説明

データ伝送システムおよびデータ伝送装置

【課題】低雑音で高速伝送を可能とし、またシステム全体の省電力化を実現することが可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を提供する。
【解決手段】データ伝送システムにおいて、送信機1は、送信データの流量に基づいて、仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入する挿入頻度を決定するマーカー周期変更部と、この決定された挿入頻度に基づいて、マーカーを仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入するマーカー挿入部とを備え、受信機2は、仮想レーン上を伝送するデータ列から、マーカーを抽出するマーカー解析部と、この抽出されたマーカーの挿入頻度に基づいて、仮想レーン上を伝送するデータ列に含まれる送信データを検出するマーカー周期変更対応部とを備える。そして、送信機1と受信機2は、使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを用いて通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送路を介してデータを伝送するデータ伝送システムおよびデータ伝送装置に関し、特に、複数の伝送路のレーンを持ち、またレーン数や光多値数を変更可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及を背景に、通信速度の高速化が求められている。通信速度の高速化を実現するために、データ伝送方式として、例えばマルチレーン伝送方式が使用されている。このマルチレーン伝送方式において、分配されたデータを複数の伝送路に伝送する場合、伝送路のレーン毎にデータの遅延が発生する。そこで、データフレームにマーカーを挿入し、各レーンのマーカーを揃えることで、レーン毎に発生する遅延を調整している。このマーカーによる遅延調整機能を用いることによって、マルチレーン伝送方式による伝送速度の高速化を実現している。
【0003】
しかし、このマーカーはデータフレームに挿入する周期が一定であるため、特定の周波数にノイズスペクトラムが発生し、配線間のクロストークなどが問題となる。また、マーカーの挿入周期を短くすると、全体の送信データフレームに対する有効データフレームの割合が少なくなり、伝送効率が劣化し、逆にマーカー挿入周期を長くすると、遅延を補正する時間が長くなるため、単純にマーカーの挿入周期を変更することはできない。
【0004】
また、通信速度の高速化が図られる一方、消費電力の増大が問題となっている。高速伝送路を形成する回線集約型の通信では、パケットからフロー単位でデータフレームを生成し、さらに伝送路符号を用いて物理媒体上に送受信することでデータ伝送を行っている。ここで言うフローとは、例えば、送信フレームの送信元アドレス、宛先アドレス、適用アプリケーションなどの組み合わせによって区分される一連のデータフレームを示しており、データ伝送(フレーム伝送)に際して、フロー間には特別な関連性は要求されない。
【0005】
こうした中、特許文献1には、簡単な構成でクロストークおよびEMIノイズを少なくすることのできるデータ伝送方法およびデータ伝送装置が記載されている。具体的には、送信側において同期信号をデータ通信系毎にそれぞれ生成して送信するとともに、データ通信系のデータを時分割多重の共有データとして送信し、受信側において共有データからデータ通信系毎の同期信号に同期してデータ通信系毎のデータを受信することにより、データを送受信する信号線の本数を減らすことができるので、クロストークおよびEMIを少なくすることができる。
【0006】
また、特許文献2には、画像データをデータ圧縮して音声データ等に伝送するテレビ会議装置などに関して、マーカーコードを単位にしてデータを再送する際に、効率よく所望のデータを伝送することを可能にするデータ伝送装置が記載されている。具体的には、伝送装置の送信側では、データに所定周期でマーカーコードを挿入して伝送対象に伝送し、伝送対象側でデータが受信できなかった場合に送信側に発行される再送要求の頻度によって、回線の状況を判断し、挿入するマーカーコードの周期を変更することによって、伝送効率の向上を図る。例えば、回線品質が良い場合には、マーカーコードの挿入周期を低減して効率よくデータ伝送を行い、回線品質が悪い場合には、マーカーコードの挿入周期を増加して、再送に要する時間を低減する。
【0007】
また、特許文献3には、信号線の高電位の信号線の本数と低電位の信号線の本数が等しいかその差が小さいコードの組み合わせを選択して符号化し、また信号線の平均電圧が常に一定となるように、送信される信号の振幅レベルを制御することで、ノイズの影響を抑制しつつ、かつ高速にデジタルデータを伝送する伝送方式およびデータ伝送回路について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−324078号公報
【特許文献2】特開平6−339139号公報
【特許文献3】特開2005−210695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの特許文献1〜3の技術では、周波数領域であるノイズスペクトラムへの対応は不可能であり、伝送速度の高速化およびシステム全体の低電力化については言及していない。
【0010】
例えば特許文献1の技術では、同期信号および同期信号に同期して出力されるデータを送信する複数の送信回路が必要であり、信号線の本数を減少することはできるが、同期信号のクロックは一定であり、ノイズスペクトラムは固定の周波数帯に集中する。また、調停回路やマルチプレクサ回路などが追加で必要であり、システム全体の消費電力は増大する。
【0011】
また、特許文献2の技術では、通常は固定であるマーカーコードの挿入頻度を変えることで伝送効率を向上させているが、受信側での受信エラーが起こったときに送信側に要求する再送要求を送信側が受信するまで、回線状況を判断することはできず、送信側における動的な変更を行うことはできない。また、省電力化に関する記載はない。
【0012】
また、特許文献3の技術では、電圧レベルでの調整はできるが、同期クロックは一定の周期であるため、周波数領域であるノイズスペクトラムには対応ができない。また、省電力化に関する記載はない。
【0013】
そこで、本発明の目的の一つは、複数の伝送路を持ち、伝送路のレーン数や光多値数の動的な変更が可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置に関し、特に低雑音で高速伝送を可能とし、またシステム全体の省電力化を実現することが可能なデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を提供することにある。
【0014】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0016】
本実施の形態によるデータ伝送システムは、送信機と、送信機との間にN本の伝送レーンを持つ受信機とを備える。送信機は、送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、送信バッファ部に書き込まれた送信データをX本の第1仮想レーンに分配した後、N本の伝送レーンに多重化することで送信データを送信する。受信機は、受信バッファ部とX本の第2仮想レーンとを含み、N本の伝送レーンを介して伝送された送信データをX本の第2仮想レーンに分離した後、受信バッファ部に書き込む。
【0017】
ここで、送信機は、さらに、送信データの流量に基づいて、X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーをX本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入する挿入頻度を決定するマーカー周期変更部と、マーカー周期変更部で決定された挿入頻度に基づいて、使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーをX本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入するマーカー挿入部とを備える。
【0018】
また、受信機は、さらに、X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列から、X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを抽出するマーカー解析部と、マーカー解析部で抽出された使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーの挿入頻度に基づいて、X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列に含まれる送信データを検出するマーカー周期変更対応部とを備える。
【0019】
そして、送信機と受信機は、使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを用いて通信を行うことが特徴となっている。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、送信データの流量に基づいて、データ列に挿入するマーカーの挿入周期を変更することで、伝送効率を劣化することなく、通信が可能となる。また、これに伴い、マーカーの周期を変えることで、ノイズスペクトラムが分散し、低雑音なデータ伝送システムが実現可能になる。さらに、これに伴い、不要な回路動作を停止させることができるので、省電力なデータ伝送システムが実現可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、その構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、図1とは異なる構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】図3におけるマーカー周期変更部の動作例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態3によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機の詳細な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
(実施の形態1)
<データ伝送システムの構成と動作>
図1は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、その構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すデータ伝送システムは、送信機1(データ伝送装置)と受信機2(データ伝送装置)を備える。送信機1には、受信機2へ送信される送信データフレーム(以下、送信データと記載する)が入力される。送信機1は、入力された送信データをn本の伝送レーン(物理レーンとも呼ぶ)の一部または全部に分割して出力する。また、送信機1には、受信機2が出力するデータ流量情報や、場合によってはレーン情報が専用回線を介して入力される。
【0025】
受信機2には、n本の物理レーンによって構成される伝送路を介して送信機1が接続され、伝送路を介して送信機1から出力されたデータが入力される。受信機2は、入力されたデータを受信データフレーム(以下、受信データと記載する)として出力する。また、受信機2は、送信機1に向けてデータ流量情報や、場合によってはレーン情報を専用回線を介して通知する。すなわち、本実施の形態のデータ伝送システムでは、データ流量情報は、送信機1と受信機2の間で伝送路および専用回線を介してネゴシエーションされる。一方、レーン情報は、送信機1から受信機2に向けて伝送路を介して一方的に通知されるか、あるいは、これに加えて、受信機2から送信機1に向けて専用回線を介した通知も行われる。なお、nは2以上の整数である。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、図1とは異なる構成の一例を示すブロック図である。図2に示すデータ伝送システムは、送信機1と受信機2を備える送受信機3(3−1,3−2)(データ伝送装置)を備える。図2に示すように、送受信機3−1と送受信機3−2との間には、方向が異なる2つの伝送経路がある。
【0027】
図2のデータ伝送システムは、対向する逆方向の伝送経路を利用して、受信機2が出力するデータ流量情報通知を送信機1に出力することが、図1の構成例とは異なる。また、図2のデータ伝送システムは、場合によっては、対向する逆方向の伝送経路を利用して、受信機2が出力する使用レーン情報通知を送信機1に出力することが、図1の構成例とは異なる。すなわち、図2の構成例では、例えば、送受信機3−2内の受信機2がデータ流量情報をネゴシエーションする場合、その情報が、送受信機3−2内の受信機2→送受信機3−2内の送信機1→送受信機3−1内の受信機2→送受信機3−1内の送信機1という経路で伝送される。それ以外の構成は図1と同様であるため説明を省略する。
【0028】
本実施の形態のデータ伝送システムは、詳細は後述するが、送信データ流量に応じて使用するマーカーの挿入周期(挿入頻度)を変更可能なものとなっている。これに伴い送信機1と受信機2で、使用するマーカーの挿入周期を共通認識する必要があるが、この共通認識を行うための情報通知を一方向とするか双方向とするかは、本実施の形態のデータ伝送システムにおいては特に問わない。
【0029】
また、さらに、本実施の形態のデータ伝送システムは、詳細は後述するが、使用する伝送レーンの本数を可変制御可能なものとなっている。これに伴い送信機1と受信機2で、使用する伝送レーンの位置を共通認識する必要があるが、この共通認識を行うためのレーン情報の通知を一方向とするか双方向とするかは、本実施の形態のデータ伝送システムにおいては特に問わない。
【0030】
一方向の場合の例として、例えば次のような方式が挙げられる。まず、送信機1がn本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、この決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。次いで、受信機2は、この決定した情報を認識し、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更する。そして、送信機1および受信機2において内部回路の設定変更に要する時間を適切に確保した後、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0031】
一方、双方向の場合の例として、例えば次のような方式が挙げられる。第1の例として、まず、送信機1がn本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、その決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。受信機2は、この決定した情報を了承する場合、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更した後、送信機1に向けて変更が完了した旨を通知する。送信機1は、この通知を受けて、自身の内部回路の設定を適宜変更した後、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0032】
また、双方向の場合の第2の例として、受信機2がn本の伝送レーンのそれぞれに生じた障害を検出する機能を備えることを前提とし、まず、受信機2が送信機1に向けて、障害が発生した伝送レーンを通知する。送信機1は、この障害が発生した伝送レーンを回避しつつ、n本の伝送レーンのいずれを使用するかを決定し、その決定した情報を伝送レーンを介して受信機2に通知する。受信機2は、この決定した情報を認識し、当該情報に応じて自身の内部回路の設定を適宜変更する。そして、送信機1および受信機2において内部回路の設定変更に要する時間を適切に確保した後、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。または、第1の例のように、受信機2が、自身の内部回路の設定を適宜変更した後、送信機1に向けて変更が完了した旨を通知することで、この決定した情報に基づく通信が有効とされる。
【0033】
このような方式の違いに応じて、後述する送信機1や受信機2における各種機能ブロックが実際に動作を行う際の順序関係等は適宜異なることになるが、以降の説明では、前述した一方向の場合を例として説明を行う。ただし、順序関係等を適宜調整することで、双方向の場合に適用することも可能である。
【0034】
<送信機の構成と動作>
図3は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機1の詳細な構成例を示すブロック図である。当該送信機1は、前述した図1または図2の送信機1に該当する。
【0035】
図3に示す送信機1は、送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル(P/S)変換部60(60−1〜60−n)、電気−光変換部70(70−1〜70−n)、およびマーカー周期変更部80を備える。なお、xは、望ましくはnよりも大きい2以上の整数であり、例えばx=20、n=10等である。但し、場合によっては、xはnと同一でも構わない。
【0036】
まず、送信機1のデータフローを説明する。送信データは、送信バッファ部10と流量計測部20とに入力される。また、場合によっては、受信機2(マーカー周期変更対応部120)からのデータ列がマーカー周期変更部80に入力される。送信バッファ部10は、符号化部30(30−1〜30−x)とマーカー周期変更部80へデータ列を出力する。流量計測部20は、マーカー周期変更部80へデータ列を出力する。マーカー周期変更部80は、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)へデータ列を出力する。符号化部30(30−1〜30−x)は、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)へデータ列を出力する。マーカー挿入部40(40−1〜40−x)は、マルチプレクサ部50へデータ列を出力する。マルチプレクサ部50は、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)へデータ列を出力する。パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、電気−光変換部70(70−1〜70−n)へデータ列を出力する。電気−光変換部70(70−1〜70−n)は、伝送路へデータ列を出力する。
【0037】
次に、送信機1における各部の詳細な動作例を説明する。送信データは、送信バッファ部10と流量計測部20とに入力される。ここで、送信バッファ部10は、送信バッファ部10に蓄積されたデータのバッファ量の時間的変化を観測することで送信データの流量を計測し、マーカー周期変更部80に対し送信データ流量情報を送信する。流量計測部20は、送信データの流量の移動平均値を観測し、マーカー周期変更部80に対し送信データ流量情報を送信する。例えば、送信データの8ビットデータを含むブロック数をマーカー周期で計測する。また例えば、過去のmマーカー周期分の計測値の合計を平均送信流量とし、切替判定周期ごとに移動平均をとることで、マーカー周期(マーカーの挿入頻度)の決定を行う。
【0038】
マーカー周期の決定は、望ましくは、平均送信流量にマーカー周期を変更するための増加と減少の閾値を定義し、ヒステリシス特性を持たすことで変更が頻発することを防ぐ。また送信バッファ部10は、マーカー周期を変更するための増加と減少の閾値を定義し、ヒステリシス特性を持たすことで変更が頻発することを防ぐ。但し、場合によっては、送信流量の計測は、送信バッファ部10と流量計測部20はいずれか一方を使用して計測しても構わない。
【0039】
符号化部30(30−1〜30−x)は、送信バッファ部10からデータのビット列を伝送符号(例えば、64B/66B符号)に変換して、その伝送データをマーカー挿入部40(40−1〜40−x)へ出力する。なお、伝送符号の種類は、特に限定されず、64B/66B符号以外のものであってもよい。
【0040】
マーカー周期変更部80は、送信データの流量の情報を送信バッファ部10もしくは流量計測部20、場合によっては両方から受信し、受信した送信データの流量の情報に基づき、マーカー周期を決定する。そして、マーカー周期変更部80は、決定したマーカー周期の情報をマーカー挿入部40(40−1〜40−x)へ出力する。なお、マーカー周期変更部80は、場合によっては、受信機2から障害レーン情報を受信し、当該レーンを使用しないように、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)に対して要求する。
【0041】
マーカー挿入部40(40−1〜40−x)は、符号化部30(30−1〜30−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、マーカー周期変更部80より受信したマーカー周期情報の要求に基づいて、使用レーンの情報を含むマーカーをデータのビット列に挿入する。
【0042】
マルチプレクサ部50は、x個のマーカー挿入部40(40−1〜40−x)から入力された送信データを、伝送路における伝送レーンの和(n本)に多重化し、多重化された送信データを伝送路へ出力する。
【0043】
パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、マルチプレクサ部50から入力されたデータのビット列をパラレルからシリアルに変換し、電気−光変換部70(70−1〜70−n)へ出力する。
【0044】
電気−光変換部70(70−1〜70−n)は、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)から入力されたデータのビット列を、電気信号から光信号に変換し、伝送路へ出力する。
【0045】
ここで、送信バッファ部10の出力からマルチプレクサ部50の入力に至るまでのx本の経路は、仮想レーンと呼ばれる。一方、マルチプレクサ部50の出力からのn本の経路は、物理レーンと呼ばれる。x本の仮想レーンのそれぞれとn本の物理レーンのそれぞれの対応関係は、マルチプレクサ部50によって定まっている。
【0046】
このように、本実施の形態による送信機1は、送信データの流量を観測することで、流量に応じたマーカー周期を決定し、マーカー周期変更部80からの要求により、マーカー挿入部40(40−1〜40−n)では、使用レーン情報を含んだマーカーを決定した周期でデータのビット列に挿入し、伝送路へ出力する。この送信データ流量を観測するに際し、送信バッファ部10による短期周期での観測と、流量計測部20による長期周期での観測を併用することで、例えば必要以上にマーカーの周期の変更が発生するのを防止することができる。但し、場合によっては、いずれか一方で計測しても構わない。
【0047】
<受信機の構成と動作>
図4は、本発明の実施の形態1によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機2の詳細な構成例を示すブロック図である。当該受信機2は、前述した図1または図2の受信機2に該当する。
【0048】
図4に示す受信機2は、n本の伝送レーンによって構成される伝送路からデータ列が入力され、受信フレームデータ(以下、受信データ)とデータ列とを出力する。受信機2は、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル(S/P)変換部150(150−1〜150−n)、および光−電気変換部160(160−1〜160−n)を備える。なお、xは、望ましくはnよりも大きい2以上の整数であり、例えばx=20、n=10等である。但し、場合によっては、xはnと同一でも構わない。
【0049】
まず、受信機2のデータフローを説明する。送信機1からのデータのビット列は、伝送路を介して、光−電気変換部160(160−1〜160−n)に入力される。光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へビット列を出力する。シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、デマルチプレクサ部140へビット列を出力する。デマルチプレクサ部140は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)へビット列を出力する。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、マーカー周期変更対応部120へビット列を出力する。マーカー周期変更対応部120は、送信機1(マーカー周期変更部80)と復号化部110(110−1〜110−x)へビット列を出力する。復号化部110(110−1〜110−x)は、受信バッファ部100へビット列を出力する。受信バッファ部100は、最終的に受信データを出力する。
【0050】
次に、受信機2における各部の詳細な動作例を説明する。光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、n本の伝送レーンによって構成される伝送路を介して入力されるデータのビット列を、光信号から電気信号に変換し、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へ、ビット列を出力する。
【0051】
シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、光−電気変換部160(160−1〜160−n)より受信したデータのビット列を、シリアルからパラレルに変換し、デマルチプレクサ部140へ出力する。
【0052】
デマルチプレクサ部140は、n個のシリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)からデータ列が入力され、入力されたデータ列をx本に分離し、分離化されたデータ列をマーカー解析部130(130−1〜130−x)へ出力する。
【0053】
マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを解析し、使用レーン情報、およびマーカーの周期(マーカーの挿入頻度)をマーカー周期変更対応部120へ出力する。すなわち、前述した送信機1のマーカー挿入部40(40−1〜40−x)で埋め込まれた使用レーン情報とマーカー周期情報を抽出し、マーカー周期変更対応部120へ出力する。また、マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを削除し、マーカー周期変更対応部120へデータのビット列を出力する。
【0054】
ここで、デマルチプレクサ部140の入力に至るまでのn本の経路は、物理レーンを呼ばれる。一方、デマルチプレクサ部140の出力から受信バッファ100の入力に至るまでのx本の経路は、仮想レーンと呼ばれる。n本の物理レーンのそれぞれとx本の仮想レーンのそれぞれの対応関係は、デマルチプレクサ部140によって決まっている。
【0055】
マーカー周期変更対応部120は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信したデータのビット列を、復号化部110(110−1〜110−x)へ出力する。また、マーカー周期変更対応部120は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信した使用レーン情報、およびマーカーの周期の要求に対して、データのビット列に含まれるマーカーの挿入周期の変化に対応する。
【0056】
復号化部110(110−1〜110−x)は、送信機1の符号化部30(30−1〜30−x)によって伝送符号化されたデータ列を、元のデータ列に復号化し、受信バッファ部100へ、データのビット列を出力する。受信バッファ部100は、x本の伝送路を介して伝送されるデータ列を結合し、データフレーム間の無効信号の間隔を広げるなどの手段を用いて、伝送路の最大伝送容量のデータ列に変換して受信データを出力する。
【0057】
<マーカー周期の決定に着目した送信機と受信機の動作>
次に、マーカー周期を決定する際に着目して、送信機1と受信機2の動作例を説明する。まず、送信機1の送信バッファ部10は、送信バッファ部10に入力される送信データと、送信バッファ部10から出力される送信データの差分、すなわちバッファ量の時間的変化を観測し、送信元からの送信データの流量の情報、例えばデータ流量が増加した、もしくは減少した、などの情報をマーカー周期変更部80へ出力する。また、流量計測部20は、送信元から送信される送信データに含まれるデータの情報を検出し、一定期間のデータ数の平均値を、マーカー周期変更部80へ出力する。
【0058】
マーカー周期変更部80は、送信バッファ部10と流量計測部20からの送信データの流量の情報に基づき、マーカーの挿入周期(挿入頻度)を決定する。また、マーカー周期変更部80は、決定したマーカー周期の情報を、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)へ送信する。
【0059】
ここで図5は、マーカー周期変更部80の動作例を示す説明として、送信データの流量と、マーカーの挿入周期の関係を示す図である。例えば、送信データ流量が多い場合には、マーカーの挿入周期の間隔を大きくし、送信データ流量が少ない場合には、マーカーの挿入周期の間隔を狭くする。
【0060】
マーカー挿入部40(40−1〜40−x)は、符号化部30(30−1〜30−x)より、符号化されたデータのビット列を受信し、マーカー周期変更部80より受信した挿入周期の要求に対して対応し、使用レーン情報を含んだマーカーをデータのビット列に挿入する。
【0061】
使用レーン情報を含んだマーカーが挿入されたデータのビット列は、受信機2のマーカー解析部130(130−1〜130−x)に入力される。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、周期が変動するマーカーを損失なく検出して、マーカーから使用レーン情報を抽出し、マーカーの周期から送信機1から送られてくる送信データ流量を抽出すると共にマーカー周期変更対応部120へ送信し、その後、当該マーカーを削除する。
【0062】
マーカー周期変更対応部120は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)より受信した使用レーン情報と、送信データ流量の情報の要求に対して、データのビット列に含まれるマーカーの挿入周期の変化に対応する。
【0063】
以上のように、本実施の形態1のデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を用いることで、代表的には、送信データ流量に応じたマーカーの挿入周期を動的に変更することで、伝送効率を劣化することなく、ノイズスペクトラムを拡散することができるので、低雑音化が可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
本実施の形態2のデータ伝送システムは、前記実施の形態1のデータ伝送システムと比較して、送信機において、送信回路制御部による内部回路の起動および停止の制御を行うことができる機能と、受信機において、受信回路制御部による内部回路の起動および停止の制御を行うことができる機能とが追加されている点が異なる。以下、前記実施の形態1との差異を中心に本実施の形態2のデータ伝送システムについて説明する。
【0065】
<送信機の構成と動作>
図6は、本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機1の詳細な構成例を示すブロック図である。当該送信機(データ伝送装置)1は、前述した図1または図2の送信機1に該当する。
【0066】
図6に示す送信機1は、送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル(P/S)変換部60(60−1〜60−n)、電気−光変換部70(70−1〜70−n)、マーカー周期変更部80、および送信回路制御部90を備える。なお、xとnは2以上の整数であり、nと同一でも構わない。このように、当該送信機1は、送信回路制御部90を備える点が図3の送信機1と異なる。
【0067】
まず、図6の送信機1のデータフローを説明する。なお、図6の送信機1が備える送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、およびマーカー挿入部40(40−1〜40−x)のデータフローは、図3の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0068】
マーカー周期変更部80は、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)と送信回路制御部90へデータ列を出力する。送信回路制御部90は、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)、および電気−光変換部70(70−1〜70−n)へビット列を出力する。
【0069】
次に、図6の送信機1の詳細な動作例を説明する。なお、図6の送信機1が備える送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)、および電気−光変換部70(70−1〜70−n)の動作例は、図3の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0070】
マーカー周期変更部80は、送信データの流量の情報を送信バッファ部10もしくは流量計測部20から、場合によっては両方から受信し、受信した送信データの流量の情報に基づき、マーカー周期と、必要最低限の使用レーンとを決定する。そして、マーカー周期変更部80は、決定したマーカー周期の情報をマーカー挿入部40(40−1〜40−x)と送信回路制御部90へ出力する。また、マーカー周期変更部80は、決定した必要最低限の使用レーンの数の情報を、送信回路制御部90へ出力する。また、マーカー周期変更部80は、場合によっては、受信機2(マーカー周期変更対応部120)から障害レーン情報を受信し、当該レーンを使用しないように、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)に対して要求する。
【0071】
送信回路制御部90は、送信データ流量の情報をマーカー周期変更部80から受信し、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)、および電気−光変換部70(70−1〜70−n)へ出力する。
【0072】
さらに、送信回路制御部90は、決定した必要最低限の使用レーン数情報に応じて、送信データの送信元に対し、ポーズ信号を送信する。送信データの送信元は、受信したポーズ信号に基づいて、送信データの送信を停止する。ただし、一定時間後、送信データの送信を開始する。
【0073】
マルチプレクサ部50は、x個のマーカー挿入部40(40−1〜40−x)から入力された送信データを、伝送路における伝送レーンの和(n本)に多重化し、多重化された送信データを伝送路へ出力する。また、マルチプレクサ部50は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、使用するレーンにデータのビット列を出力し、使用しないレーンにはデータのビット列を出力しない。
【0074】
パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、マルチプレクサ部50から入力されたデータのビット列をパラレルからシリアルに変換し、電気−光変換部70(70−1〜70−n)へ出力する。また、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に応じて、使用しない伝送レーンに対応する回路(回路動作)を停止(非活性化)し、使用する伝送レーンに対応する回路(回路動作)を起動(活性化)する。例えば、n番目の伝送レーンを使用しない場合には、パラレル/シリアル変換部60−nの回路動作を停止する。具体的には、例えば、パラレル/シリアル変換部60−nにおける一部または全部の回路に対する電源やバイアスの供給を停止し、あるいは、入力信号を不変とし、スタンバイ状態にする等が挙げられる。
【0075】
電気−光変換部70(70−1〜70−n)は、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)から入力されたデータのビット列を、電気信号から光信号に変換し、伝送路へ出力する。また、電気−光変換部70(70−1〜70−n)は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、使用しない伝送レーンに対応する回路を停止し、使用する伝送レーンに対応する回路を起動する。例えば、n番目の伝送レーンを使用しない場合には、電気−光変換部70−nの回路を停止する。具体的には、例えば、電気−光変換部70−nにおける一部または全部の回路に対する電源やバイアスの供給を停止し、あるいは、入力信号を不変とし、スタンバイ状態にする等が挙げられる。
【0076】
このように、本実施の形態2による送信機1は、送信データの流量を観測することで、流量に応じたマーカーの挿入周期を決定し、マーカー周期変更部80からの要求により、マーカー挿入部40(40−1〜40−n)では、使用レーン情報を含んだマーカーを決定した周期でデータのビット列に挿入し、伝送路へ出力する。この送信データ流量を観測するに際し、送信バッファ部10による短期周期での観測と、流量計測部20による長期周期での観測を併用することで、例えば必要以上にマーカーの周期の変更が発生するのを防止することができる。但し、場合によっては、いずれか一方で計測しても構わない。
【0077】
また、本実施の形態2による送信機1は、送信データの流量を観測することで、流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定し、送信回路制御部90からの要求により、各パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)、または各電気−光変換部70(70−1〜70−n)、または各パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)と各電気−光変換部70(70−1〜70−n)のそれぞれに対して起動と停止を制御する。これによって、使用しない伝送レーンで消費される電力を低減することが可能となる。
【0078】
<受信機の構成と動作>
図7は、本発明の実施の形態2によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機2の詳細な構成例を示すブロック図である。当該受信機(データ伝送装置)2は、前述した図1または図2の受信機2に該当する。
【0079】
図7に示す受信機2は、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル(S/P)変換部150(150−1〜150−n)、光−電気変換部160(160−1〜160−n)、受信回路制御部170を備える。なお、xは、望ましくはnよりも大きい2以上の整数であり、例えばx=20、n=10等である。但し、場合によっては、xはnと同一でも構わない。このように、当該受信機2は、受信回路制御部170を備える点が図4の受信機2と異なる点である。
【0080】
まず、図7の受信機2のデータフローを説明する。なお、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)、および光−電気変換部160(160−1〜160−n)のデータフローは、図4の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0081】
マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、マーカー周期変更対応部120と受信回路制御部170へビット列を出力する。受信回路制御部170は、デマルチプレクサ部140と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、光−電気変換部160(160−1〜160−x)へビット列を出力する。
【0082】
次に、図7の受信機2の詳細な動作例を説明する。なお、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、およびマーカー解析部130(130−1〜130−x)の動作は、図4の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0083】
光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、n本の伝送レーンによって構成される伝送路を介して入力されるデータのビット列を、光信号から電気信号に変換し、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へ、ビット列を出力する。また、光−電気変換部160(160−1〜160−n)は、受信回路制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、回路の起動/停止を行う。
【0084】
シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、光−電気変換部160(160−1〜160−n)より受信したデータのビット列を、シリアルからパラレルに変換し、デマルチプレクサ部140へ出力する。また、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)は、受信回路制御部170から受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、回路の起動/停止を行う。
【0085】
デマルチプレクサ部140は、n個のシリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)からデータ列が入力され、入力されたデータ列をx本に分離し、分離化されたデータ列をマーカー解析部130(130−1〜130−x)へ出力する。また、デマルチプレクサ部140は、受信回路制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、使用するレーンからのデータのビット列だけをx本に分離する。
【0086】
マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを解析し、使用レーン情報、およびマーカーの周期をマーカー周期変更対応部120と受信回路制御部170へ出力する。すなわち、前述した送信機1のマーカー挿入部40(40−1〜40−x)で埋め込まれた使用レーン情報とマーカー周期情報を抽出し、マーカー周期変更対応部120へ出力する。また、マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、デマルチプレクサ部140より受信したデータのビット列に含まれるマーカーを削除し、マーカー周期変更対応部120へデータのビット列を出力する。
【0087】
ここで、デマルチプレクサ部140の入力に到るまでのn本の経路は、物理レーンと呼ばれる。一方、デマルチプレクサ部140の出力から受信バッファ部100の入力に到るまでのx本の経路は、仮想レーンと呼ばれる。n本の物理レーンのそれぞれとx本の仮想レーンのそれぞれの対応関係は、デマルチプレクサ部140によって定まっている。したがって、必要最低限の使用レーン数情報に基づいてx本の仮想レーンの中から使用する仮想レーンの位置が定まれば、n本の物理レーンの中から使用する物理レーンの位置も定まり、その逆の関係も成り立つ。
【0088】
使用レーン情報を含んだマーカーが挿入されたデータのビット列は、受信機2のマーカー解析部130(130−1〜130−x)に入力される。マーカー解析部130(130−1〜130−x)は、マーカーから使用レーン情報を抽出し、マーカーの周期から送信機1から送られてくる送信データ流量を抽出すると共にマーカー周期変更対応部120と受信回路制御部170へ送信し、その後、当該マーカーを削除する。マーカー周期変更対応部120は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)より受信した使用レーン情報と、送信データ流量の情報の要求に対して、データのビット列に含まれるマーカーの挿入周期の変化に対応する。
【0089】
以上のように、本実施の形態2のデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を用いることで、前記実施の形態1の場合と同様に、送信データ流量に応じたマーカーの挿入周期を動的に変更することで、伝送効率を劣化することなく、ノイズスペクトラムを拡散することができるので、低雑音化が可能となる。それに加えて、本実施の形態2では、送信データ流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定でき、かつ送信データ流量に応じて内部回路の起動および停止の制御を行うことができるので、省電力化が可能となる。
【0090】
(実施の形態3)
本実施の形態3のデータ伝送システムは、前記実施の形態2のデータ伝送システムと比較して、送信データを電気信号から光信号に変換、および光信号から電気信号に変換する機能の構成が異なり、それに伴い、送信回路制御部および受信回路制御部から出力する数も異なっている。以下、前記実施の形態2との差異を中心に本実施の形態3のデータ伝送システムについて説明する。
【0091】
<送信機の構成と動作>
図8は、本発明の実施の形態3によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる送信機1の詳細な構成例を示すブロック図である。当該送信機(データ伝送装置)1は、前述した図1または図2の送信機1に該当する。
【0092】
図8に示す送信機1は、送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、パラレル/シリアル(P/S)変換部60(60−1〜60−n)、マーカー周期変更部80、送信回路制御部90、送信信号処理部180、デジタル/アナログ(D/A)変換部190(190−1〜190−y)、発光部200、および変調部210を備える。なお、xとyは2以上の整数であり、nと同一でも構わない。このように、当該送信機1は、送信信号処理部180、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)、発光部200、および変調部210を備える点が図6の送信機1と異なる。
【0093】
まず、図8の送信機1のデータフローを説明する。なお、図8の送信機1が備える送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、およびマーカー周期変更部80は、図6の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0094】
パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、送信信号処理部180へビット列を出力する。送信回路制御部90は、マルチプレクサ部50と、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)と、送信信号処理部180と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)と、変調部210へデータ列を出力する。
【0095】
送信信号処理部180は、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)へデータ列を出力する。デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、変調部210へアナログ信号を出力する。発光部200は、変調部210へ光信号を出力する。変調部210は、受信機2へ送信データを出力する。
【0096】
次に、図8の送信機1の詳細な動作例を説明する。なお、図8の送信機1が備える送信バッファ部10、流量計測部20、符号化部30(30−1〜30−x)、マーカー挿入部40(40−1〜40−x)、マルチプレクサ部50、およびマーカー周期変更部80は、図6の送信機1と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0097】
送信回路制御部90は、決定した必要最低限の使用レーンの数の情報に基づき、必要最低限の使用レーン数情報をマルチプレクサ部50と、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)と、送信信号処理部180と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)と、変調部210へ出力する。
【0098】
また、送信回路制御部90は、受信した必要最低限の使用レーン数情報に応じて、送信データの送信元に対し、ポーズ信号を送信する。送信データの送信元は、受信したポーズ信号に基づいて、送信データの送信を停止する。ただし、一定時間後、送信データの送信を開始する。
【0099】
パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、マルチプレクサ部50から入力されたデータのビット列をパラレルからシリアルに変換し、送信信号処理部180へ出力する。また、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0100】
送信信号処理部180は、パラレル/シリアル変換部60(60−1〜60−n)から入力されたデータのビット列を、多値の信号に信号処理し、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)へ出力する。また、送信信号処理部180は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0101】
デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、送信信号処理部180から入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、変調部210へ出力する。また、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)は、送信回路制御部90より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0102】
発光部200は、光信号を生成し、変調部210へ出力する。発光部200は、代表的にはレーザーダイオードなどであるが、それ以外のものであってもよい。変調部210は、発光部200から入力された光信号と、デジタル/アナログ変換部190(190−1〜190−y)から入力されたアナログ信号を変調し、光信号として送信データを伝送路へ送信する。
【0103】
<受信機の構成と動作>
図9は、本発明の実施の形態3によるデータ伝送システムにおいて、それに含まれる受信機2の詳細な構成例を示すブロック図である。当該受信機(データ伝送装置)2は、前述した図1および図2の受信機2に該当する。
【0104】
図9に示す受信機2は、受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、シリアル/パラレル(S/P)変換部150(150−1〜150−n)、受信回路制御部170、受信信号処理部220、アナログ/デジタル(A/D)変換部230(230−1〜230−z)、受光部240(240−1〜240−z)、および検波部250を備える。なお、xとzは2以上の整数であり、nと同一でも構わない。このように、当該受信機2は、受信信号処理部220、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)、受光部240(240−1〜240−z)、および検波部250を備える点が、図7の受信機2と異なる点である。
【0105】
まず、図9の受信機2のデータフローを説明する。なお、図9の受信機2が備える受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、およびシリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)のデータフローは、図7の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0106】
送信機1からの送信データの光信号は、伝送路を介して、検波部250に入力される。受信回路制御部170は、検波部250と、受光部240(240−1〜240−z)と、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)と、受信信号処理部220と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、デマルチプレクサ部140へビット列を出力する。
【0107】
検波部250は、受光部240(240−1〜240−z)へ光信号を出力する。受光部240(240−1〜240−z)は、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)へアナログ信号を出力する。アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)は、受信信号処理部220へデジタル信号を出力する。受信信号処理部220は、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)へデジタル信号のデータ列を出力する。
【0108】
次に、図9の受信機2の詳細な動作例を説明する。なお、図9の受信機2が備える受信バッファ部100、復号化部110(110−1〜110−x)、マーカー周期変更対応部120、マーカー解析部130(130−1〜130−x)、デマルチプレクサ部140、およびシリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)の動作は、図7の受信機2と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0109】
受信回路制御部170は、マーカー解析部130(130−1〜130−x)から受信した必要最低限の使用レーン数情報を、デマルチプレクサ部140と、シリアル/パラレル変換部150(150−1〜150−n)と、受信信号処理部220と、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)と、受光部240(240−1〜240−z)と、検波部250へ出力する。
【0110】
検波部250は、伝送路を介して、送信機1からの送信データの光信号を受信し、変調された多値の光信号を検波し、受光部240(240−1〜240−z)へ送信データの光信号を送信する。また、検波部250は、受信回路制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。
【0111】
受光部240(240−1〜240−z)は、検波部250から受信した変調された多値の光信号を受信し、電流に変換し、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)へ変調された多値の送信データをアナログ信号として送信する。また、受光部240(240−1〜240−z)は、受信回路制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。受光部240は、代表的にはフォトダイオードを用いるが、それ以外のものを用いてもよい。
【0112】
アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)は、受光部240(240−1〜240−z)から変調された多値の送信データをアナログ信号として受信し、デジタル信号に変換し、受信信号処理部220へ送信する。また、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)は、受信回路制御部170より受信した必要最低限の使用レーン数情報の要求に対して、内部回路の起動および停止を行う。受信信号処理部220は、アナログ/デジタル変換部230(230−1〜230−z)から変調された多値の送信データのデジタルデータを受信し、多値の送信データをn本のレーン数に対するデータのビット列に変換する。
【0113】
以上のように、本実施の形態3のデータ伝送システムおよびデータ伝送装置を用いることで、前記実施の形態1の場合と同様に、送信データ流量に応じたマーカーの挿入周期を動的に変更することで、伝送効率を劣化することなく、ノイズスペクトラムを拡散することができるので、低雑音化が可能となる。さらに、前記実施の形態2の場合と同様に、送信データ流量に応じた必要最低限の使用レーン数を決定でき、かつ送信データ流量に応じて内部回路の起動および停止の制御を行うことができるので、省電力化が可能となる。それに加えて、本実施の形態3では、多値の光信号を用いるデータ伝送システムに対しても低雑音化および省電力化が可能となる。
【0114】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本実施の形態によるデータ伝送システムおよびデータ伝送装置は、特に、送信機と受信機の間で複数の低速信号を束ねることで速度増加を行うマルチレーン伝送システムに適用して有益なものであり、これに限らず、送信機と受信機の間で通信条件の共通認識を行うデータ伝送システム全般に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 送信機
2 受信機
3−1〜3−2 送受信機
10 送信バッファ部
20 流量監視部
30−1〜30−n 符号化部
40−1〜40−n マーカー挿入部
50 マルチプレクサ部
60−1〜60−n パラレル/シリアル変換部
70−1〜70−n 電気−光変換部
80 マーカー周期変更部
90 送信回路制御部
100 受信バッファ部
110−1〜110−n 復号化部
120 マーカー周期変更対応部
130−1〜130−n マーカー解析部
140 デマルチプレクサ部
150−1〜150−n シリアル/パラレル変換部
160−1〜160−n 光−電気変換部
170 受信回路制御部
180 送信信号処理部
190−1〜190−y デジタル/アナログ変換部
200 発光部
210 変調部
220 受信信号処理部
230−1〜230−z アナログ/デジタル変換部
240−1〜240−z 受光部
250 検波部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、前記送信機との間にN本の伝送レーンを持つ受信機とを備えたデータ伝送システムであって、
前記送信機は、送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、前記送信バッファ部に書き込まれた送信データを前記X本の第1仮想レーンに分配した後、前記N本の伝送レーンに多重化し、電気信号を光信号に変換した後、前記送信データを送信し、
前記受信機は、受信バッファ部と前記X本の第2仮想レーンとを含み、前記N本の伝送レーンを介して伝送された前記送信データを光信号から電気信号に変換した後、前記X本の第2仮想レーンに分離し、前記受信バッファ部に書き込み、
前記送信機は、さらに、
前記送信データの流量に基づいて、前記X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入する挿入頻度を決定するマーカー周期変更部と、
前記マーカー周期変更部で決定された挿入頻度に基づいて、前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入するマーカー挿入部とを備え、
前記受信機は、さらに、
前記X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列から、前記X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを抽出するマーカー解析部と、
前記マーカー解析部で抽出された前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーの挿入頻度に基づいて、前記X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列に含まれる送信データを検出するマーカー周期変更対応部とを備え、
前記送信機と前記受信機は、前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを用いて通信を行うことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、さらに、前記送信データの流量の時間的推移を監視する流量計測部を備え、
前記マーカー周期変更部は、前記送信データの流量が多いときには前記マーカーの挿入頻度を少なくし、前記送信データの流量が少ないときには前記マーカーの挿入頻度を多くすることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項3】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記受信機は、さらに、シリアルデータをパラレルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のシリアル・パラレル変換部を備え、
前記マーカー解析部は、前記第2仮想レーン上を伝送するデータ列から、挿入頻度が変動するマーカーを損失なく検出することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項4】
請求項1記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、前記挿入頻度が変動するマーカーを複数の並列する伝送路に送信し、
前記受信機は、前記マーカーを複数の並列する伝送路で受信することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項5】
送信機と、前記送信機との間にN本の伝送レーンを持つ受信機とを備えたデータ伝送システムであって、
前記送信機は、送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、前記送信バッファ部に書き込まれた送信データを前記X本の第1仮想レーンに分配した後、前記N本の伝送レーンに多重化し、電気信号を光信号に変換した後、前記送信データを送信し、
前記受信機は、受信バッファ部と前記X本の第2仮想レーンとを含み、前記N本の伝送レーンを介して伝送された前記送信データを光信号から電気信号に変換した後、前記X本の第2仮想レーンに分離し、前記受信バッファ部に書き込み、
前記送信機は、さらに、
前記送信データの流量に基づいて、前記X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入する挿入頻度を決定するマーカー周期変更部と、
前記マーカー周期変更部で決定された挿入頻度に基づいて、前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入するマーカー挿入部とを備え、
前記受信機は、さらに、
前記X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列から、前記X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを抽出するマーカー解析部と、
前記マーカー解析部で抽出された前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーの挿入頻度に基づいて、前記X本の第2仮想レーン上を伝送するデータ列に含まれる送信データを検出するマーカー周期変更対応部とを備え、
前記送信機は、さらに、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止を制御する送信回路制御部を備え、
前記受信機は、さらに、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止を制御する受信回路制御部を備え、
前記送信機と前記受信機は、前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを用いて通信を行うことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項6】
請求項5記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、さらに、前記送信データの流量の時間的推移を監視する流量計測部を備え、
前記マーカー周期変更部は、前記送信データの流量が多いときには前記マーカーの挿入頻度を少なくし、前記送信データの流量が少ないときには前記マーカーの挿入頻度を多くすることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項7】
請求項5記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、前記挿入頻度が変動するマーカーを複数の並列する伝送路に送信し、
前記受信機は、前記マーカーを複数の並列する伝送路で受信することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項8】
請求項5記載のデータ伝送システムにおいて、
前記マーカー解析部は、前記第2仮想レーン上を伝送するデータ列から、挿入頻度が変動するマーカーを損失なく検出することを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項9】
請求項5記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機は、さらに、パラレルデータをシリアルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のパラレル・シリアル変換部を備え、
前記N個のパラレル・シリアル変換部のそれぞれは、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止が制御されることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項10】
請求項5記載のデータ伝送システムにおいて、
前記受信機は、さらに、シリアルデータをパラレルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のシリアル・パラレル変換部を備え、
前記N個のシリアル・パラレル変換部のそれぞれは、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止が制御されることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項11】
請求項7記載のデータ伝送システムにおいて、
前記送信機と前記受信機は、
前記マーカー周期変更部で決定された挿入頻度が変更する前記マーカーにより、前記送信データの流量に応じて複数の並列する前記伝送路のうち、必要最低限の前記伝送路にデータ列を伝送し、
前記マーカー周期変更部で決定された挿入頻度が変更する前記マーカーの周期により、データ列を伝送する前記伝送路を切り替えることを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項12】
送信バッファ部とX本(X>N)の第1仮想レーンとを含み、前記送信バッファ部に書き込まれた送信データを前記X本の第1仮想レーンに分配した後、N本の伝送レーンに多重化し、電気信号を光信号に変換した後、前記送信データを送信するデータ伝送装置であって、
前記データ伝送装置は、さらに、
前記送信データの流量に基づいて、前記X本の第1仮想レーンの中から使用する仮想レーンを示す情報を含んだマーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入する挿入頻度を決定するマーカー周期変更部と、
前記マーカー周期変更部で決定された挿入頻度に基づいて、前記使用する仮想レーンを示す情報を含んだ前記マーカーを前記X本の第1仮想レーン上を伝送するデータ列に対して挿入するマーカー挿入部とを備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項13】
請求項12記載のデータ伝送装置において、
さらに、前記送信データの流量の時間的推移を監視する流量計測部を備え、
前記マーカー周期変更部は、前記送信データの流量が多いときには前記マーカーの挿入頻度を少なくし、前記送信データの流量が少ないときには前記マーカーの挿入頻度を多くすることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項14】
請求項12記載のデータ伝送装置において、
さらに、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止を制御する送信回路制御部を備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項15】
請求項12記載のデータ伝送装置において、
さらに、パラレルデータをシリアルデータに変換し、前記N本の伝送レーンにそれぞれ結合されたN個のパラレル・シリアル変換部を備え、
前記N個のパラレル・シリアル変換部のそれぞれは、前記マーカーの挿入頻度に応じた必要最低限の仮想レーンに応じて起動および停止が制御されることを特徴とするデータ伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−134798(P2012−134798A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285630(P2010−285630)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【特許番号】特許第4961494号(P4961494)
【特許公報発行日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人情報通信研究機構、λアクセス技術の研究開発 委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】