説明

データ再生システム及びデータ再生方法

【課題】データ再生システムは、ユーザーの状態に応じてアプリケーションプログラムを選択し、入力データを変換して再生させる。
【解決手段】ユーザーは、ユーザー情報T10を予め作成して管理サーバー20に記憶させる。ユーザーがデータD1の再生を指示すると、ユーザー情報T10とユーザーの位置及びデータD1の形式に基づいて、所定のアプリケーションプログラムが選択される。データ変換手段24は、データD1を、所定のアプリケーションプログラムで再生可能な形式のデータに変換し、ユーザー端末10A,10Bに送信する。ユーザー端末10A,10Bは、受信データを再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ再生システム及びデータ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーは、例えば、文書ファイル、音楽ファイル、動画ファイル等の各種データの再生を希望する場合、所望のデータを選択して再生を指示する。これにより、そのデータの形式に予め対応付けられているアプリケーションプログラムが起動して、選択されたデータが再生される(特許文献1)。
【0003】
また、ファイルフォーマットとアプリケーションフォーマットとを特定し、ディスクに記録されているデータを再生可能なアプリケーションソフトを自動的に選択して実行させる技術も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−102453号公報
【特許文献2】特開2008−033999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の文献(特開2004−102453号公報)に記載の従来技術では、データ形式とアプリケーションプログラムとの対応関係を予め定義する必要がある。未定義のデータ形式を有するデータを再生する場合、ユーザーは、そのデータ形式に適するアプリケーションプログラムを記録媒体またはサーバー等から取得して、両者を対応付ける。もしも、適切なアプリケーションプログラムが対応付けられていない場合、そのデータの再生は不完全なものに止まるか、あるいは、全く再生することができない。
【0006】
第2の文献(特開2008−033999号公報)に記載の従来技術では、ファイルフォーマットに応じたアプリケーションプログラムを自動的に選択して再生できる。しかし、第2の従来技術は、データ形式に適したアプリケーションプログラムを選択するだけであり、ユーザーの状態・状況に応じたアプリケーションプログラムを選択してデータを再生するものではない。

最初のデータ形式とは異なるデータ形式に変換して、変換後のデータ形式に適したアプリケーションプログラムを選択するものではない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ユーザーの状態に応じた所定のアプリケーションプログラムを選択し、入力された第1データを第2データに変換して、所定のアプリケーションプログラムにより再生させるデータ再生システム及びデータ再生方法を提供することにある。本発明の他の目的は、ユーザーの状態と入力される第1データの第1形式とに基づいて所定のアプリケーションプログラムを選択し、所定のアプリケーションプログラムとは別のアプリケーションプログラムを用いて第1データを第2データに変換し、第2データを所定のアプリケーションプログラムにより再生させるデータ再生システム及びデータ再生方法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うデータ再生システムは、ユーザー毎に設定されるユーザー情報を記憶手段に記憶させて管理するユーザー情報管理手段と、ユーザー情報管理手段により管理されるユーザー情報と、入力される第1データの有する第1形式とに基づいて、複数のアプリケーションプログラムの中から所定のアプリケーションプログラムを選択する選択手段と、第1形式を有する第1データと所定のアプリケーションプログラムとが適合しない場合、第1データを、所定のアプリケーションプログラムで再生可能な第2形式を有する第2データに変換させる変換手段と、変換手段により変換された第2データを、所定のアプリケーションプログラムによって再生させる再生手段と、を備えている。
【0009】
このように構成されるデータ再生システムによれば、ユーザー情報と第1データの第1形式とに基づいて所定のアプリケーションプログラムを選択することができる。さらに、そのデータ再生システムによれば、第1データと所定のアプリケーションプログラムとが適合しない場合に、第1データを第2データに変換させて、所定のアプリケーションプログラムにより再生させることができる。つまり、データ再生システムによれば、入力される第1データを別の第2データに変換してから、所定のアプリケーションプログラムにより再生させることができる。ここで、「第1形式を有する第1データと所定のアプリケーションプログラムとが適合しない場合」とは、所定のアプリケーションプログラムが第1データを直接再生できない場合を意味する。
【0010】
第2観点では、第1観点において、記憶手段には、第1形式を示す第1形式情報と、所定のアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報と、第1データを第2データに変換するための変換処理手順を示す情報とを対応付けて構成される変換制御情報が予め記憶されており、変換手段は、第1形式と選択された所定のアプリケーションプログラムとに基づいて変換制御情報を参照することにより、第1データを第2データに変換させる。
【0011】
このように構成されるデータ再生システムによれば、変換制御情報を用いることにより、第1データを第2データに変換させることができる。例えば、第1データが音声データであり、かつ、所定のアプリケーションプログラムが文書作成用アプリケーションプログラムである場合、音声データをテキストデータに変換して、再生させる。
【0012】
第3観点では、第2観点において、変換処理手順では、所定のアプリケーションプログラムとは異なる別のアプリケーションを用いて、第1データを第2データに変換させるようになっている。
【0013】
このように構成されるデータ再生システムによれば、所定のアプリケーションプログラムとは異なる別のアプリケーションプログラムを用いて、第1データを第2データに変換させることができる。上記の例で言えば、音声を文字に変換するための音声変換用アプリケーションプログラムが「別のアプリケーションプログラム」に該当する。
【0014】
第4観点では、第3観点において、ユーザー情報は、ユーザーの位置が予め設定されている複数の区分のうちいずれの区分に該当するかを示す区分情報と、第1形式情報と、アプリケーション識別情報とを、対応付けて構成されており、選択手段は、取得されるユーザーの位置及び第1形式に基づいてユーザー情報を参照することにより、所定のアプリケーションプログラムを選択する。
【0015】
このように構成されるデータ再生システムによれば、ユーザーの位置を考慮して所定のアプリケーションプログラムを選択することができる。ユーザーの位置が含まれる区分としては、例えば、「職場」、「自宅」、「出先」等を挙げることができる。同一の第1データであっても、ユーザー位置の属する区分に応じて、選択される所定のアプリケーションプログラムは相違する可能性がある。例えば、職場では、音声データをテキストデータに変換して文書作成用アプリケーションプログラム等で再生させるが、自宅では、同一の音声データを音楽再生用アプリケーションプログラム等で再生させることができる。
【0016】
第5観点では、第4観点において、第1コンピューターと第2コンピューターとが通信ネットワークを介して双方向通信可能に接続されており、第1コンピューターは、第2コンピューターと通信するための第1通信手段と、ユーザー情報管理手段と、選択手段及び変換手段を備えており、第2コンピューターは、第1コンピューターと通信するための第2通信手段と、再生手段とを備えており、第1コンピューターは、変換手段により変換された第2データを、第1通信手段及び通信ネットワークを介して第2コンピューターに送信し、第2コンピューターは、第1コンピューターから送信される第2データを第2通信手段を介して受信し、再生手段により再生させる。
【0017】
このように構成されるデータ再生システムによれば、第1コンピューターが、第1データを第2データに変換して第2コンピューターに送信し、第2コンピューターは、受信した第2データを所定のアプリケーションプログラムによって再生する。従って、このデータ再生システムによれば、第1データから第2データへの変換と、第2データの再生とを、それぞれ別々のコンピューターで行うことができる。
【0018】
第6観点では、第4観点において、第1コンピューターは、第2コンピューターと通信するための第1通信手段と、第1データを保存するためのデータ保存手段とを備えており、第2コンピューターは、第1コンピューターと通信するための第2通信手段と、ユーザー情報管理手段と、第1コンピューター内に保存されている第1データを取得するためのデータ取得手段と、選択手段と、変換手段及び再生手段を備えており、第2コンピューターは、データ取得手段により第1コンピューターから第1データを取得し、選択手段により所定のアプリケーションプログラムを選択し、変換手段により第1データを第2データに変換し、再生手段により第2データを所定のアプリケーションプログラムによって再生させる。
【0019】
このように構成されるデータ再生システムによれば、第2コンピューターは、第1コンピューターから取得した第1データを第2データに変換して、所定のアプリケーションプログラムにより再生させることができる。つまり、本システムでは、第1データから第2データへの変換と、第2データの再生とを同一のコンピューター上で行うことができる。
【0020】
第7観点では、第1観点において、ユーザー情報は、ユーザーの視聴覚上の制限を示す視聴制限情報を含んでおり、選択手段は、視聴制限情報と、入力される第1データの有する第1形式とに基づいて、複数のアプリケーションプログラムの中から所定のアプリケーションプログラムを選択する。
【0021】
このように構成されるデータ再生システムによれば、ユーザーの視聴覚上の制限を考慮して、所定のアプリケーションプログラムを速やかに選択できる。ユーザーの視聴覚上の制限とは、ユーザーが視覚または聴覚のいずれかに障害を有することを示す情報である。
【0022】
本発明の機能や手段あるいはステップは、その全部または一部をコンピュータープログラムとして構成できる場合がある。このコンピュータープログラムは、記録媒体に固定して譲渡等することができるほかに、インターネット等の通信ネットワークを介して伝送することもできる。さらに、上述の特徴は、明示された組合せ以外に組み合わせることができ、そのような組合せも本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るデータ再生システムの全体構成を示す説明図。
【図2】ユーザー端末のブロック図。
【図3】ユーザー情報の一例を示す説明図。
【図4】ユーザー情報の他の一例を示す説明図。
【図5】ユーザー情報のさらに別の一例を示す説明図。
【図6】変換制御情報の一例を示す説明図。
【図7】本システムの全体動作を示すフローチャート。
【図8】図7中のデータ変換処理の詳細を示すフローチャート。
【図9】第2実施例に係るデータ再生システムの全体構成図。
【図10】データ再生システムの全体動作を示すフローチャート。
【図11】第3実施例に係るデータ再生システムのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、ユーザーの状態に応じた所定のアプリケーションプログラムを選択し、第1データを、所定のアプリケーションプログラムで再生可能な第2形式を有する第2データに変換させる。その第2データは、所定のアプリケーションプログラムにより再生される。クライアント−サーバーシステムに適用する場合、例えば、サーバー上でデータを変換し、ユーザー端末に送信して再生させることができる。または、サーバーはデータのみを管理し、ユーザー端末内でデータ変換と再生とを行う構成でもよい。さらには、ユーザー端末同士でデータを交換し、ユーザー端末内でデータ変換及び再生を行う構成でもよい。
【実施例1】
【0025】
図1〜図8に基づいて第1実施例を説明する。図1は、データ再生システムの全体構成を示す説明図である。データ再生システムは、例えば、少なくとも一つの管理サーバー20と、一つまたは複数のユーザー端末10A,10Bとを備える。管理サーバー20と各ユーザー端末10A,10Bとは、インターネットのような通信ネットワークCNを介して、双方向通信可能に接続されている。先に管理サーバー20の構成を説明し、次に、ユーザー端末10A,10Bの構成を説明する。なお、ユーザー端末10Aと10Bとを特に区別しない場合、ユーザー端末10と称する。
【0026】
「第1コンピューター」に該当する管理サーバー20は、例えば、マイクロプロセッサと、メモリ26と、通信手段25等のハードウェア資源と、オペレーティングシステム及び所定の各種プログラム等のソフトウェア資源とを備える。管理サーバー20のマイクロプロセッサが、メモリ26に格納されている各種プログラムを読み込んで実行することにより、後述の各機能21〜24が実現される。
【0027】
管理サーバー20は、例えば、ユーザー位置管理手段21と、ユーザー情報管理手段22と、アプリケーションプログラム選択手段23と、データ変換手段24と、通信手段25と、メモリ26とを備える。
【0028】
ユーザー位置管理手段21は、ユーザーの位置を管理するための機能である。ユーザー位置管理手段21は、種々の方法でユーザーの位置を把握し、管理することができる。例えば、一つの方法では、ユーザーがユーザー端末10を用いて管理サーバー20にアクセスし、自分の位置を設定することができる。つまり、ユーザーは、手動でユーザー位置を管理サーバー20に登録可能である。
【0029】
他の一つの方法では、GPS(Global Positioning System)またはPHS(Personal Handyphone System)のような位置情報を検出可能なシステムを用いることにより、ユーザーの位置を自動的に検出して管理する。さらに別の方法では、社員の入退室管理システムのような位置管理システムを用いて、ユーザーが職場に在席中であるか否かを検出する。
【0030】
ユーザー情報管理手段22は、ユーザー情報T10を管理する機能である。ユーザー情報管理手段22は、ユーザーがユーザー端末10を介して入力するユーザー情報T10を、メモリ26に記憶させる。ユーザー情報T10の構成例は後述する。
【0031】
アプリケーション選択手段23は、例えば、ユーザー情報T10と変換対象のデータD1の属性(データ形式)とに基づいて、予め登録されている複数のアプリケーションプログラムAPのうち所定のアプリケーションプログラムを選択する。
【0032】
データ変換手段24は、変換対象のデータD1を、所定のアプリケーションプログラムで再生可能なデータに変換させる。変換されたデータは、通信手段25を介して、ユーザー端末10に送信される。なお、変換されたデータをメモリ26に記憶した後で、ユーザー端末10に送信する構成でもよい。
【0033】
通信手段25は、通信ネットワークCNを介してユーザー端末10と通信を行うためのものである。通信手段25は、通信インターフェース回路と、通信プロトコルとを備えて構成される。通信手段25は、有線または無線のいずれか一方または両方で、ユーザー端末10と双方向通信可能である。
【0034】
「記憶手段」としてのメモリ26は、例えば、フラッシュメモリデバイスまたはハードディスクデバイス等のような一つまたは複数の記憶装置から構成される。記憶手段26は、例えば、ユーザー情報T10と、変換制御情報T20と、アプリケーション管理情報T30と、保存データD1と、アプリケーションプログラムAPとを記憶する。
【0035】
ユーザー情報T10及び変換制御情報T20については、図を改めて後述する。アプリケーション管理情報T30は、各アプリケーションプログラムAPを管理するための情報である。アプリケーション管理情報T30は、例えば、アプリケーションプログラムAPの名称、サイズ、格納先アドレス、作成者名、作成日時、更新日時、デジタル署名、互換性等についての各属性を管理する。
【0036】
保存データD1は、メモリ26に保存されているデータである。本実施例では、変換対象のデータ(第1データに該当する)がメモリ26に保存される。変換対象のデータD1は、図示の例では、ユーザー端末10Aからアップロードされて保存される。なお、記録媒体に格納されたデータを管理サーバー20が読み込んで、メモリ26に保存させる構成としてもよい。
【0037】
ユーザー端末10について説明する。本実施例では、2種類のユーザー端末10A,10Bを例示する。一方のユーザー端末10Aは、データを管理サーバー20にアップロードして保存させる機能と、管理サーバー20から受信した変換済データを再生する機能との両方を備えている。他方のユーザー端末10Bは、データ再生機能のみを有する。そこで、以下、ユーザー端末10Aの構成について説明する。
【0038】
ユーザー端末10Aのハードウェア構成は図2で後述する。ユーザー端末10Aは、例えば、通信手段11と、データ再生手段12と、アプリケーションプログラム13と、データ保存手段14と、ユーザー情報登録手段15とを備える。
【0039】
通信手段11は、通信ネットワークCNを介して、管理サーバー20と双方向通信を行うための機能である。データ再生手段12は、所定のアプリケーションプログラムを用いて、変換済データを再生させるための機能である。
【0040】
アプリケーションプログラム13としては、例えば、文書作成用ソフトウェア、作図ソフトウェア、表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用ソフトウェア、音声再生ソフトウェア(ここでは、音楽も音声に含まれる。)、動画再生ソフトウェア、静止画像再生ソフトウェア、音声を文字に変換するソフトウェア、文字を点字に変換するソフトウェア等を挙げることができる。
【0041】
説明の便宜上、管理サーバー20内のアプリケーションプログラムに符号APを付し、ユーザー端末10内のアプリケーションプログラムに符号13を付す。アプリケーションプログラムは、その使用目的に応じて3種類に分けることができる。一つは、データを作成するためのアプリケーションプログラム(データ作成用ソフトウェア)であり、他の一つは、データを再生するために使用されるアプリケーションプログラム(再生用ソフトウェア)であり、他の一つは、データを変換するために使用されるアプリケーションプログラム(変換用ソフトウェア)である。
【0042】
管理サーバー20内でデータ変換が行われるため、管理サーバー20内のアプリケーションプログラムAPは、主として、変換用ソフトウェアである。ユーザー端末10内では、変換されたデータが再生されるため、アプリケーションプログラム13は、主として、再生用ソフトウェアである。
【0043】
データ保存手段14は、アプリケーションプログラム13により作成されたデータを、通信手段11等を介して管理サーバー20にアップロードさせる機能である。ユーザー情報登録手段15は、ユーザー情報T10を作成して管理サーバー20に登録させるための機能である。
【0044】
図2は、ユーザー端末10Aのハードウェア構成を示す。ユーザー端末10Aは、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、携帯情報端末等のようなコンピューターとして構成される。ユーザー端末10Aは、例えば、マイクロプロセッサ(図中「CPU」:Central Processing Unit)110と、メモリ120と、補助記憶装置130と、通信インターフェース140と、スピーカー150と、ディスプレイ160と、キーボードスイッチ170と、マイクロフォン180とを備えており、それら110〜180はバス190に接続されている。
【0045】
メモリ120には、アプリケーションプログラム13のほかに、データ再生手段12、データ保存手段14及びユーザー情報登録手段15をそれぞれ実現するためのプログラムが格納されている。マイクロプロセッサ110は、アプリケーションプログラム13及び各プログラムを読み込んで実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0046】
補助記憶装置130は、例えば、変換前のデータD1と、変換後のデータD2とを記憶している。変換前のデータD1は、データ保存手段14により管理サーバー20にアップロードされ、管理サーバー20のメモリ26に保存される。変換済データD2は、管理サーバー20からユーザー端末10Aに送信されて、補助記憶装置130に記憶される。変換済データD2は、メモリ120に記憶されている各アプリケーションプログラム13の中から選択される所定のアプリケーションプログラム13によって再生される。
【0047】
通信インターフェース140は、図1中の通信手段11に対応する。スピーカー150及びディスプレイ160は、ユーザーに情報を伝達するための情報出力装置である。キーボードスイッチ170及びマイクロフォン180は、ユーザーがユーザー端末10Aに情報を入力するための情報入力装置である。情報出力装置及び情報入力装置は、上記のものに限らず、例えば、点字ディスプレイ、タブレット、タッチパネル等の種々の装置を使用可能である。
【0048】
図3〜図5は、ユーザー情報T10の一例を示す。ユーザー情報T10は、各ユーザー毎にそれぞれ作成されて保存される。図3に示すように、ユーザー情報T10は、例えば、視聴制限C10と、場所C11と、入力データ形式C12と、再生希望アプリケーションC13とを対応付けて管理する。
【0049】
視聴制限C10は、「視聴制限情報」に該当する。視聴制限C10は、ユーザーの視聴覚上の制限を示す情報が格納される。ユーザーが健常者の場合、視聴制限C10には「無し(制限無し)」を示す情報が設定される。図4に示すように、ユーザーが聴覚に障害を有する場合、視聴制限C10には「聴覚障害」が有ることを示す情報が設定される。図5に示すように、ユーザーが視覚に障害を有する場合、視聴制限C10には「視覚障害」が有ることを示す情報が設定される。
【0050】
場所C11は、「区分情報」に該当する。場所C11は、ユーザーの位置に応じた区分を示す情報が設定される。場所の区分としては、例えば、「職場」、「自宅」、「出先」等を挙げることができる。ユーザーは、例えば、「ホテル」、「空港」等のような新たな区分を作成することもできる。
【0051】
ユーザーがいずれの場所に属するかは、手動または自動で決定することができる。例えば、ユーザーは、実際には喫茶店内に居るにもかかわらず、ユーザー情報登録手段15を用いて、場所C11を「職場」または「自宅」に設定することができる。あるいは、ユーザーの所持する携帯電話のGPS機能等を用いて、ユーザー位置を自動的に検出し、検出された位置をユーザー端末10から管理サーバー20に送信する構成としてもよい。
【0052】
入力データ形式C12とは、変換対象データD1の形式を示し、「第1形式」に該当する。入力データ形式C12には、例えば、テキストデータ形式、動画データ形式、音声データ形式等が設定される。入力データ形式C12に設定される情報は、ユーザーが手動で変更、追加、削除することもできる。
【0053】
再生希望アプリケーションプログラムC13は、「所定のアプリケーションプログラム」に該当する。再生希望アプリケーションC13としては、例えば、上述のように、文書作成用ソフトウェア、プレゼンテーション用ソフトウェア、音声再生ソフトウェア、動画再生ソフトウェア等を挙げることができる。
【0054】
図3に示す健常者のユーザー情報T10(1)に着目すると、「職場」で「音声データ」を視聴する場合には、「テキストエディター」が選択される。例えば、会議内容を録音した音声データを職場で再生する場合、周囲に迷惑をかけないように、ユーザーは、テキストエディターを指定している。この場合、会議内容の音声データD1は管理サーバー20内で文字データD2に変換され、ユーザー端末10に送信される。
【0055】
ユーザー端末10は、メモリ120に記憶されている各アプリケーションプログラム13の中からテキストエディターを選択して起動し、会議内容の文字データD2を再生させる。これにより、ユーザーは、元々は音声データであったものを、文字データとして利用できる。
【0056】
図4に示す聴覚障害者のユーザー情報T10(2)に着目すると、場所C12を問わずに、動画データは画像プレイヤーP1及びテキストエディターにより再生されるようになっており、音声データはテキストエディターにより再生されるようになっている。聴覚に障害を有するため、音声部分は文字データに変換される。画像部分は画像データのままで再生される。
【0057】
図5に示す視覚障害者のユーザー情報T10(3)に着目すると、基本的に、文字データは音声プレイヤーA1により再生される。「自宅」の場合、文字データは、音声プレイヤーA1及び点字アプリケーションの両方で再生される。点字アプリケーションとは、文字データを点字として点字ディスプレイに表示させるものである。
【0058】
なお、図3〜図5の「出先」に対応付けられているアプリケーションプログラムは、「職場」または「自宅」に対応付けられているアプリケーションプログラムと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0059】
例えば、画像プレイヤーP1は、「職場」または「自宅」で動画を再生する場合に選択される。他の画像プレイヤーP2は、「出先」で動画を再生する場合に選択される。「職場」または「自宅」で使用されるユーザー端末10は、パーソナルコンピューターであることが多いが、「出先」で使用されるユーザー端末は、携帯電話または携帯情報端末のような、パーソナルコンピューターよりもデータ処理能力の低い装置である可能性がある。本実施例では、ユーザーは、ユーザー端末10の能力に応じてアプリケーションプログラムを選択できるようになっている。
【0060】
図6は、変換制御情報T20の構成例を示す。変換制御情報T20は、入力データD1を、所定のアプリケーションプログラム13で再生可能なデータD2に変換させるための処理手順を管理する情報である。
【0061】
変換制御情報T20は、例えば、入力データ形式C20と、再生希望アプリケーションC21と、変換手順C22とを対応付けて管理する。入力データ形式C20は、図3〜図5で述べた入力データ形式C10と同様に、変換対象データの形式を示す。再生希望アプリケーションC21は、図3〜図5で述べた再生希望アプリケーションC13と同様に、データの再生に使用するアプリケーションプログラムを示す。
【0062】
変換手順C22は、変換対象のデータを所望のアプリケーションプログラムで再生可能なデータに変換するための処理手順を示す。例えば、文字データを音声プレイヤーA1,A2で再生する場合、その文字データを、文字データを音声データに変換するためのソフトウェアに入力して、音声データに変換させる。また、例えば、音声データを点字アプリケーションプログラムで再生させる場合、音声データを文字データに変換させるためのソフトウェアを用いて、音声データを文字データに変換させる。
【0063】
図7,図8に基づいてデータ再生システムの全体動作を説明する。ここでは、一方のユーザー端末10Aでデータを作成して管理サーバー20にアップロードし、そのデータをユーザー端末10Bがダウンロードして再生する場合を説明する。
【0064】
ユーザー端末10Aでは、ユーザーの指示によって、アプリケーションプログラム13が起動される(S10)。ここでは、会議内容を録音するためのアプリケーションプログラム13が起動されたものとする。アプリケーションプログラム13は、会議内容の音声データを作成する(S11)。ユーザー端末10Aは、作成された音声データを管理サーバー20に送信して、保存を要求する(S12)。
【0065】
管理サーバー20は、ユーザー端末10Aから音声データを受信すると(S13)、メモリ26に保存する(S14)。
【0066】
他のユーザーは、他のユーザー端末10Bを用いて管理サーバー20にアクセスし、自分のユーザー情報T10を作成する(S20)。管理サーバー20は、作成されたユーザー情報T10を保存する(S21)。
【0067】
その後、他のユーザーは、管理サーバー20にアクセスして、所望のデータの再生を要求する(S30)。管理サーバー20は、ユーザー端末10Bの位置を取得し(S31)、データ変換処理を実行する(S32)。データ変換処理の詳細は、図8で述べる。管理サーバー20は、変換されたデータ(例えば、文字データ)を、ユーザー端末10Bに送信する(S33)。
【0068】
ユーザー端末10Bは、変換済データを受信し、所定のアプリケーションプログラムで再生させる(S34)。なお、ユーザーは、自分のユーザー情報T10を作成できるだけでなく、他のユーザーのユーザー情報T10を作成して管理サーバー20に登録することもできる。
【0069】
図8は、図7中にS32で示されるデータ変換処理の一例である。管理サーバー20は、入力データの形式、つまり、変換対象データの形式を特定し(S40)、データ再生を希望するユーザーに対応付けられているユーザー情報T10を参照する(S41)。
【0070】
管理サーバー20は、S31で取得したユーザーの位置の属する場所C11と、S40で特定される入力データ形式C12とに基づいて、ユーザーが再生を希望するアプリケーションプログラムC13を特定する(S42)。
【0071】
管理サーバー20は、変換制御情報T20を参照し(S43)、変換の必要があるか否かを判定する(S44)。例えば、音声データを音声プレイヤーで再生させる場合は、音声データを他の形式のデータに変換する必要はない。これに対し、音声データをテキストエディターで再生させる場合は、その音声データを、テキストエディターで使用可能な形式のデータに変換させる必要がある。
【0072】
データ変換が必要な場合(S44:YES)、管理サーバー20は、変換制御情報T20の変換手順C22に基づいて、入力データ(ここでは音声データ)を所定形式の他のデータ(ここでは文字データ)に変換させる(S45)。その変換には、音声データを文字データに変換させるためのアプリケーションプログラムが用いられる。変換が必要ない場合(S44:YES)、S45をスキップして終了する。
【0073】
このように構成される本実施例によれば、ユーザーの状態に応じて所定のアプリケーションプログラムを選択し、所定のアプリケーションプログラムが使用可能な形式のデータに変換して再生させることができる。本実施例では、ユーザーが、データの再生時に、アプリケーションプログラムを手動で選択する必要がなく、所望のアプリケーションプログラムで再生するための変換処理を手動で操作する手間もかからない。従って、本実施例では、ユーザーの状態に応じて所定のアプリケーションプログラムを自動的に選択し、必要に応じてデータを自動的に変換し、所定のアプリケーションプログラムで自動再生させることができ、ユーザーの使い勝手が向上する。
【0074】
本実施例では、ユーザーの属する場所に応じて、入力データの形式毎に、再生用のアプリケーションプログラム(所定のアプリケーションプログラム)を予め設定できるため、ユーザーの状況に適したアプリケーションプログラムを自動的に選択し、データを変換して再生させることができる。
【0075】
本実施例では、管理サーバー20が、ユーザー情報T10を管理し、変換対象のデータを保存し、変換対象データをユーザー情報T10等に基づいて変換する。ユーザー端末10は、変換済データを受信して再生する。従って、ユーザー端末10の処理負荷を少なくすることができ、携帯電話等の処理能力が相対的に低いユーザー端末10を用いて、本システムを利用できる。
【0076】
本実施例では、ユーザーの属する場所に応じて、所定のアプリケーションプログラムを違えることができる。例えば、比較的処理能力の高いユーザー端末10が使用される「職場」または「自宅」では、メモリ消費量及びプロセッサ使用率が相対的に高いアプリケーションプログラムを使用できる。また、比較的処理能力の低いユーザー端末10が使用される「出先」では、メモリ消費量及びプロセッサ使用率が相対的に低いアプリケーションプログラムを使用できる。
【0077】
なお、変換済データを管理サーバー20内のアプリケーションプログラムAPで実行し、その実行結果をユーザー端末10に送信し、ユーザー端末は、その実行結果をウェブブラウザに表示させる構成としてもよい。この場合、ユーザー端末10は、アプリケーションプログラム13を有する必要はなく、ウェブブラウザを備えていればよい。
【実施例2】
【0078】
図9,図10に基づいて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に該当する。従って、以下の各実施例では、第1実施例との相違点を中心に説明する。本実施例では、ユーザー端末10が、ユーザー情報T10の管理、データの保存、データの変換及びデータの再生を行うようになっている。
【0079】
図9は、本実施例によるデータ再生システムの全体構成図である。本実施例の管理サーバー20は、ユーザー端末10から受信したデータD1を保存し、ユーザー端末10からの要求に応じて配信する。本実施例の管理サーバー20は、ユーザー情報T10を管理する機能、アプリケーションプログラムを選択する機能、データを変換する機能を有していない。それらの機能は、ユーザー端末10Aに移されている。ユーザー端末10Bでもよいが、ユーザー端末10Aに代表させて説明する。
【0080】
ユーザー端末10Aは、例えば、通信手段101と、ユーザー情報登録手段102と、ユーザー情報管理手段103と、データ取得手段104と、アプリケーション選択手段105と、データ変換手段106と、データ再生手段107と、データ保存手段108と、メモリ及び補助記憶装置120,130(以下、メモリ等120,130)とを備えて構成される。
【0081】
通信手段101は、通信インターフェース140または通信手段11と同様に、通信ネットワークCNを介して管理サーバー20と双方向通信するためのものである。
【0082】
ユーザー情報登録手段102は、ユーザー情報T10を作成して登録させるための機能である。ユーザー情報管理手段103は、メモリ等120,130内に保存されるユーザー情報T10を管理するための機能である。
【0083】
データ取得手段104は、管理サーバー20からデータD1を受信し、メモリ等120,130内に記憶させる機能である。アプリケーション選択手段105は、ユーザー情報T10とデータD1の形式及びユーザーの属する場所に応じて、適切なアプリケーションプログラム13を選択する。
【0084】
データ変換手段106は、選択されたアプリケーションプログラム13で再生できるように、データD1を所定形式のデータに変換させる機能である。データ再生手段107は、変換されたデータを、選択されたアプリケーションプログラム13によって再生させるための機能である。データ保存手段108は、アプリケーションプログラム13を用いてデータD1を作成し、管理サーバー20にアップロードする機能である。
【0085】
メモリ等120,130には、ユーザー情報T10と、データD1と、変換制御情報T20と、アプリケーション管理情報T30と、複数のアプリケーションプログラム13とが記憶されている。なお、ユーザー端末10Bも、ユーザー端末10Aと同様の構成を備えている。
【0086】
図10は、本実施例によるデータ再生システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、便宜上、ユーザー端末10Aが、ユーザー端末10Bにより作成されたデータを管理サーバー20から取得し、そのデータを必要に応じて変換し、選択された所定のアプリケーションプログラム13で再生させる場合を例に挙げる。
【0087】
ユーザー端末10Bは、例えば、会議の内容を録音するために録音用アプリケーションプログラムを起動し(S60)、データ(例えば音声データ)を作成する(S61)。作成されたデータは、管理サーバー20に送信される(S62)。
【0088】
管理サーバー20は、ユーザー端末10Bからデータを受信し(S63)、メモリ26に保存する(S64)。
【0089】
一方、ユーザー端末10Aでは、ユーザーの指示に応じてユーザー情報T10が作成され、メモリ等120,130に保存される(S70)。ユーザーがユーザー端末10Aにデータの再生を指示すると(S71)、ユーザー端末10Aは、管理サーバー20にデータの送信を要求し、管理サーバー20からデータを取得する(S72,S73)。
【0090】
ユーザー端末10Aは、図8で述べたデータ変換処理を実行し(S74)、変換されたデータを所定のアプリケーションプログラム13により再生させる(S75)。
【0091】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、ユーザー端末10内で、ユーザー情報T10を管理するため、ユーザー端末10の外部にユーザー情報T10を送信する必要がなく、視聴覚上の障害の有無等が知られる可能性を低減し、プライバシーを守ることができる。
【実施例3】
【0092】
図11を参照して第3実施例を説明する。図11は、本実施例によるデータ再生システムの動作を示すフローチャートである。本実施例では、管理サーバー20を介さずに、ユーザー端末10間でデータを直接交換する。
【0093】
例えば、ユーザー端末10Bは、アプリケーションプログラムを起動して(S80)、データを作成し(S81)、メモリ等120,130に保存する(S82)。
【0094】
ユーザー端末10Aでは、ユーザーの指示に応じてユーザー情報T10が作成され、ユーザー端末10A内のメモリ等120,130に保存される(S90)。ユーザーがデータの再生を指示すると(S91)、ユーザー端末10Aはユーザー端末10Bにデータの送信を要求し(S92)、それに応えて、ユーザー端末10Bは、S82で保存されたデータをユーザー端末10Aに送信する(S83)。
【0095】
ユーザー端末10Aは、受信したデータについて、図8で述べたデータ変換処理を行い(S93)、変換されたデータを所定のアプリケーションプログラムにより再生させる(S94)。
【0096】
このように構成される本実施例も第1実施例及び第2実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、管理サーバー20を介さずに、ユーザー端末10間でデータを直接やり取りする構成のため、システム構成を簡素化することができる。
【0097】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。音声データを文字データに変換する場合を例に挙げて説明したが、それに限らず、文字データを音声データに変換したり、文字データを点字データに変換することもできる。
【0098】
また、視聴覚上の障害の種類に応じて予め変換ポリシーを定義しておき、変換ポリシーに従って所定のアプリケーションプログラムを自動的に選択する構成としてもよい。例えば、視覚障害のユーザーの場合、文字データ(または動画データ等に含まれる文字データ)は音声データに変換し、その他の形式のデータは初期設定のアプリケーションプログラムをそのまま使用するという変換ポリシーを予め設定しておけば、各入力データ形式毎にアプリケーションプログラムを設定する必要がなく、ユーザーの利便性が高まる。
【符号の説明】
【0099】
10,10A,10B: ユーザー端末、11:通信手段、12:データ再生手段、13:アプリケーションプログラム、14:データ保存手段、15:ユーザー情報登録手段、20:管理サーバー、21:ユーザー位置管理手段、22:ユーザー情報管理手段、23:アプリケーションプログラム選択手段、24:データ変換手段、25:通信手段、26:メモリ、101:通信手段、102:ユーザー情報登録手段、103:ユーザー情報管理手段、104:データ取得手段、105:アプリケーション選択手段、106:データ変換手段、107:データ再生手段、108:データ保存手段、T10:ユーザー情報、T20:変換制御情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを再生するためのシステムであって、
ユーザー毎に設定されるユーザー情報を記憶手段に記憶させて管理するユーザー情報管理手段と、
前記ユーザー情報管理手段により管理される前記ユーザー情報と、入力される第1データの有する第1形式とに基づいて、複数のアプリケーションプログラムの中から所定のアプリケーションプログラムを選択する選択手段と、
前記第1形式を有する前記第1データと前記所定のアプリケーションプログラムとが適合しない場合、前記第1データを、前記所定のアプリケーションプログラムで再生可能な第2形式を有する第2データに変換させる変換手段と、
前記変換手段により変換された前記第2データを、前記所定のアプリケーションプログラムによって再生させる再生手段と、
を備えるデータ再生システム。

【請求項2】
前記記憶手段には、前記第1形式を示す前記第1形式情報と、前記所定のアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーション識別情報と、前記第1データを前記第2データに変換するための変換処理手順を示す情報とを対応付けて構成される変換制御情報が予め記憶されており、
前記変換手段は、前記第1形式と選択された前記所定のアプリケーションプログラムとに基づいて前記変換制御情報を参照することにより、前記第1データを前記第2データに変換させる、請求項1に記載のデータ再生システム。

【請求項3】
前記変換処理手順では、前記所定のアプリケーションプログラムとは異なる別のアプリケーションを用いて、前記第1データを前記第2データに変換させるようになっている、請求項2に記載のデータ再生システム。

【請求項4】
前記ユーザー情報は、ユーザーの位置が予め設定されている複数の区分のうちいずれの区分に該当するかを示す区分情報と、前記第1形式情報と、前記アプリケーション識別情報とを、対応付けて構成されており、
前記選択手段は、取得される前記ユーザーの位置及び前記第1形式に基づいて前記ユーザー情報を参照することにより、前記所定のアプリケーションプログラムを選択する、請求項3に記載のデータ再生システム。

【請求項5】
第1コンピューターと第2コンピューターとが通信ネットワークを介して双方向通信可能に接続されており、
前記第1コンピューターは、前記第2コンピューターと通信するための第1通信手段と、前記ユーザー情報管理手段と、前記選択手段及び前記変換手段を備えており、
前記第2コンピューターは、前記第1コンピューターと通信するための第2通信手段と、前記再生手段とを備えており、
前記第1コンピューターは、前記変換手段により変換された前記第2データを、前記第1通信手段及び前記通信ネットワークを介して前記第2コンピューターに送信し、
前記第2コンピューターは、前記第1コンピューターから送信される前記第2データを前記第2通信手段を介して受信し、前記再生手段により再生させる、請求項4に記載のデータ再生システム。

【請求項6】
前記第1コンピューターは、前記第2コンピューターと通信するための第1通信手段と、前記第1データを保存するためのデータ保存手段とを備えており、
前記第2コンピューターは、前記第1コンピューターと通信するための第2通信手段と、前記ユーザー情報管理手段と、前記第1コンピューター内に保存されている前記第1データを取得するためのデータ取得手段と、前記選択手段と、前記変換手段及び前記再生手段を備えており、
前記第2コンピューターは、
前記データ取得手段により前記第1コンピューターから前記第1データを取得し、
前記前記選択手段により所定のアプリケーションプログラムを選択し、
前記変換手段により前記第1データを前記第2データに変換し、
前記再生手段により前記第2データを前記所定のアプリケーションプログラムによって再生させる、
請求項4に記載のデータ再生システム。

【請求項7】
前記ユーザー情報は、ユーザーの視聴覚上の制限を示す視聴制限情報を含んでおり、
前記選択手段は、前記視聴制限情報と、入力される前記第1データの有する前記第1形式とに基づいて、前記複数のアプリケーションプログラムの中から前記所定のアプリケーションプログラムを選択する、請求項1に記載のデータ再生システム。

【請求項8】
コンピューターによってデータを再生するための方法であって、
ユーザー毎に設定されるユーザー情報を記憶手段に記憶させて管理し、
前記ユーザー情報と、入力される第1データの有する第1形式とに基づいて、複数のアプリケーションプログラムの中から所定のアプリケーションプログラムを選択し、
前記第1形式を有する前記第1データと前記所定のアプリケーションプログラムとが適合するか否かを判定し、
前記第1データと前記所定のアプリケーションプログラムとが適合する場合には、前記第1データを前記所定のアプリケーションプログラムによって再生し、
前記第1データと前記所定のアプリケーションプログラムとが適合しない場合には、前記第1データを、前記所定のアプリケーションプログラムで再生可能な第2形式を有する第2データに変換し、
変換された前記第2データを、前記所定のアプリケーションプログラムによって再生させる、
データ再生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−22883(P2011−22883A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168566(P2009−168566)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】