説明

データ伝送装置、画像形成システム、及びプログラム

【課題】パラレルデータをシリアルデータに変換して複数の伝送線を介して伝送する場合に、伝送線に異常が発生してもデータ伝送を行うことができる。
【解決手段】パラレルデータを複数の伝送線16を介して伝送するためのシリアルデータに変換するパラレル・シリアル変換器40と、複数の伝送線16を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル・パラレル変換器52とを備えたデータ伝送装置10において、伝送線16に異常が発生した場合に、パラレル・シリアル変換器40で用いられる変換規則を該異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に変更すると共に、シリアル・パラレル変換器52で用いられる変換規則を該異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ伝送装置、画像形成システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、第1チャンネルから第pチャンネル(pは2以上の自然数)のシリアル転送路を介してデータ転送を行うデータ転送制御装置で、シリアル転送路を介して転送するデータが入力されるノードと、入力されたデータを所定単位ずつ順番に第1チャンネルから第pのチャンネルに分割し、分割されたデータと分割転送通知とを、各チャンネル毎に出力する論理回路と、各チャンネル毎に出力されたデータと分割転送通知とをシリアル信号に変換する第1から第pのパラレル/シリアル変換回路と、第1から第pのパラレル/シリアル変換回路からそれぞれ入力されたシリアル信号を対応するチャンネルのシリアル転送路に出力する第1から第pの出力回路と、を有することを特徴とするデータ伝送制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−260368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、パラレルデータをシリアルデータに変換して複数の伝送線を介して伝送する場合に、伝送線に異常が発生してもデータ伝送を行うことができるデータ伝送装置、画像形成システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明のデータ伝送装置は、パラレルデータを複数の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に従って、パラレルデータをシリアルデータに変換する第1の変換手段と、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に従って、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する第2の変換手段と、前記伝送線に異常が発生した場合に、前記第1の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第1の変換手段を制御すると共に、前記第2の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第2の変換手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のデータ伝送装置において、前記第1の変換手段の変換動作に使用されるクロック信号を発生させる第1の信号発生手段と、前記第2の変換手段の変換動作に使用されるクロック信号を発生させる第2の信号発生手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記伝送線に異常が発生した場合に、更に、前記第1の信号発生手段及び第2の信号発生手段で発生させるクロック信号の周波数が前記異常発生前の周波数より高くなるように前記第1の信号発生手段及び前記第2の信号発生手段を制御する。
【0007】
請求項3の発明の画像形成システムは、請求項1または請求項2に記載のデータ伝送装置と、画像情報を示すパラレルデータであって、前記第1の変換手段でシリアルデータに変換されるパラレルデータを予め定められた画像処理を行うことにより生成する画像処理手段と、前記第2の変換手段で変換されたパラレルデータが示す画像情報を用いて画像を形成する画像形成手段と、を備えている。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成手段は、複数色の色材を重ね合わせて画像を形成することが可能に構成され、前記制御手段は、更に、前記異常が発生した伝送線の数が予め定められた数を超えた場合には、前記複数色のうち予め定められた色の色材による単色画像を形成するための画像情報を示すパラレルデータが生成されるように前記画像処理手段を制御する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項3に記載の画像形成システムにおいて、前記制御手段は、更に、前記異常が発生した伝送線の数が予め定められた数を超えた場合には、前記異常発生前に生成されたパラレルデータが示す画像情報の階調数より少ない階調数の画像情報を示すパラレルデータが生成されるように前記画像処理手段を制御する。
【0010】
請求項6の発明は、パラレルデータを複数の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に従って、パラレルデータをシリアルデータに変換する第1の変換手段と、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に従って、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する第2の変換手段と、を備えたシステムに搭載されたコンピュータを、前記伝送線に異常が発生した場合に、前記第1の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第1の変換手段を制御すると共に、前記第2の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第2の変換手段を制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、パラレルデータをシリアルデータに変換して複数の伝送線を介して伝送する場合に、伝送線に異常が発生してもデータ伝送を行うことができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、データの伝送に使用する伝送線の数が減少しても、データ伝送レートの低下を抑制することができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、複数の伝送線を介して画像処理手段から画像形成手段に画像形成のための画像情報を伝送する場合に、伝送線に異常が発生しても画像情報を伝送して画像を形成することができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、データの伝送に使用する伝送線の数が減少しても、データ伝送レートの低下を抑制することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、データの伝送に使用する伝送線の数が減少しても、データ伝送レートの低下を抑制することができる。
【0016】
請求項6の発明によれば、パラレルデータをシリアルデータに変換して複数の伝送線を介して伝送する場合に、伝送線に異常が発生してもデータ伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係るデータ伝送装置の構成例を示す図である。
【図2】64ビット幅のパラレルデータをシリアルデータに変換して8本の伝送線16でデータ伝送するためのパラレルシリアル(PS)変換規則及びシリアルパラレル(SP)変換規則の一例を示した図である。
【図3】受信装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】送信装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】No.7の伝送線に異常が発生した場合に、異常が発生したNo.7の伝送線は使用せず、それ以外の伝送線を使用してデータ伝送する場合のPS変換規則およびSP変換規則の一例を示した図である。
【図6】送信装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。
【図8】画像形成部の構成例を示す図である。
【図9】画像形成装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】画像処理装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】画像形成装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【図12】画像処理装置のCPUが実行するデータ伝送制御処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
【0020】
図1は、本実施の形態に係るデータ伝送装置10の構成例を示す図である。
【0021】
データ伝送装置10は、送信装置12及び受信装置14を備えており、送信装置12及び受信装置14は、n本(nは2以上の整数)の伝送線161〜n、及び制御信号線18にを介して接続されている。なお、ここでは、伝送線16が8本(No.1の伝送線16からNo.8の伝送線16までの8本)設けられたデータ伝送装置10を例に挙げて説明するが、8本の伝送線16から伝送線16の各々を特に区別しないで説明する場合には、末尾の添字1〜8を省略し、単に伝送線16と呼称して説明する。
【0022】
送信装置12は、送信部22及びCPU(Central Processing Unit)24を備えている。
【0023】
CPU24は、送信装置12全体の動作を制御する。CPU24は不図示の記憶部(例えばROM(Read Only Memory)やハードディスク装置など)に記憶されたプログラムを実行することにより、様々な制御を行う。
【0024】
送信部22は、パラレル・シリアル変換器40、クロック発生器42、及び切替器44を備えている。
【0025】
パラレル・シリアル変換器40は、クロック発生器42から供給されるクロック信号に応じて、受信装置14へ伝送するパラレルデータをシリアルデータに変換して、データ伝送に使用する伝送線16の各々に送出する。なお、パラレル・シリアル変換器40の変換規則(以下、PS変換規則)は、切替器44によって切替えられる(変更される)。
【0026】
クロック発生器42は、パラレル・シリアル変換器40に対して、パラレル・シリアル変換器40の変換動作に使用されるクロック信号(パラレルデータをシリアルデータに変換するタイミングを定めるクロック信号)を発生して供給する。
【0027】
切替器44は、CPU24からパラレル・シリアル変換器40のPS変換規則を指定する指定情報が通知されると、パラレル・シリアル変換器40のPS変換規則を該通知された指定情報により指定されたPS変換規則に切替える(変更する)。
【0028】
受信装置14は、受信部26及びCPU(Central Processing Unit)30を備えている。
【0029】
CPU30は、受信装置14全体の動作を制御する。CPU30は不図示の記憶部(例えばROM(Read Only Memory)やハードディスク装置など)に記憶されたプログラムを実行することにより、様々な制御を行う。
【0030】
受信部26は、エラー判定器50、シリアル・パラレル変換器52、クロック発生器54、及び切替器56を備えている。
【0031】
エラー判定器50は、伝送線16を介して受信したシリアルデータが正常であるか否かを判定する(エラー判定を行う)。例えば、チェックサムやCRC等の周知のエラー判定方法を用い、送信部22のパラレル・シリアル変換器40から送信するシリアルデータに、エラー判定用のチェックビットを含めて送信するようにし、受信部26のエラー判定器50が該チェックビットを確認して、エラー判定を行う。
【0032】
エラー判定器50は、受信したシリアルデータに異常があると判定した場合には、異常が発生した伝送線16を特定し、CPU30に該特定した伝送線16に異常が発生した旨を示すエラー通知を送信する。また、受信したシリアルデータは正常であると判定した場合には、受信したシリアルデータをそのままシリアル・パラレル変換器52に送出する。
【0033】
シリアル・パラレル変換器52は、クロック発生器54から供給されるクロック信号に応じて、エラー判定器50から受け取ったシリアルデータをパラレルデータに変換して、予め定められた送出先に送出する。なお、シリアル・パラレル変換器52の変換規則(以下、SP変換規則)は、切替器56によって切替えられる(変更される)。
【0034】
クロック発生器54は、シリアル・パラレル変換器52に対して、シリアル・パラレル変換器52の変換動作に使用されるクロック信号(シリアルデータをパラレルデータに変換するタイミングを定めるクロック信号)を発生して供給する。なお、クロック発生器54は、受信されたシリアルデータを元のパラレルデータに変換するための変換動作に用いられるクロック信号を発生させるものであるため、クロック発生器54で発生させるクロック信号の周波数が、送信装置12のパラレル・シリアル変換器40の変換動作で用いられるクロック信号の周波数に合うように予め設定されている。
【0035】
切替器56は、CPU30からシリアル・パラレル変換器52のSP変換規則を指定する指定情報が通知されると、シリアル・パラレル変換器52のSP変換規則を該指定情報により指定されたSP変換規則に切替える(変更する)。
【0036】
また、送信装置12のCPU24及び受信装置14のCPU30は、制御信号線18を介して様々な情報を送受信する。
【0037】
次に、データ伝送装置10で行われるデータ伝送処理について説明する。
【0038】
伝送線16の各々に異常が発生していない正常な状態では、送信装置12のパラレル・シリアル変換器40は、伝送線16の各々においてデータ伝送が正常に行われる場合の変換規則でパラレルシリアル変換されるように設定されている。一方、受信装置14のシリアル・パラレル変換器52も、伝送線16の各々においてデータ伝送が正常に行われる場合の変換規則でシリアルパラレル変換されるように設定されている。
【0039】
図2は、64ビット幅のパラレルデータをシリアルデータに変換して8本の伝送線16でデータ伝送するための(すなわち、本実施の形態における各伝送線16が正常な場合の)PS変換規則及びSP変換規則の一例を示した図である。
【0040】
各伝送線16が正常な状態では、送信装置12のパラレル・シリアル変換器40は、図2(A)に示すパラレルデータから図2(B)に示すシリアルデータに変換されるようにPS変換規則が設定されている。このPS変換規則に従って、パラレル・シリアル変換器40は、8本の伝送線16の各々で8ビットずつ送信されるようにデータを並べ替え、各伝送線16を介して伝送対象のデータを受信装置14に送信する。
【0041】
一方、受信装置14のシリアル・パラレル変換器52は、図2(B)に示すシリアルデータから図2(A)に示すパラレルデータに変換されるようにSP変換規則が設定されている。このSP変換規則に従って、シリアル・パラレル変換器52は、8本の伝送線16を介して受信された8ビットずつのシリアルデータを並べ替え、元のパラレルデータを復元する。
【0042】
次に、図3〜図5を参照して、伝送線16に異常が発生した場合に、データ伝送装置10で行われるデータ伝送処理について詳細に説明する。
【0043】
図3は、受信装置14のCPU30が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図4は、送信装置12のCPU24が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、図3に示す受信装置14のCPU30のデータ伝送制御処理について説明する。
【0044】
受信装置14のCPU30は、ステップ100で、エラー判定器50からエラー通知を受信したか否かを判定する。CPU30は、ステップ100でエラー通知を受信するまで次のステップには移行しない。
【0045】
CPU30は、ステップ100でエラー判定器50からエラー通知を受信したと判定した場合には、ステップ102に移行する。
【0046】
ステップ102では、CPU30は、エラー判定器50から受信したエラー通知を送信装置12のCPU24に転送する。
【0047】
更に、ステップ104では、CPU30は、エラー判定器50から受信したエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せずに(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用して)データを伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求める。例えば、各伝送線16を識別する識別情報と、該伝送線16に異常が発生した場合に切替えるべきPS変換規則及びSP変換規則とを対応付けて予め定められた記憶部に記憶しておき、エラー判定器50からエラー通知があった場合に、該エラー通知で示された伝送線16を識別する識別情報に対応付けて記憶されたPS変換規則及びSP変換規則を読み出して求めるようにしてもよい。なお、2本以上の伝送線16に異常が発生した場合等を考慮し、予め定められた伝送線16の組み合わせを識別する識別情報と、該組み合わせの伝送線16の各々に異常が発生した場合に切替えるべきPS変換規則及びSP変換規則とを対応付けて予め定められた記憶部に記憶しておくようにしてもよい。
【0048】
ここで、具体例を挙げて説明する。例えば、図2において、No.7の伝送線16に異常が発生した場合には、例えば、図5に示すように、No.1からNo.6までの伝送線161〜6の各々で10ビットずつ送信し、No.8の伝送線16で残りの4ビットを伝送するPS変換規則及びSP変換規則を求める。すなわち、図5(A)に示すパラレルデータから図5(B)に示すシリアルデータに変換されるPS変換規則、及び図5(B)に示すシリアルデータから図5(A)に示すパラレルデータに変換されるPS変換規則を求める。
【0049】
ステップ106では、CPU30は、上記求めたSP変換規則を指定する指定情報を受信部26の切替器56に送信する。CPU30から指定情報を受信した切替器56は、該指定情報に基づいてシリアル・パラレル変換器52の設定を変更して、シリアル・パラレル変換器52のSP変換規則を、該受信した指定情報により指定されたSP変換規則に切替える。
【0050】
ステップ108では、CPU30は、上記求めたPS変換規則を指定する指定情報を送信装置12のCPU24に制御信号線18を介して送信する。その後、ステップ100に戻る。
【0051】
次に、図4に示す送信装置12のCPU24のデータ伝送制御処理について説明する。
【0052】
ステップ110で、CPU24は、受信装置14のCPU30からエラー通知を受信したか否かを判定する。CPU24は、ステップ110でエラー通知を受信するまで次のステップには移行しない。
【0053】
CPU24は、ステップ110でCPU30からエラー通知を受信したと判定した場合には、ステップ112に移行する。
【0054】
ステップ112では、CPU24は、送信装置12に対して伝送対象のパラレルデータを送出する送出元の装置(図1は不図示)に、データ伝送(パラレルデータの送出)を中断するように指示を出す。
【0055】
ステップ114では、CPU24は、PS変換規則を指定する指定情報を受信装置14のCPU30から受信したか否かを判定する。CPU24は、ステップ114で指定情報を受信するまで次のステップには移行しない。
【0056】
CPU24は、ステップ114でCPU30から指定情報を受信したと判定した場合には、ステップ116に移行する。
【0057】
ステップ116では、CPU24は、受信した指定情報を送信部22の切替器44に送信する。CPU24から指定情報を受信した切替器44は、パラレル・シリアル変換器40の設定を変更して、パラレル・シリアル変換器40のPS変換規則を、該受信した指定情報が指定するPS変換規則に切替える。
【0058】
ステップ118では、CPU24は、送信装置12に対して伝送対象のパラレルデータを送出する送出元の装置(図1では不図示)に、データ伝送(パラレルデータの送出)を再開するよう指示を出す。また、この指示と共に、データ伝送が失敗したパラレルデータを再送するように指示を出す。その後、ステップ110に戻る。
【0059】
なお、上記実施の形態では、PS変換規則及びSP変換規則の変更後も、クロック発生器42及びクロック発生器54で発生させるクロック信号の周波数を変えずにデータ伝送を行う例について説明したが、データ伝送に使用する伝送線16が減ることにより伝送レートが大幅に低下する場合もある。このため、PS変換規則及びSP変換規則を変更する場合に、異常が発生した伝送線16の数に応じてクロック発生器42及びクロック発生器54で発生させるクロック信号の周波数が高くなるように制御してもよい。
【0060】
このように制御する場合には、送信部22のクロック発生器42で発生させるクロック信号の周波数が、切替器44によって切替えられる(変更される)ようにクロック発生器42及び切替器44を構成する。また、受信部26のクロック発生器54で発生させるクロック信号の周波数が、切替器56によって切替えられる(変更される)ようにクロック発生器54及び切替器56を構成する。
【0061】
ここで、図6を参照しながら、クロック信号の周波数を変更する場合の、受信装置14のCPU30の動作について詳細に説明する。また、以下では、クロック発生器42及びクロック発生器54で発生させるクロック信号の周波数をクロック周波数と呼称する。
【0062】
図6のステップ200およびステップ202での動作は、図3のステップ100およびステップ102の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0063】
ステップ204では、CPU30は、エラー判定器50から受信したエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せずに(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用して)データを伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求めると共に、該PS変換規則及びSP変換規則を用いてデータを伝送する場合のクロック周波数を求める。
【0064】
なお、クロック周波数をどの程度上げるかは、使用する伝送線16の減少数に応じて予め定めておいてもよい。例えば、異常が発生した伝送線16の数が多くなるほどクロック周波数が高くなるようにしてもよい。
【0065】
また、例えば、PS変換規則及びSP変換規則を示す識別情報とクロック周波数を示す情報とを対応付けて予め定められた記憶部に記憶しておき、CPU30がエラー通知を受信した場合に、CPU30が該エラー通知に基づいて求めたPS変換規則及びSP変換規則を示す識別情報に対応付けて記憶されたクロック周波数の情報を読み出して、クロック周波数を求めるようにしてもよい。また、使用する伝送線16の数または使用しない伝送線16の数を示す情報と、クロック周波数の情報とを対応付けて予め定められた記憶部に記憶しておき、CPU30がエラー通知を受信した場合に、該エラー通知に基づいて使用する伝送線16の数、または使用しない伝送線16の数を判定し、該判定した伝送線16の数を示す情報に対応付けて該記憶部に記憶されているクロック周波数の情報を読出して求めるようにしてもよい。
【0066】
ステップ206では、CPU30は、上記求めたSP変換規則およびクロック周波数を指定する指定情報を受信部26の切替器56に送信する。CPU30から指定情報を受信した切替器56は、シリアル・パラレル変換器52の設定を変更して、シリアル・パラレル変換器52のSP変換規則を、該受信した指定情報が指定するSP変換規則に切替えると共に、クロック発生器54の設定を変更してクロック発生器54のクロック周波数を、該受信した指定情報が指定するクロック周波数に切替える。
【0067】
ステップ208では、CPU30は、制御信号線18を介して上記求めたPS変換規則及びクロック周波数を指定する指定情報を送信装置12のCPU24に送信する。その後、ステップ200に戻る。
【0068】
なお、送信装置12側のCPU24の動作は、図4と同様である。ただし、ステップ114で受信される指定情報、及びステップ116で切替器44に送信する指定情報は、PS変換規則及びクロック周波数を指定する指定情報である。従って、ステップ116でCPU24から切替器44に指定情報が送信された場合に、切替器44は、パラレル・シリアル変換器40の設定を変更して、パラレル・シリアル変換器40のPS変換規則を該受信した指定情報が指定するPS変換規則に切替えると共に、クロック発生器42の設定を変更してクロック発生器42のクロック周波数を、該受信した指定情報が指定するクロック周波数に切替える。
【0069】
なお、ここでは、切替器44に送信する指定情報および切替器56に送信する指定情報の双方によりクロック周波数を指定して、クロック発生器42のクロック周波数及びクロック発生器54のクロック周波数を変更する例について説明したが、これに限定されない。
【0070】
例えば、CPU30が、送信装置12の切替器44に対しては、PS変換規則を指定しクロック周波数を指定しない指定情報を送信し、CPU24に対しては、SP変換規則及びクロック周波数を指定した指定情報を送信するようにしてもよい。
【0071】
この場合、送信装置12のCPU24は、受信した指定情報により指定されたクロック周波数を示す情報を切替器44を介してパラレル・シリアル変換器40に与える。パラレル・シリアル変換器40は、シリアルデータの先頭にmビット(mは予め定められた整数)を付加し、該先頭のmビットを用いて、指定されたクロック周波数の情報を受信装置14に送信する。
【0072】
そして、受信装置14のシリアル・パラレル変換器52では、シリアルデータを受信すると、まず先頭のmビットを伝送対象のデータから切り分けて切替器56に与える。切替器56は、該mビットのデータからクロック周波数を判断し、該判断したクロック周波数でシリアルデータがパラレルデータに変換されるように、クロック発生器54を設定変更する。
【0073】
また、受信装置14のCPU30が、エラー通知に基づいてPS変換規則及びSP変換規則求め、送信装置12のCPU24が、エラー通知に基づいて(またはPS変換規則に基づいて)クロック周波数を求めてもよい。この場合も、上述したように、シリアルデータの先頭mビットを用いてクロック周波数の情報を受信装置14のCPU30に送信するようにする。
【0074】
また、送信装置12のCPU24が、PS変換規則、SP変換規則、及びクロック周波数を、エラー通知に基づいて求めるようにしてもよい(この場合には、CPU24からCPU30に指定情報が送信される)。
【0075】
なお、送信部22及び受信部26は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成してもよいが、ソフトウェアで実現されるようにしてもよい。また、CPU24及びCPU30の上記データ伝送制御処理をハードウェアで行うようにしてもよい。
【0076】
[第2の実施の形態]
【0077】
図7は、本実施の形態に係る画像形成システム11の構成例を示す図である。
【0078】
この画像形成システム11は、第1の実施の形態で説明したデータ伝送装置10の構成要素を含んで構成されている。以下、図1に示す符号と図7に示す符号とが同一の構成要素は、それぞれ同一の機能を有する構成要素を意味するため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0079】
本実施の形態に係る画像形成システム11は、画像処理装置13及び画像形成装置15を備えている。
【0080】
画像処理装置13は、画像処理部20、送信部22、及びCPU(Central Processing Unit)64を備えている。
【0081】
画像処理部20は、画像読取部で読み取られた画像の画像情報や、外部装置から受信した画像情報等に対して画像処理を施し、該画像情報を示すパラレルデータを生成して送信部22に送出する。なお、ここでは、外部装置との通信を行う通信インタフェース及び画像読取部の図示は省略する。
【0082】
送信部22は、画像処理部20から受け取ったパラレルデータをシリアルデータに変換し、伝送線16を介して画像形成装置15に送信する。
【0083】
CPU64は、不図示の記憶部(例えばROM(Read Only Memory)やハードディスク装置など)に記憶されたプログラムを実行することにより、画像処理装置13全体の動作を制御する処理を行う。なお、CPU64が行う処理には、第1の実施の形態で説明したCPU24により行われるデータ伝送制御処理が含まれる。
【0084】
画像形成装置15は、受信部26、画像形成部28、及びCPU(Central Processing Unit)70を備えている。
【0085】
受信部26は、画像処理装置13の送信部22から、伝送線16を介して画像情報を示すシリアルデータを受信し、該受信したシリアルデータをパラレルデータに変換する。
【0086】
画像形成部28は、受信部26からパラレルデータに変換された画像情報を受け取り、該画像情報に基づいて画像を形成する。
【0087】
CPU70は、不図示の記憶部(例えばROM(Read Only Memory)やハードディスク装置など)に記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置15全体の動作を制御する処理を行う。なお、CPU70が行う処理には、第1の実施の形態で説明したCPU30により行われるデータ伝送制御処理が含まれる。
【0088】
また、画像処理装置13のCPU64及び画像形成装置15のCPU70は、制御信号線18を介して様々な情報を送受信する。
【0089】
図8は、本実施の形態に係る画像形成部28の構成例を示す図である。
【0090】
本構成図には、接触帯電器で感光体表面を帯電した後、レーザ光の照射により静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像するゼログラフィエンジンをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色について備えたタンデム型の電子写真方式の画像形成部28の概要が示されている。
【0091】
この画像形成部28は、図中矢印Aの方向にて回転する4つの感光体1Y、1M、1C、1Kと、この各感光体の表面を帯電バイアスを印加することにより帯電する接触帯電器2Y、2M、2C、2Kと、帯電された各感光体表面を各色の画像情報に基づいて変調されたレーザ光により露光し、各感光体上に静電潜像を形成するレーザ出力部3Y、3M、3C、3Kと、各色現像剤を収容する現像ロール34Y、34M、34C、34Kを各々備え、現像ロール34Y、34M、34C、34Kに現像バイアスを印加することにより各感光体上の静電潜像を各色のトナーで現像して感光体上にトナー像を形成する現像器4Y、4M、4C、4Kと、感光体上の各色トナー像を中間転写体ベルト6に転写する一次転写器5Y、5M、5C、5Kと、中間転写体ベルト6上のトナー像を用紙Pに転写する二次転写器7と、用紙Pに転写されたトナー像を定着する定着器9と、用紙Pを収納する用紙収容部Tと、各感光体の表面をクリーニングするクリーナ(図示せず)と、各感光体表面の残留電荷を除去する除電器(図示せず)と、中間転写体ベルト6表面に転写された画像濃度制御及び画像形成位置調整用基準パターン像を検出する光学センサ32と、中間転写体ベルト表面をクリーニングするベルトクリーナ8とから構成されている。
【0092】
ここで、本構成図に示されている画像形成部28における画像形成動作を簡単に説明する。まず、感光体1Y、1M、1C、1Kの表面を接触帯電器2Y、2M、2C、2Kに帯電バイアスを電源から印加することで予め定められた帯電電位に帯電する。接触帯電器2Y、2M、2C、2Kによって帯電された感光体1Y、1M、1C、1Kの表面が各色現像器4Y、4M、4C、4K位置に到達した時点で各色現像器4Y、4M、4C、4Kにも電源から予め定められた現像電位となるように現像バイアスが印加される。
【0093】
前述したように、受信部26で受信されたシリアルデータは、パラレルデータに変換されて、レーザ出力部3Y、3M、3C、3Kに送出される。レーザ出力部3Y、3M、3C、3Kは、該パラレルデータに応じてレーザ光を出射し、接触帯電器2Y、2M、2C、2Kにより帯電された感光体1Y、1M、1C、1Kの表面に照射する。
【0094】
この各感光体表面にレーザ光がラスタ照射されると、各感光体1Y、1M、1C、1K上にはそれぞれ画像情報に対応した静電潜像が形成される。続いて、各色現像器4Y、4M、4C、4Kにより各感光体上の静電潜像がトナーにより現像され、各感光体1Y、1M、1C、1K上にトナー像が形成される。各感光体上に形成されたトナー像は、各一次転写器5Y、5M、5C、5Kにより中間転写体ベルト6に転写される。この中間転写体ベルト6へトナー像の転写が終了した各感光体は、クリーナにより表面に付着した残留トナーなどの付着物がクリーニングされ、除電器により残留電荷が除去される。
【0095】
次に、中間転写体ベルト6上のトナー像は、二次転写器7により、用紙収容部Tから送られてくる用紙P上に転写された後、定着器9により用紙P上に転写されたトナー像が定着され所望の画像が得られる。用紙P上へのトナー像の転写が終了した中間転写体ベルト6は、ベルトクリーナ8により表面に付着した残留トナーなどの付着物がクリーニングされ、また接触帯電器2Y、2M、2C、2Kへの帯電バイアス印加を停止し、各色現像器4Y、4M、4C、4Kへの現像バイアス印加を停止し、さらに画像形成部28の駆動を停止することで、一回の画像形成動作が終了する。
【0096】
画像形成部28はここで説明した構成に限定されない。例えば、各々駆動素子を備えた複数のノズルを備え、該駆動素子に駆動信号を供給することによりノズルからインク滴を吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成部であってもよい。
【0097】
次に、本実施の形態の画像形成システム11のデータ伝送制御について説明する。本実施の形態においても、送信部22から受信部26への画像情報の伝送を、第1の実施の形態で説明したデータ伝送制御と同様に行うようにしてもよいが、異常発生により使用する伝送線16の数を減らしてシリアルデータを伝送する場合に、伝送レートが大幅に低下しないよう以下のように制御してもよい。
【0098】
通常、画像形成装置14でY、M、C、K等、複数色のトナーを用いてカラーの画像を形成する場合には、該複数の色毎の画像情報を示すシリアルデータが画像処理装置13の送信部22から画像形成装置15の受信部26に伝送されるが、伝送線16のいずれかに異常が発生し、且つ異常が発生した伝送線16の数が多い場合には、Y,M,C,Kのうちの予め定められた1色(ここではK色とする)のみの画像情報を示すシリアルデータを伝送し、単色で画像を形成するようにしてもよい。以下、異常が発生した伝送線16の数が多い場合に、Y,M,C,Kの各色のうちK色の画像情報を伝送して伝送ビット数を減らす場合の処理の一例について詳細に説明する。
【0099】
図9は、画像形成装置15のCPU70が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図10は、画像処理装置13のCPU64が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、図9の画像処理装置13のCPU70のデータ伝送制御処理について説明する。
【0100】
図9のステップ300およびステップ302での動作は、図3のステップ100およびステップ102の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0101】
ステップ304では、CPU70は、異常が発生している伝送線16の数が予め定められた数αを超えたか否かを判定する。ここで、CPU70は、異常が発生している伝送線16の数が予め定められた数α以下であると判定した場合には、ステップ306に移行し、異常が発生している伝送線16の数が予め定められた数αを超えていると判定した場合には、ステップ308に移行する。
【0102】
ステップ306では、CPU70は、エラー判定器50から受信したエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せずに(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用して)Y,M,C,K各色の画像情報を伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求める。
【0103】
ステップ308では、CPU70は、エラー判定器50から受け取ったエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せずに(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用して)K色の画像情報を伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求める。
【0104】
なお、4色の画像情報を伝送する場合のパラレルデータのビット幅と、1色の画像情報を伝送する場合のパラレルデータのビット幅とでは、後者のほうがビット幅が少なくなるため、使用する伝送線16の各々でシリアル伝送する総ビット数も異なる。従って、ステップ306で求められるPS変換規則及びSP変換規則と、ステップ308で求められるPS変換規則及びSP変換規則とは、異なるものとなる。
【0105】
ステップ310およびステップ312での動作は、図3のステップ106およびステップ108の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0106】
次に、図10に示す画像処理装置13のCPU64のデータ伝送制御処理について説明する。
【0107】
なお、図10のステップ300からステップ326までの動作は、図4のステップ110からステップ116の動作と同じであるため、説明を省略する。
【0108】
ステップ328では、CPU64は、画像形成装置15においてカラー画像を形成するのか、白黒画像を形成するのかを判断する。前述したように、カラー画像を形成するための画像情報と白黒画像を形成するための画像情報とでは伝送するビット数が異なり、PS変換規則も異なる。そこで、CPU64は、受信した指定情報で指定されたPS変換規則に基づいて、カラー画像を形成するのか、白黒画像を形成するのかを判断する。或いは、受信したエラー通知に基づいて異常が発生した伝送線16の数を判断し、カラー画像を形成するのか、白黒画像を形成するのかを判断するようにしてもよい。
【0109】
CPU64は、ステップ328で、画像形成装置15において、カラー画像を形成すると判定した場合には、ステップ330に移行し、画像形成装置15において、白黒画像を形成すると判定した場合には、ステップ332に移行する。
【0110】
ステップ330では、CPU64は、画像処理部20に対して、Y、M,C,K各色のデータ伝送を再開する指示を出す。また、この指示と共に、データ伝送が失敗したシリアルデータに対応するパラレルデータを送出するように指示を出す。その後、ステップ320に戻る。
【0111】
一方、ステップ332では、CPU64は、白黒画像を形成するためのK色の画像情報を示すパラレルデータが生成されパラレル・シリアル変換器40に送出されるように画像処理部20を制御してデータ伝送を再開する指示を出す。また、この指示と共に、伝送が失敗したシリアルデータに対応するK色のパラレルデータを送出するように指示を出す。その後、ステップ320に戻る。
【0112】
また、異常が発生した伝送線16の数が多い場合に、伝送する画像情報の階調数を減らして伝送を行うようにしてもよい。以下、階調数を減らして画像情報を伝送する場合の処理の一例について詳細に説明する。
【0113】
図11は、画像処理装置13のCPU70が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図12は、画像形成装置15のCPU64が実行するデータ伝送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0114】
なお、図11において、図9と同一の符号を付したステップでは、図9のステップでの処理と同一の処理を行うため、ここでは説明を省略する。また同様に、図12において、図10と同一の符号を付したステップでは、図10のステップでの処理と同一の処理を行うため、ここでは説明を省略する。
【0115】
図11において、CPU70は、ステップ304で、異常が発生している伝送線16の数が予め定められた数α以下であると判定した場合には、ステップ307に移行し、異常が発生している伝送線16の数が予め定められた数αを超えていると判定した場合には、ステップ309に移行する。
【0116】
ステップ307では、CPU70は、エラー判定器50から受け取ったエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せずに(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用して)画像情報を伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求める。ここでは、階調数を変更せずにデータ伝送する場合のPS変換規則及びSP変換規則を求める。
【0117】
一方、ステップ309では、CPU70は、エラー判定器50から受信したエラー通知に基づいて、異常が発生した伝送線16を使用せず(異常が発生した伝送線16以外の伝送線16を使用し)且つ階調数を予め定められた階調数に減らした画像情報を伝送するためのPS変換規則及びSP変換規則を求める。
【0118】
なお、高い階調数の画像情報を伝送する場合のパラレルデータのビット幅と、それよりも低い階調数の画像情報を伝送する場合のパラレルデータのビット幅とでは、後者のほうがビット幅が少なくなるため、使用する伝送線16の各々で伝送する総ビット数も異なる。従って、ステップ307で求められるPS変換規則及びSP変換規則と、ステップ309で求められるPS変換規則及びSP変換規則とは、異なるものとなる。
【0119】
また、図12において、CPU64は、ステップ329で、伝送する画像情報の階調数を変更するのか否かを判断する。伝送する画像情報の階調数に応じて伝送するビット数が異なり、PS変換規則も異なる。そこで、CPU64は、受信した指定情報で指定されたPS変換規則に基づいて、階調数を変更するのか否かを判断する。或いは、受信したエラー通知に基づいて異常が発生した伝送線16の数を判断し、階調数を変更するのか否かを判断するようにしてもよい。
【0120】
CPU64は、ステップ329で、階調数を変更しないと判定した場合には、ステップ331に移行し、階調数を変更すると判定した場合には、ステップ333に移行する。
【0121】
ステップ331では、CPU64は、画像処理部20に対して、伝送する画像情報の階調数を変更せずにデータ伝送を再開する指示を出す。また、その指示と共に、データ伝送が失敗したシリアルデータに対応するパラレルデータを送出するように指示を出す。その後、ステップ320に戻る。
【0122】
ステップ333では、CPU64は、階調数を予め定められた階調数に減らした画像情報を示すパラレルデータを生成してパラレル・シリアル変換器40に送出するように画像処理部20を制御してデータ伝送を再開する指示を出す。また、この指示と共に、伝送が失敗したシリアルデータに対応するパラレルデータを送出するように指示を出す。その後、ステップ320に戻る。
【0123】
具体的には、第1の実施の形態では、64ビット幅のパラレルデータをパラレル・シリアル変換器40に対して送出する例に挙げて説明したが、例えばこれを16ビット幅のパラレルデータがパラレル・シリアル変換器40に対して送出されるように階調数を少なくする画像処理が画像処理部20で行われるように制御する。階調数を少なくする画像処理は、例えば、閾値を用いて変換する一般的な画像処理手法等により行う。なお、どの程度階調数を減らすかは、異常が発生した伝送線16の数に応じて予め定めておいてもよい。例えば、異常が発生した伝送線16の数が多いほど階調数が少なくなるようにしてもよい。
【0124】
なお、本実施の形態では、異常が発生した伝送線16の数が予め定められた数を超えた場合に、色数及び階調数のいずれか一方を減らした画像情報を伝送する例について説明したが、色数及び階調数の両方を減らした画像情報を伝送するようにしてもよい。
【0125】
また、第1の実施の形態の後半で説明したように、本実施の形態においても、クロック周波数を変更するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0126】
10 データ伝送装置
11 画像形成システム
12 送信装置
13 画像処理装置
14 受信装置
15 画像形成装置
16 伝送線
18 制御信号線
20 画像処理部
22 送信部
24 CPU
26 受信部
28 画像形成部
30 CPU
40 パラレル・シリアル変換器
42 クロック発生器
44 切替器
50 エラー判定器
52 シリアル・パラレル変換器
54 クロック発生器
56 切替器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラレルデータを複数の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に従って、パラレルデータをシリアルデータに変換する第1の変換手段と、
前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に従って、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する第2の変換手段と、
前記伝送線に異常が発生した場合に、前記第1の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第1の変換手段を制御すると共に、前記第2の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第2の変換手段を制御する制御手段と、
を備えたデータ伝送装置。
【請求項2】
前記第1の変換手段の変換動作に使用されるクロック信号を発生させる第1の信号発生手段と、
前記第2の変換手段の変換動作に使用されるクロック信号を発生させる第2の信号発生手段と、
を更に備え、
前記制御手段は、前記伝送線に異常が発生した場合に、更に、前記第1の信号発生手段及び第2の信号発生手段で発生させるクロック信号の周波数が前記異常発生前の周波数より高くなるように前記第1の信号発生手段及び前記第2の信号発生手段を制御する
請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデータ伝送装置と、
画像情報を示すパラレルデータであって、前記第1の変換手段でシリアルデータに変換されるパラレルデータを予め定められた画像処理を行うことにより生成する画像処理手段と、
前記第2の変換手段で変換されたパラレルデータが示す画像情報を用いて画像を形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成手段は、複数色の色材を重ね合わせて画像を形成することが可能に構成され、
前記制御手段は、更に、前記異常が発生した伝送線の数が予め定められた数を超えた場合には、前記複数色のうち予め定められた色の色材による単色画像を形成するための画像情報を示すパラレルデータが生成されるように前記画像処理手段を制御する
請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記制御手段は、更に、前記異常が発生した伝送線の数が予め定められた数を超えた場合には、前記異常発生前に生成されたパラレルデータが示す画像情報の階調数より少ない階調数の画像情報を示すパラレルデータが生成されるように前記画像処理手段を制御する
請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項6】
パラレルデータを複数の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に従って、パラレルデータをシリアルデータに変換する第1の変換手段と、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に従って、前記複数の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する第2の変換手段と、を備えたシステムに搭載されたコンピュータを、
前記伝送線に異常が発生した場合に、前記第1の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送するためのシリアルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第1の変換手段を制御すると共に、前記第2の変換手段で用いられる変換規則が前記異常が発生した伝送線以外の伝送線を介して伝送されたシリアルデータをパラレルデータに変換する変換規則に変更されるように前記第2の変換手段を制御する制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−187294(P2010−187294A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31245(P2009−31245)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】