データ処理装置
【課題】ユーザは、3次CADデータを見ても、構造物を正確に把握することができない。
【解決手段】データ処理装置10は、3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部120と、CADモデルと、対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部122と、対象点群と、複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置16と、を備える。
【解決手段】データ処理装置10は、3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部120と、CADモデルと、対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部122と、対象点群と、複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置16と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リバースエンジニアリングは、図面がなくても、既存製品や既存設備等の構造物からアズビルトデータを取得することにより、製造や改造に必要な形状データや寸法データを作成する技術である。
【0003】
従来、3次元モデルを得るリバースエンジニアリングが提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。特に、大型構造物や複数の部品が組み合わされた複雑構造物の高精度な3次元CAD(Computer Aided Design)データを生成するために、複数種類の3次元計測器の計測結果を組み合わせる技術が提案されている(例えば、特許文献3及び4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−242186号公報
【特許文献2】特開2001−184527号公報
【特許文献3】特開2007−58508号公報
【特許文献4】特開2010−66169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、3次元計測器の計測精度が低いと、3次元CADデータが構造物を正確に表現しない場合がある。その結果、ユーザは、3次CADデータを見ても、構造物を正確に把握することができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために創作されたものである。本発明の目的は、3次元CADデータが構造物を正確に表現しているか否かについて、ユーザが直感的に判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデータ処理装置は、3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部と、CADモデルと、対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部と、対象点群と、複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3次元CADデータが構造物を正確に表現しているか否かについて、ユーザが直感的に判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態のデータ処理装置10のブロック図。
【図2】第1実施形態のCADモデル取得処理のフローチャート。
【図3】第1実施形態の対象点群抽出(S200)の第2例の説明図。
【図4】第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)のフローチャート。
【図5】第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図。
【図6】第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図。
【図7】第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)のフローチャート。
【図8】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図9】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図10】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図11】第1実施形態の断面モードの説明図。
【図12】第1実施形態の選択CADモデル候補の画面の例の図。
【図13】第2実施形態のデータ処理装置10のブロック図。
【図14】第2実施形態のCADモデル取得処理のフローチャート。
【図15】第2実施形態のCADモデル候補調整(S1409)の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態を説明する。
【0012】
第1実施形態のデータ処理装置10の構成を説明する。図1は、第1実施形態のデータ処理装置10のブロック図である。
【0013】
データ処理装置10は、プロセッサ12と、記憶装置14と、表示装置16と、を備える。
【0014】
プロセッサ12は、対象点群抽出部120と、CADモデル候補作成部122と、CADモデル候補選択部124と、表示制御部126と、を備える。プロセッサ12の各部については、後述する。
【0015】
記憶装置14は、プロセッサ12の処理に必要な様々なデータを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。例えば、記憶装置14は、フラッシュメモリ又はハードディスクである。記憶装置14には、少なくとも、3次元計測装置を用いて取得した対象構造物表面の位置を示した3次元点群データと、予め用意された複数の3次元CADモデルと、が記憶される。複数の3次元CADモデルは、プラントで使用される部材(例えば、鋼材及び壁材)毎に作成されたものである。例えば、記憶装置14には、鋼材Aの3次元CADモデル、鋼材Bの3次元モデル、壁材Cの3次元CADモデル、及び壁材Dの3次元CADモデルが記憶される。
【0016】
表示装置16は、プロセッサ12が作成した画像を表示する装置である。例えば、表示装置16は、液晶ディスプレイである。
【0017】
第1実施形態のデータ処理装置10の動作を説明する。図2は、第1実施形態のCADモデル取得処理のフローチャートである。
【0018】
<対象点群抽出(S200)> 対象点群抽出部120は、記憶装置14に記憶された3次元点群データの中から、作成すべきCADモデルに対応する点群(以下「対象点群」という)を抽出する。
【0019】
対象点群抽出(S200)の第1例を説明する。対象点群抽出部120は、3次元点群データにおいて、空間的距離及び輝度値の少なくとも1つが所定の範囲内に含まれる点群を、1つのグループにまとめる。これにより、プラントで使用される部材毎の対象点群が抽出される。
【0020】
対象点群抽出(S200)の第2例を説明する。図3は、第1実施形態の対象点群抽出(S200)の第2例の説明図である。図3に示すように、表示装置16には、3次元点群データに対応する画像(以下「3次元点群画像」という)が表示される。ユーザは、3次元点群画像において、指定領域UAを指定する。その結果、表示装置16には、2次元マップが表示される。2次元マップは、指定領域UAに含まれる点群と、仮想カメラ位置及び視線方向と、を含む。ユーザは、仮想カメラ位置及び視線方向を変更しながら、指定領域UAを確定する。対象点群抽出部120は、確定した指定領域UAに含まれる点群を、対象点群として抽出する。
【0021】
<CADモデル候補作成(S202)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデルと、S200で抽出された対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成する。
【0022】
第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)について説明する。図4は、第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)のフローチャートである。
【0023】
<CADモデル読込(S202−10)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデルを読み込む。
【0024】
<点群データ距離計算(S202−12)> CADモデル候補作成部122は、式1を用いて、3次元CADモデルの面と対象点群に含まれる全ての点との距離の総和D(以下「点群データ距離」という)を計算する。式1において、Pは対象点群の集合であり、piは対象点群に含まれる任意の点であり、d(pi)は、対象点群の任意の点piと3次元CADモデルの面との距離である。距離d(pi)は、式2から得られる。式2において、pは対象点群の任意の点の座標であり、p0は3次元CADモデルの面上の任意の点の座標であり、θはCADモデルの面の法線ベクトルとベクトルp・p0のなす角度である。換言すると、点群データ距離は、対象点群とCADモデルと間の類似度を表す。例えば、点群データ距離が小さいほど、類似度が高い。
【数1】
【数2】
【0025】
<CADモデル候補表示(S202−14)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデル(すなわち、対象点群との類似度が高い部材のCADモデル)を、点群データ距離が小さい部材の順に、CADモデル候補として選択する。これにより、表示装置16には、対象点群との類似度が高い順に、複数のCADモデル候補の画像が表示される。
【0026】
図5及び6は、第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図である。図5に示すように、部材の断面の形状が一様(例えば、矩形)である場合には、CADモデル候補作成部122は、図6に示すように、対象点群と部材の2次元CADモデルの線分との距離の総和を用いて、CADモデル候補を選択しても良い。これにより、点群データ距離算出(S202−12)における計算量と、記憶装置14に記憶すべき3次元CADモデルの容量と、を低減することができる。
【0027】
第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の変形例について説明する。CADモデル候補作成部122は、対象点群の面データを作成し、その面データをCADモデルに変換しても良い。この場合には、変換により得られるCADモデルが、CADモデル候補である。
【0028】
<CADモデル候補選択(S204)> 表示制御部126は、複数のCADモデル候補の少なくとも1つを選択するのに用いられる選択用画像を生成する。これにより、表示装置16には、選択用画像が表示される。ユーザが、選択用画像を用いて、データ処理装置10に指示を与えると、CADモデル候補選択部124は、ユーザの指示に従って、表示装置16に表示された複数のCADモデル候補の画像の中から、CADモデル候補を選択する。
【0029】
<選択CADモデル候補表示(S206)> 表示装置16には、CADモデル候補選択(S204)において選択されたCADモデル候補(以下「選択CADモデル候補」という)の画像が表示される。
【0030】
第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)について説明する。図7は、第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)のフローチャートである。
【0031】
<表示モード選択(S206−10)> 表示制御部126は、選択CADモデル候補の画像の表示モードを選択するための表示モード選択画面を、表示装置16に表示する。ユーザは、表示モード選択画面において、入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、又は表示モード選択画面に含まれるソフトキー)を用いて、表示モードを選択する。
【0032】
第1実施形態の表示モード選択(S206−10)について説明する。図8〜11は、第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図である。
【0033】
ユーザは、鳥瞰モードと、輪郭モードと、面モードと、断面モードと、の少なくとも1つを、表示モードとして選択する。鳥瞰モードでは、選択CADモデル候補の画像が鳥瞰的に表示される。輪郭モードでは、少なくとも輪郭線を含む選択CADモデル候補の画像が表示される。面モードでは、選択CADモデル候補の面の画像が表示される。断面モードでは、選択CADモデル候補の断面の画像が表示される。
【0034】
図8に示すように、鳥瞰モードでは、ユーザは、仮想カメラの位置(視点)と、カメラの向き(視線方向)と、を任意に設定することができる。この場合には、表示装置16には、選択CADモデル候補の鳥瞰画像と、対象点群を透視投影した投影画像と、が表示される。
【0035】
図9に示すように、輪郭モードでは、表示装置16には、選択CADモデル候補の輪郭線のみの画像か(図9(A)を参照)、又は、選択CADモデル候補の輪郭線及び面の画像が表示される(図9(B))。即ち、輪郭モードでは、表示装置16には、選択CADモデル候補の輪郭線を含む画像が表示される。
【0036】
図10に示すように、面モードでは、ユーザは、選択CADモデル候補の面を任意に選択することができる。この場合には、表示装置16には、選択された面(以下「選択面」という)の周囲の対象点群を、選択面上に正射影した正射影面画像が表示される。
【0037】
なお、鳥瞰モード及び面モードの両方が選択された場合には、表示装置16には、鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像に選択面が表示される。これにより、ユーザは、面モードで選択した選択面と鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像における選択面との位置関係を容易に知ることができる。
【0038】
図11に示すように、断面モードでは、ユーザは、選択CADモデル候補の断面の位置を任意に選択することができる。この場合には、表示装置16には、選択された断面の位置(以下「選択断面位置」という)の周囲の対象点群を、選択断面上に正射影した正射影断面画像が表示される。
【0039】
なお、鳥瞰モード及び断面モードの両方が選択された場合には、表示装置16には、鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像に選択断面位置が表示される。これにより、ユーザは、断面モードで選択した選択断面位置と鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像における選択断面との位置関係を容易に知ることができる。
【0040】
さらに、表示装置16には、鳥瞰モード、面モード、及び断面モードの何れが選択された場合であっても、表示中の選択CADモデル候補のCAD情報(例えば、部材の種類、寸法、位置の数値、姿勢の数値、及びユーザのID(Identification))を表示しても良い。これにより、視覚的な評価に加えて、選択CADモデル候補の定量的な評価が容易になる。
【0041】
<表示制御(S206−12)> 表示制御部126は、表示モード選択(S206−10)において選択された表示モードに応じて、画像を作成する。例えば、鳥瞰モードが選択された場合には、表示制御部126は、鳥瞰画像及び投影画像を作成し(図8を参照)、輪郭モードが選択された場合には、輪郭線を少なくとも含む選択CADモデル候補の画像を作成し(図9を参照)、面モードが選択された場合には、正射影面画像を作成し(図10を参照)、断面モードが選択された場合には、正射影断面画像を作成する(図11を参照)。
【0042】
図12は、第1実施形態の選択CADモデル候補の画面の例の図である。図12に示すように、選択CADモデル候補の画面は、3次元点群画像と、CAD情報と、鳥瞰モードの画像と、面モードの画像と、を含む。これにより、ユーザは、CADモデル候補と、対象点群の状態と、を直感的に確認することができる。なお、図12の代わりに、3次元点群画像と、それ以外の画像(即ち、CAD情報、鳥瞰モードの画像、及び面モードの画像)と、を別ウィンドウで表示しても良い。
【0043】
<S208> ユーザは、図12の選択CADモデル候補の画面を見て、選択CADモデル候補を確定するか否かを決定する。例えば、ユーザは、選択CADモデル候補と対象点群とが略一致する場合に、選択CADモデル候補の確定を決定する。ユーザが、選択CADモデル候補を確定することを決定した場合には(S208:YES)、S210が実行される。一方、ユーザが、選択CADモデル候補を確定しないことを決定した場合には(S208:NO)、S204が再び実行される。このS204では、ユーザは、選択CADモデル候補を変更することができる。
【0044】
<選択CADモデル候補記憶(S210)> S208において確定した選択CADモデル候補が、記憶装置14に記憶されたCADモデルに関連付けて、記憶装置14に記憶される。即ち、記憶装置14には、予め記憶されたCADモデルに類似する、対象点群から得られたCADモデルが記憶される。
【0045】
第1実施形態によれば、ユーザは、選択CADモデル候補と対象点群とが略一致するか否かを、図12の画面から直感的に判断することができる。これにより、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差と、を低減することができる。さらに、ユーザが直感的に判断するので、自動識別によるエラーを防ぐことができる。
【0046】
なお、第1実施形態では、CAD情報に含まれるIDを、S208において確定した選択CADモデル候補に関連付けて、記憶装置14に記憶しても良い。この場合には、ユーザ毎の作業状況を確認することができる。これにより、例えば、エラーが多いユーザに指導することができる。その結果、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差をより低減することができる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を説明する。なお、上述の実施形態と同様の内容の説明は省略する。
【0048】
第2実施形態のデータ処理装置10の構成を説明する。図13は、第2実施形態のデータ処理装置10のブロック図である。
【0049】
データ処理装置10は、プロセッサ12と、記憶装置14と、表示装置16と、を備える。記憶装置14及び表示装置16は第1実施形態と同様である。
【0050】
プロセッサ12は、対象点群抽出部120と、CADモデル候補作成部122と、CADモデル候補選択部124と、表示制御部126と、不要点群除去部128と、CADモデル候補調整部130と、を備える。プロセッサ12の各部については、後述する。
【0051】
第2実施形態のデータ処理装置10の動作を説明する。図14は、第2実施形態のCADモデル取得処理のフローチャートである。
【0052】
<対象点群抽出(S1400)〜選択CADモデル候補表示(S1406)> 第1実施形態(図2の対象点群抽出(S200)〜選択CADモデル候補表示(S206))と同様である。
【0053】
<S1407> 不要点群除去部128は、不要点群を除去するか否かを判定する。例えば、ユーザは、図12の選択CADモデル候補の画像(特に、鳥瞰モードの画像又は面モードの画像)を見ながら、選択CADモデル候補から乖離した点群を除去すべき不要点群として指定する。不要点群除去部128は、ユーザの指定に従って、対象点群のうち不要点群を除去する。例えば、不要点群は、ある部材に接合する他の部材の点群又は計測時に発生するノイズに起因する点群である。
【0054】
不要点群を除去した場合には(S1407:YES)、S1402が再び実行される。このS1402では、不要点群を含まない対象点群に基づいて、CADモデル候補が作成される。一方、不要点群を除去しなかった場合には(S1407:NO)、S1408が実行される。
【0055】
<S1408> 第1実施形態(図2のS208)と同様である。なお、ユーザが、選択CADモデル候補を確定することを決定した場合には(S1408:YES)、S1409が実行される。一方、ユーザが、選択CADモデル候補を確定しないことを決定した場合には(S1408:NO)、S1404が再び実行される。
【0056】
<CADモデル候補調整(S1409)> CADモデル候補調整部130は、S1408で確定した選択CADモデル候補(以下「調整前モデル」という)の位置、姿勢、及び形状の少なくとも1つを調整することにより、調整後モデルを生成する。図15は、第2実施形態のCADモデル候補調整(S1409)の説明図である。
【0057】
図15に示すように、CADモデル候補調整部130は、調整前モデルの平行移動(即ち、位置の調整)、回転(即ち、姿勢の調整)、及び伸縮(即ち、形状の調整)の少なくとも1つを行うことにより、調整後モデルを生成する。調整後モデルは、調整前モデルと比べて、より多くの対象点群を含む。
【0058】
<S1410> S1409において生成した調整後CADモデル候補が、記憶装置14に記憶されたCADモデルに関連付けて、記憶装置14に記憶される。即ち、記憶装置14には、予め記憶されたCADモデルに類似する、対象点群から得られたCADモデルであって、より多くの対象点群を含むように調整されたCADモデルが記憶される。
【0059】
第2実施形態によれば、より多くの対象点群を含むようにCADモデル候補が調整されるので、ユーザは、第1実施形態より最適な選択CADモデル候補に基づいて、当該選択CADモデル候補と対象点群とが略一致するか否かを、図12の画面から直感的に判断することができる。これにより、第1実施形態と比べて、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差と、を低減することができる。
【0060】
本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の少なくとも一部は、ハードウェアで構成しても良いし、ソフトウェアで構成しても良い。ソフトウェアで構成する場合には、データ処理装置10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0061】
また、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布しても良い。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 データ処理装置
12 プロセッサ
120 対象点群抽出部
122 CADモデル候補作成部
124 CADモデル候補選択部
126 表示制御部
14 記憶装置
16 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リバースエンジニアリングは、図面がなくても、既存製品や既存設備等の構造物からアズビルトデータを取得することにより、製造や改造に必要な形状データや寸法データを作成する技術である。
【0003】
従来、3次元モデルを得るリバースエンジニアリングが提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。特に、大型構造物や複数の部品が組み合わされた複雑構造物の高精度な3次元CAD(Computer Aided Design)データを生成するために、複数種類の3次元計測器の計測結果を組み合わせる技術が提案されている(例えば、特許文献3及び4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−242186号公報
【特許文献2】特開2001−184527号公報
【特許文献3】特開2007−58508号公報
【特許文献4】特開2010−66169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、3次元計測器の計測精度が低いと、3次元CADデータが構造物を正確に表現しない場合がある。その結果、ユーザは、3次CADデータを見ても、構造物を正確に把握することができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために創作されたものである。本発明の目的は、3次元CADデータが構造物を正確に表現しているか否かについて、ユーザが直感的に判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のデータ処理装置は、3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部と、CADモデルと、対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部と、対象点群と、複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、3次元CADデータが構造物を正確に表現しているか否かについて、ユーザが直感的に判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態のデータ処理装置10のブロック図。
【図2】第1実施形態のCADモデル取得処理のフローチャート。
【図3】第1実施形態の対象点群抽出(S200)の第2例の説明図。
【図4】第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)のフローチャート。
【図5】第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図。
【図6】第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図。
【図7】第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)のフローチャート。
【図8】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図9】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図10】第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図。
【図11】第1実施形態の断面モードの説明図。
【図12】第1実施形態の選択CADモデル候補の画面の例の図。
【図13】第2実施形態のデータ処理装置10のブロック図。
【図14】第2実施形態のCADモデル取得処理のフローチャート。
【図15】第2実施形態のCADモデル候補調整(S1409)の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態を説明する。
【0012】
第1実施形態のデータ処理装置10の構成を説明する。図1は、第1実施形態のデータ処理装置10のブロック図である。
【0013】
データ処理装置10は、プロセッサ12と、記憶装置14と、表示装置16と、を備える。
【0014】
プロセッサ12は、対象点群抽出部120と、CADモデル候補作成部122と、CADモデル候補選択部124と、表示制御部126と、を備える。プロセッサ12の各部については、後述する。
【0015】
記憶装置14は、プロセッサ12の処理に必要な様々なデータを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。例えば、記憶装置14は、フラッシュメモリ又はハードディスクである。記憶装置14には、少なくとも、3次元計測装置を用いて取得した対象構造物表面の位置を示した3次元点群データと、予め用意された複数の3次元CADモデルと、が記憶される。複数の3次元CADモデルは、プラントで使用される部材(例えば、鋼材及び壁材)毎に作成されたものである。例えば、記憶装置14には、鋼材Aの3次元CADモデル、鋼材Bの3次元モデル、壁材Cの3次元CADモデル、及び壁材Dの3次元CADモデルが記憶される。
【0016】
表示装置16は、プロセッサ12が作成した画像を表示する装置である。例えば、表示装置16は、液晶ディスプレイである。
【0017】
第1実施形態のデータ処理装置10の動作を説明する。図2は、第1実施形態のCADモデル取得処理のフローチャートである。
【0018】
<対象点群抽出(S200)> 対象点群抽出部120は、記憶装置14に記憶された3次元点群データの中から、作成すべきCADモデルに対応する点群(以下「対象点群」という)を抽出する。
【0019】
対象点群抽出(S200)の第1例を説明する。対象点群抽出部120は、3次元点群データにおいて、空間的距離及び輝度値の少なくとも1つが所定の範囲内に含まれる点群を、1つのグループにまとめる。これにより、プラントで使用される部材毎の対象点群が抽出される。
【0020】
対象点群抽出(S200)の第2例を説明する。図3は、第1実施形態の対象点群抽出(S200)の第2例の説明図である。図3に示すように、表示装置16には、3次元点群データに対応する画像(以下「3次元点群画像」という)が表示される。ユーザは、3次元点群画像において、指定領域UAを指定する。その結果、表示装置16には、2次元マップが表示される。2次元マップは、指定領域UAに含まれる点群と、仮想カメラ位置及び視線方向と、を含む。ユーザは、仮想カメラ位置及び視線方向を変更しながら、指定領域UAを確定する。対象点群抽出部120は、確定した指定領域UAに含まれる点群を、対象点群として抽出する。
【0021】
<CADモデル候補作成(S202)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデルと、S200で抽出された対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成する。
【0022】
第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)について説明する。図4は、第1実施形態のCADモデル候補作成(S202)のフローチャートである。
【0023】
<CADモデル読込(S202−10)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデルを読み込む。
【0024】
<点群データ距離計算(S202−12)> CADモデル候補作成部122は、式1を用いて、3次元CADモデルの面と対象点群に含まれる全ての点との距離の総和D(以下「点群データ距離」という)を計算する。式1において、Pは対象点群の集合であり、piは対象点群に含まれる任意の点であり、d(pi)は、対象点群の任意の点piと3次元CADモデルの面との距離である。距離d(pi)は、式2から得られる。式2において、pは対象点群の任意の点の座標であり、p0は3次元CADモデルの面上の任意の点の座標であり、θはCADモデルの面の法線ベクトルとベクトルp・p0のなす角度である。換言すると、点群データ距離は、対象点群とCADモデルと間の類似度を表す。例えば、点群データ距離が小さいほど、類似度が高い。
【数1】
【数2】
【0025】
<CADモデル候補表示(S202−14)> CADモデル候補作成部122は、記憶装置14に記憶された3次元CADモデル(すなわち、対象点群との類似度が高い部材のCADモデル)を、点群データ距離が小さい部材の順に、CADモデル候補として選択する。これにより、表示装置16には、対象点群との類似度が高い順に、複数のCADモデル候補の画像が表示される。
【0026】
図5及び6は、第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の説明図である。図5に示すように、部材の断面の形状が一様(例えば、矩形)である場合には、CADモデル候補作成部122は、図6に示すように、対象点群と部材の2次元CADモデルの線分との距離の総和を用いて、CADモデル候補を選択しても良い。これにより、点群データ距離算出(S202−12)における計算量と、記憶装置14に記憶すべき3次元CADモデルの容量と、を低減することができる。
【0027】
第1実施形態の点群データ距離算出(S202−12)の変形例について説明する。CADモデル候補作成部122は、対象点群の面データを作成し、その面データをCADモデルに変換しても良い。この場合には、変換により得られるCADモデルが、CADモデル候補である。
【0028】
<CADモデル候補選択(S204)> 表示制御部126は、複数のCADモデル候補の少なくとも1つを選択するのに用いられる選択用画像を生成する。これにより、表示装置16には、選択用画像が表示される。ユーザが、選択用画像を用いて、データ処理装置10に指示を与えると、CADモデル候補選択部124は、ユーザの指示に従って、表示装置16に表示された複数のCADモデル候補の画像の中から、CADモデル候補を選択する。
【0029】
<選択CADモデル候補表示(S206)> 表示装置16には、CADモデル候補選択(S204)において選択されたCADモデル候補(以下「選択CADモデル候補」という)の画像が表示される。
【0030】
第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)について説明する。図7は、第1実施形態の選択CADモデル候補表示(S206)のフローチャートである。
【0031】
<表示モード選択(S206−10)> 表示制御部126は、選択CADモデル候補の画像の表示モードを選択するための表示モード選択画面を、表示装置16に表示する。ユーザは、表示モード選択画面において、入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、又は表示モード選択画面に含まれるソフトキー)を用いて、表示モードを選択する。
【0032】
第1実施形態の表示モード選択(S206−10)について説明する。図8〜11は、第1実施形態の表示モード選択(S206−10)の説明図である。
【0033】
ユーザは、鳥瞰モードと、輪郭モードと、面モードと、断面モードと、の少なくとも1つを、表示モードとして選択する。鳥瞰モードでは、選択CADモデル候補の画像が鳥瞰的に表示される。輪郭モードでは、少なくとも輪郭線を含む選択CADモデル候補の画像が表示される。面モードでは、選択CADモデル候補の面の画像が表示される。断面モードでは、選択CADモデル候補の断面の画像が表示される。
【0034】
図8に示すように、鳥瞰モードでは、ユーザは、仮想カメラの位置(視点)と、カメラの向き(視線方向)と、を任意に設定することができる。この場合には、表示装置16には、選択CADモデル候補の鳥瞰画像と、対象点群を透視投影した投影画像と、が表示される。
【0035】
図9に示すように、輪郭モードでは、表示装置16には、選択CADモデル候補の輪郭線のみの画像か(図9(A)を参照)、又は、選択CADモデル候補の輪郭線及び面の画像が表示される(図9(B))。即ち、輪郭モードでは、表示装置16には、選択CADモデル候補の輪郭線を含む画像が表示される。
【0036】
図10に示すように、面モードでは、ユーザは、選択CADモデル候補の面を任意に選択することができる。この場合には、表示装置16には、選択された面(以下「選択面」という)の周囲の対象点群を、選択面上に正射影した正射影面画像が表示される。
【0037】
なお、鳥瞰モード及び面モードの両方が選択された場合には、表示装置16には、鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像に選択面が表示される。これにより、ユーザは、面モードで選択した選択面と鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像における選択面との位置関係を容易に知ることができる。
【0038】
図11に示すように、断面モードでは、ユーザは、選択CADモデル候補の断面の位置を任意に選択することができる。この場合には、表示装置16には、選択された断面の位置(以下「選択断面位置」という)の周囲の対象点群を、選択断面上に正射影した正射影断面画像が表示される。
【0039】
なお、鳥瞰モード及び断面モードの両方が選択された場合には、表示装置16には、鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像に選択断面位置が表示される。これにより、ユーザは、断面モードで選択した選択断面位置と鳥瞰モードの鳥瞰画像及び投影画像における選択断面との位置関係を容易に知ることができる。
【0040】
さらに、表示装置16には、鳥瞰モード、面モード、及び断面モードの何れが選択された場合であっても、表示中の選択CADモデル候補のCAD情報(例えば、部材の種類、寸法、位置の数値、姿勢の数値、及びユーザのID(Identification))を表示しても良い。これにより、視覚的な評価に加えて、選択CADモデル候補の定量的な評価が容易になる。
【0041】
<表示制御(S206−12)> 表示制御部126は、表示モード選択(S206−10)において選択された表示モードに応じて、画像を作成する。例えば、鳥瞰モードが選択された場合には、表示制御部126は、鳥瞰画像及び投影画像を作成し(図8を参照)、輪郭モードが選択された場合には、輪郭線を少なくとも含む選択CADモデル候補の画像を作成し(図9を参照)、面モードが選択された場合には、正射影面画像を作成し(図10を参照)、断面モードが選択された場合には、正射影断面画像を作成する(図11を参照)。
【0042】
図12は、第1実施形態の選択CADモデル候補の画面の例の図である。図12に示すように、選択CADモデル候補の画面は、3次元点群画像と、CAD情報と、鳥瞰モードの画像と、面モードの画像と、を含む。これにより、ユーザは、CADモデル候補と、対象点群の状態と、を直感的に確認することができる。なお、図12の代わりに、3次元点群画像と、それ以外の画像(即ち、CAD情報、鳥瞰モードの画像、及び面モードの画像)と、を別ウィンドウで表示しても良い。
【0043】
<S208> ユーザは、図12の選択CADモデル候補の画面を見て、選択CADモデル候補を確定するか否かを決定する。例えば、ユーザは、選択CADモデル候補と対象点群とが略一致する場合に、選択CADモデル候補の確定を決定する。ユーザが、選択CADモデル候補を確定することを決定した場合には(S208:YES)、S210が実行される。一方、ユーザが、選択CADモデル候補を確定しないことを決定した場合には(S208:NO)、S204が再び実行される。このS204では、ユーザは、選択CADモデル候補を変更することができる。
【0044】
<選択CADモデル候補記憶(S210)> S208において確定した選択CADモデル候補が、記憶装置14に記憶されたCADモデルに関連付けて、記憶装置14に記憶される。即ち、記憶装置14には、予め記憶されたCADモデルに類似する、対象点群から得られたCADモデルが記憶される。
【0045】
第1実施形態によれば、ユーザは、選択CADモデル候補と対象点群とが略一致するか否かを、図12の画面から直感的に判断することができる。これにより、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差と、を低減することができる。さらに、ユーザが直感的に判断するので、自動識別によるエラーを防ぐことができる。
【0046】
なお、第1実施形態では、CAD情報に含まれるIDを、S208において確定した選択CADモデル候補に関連付けて、記憶装置14に記憶しても良い。この場合には、ユーザ毎の作業状況を確認することができる。これにより、例えば、エラーが多いユーザに指導することができる。その結果、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差をより低減することができる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を説明する。なお、上述の実施形態と同様の内容の説明は省略する。
【0048】
第2実施形態のデータ処理装置10の構成を説明する。図13は、第2実施形態のデータ処理装置10のブロック図である。
【0049】
データ処理装置10は、プロセッサ12と、記憶装置14と、表示装置16と、を備える。記憶装置14及び表示装置16は第1実施形態と同様である。
【0050】
プロセッサ12は、対象点群抽出部120と、CADモデル候補作成部122と、CADモデル候補選択部124と、表示制御部126と、不要点群除去部128と、CADモデル候補調整部130と、を備える。プロセッサ12の各部については、後述する。
【0051】
第2実施形態のデータ処理装置10の動作を説明する。図14は、第2実施形態のCADモデル取得処理のフローチャートである。
【0052】
<対象点群抽出(S1400)〜選択CADモデル候補表示(S1406)> 第1実施形態(図2の対象点群抽出(S200)〜選択CADモデル候補表示(S206))と同様である。
【0053】
<S1407> 不要点群除去部128は、不要点群を除去するか否かを判定する。例えば、ユーザは、図12の選択CADモデル候補の画像(特に、鳥瞰モードの画像又は面モードの画像)を見ながら、選択CADモデル候補から乖離した点群を除去すべき不要点群として指定する。不要点群除去部128は、ユーザの指定に従って、対象点群のうち不要点群を除去する。例えば、不要点群は、ある部材に接合する他の部材の点群又は計測時に発生するノイズに起因する点群である。
【0054】
不要点群を除去した場合には(S1407:YES)、S1402が再び実行される。このS1402では、不要点群を含まない対象点群に基づいて、CADモデル候補が作成される。一方、不要点群を除去しなかった場合には(S1407:NO)、S1408が実行される。
【0055】
<S1408> 第1実施形態(図2のS208)と同様である。なお、ユーザが、選択CADモデル候補を確定することを決定した場合には(S1408:YES)、S1409が実行される。一方、ユーザが、選択CADモデル候補を確定しないことを決定した場合には(S1408:NO)、S1404が再び実行される。
【0056】
<CADモデル候補調整(S1409)> CADモデル候補調整部130は、S1408で確定した選択CADモデル候補(以下「調整前モデル」という)の位置、姿勢、及び形状の少なくとも1つを調整することにより、調整後モデルを生成する。図15は、第2実施形態のCADモデル候補調整(S1409)の説明図である。
【0057】
図15に示すように、CADモデル候補調整部130は、調整前モデルの平行移動(即ち、位置の調整)、回転(即ち、姿勢の調整)、及び伸縮(即ち、形状の調整)の少なくとも1つを行うことにより、調整後モデルを生成する。調整後モデルは、調整前モデルと比べて、より多くの対象点群を含む。
【0058】
<S1410> S1409において生成した調整後CADモデル候補が、記憶装置14に記憶されたCADモデルに関連付けて、記憶装置14に記憶される。即ち、記憶装置14には、予め記憶されたCADモデルに類似する、対象点群から得られたCADモデルであって、より多くの対象点群を含むように調整されたCADモデルが記憶される。
【0059】
第2実施形態によれば、より多くの対象点群を含むようにCADモデル候補が調整されるので、ユーザは、第1実施形態より最適な選択CADモデル候補に基づいて、当該選択CADモデル候補と対象点群とが略一致するか否かを、図12の画面から直感的に判断することができる。これにより、第1実施形態と比べて、ヒューマンエラーと、複数のユーザ間の識別誤差と、を低減することができる。
【0060】
本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の少なくとも一部は、ハードウェアで構成しても良いし、ソフトウェアで構成しても良い。ソフトウェアで構成する場合には、データ処理装置10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0061】
また、本発明の実施形態に係るデータ処理装置10の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布しても良い。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 データ処理装置
12 プロセッサ
120 対象点群抽出部
122 CADモデル候補作成部
124 CADモデル候補選択部
126 表示制御部
14 記憶装置
16 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部と、
前記CADモデルと、前記対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部と、
前記対象点群と、前記複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置と、を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
複数のCADモデルを記憶可能な記憶装置をさらに備え、
前記CADモデル候補作成部は、前記記憶装置に記憶された複数のCADモデルと、前記対象点群と、に基づいて、前記複数の3次元CADモデル候補を作成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記表示装置は、前記複数の3次元CADモデル候補の少なくとも1つを選択するのに用いられる選択用画像を表示する、請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補を鳥瞰的に示す鳥瞰画像を表示する、請求項1乃至3の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記表示装置は、ユーザの指示に従って、前記3次元CADモデル候補に対する視点及び視線の少なくとも1つを変更する、請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補の輪郭線を含む画像を表示する、請求項1乃至5の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補のCAD情報を表示する、請求項1乃至6の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
ユーザの指示に従って、対象点群のうち不要点群を除去する不要点群除去部をさらに備え、
前記CADモデル候補作成部は、前記不要点群が除去された後の対象点群と、前記CADモデルと、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成する、請求項1乃至7の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記3次元CADモデル候補の位置、姿勢、及び形状の少なくとも1つを調整するCADモデル候補調整部をさらに備える、請求項1乃至8の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記3次元CADモデル候補と、ユーザに固有のID(Identification)と、を互いに関連付けて記憶する記憶装置をさらに備える、請求項1乃至9の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項1】
3次元点群データの中から、作成すべきCAD(Computer Aided Design)モデルに対応する対象点群を抽出する対象点群抽出部と、
前記CADモデルと、前記対象点群と、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成するCADモデル候補作成部と、
前記対象点群と、前記複数の3次元CADモデル候補と、を表示する表示装置と、を備えることを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
複数のCADモデルを記憶可能な記憶装置をさらに備え、
前記CADモデル候補作成部は、前記記憶装置に記憶された複数のCADモデルと、前記対象点群と、に基づいて、前記複数の3次元CADモデル候補を作成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記表示装置は、前記複数の3次元CADモデル候補の少なくとも1つを選択するのに用いられる選択用画像を表示する、請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補を鳥瞰的に示す鳥瞰画像を表示する、請求項1乃至3の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記表示装置は、ユーザの指示に従って、前記3次元CADモデル候補に対する視点及び視線の少なくとも1つを変更する、請求項1乃至4の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補の輪郭線を含む画像を表示する、請求項1乃至5の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記表示装置は、前記3次元CADモデル候補のCAD情報を表示する、請求項1乃至6の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項8】
ユーザの指示に従って、対象点群のうち不要点群を除去する不要点群除去部をさらに備え、
前記CADモデル候補作成部は、前記不要点群が除去された後の対象点群と、前記CADモデルと、に基づいて、複数の3次元CADモデル候補を作成する、請求項1乃至7の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記3次元CADモデル候補の位置、姿勢、及び形状の少なくとも1つを調整するCADモデル候補調整部をさらに備える、請求項1乃至8の何れかに記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記3次元CADモデル候補と、ユーザに固有のID(Identification)と、を互いに関連付けて記憶する記憶装置をさらに備える、請求項1乃至9の何れかに記載のデータ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−92888(P2013−92888A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234206(P2011−234206)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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