説明

データ処理装置及びその制御方法

【課題】 不特定多数のプリンタ装置で一つのSDメモリカードを使用する場合、そのメモリカードに格納されたデータによっては、従来使用していたプリンタ装置以外では印刷できない可能性がある。
【解決手段】 記憶装置を着脱可能なデータ処理装置及びその制御方法であって、記憶装置に、自機で使用するデータを格納する第1領域と、他機と共通で使用するデータを格納する第2領域とを確保し、自機で使用するデータを第1領域に格納し、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで第2領域に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置を着脱可能なデータ処理装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ(PC)等の上位装置より送信されるデータを受信し、そのデータに基づいて印刷するプリンタ装置において、その装置に記憶装置を装着してデータストレージの機能を拡張して様々な機能を提供できる装置が出現している。例えば、上位装置等より受信したデータを、その装着された記憶装置に格納し、再度、そのデータを印刷したい場合には、そのプリンタ装置の操作部を操作して、その格納されたデータを選択して印刷できるプリンタ装置が提供されている。このような記憶装置としては、以前はHDD(ハードディスクドライブ)が使用されていたが、近年は、HDDよりも取扱いが容易な、大容量のSD(Secure Digital)メモリカードが使用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−307745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SDメモリカードは、装置への脱着が比較的容易で取扱いが容易であるため、一つのメモリカードを特定のプリンタ装置で専用に使用するだけでなく、不特定多数のプリンタ装置に装着して使用することが想定される。また、プリンタ装置を置き換える場合や、不具合が発生して部品交換などが必要な場合においても、従来使用していたSDメモリカードを使用し、そのメモリカードに格納されたデータをそのまま有効に使用したいという要望もある。とはいえ、不特定多数のプリンタ装置で一つのSDメモリカードを使用する場合、そのメモリカードに格納されたデータによっては、従来使用していたプリンタ装置以外では印刷できない可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0006】
本発明の特徴は、記憶装置を複数のデータ処理装置で共通に使用する場合、その記憶装置に記憶されているデータを用いて他のデータ処理装置で処理を可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係るは以下のような構成を備える。即ち、 記憶装置を着脱可能なデータ処理装置であって、
前記記憶装置に、自機で使用するデータを格納する第1領域と、他機と共通で使用するデータを格納する第2領域とを確保する確保手段と、
自機で使用するデータを前記第1領域に格納し、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで前記第2領域に格納する格納制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、記憶装置を着脱可能なデータ処理装置であって、
前記記憶装置に、自機で使用するデータと自機を識別する識別情報とを格納する第1の格納制御手段と、
前記記憶装置に前記識別情報を格納することなく、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで前記第2領域に格納する第2の格納制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶装置を複数のデータ処理装置へ装着しても、その記憶装置に格納されたデータを選択して処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るデータ処理装置に記憶装置を装着する一例を説明する図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態に係るメモリカードへのデータの格納方法を説明する図。
【図4】本実施形態に係るプリンタにメモリカードが装着された場合の処理を示すフローチャート。
【図5】本実施形態に係るプリンタにおいてメモリカードにデータを格納する場合の処理を説明するフローチャート。
【図6】本実施形態に係るプリンタにおいてメモリカードにデータを格納する場合の処理を説明するフローチャート。
【図7】本実施形態に係るプリンタにおいて、メモリカードに格納されたデータを削除する場合の処理を説明するフローチャート。
【図8】本実施形態に係るプリンタにおいて、メモリカードに格納されたデータを削除する場合の処理を説明するフローチャート。
【図9】本発明の他の実施形態に係るプリンタとメモリカードとの関連を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るデータ処理装置に記憶装置(記憶デバイス)を装着する一例を説明する図である。
【0013】
図1において、データ処理装置としてプリンタ11〜13を想定し、これらに共通に着脱可能な記憶装置として、SDメモリカード100(以下、メモリカード)を想定している。なお、着脱とは、データ処理装置に設けられたスロット、コネクタ、アンテナなどに記憶装置を接続したり、そこから記憶装置を外したりすることを含む。また、着脱とは、データ処理装置と非接触で通信可能な範囲に記憶装置を入れたり、その範囲外に記憶装置を出したりすることを含む。プリンタ11にメモリカード100を装着して、印刷ジョブの格納や、印刷ジョブのスプール等の主にストレージ等の機能拡張を実現させる。本実施形態としては、メモリカード100は、主としてプリンタ11に装着して使用する。メモリカード100に格納されたデータをプリンタ12やプリンタ13等の他のプリンタで使用する場合は、そのメモリカード100をプリンタ11より取り外して(抜いて)、任意のプリンタに装着して使用することになる。
【0014】
図2は、本実施形態に係るプリンタ11の構成を示すブロック図である。尚、他のプリンタ12、13の構成も基本的には同じ構成である。
【0015】
プリンタコントローラ200は、このプリンタ11の動作を制御している。CPU203は、ROM204に格納された制御プログラム等に従って、システムバス212に接続された各部を総括的に制御する。またプリンタエンジンI/F206を介して接続されるプリンタエンジン部(印刷部)201に出力情報としての画像信号を出力する。RAM205は、CPU203のメインメモリ、ワークエリア等を提供しており、図示しない増設ポートに接続されているオプションRAMにより、そのメモリ容量を拡張することができる。尚、RAM205は、印刷データに基づいて出力情報を作成して展開する領域等にも用いられる。操作部202は、プリンタ11を操作するためのスイッチ及び表示器等が配置されており、操作部I/F207を介してシステムバス212と接続される。操作部202から入力されたモード情報等は、不揮発性メモリ209に記憶させるようにしても良い。ローカルI/F211はUSBI/F等であり、ホストコンピュータ等の上位装置と直接接続され、印刷データ等のやり取りを行う。ネットワークI/F208は、図示しないネットワークとの間のデータのやり取りを制御している。またメモリカード100等のメモリカードを装着するために、SDIO・I/F210を備えている。このSDIO・I/F210にメモリカード100を装着することで、このメモリカード100にプリントジョブの格納やスプールが可能となる。更に、このメモリカード100に格納されたデータを操作部202より指定することで、コンピュータ等の上位装置より再度印刷データを受信しなくても、以前受信して格納している印刷データに従って再度同じデータを印刷することが可能となる。
【0016】
図3(A)(B)は、本実施形態に係るメモリカード100へのデータの格納方法を説明する図である。
【0017】
図3(A)においては、固有のプリンタで使用するデータを格納する固有データ格納領域(第1領域)300と、複数のプリンタで共通して使用するデータを格納する共通データ格納領域(第2領域)301とを設けている。更に、固有データ格納領域300では、図1に示すプリンタ11、12、13用の格納領域(300a〜300c)を確保し、各領域を各プリンタのIDで管理している。プリンタのIDは、プリンタを識別する識別情報として機能する。また共通データ格納領域301では、PDL(ページ記述言語)の違い等が想定されるため、データをイメージ(ビットマップデータ)やDL(ディスプレイリスト)等の共通フォーマットで格納する。
【0018】
図3(B)は、データを格納する他の実施形態を説明する図で、印刷ジョブデータを固有のプリンタで印刷するように要求された場合、そのプリンタのIDを付加して印刷ジョブデータを格納する(303、305、306)。また、印刷ジョブデータを固有のプリンタに限らず、複数のプリンタのいずれかで印刷するように要求された場合は、プリンタのIDを付加せずに印刷データを格納する(304、307)。以下、プリンタのIDが付加されていない印刷データを共通データと称する。共通データとして格納する場合は、前述したようなイメージやDL等の共通フォーマットで格納されることはいうまでもない。
【0019】
図4は、本実施形態に係るプリンタにメモリカードが装着された場合の処理を示すフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM204に格納されており、CPU203の制御の下に実行される。
【0020】
ここでは、例えばプリンタ11でメモリカード100を使用する場合で説明する。またメモリカード100のデータフォーマットは、図3(A)の例で説明する。
【0021】
まずS401で、メモリカード100が装着されたことを検出する。これは不図示のセンサにより検出できる。S402で、そのプリンタ11の操作部202に、そのメモリカード100を複数のプリンタで共通に使用するか、或いは初期化するかのいずれを選択するための画面を表示し、ユーザに選択させる。ここでユーザが初期化を選択すると、S408で、そのメモリカード100に、固有データ格納領域300及び共通データ格納領域301を確保する初期化処理を実行する。
【0022】
一方、ユーザが複数のプリンタで共通に使用することを選択すると、S403で、メモリカード100に、既に固有データ格納領域300、共通データ格納領域301が確保されているか否かを判定する。ここで、固有データ格納領域300、共通データ格納領域301が確保されていれば、S407で、メモリカード100の共通データ格納領域301に格納されたデータを診断する。共通データ格納領域301に格納されているデータが共通で使用可能なデータであると判断すると、以降は、操作部202によるユーザの指示に従って印刷等の処理を行う。
【0023】
一方、S403で、固有データ格納領域300、共通データ格納領域301が確保されていないと判定すると、S405で、自機(プリンタ11)の固有データ格納領域を確保可能か否かを判定する。ここで固有データ格納領域を確保できないと判定すると、S409で、プリンタの操作部202等の表示部に、共通データ格納領域のみの使用になる旨を示すメッセージを表示する。以下、共通データ格納領域のみの使用のことを共通使用モードと称する。
【0024】
一方、S405で、自機の固有データ格納領域を確保可能と判定すると、S406で、メモリカード100に固有データ格納領域を確保する。さらに、新たに確保した固有データ格納領域に自機(プリンタ11)のIDを関連付ける。そしてS407で、メモリカード100の共通データ格納領域301に格納されたデータを診断する。共通データ格納領域301に格納されたデータが共通で使用可能と判断した場合は、以降、操作部202の指示に従って、そのデータを印刷可能なデータとして処理を行う。
【0025】
さらに、自機の固有データ格納領域300が確保されている場合(S406で確保した場合を含む)には、プリンタ11は、固有データ格納領域に格納されているデータを印刷したり、固有データ格納領域にデータを格納したりすることができる。
【0026】
以上説明したようにして、メモリカードがプリンタに装着されたときに、そのメモリカードのデータフォーマットに従って、固有データ格納領域、或いは共通データ格納領域に印刷ジョブデータを格納することができる。これにより、そのメモリカードが複数のプリンタの間で共通に使用されても、そのメモリカードに記憶されている印刷データに従って、いずれのプリンタでも印刷を行うことができる。
【0027】
図5は、本実施形態に係るプリンタにおいてメモリカード100にデータを格納する格納制御処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM204に格納されており、CPU203の制御の下に実行される。尚、この処理は、メモリカード100のデータフォーマットが図3(A)の場合に対応している。
【0028】
この処理は、ユーザによりメモリカードが装着されたプリンタが、上位装置から印刷ジョブを受信することにより開始される。まずS500で、その印刷ジョブを受信する。次にS501で、その受信したジョブがメモリカード100にデータを格納するジョブであるかどうかを判断し、データを格納する印刷ジョブであると判断するとS502に進む。この判断は、例えば、受信した印刷ジョブの属性が再印刷可能なジョブであることを示しているかどうか等により判定できる。
【0029】
S502では、自機のみで再印刷するジョブか否かを判定する。自機のみで再印刷するジョブであると判定すると、S503で、図3(A)に示すように、その印刷ジョブデータをメモリカード100の固有データ格納領域300に格納する。一方、S502で、他のプリンタでも印刷するジョブと判断した場合は、S504で、印刷ジョブデータを共通フォーマットに変換して、共通データ格納領域301に格納する。
【0030】
またS501で、メモリカード100にデータを格納するジョブでないと判断した場合は、S505で、印刷ジョブデータに基づく印刷を実行し、その印刷の終了後、メモリカード100に、その印刷ジョブデータを格納しない。
【0031】
図6は、本実施形態に係るプリンタにおいてメモリカード100にデータを格納する場合の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM204に格納されており、CPU203の制御の下に実行される。尚、この処理は、メモリカード100のデータフォーマットが図3(B)の場合に対応している。また図6において、図5と共通するステップは同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0032】
S502において、自機のみでなく他のプリンタでも印刷するジョブと判断した場合は、S511で、受信した印刷ジョブデータを共通フォーマットに変換し、プリンタのIDを付加せずに格納する(第2の格納制御)。例えば、共通データ304及び307はS511で格納される。一方、S502で、自機でのみ再印刷を実行するジョブと判断した場合は、S510で、その印刷ジョブデータにプリンタのIDを付加して格納する(第1の格納制御)。例えば、印刷ジョブデータ303、305及び306はS510で格納される。
【0033】
このようにして、自機でのみ再印刷する印刷ジョブと、他のプリンタでも再印刷される印刷ジョブとをそれぞれメモリカードの別々の領域に格納しておき、自機でのみ再印刷する印刷ジョブをプリンタのIDで管理する。これにより、その格納されている印刷ジョブを固有のプリンタで再印刷することができる。また他のプリンタでも再印刷される印刷ジョブは共通のフォーマットで格納することにより、仕様の異なる他のプリンタでも印刷することが可能になる。
【0034】
図7は、本実施形態に係るプリンタにおいて、メモリカード100に格納されたデータを削除する場合の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM204に格納されており、CPU203の制御の下に実行される。尚、この処理は、メモリカード100のデータフォーマットが図3(A)の場合に対応している。
【0035】
この処理は、操作部202等からメモリカード100に格納されているデータの削除要求が入力されることにより開始される。まずS700で、メモリカード100に格納されているデータの削除要求を受け取る。これは操作部202に、例えばメモリカードのデータ一覧を表示し、その中から削除対象のデータをユーザに選択させることによりなされる。次にS701で、削除対象のデータがメモリカード100の固有データ格納領域300に格納されているデータであるか否かを判定する。固有データ格納領域300に格納されているデータを削除する場合は、S704で、その選択された削除対象データを削除する。
【0036】
一方、S701で、削除対象のデータが共通データ格納領域301に格納されたデータである場合は、S702で、操作部202等の表示部に、複数のプリンタで使用可能なデータを削除する旨のメッセージを表示する。それとともに、削除対象のデータを削除するか否かを選択するための画面を表示する。そしてS703で、削除対象のデータを削除するかどうかを、操作部202からの指示により判定し、削除の指示があればそのデータを削除するが、削除の指示がなければそのデータを削除しない。
【0037】
上記では、削除対象のデータをユーザに選択させた後に、選択されたデータが固有データ格納領域300に格納されているか否かを判定した。しかしながら、まず初めに、プリンタは、固有データ格納領域300に格納されているデータを削除するか共通データ格納領域301に格納されているデータを削除するかをユーザに選択させてもよい。ユーザが固有データ格納領域300に格納されているデータを削除することを選択した場合、プリンタは、固有データ格納領域300に格納されているデータの一覧を操作部202に表示し、削除すべきデータをユーザに選択させる。ユーザが共通データ格納領域301に格納されているデータを削除することを選択した場合には、プリンタは、複数のプリンタで使用可能なデータを削除する旨のメッセージを操作部202に表示する。さらに、プリンタは、データを削除するか否かを選択するための画面を操作部202に表示する。そこで、削除の指示があった場合に、プリンタは、共通データ格納領域301に格納されているデータの一覧を操作部202に表示し、削除すべきデータをユーザに選択させる。
【0038】
図8は、本実施形態に係るプリンタにおいて、メモリカード100に格納されたデータを削除する場合の処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM204に格納されており、CPU203の制御の下に実行される。尚、この処理は、メモリカード100のデータフォーマットが図3(B)の場合に対応している。また図8において、図7と共通するステップは同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0039】
S801で、削除対象のデータが例えば図3の303、305のようなプリンタのIDが付与されたデータか否かを判定する。ここでプリンタのIDが付与されたデータであると判断した場合は、S704で、このプリンタだけで使用されるデータであるため削除しても問題ないと判断して、そのデータを削除する。
【0040】
一方、S801で、削除対象のデータがプリンタのIDが付加されたデータでない場合、S802で、操作部202等の表示部に複数のプリンタで使用可能なデータを削除する旨のメッセージを表示する。それとともに、削除対象のデータを削除するか否かを選択するための画面を表示する。そのデータは複数のプリンタで共通に使用するデータだからである。そしてS703で、操作部202から削除しても問題が無いという指示が入力されるとそのデータを削除し、削除の指示がなければそのデータを削除しない。
【0041】
このように、メモリカードのデータの削除が指示された場合に、そのデータが、そのプリンタだけで使用されるデータであれば削除するが、複数のプリンタで共通に使用されるデータであれば、ユーザの指示に従って削除するかどうかを決定する。これにより、複数のプリンタで共通に使用されるメモリカードのデータが、或るプリンタに装着されたときに誤って削除されるのを防止できる。
【0042】
図9は、本発明の他の実施形態に係るプリンタとメモリカードとの関連を説明する図である。
【0043】
プリンタ20が、メモリカード100−a、100−bとを同時に2つ装着可能な、SDIOI/F(210−a、210−b)を備えている。前述したようにデータが格納されたメモリカード100を使用する場合、図9において、メモリカード100−bは最初からプリンタ20で使用され、SDIO・I/F(2ch)210−bに装着されてプリンタ20が専用で使用する。一方、メモリカード100−aは、他のプリンタと共通で使用されるメモリカードで、SDIO・I/F(1ch)210−aに装着される。
【0044】
各々のメモリカード100−a、100−bには、前述したように固有データ格納領域300と共通データ格納領域301が確保されている。
【0045】
各々のメモリカード内のデータを選別し、固有データ格納領域300に格納されたデータに関しては、プリンタ20が専用で使用するメモリカード100−bの固有データ格納領域300のデータを参照する。また共通データ格納領域301に格納されたデータに関しては、メモリカード100−a、100−bの各共通データ格納領域301のデータで一致するデータがある場合、メモリカード100−bのデータのみを参照する。
【0046】
また、共通で使用するメモリカード100−aに関しては読み出しのみ可能とし、専用で使用するメモリカード100−bは読み出し及び書出しが可能な構成としても良い。
【0047】
以上説明したように、記憶装置を複数装着可能な場合、一方を自機専用で使用する記憶装置とし、他方を他機と共通して使用可能な記憶装置とする。そして、これら複数の記憶装置に格納されたデータから、他機と共通で使用可能なデータで一致するものは、いずれか一方のデータのみを処理対象とする。これにより、メモリカード100−a、100−bとを同時に2つ装着可能な場合でも、ユーザにメモリカードの選択をほとんど意識させないで、かつメモリカードのデータが不用意に削除されたり更新されるのを防止できる。
【0048】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置を着脱可能なデータ処理装置であって、
前記記憶装置に、自機で使用するデータを格納する第1領域と、他機と共通で使用するデータを格納する第2領域とを確保する確保手段と、
自機で使用するデータを前記第1領域に格納し、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで前記第2領域に格納する格納制御手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記記憶装置に格納されたデータの削除が指示されると、当該データが前記第1領域に格納されていると当該データを削除し、前記データが前記第2領域に格納されていると当該データを削除するかどうかをユーザに問い合わせる制御手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記記憶装置の前記第1領域に記憶されたデータのうち、処理対象のデータを選択するための選択手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記他機と共通で使用可能なフォーマットのデータは、ビットマップデータ或いはディスプレイリストであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記記憶装置を複数装着する場合、一方を自機専用の記憶装置とし、他方を他機と共通して使用可能な記憶装置とし、これら複数の記憶装置に格納されたデータから、他機と共通で使用するデータで一致するものは、いずれか一方のデータのみを処理対象とすることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
記憶装置を着脱可能なデータ処理装置であって、
前記記憶装置に、自機で使用するデータと自機を識別する識別情報とを格納する第1の格納制御手段と、
前記識別情報を前記記憶装置に格納することなく、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで前記記憶装置に格納する第2の格納制御手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項7】
記憶装置を着脱可能なデータ処理装置を制御する制御方法であって、
前記記憶装置に、自機で使用するデータを格納する第1領域と、他機と共通で使用するデータを格納する第2領域とを確保する確保工程と、
自機で使用するデータを前記第1領域に格納し、他機と共通で使用するデータを、当該他機と共通で使用可能なフォーマットで前記第2領域に格納する格納制御工程と、
を有することを特徴とするデータ処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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