説明

データ処理方法、リーダライタ及び携帯端末

【課題】携帯端末をキャリアオンすることによって処理を開始した後、一旦、携帯端末をキャリアオフしても処理を中断させず、再びキャリアオンすることでその処理を継続する処理を行なうのに好適なデータ処理方法を提供する。
【解決手段】短距離無線通信インタフェースによって通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDをリーダライタが認識し、認識した携帯端末にリーダライタがプログラム処理を要求する要求し、一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を条件としてリーダライタが携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う(232,233,234)。端末IDの照合一致を条件に中断処理を再開するための通信を再確立するから、キャリアオフのとき他の携帯端末がリーダライタに割り込んでも中断された処理の継続を保証することが容易である。リーダライタは携帯端末によるプログラム処理の実行段階を処理ステートで管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短距離無線通信インタフェースを有する携帯端末とリーダライタとの間で行うデータ処理方法、そして当該データ処理方法に好適な携帯端末及びリーダライタに関し、例えばネットワークに接続するリーダライタを介する音楽配信やチケット予約などのデータ処理に適用に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
短距離無線通信インタフェースの1つとしてNFC(Near Field Communication)と称する短距離無線通信規格があり、ISO/IEC IS 18092として国際標準になっている。これは、13.56MHzの電波を使い、10cm程度のごく近距離で100〜400kbpsの双方向通信を可能とするものであり、非接触式ICカード、携帯電話やPDA(Personal Data Assistant)などの携帯端末に広く適用されている。
【0003】
前記短距離無線通信インタフェースは、物品購入に対する決済や、交通機関の自動改札業務などに用いられる。前者の決済処理は1つのリーダライタとの間で完了する。後者の自動改札では、一のリーダライタとの間で入札の処理を完了し、他のリーダライタとの間で出札の処理を完了する。出札処理では入札処理で携帯端末に記録された情報を用いる。前記決済処理、入札処理、出札処理の夫々が行われるときには、携帯端末はリーダライタの通信圏内になければならず、途中で圏外に出たときは処理が中止され、最初から処理をやり直すことが必要になる。いずれにしても、1つのリーダライタの通信圏内に携帯端末を置いてデータ処理が行われるとき、持ち主が携帯端末を操作してそのデータ処理に関与することは行われていない。
【0004】
前記短距離無線通信を用いるデータ処理システムとして例えば特許文献1に記載されたものは、ICカードを外部のリーダライタにかざすことで、ICカードが無線インタフェースを通じてリーダライタと通信を始め、このとき、ICカードはその内部状態の変化をホストデバイスなどに与え、ホストデバイスが特定のアプリケーションの起動を制御したり電源制御を行ったりすることについて記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−141477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、前記短距離無線通信を用いるデータ処理において一つのアプリケーションに着目したとき、携帯端末をリーダライタの通信圏内に置く(キャリアオン)ことによって処理を開始した後、一旦、携帯端末をリーダライタの通信圏外に出す(キャリアオフ)ことによって処理を中断させず、再びキャリアオンすることでその処理を継続することについて検討した。例えば音楽配信ネットワークに接続されたリーダライタを用いて所望の音楽をダウンロードする場合、最初のキャリアオンで音楽配信会社との間のユーザ認証のようなセキュアな認証を行ってメニュープログラムを携帯端末にダウンロードし、その後、キャリアオフした状態でメニュー操作を行い、再度キャリアオンして選択曲目等をリーダライタから音楽配信会社に送信して所望の楽曲をダウンロードし、最後に決済を完了する、とういような処理である。しかしながら、そのような処理を考慮した技術について特許文献1に代表される従来技術にはみあたらなかった。本発明者の検討によれば、そのようなキャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する方法は、処理途中のキャリアオフのときに当該リーダライタは他の携帯端末との間で別の処理を開始することが可能であるから、中断された処理の継続にはその点を考慮することが必要である。更に、処理が複雑な場合には中断された処理と継続する処理との間の整合性を採る仕組みが必要になる。また、中断期間が長過ぎる場合には、一つのリーダライタが多くのアプリケーション処理を制御しなければならなくなり、コンピュータリソースの規模が不所望に増大してしまう。
【0007】
本発明の目的は、携帯端末をキャリアオンすることによって処理を開始した後、一旦、携帯端末をキャリアオフしても処理を中断させず、再びキャリアオンすることでその処理を継続する処理を行なうのに好適なデータ処理方法を提供することにある。
【0008】
本発明の更に具体的な目的は、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する場合に処理途中のキャリアオフのときリーダライタが他の携帯端末との間で別の処理を開始しても中断された処理の継続を保証することが容易なデータ処理方法を提供することにある。
【0009】
本発明の更に別の具体的な目的は、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する処理が複雑な場合に中断された処理と継続する処理との間の整合性を容易に採ることができるデータ処理方法を提供することにある。
【0010】
本発明の更に別の具体的な目的は、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する場合に処理の中断を許容することがコンピュータリソースの規模を不所望に増大させることのないデータ処理方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に別の具体的な目的は、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する場合に処理の中断期間に携帯端末でデータが改竄される虞を未然に防止することができるデータ処理方法を提供することにある。
【0012】
本発明の別の目的は上記データ処理方法に好適な携帯端末を提供することにある。
【0013】
本発明の更に別の目的は上記データ処理方法に好適なリーダライタを提供することにある。
【0014】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0016】
すなわち、本発明に係るデータ処理方法は、短距離無線通信インタフェースによって通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDをリーダライタが認識し、認識した携帯端末にリーダライタがプログラム処理を要求する要求し、一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を第1の条件として前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う。端末IDの照合一致を条件に中断処理を再開するための通信を再確立するから、キャリアオフのとき他の携帯端末がリーダライタに割り込んでも中断された処理の継続を保証することが容易である。
【0017】
前記リーダライタは前記携帯端末によるプログラム処理の実行段階を処理ステートの値で管理し、前記再開処理において、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを条件として通信を再確立する制御を行う。キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する処理が複雑な場合に中断された処理と継続する処理との間の整合性を容易に採ることができる。処理が複雑でなくても、処理ステートを管理することにより、初めて通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのか、処理途中で再度通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのかを容易に区別することができる。
【0018】
前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき、リーダライタは認識した端末IDを破棄するタイムアウト処理を行なう。これにより、コンピュータリソースの規模を不所望に増大させることを要せず、また、キャリアオフ中に携帯端末でデータが改竄される虞を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0020】
すなわち、携帯端末をキャリアオンすることによって処理を開始した後、一旦、携帯端末をキャリアオフしても処理を中断させず、再びキャリアオンすることでその処理を継続する処理を行なうのに好適なデータ処理方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はリーダライタと携帯端末との間の短距離無線通信を用いるデータ処理方法の手順を概略的に例示するフローチャートである。
【図2】図2はNFCによる短距離無線通信インタフェースを用いるデータ処理システムの構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は図1のデータ処理過程にけるリーダライタと一つの携帯端末との配置関係を例示する説明図である。
【図4】図4は処理ステート1の処理におけるリーダライタ2、短距離無線通信制御チップ3、及びホストデバイス4の制御をそれぞれ関連付けて示したフローチャートである。
【図5】図5は処理ステートNの処理におけるリーダライタ2、短距離無線通信制御チップ3、及びホストデバイス4の制御をそれぞれ関連付けて示したフローチャートである。
【図6】図6はNFCCHPにおけるEEPROM、ROM及びRAMの記憶情報を例示する説明図である。
【図7A】図7Aは図2のデータ処理システムを用いて例えばプリペイド型の電子マネーを購入するときにおける非接触通信を開始するための設定を行う処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図7B】図7Bは図2のデータ処理システムを用いて例えばプリペイド型の電子マネーを購入するときにおける非接触通信によってメニューダウンロードを行うときの処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図7C】図7Cは図2のデータ処理システムを用いて例えばプリペイド型の電子マネーを購入するときにおける非接触通信でダウンロードしたメニューから選択を行う処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図7D】図7Aは図2のデータ処理システムを用いて例えばプリペイド型の電子マネーを購入するときにおける選択項目に関する決済を行う処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図8A】図8Aは電子マネーを利用して音楽データをダウンロードするためのメニューを非接触通信でダウンロードするときの処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図8B】図8Bは電子マネーを利用して音楽データをダウンロードするためのメニューを用いて項目選択を行うときの処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図8C】図8Cは電子マネーを利用して音楽データをダウンロードして決済を行うときの処理動作を模式的に示す動作説明図である。
【図8D】図8Dはダウンロードした極を再生する場合を模式的に示す動作説明図である。
【図9】図9は通信途中で携帯端末がリーダライタの通信圏外に出たときの動作を模式的に示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0023】
〔1〕<端末ID>本発明に係るデータ処理方法は、短距離無線通信インタフェースを有する携帯端末(1)と、前記携帯端末との間で双方向通信を行うリーダライタ(2)と、を用いてプログラム処理を行なうデータ処理方法であって、通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDを前記リーダライタが認識する認識処理(214,215)と、認識した携帯端末にリーダライタがプログラム処理を要求する要求処理(218)と、一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を第1の条件として前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う再開処理(232,234)と、を含む。端末IDの照合一致を条件に中断処理を再開するための通信を再確立するから、キャリアオフのとき他の携帯端末がリーダライタに割り込んでも中断された処理の継続を保証することが容易である。
【0024】
〔2〕<処理ステート>項1のデータ処理方法において、前記リーダライタは前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し(217,221,239)、前記再開処理において、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2条件として、前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う(233,234)。これにより、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する処理が複雑な場合に中断された処理と継続する処理との間の整合性を容易に採ることができる。処理が複雑でなくても、処理ステートを管理することにより、初めて通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのか、処理途中で再度通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのかを容易に区別することができる。
【0025】
〔3〕<タイムアウト処理>項1のデータ処理方法はさらに、前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき、リーダライタは認識した端末IDを破棄するタイムアウト処理(235,241)を含む。これにより、コンピュータリソースの規模を不所望に増大させることを要せず、また、キャリアオフ中に携帯端末でデータが改竄される虞を未然に防止することができる。
【0026】
〔4〕<端末ID>本発明の更に具体的な観点によるデータ処理方法は、短距離無線通信インタフェースを有する携帯端末と、前記携帯端末との間で双方向通信を行うリーダライタと、を用いてプログラム処理を行なう方法であって、通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDを前記リーダライタが認識する認識処理と、前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末にプログラムを送信するプログラム送信処理と、前記リーダライタが携帯端末にコマンドを送信するコマンド送信処理と、受信したコマンドに従って前記携帯端末が前記プログラムを実行した結果を前記リーダライタが受信する実行結果受信処理と、一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を第1の条件として前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う再開処理と、を含む。
【0027】
〔5〕<処理ステート>項4のデータ処理方法において、前記リーダライタは前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、前記再開処理において、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2の条件として、前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う。
【0028】
〔6〕<タイムアウト処理>項4のデータ処理方法は更に、前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき当該端末IDを破棄するための前記一定時間を計測するタイムアウト処理を含む。
【0029】
〔7〕項6のデータ処理方法において、前記コマンド送信処理が完了した後に前記リーダライタが前記タイムアウト処理を開始し、前記一定時間が経過する前に前記実行結果受信処理が開始されたとき前記タイムアウト処理を中止する。
【0030】
〔8〕項4のデータ処理方法において、前記リーダライタはネットワークを介して音楽配信を行い、前記携帯端末は前記リーダライタから楽音情報をダウンロードするPDAである。
【0031】
〔9〕項4のデータ処理方法において、前記リーダライタはネットワークを介して有価証券又は物品の購入受付を行い、前記携帯端末は前記リーダライタを介して有価証券又は物品の購入申し込みを行うPDAである。
【0032】
〔10〕本発明に係る携帯端末は、リーダライタとの間で双方向通信を行う短距離無線通信デバイス(3)と、前記短距離無線通信デバイスに接続されたホストデバイス(4)とを有する。前記短距離無線通信デバイスは、前記リーダライタとの間の通信不能状態が通信可能状態に遷移したとき固有の端末IDを出力し(351)、前記端末IDの出力に応答して前記リーダライタからプログラムが送信されてきたときはメモリに格納し(337,423)、前記端末IDの出力に応答して前記リーダライタからコマンドが送信されてきたときは当該コマンドを前記ホストデバイスに与える(364)。前記ホストデバイスは与えられたコマンドに従って前記メモリのプログラムを実行して実行結果を前記短距離無線通信デバイスに与える(433)。前記短距離無線通信デバイスは、プログラムの実行結果を前記リーダライタに送信する(359)。携帯端末でプログラムをダウンロードしてからリーダライタとの通信圏外で当該プログラムを実行しても、その結果をリーダライタに返すために再度リーダライタとの通信圏内に入ったとき固有の端末IDを出力するから、リーダライタ側でその端末IDを用いることによって、他の携帯端末による処理と区別でき、中断された処理の継続を容易に保証することができる。
【0033】
〔11〕項10の携帯端末において、前記短距離無線通信デバイスは前記コマンドによるプログラムの実行段階に対応する処理ステートを管理する。前記短距離無線通信デバイスが前記端末IDを出力したときこれに応答してリーダライタから処理ステートの値が返されたとき(353)、前記短距離無線通信デバイスが管理する処理ステートの値に一致する値が前記リーダライタから通知されることを条件として、前記短距離無線通信デバイスは前記コマンドを前記ホストデバイスに与える(354,355,356)。キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する処理が複雑な場合に中断された処理と継続する処理との間の整合性を携帯端末側において容易に採ることができる。
【0034】
〔12〕項11の携帯端末において、前記短距離無線通信デバイスが前記端末IDの出力に応答してリーダライタから処理ステートの値が返されたとき(353)、前記短距離無線通信デバイスが管理する処理ステートの値に一致する値が前記リーダライタから通知されなかったとき、前記短距離無線通信デバイスは前記ホストデバイスに前記プログラムを廃棄させる(354,355,363,435)。これにより、中断された処理を継続する必要にない場合に不要なプログラムによってリソースが無駄に費やされることはない。
【0035】
〔13〕項10の携帯端末において、前記携帯端末は前記リーダライタから楽音情報をダウンロードするPDAである。
【0036】
〔14〕項10の携帯端末において、前記携帯端末は前記リーダライタを介して有価証券又は物品の購入申し込みを行うPDAである。
【0037】
〔15〕項10の携帯端末は更、バッテリ電源回路(8)を有する。前記短距離無線通信デバイスは、前記リーダライタから与えられる搬送波を整流して第1の内部電源電圧を生成する整流回路と、前記バッテリ電源から与えられるバッテリ電源を受けて第2の内部電源電圧を生成するレギュレータとを有する。前記短距離無線通信デバイスは、前記第1の内部電源電圧と前記第2の内部電源電圧を動作電源として利用する。リーダライタの通信圏外でも前記短距離無線通信デバイスはバッテリ電源を用いて動作することができる。
【0038】
〔16〕本発明に係るリーダライタは、携帯端末との間で双方向通信を行うものであって、通信可能な範囲の携帯端末が出力する端末IDを始めて認識したとき(214)、当該端末IDを保持する(215)と共に、当該端末IDの携帯端末にプログラムを送信し(218)、プログラムを送信した後、携帯端末に前記プログラムを実行させるコマンドを送信し(234)、プログラムの実行結果を前記携帯端末から受信し(237)、一旦通信不能になった前記携帯端末との間で端末IDの照合が一致することを第1の条件として前記携帯端末との間で通信を再確立する(232,234)。これにより、携帯端末から初めに供給される端末IDを保持し、保持した端末IDと処理を再開するとき通知された端末IDとを照合することによって、他の携帯端末による処理と区別でき、中断された処理の継続を容易に保証することができる。
【0039】
〔17〕項16のリーダライタは、前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し(217,221,239)、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2の条件として前記携帯端末との間で通信を再確立する(233,234)。これにより、中断された処理と継続する処理との間の整合性を容易に採ることができる。初めて通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのか、処理途中で再度通信圏内に入った携帯端末の端末IDなのかを容易に区別することができる。
【0040】
〔18〕項16のリーダライタは、前記認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき前記認識した端末IDを破棄するための前記一定時間を計測するタイムアウト処理を行なう。リーダライタのコンピュータリソースを不所望に増大させることを要せず、また、キャリアオフ中に携帯端末でデータが改竄される虞を未然に防止することができる。
【0041】
〔19〕項18のリーダライタにおいて、前記コマンドの送信処理を完了した後に前記タイムアウト処理を開始し、前記一定時間の経過前に前記コマンドによるプログラムの実行結果を受信したとき、前記タイムアウト処理を中止する。
【0042】
〔20〕項16のリーダライタはネットワークを介して携帯端末に音楽配信を行うものである。
【0043】
〔21〕項16のリーダライタはネットワークを介して前記携帯端末から有価証券又は物品の購入受付を行うものである。
【0044】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。最初にシステム構成を説明してから、短距離無線通信インタフェース制御の詳細について順次説明する。
【0045】
《システム構成》
図2にはNFCによる短距離無線通信インタフェースを用いるデータ処理システムの構成が例示される。1は携帯端末としてのPDA、2はリーダライタ装置(本明細書においては単にリーダライトと記す)である。PDA1は、短距離無線通信制御用のデバイスである短距離無線通信制御チップ(NFCCHP)3、ホストデバイス(HST)4、ディスプレイ(DISP)5、入力回路(INDEV)6、アンテナ7、バッテリ電源回路(BTRY)8、及び音声出力インタフェース(MUSIF)9を備える。
【0046】
ホストデバイス(HST)4は、ディスプレイコントローラ(DISPC)400、プログラムを実行するプロセッサコア(MCU)401、プログラムやデータを格納するRAM402、周辺デバイスコントローラ(PRPHC)405、接触通信インタフェース404または入力回路6から受信したデジタル音声データをアナログ音声データへ変換する音声処理回路(MUSP)406、変換されたアナログ音声データを出力する音声出力インタフェース9、短距離無線通信制御チップ3に信号線で端子を介して接続する接触インタフェース回路(CNTCTIF)404、バッテリ電源回路8から電源配線を介して動作電源電圧VDDを受ける接触電源端子(CNTCTPW)403、およびバス407を有し、単一の半導体集積回路チップで構成され、又は実装基板に複数個の半導体チップを実装して構成される。ディスプレイ5はディスプレイコントローラ400によって表示駆動制御される。入力回路6はキー入力回路やタッチパッド等で構成され、それによる入力データは周辺デバイスコントローラ405で認識されてプロセッサコア401等に渡される。ホストデバイス4、ディスプレイ5、及び入力回路6はバッテリ電源回路8から出力される電源電圧VDDを動作電源とする。
【0047】
短距離無線通信制御チップ3はアンテナ7を介してリーダライタ2とNFCによる短距離無線通信のインタフェース制御を行う。ホストデバイス4は、短距離無線通信制御チップ3に対する設定制御、短距離無線通信制御チップ3がダウンロードしたデータやプログラムに対するデータ処理などを行なう。
【0048】
短距離無線通信制御チップ3は、特に制限されないが、データプロセッサとしての基本的な機能と、NFCによる近接非接触インタフェース機能と、ホストデバイス4との接触インタフェース機能を備える。
【0049】
前記データプロセッサ機能を実現するために、プログラムを実行する中央処理装置(CPU)308、割り込みコントローラ(INTC)306、短距離無線通信制御チップ3の動作モードなどを制御するシステムコントローラ(SYSC)309、コプロセッサ(COPRO)307、CPU308が実行するプログラムやデータを保持する読み出し専用のROM311、CPU308のワーク領域などに用いられるRAM312、電気的に書換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)314、タイマ(TMR)312、および内部バス319などを備える。システムコントローラ309によるモード制御に内容はシステム制御レジスタ(SYSREG)31の設定値などによって決定される。割り込みコントローラ306は、キャリアオンオフ情報(CRRSTP)や通信完了信号(COMCMP)などの割り込み要求に応答してCPU308に対して割り込み信号INTを出力する制御を行う。
【0050】
前記ホストデバイス4との接触インタフェース機能を実現するために、ホストデバイス4と信号線で接続される接触通信インタフェース(CNTCTIF)317を備え、接触通信インタフェース(CNTCTIF)317とバス319との間に、接触インタフェース制御論理(CNTCTIFC)315が配置される。TXDはホストデバイス4への送信データ、RXDはホストデバイス4からの受信データである。接触インタフェース制御論理315のインタフェースデータ幅やインタフェース速度等はコントロールレジスタ(CNTREG)316の設定値に従って決定される。
【0051】
前記近接非接触インタフェース機能を実現するために、アンテナ7に接続するアナログ回路(ANLG)300、及びアナログ回路300をバス319に接続するためのRFインタフェース制御回路(RFIFC)304を有する。アナログ回路300はアナログフロントエンドを構成するRF(Radio Frequency)アナログ回路(RFANLG)301を有する。RFアナログ回路301は、搬送波で形成された信号を検波して復調する受信回路(図示せず)、負荷変調によってアンテナ7を駆動する送信回路(図示せず)、搬送波を整流して動作電源電圧Vdd1を生成する整流回路(RCTF)302、およびバッテリ電源8からの電源電圧VDDを受けてNFCCHP3のもう一つの動作電源電圧Vdd2を生成するレギュレータ(RGLTR)303などを備える。Rxdは復調された信号、Txdは負荷変調制御信号である。RFインタフェース制御回路304は復調信号をデコードして受信データに変換し、また、送信データに基づいて負荷変調制御信号を生成する制御を行う。RFアナログ回路301は搬送波のエンベロープ検波信号などに基づいて搬送波、即ちキャリアが受信されるか否かを判別し、キャリアの受信があればキャリアオンオフ信号CRRSTPは非活性(オフ状態)にされ、キャリアの受信がなくなったときキャリアオンオフ信号CRRSTPが活性化(オン状態)される。このキャリアオンオフ信号の状態は、RFインタフェース制御回路304のキャリアモニタレジスタ305の値を読み出すことで確認でき、また必要に応じてキャリアオンオフ信号が変化するたびに割り込みコントローラ306に割り込み要求を発行させることができる。NFCCHP3の動作電源はVdd1とVdd2によって得られる。即ち、搬送波の整流によってVdd1が既定の電圧であればVdd1が用いられ、搬送波が途切れたときはVdd2が用いられる。実際には、Vdd1とVdd2は同じ電源配線に電圧を供給し、レギュレータ303の出力は高インピーダンスとされ、電圧Vdd1が不所望に高くなったとき、Vdd2側に電流が流れ込まないようになっている。
【0052】
上記リーダライタ2と携帯端末1によるシステムは、前記短距離無線通信を用いるデータ処理において一つのアプリケーションに着目したとき、携帯端末1をリーダライタ2の通信圏内に置く(キャリアオン)ことによって処理を開始した後、一旦、携帯端末1をリーダライタ2の通信圏外に出す(キャリアオフ)ことによって処理を中断させず次の非接触通信の前までの処理を継続して実行し、再びキャリアオンすることで非接触通信以降の処理を継続するようになっている。そのためのデータ処理手順について以下に詳述する。NFCCHP3の動作電源に関しては搬送波による電源電圧Vdd1だけでなく外部からの電源電圧Vdd2も利用可能にすることによってそれを保証している。
【0053】
《短距離無線通信インタフェースの概要》
リーダライタ2と携帯端末1との間の短距離無線通信を用いるデータ処理においては、一つのアプリケーションに着目すると、携帯端末1をリーダライタ2の通信圏内に置く(キャリアオン)ことによって処理を開始した後、一旦、携帯端末1をリーダライタ2の通信圏外に出しても(キャリアオフ)、前記一のアプリケーション処理を中断させず、再びキャリアオンすることでその処理を継続可能にするものである。そのための短距離無線通信インタフェース制御には、端末ID管理機能、処理ステート管理機能、及びタイムアウト処理機能などを特徴点として備える。
【0054】
端末ID管理機能とは、通信可能な範囲にある携帯端末1の端末IDを前記リーダライタ2が最初に認識すると、認識した携帯端末1にリーダライタ2がプログラム処理を要求し、一旦通信不能(通信一時中断状態)になった前記携帯端末1との間における端末IDの照合一致を一つの条件として前記リーダライタ2が前記携帯端末1との間で通信を再確立する制御を行うというものである。端末IDの照合一致を条件に中断処理を再開するための通信を再確立するから、キャリアオフのとき他の携帯端末がリーダライタに割り込んでも中断された処理の継続を保証することが容易である。
【0055】
処理ステート管理機能とは、前記リーダライタ2が前記携帯端末1による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、前記中断した処理を再開するとき、前記リーダライタ2が管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末1から通知されることをもう一つの条件として、前記リーダライタ2が前記携帯端末1との間で通信を再確立する制御を行う、というものである。これにより、キャリアオンを複数回繰り返して一つのデータ処理を完結する処理が複雑な場合に中断された処理と継続する処理との間の整合性を容易に採ることができる。処理が複雑でなくても、処理ステートを管理することにより、初めて通信圏内に入った携帯端末1の端末IDなのか、処理途中で再度通信圏内に入った携帯端末1の端末IDなのかを容易に区別することができる。
【0056】
タイムアウト処理機能とは、前記リーダライタ2が認識した端末IDの携帯端末1から一定時間応答がないとき、リーダライタ2は認識した端末IDを破棄するためのタイマカウンタ処理を行なうというものである。これにより、コンピュータリソースの規模を不所望に増大させることを要せず、また、キャリアオフ中に携帯端末でデータが改竄される虞を未然に防止することができる。
【0057】
《データ処理方法の概略的な処理手順》
図1にはリーダライタ2と携帯端末1との間の短距離無線通信を用いるデータ処理方法の手順が概略的に例示される。図3にはそのデータ処理過程にけるリーダライタ2と一つの携帯端末1との配置関係が例示される。
【0058】
図3において、VLDMGNはリーダライタ2と携帯端末1との間で短距離無線通信を行うことができる通信圏、すなわち、リーダライタ2による搬送波の出力による有効磁界の範囲を意味する。P1はリーダライタ2に対して携帯端末1が通信圏外であることを示し、P3はリーダライタ2に対して携帯端末1が通信圏内であることを示し、P2は通信圏外から圏内への携帯端末1の遷移を意味し、P4は通信圏内から圏外への携帯端末1の遷移を意味する。SHPはリーダライタ2が配置されている売店等の場所を意味する。
【0059】
図1において圏外P1のスタート100から携帯端末1が圏内に遷移して(P2)キャリアオンさせると、携帯端末1の端末IDがリーダライタ2に認識され、認識した携帯端末1にリーダライタ2がプログラム処理を要求する(101)。携帯端末1によるプログラム処理は処理ステートによって処理の進捗状況が管理される。その管理は携帯端末1とリーダライタ2の双方で行う。ここでは一つのアプリケーション処理を便宜上処理ステート1乃至処理ステートNによって管理する。Nは2乃至Nの任意の数である。
【0060】
処理ステートの番号はアプリケーション処理の進行に従って順次更新される。処理ステート1では、通信圏内(P3)でリーダライタ2から携帯端末1へのプログラムダウンロード、及びダウンロードプログラムのROM311若しくはRAM313へのストアが行われる。その後、携帯端末1からリーダライタ2への処理結果の通信が行われ、処理ステート番号が次の値に更新される(105)。携帯端末1側では処理結果を送信する処理を行うことによって処理ステート番号を更新し、リーダライタ側では処理結果を受信することによって処理ステート番号を更新する。処理ステート番号の更新に従って処理が順次進む。処理状況による分岐の処理(102)では、携帯端末1が再度圏内に遷移したとき(P2,P3)、リーダライタ2から与えられた処理ステート番号と携帯端末1自らが管理する処理ステート番号との一致を条件に、当該処理ステート番号の処理に進む。
【0061】
処理ステート2以降では、上記同様にして、コマンド通信・コマンド実行(107,111)や結果通信(109,113)の処理が行なわれる。説明を簡略化するために処理ステート1では省略したが、処理ステート2以降では、コマンド通信・コマンド実行(107,111)の後、若しくはコマンド実行中に携帯端末1が圏外に出てもアプリケーション処理は中断されず、携帯端末1が再度圏内に入ってキャリアオンされることによって(110,114)、当該処理ステートのコマンド実行結果を携帯端末1からリーダライタ2へ送信でき、処理ステート番号も次の値に更新され(109,113)、更に後段の処理ステートの処理を続行することが可能にされる。
【0062】
処理ステートの処理が終る毎に最後の処理ステート番号の処理が完結したか判別され(115)、最後の処理ステート番号の処理が完結していなければキャリアオフが発生しているか判別され(116)、キャリアオフでなければステップ102に帰還され、キャリアオフであればステップ101に帰還される。最後の処理ステート番号の処理が完結していれば、圏外に移動することによりキャリアオフされ(117)、当該アプリケーション処理が終了される(118)。タイムアウト処理のためのタイマカウンタ動作は、例えば各処理ステートにおける、コマンド通信・コマンド実行処理107,111のコマンド送信後に起動し、また、105,109,114で代表される結果通信の処理ステートの最後の処理として起動すればよい。タイマカウンタ動作がタイムアウトしなければ図2のフローは最後の処理ステートまで継続されるが、一旦タイムアウトを生ずると、リーダライタ2はタイムアウトに係る端末IDを破棄することによって、中断されたアプリケーション処理は継続不可能にされ、最初から当該アプリケーション処理をやり直すことが必要になる。
【0063】
《データ処理方法の詳細な処理手順》
図4には処理ステート1(図1 103、105に対応)の処理におけるリーダライタ(RDWR)2、短距離無線通信制御チップ(NFCCHP)3、及びホストデバイス(HST)4の制御をそれぞれ関連付けて示され、図5には処理ステートN(図1 107〜114に対応)の処理におけるリーダライタ(RDWR)2、短距離無線通信制御チップ(NFCCHP)3、及びホストデバイス(HST)4の制御をそれぞれ関連付けて示される。各図においてリーダライタ(RDWR)2による処理ステップには200番台の参照符号を付し、短距離無線通信制御チップ(NFCCHP)3による処理ステップには300番台の参照符号を付し、ホストデバイス(HST)4による処理ステップには400番台の参照符号を付してある。
【0064】
図4において、HST4はバッテリ電源を供給し(420)、NFCCHP3への初期設定を行って(421)、受信待ちに遷移する(422)。NFCCHP3はバッテリ電源を受けて起動し(330)、初期設定された後に受信待ちに遷移する(331)。RDEWR2は適宜のタイミングでポーリングコマンドの送信を行っており(210,211)、携帯端末1が通信圏内にあればNFCCHP3がポーリングコマンドを受信し(332)、RDWR2はNFCCHP3に対して適宜のユーザ認証などのセキュアな認証処理を行なう(212,333)。金融機関を介する決済、著作権データのダウンロード、秘匿データのダウンロード等を伴うような場合を想定するからである。認証処理(212)の後、RDWR2は受信待ち状態に遷移する(213)。この間にNFCCHP3はROM311やEEPROM314内の固有のデータを用いて端末IDとしてのチップIDを生成し、生成したチップIDをRAM312に保持し(334)、また、生成したチップIDをRDWR2に送信し(335)、受信待ち状態に遷移する(336)。
【0065】
チップIDを受取ったRDWR2は、図示を省略する内蔵RAMに既に登録されているチップIDと照合し(214)、新規IDである場合には当該チップIDを図示を省略する内蔵RAMに登録し(215)、当該新規チップIDの処理ステート番号を格納して管理するための記憶領域を同じく図示を省略する内蔵RAMに確保し(216)、当該領域における処理ステート番号を初期値にする(217)。そして、RDWR2は処理ステート1から処理ステートNまでの処理を制御するアプリケーションプログラムをNFCCHP3に送信し(218)、受信待ちに遷移する(219)。
【0066】
NFCCHP3はステップ218で送信されたプログラムを受信して例えばRAM313に格納する(337)。RAM313に格納したプログラムのうち、HST4が実行する部分をHST4に送信し(338)、RAM313に処理ステート番号を格納して管理するための記憶領域を確保し(339)、当該領域における処理ステート番号を初期値にする(340)。この段階で、NFCCHP3のRAM313には、図6に例示されるように、生成されたチップID、処理ステート番号、前記アプリケーションを規定するプログラムを保持する。処理ステート番号の格納領域はSYSREG310に割当ててもよい。その他、ROM311やEEPROM314にはチップIDを生成するために用いたチップ固有値が保持されている。
【0067】
HST4はステップ338で送信されたプログラムを受信してRAM402等に格納し(423)、格納したプログラムの実行準備が完了したことをNFCCHP3に通知し(424)、受信待ちに遷移する(425)。
【0068】
NFCCHP3はHST4からプログラムの実行準備完了の通知を受けると(341)、処理ステート1の完了信号をRDWR2に出力し(342)、RAM313上の処理ステート番号を+1に更新し(343)、受信待ちに遷移する(344)。
【0069】
RDWR2は処理ステート1の完了信号を受取ると(220)、図示を省略する内蔵RAM上の処理ステート番号を+1に更新する(221)。
【0070】
特に制限されないが、図4及び図5においては、図4の処理ステート1が終了した後、携帯端末1がリーダライタ2の通信圏外に出ても、その後、圏内に入れば、処理ステート2に繋がるようにされている。即ち、図5において、RDWR2はポーリングコマンド送信して(230)、受信待ちに遷移する操作(231)を所要のタイミングで繰り返す。PDA1がRDWR2の通信圏内にあれば、NFCCHP3はポーリングコマンドを受信し(350)、RAM313に保有するチップIDをRDWR2に送信して(351)、受信待ちに遷移する(352)。RDWR2はチップIDを受信すると、自らの内蔵RAMに保有するチップIDとそれを照合し(232)、照合一致したとき当該チップIDに対応する処理ステート番号を内蔵RAMから取得し(233)、取得したチップIDとコマンドをNFCCHP3に送信し(234)、タイムアウト処理を行なう(235)。ステップ232で照合不一致のときは、図示を省略するがNFCCHP3にエラーコードを返す。
【0071】
タイムアウト処理(235)ではリーダライタ2がタイマ201に所定時間を設定し、その後、タイムアウトになるまで、応答を待つ処理を行なう(236)。この応答を待つ処理236は、ポーリングコマンド送信して応答があったときチップID照合及び処理ステート送信を行なう処理であり、ステップ230乃至ステップ234までの処理と同じである。タイムアウトするまで応答がなければ、例えばタイムアウト割り込み処理によって、タイムアウトに係るアプリケーションの対象となるチップIDと処理ステートの情報を廃棄して、当該アプリケーション処理を中止する。RDWR2が処理236を行なっているとき、NFCCHP3はRDWR2の通信圏内から外へ出てもかまわない。
【0072】
ステップ236でRDWR2が応答を待っているとき、RDWR2から処理ステート情報及びコマンドを受取った(353)NFCCHP3は、RAM313に保持している処理ステートと今回受信した処理ステートとを照合し(354)、一致又は不一致を判別する(354)。一致であれば、NFCCHP3はHST4にコマンドを送信し(356)する。HST4はコマンドを受信し(430)、受信コマンドが処理終了コマンドでなければ当該コマンドを実行し(432)、コマンド実行結果をNFCCHP3に送信し(433)、受信待ちに遷移する(434)。ステップ431において、そのコマンドが処理終了コマンドであることが判別されると、HST4は当該アプリケーションのプログラムを破棄し(435)、その結果をNFCCHP3に返す(436、365)。
【0073】
NFCCHP3がHST4からコマンド実行結果を受信したときは(357)、前記RDWR2によるステップ236の処理に応答する処理358を行う。ステップ358による処理を行なうとき、NFCCHP3はRDWR2の通信圏内にあればよい。ステップ358の処理は、RDWR2にチップIDを送信し、それに応答して返される処理ステートを受信し、受信した処理ステートがRAM313に保持する処理ステートと一致するかを判別する処理であり、ステップ350乃至ステップ355までの処理と同じである。ステップ358において受信した処理ステートがRAM313に保持する処理ステートと一致するときは送信結果をRDWR2に返し、処理ステートを+1更新し(360)、それによって当該アプリケーションの全ての処理ステートの処理が完了していなければ、受信待ちに遷移しタイムアウト処理を行なって(362)、RDWR2からポーリングコマンドが送信されて来る(350)のを待つ。NFCCHP3によるタイムアウト処理(362)はCPU308がTMR312に所定の時間をセットしてタイマ動作を起動する処理であり、ポーリングコマンドが送信されて来る(350)までにタイムアウトした場合には、RAM313に保持しているチップID及び処理ステート情報を廃棄し、HST4にそのアプリケーションのプログラムを廃棄させて、当該アプリケーションの処理を中止する。前記ステップ355の判別が不一致のときも、RAM313に保持しているチップID及び処理ステート情報を廃棄し、HST4にそのアプリケーションのプログラムを廃棄させて、当該アプリケーションの処理を中止する。
【0074】
RDWR2はNFCCHP3からコマンド実行結果を受信したとき(237)、処理結果を判定し(238)、正常であれば処理ステートを+1更新し(239)、それによって全ての処理ステートの処理が完了すれば処理中の当該アプリケーション実行対象のチップIDを破棄し(242)、ステップ240において完了とされなければ、前記同様のタイムアウト処理(241)を行って、次の処理ステートのための処理が継続可能にされる。このタイムアウト処理(241)の後、RDWR2はステップ230の処理に入る。このときNFCCHP3はRDWR2の通信圏内から外れてもよい。前述のごとく、タイムアウトする前にNFCCHP3がRRDWR2の通信圏内に入れば、ポーリングコマンドに応答して(350)、NFCCHP3及びRRDWR2は処理を継続することができる。
【0075】
図5に基づいて説明したデータ処理手順において、TMR312によるタイムアウトは信号TMOUTによってINTC306に割り込み要求として通知され、これによって信号INTでCPU308に割り込みが要求されることにより、CPU308は当該割り込み要因に応じた割り込み処理プログラムを実行して、前述のタイムアウトした場合の処理を行う。
【0076】
また、受信待ち遷移の状態から次の制御への遷移は、信号COMCMPによる通信完了がINTC306に割り込み要求として通知されることにより、CPU308が当該割り込み要因に応じた割り込み処理プログラムを実行することによって行われる。
【0077】
図4及び図5のデータ処理手順において、前記端末ID管理機能は、例えばPDA1がRDWR2の通信圏外から圏内に入ってきたとき、RDWR2は先にチップIDを認識しているPDA1との間におけるチップIDの照合一致を一つの条件としてPDA1との間で通信を再確立する制御を行う(232,234)ことによって実現されている。
【0078】
図4及び図5のデータ処理手順において、処理ステート管理機能は、前記RDWR2がPDA1によるプログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、中断した処理を再開するとき、RDWR2が管理する処理ステートの値に一致する値がPDA1から通知されることをもう一つの条件として、RDWR2がPDA1との間で通信を再確立する制御を行う(233,234)ことによって実現されている。
【0079】
図4及び図5のデータ処理手順において、タイムアウト処理機能は、前記リーダライタ2が認識した端末IDの携帯端末1から一定時間応答がないとき、リーダライタ2は認識した端末IDを破棄するためのタイマカウンタ処理(235)によって実現されている。図5においてPDA1においてもタイムアウト処理(362)を行っている。
【0080】
《システムの使用例》
図7A乃至図7Dは有価証券購入に利用する場合を例示する。例えばプリペイド型の電子マネーの購入を一例とする。先ず、図7Aに示されるようにPDA1を用いて短距離無線通信を行うための設定を行う。次に、図7Bのように、PDA1をRDWR2の通信圏内VLDMGNにおいて、購入のためのメニュープログラムをダウンロードする。このとき、PDA1のDISP5にはダウンロードの進捗状態を表示させる。ダウンロード完了後、図7CのようにPDA1をRDWR2の通信圏外にもって行き、操作しやすい姿勢若しくは環境にて、ダウンロードしたメニュープログラムをPDA1に実行させることにより、DISP5の表示に従って電子マネーを購入するための選択事項を決定する。最後に、PDA1を再びRDWR2の通信圏内において、前記選択事項に従った決済が行われる。
【0081】
例えば、図7Bの状態で処理ステートが処理ステートMであったとき、図7Cのときに通信圏外へ持ち出されたとしても、全ての処理ステートが完了していない場合は、携帯端末1で処理ステート番号が保持(ここでは処理ステートM)されているため、図7Dで再び通信圏内VLDMGNに入った後、端末IDの照合を行い、一致が判定されれば、処理ステートMの次の処理ステートM+1を実行することが可能となるものである。非連続的に通信圏内VLDMGNにいた場合、つまり、通信圏内と通信圏外とを行き来した場合においても、本願発明を適用することにより、連続的な処理を実行可能となるものである。処理ステート番号を保持することにより、例えば1度通信が確立(処理ステート1が完了)されていれば、通信圏外に移動したとしても図4における処理ステート1を再度実行することが不要となり、すでに完了している処理ステートの次の処理ステートを実行すればよく、全体として、処理時間を削減することが可能となる。
【0082】
図8A乃至図8Dは電子マネーを利用して音楽データをダウンロードする場合を例示する。先ず、図8Aに示されるようにPDA1をRDWR2の通信圏内VLDMGNにおいて、音楽配信ネットワークから音楽データを購入のためのメニュープログラムをダウンロードする。このとき、PDA1のDISP5にはダウンロードの進捗状態を表示させる。ダウンロード完了後、図8BのようにPDA1をRDWR2の通信圏外にもって行き、操作しやすい姿勢若しくは環境にて、ダウンロードしたメニュープログラムをPDA1に実行させることにより、DISP5の表示に従って購入する楽曲の選択を行う。最後に、図8Cのように、PDA1を再びRDWR2の通信圏内において、選択した楽曲をダウンロードし、決済を完了する。その後は、図8Dのように、PDA1をRDWR2の通信圏外にもって行き、ダウンロードした楽曲を必要に応じて再生することができる。尚、通信途中でPDA1がRDWR2の通信圏外の出たときは図9のようにその旨DISP5に表示してエラー発生を告知することが望ましい。
【0083】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0084】
例えば、図1において処理ステート1の処理についても処理ステート2以降と同様に、途中で携帯端末が通信圏外に出てから再度圏内に入ってきた場合にも処理を継続可能にしてもよいことは当然である。このとき、処理の継続を許可するか否かを判定するために、図4のステップ219の後に図5のステップ230乃至234を挿入し、図4のステップ341の後に図5のステップ350乃至354を挿入すると共に、挿入したステップ354の比較結果が一致の場合にステップ342を可能とし、不一致の場合にチップID、処理ステート番号及びプログラムを廃棄して処理を中止させればよい。
【0085】
又処理ステートの区切り方は上記に限定されず、アプリケーション処理の内容に応じて適宜変更可能である。
【0086】
短距離無線通信はISO/IEC IS 18092の国際標準に限定されない。携帯端末はPDAに限定されず、携帯電話器などの機器であってもよい。
【0087】
有価証券は電子マネーに限定されず、金券、クーポン券、予約券権などその種類は限定されず、電子的データに限定されず、紙などの媒体にその内容が記載されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 携帯端末(PDA)
2 リーダライタ(RDWR)
3 短距離無線通信制御チップ(NFCCHP)
4 ホストデバイス(HST)
5 ディスプレイ(DISP)
6 入力回路(INDEV)
7 アンテナ
8 バッテリ電源回路(BTRY)
400 ディスプレイコントローラ(DISPC)
401 プロセッサコア(MCU)
402 RAM
405 周辺デバイスコントローラ(PRPHC)
404 接触インタフェース回路(CNTCTIF)
403 接触電源端子(CNTCTPW)
408 バス
308 中央処理装置(CPU)
309 割り込みコントローラ(INTC)
309 システムコントローラ(SYSC)
307 コプロセッサ(COPRO)
311 ROM
312 RAM
314 不揮発性メモリ(EEPROM)
312 タイマ(TMR)
319 内部バス
306 割り込みコントローラ
317 接触通信インタフェース(CNTCTIF)
315 接触インタフェース制御論理(CNTCTIFC)
300 アナログ回路(ANLG)
304 RFインタフェース制御回路(RFIFC)
301 RFアナログ回路(RFANLG)
302 整流回路(RCTF)
303 レギュレータ(RGLTR)
Vdd1 電搬送波による電源電圧
Vdd2 外部からの電源電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短距離無線通信インタフェースを有する携帯端末と、前記携帯端末との間で双方向通信を行うリーダライタと、を用いてプログラム処理を行なうデータ処理方法であって、
通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDを前記リーダライタが認識する認識処理と、
認識した携帯端末にリーダライタがプログラム処理を要求する要求処理と、
一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を第1の条件として前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う再開処理と、を含むデータ処理方法。
【請求項2】
前記リーダライタは前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、
前記再開処理において、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2条件として、前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う、請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき、リーダライタは認識した端末IDを破棄するタイムアウト処理を更に含む、請求項1記載のデータ処理方法。
【請求項4】
短距離無線通信インタフェースを有する携帯端末と、前記携帯端末との間で双方向通信を行うリーダライタと、を用いてプログラム処理を行なうデータ処理方法であって、
通信可能な範囲にある携帯端末の端末IDを前記リーダライタが認識する認識処理と、
前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末にプログラムを送信するプログラム送信処理と、
前記リーダライタが携帯端末にコマンドを送信するコマンド送信処理と、
受信したコマンドに従って前記携帯端末が前記プログラムを実行した結果を前記リーダライタが受信する実行結果受信処理と、
一旦通信不能になった前記携帯端末との間における端末IDの照合一致を第1の条件として前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う再開処理と、を含むデータ処理方法。
【請求項5】
前記リーダライタは前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、
前記再開処理において、前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2の条件として、前記リーダライタが前記携帯端末との間で通信を再確立する制御を行う、請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記リーダライタが認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき当該端末IDを破棄するための前記一定時間を計測するタイムアウト処理を更に含む、請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記コマンド送信処理が完了した後に前記リーダライタが前記タイムアウト処理を開始し、前記一定時間が経過する前に前記実行結果受信処理が開始されたとき前記タイムアウト処理を中止する、請求項6記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記リーダライタはネットワークを介して音楽配信を行い、前記携帯端末は前記リーダライタから楽音情報をダウンロードするPDAである、請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項9】
前記リーダライタはネットワークを介して有価証券又は物品の購入受付を行い、前記携帯端末は前記リーダライタを介して有価証券又は物品の購入申し込みを行うPDAである、請求項4記載のデータ処理方法。
【請求項10】
リーダライタとの間で双方向通信を行う短距離無線通信デバイスと、前記短距離無線通信デバイスに接続されたホストデバイスとを有し、
前記短距離無線通信デバイスは、前記リーダライタとの間の通信不能状態が通信可能状態に遷移したとき固有の端末IDを出力し、前記端末IDの出力に応答して前記リーダライタからプログラムが送信されてきたときはメモリに格納し、前記端末IDの出力に応答して前記リーダライタからコマンドが送信されてきたときは当該コマンドを前記ホストデバイスに与え、
前記ホストデバイスは与えられたコマンドに従って前記メモリのプログラムを実行して実行結果を前記短距離無線通信デバイスに与え、
前記短距離無線通信デバイスは、プログラムの実行結果を前記リーダライタに送信する、携帯端末
【請求項11】
前記短距離無線通信デバイスは前記コマンドによるプログラムの実行段階に対応する処理ステートを管理し、
前記短距離無線通信デバイスが前記端末IDを出力したときこれに応答してリーダライタから処理ステートの値が返されたとき、前記短距離無線通信デバイスが管理する処理ステートの値に一致する値が前記リーダライタから通知されることを条件として、前記短距離無線通信デバイスは前記コマンドを前記ホストデバイスに与える、請求項10記載の携帯端末。
【請求項12】
前記短距離無線通信デバイスが前記端末IDの出力に応答してリーダライタから処理ステートの値が返されたとき、前記短距離無線通信デバイスが管理する処理ステートの値に一致する値が前記リーダライタから通知されなかたとき、前記短距離無線通信デバイスは前記ホストデバイスに前記プログラムを廃棄させる、請求項11記載の携帯端末。
【請求項13】
前記携帯端末は前記リーダライタから音楽情報をダウンロードするPDAである、請求項10記載の携帯端末。
【請求項14】
前記携帯端末は前記リーダライタを介して有価証券又は物品の購入申し込みを行うPDAである、請求項10記載の携帯端末。
【請求項15】
バッテリ電源回路を更に有し、
前記短距離無線通信デバイスは、前記リーダライタから与えられる搬送波を整流して第1の内部電源電圧を生成する整流回路と、前記バッテリ電源から与えられるバッテリ電源を受けて第2の内部電源電圧を生成するレギュレータとを有し、
前記短距離無線通信デバイスは、前記第1の内部電源電圧と前記第2の内部電源電圧を動作電源として利用する、請求項10記載の携帯端末。
【請求項16】
携帯端末との間で双方向通信を行うリーダライタであって、
通信可能な範囲の携帯端末が出力する端末IDを始めて認識したとき、当該端末IDを保持すると共に、当該端末IDの携帯端末にプログラムを送信し、
プログラムを送信した後、携帯端末に前記プログラムを実行させるコマンドを送信し、プログラムの実行結果を前記携帯端末から受信し、
一旦通信不能になった前記携帯端末との間で端末IDの照合が一致することを第1の条件として前記携帯端末との間で通信を再確立する、リーダライタ。
【請求項17】
前記リーダライタは前記携帯端末による前記プログラム処理の実行段階に対応する処理ステートの値を管理し、
前記リーダライタが管理する処理ステートの値に一致する値が前記携帯端末から通知されることを第2の条件として前記携帯端末との間で通信を再確立する、請求項16記載のリーダライタ。
【請求項18】
前記認識した端末IDの携帯端末から一定時間応答がないとき前記認識した端末IDを破棄するための前記一定時間を計測するタイムアウト処理を行なう、請求項16記載のリーダライタ。
【請求項19】
前記コマンドの送信処理を完了した後に前記タイムアウト処理を開始し、前記一定時間の経過前に前記コマンドによるプログラムの実行結果を受信したとき、前記タイムアウト処理を中止する、請求項18記載のリーダライタ。
【請求項20】
ネットワークを介して携帯端末に音楽配信を行う、請求項16記載のリーダライタ。
【請求項21】
ネットワークを介して前記携帯端末から有価証券又は物品の購入受付を行う、請求項16記載のリーダライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−193025(P2010−193025A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33508(P2009−33508)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】