説明

データリンクのエネルギ効率管理

システムは、少なくとも1つはアクティブである複数のリングを含む第1の物理ネットワークインターフェースカード(NIC)を含む。システムは、さらに、第1のNICに動作可能に接続され、メディアアクセスコントロール(MAC)層を含むホストを含む。MAC層は、パワーマネージメントポリシーを取得し、アクティブなリングに関する負荷を取得し、パワーマネージメントポリシーおよび負荷を用いて、少なくとも1つのリングに関する状態が変更されなければならないことを判断し、判断に応答して、少なくとも1つのリングの状態を変更するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
(典型的にはパケットの形式での)ネットワークトラフィックは、インターネット等のネットワーク上を、送信システム(例えばコンピュータシステム)から受信システム(例えばコンピュータシステム)にネットワークインターフェースカード(NIC)を介して伝送される。NICは、ネットワークトラフィックを典型的にはパケットの形式で送受信する機能を含む典型的なコンピュータシステムにおいて見られるハードウェアの一部である。加えて、現代のNICは、複数の受信リングと送信リンクとを含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ネットワークトラフィックを送信するため、NICには十分な量の電力を供給しなければならない。そのような電力は、NICを介して送られるネットワークトラフィックの量に依存し得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
一般的に、ある局面において、発明はシステムに関する。システムは、少なくとも1つはアクティブである複数のリングを含む第1の物理ネットワークインターフェースカード(NIC)と、第1のNICに動作可能に接続され、メディアアクセスコントロール(MAC)層を含むホストとを含み、MAC層は、電力管理ポリシーを取得し、アクティブなリングに関する負荷を取得し、電力管理ポリシーおよび負荷を用いて、複数のリングのうちの少なくとも1つに関する状態が変更されなければならないことを判断し、判断に応答して、複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するように構成される。
【0004】
一般的に、ある局面において、発明は、実行されると方法を実行する、データリンクを管理するためのソフトウェア命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。方法は、ホストで実行するメディアアクセスコントロール(MAC)層により、電力管理ポリシーを取得するステップと、MAC層により、複数のリングを含み、ホストに動作可能に接続される物理ネットワークインターフェースカード(NIC)上にあるアクティブなリングに関する負荷を取得するステップと、電力管理ポリシーおよび負荷を用いて、複数のリングのうちの少なくとも1つに関する状態が変更されなければならないことを判断するステップと、判断に応答して、複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するステップとを含む。コンピュータプログラム製品は、ソフトウェア命令を含むコンピュータ読取可能媒体を含み得る。
【0005】
一般的に、ある局面において、発明は、データリンクの管理方法に関する。方法は、ホストで実行するメディアアクセスコントロール(MAC)層により、電力管理ポリシーを取得するステップと、MAC層により、複数のリングを含み、ホストに動作可能に接続される物理ネットワークインターフェースカード(NIC)上にあるアクティブなリングに関する負荷を取得するステップと、電力管理ポリシーおよび負荷を用いて、複数のリングのうちの少なくとも1つに関する状態が変更されなければならないことを判断するステップと、判断に応答して、複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】発明の1つ以上の実施形態に従うシステムを示す。
【図1B】発明の1つ以上の実施形態に従うシステムを示す。
【図1C】発明の1つ以上の実施形態に従うシステムを示す。
【図2】発明の1つ以上の実施形態に従うフローチャートを示す。
【図3】発明の1つ以上の実施形態に従うフローチャートを示す。
【図4A】発明の1つ以上の実施形態に従う例を示す。
【図4B】発明の1つ以上の実施形態に従う例を示す。
【図5】発明の1つ以上の実施形態に従うコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
添付の図面を参照して、発明の例示の実施形態が説明される。図面における同様の項目は同じ参照番号を用いて示される。
【0008】
発明の実施形態において、発明のより詳細な理解を提供するために数々の特定の詳細が説明される。しかしながら、これらの特定の詳細無しで発明が実施され得ることは当業者にとって明らかであろう。他の例では、発明を曖昧にすることを避けるために周知の特徴は説明されない。
【0009】
一般的に、発明の実施形態は、物理ネットワークインターフェースカード(NIC)上のデータリンク管理に関する。特に、発明の実施形態は、データリンク(あるいはリング)に提供されるエネルギの効率的な利用を達成するためにNIC上のデータリンクの数を管理することに関する。
【0010】
図1Aは、発明のある実施形態に従うシステムを示す。図1に示されるように、システムは、NIC(102)に動作可能に接続されたホスト(100)を含む。NIC(102)は、ホスト(100)とネットワーク(図示せず)(例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、無線ネットワーク等)との間のインターフェースを提供する。より詳細には、NIC(102)は、ネットワークインターフェース(NI)(104)(すなわち、ネットワークと仲介するために用いられるNIC(102)上のハードウェア)を含む。例えば、NI(104)は、RJ−45コネクタ、無線アンテナ等に対応し得る。NI(104)によって受信されたパケットは、処理等のためにNIC(102)上の別の要素に転送される。発明のある実施形態において、NIC(102)は分類器(図示せず)および、ネットワークトラフィックを送受信するために用いられる1つ以上のリング(106A,106N)を含む。発明のある実施例において、リング(106A,106N)は、パケットがホスト(100)にコピーされる前あるいはNI(104)を介してネットワーク上で伝送される前に一時的にパケットを記憶するために用いられる、NIC(102)内のメモリの一部に対応する。発明のある実施形態において、分類器(図示せず)は、入って来るネットワークトラフィックを分析し、リング(106A,106N)の1つにトラフィックを転送するように構成される。
【0011】
発明のある実施形態において、NIC(102)は、各リング(106A,106N)の状態を変更する機能を有する。より詳細には、各リング(106A,106N)は、アクティブもしくは非アクティブになるように構成され得る。アクティブ状態にあるリング(106A,106N)は、アクティブリングと呼ばれ得る。発明のある実施形態において、アクティブリングは、ホスト(100)とネットワークインターフェース(104)との間のネットワークトラフィックの伝送を促進する。発明のある実施形態において、非アクティブ状態にあるリング(106A,106N)は、非アクティブリングと呼ばれ得る。発明のある実施形態において、非アクティブリングは、ホストとネットワークインターフェースとの間でネットワークトラフィックを送受信しない。NIC(102)内の要素によってリング(106A,106N)が非アクティブからアクティブに遷移させられた場合、そのような遷移はリング(106A,106N)をアクティブ化する、オンにする、あるいは起動すると呼ばれ得る。NIC(102)内の要素によりリング(106A,106N)がアクティブから非アクティブに遷移させられた場合、そのような遷移はリング(106A,106N)を非アクティブ化する、オフにする、あるいは停止すると呼ばれ得る。
【0012】
発明のある実施例において、非アクティブリングは、停止された後も電力を消費し続け得る。発明のある実施形態において、非アクティブリングは対応するアクティブリングよりも小さい電力を消費する。言い換えると、所与の時間にわたってアクティブリングによって消費される電力の量は、同じ時間にわたって非アクティブリングにより消費される電力の量よりも大きい。発明のある実施形態において、1つ以上のアクティブリングは、NIC(102)あるいはシステム全体に関する1つ以上の目的を達成するために停止され得る。発明のある実施形態において、1つ以上の利用中のリングは、NIC(102)により用いられる電力の全体量を低減するために停止され得る。発明のある実施形態において、個々のリング(106A,106N)は、NIC(102)の動作温度を下げるためにオンあるいはオフにされ得る。システムの目的の別の例が以下に説明される。
【0013】
図1Aの考察を続けて、ホスト(100)は、メディアアクセス層(MAC)層(108)、ネットワークスタック(110)、およびパケットソース/デスティネーション(112)を含む。発明のある実施形態において、MAC層(108)(あるいはより詳細には、MAC層(108)内で実行するスレッド)は、デバイスドライバ(図示せず)を介してNIC(102)と相互作用する機能を含み得る。また、MAC層(108)は、ネットワークスタック(110)とインターフェースする機能を含む。
【0014】
発明のある実施形態において、ネットワークスタック(110)は、パケットを送受信するために用いられる様々なプロトコル(例えば、トランスミッションコミュニケーションプロトコル(TCP)、インターネットプロトコル(IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)等)に従ってパケットを処理する機能を含む。各ネットワークスタック(110)は、1つ以上の関連付けられたパケットソース/デスティネーション(112)からパケットを送受信する機能も含み得る。
【0015】
発明のある実施形態において、ネットワークスタック(110)は、ネットワーク層およびトランスポート層機能を含む。発明のある実施形態において、ネットワーク層機能は、パケットのアドレス指定およびネットワーク上での配送を管理する機能(例えばIP、アドレス解決プロトコル(ARP)、インターネットコントロールメッセージプロトコル等をサポートする機能)に対応する。発明のある実施形態において、トランスポート層機能は、ネットワーク上でのパケットの伝送を管理する機能(例えばTCP、UDP、ストリームコントロールトランスミッションプロトコル(SCTP)等をサポートする機能)に対応する。
【0016】
発明のある実施形態において、パケットソース/デスティネーション(122)は、ネットワーク接続を開始する、ホスト内の要素を参照し、ホスト(100)内で実行するコンテナあるいはサービスに対応し得る。ホスト(100)は、1つ以上のパケットソース/デスティネーション(112)を含み得る。各パケットソース/デスティネーション(112)は、1つ以上のネットワークスタック(110)および1つ以上のリング(106A,106N)に関連付けられ得る。発明のある実施形態において、パケットソース/デスティネーション(112)およびネットワークスタック(110)は、MAC層(108)と相互作用してネットワークトラフィックを送受信する仮想マシン(図示せず)内で実行し得る。
【0017】
図1Bは、発明のある実施形態に従うシステムを示す。図1Bに示されるシステムは、NICの組(114)内の複数のNIC(102A,102N)を含む。発明のある実施形態において、NICの組(114)は、ホスト(100)に接続された単一のNICのように動作するNICの集合に対応する。図1Bに示される別の要素は、図1Aについて説明されたものと実質的に同様である。発明のある実施形態において、MAC層は、NICの集合を管理する機能を含み得る。
【0018】
図1Cは、発明のある実施形態に従うシステムを示す。図1Cに示されるシステムは、複数のNIC(102A,102N)を含むNICの組(114)を含む。複数のNIC(102A,102N)の各々が複数のリング(106A,106N)を含む。図1Cに示される別の要素は、図1Aに関して説明されたものと実質的に同様である。
【0019】
図2は、発明の1つ以上の実施形態に従うネットワークスタックもしくは仮想マシンに関連付けられたリングの組を初期化するためのフローチャートを示す。発明の1つ以上の実施形態において、図2に示される1つ以上のステップは省略され、繰り返され、および/または図2に示されるものとは別の順番で実行され得る。したがって、図2に示されるステップの特定の配置は発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0020】
ステップ210にて、MAC層は、電力管理ポリシー(電力管理ポリシーの例は後述される)を取得する。ステップ212において、MAC層は、初期数のリングをアクティブ化する。発明のある実施形態において、アクティブ化されたリングの初期数は電力管理ポリシーにより定められる。発明のある実施形態において、後続のリングをアクティブ化する要求があるまで、たった1つのリングがアクティブ化される。ステップ214にて、ネットワークスタックは、1つ以上のアクティブリングを用いて接続の組を開く。発明のある実施形態において、接続は、データが伝送される、2つの物理ネットワーク装置の間、2つの仮想ネットワーク装置の間、あるいは、1つの物理ネットワーク装置と1つの仮想ネットワーク装置との間の論理パスと呼ばれる。発明のある実施形態において、単一のアクティブリングを用いて複数の接続が開かれ得る。
【0021】
以下は、様々な電力管理ポリシーの例である。以下の電力管理ポリシーは、例示の目的のみのために含まれ、発明を限定するものとして解釈されてはならない。
【0022】
例示の電力管理ポリシー1 ポリシーは、許容される最大消費電力を特定する。最大消費電力は、NICが利用可能な総最大電力よりも低い。ポリシーは、NIC上でどのようにリングがアクティブ化および非アクティブ化するかも特定する。ポリシーは、リング以外のNIC内の要素に関する全ての(あるいは付加的な)消費電力を考慮するように拡張され得る。例えば、ポリシーは、リングに関連付けられた冷却メカニズムの消費電力(たとえば、リングを冷却するファンを駆動するための電力)を考慮し得る。
【0023】
例示の電力管理ポリシー2 このポリシーは、必要に応じて付加的なリングを提供する。アクティブな接続を処理するために必要な最小数のリングがアクティブ化される。ポリシーは、各リングによって処理されるトラフィックの最小速度と共に、ドロップされるパケットの最大許容率も提供する。ネットワークトラフィックが増大あるいは減少する(すなわち負荷が変化する)につれ、リングがアクティブ化あるいは非アクティブ化される。
【0024】
例示の電力管理ポリシー3 このポリシーは、システムのNICあるいは複数のNIC上でリングをどのようにディスパッチするかを規定する。このポリシーは、リングがアクティブ化あるいは非アクティブ化される順番を規定し得る。例えば、アクティブを有さないNIC上でリングがアクティブ化される前にアクティブリングを有するNIC上でリングがアクティブ化され得る。また、非アクティブリングを有さないNIC上でリングが非アクティブ化される前に、少なくとも1つの非アクティブリングを有するNIC上でリングが非アクティブ化され得る。代替的に、最小期間を超える期間において単一のリングが非アクティブ化される前に、最小期間において各リングが非アクティブ化されるように、ポリシーはリングをアクティブ化および非アクティブ化し得る。
【0025】
例示の電力管理ポリシー4 このポリシーは、リングをアクティブ化あるいは非アクティブ化する際に、環境的要因および/または外的要因を考慮することを特定する。例えば、所与のNICあるいはNICが配置されるコンピュータ(例えばサーバ、ブレードサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ等)についての最大動作温度を特定し得る。
【0026】
例示の電力管理ポリシー5 このポリシーは、特定の電力管理ポリシーが適用されるべき時、ならびに電力管理ポリシーが適用される期間を規定する。例えば、このポリシーは、午前6時から午後6時までの間は電力管理ポリシー2と電力管理ポリシー4とが適用され、午後6時1分から午前5時59分までの間は電力管理ポリシー1が適用されるべきであることを特定し得る。
【0027】
前述のポリシーのいずれもがオペレーティングシステムにおいて予め定められ、ユーザによって与えられ、および/またはユーザにより変更され得ることを当業者は理解するであろう。
【0028】
図3は、発明の1つ以上の実施形態に従うNICあるいはNICの組を電力管理するためのフローチャートを示す。発明の1つ以上の実施形態において、図3に示される1つ以上のステップは、省略され、繰り返され、および/または図3に示されるものとは異なる順番で実行され得る。したがって、図3に示されるステップの特定の配置は発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0029】
ステップ310において、ネットワークスタックは、アクティブリング上の負荷を測定する。発明のある実施形態において、負荷という用語は、リングの組を用いて送られるネットワークトラフィックの速度(例えば、ある期間に伝送されるデータ)、および/またはシステム上のそのトラフィックの効果(例えば、NICの内部温度、リングの組の消費電力等)を示し得る。ステップ312において、負荷が電力管理ポリシーと比較される。ステップ314において、現在の負荷が電力管理ポリシーの目標を満たしていないかどうかについての判断がなされる。ポリシーの目標が満たされていないと、ステップ316において、現時点で実施されている電力管理ポリシーに従ってアクティブリングの数が調整される。発明のある実施形態において、システム内のリングのアクティブ化あるいは非アクティブ化に続いて、全てのアクティブリング間でネットワークトラフィックが再分配される。ステップ318において、ステップ310に戻る前にシステムがスリープする。ステップ314において、負荷が電力管理ポリシーの目標に合致すると、ステップ318において、ステップ310に戻る前にシステムがスリープする。
【0030】
図4Aおよび図4Bは、夫々、発明のある実施形態に従う例示の構成およびタイムラインを示す。例示のシステムは、発明の範囲を限定することを意図しない。また、例示の図の目的のために、いくつかの不必要な要素は省略されている。
【0031】
図4Aに示されるように、例示の構成は、NICの組(414)に動作可能に接続されたホスト(400)を含む。NINの組(414)は、NIC A(402A)およびNIC B(402B)を含む。各NINC(414A,414B)は、ネットワークインターフェース(404A,404B)および3つのリング(406A,406B,406C,406D,406E,406F)を含む。各々のリングは、ホスト(400)上にあるMAC層(408)を介してネットワークトラフィックを送受信する。MAC層(408)は、ネットワークスタック(410)を介してネットワークトラフィックを送受信する。ネットワークスタック(410)は、次に、パケットソース/デスティネーション(412)に関連付けられた、入って来るトラフィックおよび出ていくトラフィックを処理する。
【0032】
図4Aおよび図4Bに示された例の目的のため、システムによって実施される電力管理ポリシーは、可能であれば、負荷がX+1を超えたときに1つのリングがアクティブ化されることを定めると仮定する。また、電力管理ポリシーは、(i)負荷がX−1を下回り、かつ(ii)1つ以上のリングが現在アクティブであると、1つのリングが非アクティブ化されることを定めると仮定する。電力管理ポリシーは、現在アクティブリングを有さないNIC上でリングがアクティブ化される前に、現在アクティブリングを有するNIC上でリングがアクティブ化されるべきであることも定めると仮定する。管理ポリシーは、全てのアクティブリング間で総負荷が均等に分配(あるいは均等に再分配)されることも定めると仮定する。最後に、電力管理ポリシーは、非アクティブリングを有さないNIC上でリングが非アクティブ化される前に、少なくとも1つの別の非アクティブリングを有するNIC上でリングが非アクティブ化されるべきであることを定める。
【0033】
図4Aおよび図4Bに示される例の目的のため、ある時間t0において、リングA(406A)、リングB(406B)、リングC(406C)およびリングD(406D)がアクティブであると仮定する。図4Bに示される例示のタイムラインに示されるように、ある時間t1において、リング上の負荷がXにて測定される。負荷はX+1を超えず、X−1を下回っていないため、何もなされない。ある時間t2において、負荷はX+1にて測定される。負荷はX+1を超えず、X−1を下回っていないため、何もなされない。ある時間t3において、負荷はX+2にて測定される。今、負荷がX+1を超えたため、1つのリングがアクティブ化される。リングE(406E)がアクティブ化される。ある時間t4において、負荷はX−3にて測定される。負荷がX−1を下回ったため、リングが非アクティブ化される。NIC B(402B)は少なくとも1つの非アクティブリング(406E,406F)を含むため、リングE(406E)が非アクティブ化される。ある時間t5において、負荷がX−1にて測定される。負荷はX+1を超えず、X−1を下回っていないため、何もなされない。ある時間t6において、負荷はX−2にて測定される。負荷はX−1を下回っているため、リングが非アクティブ化される。NIC B(402B)は少なくとも1つの非アクティブリング(406E,406F)を含むため、リングD(406D)が非アクティブ化される。ある時間t7において、負荷がX−4にて測定される。負荷がX−1を下回っているため、リングが非アクティブ化される。NIC B(402B)はアクティブリングを有さないため、リングC(406C)が非アクティブ化される。最後に、ある時間t8において、負荷がX+2にて測定される。今、負荷がX+1を超えたため、1つのリングがアクティブ化される。NIC A(402A)が少なくとも1つのアクティブリング(406A,406B)を含み、かつNIC B(402B)がアクティブリングを1つも含まないため、リングC(406C)がアクティブ化される。
【0034】
発明の実施形態は、用いられるプラットホームに関わらず、実質的に任意の種類のコンピュータ上で実施され得る。例えば、図5に示されるように、ネットワークコンピュータシステム(500)は、プロセッサ(502)、関連付けられたメモリ(504)、記憶装置(506)、および今日のコンピュータの典型的ないくつもの別の要素および機能(図示せず)を含む。ネットワークコンピュータ(500)は、キーボード(508)およびマウス(510)等の入力手段、ならびにモニタ(512)等の出力手段を含む。ネットワークコンピュータシステム(500)は、ネットワークインターフェース接続(図示せず)を介してローカルエリアネットワーク(LAN)あるいはワイドエリアネットワークに接続されている。これらの入力および出力手段は別の形態であってもよいことを当業者は理解するであろう。また、前述のコンピュータ(500)の1つ以上の要素は離れた場所にあってもよく、ネットワーク上で別の要素に接続されていてもよいことを当業者は理解するであろう。また、発明の実施形態を実行するためのソフトウェア命令は、コンパクトディスク(CD)、ディスケット、テープ等のコンピュータ読取可能媒体、あるいは任意の別のコンピュータ読取可能媒体に記憶されてもよく、任意の適切な搬送媒体によって搬送されてもよい。
【0035】
限られた数の実施形態に関して発明が説明されたが、本開示の利益を享受する当業者は、ここで説明された発明の範囲から外れない別の実施形態が考案され得ることを理解するであろう。したがって、発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つはアクティブである複数のリングを含む第1の物理ネットワークインターフェースカード(NIC)と、
前記第1のNICに動作可能に接続され、メディアアクセスコントロール(MAC)層を含むホストとを含み、前記MAC層は、
電力管理ポリシーを取得し、
前記アクティブなリングに関する負荷を取得し、
前記電力管理ポリシーおよび前記負荷を用いて、前記複数のリングのうちの少なくとも1つに関する状態が変更されなければならないことを判断し、
前記判断に応答して、前記複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するように構成される、システム。
【請求項2】
複数のリングを含む第2のNICをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アクティブなリングに関する負荷を取得することは、前記アクティブなリングによりパケットが提供される速度を判断することを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のリングの各々は、アクティブなリングおよび非アクティブなリングから構成される組から選択されたものである、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更することは、非アクティブなリングを得るためにアクティブなリングを非アクティブにすることと、アクティブなリングを得るために非アクティブなリングをアクティブにすることとから構成される組から選択されたものを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のNICは、NICの組における複数のNICのうちの1つである、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記電力管理ポリシーは、前記第1のNICについての電力消費の最大量を特定する、請求項1〜6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記電力管理ポリシーは、前記第1のNICによるドロップされたパケットの最大速度を特定する、請求項1〜7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
データリンクの管理方法であって、
ホスト上で実行するメディアアクセスコントロール(MAC)層により、電力管理ポリシーを取得するステップと、
前記MAC層により、複数のリングを含み、前記ホストに動作可能に接続される物理ネットワークインターフェースカード(NIC)上にあるアクティブなリングに関する負荷を取得するステップと、
前記電力管理ポリシーおよび前記負荷を用いて、前記複数のリングのうちの少なくとも1つに関する状態が変更されなければならないことを判断するステップと、
前記判断に応答して、前記複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するステップとを含む、方法。
【請求項10】
前記複数のリングの各々は、アクティブなリングおよび非アクティブなリングから構成される組から選択されたものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のリングのうちの少なくとも1つの状態を変更するステップは、非アクティブなリングを得るためにアクティブなリングを非アクティブにするステップと、アクティブなリングを得るために非アクティブなリングをアクティブにするステップとから構成される組から選択されたものを含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記NICは、NICの組における複数のNICのうちの1つである、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記電力管理ポリシーは、前記NICについての電力消費の最大量を特定する、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記電力管理ポリシーは、前記NICによるドロップされたパケットの最大速度を特定する、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
実行されると、請求項9〜14のいずれかの方法を実行するソフトウェア命令を含むコンピュータプログラム製品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−518516(P2013−518516A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551181(P2012−551181)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2011/020243
【国際公開番号】WO2011/094037
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(597004720)オラクル・アメリカ・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】