがセットアップされており、このWebブラウザを通じてフロントエンドサーバ16にデータベースの利用要求が送信されると、フロントエンドサーバ16はDBサーバ14に対して該当データの抽出を依頼する。
そして、DBサーバ14からデータが送信されると、これをフロントエンドサーバ16がWebファイルに加工した上で、クライアント端末12に送信する。
この結果ユーザは、クライアント端末12のディスプレイに表示された汎用のWebブラウザ上でデータの閲覧が可能となる(非特許文献2の「テーブルの一覧」参照)。
また、ユーザがWebブラウザ上でデータの追加や修正を行い、クライアント端末12から更新リクエストが送信されると、フロントエンドサーバ16はDBサーバ14に対してこれらの更新情報を送信し、データベースの更新処理を依頼する。
【非特許文献1】入力処理の画面サンプル[平成16年6月7日検索] インターネッURL:http://it.e-otsuka.com/ryutsu/images/food_sft1.gif
【非特許文献2】itBASEのデザイン画面サンプル[平成16年6月7日検索] インターネットURL:http://219.118.162.84/eaccess/servlet/eAccess?PAGE=00005&acountid=access&accessid=itbase&UPAGE=00002&FILENM=pageclip&FILENO=00002&FILEID=000061&CLIPTABLE=&FORMNO=page00002&REPORTNO
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、クライアント端末12に搭載した汎用的なWebブラウザプログラムを介してデータベースの利用が可能になると、クライアント端末12に専用のアプリケーションプログラムを搭載する場合に比べ、イニシャルコストやランニングコストの低減効果が生じ、メンテナンスもサーバ16側で完了できる利点が生じる。
【0005】
ところで、データベースの利用方法として、まず検索結果を一覧表にしてクライアント端末に送信し、その中の一つのデータをユーザが選択した際に当該データの詳細参照用画面や修正用画面、削除用画面等を生成し、クライアント端末に送信することが一般に行われる。また、ユーザが当該データベースへの新規登録を選択した場合には、新規登録用画面が生成され、クライアント端末に送信される。
このように、一覧データに対しユーザが特定の詳細画面への遷移を求めるアクションを起こした時点で個別の画面をクライアント端末に送信するために、元々は各詳細画面専用のテンプレートを事前に開発することが行われていたが、各画面の構成には共通部分も多いため、それぞれについて別個に画面生成用のテンプレートを準備することの非効率性が認識されるようになった。
そこで、各画面に表示すべき部品を全て備えた最小公倍数的な基本テンプレートを一つ用意しておき、クライアント端末からの画面遷移要求に応じて各部品の表示/非表示を切り替えたり、活性化/非活性化を切り替えることで、それぞれの詳細画面を実現する方法が考案された。
この結果、一つの基本テンプレートで複数の画面遷移に対応でき、テンプレートの管理やメンテナンスの効率化が図れる利点が生じる。
【0006】
しかしながら、このやり方ではクライアント端末12からの要求内容(遷移先画面の種類)に応じて各部品の表示/非表示、活性化/非活性化をサーバ側で判断する必要があり、そのための制御プログラムを予めコーディングしておく必要が生じる(通常、if文やwhile文を用いた複雑なコードとなる)。
このため、コーディングの手間が掛るのはもちろん、人為的なバグが発生する危険性があった。
また、画面デザインに変更が生じた場合には、純粋にデザインに係るコードの修正の他に、それに合わせて制御プログラムにも修正を加える必要があった。
【0007】
この発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであり、その目的とするところは、各詳細画面の最小公倍数的な部品構成を備えた基本テンプレートを用いつつも、当該基本テンプレートから各詳細画面を生成するための制御ロジックを予め人間がコーディングしておくことなく、クライアント端末のディスプレイ上に各詳細画面を表示させることを可能とするデータベース利用技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載したデータベース利用システムは、データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバを備えたシステムであって、上記フロントエンドサーバが、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品(選択ボタンや入力フィールド等)を備えた基本テンプレートと、クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能を備えたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載したデータベース利用システムは、データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバを備えたシステムであって、上記フロントエンドサーバが、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載したデータベース利用システムは、データベースサーバと接続されたフロントエンドサーバと、このフロントエンドサーバと接続されたクライアント端末を備えたシステムであって、上記フロントエンドサーバが、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能を備え、上記クライアント端末が、上記フロントエンドサーバから送信された一覧画面表示用のWebファイルに基づく画面をディスプレイに表示させる機能と、一覧画面中に表示された特定の詳細画面への遷移を求める選択肢が入力手段を介して選択された場合に、フロントエンドサーバに対して対応の詳細画面の配信を要求する機能と、上記フロントエンドサーバから送信された詳細画面表示用のWebファイルに含まれる定義コード及び制御コードに従い、基本テンプレート中で表示あるいは活性化が不要な部品を非表示化あるいは非活性化させた詳細画面をディスプレイに表示させる機能を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載したデータベース利用システムは、データベースサーバと接続されたフロントエンドサーバと、このフロントエンドサーバと接続されたクライアント端末を備えたシステムであって、上記フロントエンドサーバが、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、クライアント端末から画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、このWebファイルをクライアント端末に送信する機能を備え、上記クライアント端末が、上記フロントエンドサーバから送信された一覧画面表示用のWebファイルに基づく画面をディスプレイに表示させる機能と、一覧画面中に表示された特定の詳細画面への遷移を求める選択肢が入力手段を介して選択された場合に、フロントエンドサーバに対して対応の詳細画面の配信を要求する機能と、上記フロントエンドサーバから送信された詳細画面表示用のWebファイルに含まれる定義コードに従い、基本テンプレート中で表示あるいは活性化が不要な部品を非表示化あるいは非活性化させた詳細画面をディスプレイに表示させる機能を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載したデータベース利用プログラムは、データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバに適用するプログラムであって、上記フロントエンドサーバを、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを一覧画面生成用のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する手段、このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートを格納する記憶手段、クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する手段、上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する手段、このWebファイルをクライアント端末に送信する手段として機能させることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6に記載したデータベース利用プログラムは、データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバに適用するプログラムであって、上記フロントエンドサーバを、データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段、上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを一覧画面生成用のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する手段、このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートを格納する記憶手段、クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する手段、上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する手段、このWebファイルをクライアント端末に送信する手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1、3のデータベース利用システム及び請求項5のデータベース利用プログラムにあっては、基本テンプレートに含まれる画面構成部品中で、クライアント端末から要求された詳細画面を実現するのに不要な部品を定義するコードと、この定義コードを解釈して特定部品の状態(非表示化または非活性化)を制御するコードがWebファイルの一部としてクライアント端末に送信される方式であるため、各詳細画面の最小公倍数的な構成を備えた基本テンプレートを用いながら、クライアント端末側で個別の詳細画面を表示させることが可能となる。
しかも、上記の定義コードはクライアント端末からの詳細画面配信要求を受けた時点で自動生成されるため、人為的なバグが生じる危険性が一切ない。
また、画面デザインに変更が生じた場合でも、詳細画面毎に各部品と状態との対応関係を規定した設定情報を修正するだけで済み、従来のようにサーバ側の制御プログラムに修正を施す必要がない。
なお、定義コードを解釈して部品の状態を制御するコードは汎用性があるため、予めコーディングしておけば何度でも使い回すことが可能であり、画面デザインの変更によっても影響を受けない。
【0015】
請求項2、4のデータベース利用システム及び請求項6のデータベース利用プログラムにあっては、基本テンプレートに含まれる画面構成部品中で、クライアント端末から要求された詳細画面を実現するのに不要な部品を定義するコードがWebファイルの一部としてクライアント端末に送信される方式であるため、クライアント端末側にこの定義コードを解釈して不要な部品の状態を制御する機能やプログラムを設けておくことで、各詳細画面の最小公倍数的な構成を備えた基本テンプレートを用いながら、クライアント端末側で個別の詳細画面を表示させることが可能となる。
しかも、この定義コードはクライアント端末からの詳細画面配信要求を受けた時点で自動生成されるため、人為的なバグが生じる危険性が一切ない。
また、画面デザインに変更が生じた場合でも、詳細画面毎に各部品と状態との対応関係を規定した設定情報を修正するだけで済み、従来のようにサーバ側の制御プログラムに修正を施す必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明に係るデータベース利用システム10の全体構成を示す概念図であり、多数のクライアント端末12とDBサーバ14との間に、Webサーバ機能及びAPサーバ機能を備えたフロントエンドサーバ16が配置されている。
各クライアント端末12とフロントエンドサーバ16とは、インターネットやイントラネット等の通信ネットワーク18を介して接続されている。
また、フロントエンドサーバ16とDBサーバ14との間も、LANを介してネットワーク接続されている。
各クライアント端末12には、汎用のWebブラウザプログラムがセットアップされている。
【0017】
図2は、クライアント端末12及びフロントエンドサーバ16の機能構成を示すブロック図である。
まずクライアント端末12は、マウスやキーボード等の入力装置20と、ディスプレイ22とが接続されたPC等のコンピュータよりなり、処理要求部24と、Webページ表示部26とを備えている。
ここで、処理要求部24は、クライアント端末12のCPUが、OS及び汎用のWebブラウザプログラムに従って必要な処理を実行することによって実現される。また、Webページ表示部26は、クライアント端末12のCPUが、OS、Webブラウザプログラム及びJavaScriptで記述された制御コードに従って必要な処理を実行することによって実現される。このJavaScriptで記述された制御コードは、事前にフロントエンドサーバ16からクライアント端末12に配信されている(詳細は後述)。
【0018】
フロントエンドサーバ16は、制御部30と、Webファイル生成部32と、業務処理部36と、コード生成部37と、第1のキャッシュ38と、第2のキャッシュ40と、バッファ42と、コード格納部44を備えている。
詳細は後述するが、ユーザがクライアント端末12からフロントエンドサーバ16にアクセスし、Webブラウザ上に表示されるサービスメニューの中から一つのデータベースを選択すると、サーバ16側で当該データベースを利用するための専用のアプリケーションプログラムX1が起動され、サーバ16のCPUがこれに従って必要な処理を実行することによって上記の制御部30、Webファイル生成部32、業務処理部36、コード生成部37が実現される。
また、ユーザが他のデータベースを選択した場合には、他のアプリケーションプログラムX2,X3…が別個に起動し、当該データベース用に最適化された制御部30、Webファイル生成部32、業務処理部36、コード生成部37が同時並行的に出現することとなる。
上記第1のキャッシュ38、第2のキャッシュ40、バッファ42、コード格納部44は、上記のアプリケーションプログラムにより、フロントエンドサーバ16のメモリ空間上に設定される。
上記のアプリケーションプログラムは、例えばオブジェクト指向言語の一つであるJava(登録商標)によって記述されている。
【0019】
以下、図3〜図6のフローチャートに従い、このシステム10を用いてデータベースを利用する際の処理手順について説明する。
まず、ユーザがクライアント端末12からフロントエンドサーバ16にアクセスし、ID及びパスワードの入力を伴う認証ステップをクリアすると、サーバ16からメニュー表示用のWebファイル(Htmlファイル等)が送信され(図3の(S10)、Webブラウザ上に当該ユーザが利用可能なデータベースのメニュー画面(図示省略)が表示される(S11)。
【0020】
このメニューの中からユーザが一つのデータベース利用サービス、例えば「店マスタ」を選択すると、クライアント端末12の処理要求部24からフロントエンドサーバ16に対し、当該データベースを利用するための初期画面の配信リクエストが送信される(S12)。
これを受けたフロントエンドサーバ16では、当該データベースに対応したアプリケーションプログラムX1が起動され(S13)、専用の制御部30、Webファイル生成部32、業務処理部36、コード生成部37が形成されると共に、メモリ空間上に第1のキャッシュ38、第2のキャッシュ40、及びバッファ42が設定される。
【0021】
つぎに、Webファイル生成部32によって店マスタの初期画面用Webファイルが生成され、クライアント端末12に送信される(S14)。
この結果、図7に示すように、クライアント端末12のディスプレイに店マスタ利用サービスの初期画面50が表示される(S15)。
これに対し、ユーザが店コード入力欄52に具体的な店コードの範囲(例えば001〜050)を入力し、検索ボタン54をクリックすると、処理要求部24からフロントエンドサーバ16に対し該当店コードについての検索要求が送信される(S16)。
【0022】
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、当該店コードの範囲を検索条件としてバッファ42にセットする(S17)。
業務処理部36は、この検索条件をDBサーバ14に送信し、該当レコードの抽出を依頼する(S18)。
これに対しDBサーバ14は、店マスタのデータベースから検索条件に合致するレコードを抽出し、業務処理部36に送信する。
業務処理部36は、DBサーバ14から受信したこれらのデータリストをバッファ42に格納する(S19)。
【0023】
これに対し制御部30は、バッファ42に格納されたデータリストを一旦第1のキャッシュ38に格納する(S20)。
つぎに制御部30は、画面デザインに基づいて予めプログラムコード中に設定された一覧表の行数情報(1頁=10行)を参照し、第1のキャッシュ38に格納された店マスタのデータリストの上から10件分を抽出すると共に、これを第2のキャッシュ40に格納する(S21)。
【0024】
Webファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から10件分のデータリストを取り出し、これらを検索結果表示用のテンプレートに埋め込むことによってWebファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S22)。
この結果、図8に示すように、クライアント端末12のディスプレイ22に店コード=001〜010までの各データを一行表示する一覧表56を備えた検索結果一覧画面58が表示される(S23)。
この一覧表56においては、各店毎に店コード、店漢字名称、仕入先コード、仕入先漢字名称、開店日、閉店日のデータ項目が表示されている。
なお、店マスタの各レコードには他のデータ項目が実際には含まれているが、第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にデータが移される際に制御部30によって必要なデータ項目のみが抽出される結果、一覧表56では上記のデータ項目のみが表示されている。
【0025】
上記のように、制御部30によって10件分のデータリストのみが第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーされ、Webファイル生成部32は10件単位で一覧表示用のWebファイルを生成し、これをクライアント端末12に送信しているため、一覧表56は1頁10行に固定されている。
【0026】
図示は省略したが、ユーザが一覧表56の次頁スクロールボタン60をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して次頁画面の配信リクエストが送信される。
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、第1のキャッシュ38から次頁に表示されるべき次の10件分のデータリストを取り出し、第2のキャッシュ40に格納する。
これに対しWebファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から10件分のレコードを取り出し、これらを上記テンプレートに埋め込むことによってWebファイルを生成し、クライアント端末12に送信する。
この結果、クライアント端末12のディスプレイ22には店コード=011〜020までの各データを一行表示する一覧表を備えた検索結果一覧画面が表示されることとなる。
【0027】
図8の一覧表56の中からユーザが特定のデータをクリックして選択状態となし、そのまま参照ボタン62をクリックすると、クライアント端末12の処理要求部24からフロントエンドサーバ16に対し、当該データの詳細情報を閲覧するための参照画面の配信リクエストが送信される(S24)。図8においては、店コード=007の三鷹台店が選択されている。
これを受け付けた制御部30は、三鷹台店のレコードを第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーすると共に(S25)、コード生成部37に対して参照画面用の定義コードの生成を指令する。
【0028】
これに対しコード生成部37は、画面デザインに基づいて予めプログラムコード中に記述された設定情報を参照し、参照画面用の定義コードをJavaScriptの文法に従って自動生成する(図4のS26)。
【0029】
すなわち、この店マスタの利用サービスにおいては、予め図9に示す基本詳細画面64が設計されている。
この基本詳細画面64は、店マスタの一覧表56を起点として展開される各種詳細画面の構成部品(ボタン類、フィールド類等)を全て備えた最小公倍数的な画面であり、この中から特定の部品を非表示にしたり非活性化させることにより、個別の詳細画面が実現される仕組みである。
ここで「非表示」とは、文字通りボタン等を隠蔽化して画面上に表示させないことを意味する。また、「非活性化」とは、ボタンやフィールドの表示自体はなされるがクリックしたりテキスト入力をできなくすることを意味する。
そして、基本詳細画面64の各部品には識別コードが割り振られており、コード生成部37を実現するプログラムコード中には各識別コードと状態(表示/非表示/活性/非活性の別)との組合せが詳細画面毎に設定されている。
【0030】
今回のクライアント端末12からのリクエストが参照画面への遷移であるため、コード生成部37は参照画面において必要のない登録ボタン66及び削除ボタン68を非表示対応に指定すると共に、開店日や閉店日等の年月日入力フィールドに設けられたプルダウンボタン70を非表示対応とし、さらに全てのデータ項目を非活性化(入力不能)フィールドに指定する定義コードを生成し、第2のキャッシュ40に格納する。
【0031】
これに対しWebファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から1件分のレコードと定義コードを取り出し、上記の基本画面生成用のテンプレートにこれらを充填することによって参照画面用Webファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S27)。
【0032】
これを受けたクライアント端末12のWebページ表示部26は、図10に示すように、ディスプレイ22に三鷹台店の参照画面72を表示させる(S28)。
この際、Webページ表示部26が上記定義コードを解釈し、不必要な部品を非表示扱いとすると共に、全データ項目について入力不能フィールド扱いとする結果、参照画面72には基本詳細画面64の登録ボタン66や削除ボタン68、プルダウンボタン70が非表示となされている。また、全てのデータ項目について、データ表示のみが可能で入力ができない入力不能フィールドとなされている。
【0033】
ここでユーザが戻るボタン74をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して一覧画面の再表示を求めるリクエストが送信される(S29)。
これを受けたフロントエンドサーバ16では、制御部30によって先頭から10件分のデータリストが第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーされる(S30)。
Webファイル生成部32は、これらのデータリストを検索結果表示用のテンプレートに充填してWebファイルを生成し、クライアント端末に送信する(S31)。
この結果、クライアント端末12のディスプレイ22には、図8の一覧画面58が再び表示される(S32)。
【0034】
つぎにユーザが他のデータ(例えば店コード:008の国分寺店)をクリックして選択状態となし、そのまま修正ボタン76をクリックすると、クライアント端末12の処理要求部24からフロントエンドサーバ12に対し、当該データの修正画面の配信リクエストが送信される(S33)。
これを受け付けた制御部30は、国分寺店のレコードを第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーすると共に(S34)、コード生成部37に対して修正画面用の定義コードの生成を指令する。
【0035】
これに対しコード生成部37は、プログラムコード中に記述された設定情報を参照して修正画面用の定義コード(JavaScript)を自動生成し(S35)、第2のキャッシュ40に格納する。
今回のクライアント端末12からのリクエストが修正画面への遷移であるため、コード生成部37は修正画面において表示不要な削除ボタン68を非表示にするよう指定する定義コードを生成する。
これに対し、登録ボタン66や年月日入力フィールドに設けられたプルダウンボタン70は修正画面において必要となるため、基本詳細画面64のままとされる。また、各データ項目についても、入力可能フィールドのままとされる。
【0036】
Webファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から1件分のレコードと定義コードを取り出し、上記の基本画面生成用のテンプレートにこれらを充填することによって修正画面用Webファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S36)。
【0037】
これを受けたクライアント端末12のWebページ表示部26は、図11に示すように、ディスプレイ22に国分寺店の修正画面78を表示させる(S37)。
この際、Webページ表示部26が上記定義コードを解釈し、不必要な削除ボタン68を非表示扱いとする結果、修正画面78には削除ボタン68が表示されていない。これに対し、登録ボタン66やプルダウンボタン70はそのまま表示されると共に、全てのデータ項目について、データの入力/修正が可能なデータ入力可能フィールドとなされている。
【0038】
これに対しユーザが、必要なデータ項目についてデータの新規入力あるいは修正入力を済ませ(S38)、登録ボタン66をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して修正データの登録リクエストが送信される(S39)。
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、クライアント端末12から送信されたデータによって第1のキャッシュ38内の該当レコードを上書きし、クライアント端末12上での修正を反映させる(S40)。
【0039】
つぎにユーザが戻るボタン74をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して一覧画面の再表示を求めるリクエストが送信される(図5のS41)。
これを受けたフロントエンドサーバ16では、制御部30によって10件分のデータリストが第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーされる(S42)。
Webファイル生成部32は、これらのデータリストを検索結果表示用のテンプレートに充填してWebファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S43)。
この結果、クライアント端末12のディスプレイ22には、図8の一覧画面58が再び表示される(S44)。
【0040】
つぎにユーザが他のレコード(例えば店コード:009の能見台店)をクリックして選択状態となし、そのまま削除ボタン80をクリックすると、クライアント端末12の処理要求部24からフロントエンドサーバ12に対し、該当店に係る削除画面の配信リクエストが送信される(S45)。
これを受け付けた制御部30は、能見台店のレコードを第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーすると共に(S46)、コード生成部37に対して削除画面用の定義コードの生成を指令する。
【0041】
これに対しコード生成部37は、プログラムコード中に記述された設定情報を参照して削除画面用の定義コード(JavaScript)を自動生成し(S47)、第2のキャッシュ40に格納する。
今回のクライアント端末12からのリクエストが削除画面への遷移であるため、コード生成部37は削除画面において表示不要な登録ボタン66及びプルダウンボタン70を非表示にすると共に、全てのデータ項目について入力不能フィールドに指定する定義コードを生成する。
【0042】
Webファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から1件分のレコードと定義コードを取り出し、上記の基本画面生成用のテンプレートにこれらを充填することによって削除画面用Webファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S48)。
【0043】
これを受けたクライアント端末12のWebページ表示部26は、図12に示すように、ディスプレイ22に能見台店の削除画面82を表示させる(S49)。
この際、Webページ表示部26が上記定義コードを解釈し、不必要な登録ボタン66及びプルダウンボタン70を非表示扱いとする結果、削除画面82には登録ボタン66及びプルダウンボタン70が表示されていない。また、全てのデータ項目について、データ表示のみが可能で入力ができない入力不能フィールドとなされている。
【0044】
これに対しユーザが各データ項目の内容を確認し、削除ボタン68をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して該当レコードの削除のリクエストが送信される(S50)。
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、クライアント端末12から削除を要求されたレコードを第1のキャッシュ38内のデータリストから削除する(S51)。
【0045】
つぎにユーザが戻るボタン74をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して一覧画面の再表示を求めるリクエストが送信される(S52)。
これを受けたフロントエンドサーバ16では、制御部30によって10件分のデータリストが第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーされる(S53)。
Webファイル生成部32は、これらのデータリストを検索結果表示用のテンプレートに充填してWebファイルを生成し、クライアント端末に送信する(S54)。
この結果、クライアント端末12のディスプレイ22には、図8の一覧画面58が再び表示される(S55)。
【0046】
ここでユーザが新規ボタン84をクリックすると、クライアント端末12の処理要求部24からフロントエンドサーバ16に対し、レコードの新規登録画面の配信リクエストが送信される(図6のS56)。
これを受け付けた制御部30は、コード生成部37に対して新規登録画面用の定義コードの生成を指令する。
【0047】
これに対しコード生成部37は、プログラムコード中に記述された設定情報を参照し、新規登録画面用の定義コード(JavaScript)を自動生成し(S57)、第2のキャッシュ40に格納する。
今回のクライアント端末12からのリクエストが新規登録画面への遷移であるため、コード生成部37は新規登録画面において表示不要な削除ボタン68を非表示にするよう指定する定義コードを生成する。
これに対し、登録ボタン66、プルダウンボタン70は新規登録画面において必要となるため、そのまま表示される。また、各データ項目については入力可能フィールドのままとされる。
【0048】
Webファイル生成部32は、第2のキャッシュ40から定義コードを取り出し、上記の基本画面生成用のテンプレートにこれを充填することによって新規登録画面用Webファイルを生成し、クライアント端末12に送信する(S58)。
【0049】
これを受けたクライアント端末12のWebページ表示部26は、図13に示すように、ディスプレイ22に新規登録画面86を表示させる(S59)。
この際、Webページ表示部26が上記定義コードを解釈し、不必要な削除ボタン68を非表示扱いとする結果、新規登録画面86には削除ボタン68が表示されていない。これに対し、登録ボタン66やプルダウンボタン70はそのまま表示されると共に、全てのデータ項目についてデータの入力/修正が可能なデータ入力可能フィールドとなされている。
【0050】
これに対しユーザが必要なデータ項目にデータの新規入力を済ませ(S60)、登録ボタン66をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して入力データの新規登録リクエストが送信される(S61)。
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、クライアント端末12から送信されたデータを第1のキャッシュ38のデータリストに追加する(S62)。
【0051】
つぎにユーザが戻るボタン74をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して一覧画面の再表示を求めるリクエストが送信される(S63)。
これを受けたフロントエンドサーバ16では、制御部30によって10件分のデータリストが第1のキャッシュ38から第2のキャッシュ40にコピーされる(S64)。
Webファイル生成部32は、これらのデータリストを検索結果表示用のテンプレートに充填してWebファイルを生成し、クライアント端末に送信する(S65)。
この結果、クライアント端末12のディスプレイ22には、図8の一覧画面58が再び表示される(S66)。
【0052】
最後にユーザが終了ボタン88をクリックすると、クライアント端末12からフロントエンドサーバ16に対して終了のリクエストが送信される(S67)。
これを受けたフロントエンドサーバ16の制御部30は、第1のキャッシュ38内に格納されたデータリストをバッファ42にセットする(S68)。
【0053】
業務処理部36は、このバッファ42のデータリストをDBサーバ14に送信し、レコードの更新を依頼する(S69)。
これを受けたDBサーバ14は、業務処理部36から受け取ったデータリストによって店マスタデータベースを更新する。
【0054】
上記のフローチャートにおいては記載を省略したが、コード生成部37によって生成された各遷移画面用の定義コードは、その都度、コード格納部44にキャッシュされる。
そして、この店マスタ利用サービスにおいて詳細画面の表示リクエストが送信された場合、コード生成部37はまずコード格納部44をチェックし、目的の定義コードが存在している場合には新たに定義コードを生成することなく、既存の定義コードを第2のキャッシュ40に格納する。
【0055】
コード生成部37によって生成されるJavaScriptの定義コードは、あくまでも基本詳細画面64を構成する各部品毎にその状態(表示/非表示や活性化/非活性化の別)を指定するコードであり、これを解釈して特定の部品の状態を実現させる処理を実行するためのJavaScriptは、予め.js(ドットジェイエス)ファイルとして各クライアント端末12に配信されている。
フロントエンドサーバ16から送信された定義コードを解釈する制御コード自体は各詳細画面共通であるため、このように.jsファイルとして予めクライアント端末12に配信しておくことが効率的であり、通信量の低減にも資するといえる。
【0056】
ただし、この発明はこれに限定されるものではなく、フロントエンドサーバ16のコード生成部37において定義コードを生成した後、Webファイル生成部32が第2のキャッシュ40に格納された定義コード及びこれを解釈する制御コードをWebファイル中に埋設させてクライアント端末12に配信するように運用してもよい。
この結果、クライアント端末12においては上記制御コードがWebページ表示部26の一部に組み込まれ、上記定義コードを解釈することによって表示あるいは活性化が不要な部品を特定すると共に、詳細画面における当該部品の非表示化あるいは不活性化を実現させる。
【0057】
このシステム10の場合、上記のように一覧画面から詳細画面に遷移させる際に、基本詳細画面を構成している個々の部品の各詳細画面における状態を規定する定義コードがコード生成部37において自動的生成され、これがWebファイル生成部32によって基本テンプレートに挿入されることで各詳細画面用Webファイルが生成され、上記定義コードに従ってクライアント端末12のWebページ表示部26が各部品の表示/非表示または活性化/非活性化を切り替えることによって具体的な詳細画面が形成される仕組みを備えている。
この結果、画面デザインに変更を加える必要が生じた場合でも、デザイナは基本テンプレートにおける純粋にデザインに係る部分のコードのみを修正すれば足り、それに関連して各部品の状態を制御するロジックにまで修正を加える必要がない。
しかも、定義コードはコード生成部37によって生成されるため、人為的なバグが生じる余地もない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明に係るデータベース利用システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】クライアント端末及びフロントエンドサーバの機能構成を示すブロック図である。
【図3】このシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図4】このシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図5】このシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図6】このシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図7】店マスタ利用サービスの初期画面を示すレイアウト図である。
【図8】店マスタ利用サービスの検索結果一覧画面を示すレイアウト図である。
【図9】店マスタ利用サービスの基本画面を示すレイアウト図である。
【図10】店マスタ利用サービスの参照画面を示すレイアウト図である。
【図11】店マスタ利用サービスの修正画面を示すレイアウト図である。
【図12】店マスタ利用サービスの削除画面を示すレイアウト図である。
【図13】店マスタ利用サービスの新規登録画面を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
【0059】
10 データベース利用システム
12 クライアント端末
14 DBサーバ
16 フロントエンドサーバ
18 通信ネットワーク
20 入力装置
22 ディスプレイ
24 処理要求部
26 Webページ表示部
30 制御部
32 Webファイル生成部
36 業務処理部
37 コード生成部
38 第1のキャッシュ
40 第2のキャッシュ
42 バッファ
44 コード格納部
50 店マスタ利用サービスの初期画面
52 店コード入力欄
54 検索ボタン
56 一覧表
58 一覧画面
58 検索結果一覧画面
60 次頁スクロールボタン
62 参照ボタン
64 基本詳細画面
66 登録ボタン
68 削除ボタン
70 プルダウンボタン
72 参照画面
74 戻るボタン
76 修正ボタン
78 修正画面
80 削除ボタン
82 削除画面
84 新規ボタン
86 新規登録画面
88 終了ボタン
X1,X2,X3 アプリケーションプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバを備えたデータベース利用システムであって、
上記フロントエンドサーバが、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、
データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、
クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、
上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
を備えたことを特徴とするデータベース利用システム。
【請求項2】
データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバを備えたデータベース利用システムであって、
上記フロントエンドサーバが、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、
データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、
クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、
上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
を備えたことを特徴とするデータベース利用システム。
【請求項3】
データベースサーバと接続されたフロントエンドサーバと、このフロントエンドサーバと接続されたクライアント端末とを備えたデータベース利用システムであって、
上記フロントエンドサーバが、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、
データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、
クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、
上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能を備え、
上記クライアント端末が、
上記フロントエンドサーバから送信された一覧画面表示用のWebファイルに基づく画面をディスプレイに表示させる機能と、
一覧画面中に表示された特定の詳細画面への遷移を求める選択肢が入力手段を介して選択された場合に、フロントエンドサーバに対して対応の詳細画面の配信を要求する機能と、
上記フロントエンドサーバから送信された詳細画面表示用のWebファイルに含まれる定義コード及び制御コードに従い、基本テンプレート中で表示あるいは活性化が不要な部品を非表示化あるいは非活性化させた詳細画面をディスプレイに表示させる機能を備えたことを特徴とするデータベース利用システム。
【請求項4】
データベースサーバと接続されたフロントエンドサーバと、このフロントエンドサーバと接続されたクライアント端末とを備えたデータベース利用システムであって、
上記フロントエンドサーバが、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段と、
データリストの一覧画面生成用のテンプレートと、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを上記のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能と、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートと、
クライアント端末から画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する機能と、
上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する機能と、
このWebファイルをクライアント端末に送信する機能とを備え、
上記クライアント端末が、
上記フロントエンドサーバから送信された一覧画面表示用のWebファイルに基づく画面をディスプレイに表示させる機能と、
一覧画面中に表示された特定の詳細画面への遷移を求める選択肢が入力手段を介して選択された場合に、フロントエンドサーバに対して対応の詳細画面の配信を要求する機能と、
上記フロントエンドサーバから送信された詳細画面表示用のWebファイルに含まれる定義コードに従い、基本テンプレート中で表示あるいは活性化が不要な部品を非表示化あるいは非活性化させた詳細画面をディスプレイに表示させる機能とを備えたことを特徴とするデータベース利用システム。
【請求項5】
データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバに適用するデータベース利用プログラムであって、
上記フロントエンドサーバを、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを一覧画面生成用のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する手段、
このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートを格納する記憶手段、
クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する手段、
上記基本テンプレートに、上記定義コード、該定義コードに従いクライアント端末のディスプレイ上の詳細画面において当該部品を非表示化あるいは非活性化させるための制御コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する手段、
このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、
として機能させることを特徴とするデータベース利用プログラム。
【請求項6】
データベースサーバとクライアント端末との間に介装されたフロントエンドサーバに適用するデータベース利用プログラムであって、
上記フロントエンドサーバを、
データベースサーバから送信されたデータリストを格納する記憶手段、
上記記憶手段からデータリストを取り出し、これを一覧画面生成用のテンプレートに充填して一覧画面表示用のWebファイルを生成する手段、
このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、
上記データリストに含まれる特定データの詳細情報を参照するための詳細画面、特定データの修正を行うための詳細画面、特定データの削除を行うための詳細画面、及び新規データをデータリストに追加するための詳細画面の中の、少なくとも2つの詳細画面を形成するために必要とされる画面構成部品を備えた基本テンプレートを格納する記憶手段、
クライアント端末から特定の詳細画面への画面遷移要求が送信された場合に、詳細画面毎に各部品の表示/非表示あるいは活性化/非活性化を規定した設定情報を参照し、遷移先の詳細画面において表示あるいは活性化が不要な部品を定義するコードを生成する手段、
上記基本テンプレートに、当該定義コード、及び必要に応じ上記記憶手段内に格納されたデータを充填させて詳細画面表示用のWebファイルを生成する手段、
このWebファイルをクライアント端末に送信する手段、
として機能させることを特徴とするデータベース利用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−92186(P2006−92186A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275812(P2004−275812)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】