説明

データ伝送方式

【課題】
フィールドに監視カメラがあり、中央で集中監視しているシステムにおいて、フィールドの状態量を、フィールドから中央まで新たな配線敷設なしでデータ伝送する方法を提供することにある。
【解決手段】
取込む必要のある状態量を、データ入力手段を用いて取込んだ後そのデータを画像処理装置を用いて、監視カメラ画像に埋め込む。具体的には、データを埋め込む座標をあらかじめ定めておき、そこに明るさのデータとして書込む。
この状態量が埋め込まれた映像データを、カメラ画像として中央に送る。
中央側にも画像処理装置を置き、画像の所定の位置の明るさのデータを読み込むことで、送信元の状態量を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールドに監視カメラがあり、中央で集中監視しているシステムに係る。
【背景技術】
【0002】
フィールドに監視カメラがあり、中央で集中監視しているシステムにおいて、フィールドの状態量(例えば監視している箇所の温度など)を中央で取込む必要が生じた場合、通常は、フィールドの状態量をフィールドから中央まで新たに配線を敷設して直接送る方法がとられる。
【0003】
もしくは、フィールドおよび中央側にWeb等のネットワーク網を新たに敷設し、パソコン等を用いて中央にファイル転送にて送信する方法がとられる。
【0004】
しかしながら、フィールドの監視カメラと中央との距離が離れている場合などは、新たな配線敷設はコスト高の問題があり、また、フィールドが山林地帯などの場合にはWeb等のネットワーク網への接続が不可能、あるいは接続が制限される場合がある。
【0005】
特許文献1には、2次元CCD及びこの2次元CCDを制御するCCD駆動パルス発生手段と、クロック発生手段とを有すると共に、温度センサーなどの環境検出手段と、この環境検出手段からの出力信号の値に応じた画像をモニタ画面に表示する画像表示データ信号を出力する表示データ形成手段と、画像表示データ信号とCCD出力信号とを合成して同軸ケーブルに出力する信号合成出力手段とを有するカメラヘッド部を備えた監視カメラ装置が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−69459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フィールドの状態量データを画像処理データと共に送信するに際して確実に送信を行うことのできる画像処理データ伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
取込む必要のある状態量を、データ入力手段を用いて取込んだ後そのデータを画像処理装置を用いて、監視カメラ画像に埋め込む。(具体的には、データを埋め込む画像上の位置をあらかじめ定めておき、そこに明るさのデータとして書込む)。
【0009】
この状態量が埋め込まれた映像データを、カメラ画像として中央に送る。
中央側にも画像処理装置を置き、画像の所定の位置の明るさのデータを読み込むことで、送信元の状態量を得ることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明は、フィールドに設置された監視カメラと、該監視カメラから映像信号を画像処理した画像処理データと、フィールドについての検出された状態量データとを合成した信号として伝送する送信側の画像処理装置と、伝送されてくる合成された信号を処理して画像処理データおよび状態量データにして監視モニタに出力する受信側の画像処理装置と、を備えた画像データ伝送システムにおいて、前記送信側および受信側の画像処理装置には画面上に予め定めた座標領域を有する画面部がそれぞれ設定され該画面部における画像処理した画像の明るさを検出、格納するものであり、前記送信側の画像処理装置は検出した状態量データを入力して前記画像の明るさに該検出した状態量データを付加して画像処理された画像処理データと合成伝送し、前記受信側の画像処理装置は前記画像の明るさを基準にして、伝送されて来た前記合成された信号から状態量データを分離し、前記監視モニタに画像処理データについて画像処理された画像と共に表示する画像データ伝送システムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フィールドから中央へのデータ伝送路として、既設の監視カメラの映像データ伝送路を使用できる。そのため、データ伝送のための新たな配線敷設、あるいはWeb等のネットワーク網が不要となり、画像の所定の位置の明るさのデータを読むことで、送信元の状態量を得ることができ、従って送信、受信を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明に係わるデータ伝送装置の構成を示すブロック図である。図2は、フィールド側におかれる画像処理装置の処理手順の1例を示すフローチャートである。図3は、中央側におかれる画像処理装置の処理手順の1例を示すフローチャートである。
【0014】
図1に示すように、本実施例では、フィールド側においては監視カメラ1、状態量を検出するセンサ2、センサ2のデータ入力部3、画像処理装置10から構成される。画像処理装置10は、映像入力部11、画像メモリ12、映像出力部13、画像演算部14、およびCPU15から構成される。センサ2によってフィールドの温度、湿度などの状態量が検出される。
【0015】
中央側には、画像処理装置20および監視モニタ5が置かれる。画像処理装置20は、映像入力部21、画像メモリ22、映像出力部23、画像演算部24、およびCPU25から構成される。
フィールドと中央は、画像データ伝送路4にて接続されている。
【0016】
監視カメラ1で撮影された映像信号は画像演算部14で画像処理データとされ、フィールドについてセンサ2によって検出された状態量データと合成される。この合成のために画像演算部14およびCPU15が使用される。
【0017】
送信側おび受信側の画像処理装置10、20は画面上に予め定めた座標領域を有する画面部が設定され、この画面部がフィールドで検出された状態量データを記録する部分となる。この画面部の画像処理した画像の明るさが検出され、記憶手段である画像メモリ12に格納される。送信側に設けた監視モニタ25の対応の画面部には状態量データが表示される。送信側の画像処理装置10は、検出した状態量データを入力して画像明るさに検出した状態量データを付加して画像処理された画像データと合成した信号として伝送する。
【0018】
受信側の画像処理装置20は、画面部の画像の明るさを基準にして、伝送されて来た合成された信号から状態量データを分離し、監視モニタ5の該当の画面部に画像処理データについて画像処理された画像と共に表示することを行う。
【0019】
次にフィールドでの処理手順について、図2のフローチャートに従って説明する。
【0020】
処理が開始されると、監視カメラ1の映像を映像入力部11を介して画像メモリ12に取込む(ステップS11)。また、センサ2により検出された状態量をデータ入力部を介してCPU15に取込む、すなわち状態量データの取り込みを行う(ステップS12)。CPU15は、取込んだセンサのデータを設定した画面部の画像の明るさに対応するデータに変換する(ステップS13)。この変換されたデータを、画像演算部14で画像メモリ12の所定の位置に書込む(ステップS14)。画像メモリ12の内容は、映像出力部13により、画像処理データと合成されて画像データ伝送路4に送られる(ステップS15)。
【0021】
次に中央側での処理手順について、図3のフローチャートに従って説明する。
【0022】
処理が開始されると、映像伝送路4から送られる合成映像データを映像入力部21を介して画像メモリ22に取込む(ステップS21)。CPU25は、画像メモリ22のなかのあらかじめセンサデータの入力位置と定められた画面部の画像の明るさを画像演算部24を介して読み込む(ステップS22)。この明るさのデータをセンサデータに対応するようあらかじめ定められたきまりに従って変換し、センサ2のデータである状態量データを得る(ステップS23)。
【0023】
状態量データは所定の画面部に画像処理データと共に表示される(S24)。
【0024】
フィールドに監視カメラ1があり、中央で集中監視しているシステムの基本構成は、図1における監視カメラ1と、映像伝送路4と、監視モニタ5からなる。ここにフィールドの状態量を中央で取込む必要に対応するために、状態量を取込むためのセンサ2とデータ入力部3の他にフィールド側には画像処理装置10を、中央側には画像処理装置20を設ける。状態量データは上述のように既設の画像データ伝送路4により送られるため新たな伝送路の敷設は不要である。
【0025】
以上のように、フィールドに監視カメラがあり、中央で集中監視しているシステムにおいて、フィールドの状態量を、フィールドから中央まで新たな配線敷設なしでデータ伝送できる。
【0026】
これは、フィールドと中央の間の距離が離れている場合などにおいて、大きなコストメリットとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明に係わるデータ伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、フィールド側におかれる画像処理装置の処理手順の1例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、中央側におかれる画像処理装置の処理手順の1例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1…監視カメラ、2…センサ、3…データ入力部、4…映像伝送路、5…監視モニタ、10…画像処理装置、11…映像入力部、12…画像メモリ、13…映像出力部、14…画像演算部、15…CPU、20…画像処理装置、21…映像入力部、22…画像メモリ23…映像出力部、24…画像演算部、25…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドに設置された監視カメラと、該監視カメラから映像信号を画像処理した画像処理データと、フィールドについての検出された状態量データとを合成した信号として伝送する送信側の画像処理装置と、伝送されてくる合成された信号を処理して画像処理データおよび状態量データにして監視モニタに出力する受信側の画像処理装置と、を備えた画像データ伝送システムにおいて、
前記送信側および受信側の画像処理装置に画面上に予め定めた座標領域を有する画面部がそれぞれ設定され該画面部における画像処理した画像の明るさを検出、格納するものであり、前記送信側の画像処理装置は検出した状態量データを入力して前記画像の明るさに該検出した状態量データを付加して画像処理された画像処理データと合成伝送し、前記受信側の画像処理装置は前記画像の明るさを基準にして、伝送されて来た前記合成された信号から状態量データを分離し、前記監視モニタに画像処理データについて画像処理された画像と共に表示すること
を特徴とする画像データ伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−165719(P2006−165719A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350608(P2004−350608)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】