データ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラム
【課題】 処理の実行を指示する際に使用されたプロトコルに応じて、当該処理が起動した際に発生したエラーの情報をユーザに確実に通知できるようにする。
【解決手段】 情報端末701にインストールされているファイルエクスプローラ711を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。すると、デジタル複合機702は、エラーがファイル共有機能1002に関するものか、ファンクションフロー管理機能1003に関するものかをエラー情報に基づいて判定する。エラーが、ファンクションフロー管理機能1003に関するものである場合、デジタル複合機702は、メッセージ変換DB1007を使って、エラー情報を汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報に変換する。デジタル複合機702は、変換したエラー情報を情報端末701に送信する。
【解決手段】 情報端末701にインストールされているファイルエクスプローラ711を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。すると、デジタル複合機702は、エラーがファイル共有機能1002に関するものか、ファンクションフロー管理機能1003に関するものかをエラー情報に基づいて判定する。エラーが、ファンクションフロー管理機能1003に関するものである場合、デジタル複合機702は、メッセージ変換DB1007を使って、エラー情報を汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報に変換する。デジタル複合機702は、変換したエラー情報を情報端末701に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、外部からの指示に従った処理が起動した際に発生したエラーを通知するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ等の事務機器を1つの筐体に収めたデジタル複合機は、企業のオフィス等において頻繁に利用されている。近年、技術の進歩によってハードウェアの処理能力が向上していることから、デジタル複合機は、ソフトウェアによっても様々な機能を提供することが可能となっている。
例えば、エンドユーザがデジタル複合機を利用して複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ、及びデータ保管等の各機能を個別に実行するだけでなく、ファンクションフローとして複数の機能を一度に実行することも実現されている。ここで、ファンクションフローとは、複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ、及びデータ保管等の夫々の機能を組み合わせることにより定義されるフローのことである。ファンクションフロー単位でデジタル複合機の個別の機能を一度に実行可能とすることで、ユーザが機能毎に個別に操作することによって実行されていた処理を、一度の操作で実行することが可能となる。
【0003】
また近年、デジタル複合機は、LAN、WANといったネットワークにも接続可能なネットワーク機能を搭載し、このネットワーク機能を用いることによって様々な機能を実現することが可能となっている。
例えば、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)にインストールされたアプリケーションソフトウェアからネットワークを介してデジタル複合機にデータを送信し、デジタル複合機が、そのデータに基づく印刷を実行する機能が実現される。また、PCからデジタル複合機にデータを送信し、デジタル複合機が、そのデータに基づくFAXを行う機能が実現される。また、デジタル複合機でスキャンした文書のデータをPDF等のファイルに変換し、ネットワークを介して変換したファイルをメール送信する機能が実現される。更に、デジタル複合機は、スキャンした文書のデータをPDF等のファイルに変換し、ネットワークを介して相互に接続されるファイルサーバに変換したファイルを送信し、ファイルサーバが、そのファイルを格納する機能が実現される。
以上のように、デジタル複合機によってネットワークを利用した様々な機能が実現されている。
【0004】
ネットワークを介してPCからデジタル複合機にデータを送信する処理は、通常、デジタル複合機の独自の通信規約に合わせて作成された専用のユーティリティソフトウェア等を利用することにより実現される。専用のユーティリティソフトウェアは、デジタル複合機にデータを送信する際に、PCとデジタル複合機との間でデジタル複合機の通信規約に則った専用のプロトコルを用いることができる。この専用プロトコルを用いることによりデジタル複合機の固有の機能に関する処理を行うことが可能となる。このとき、デジタル複合機は、デジタル複合機がデータを受信した後に実行される処理の結果を、専用のユーティリティソフトウェアへ、専用のプロトコルを使って送信することができる。そのため、専用のユーティリティソフトウェアは、処理結果に関する情報を適切にデジタル複合機から受信することでき、ユーザに適切な情報を通知することができる。
【0005】
一方、PCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていない場合、ユーザに適切な情報を通知することができない。このような問題を解決するために、特許文献1には次のような技術が提案されている。
まず、RFC1179において規定されるようなLPDプロトコルを利用して、PCからプリンタサーバにデータを送信する。データを受信したプリンタサーバは、そのデータを処理する。データを処理した結果、警告等のエラーが発生した場合、プリンタサーバは、そのデータを送信したPCに、専用のユーティリティソフトウェアがインストールされているか否かを確認する。この確認の結果、データを送信したPCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされている場合、プリンタサーバは、専用のユーティリティソフトウェアに警告等のエラーを通知する。一方、データを送信したPCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていない場合、プリンタサーバは、Windows(登録商標)2000/XP等で提供されているメッセージ・サービスに対して、警告等のエラーを通知する。このように特許文献1の発明によって、OS(Operating System)で提供されるメッセージ・サービスを利用できれば、PCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていなくてもユーザに適切な情報を通知することが可能となる。
【0006】
また、デジタル複合機がネットワーク機能を有することによって、前述したように、PCとデジタル複合機との間で専用のユーティリティソフトウェアを利用して、ネットワークを介してデータをやり取りするだけでなく、次のような機能も実現可能になっている。例えば、汎用的なプロトコルによって、「デジタル複合機のファイルシステムをネットワークに公開する」といったファイル共有機能等を実現することが可能である。汎用的なプロトコルとしては、SMB(Server Message Block)やWebDAV(Distributed Authoring and Versioning protocol for the WWW)といったプロトコルがある。また、汎用的なプロトコルによるファイル共有機能を提供することによって、Windows(登録商標)2000/XP等のファイルエクスプローラ等の汎用的なアプリケーションソフトウェアからファイルシステムのファイルにアクセスすることが可能になる。
【0007】
更には、デジタル複合機のファイル共有機能とファンクションフローを実行する機能とを併せ持つ記憶域(以下の説明では、ホットフォルダと称する)をデジタル複合機に設けるようにすることも可能である。ホットフォルダへファイルを格納することによって、ファンクションフローを実行する機能を実現することが可能である。
例えば、複数の情報端末(例えば)と複数のデジタル複合機とがネットワークに接続されている環境を想定する。
図12は、専用のユーティリティソフトウェアを使ってファンクションフローを実行する様子を概念的に示す図である。
図12に示すように、デジタル複合機10はホットフォルダ11を有する。情報端末12にインストールされている専用のユーティリティソフトウェア13は、ファイル・データ(文書データ14)を、ネットワーク15を介してデジタル複合機10へ送信してホットフォルダ11に投入し、ファンクションフローを起動することができる。このとき、文書データ14は、情報端末12とデジタル複合機10との間における専用のプロトコルを使って送信される。そして、ファンクションフローの実行結果16が、前記専用のプロトコルを使って、デジタル複合機10から情報端末12に送信される。
【0008】
図13は、汎用のプロトコルを使ってホットフォルダにファイルを格納する様子を概念的に示す図である。
図13に示すように、専用のユーティリティソフトウェアからだけではなく、Windows(登録商標)2000/XPのファイルエクスプローラ21からホットフォルダ11へファイル・データ(文書データ14b)を格納することができる。この場合、情報端末12bで、ユーザが、ファイルエクスプローラ21の文書データ14bのアイコンからホットフォルダ11のアイコンへドラッグアンドドロップ操作を行う。そうすると、ファイルエクスプローラ21は、汎用のプロトコルを使ってファイル・データ(文書データ14b)をデジタル複合機10へ送信してホットフォルダ11に投入し、ファンクションフローを起動することができる。ユーザは、ファイルエクスプローラ21を通して、デジタル複合機10のホットフォルダ11を共有フォルダとして参照することができる。このようにすることによって、デジタル複合機10の機能の夫々を有機的に且つ簡易的に組み合わせて、印刷、コピー、メール送信といった処理を実行することができる。
【0009】
【特許文献1】特開2005−284949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図12に示したように、専用のユーティリティソフトウェア13を使って専用のプロトコルでホットフォルダ11に文書データ14を格納すれば、ホットフォルダ11で発生したエラーを適切にユーザに通知できる。すなわち、ファイル共有機能に関するエラーもファンクションフローを実行する機能に関するエラーも、専用のプロトコルで適切にユーザに通知できる。但し、このようにした場合、従来は、Windows(登録商標)2000/XP等のファイルエクスプローラ21といった汎用的なソフトウェアでホットフォルダを利用することができず、ユーザの利便性が損なわれてしまう虞があった。
【0011】
一方で、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルを利用した場合には、汎用的なソフトウェアでホットフォルダ11を利用することができる。
図14は、汎用のプロトコルを利用した環境で、ファイル共有に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。また、図15は、汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【0012】
ホットフォルダ11へ文書データ14bを格納した場合、ファイル共有機能に関するエラー31については、図14に示すように、汎用的なプロトコルの仕様に則ってユーザにエラーを通知することができる。
しかしながら、ここでは、ファイルをPCで共有するための汎用的なプロトコルを利用している。したがって、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生した場合、プロトコルの制約によって、図15に示すように、そのエラーをユーザに通知することができない。そうすると、ユーザは、エラーの内容はもとよりファンクションフローを実行できないということも認知できない。
尚、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーとは、例えば、次の(1)、(2)のようなファンクションフローを実行するにあたり発生する可能性のあるエラーのことを意味する。
(1)使用可能なメモリ容量が不足していて処理が実行できない。
(2)ファンクションフローの起動数が制限値を超えた。
【0013】
以上のように従来の技術では、汎用的なプロトコルを使うと、ホットフォルダ側で発生したエラーをユーザに確実に通知することができない虞があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、処理の実行を指示する際に使用されたプロトコルに応じて、当該処理が起動した際に発生したエラーの情報をユーザに確実に通知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のデータ処理装置は、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理装置であって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定手段と、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換手段と、前記変換手段により変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明のデータ処理方法は、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理方法であって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する指示を行う送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定し、判定したプロトコルに応じて、エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換して返信するようにした。したがって、処理の実行を指示する際に使用されたプロトコルに応じて、当該処理が起動した際に発生したエラーの情報をユーザに確実に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、ネットワークシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すネットワークシステムは、例えば、企業のオフィス等においてデジタル複合機を設置することにより実現される。
【0019】
図1において、ネットワークシステムは、情報端末装置の一例であるPC等の複数の情報端末701−1、701−2、・・・、701−mと、データ処理装置の一例である複数のデジタル複合機702−1、702−2、・・・、702−nとを有している。これら情報端末701、デジタル複合機702は、ネットワーク700を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク700は、インターネット、イントラネット等、任意のネットワークでよい。尚、以下の説明では、説明を簡略化するため、複数の情報端末701−1〜701−mの中で任意の1つの情報端末を示す場合には情報端末701−Xと称する。また、デジタル複合機702−1〜702nの中で任意の1つのデジタル複合機を示す場合にはデジタル複合機702−Yと称する。
【0020】
図2は、情報端末701−Xのハードウェアの構成の一例を示す図である。
図2において、CPU801は、情報端末701−Xの演算・制御を司る中央演算装置である。
RAM802は、CPU801の主メモリとして、実行プログラムの実行エリアならびにデータエリアとして機能するランダムアクセスメモリである。ROM803は、CPU801の動作処理手順を記憶しているリードオンリーメモリである。ROM803には、情報端末701−Xの機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフトウェア(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼動するために必要な情報等が記録されているデータROMとがある。機器によっては、ROM803の代わりに後述のHDD809を使用する場合もある。
【0021】
NETIF804は、ネットワーク700を介して情報端末701間でデータの転送を行うための制御や、ネットワーク700への接続状況の診断を行うネットワークインターフェースである。
VRAM805は、情報端末701−Xの稼動状態を示す画像であって、CRT806の画面に表示させるための画像を展開し、その表示の制御を行う際に使用されるビデオRAMである。CRT806は、ディスプレイ等の表示装置である。
KBC807は、KB808からの入力信号を制御するためのコントローラ(以下、KBCと記す)である。KB808は、ユーザが行う操作を受け付けるための外部入力装置である。例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスによりKB808が実現される。
HDD809は、アプリケーションプログラムや各種データを保存するハードディスクドライブである。本実施形態におけるアプリケーションプロ不ラムとは、本実施形態における各種処理手段を実行するソフトウェアプログラム等をいう。
FDD810は、FD813との間でデータの入出力を行うための外部入出力装置であり、前述したアプリケーションプログラムを、リムーバブルメディアから読み出すとき等に用いられる。
FD813は、FDD810によって読み出されるデータを記憶する、取り外し可能なデータ記録装置(リムーバブル・メディア)である。FD813は、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体等によって実現される。磁気記録媒体としては、例えばフレキシブルディスクが挙げられる。光記録媒体としては、例えばCD−ROMが挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えばMOが挙げられる。半導体記録媒体であれば、例えばメモリカードが挙げられる。
尚、HDD809に格納するアプリケーションプログタムやデータをFD810に格納して使用することも可能である。
【0022】
PRTC811は、PRT812への出力信号を制御するためのコントローラである。
PRT812は、印刷装置であり、例えばLBP(Laser Beam Printer)等がPRT812として用いられる。
伝送バス800は、前述した各ユニット間を相互に接続するためのバスであり、例えばアドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バスを含む。
【0023】
図3は、デジタル複合機702−Yのハードウェアの構成の一例を示す図である。
図3において、リーダ部901は、原稿を画像データに変換する画像入力装置である。リーダ部901は、原稿の画像をCCDリニアイメージセンサ等により光電的に読み取って(スキャンして)デジタル画像データに変換し出力する。
プリンタ部902は、複数種類の記録紙カセットを有し、リーダ部901から入力されるプリント命令によりリーダ部901から出力されたデジタル画像データに基づく画像を記録紙上に可視像として出力する画像出力装置である。
操作部903は、原稿の画像をデジタル画像データに変換する指示や、リーダ部901と電気的に接続された外部装置904に対する処理の指示等をユーザが行う操作パネルである。
【0024】
外部装置904は、コア部905、ファックス部906、ファイル部907、ファイル部907に接続されている外部記憶装置(HDD)908、フォーマッタ部909、及びネットワークI/F部910を備えている。外部装置904の各構成要素はそれぞれ次のような機能を実現している。
コア部905は、外部装置904の各構成要素の状態の管理と、コマンドの入出力の制御と、画像データの入出力の制御とを行っている。ファックス部906は、ファックス機能の制御を行っている。ファイル部907は、外部記憶装置に保管されているファイルを管理するファイルシステム機能の制御を行う。フォーマッタ部909は、画像データの情報を可視像にする処理を行う。ネットワークI/F部910は、ネットワーク700に接続して、外部装置との通信処理を行う。
伝送バス900は、リーダ部901、プリンタ部902、操作部903、及び外部装置904を接続するためのバスであり、アドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バスを含む。
【0025】
図4は、デジタル複合機702−Yの機能的な構成の一例を示す図である。
ホットフォルダ1001は、ファイル共有機能とファンクションフロー管理機能(処理管理機能)とを併せ持つ記憶域である。ここでファンクションフローとは、デジタル複合機702−Yが持つ機能(スキャン、コピー、印刷、データ保管、送信)の少なくとも1つ又は2つを組み合わせることにより定義されるフローのことをいう。例えば、1つのファンクションフローを実行することによって次の(1)、(2)のような処理が可能となる。
(1) データ保管機能、印刷機能、及び送信機能を組み合わせたファンクションフローの例
ファイルに保管されているデータに基づく画像を予め定義された印刷設定によって印刷すると共に、その画像のデータを予め定義されたメールアドレスにメール送信する。
(2) スキャン機能、データ保管機能、及び印刷機能を組み合わせたファンクションフローの例
紙文書をスキャンしてスキャンデータを得て、そのスキャンデータとデジタル複合機内のファイルに保管されているデータとを結合し、結合したデータに基づく画像を、予め定義された印刷設定によって印刷する。
【0026】
ファイル共有機能1002は、SMBやWebDAV等の汎用的なプロトコル又は専用のプロトコルを利用してネットワーク700に接続された複数の情報端末701が共有可能な記憶域としてホットフォルダ1001を公開する。ファイル共有機能1002によって、情報端末701−Xが、汎用的なアプリケーションソフトウェアを利用して、ホットフォルダ1001へ文書ファイルを格納することが可能となる。ここで、汎用的なアプリケーションソフトウェアとは、Windows(登録商標)2000/XPのファイルエクスプローラ等の、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルをサポートしたソフトウェアを意味する。ここで、汎用的なプロトコルは、例えばファイル共有機能1002を利用するために用いられるものである。尚、以下の説明では、プロトコルを必要に応じてプロトコルと略称する。
【0027】
ファンクションフロー管理機能1003は、次のような機能を実現する。専用のユーティリティソフトウェアから専用のプロトコルを利用して送信される文書ファイルを受信し、ファイル共有機能1002により公開されているホットフォルダ1001に、受信した文書ファイルを格納する。次に、ファンクションフロー管理機能1003は、ホットフォルダ1001に文書ファイルが格納されたことをトリガ(契機)として、予め登録されているファンクションフローを起動する。
【0028】
ファイル共有機能1002とファンクションフロー管理機能1003によって、ホットフォルダ1001は次の(1)、(2)を実現できる。
(1) 専用のユーティリティソフトウェアだけでなく、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルをサポートする汎用的なアプリケーションソフトウェアから文書ファイルを受信し、受信した文書ファイルをホットフォルダ1001に格納する。
(2) 文書ファイルが格納されたことをトリガ(契機)として予め登録されているファンクションフローを起動する。
【0029】
処理ステータス検知部1004は、ホットフォルダ1001がファンクションフローを起動する際にエラーが発生したか否かを検知する。更に、エラーが発生したときには、処理ステータス検知部1004は、エラーの発生が、ファイル共有機能1002に基づくものかファンクションフロー管理機能1003に基づくものかを検知する。すなわち、処理ステータス検知部1004は、エラーの発生箇所が、ファイル共有機能1002かファンクションフロー管理機能1003かを検知する。
【0030】
アクセス経路検知部1005は、処理ステータス検知部1004によってエラーが検知された場合、受信した文書ファイルの送信時経路(アクセス経路)を検知する。具体的には、専用のプロトコルを利用して(専用のユーティリティソフトウェアから)文書ファイルが送信されてきたのか、それとも汎用的なプロトコルを利用して(汎用的なアプリケーションソフトウェアから)文書ファイルが送信されてきたのかを検知する。
【0031】
メッセージ通知部1006は、アクセス経路検知部1005によって検知されたアクセス経路に応じて、メッセージの通知方法及び内容を変更する。具体的、メッセージ通知部1006は、専用のプロトコルを利用して文書ファイルが送信されてきた場合、ファイル共有機能1002、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目をそのまま情報端末701−Xに通知する。一方、汎用的なプロトコルを利用して文書ファイルが送信されてきた場合、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、その汎用的なプロトコルの仕様に合わせて変換し、変換したエラー項目を情報端末701−Xに通知する。
メッセージ変換DB1007は、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、汎用のプロトコルの仕様に合わせてメッセージ通知部1006が変換する際に参照するデータベースである。
【0032】
図5は、メッセージ変換DB1007のデータ構成の一例を概念的に示す図である。尚、ここでは、汎用的なプロトコルとしてWebDAVを利用する場合を例に挙げて説明する。
図5において、ファンクションフローエラーコード1101は、ファンクションフロー管理機能1003で発生するエラー項目のエラーコードである。
WebDAVエラーコード1102は、ファンクションフロー管理機能1003のエラーコード(ファンクションフローエラーコード1101)に対応するWebDAVのエラーコードである。メッセージ通知部1006は、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、ファンクションフローエラーコード1101とWebDAVエラーコード1102との対応関係を参照して変換する。
【0033】
図6は、デジタル複合機702−Yの処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1201において、ホットフォルダ1001は、自身に文書ファイルが新たに格納された等の状態変化を監視する。
次に、ステップS1202において、ホットフォルダ1001は、自身に文書ファイルが新たに格納されたか否かを判定する。この判定の結果、文書ファイルが新たに格納されていない場合には、ステップS1201に戻り、文書ファイルが新たに格納されるまで、ステップS1201、S1202を繰り返し行う。そして、文書ファイルが新たに格納されると、ステップS1203に進む。
【0034】
ステップS1203に進むと、ホットフォルダ1001は、アクセス経路検知部1005を呼び出す。アクセス経路検知部1005は、文書ファイルが新たに格納された際に利用されたプロトコルの種別が、情報端末701−Xとデジタル複合機702−Yとにおける専用のプロトコルか、それとも汎用的なプロトコルかを確認し、確認した結果を保持する。
【0035】
次に、ステップS1204において、ホットフォルダ1001は、予め定義されているファンクションフローを起動し、ステップS1202で格納されたと判定した文書ファイルに対する処理を開始する。
次に、ステップS1205において、処理ステータス検知部1004は、ファンクションフローの実行時に、ファンクションフローのエラーが発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーが発生していない場合には、図6のフローチャートによる処理を終了する。一方、エラーが発生した場合には、ステップS1206に進む。
【0036】
ステップS1206に進むと、処理ステータス検知部1004は、アクセス経路検知部1005に対して、ステップS1202で格納されたと判定された文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが何かを問い合わせる。次に、処理ステータス検知部1004は、問い合わせ結果に基づいて、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであるか否かを判定する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1206の処理を行うことによりプロトコル判定手段の一例が実現される。
この判定の結果、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルでない場合には、後述するステップS1208に進む。一方、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルである場合には、ステップS1207に進む。
【0037】
ステップS1207に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが専用のプロトコルであったことを、メッセージ通知部1006に通知する。処理ステータス検知部1004からの通知を受信したメッセージ通知部1006は、ホットフォルダ1001にエラーコード等のエラー情報を問い合わせる。そして、メッセージ通知部1006は、専用のプロトコルを利用して文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、問い合わせにより得られたエラー情報を、そのまま通知する。そして、図6のフローチャートによる処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS1208に進むと、処理ステータス検知部1004は、ホットフォルダ1001にエラーコード等のエラー情報を問い合わせる。処理ステータス検知部1004は、問い合わせにより得られたエラー情報に基づいて、エラーがファイル共有機能1002で発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーがファイル共有機能1002で発生した場合には、後述するステップS1213に進む。一方、エラーがファイル共有機能1002で発生していない場合には、ステップS1209に進む。
【0039】
ステップS1209に進むと、処理ステータス検知部1004は、問い合わせにより得られたエラー情報に基づいて、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生していない場合には、後述するステップS1211に進む。一方、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生した場合には、ステップS1210に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1208、S1209の処理を行うことにより機能判定手段の一例が実現される。
【0040】
ステップS1210に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、ステップS1208で得られたエラー情報(エラーコード)とをメッセージ通知部1006に通知する。次に、メッセージ通知部1006は、メッセージ変換DB1007を参照する。そして、メッセージ通知部1006は、処理ステータス検知部1004から通知されたエラー情報(ファンクションフローエラーコード1101)を汎用的なプロコルに対応するエラー情報(WebDAVエラーコード1102)に変換する。その後、後述するステップS1212に進む。
【0041】
一方、ステップS1211に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、エラーが原因不明のエラーであったことを示す情報とをメッセージ通知部1006に通知する。メッセージ通知部1006は、メッセージ変換DB1007を参照し、原因不明であるエラー情報(ファンクションフローエラーコード1101)を汎用的なプロコルに対応するエラー情報(WebDAVエラーコード1102)に変換する。そして、ステップS1212に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1210、S1211の処理を行うことにより変換手段の一例が実現される。
ステップS1212に進むと、メッセージ通知部1006は、汎用的なプロトコルを利用して、文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、ステップS1210、S1211で変換されたエラー情報を通知する。そして、図6のフローチャートによる処理を終了する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1212の処理を行うことにより送信手段の一例が実現される。
【0042】
前述したように、ステップS1208において、エラーがファイル共有機能1002で発生したと判定された場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213に進むと、処理ステータス検知部1004は、次の処理を行う。すなわち、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、エラーがファイル共有機能1002に関するエラーであったことを示す情報とを、メッセージ通知部1006に通知する。メッセージ通知部1006は、汎用的なプロトコルを利用して、文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、エラー情報をそのまま通知する。
【0043】
図7は、本実施形態におけるネットワークシステムでエラー情報を通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
図7に示す例では、情報端末701−X1とデジタル複合機702とは専用のプロトコルを使用して通信を行い、情報端末701−X2とデジタル複合機702とは汎用のプロトコルを使用して通信を行うようにしている。
ここで、情報端末701−X1にインストールされている専用のユーティリティソフトウェア710を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。そうすると、前述したように、デジタル複合機702−Yは、エラーの内容に関わらず、専用のプロトコルに従うエラー情報をそのまま情報端末701−X1に送信する(ステップS1207)。
【0044】
一方、情報端末701−X2にインストールされているファイルエクスプローラ711を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。そうすると、デジタル複合機702−Yは、エラーがファイル共有機能1002に関するものか、ファンクションフロー管理機能1003に関するものかをエラー情報に基づいて判定する。そして、エラーが、ファイル共有機能1002に関するものである場合、デジタル複合機702−Yは、汎用のプロトコルに従うエラー情報をそのまま情報端末701−X2に送信する(ステップS1213)。
【0045】
一方、エラーが、ファンクションフロー管理機能1003に関するものである場合、デジタル複合機702−Yは、メッセージ変換DB1007を使って、エラー情報を汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報に変換する。そして、デジタル複合機702−Yは、変換したエラー情報を情報端末701−X2に送信する(ステップS1210、S1212)。これにより、情報端末701−X2のCRT806の画面にエラーの内容を示すエラーメッセージのダイアログボックス711aが表示される。
したがって、汎用のプロトコルを用いてホットフォルダ1001にファイルが格納された際にファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー情報を汎用のアプリケーションソフトウェアに確実に通知することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態では、エラーが発生した場合、文書ファイルの送信元に対して一律にエラー情報を通知する場合を例に挙げて説明した。ところが、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーの中には、何らかの原因により処理自体が失敗したエラーもあれば、警告レベルでユーザに情報を通知するためのだけのエラーもある。更に、処理自体が失敗したエラーの中には、リトライ(再実行)することが可能なエラーもあればリトライすることが不可能なエラーもある。リトライすることが可能なエラーとしては、例えば、「CPUの使用率が閾値を超えている」というものや、「資源不足でジョブインスタンスを生成できない」というもの等がある。また、リトライすることが不可能なエラーとしては、「不正な処理を行った」というものや、「ジョブへの処理を受け付けられない」というものや、「不明なエラーが発生した」というもの等がある。
【0047】
リトライすることが可能なエラーの有無については、CPUの使用率や、資源不足(メモリ、プロセス数等)といったリソースに対して閾値を設けて判断する場合が多い。デジタル複合機のホットフォルダへの文書ファイルの格納が、専用のユーティリティから行われ、リトライすることが可能なエラーが発生した場合には、適切なエラー情報を専用のユーティリティに通知することができる。そのため、エラーを受け取った専用のユーティリティがエラー情報を解釈し、ファンクションフローをリトライすることが可能である。
【0048】
これに対し、デジタル複合機のホットフォルダに、汎用のプロトコルを使用して文書ファイルが格納された場合、第1の実施形態では、次のようにして処理を行ってしまう。すなわち、リトライすることが可能なエラーであっても、リトライすることが不可能なエラーであっても、一律に汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報を、汎用のアプリケーションソフトウェアに通知してしまう。そのため、エラー情報を受け取った汎用のアプリケーションソフトウェアは、エラー情報から、リトライすることが可能であるか否かを適切に解釈することができない。更に、汎用のアプリケーションソフトウェアは、リトライ等の処理を行えない場合が多い。
【0049】
そこで本実施形態では、専用のプロトコル及び汎用のプロトコルの双方によりファイルをホットフォルダに投入することができるシステムで、ファンクションフロー管理機能に関するエラーが発生した場合に、発生したエラーに応じてリトライできるようにする。このように本実施形態と第1の実施形態とは、汎用のプロトコルを使ってファイルをホットフォルダに投入することにより生じたエラーが、ファンクションフロー管理機能に関するエラーであった場合に、エラーに応じてリトライする点が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図7に付した符号と同一の符号を付すこと等により、詳細な説明を省略する。
【0050】
図8は、デジタル複合機702−Yの機能的な構成の一例を示す図である。
1301は、発生したエラーの種別が、リトライ可能なエラー、リトライ不可能なエラー、及び通知的な警告エラーの何れであるかを判断し、判断したエラーの種別に応じてリトライ処理を起動する。
エラー種別管理DB1302は、エラーの種別と、リトライ処理の起動時の判定項目及びその閾値と、リトライ回数の上限値とを管理するためのデータベースである。
【0051】
図9は、エラー種別管理DB1302のデータ構成の一例を概念的に示す図である。
図9において、ファンクションフローエラーコード1401は、ファンクションフロー管理機能1003で発生するエラー項目のエラーコードである。
エラー種別1402は、リトライ可能なエラー、リトライ不可能なエラー、通知的な警告エラー等のエラーの種別である。本実施形態では、エラー種別1402として、リトライ可能なエラーの場合には「リトライ可能」、リトライ不可能なエラーの場合には「リトライ不可能」、通知的な警告エラーの場合には「警告」と表記する。
【0052】
リトライ判定項目1403は、リトライするか否かの判定時に参照される項目を示す。
リトライ判定項目の閾値1404は、リトライするか否か判定時に参照した項目に対する閾値である。例えば、リトライするか否か判定時に参照した項目が、リトライ判定項目の閾値1404に登録されている閾値以内であればリトライ処理を起動するようにする。
リトライ回数上限値1405は、リトライする回数の上限値である。例えば、リトライした回数が、リトライ回数上限値1405に登録されている上限値を超えるには、リトライしないようにする。
【0053】
図10は、デジタル複合機702−Yの処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS1201〜ステップS1213については、第1の実施形態(図6)で述べたステップである。但し、次の2点が異なる。
ステップS1209からステップS1210に進む前に、ステップS1501〜S1503の処理が追加される。
ステップS1205において、エラーが発生していないと判定されると、リトライ処理部1301は、リトライ回数値を0に戻してリセットする。尚、このリトライ回数値は、例えば、HDD908等に記憶される。
【0054】
文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであった場合であって、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーが発生した場合には、ステップS1209からステップS1501に進む。
ステップS1501に進むと、処理ステータス検知部1004は、リトライ処理部1301に対して、ステップS1208で得られたエラー情報を通知する。リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401とエラー種別1402とを参照し、通知されたエラー情報に対応するエラー種別1402を取得する。そして、リトライ処理部1301は、取得したエラー種別1402を参照し、発生したエラーが、リトライ可能なエラーか否かを判定する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1501の処理を行うことによりエラー判定手段の一例が実現される。
【0055】
この判定の結果、発生したエラーがリトライ可能なエラーでない場合には、ファンクションフローをリトライしないので、ステップS1502、S1503を省略して、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。そして、汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報にエラー情報が変換される。
一方、発生したエラーがリトライ可能なエラーである場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502に進むと、リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401と、リトライ判定項目1403と、閾値1404とを参照し、エラー情報に対応するリトライ判定項目とその閾値とを取得する。次に、リトライ処理部1301は、取得したリトライ判定項目を参照し、その内容に対応する値が、取得した閾値以内か否かを判定する。例えば、リトライ判定項目1403が「メモリ使用量」、閾値1404が「50%」である場合、現在のシステムのメモリの使用量が50%以内か否かを判定することになる。この判定の結果、取得したリトライ判定項目に対応する値が閾値以内でない場合には、ファンクションフローをリトライしないので、ステップS1503を省略して、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。
【0056】
一方、取得したリトライ判定項目に対応する値が閾値以内である場合には、ステップS1503へ進む。ステップS1503に進むと、リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401と、リトライ回数上限値1405とを参照し、取得したエラー情報に対応するリトライ回数の上限値を取得する。次に、リトライ処理部1301は、HDD908等に記憶されているリトライ回数値を参照し、そのリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内であるか否かを判定する。
【0057】
この判定の結果、HDD908等に記憶されているリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内である場合、リトライ処理部1301は、リトライ回数値に1を加えて、第1の実施形態で説明したステップS1204に進む。そして、ファンクションフローがリトライされる。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1204の処理を行うことにより処理再実行手段の一例が実現される。
一方、HDD908等に記憶されているリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内でない場合、リトライ処理部1301は、リトライ回数値を0に戻してリセットし、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。
【0058】
以上のように本実施形態では、デジタル複合機は、汎用的なプロトコルが使用されて実行が指示されたファンクションフローでエラーが発生した場合には、エラー種別管理DB1302の登録内容に従って、ファンクションフローをリトライするか否かを判定する。そして、リトライすると判定された場合、デジタル複合機は、ファンクションフローをリトライする。一方、リトライしないと判定された場合、デジタル複合機は、第1の実施形態と同様に、汎用のプロトコルの仕様に従ってエラー情報を変換して情報端末に通知する。
したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、汎用のアプリケーションソフトウェアではリカバリできなかったエラーが発生した場合でも、デジタル複合機が、エラーの種別に応じて、リカバリすることが可能になるという効果が得られる。
【0059】
尚、本実施形態では、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであった場合であって、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーが発生した場合に、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするようにした。しかしながら、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするタイミングはこのようなものに限定されない。例えば、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが専用のプロトコルであった場合に、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするようにしてもよい。
【0060】
(変形例)
SMBやWebDAVといった汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせが、情報端末701−Xからあった場合にも、ステップS1502の判定を適用することができる。
例えば、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401の欄に、「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」を含めるようにする。そして、「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」に対応するリトライ判定項目1403及び閾値1404を登録する。尚、エラー種別1402及びリトライ回数上限値1405については、例えば、参照不要であることを示すN/Aを登録する。
【0061】
そして、汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせがあった場合、デジタル複合機は、次の処理を行う。すなわち、デジタル複合機は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401の「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」に対応するリトライ判定項目1403と閾値1404とを参照する。
【0062】
そして、リトライ判定項目1403に対応する値が、閾値1404に設定されている値以内である場合、デジタル複合機は、ファンクションフローとして実行可能な状態にあると判断する。一方、リトライ判定項目1403に対応する値が、閾値1404に設定されている値を超えている場合、デジタル複合機は、ファンクションフローとして実行不可能な状態にあると判断する。
【0063】
そして、ファンクションフローとして実行可能な状態にある場合、デジタル複合機は、ホットフォルダ1001の状態を、そのまま汎用のアプリケーションソフトウェアに返信し、問い合わせに対する応答を行う。一方、ファンクションフローとして実行不可能な状態にある場合、デジタル複合機は、例えばディスクの容量がフルであることを、ホットフォルダ1001のプロパティとして汎用のアプリケーションソフトウェアに返信し、問い合わせに対する応答を行う。以上のようにして返信するに際し、必要に応じて、汎用のプロトコルの仕様に合わせてデータが変換される。
以上のようにすることにより、図11に示すように、情報端末701−XのCRT806の画面に、ホットフォルダのプロパティを表示するダイアログボックス711bが表示される。
【0064】
このようにして、汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせに対しても、ファンクションフローを管理する機能に関する情報も鑑みてホットフォルダ1001のプロパティを情報端末701−Xに返信できる。尚、返信するホットフォルダ1001のプロパティは、ディスクの容量がフルである場合に限定されず、アクセス権がないといったプロパティでも構わない。この他、デジタル複合機702−Yで起動中のファンクションフローの数、ホットフォルダ1001内で処理待ちとなっている文書の数、及びメモリの使用量等に基づくプロパティでも構わない。更に、これらの少なくとも2つを組み合わせたものでも構わない。
【0065】
(本発明の他の実施形態)
前述した本発明の実施形態におけるデータ処理装置を構成する各手段、並びにデータ処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0066】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0067】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図6、図10に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0068】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0069】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0070】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0071】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0072】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0073】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0074】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0075】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0076】
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、ネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、情報端末のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機の機能的な構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、メッセージ変換DBのデータ構成の一例を概念的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、ネットワークシステムでエラー情報を通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示し、デジタル複合機の機能的な構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示し、エラー種別管理DBのデータ構成の一例を概念的に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示し、デジタル複合機の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態の変形例を示し、ネットワークシステムでホットフォルダのプロパティを通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
【図12】専用のユーティリティソフトウェアを使ってファンクションフローを実行する様子を概念的に示す図である。
【図13】汎用のプロトコルを使ってホットフォルダにファイルを格納する様子を概念的に示す図である。
【図14】汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【図15】汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0078】
700 ネットワーク
701 情報端末
702 デジタル複合機
1001 ホットフォルダ
1004 処理ステータス検知部
1005 アクセス経路検知部
1006 メッセージ通知部
1007 メッセージ変換DB
1301 リトライ処理部
1302 エラー種別管理DB
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、外部からの指示に従った処理が起動した際に発生したエラーを通知するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ等の事務機器を1つの筐体に収めたデジタル複合機は、企業のオフィス等において頻繁に利用されている。近年、技術の進歩によってハードウェアの処理能力が向上していることから、デジタル複合機は、ソフトウェアによっても様々な機能を提供することが可能となっている。
例えば、エンドユーザがデジタル複合機を利用して複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ、及びデータ保管等の各機能を個別に実行するだけでなく、ファンクションフローとして複数の機能を一度に実行することも実現されている。ここで、ファンクションフローとは、複写機、プリンタ、イメージスキャナ、ファクシミリ、及びデータ保管等の夫々の機能を組み合わせることにより定義されるフローのことである。ファンクションフロー単位でデジタル複合機の個別の機能を一度に実行可能とすることで、ユーザが機能毎に個別に操作することによって実行されていた処理を、一度の操作で実行することが可能となる。
【0003】
また近年、デジタル複合機は、LAN、WANといったネットワークにも接続可能なネットワーク機能を搭載し、このネットワーク機能を用いることによって様々な機能を実現することが可能となっている。
例えば、パーソナルコンピュータ(以下PCと称する)にインストールされたアプリケーションソフトウェアからネットワークを介してデジタル複合機にデータを送信し、デジタル複合機が、そのデータに基づく印刷を実行する機能が実現される。また、PCからデジタル複合機にデータを送信し、デジタル複合機が、そのデータに基づくFAXを行う機能が実現される。また、デジタル複合機でスキャンした文書のデータをPDF等のファイルに変換し、ネットワークを介して変換したファイルをメール送信する機能が実現される。更に、デジタル複合機は、スキャンした文書のデータをPDF等のファイルに変換し、ネットワークを介して相互に接続されるファイルサーバに変換したファイルを送信し、ファイルサーバが、そのファイルを格納する機能が実現される。
以上のように、デジタル複合機によってネットワークを利用した様々な機能が実現されている。
【0004】
ネットワークを介してPCからデジタル複合機にデータを送信する処理は、通常、デジタル複合機の独自の通信規約に合わせて作成された専用のユーティリティソフトウェア等を利用することにより実現される。専用のユーティリティソフトウェアは、デジタル複合機にデータを送信する際に、PCとデジタル複合機との間でデジタル複合機の通信規約に則った専用のプロトコルを用いることができる。この専用プロトコルを用いることによりデジタル複合機の固有の機能に関する処理を行うことが可能となる。このとき、デジタル複合機は、デジタル複合機がデータを受信した後に実行される処理の結果を、専用のユーティリティソフトウェアへ、専用のプロトコルを使って送信することができる。そのため、専用のユーティリティソフトウェアは、処理結果に関する情報を適切にデジタル複合機から受信することでき、ユーザに適切な情報を通知することができる。
【0005】
一方、PCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていない場合、ユーザに適切な情報を通知することができない。このような問題を解決するために、特許文献1には次のような技術が提案されている。
まず、RFC1179において規定されるようなLPDプロトコルを利用して、PCからプリンタサーバにデータを送信する。データを受信したプリンタサーバは、そのデータを処理する。データを処理した結果、警告等のエラーが発生した場合、プリンタサーバは、そのデータを送信したPCに、専用のユーティリティソフトウェアがインストールされているか否かを確認する。この確認の結果、データを送信したPCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされている場合、プリンタサーバは、専用のユーティリティソフトウェアに警告等のエラーを通知する。一方、データを送信したPCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていない場合、プリンタサーバは、Windows(登録商標)2000/XP等で提供されているメッセージ・サービスに対して、警告等のエラーを通知する。このように特許文献1の発明によって、OS(Operating System)で提供されるメッセージ・サービスを利用できれば、PCに専用のユーティリティソフトウェアがインストールされていなくてもユーザに適切な情報を通知することが可能となる。
【0006】
また、デジタル複合機がネットワーク機能を有することによって、前述したように、PCとデジタル複合機との間で専用のユーティリティソフトウェアを利用して、ネットワークを介してデータをやり取りするだけでなく、次のような機能も実現可能になっている。例えば、汎用的なプロトコルによって、「デジタル複合機のファイルシステムをネットワークに公開する」といったファイル共有機能等を実現することが可能である。汎用的なプロトコルとしては、SMB(Server Message Block)やWebDAV(Distributed Authoring and Versioning protocol for the WWW)といったプロトコルがある。また、汎用的なプロトコルによるファイル共有機能を提供することによって、Windows(登録商標)2000/XP等のファイルエクスプローラ等の汎用的なアプリケーションソフトウェアからファイルシステムのファイルにアクセスすることが可能になる。
【0007】
更には、デジタル複合機のファイル共有機能とファンクションフローを実行する機能とを併せ持つ記憶域(以下の説明では、ホットフォルダと称する)をデジタル複合機に設けるようにすることも可能である。ホットフォルダへファイルを格納することによって、ファンクションフローを実行する機能を実現することが可能である。
例えば、複数の情報端末(例えば)と複数のデジタル複合機とがネットワークに接続されている環境を想定する。
図12は、専用のユーティリティソフトウェアを使ってファンクションフローを実行する様子を概念的に示す図である。
図12に示すように、デジタル複合機10はホットフォルダ11を有する。情報端末12にインストールされている専用のユーティリティソフトウェア13は、ファイル・データ(文書データ14)を、ネットワーク15を介してデジタル複合機10へ送信してホットフォルダ11に投入し、ファンクションフローを起動することができる。このとき、文書データ14は、情報端末12とデジタル複合機10との間における専用のプロトコルを使って送信される。そして、ファンクションフローの実行結果16が、前記専用のプロトコルを使って、デジタル複合機10から情報端末12に送信される。
【0008】
図13は、汎用のプロトコルを使ってホットフォルダにファイルを格納する様子を概念的に示す図である。
図13に示すように、専用のユーティリティソフトウェアからだけではなく、Windows(登録商標)2000/XPのファイルエクスプローラ21からホットフォルダ11へファイル・データ(文書データ14b)を格納することができる。この場合、情報端末12bで、ユーザが、ファイルエクスプローラ21の文書データ14bのアイコンからホットフォルダ11のアイコンへドラッグアンドドロップ操作を行う。そうすると、ファイルエクスプローラ21は、汎用のプロトコルを使ってファイル・データ(文書データ14b)をデジタル複合機10へ送信してホットフォルダ11に投入し、ファンクションフローを起動することができる。ユーザは、ファイルエクスプローラ21を通して、デジタル複合機10のホットフォルダ11を共有フォルダとして参照することができる。このようにすることによって、デジタル複合機10の機能の夫々を有機的に且つ簡易的に組み合わせて、印刷、コピー、メール送信といった処理を実行することができる。
【0009】
【特許文献1】特開2005−284949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図12に示したように、専用のユーティリティソフトウェア13を使って専用のプロトコルでホットフォルダ11に文書データ14を格納すれば、ホットフォルダ11で発生したエラーを適切にユーザに通知できる。すなわち、ファイル共有機能に関するエラーもファンクションフローを実行する機能に関するエラーも、専用のプロトコルで適切にユーザに通知できる。但し、このようにした場合、従来は、Windows(登録商標)2000/XP等のファイルエクスプローラ21といった汎用的なソフトウェアでホットフォルダを利用することができず、ユーザの利便性が損なわれてしまう虞があった。
【0011】
一方で、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルを利用した場合には、汎用的なソフトウェアでホットフォルダ11を利用することができる。
図14は、汎用のプロトコルを利用した環境で、ファイル共有に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。また、図15は、汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【0012】
ホットフォルダ11へ文書データ14bを格納した場合、ファイル共有機能に関するエラー31については、図14に示すように、汎用的なプロトコルの仕様に則ってユーザにエラーを通知することができる。
しかしながら、ここでは、ファイルをPCで共有するための汎用的なプロトコルを利用している。したがって、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生した場合、プロトコルの制約によって、図15に示すように、そのエラーをユーザに通知することができない。そうすると、ユーザは、エラーの内容はもとよりファンクションフローを実行できないということも認知できない。
尚、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーとは、例えば、次の(1)、(2)のようなファンクションフローを実行するにあたり発生する可能性のあるエラーのことを意味する。
(1)使用可能なメモリ容量が不足していて処理が実行できない。
(2)ファンクションフローの起動数が制限値を超えた。
【0013】
以上のように従来の技術では、汎用的なプロトコルを使うと、ホットフォルダ側で発生したエラーをユーザに確実に通知することができない虞があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、処理の実行を指示する際に使用されたプロトコルに応じて、当該処理が起動した際に発生したエラーの情報をユーザに確実に通知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のデータ処理装置は、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理装置であって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定手段と、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換手段と、前記変換手段により変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明のデータ処理方法は、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理方法であって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する指示を行う送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定し、判定したプロトコルに応じて、エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換して返信するようにした。したがって、処理の実行を指示する際に使用されたプロトコルに応じて、当該処理が起動した際に発生したエラーの情報をユーザに確実に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、ネットワークシステムの構成の一例を示す図である。図1に示すネットワークシステムは、例えば、企業のオフィス等においてデジタル複合機を設置することにより実現される。
【0019】
図1において、ネットワークシステムは、情報端末装置の一例であるPC等の複数の情報端末701−1、701−2、・・・、701−mと、データ処理装置の一例である複数のデジタル複合機702−1、702−2、・・・、702−nとを有している。これら情報端末701、デジタル複合機702は、ネットワーク700を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク700は、インターネット、イントラネット等、任意のネットワークでよい。尚、以下の説明では、説明を簡略化するため、複数の情報端末701−1〜701−mの中で任意の1つの情報端末を示す場合には情報端末701−Xと称する。また、デジタル複合機702−1〜702nの中で任意の1つのデジタル複合機を示す場合にはデジタル複合機702−Yと称する。
【0020】
図2は、情報端末701−Xのハードウェアの構成の一例を示す図である。
図2において、CPU801は、情報端末701−Xの演算・制御を司る中央演算装置である。
RAM802は、CPU801の主メモリとして、実行プログラムの実行エリアならびにデータエリアとして機能するランダムアクセスメモリである。ROM803は、CPU801の動作処理手順を記憶しているリードオンリーメモリである。ROM803には、情報端末701−Xの機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフトウェア(OS)を記録したプログラムROMと、システムを稼動するために必要な情報等が記録されているデータROMとがある。機器によっては、ROM803の代わりに後述のHDD809を使用する場合もある。
【0021】
NETIF804は、ネットワーク700を介して情報端末701間でデータの転送を行うための制御や、ネットワーク700への接続状況の診断を行うネットワークインターフェースである。
VRAM805は、情報端末701−Xの稼動状態を示す画像であって、CRT806の画面に表示させるための画像を展開し、その表示の制御を行う際に使用されるビデオRAMである。CRT806は、ディスプレイ等の表示装置である。
KBC807は、KB808からの入力信号を制御するためのコントローラ(以下、KBCと記す)である。KB808は、ユーザが行う操作を受け付けるための外部入力装置である。例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスによりKB808が実現される。
HDD809は、アプリケーションプログラムや各種データを保存するハードディスクドライブである。本実施形態におけるアプリケーションプロ不ラムとは、本実施形態における各種処理手段を実行するソフトウェアプログラム等をいう。
FDD810は、FD813との間でデータの入出力を行うための外部入出力装置であり、前述したアプリケーションプログラムを、リムーバブルメディアから読み出すとき等に用いられる。
FD813は、FDD810によって読み出されるデータを記憶する、取り外し可能なデータ記録装置(リムーバブル・メディア)である。FD813は、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体等によって実現される。磁気記録媒体としては、例えばフレキシブルディスクが挙げられる。光記録媒体としては、例えばCD−ROMが挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えばMOが挙げられる。半導体記録媒体であれば、例えばメモリカードが挙げられる。
尚、HDD809に格納するアプリケーションプログタムやデータをFD810に格納して使用することも可能である。
【0022】
PRTC811は、PRT812への出力信号を制御するためのコントローラである。
PRT812は、印刷装置であり、例えばLBP(Laser Beam Printer)等がPRT812として用いられる。
伝送バス800は、前述した各ユニット間を相互に接続するためのバスであり、例えばアドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バスを含む。
【0023】
図3は、デジタル複合機702−Yのハードウェアの構成の一例を示す図である。
図3において、リーダ部901は、原稿を画像データに変換する画像入力装置である。リーダ部901は、原稿の画像をCCDリニアイメージセンサ等により光電的に読み取って(スキャンして)デジタル画像データに変換し出力する。
プリンタ部902は、複数種類の記録紙カセットを有し、リーダ部901から入力されるプリント命令によりリーダ部901から出力されたデジタル画像データに基づく画像を記録紙上に可視像として出力する画像出力装置である。
操作部903は、原稿の画像をデジタル画像データに変換する指示や、リーダ部901と電気的に接続された外部装置904に対する処理の指示等をユーザが行う操作パネルである。
【0024】
外部装置904は、コア部905、ファックス部906、ファイル部907、ファイル部907に接続されている外部記憶装置(HDD)908、フォーマッタ部909、及びネットワークI/F部910を備えている。外部装置904の各構成要素はそれぞれ次のような機能を実現している。
コア部905は、外部装置904の各構成要素の状態の管理と、コマンドの入出力の制御と、画像データの入出力の制御とを行っている。ファックス部906は、ファックス機能の制御を行っている。ファイル部907は、外部記憶装置に保管されているファイルを管理するファイルシステム機能の制御を行う。フォーマッタ部909は、画像データの情報を可視像にする処理を行う。ネットワークI/F部910は、ネットワーク700に接続して、外部装置との通信処理を行う。
伝送バス900は、リーダ部901、プリンタ部902、操作部903、及び外部装置904を接続するためのバスであり、アドレスバス、データバス、入出力バス、及び制御バスを含む。
【0025】
図4は、デジタル複合機702−Yの機能的な構成の一例を示す図である。
ホットフォルダ1001は、ファイル共有機能とファンクションフロー管理機能(処理管理機能)とを併せ持つ記憶域である。ここでファンクションフローとは、デジタル複合機702−Yが持つ機能(スキャン、コピー、印刷、データ保管、送信)の少なくとも1つ又は2つを組み合わせることにより定義されるフローのことをいう。例えば、1つのファンクションフローを実行することによって次の(1)、(2)のような処理が可能となる。
(1) データ保管機能、印刷機能、及び送信機能を組み合わせたファンクションフローの例
ファイルに保管されているデータに基づく画像を予め定義された印刷設定によって印刷すると共に、その画像のデータを予め定義されたメールアドレスにメール送信する。
(2) スキャン機能、データ保管機能、及び印刷機能を組み合わせたファンクションフローの例
紙文書をスキャンしてスキャンデータを得て、そのスキャンデータとデジタル複合機内のファイルに保管されているデータとを結合し、結合したデータに基づく画像を、予め定義された印刷設定によって印刷する。
【0026】
ファイル共有機能1002は、SMBやWebDAV等の汎用的なプロトコル又は専用のプロトコルを利用してネットワーク700に接続された複数の情報端末701が共有可能な記憶域としてホットフォルダ1001を公開する。ファイル共有機能1002によって、情報端末701−Xが、汎用的なアプリケーションソフトウェアを利用して、ホットフォルダ1001へ文書ファイルを格納することが可能となる。ここで、汎用的なアプリケーションソフトウェアとは、Windows(登録商標)2000/XPのファイルエクスプローラ等の、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルをサポートしたソフトウェアを意味する。ここで、汎用的なプロトコルは、例えばファイル共有機能1002を利用するために用いられるものである。尚、以下の説明では、プロトコルを必要に応じてプロトコルと略称する。
【0027】
ファンクションフロー管理機能1003は、次のような機能を実現する。専用のユーティリティソフトウェアから専用のプロトコルを利用して送信される文書ファイルを受信し、ファイル共有機能1002により公開されているホットフォルダ1001に、受信した文書ファイルを格納する。次に、ファンクションフロー管理機能1003は、ホットフォルダ1001に文書ファイルが格納されたことをトリガ(契機)として、予め登録されているファンクションフローを起動する。
【0028】
ファイル共有機能1002とファンクションフロー管理機能1003によって、ホットフォルダ1001は次の(1)、(2)を実現できる。
(1) 専用のユーティリティソフトウェアだけでなく、SMB、WebDAVといった汎用的なプロトコルをサポートする汎用的なアプリケーションソフトウェアから文書ファイルを受信し、受信した文書ファイルをホットフォルダ1001に格納する。
(2) 文書ファイルが格納されたことをトリガ(契機)として予め登録されているファンクションフローを起動する。
【0029】
処理ステータス検知部1004は、ホットフォルダ1001がファンクションフローを起動する際にエラーが発生したか否かを検知する。更に、エラーが発生したときには、処理ステータス検知部1004は、エラーの発生が、ファイル共有機能1002に基づくものかファンクションフロー管理機能1003に基づくものかを検知する。すなわち、処理ステータス検知部1004は、エラーの発生箇所が、ファイル共有機能1002かファンクションフロー管理機能1003かを検知する。
【0030】
アクセス経路検知部1005は、処理ステータス検知部1004によってエラーが検知された場合、受信した文書ファイルの送信時経路(アクセス経路)を検知する。具体的には、専用のプロトコルを利用して(専用のユーティリティソフトウェアから)文書ファイルが送信されてきたのか、それとも汎用的なプロトコルを利用して(汎用的なアプリケーションソフトウェアから)文書ファイルが送信されてきたのかを検知する。
【0031】
メッセージ通知部1006は、アクセス経路検知部1005によって検知されたアクセス経路に応じて、メッセージの通知方法及び内容を変更する。具体的、メッセージ通知部1006は、専用のプロトコルを利用して文書ファイルが送信されてきた場合、ファイル共有機能1002、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目をそのまま情報端末701−Xに通知する。一方、汎用的なプロトコルを利用して文書ファイルが送信されてきた場合、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、その汎用的なプロトコルの仕様に合わせて変換し、変換したエラー項目を情報端末701−Xに通知する。
メッセージ変換DB1007は、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、汎用のプロトコルの仕様に合わせてメッセージ通知部1006が変換する際に参照するデータベースである。
【0032】
図5は、メッセージ変換DB1007のデータ構成の一例を概念的に示す図である。尚、ここでは、汎用的なプロトコルとしてWebDAVを利用する場合を例に挙げて説明する。
図5において、ファンクションフローエラーコード1101は、ファンクションフロー管理機能1003で発生するエラー項目のエラーコードである。
WebDAVエラーコード1102は、ファンクションフロー管理機能1003のエラーコード(ファンクションフローエラーコード1101)に対応するWebDAVのエラーコードである。メッセージ通知部1006は、ファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー項目を、ファンクションフローエラーコード1101とWebDAVエラーコード1102との対応関係を参照して変換する。
【0033】
図6は、デジタル複合機702−Yの処理の一例を説明するフローチャートである。
まず、ステップS1201において、ホットフォルダ1001は、自身に文書ファイルが新たに格納された等の状態変化を監視する。
次に、ステップS1202において、ホットフォルダ1001は、自身に文書ファイルが新たに格納されたか否かを判定する。この判定の結果、文書ファイルが新たに格納されていない場合には、ステップS1201に戻り、文書ファイルが新たに格納されるまで、ステップS1201、S1202を繰り返し行う。そして、文書ファイルが新たに格納されると、ステップS1203に進む。
【0034】
ステップS1203に進むと、ホットフォルダ1001は、アクセス経路検知部1005を呼び出す。アクセス経路検知部1005は、文書ファイルが新たに格納された際に利用されたプロトコルの種別が、情報端末701−Xとデジタル複合機702−Yとにおける専用のプロトコルか、それとも汎用的なプロトコルかを確認し、確認した結果を保持する。
【0035】
次に、ステップS1204において、ホットフォルダ1001は、予め定義されているファンクションフローを起動し、ステップS1202で格納されたと判定した文書ファイルに対する処理を開始する。
次に、ステップS1205において、処理ステータス検知部1004は、ファンクションフローの実行時に、ファンクションフローのエラーが発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーが発生していない場合には、図6のフローチャートによる処理を終了する。一方、エラーが発生した場合には、ステップS1206に進む。
【0036】
ステップS1206に進むと、処理ステータス検知部1004は、アクセス経路検知部1005に対して、ステップS1202で格納されたと判定された文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが何かを問い合わせる。次に、処理ステータス検知部1004は、問い合わせ結果に基づいて、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであるか否かを判定する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1206の処理を行うことによりプロトコル判定手段の一例が実現される。
この判定の結果、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルでない場合には、後述するステップS1208に進む。一方、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルである場合には、ステップS1207に進む。
【0037】
ステップS1207に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが専用のプロトコルであったことを、メッセージ通知部1006に通知する。処理ステータス検知部1004からの通知を受信したメッセージ通知部1006は、ホットフォルダ1001にエラーコード等のエラー情報を問い合わせる。そして、メッセージ通知部1006は、専用のプロトコルを利用して文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、問い合わせにより得られたエラー情報を、そのまま通知する。そして、図6のフローチャートによる処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS1208に進むと、処理ステータス検知部1004は、ホットフォルダ1001にエラーコード等のエラー情報を問い合わせる。処理ステータス検知部1004は、問い合わせにより得られたエラー情報に基づいて、エラーがファイル共有機能1002で発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーがファイル共有機能1002で発生した場合には、後述するステップS1213に進む。一方、エラーがファイル共有機能1002で発生していない場合には、ステップS1209に進む。
【0039】
ステップS1209に進むと、処理ステータス検知部1004は、問い合わせにより得られたエラー情報に基づいて、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生したか否かを判定する。この判定の結果、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生していない場合には、後述するステップS1211に進む。一方、エラーがファンクションフロー管理機能1003で発生した場合には、ステップS1210に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1208、S1209の処理を行うことにより機能判定手段の一例が実現される。
【0040】
ステップS1210に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、ステップS1208で得られたエラー情報(エラーコード)とをメッセージ通知部1006に通知する。次に、メッセージ通知部1006は、メッセージ変換DB1007を参照する。そして、メッセージ通知部1006は、処理ステータス検知部1004から通知されたエラー情報(ファンクションフローエラーコード1101)を汎用的なプロコルに対応するエラー情報(WebDAVエラーコード1102)に変換する。その後、後述するステップS1212に進む。
【0041】
一方、ステップS1211に進むと、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、エラーが原因不明のエラーであったことを示す情報とをメッセージ通知部1006に通知する。メッセージ通知部1006は、メッセージ変換DB1007を参照し、原因不明であるエラー情報(ファンクションフローエラーコード1101)を汎用的なプロコルに対応するエラー情報(WebDAVエラーコード1102)に変換する。そして、ステップS1212に進む。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1210、S1211の処理を行うことにより変換手段の一例が実現される。
ステップS1212に進むと、メッセージ通知部1006は、汎用的なプロトコルを利用して、文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、ステップS1210、S1211で変換されたエラー情報を通知する。そして、図6のフローチャートによる処理を終了する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1212の処理を行うことにより送信手段の一例が実現される。
【0042】
前述したように、ステップS1208において、エラーがファイル共有機能1002で発生したと判定された場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213に進むと、処理ステータス検知部1004は、次の処理を行う。すなわち、処理ステータス検知部1004は、文書ファイルを受信した際のプロトコルが汎用的なプロトコルであったことを示す情報と、エラーがファイル共有機能1002に関するエラーであったことを示す情報とを、メッセージ通知部1006に通知する。メッセージ通知部1006は、汎用的なプロトコルを利用して、文書ファイルの送信元(情報端末701−X)に対して、エラー情報をそのまま通知する。
【0043】
図7は、本実施形態におけるネットワークシステムでエラー情報を通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
図7に示す例では、情報端末701−X1とデジタル複合機702とは専用のプロトコルを使用して通信を行い、情報端末701−X2とデジタル複合機702とは汎用のプロトコルを使用して通信を行うようにしている。
ここで、情報端末701−X1にインストールされている専用のユーティリティソフトウェア710を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。そうすると、前述したように、デジタル複合機702−Yは、エラーの内容に関わらず、専用のプロトコルに従うエラー情報をそのまま情報端末701−X1に送信する(ステップS1207)。
【0044】
一方、情報端末701−X2にインストールされているファイルエクスプローラ711を使ってホットフォルダ1001にファイルを投入してファンクションフローを起動させた場合に、エラーが発生したとする。そうすると、デジタル複合機702−Yは、エラーがファイル共有機能1002に関するものか、ファンクションフロー管理機能1003に関するものかをエラー情報に基づいて判定する。そして、エラーが、ファイル共有機能1002に関するものである場合、デジタル複合機702−Yは、汎用のプロトコルに従うエラー情報をそのまま情報端末701−X2に送信する(ステップS1213)。
【0045】
一方、エラーが、ファンクションフロー管理機能1003に関するものである場合、デジタル複合機702−Yは、メッセージ変換DB1007を使って、エラー情報を汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報に変換する。そして、デジタル複合機702−Yは、変換したエラー情報を情報端末701−X2に送信する(ステップS1210、S1212)。これにより、情報端末701−X2のCRT806の画面にエラーの内容を示すエラーメッセージのダイアログボックス711aが表示される。
したがって、汎用のプロトコルを用いてホットフォルダ1001にファイルが格納された際にファンクションフロー管理機能1003で発生したエラー情報を汎用のアプリケーションソフトウェアに確実に通知することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態では、エラーが発生した場合、文書ファイルの送信元に対して一律にエラー情報を通知する場合を例に挙げて説明した。ところが、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーの中には、何らかの原因により処理自体が失敗したエラーもあれば、警告レベルでユーザに情報を通知するためのだけのエラーもある。更に、処理自体が失敗したエラーの中には、リトライ(再実行)することが可能なエラーもあればリトライすることが不可能なエラーもある。リトライすることが可能なエラーとしては、例えば、「CPUの使用率が閾値を超えている」というものや、「資源不足でジョブインスタンスを生成できない」というもの等がある。また、リトライすることが不可能なエラーとしては、「不正な処理を行った」というものや、「ジョブへの処理を受け付けられない」というものや、「不明なエラーが発生した」というもの等がある。
【0047】
リトライすることが可能なエラーの有無については、CPUの使用率や、資源不足(メモリ、プロセス数等)といったリソースに対して閾値を設けて判断する場合が多い。デジタル複合機のホットフォルダへの文書ファイルの格納が、専用のユーティリティから行われ、リトライすることが可能なエラーが発生した場合には、適切なエラー情報を専用のユーティリティに通知することができる。そのため、エラーを受け取った専用のユーティリティがエラー情報を解釈し、ファンクションフローをリトライすることが可能である。
【0048】
これに対し、デジタル複合機のホットフォルダに、汎用のプロトコルを使用して文書ファイルが格納された場合、第1の実施形態では、次のようにして処理を行ってしまう。すなわち、リトライすることが可能なエラーであっても、リトライすることが不可能なエラーであっても、一律に汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報を、汎用のアプリケーションソフトウェアに通知してしまう。そのため、エラー情報を受け取った汎用のアプリケーションソフトウェアは、エラー情報から、リトライすることが可能であるか否かを適切に解釈することができない。更に、汎用のアプリケーションソフトウェアは、リトライ等の処理を行えない場合が多い。
【0049】
そこで本実施形態では、専用のプロトコル及び汎用のプロトコルの双方によりファイルをホットフォルダに投入することができるシステムで、ファンクションフロー管理機能に関するエラーが発生した場合に、発生したエラーに応じてリトライできるようにする。このように本実施形態と第1の実施形態とは、汎用のプロトコルを使ってファイルをホットフォルダに投入することにより生じたエラーが、ファンクションフロー管理機能に関するエラーであった場合に、エラーに応じてリトライする点が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図7に付した符号と同一の符号を付すこと等により、詳細な説明を省略する。
【0050】
図8は、デジタル複合機702−Yの機能的な構成の一例を示す図である。
1301は、発生したエラーの種別が、リトライ可能なエラー、リトライ不可能なエラー、及び通知的な警告エラーの何れであるかを判断し、判断したエラーの種別に応じてリトライ処理を起動する。
エラー種別管理DB1302は、エラーの種別と、リトライ処理の起動時の判定項目及びその閾値と、リトライ回数の上限値とを管理するためのデータベースである。
【0051】
図9は、エラー種別管理DB1302のデータ構成の一例を概念的に示す図である。
図9において、ファンクションフローエラーコード1401は、ファンクションフロー管理機能1003で発生するエラー項目のエラーコードである。
エラー種別1402は、リトライ可能なエラー、リトライ不可能なエラー、通知的な警告エラー等のエラーの種別である。本実施形態では、エラー種別1402として、リトライ可能なエラーの場合には「リトライ可能」、リトライ不可能なエラーの場合には「リトライ不可能」、通知的な警告エラーの場合には「警告」と表記する。
【0052】
リトライ判定項目1403は、リトライするか否かの判定時に参照される項目を示す。
リトライ判定項目の閾値1404は、リトライするか否か判定時に参照した項目に対する閾値である。例えば、リトライするか否か判定時に参照した項目が、リトライ判定項目の閾値1404に登録されている閾値以内であればリトライ処理を起動するようにする。
リトライ回数上限値1405は、リトライする回数の上限値である。例えば、リトライした回数が、リトライ回数上限値1405に登録されている上限値を超えるには、リトライしないようにする。
【0053】
図10は、デジタル複合機702−Yの処理の一例を説明するフローチャートである。
ステップS1201〜ステップS1213については、第1の実施形態(図6)で述べたステップである。但し、次の2点が異なる。
ステップS1209からステップS1210に進む前に、ステップS1501〜S1503の処理が追加される。
ステップS1205において、エラーが発生していないと判定されると、リトライ処理部1301は、リトライ回数値を0に戻してリセットする。尚、このリトライ回数値は、例えば、HDD908等に記憶される。
【0054】
文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであった場合であって、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーが発生した場合には、ステップS1209からステップS1501に進む。
ステップS1501に進むと、処理ステータス検知部1004は、リトライ処理部1301に対して、ステップS1208で得られたエラー情報を通知する。リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401とエラー種別1402とを参照し、通知されたエラー情報に対応するエラー種別1402を取得する。そして、リトライ処理部1301は、取得したエラー種別1402を参照し、発生したエラーが、リトライ可能なエラーか否かを判定する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1501の処理を行うことによりエラー判定手段の一例が実現される。
【0055】
この判定の結果、発生したエラーがリトライ可能なエラーでない場合には、ファンクションフローをリトライしないので、ステップS1502、S1503を省略して、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。そして、汎用のプロトコルの仕様に沿ったエラー情報にエラー情報が変換される。
一方、発生したエラーがリトライ可能なエラーである場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502に進むと、リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401と、リトライ判定項目1403と、閾値1404とを参照し、エラー情報に対応するリトライ判定項目とその閾値とを取得する。次に、リトライ処理部1301は、取得したリトライ判定項目を参照し、その内容に対応する値が、取得した閾値以内か否かを判定する。例えば、リトライ判定項目1403が「メモリ使用量」、閾値1404が「50%」である場合、現在のシステムのメモリの使用量が50%以内か否かを判定することになる。この判定の結果、取得したリトライ判定項目に対応する値が閾値以内でない場合には、ファンクションフローをリトライしないので、ステップS1503を省略して、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。
【0056】
一方、取得したリトライ判定項目に対応する値が閾値以内である場合には、ステップS1503へ進む。ステップS1503に進むと、リトライ処理部1301は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401と、リトライ回数上限値1405とを参照し、取得したエラー情報に対応するリトライ回数の上限値を取得する。次に、リトライ処理部1301は、HDD908等に記憶されているリトライ回数値を参照し、そのリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内であるか否かを判定する。
【0057】
この判定の結果、HDD908等に記憶されているリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内である場合、リトライ処理部1301は、リトライ回数値に1を加えて、第1の実施形態で説明したステップS1204に進む。そして、ファンクションフローがリトライされる。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1204の処理を行うことにより処理再実行手段の一例が実現される。
一方、HDD908等に記憶されているリトライ回数値が、取得したリトライ回数の上限値以内でない場合、リトライ処理部1301は、リトライ回数値を0に戻してリセットし、第1の実施形態で説明したステップS1210に進む。
【0058】
以上のように本実施形態では、デジタル複合機は、汎用的なプロトコルが使用されて実行が指示されたファンクションフローでエラーが発生した場合には、エラー種別管理DB1302の登録内容に従って、ファンクションフローをリトライするか否かを判定する。そして、リトライすると判定された場合、デジタル複合機は、ファンクションフローをリトライする。一方、リトライしないと判定された場合、デジタル複合機は、第1の実施形態と同様に、汎用のプロトコルの仕様に従ってエラー情報を変換して情報端末に通知する。
したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、汎用のアプリケーションソフトウェアではリカバリできなかったエラーが発生した場合でも、デジタル複合機が、エラーの種別に応じて、リカバリすることが可能になるという効果が得られる。
【0059】
尚、本実施形態では、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが汎用的なプロトコルであった場合であって、ファンクションフロー管理機能1003に関するエラーが発生した場合に、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするようにした。しかしながら、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするタイミングはこのようなものに限定されない。例えば、文書ファイルを受信した際に使用されたプロトコルが専用のプロトコルであった場合に、リトライ可能なエラーか否かを判定し、リトライするようにしてもよい。
【0060】
(変形例)
SMBやWebDAVといった汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせが、情報端末701−Xからあった場合にも、ステップS1502の判定を適用することができる。
例えば、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401の欄に、「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」を含めるようにする。そして、「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」に対応するリトライ判定項目1403及び閾値1404を登録する。尚、エラー種別1402及びリトライ回数上限値1405については、例えば、参照不要であることを示すN/Aを登録する。
【0061】
そして、汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせがあった場合、デジタル複合機は、次の処理を行う。すなわち、デジタル複合機は、エラー種別管理DB1302のファンクションフローエラーコード1401の「ホットフォルダのプロパティの問い合わせ」に対応するリトライ判定項目1403と閾値1404とを参照する。
【0062】
そして、リトライ判定項目1403に対応する値が、閾値1404に設定されている値以内である場合、デジタル複合機は、ファンクションフローとして実行可能な状態にあると判断する。一方、リトライ判定項目1403に対応する値が、閾値1404に設定されている値を超えている場合、デジタル複合機は、ファンクションフローとして実行不可能な状態にあると判断する。
【0063】
そして、ファンクションフローとして実行可能な状態にある場合、デジタル複合機は、ホットフォルダ1001の状態を、そのまま汎用のアプリケーションソフトウェアに返信し、問い合わせに対する応答を行う。一方、ファンクションフローとして実行不可能な状態にある場合、デジタル複合機は、例えばディスクの容量がフルであることを、ホットフォルダ1001のプロパティとして汎用のアプリケーションソフトウェアに返信し、問い合わせに対する応答を行う。以上のようにして返信するに際し、必要に応じて、汎用のプロトコルの仕様に合わせてデータが変換される。
以上のようにすることにより、図11に示すように、情報端末701−XのCRT806の画面に、ホットフォルダのプロパティを表示するダイアログボックス711bが表示される。
【0064】
このようにして、汎用のプロトコルを使用してホットフォルダ1001のプロパティの問い合わせに対しても、ファンクションフローを管理する機能に関する情報も鑑みてホットフォルダ1001のプロパティを情報端末701−Xに返信できる。尚、返信するホットフォルダ1001のプロパティは、ディスクの容量がフルである場合に限定されず、アクセス権がないといったプロパティでも構わない。この他、デジタル複合機702−Yで起動中のファンクションフローの数、ホットフォルダ1001内で処理待ちとなっている文書の数、及びメモリの使用量等に基づくプロパティでも構わない。更に、これらの少なくとも2つを組み合わせたものでも構わない。
【0065】
(本発明の他の実施形態)
前述した本発明の実施形態におけるデータ処理装置を構成する各手段、並びにデータ処理方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0066】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0067】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図6、図10に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
【0068】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0069】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0070】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0071】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0072】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0073】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0074】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0075】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0076】
尚、前述した各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、ネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、情報端末のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機の機能的な構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、メッセージ変換DBのデータ構成の一例を概念的に示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、デジタル複合機の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、ネットワークシステムでエラー情報を通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示し、デジタル複合機の機能的な構成の一例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示し、エラー種別管理DBのデータ構成の一例を概念的に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示し、デジタル複合機の処理の一例を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態の変形例を示し、ネットワークシステムでホットフォルダのプロパティを通知する際の様子の一例を概念的に示す図である。
【図12】専用のユーティリティソフトウェアを使ってファンクションフローを実行する様子を概念的に示す図である。
【図13】汎用のプロトコルを使ってホットフォルダにファイルを格納する様子を概念的に示す図である。
【図14】汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【図15】汎用のプロトコルを利用した環境で、ファンクションフローを実行する機能に関するエラーが発生したときの様子を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0078】
700 ネットワーク
701 情報端末
702 デジタル複合機
1001 ホットフォルダ
1004 処理ステータス検知部
1005 アクセス経路検知部
1006 メッセージ通知部
1007 メッセージ変換DB
1301 リトライ処理部
1302 エラー種別管理DB
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理装置であって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定手段と、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換手段と、
前記変換手段により変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信手段とを有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
ファイルを格納する記憶域であって、前記情報端末に前記ファイルを共有させるためのファイル共有機能と、専用のプロトコルを用いた通信により当該記憶域にファイルが投入されたことを契機として処理を実行させるための処理管理機能とを有する記憶域と、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、そのエラーが、前記ファイル共有機能に関するもの、及び前記処理管理機能に関するものの何れであるかを判定する機能判定手段とを有し、
前記変換手段は、前記プロトコル判定手段により、プロトコルが、前記ファイル共有機能を利用するための汎用のプロトコルであると判定され、且つ、前記機能判定手段により、発生したエラーが、前記処理管理機能に関するものであると判定されると、前記発生したエラーの情報を前記汎用のプロトコルの仕様に合ったエラーの情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該エラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであるか否かを判定するエラー判定手段と、
前記エラー判定手段により、発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであると判定されると、前記処理を再び実行する処理再実行手段とを有し、
前記変換手段は、前記エラー判定手段により、発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーでないと判定されると、前記発生したエラーの情報を前記汎用のプロトコルの仕様に合ったエラーの情報に変換することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記エラー判定手段は、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルが、前記汎用のプロトコルであると、前記発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理方法であって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、
前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信ステップとを有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、
前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する指示を行う送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理装置であって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定手段と、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換手段と、
前記変換手段により変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信手段とを有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
ファイルを格納する記憶域であって、前記情報端末に前記ファイルを共有させるためのファイル共有機能と、専用のプロトコルを用いた通信により当該記憶域にファイルが投入されたことを契機として処理を実行させるための処理管理機能とを有する記憶域と、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、そのエラーが、前記ファイル共有機能に関するもの、及び前記処理管理機能に関するものの何れであるかを判定する機能判定手段とを有し、
前記変換手段は、前記プロトコル判定手段により、プロトコルが、前記ファイル共有機能を利用するための汎用のプロトコルであると判定され、且つ、前記機能判定手段により、発生したエラーが、前記処理管理機能に関するものであると判定されると、前記発生したエラーの情報を前記汎用のプロトコルの仕様に合ったエラーの情報に変換することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該エラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであるか否かを判定するエラー判定手段と、
前記エラー判定手段により、発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであると判定されると、前記処理を再び実行する処理再実行手段とを有し、
前記変換手段は、前記エラー判定手段により、発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーでないと判定されると、前記発生したエラーの情報を前記汎用のプロトコルの仕様に合ったエラーの情報に変換することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記エラー判定手段は、前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルが、前記汎用のプロトコルであると、前記発生したエラーが、前記処理を再実行することが可能なエラーであるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行するデータ処理方法であって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、
前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する送信ステップとを有することを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
ネットワークを介して相互に接続された情報端末から処理の実行の指示があると、その指示に従って処理を実行することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記処理の実行においてエラーが発生すると、当該処理の実行の指示に使用されたプロトコルを判定するプロトコル判定ステップと、
前記プロトコル判定手段により判定されたプロトコルに応じて、前記エラーの情報を、当該プロトコルに合うように変換する変換ステップと、
前記変換ステップにより変換されたエラーの情報を、前記処理の実行の指示に使用されたプロトコルを用いて、前記処理の指示を行った情報端末に送信する指示を行う送信ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−276936(P2009−276936A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126402(P2008−126402)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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