説明

データ処理装置

データ処理装置は、ダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成し、所定の間隔においてダミーパケットを含む再生用ストリームを生成するダミーパケット処理部と、再生用ストリームの各パケットの識別子を走査してダミー識別子を検出し、その後コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コードを検出して第1検出信号を出力し、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを検出して第2検出信号を出力する検出部と、再生用ストリームを受け取って第1検出信号および第2検出信号に基づいてコンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるスイッチと、スイッチからの出力に基づいて、コンテンツの第1部分を再生するデコード部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、データストリームから映像および/または音声を再生する技術に関する。より具体的には、本発明は、1つのデータストリームの間欠的な再生(早送り再生等)、複数のストリームの並列再生(サムネイル表示等)に好適な技術に関する。
【背景技術】
近年、デジタル技術の発達により、映像や音声等に関するコンテンツのデータはMPEG等の規格に従って符号化され、符号化データストリームとして光ディスクやハードディスク等の記録メディアに記録されるようになってきた。
このようなデータストリームから映像および音声を再生する際には、再生装置は、データストリームの一部を複数箇所抽出して連続的に復号処理を行なうことにより、映像および/または音声を特殊再生することが可能である。特殊再生とは、例えば早送り再生、巻き戻し再生をいい、早送り再生にはピクチャ(フレームまたはフィールド)を飛び飛びに再生する間欠再生も含まれる。
以下に、双方向予測符号化技術によって映像が符号化されたデータストリーム(ビデオストリーム)から、フレーム内符号化画像(イントラフレーム画像ともいう。以下「Iピクチャ」と記述する)のデータを抽出し、高速再生を行なう例を説明する。DVDビデオ規格で利用されるプログラムストリームでは、ストリーム内の参照フレーム(Iピクチャ)のデータ開始・終了アドレスは、そのシステムヘッダに付随して伝送されるナビゲーション情報内に記述されている。よって、再生装置は、出画するIピクチャのデータのみを複数切り出して接合し、1つのストリームとして復号することが可能である。このとき、復号するデータストリームを蓄積する再生装置のバッファメモリにはIピクチャデータのみが入力されるため、エラーなく復号処理が行なわれ、高速再生が実現される。
一方、プログラムストリームとは異なり、Iピクチャデータの開始・終了アドレスが正確に特定できないデータストリームも存在する。例えばトランスポートストリーム(以下、「TS」と記述する)である。TSに含まれるIピクチャを高速再生する場合には、Iピクチャの前後に不要なデータが付随して入力される。以下、図1を参照しながら、2つのTSを接続してIピクチャを高速再生する際の問題点を説明する。この高速再生は、複数のストリームがプレイリストによって1つの再生経路として規定されている場合を想定している。
図1は、光ディスク10に記録された2つのトランスポートストリームAおよびBを接続して得られたエレメンタリストリームCのデータ構造を示す。TS−AおよびBは、複数のトランスポートストリームパケット(TSパケット)A1、A2、An、B1、Bm等を含む。TSパケットA1に示すように、TSパケットはパケットヘッダ部11とエレメンタリデータ部12とから構成されている。TSパケットA2からAnのエレメンタリデータ部にわたって、Iピクチャのデータが格納されているとする。
再生装置は、TS−AおよびBのTSパケットのデータを読み出しながら、エレメンタリデータ部のデータを抽出してエレメンタリストリームCを生成する。TS−AおよびBは、接続点Kにおいて接続されている。再生装置は、エレメンタリストリームCを生成しながらIピクチャヘッダの先頭ストリームパターンをサーチし、TSパケットA2のエレメンタリデータ部V00に格納されていたIピクチャヘッダ13(例えば“00_00_01_00_20_08”)を検出する。その後、再生装置は、Iピクチャヘッダ13を検出してからその次に配置されたピクチャ(例えばBピクチャ)のヘッダコード14を検出するまで復号処理を行い、Iピクチャを再生する。
しかし、エレメンタリストリームCには接続点Kが存在しているため、この接続点KではIピクチャヘッダのパターンが疑似的に形成され、復号エラーを生じることがあった。
例えば接続点Kの直前に存在するTSパケットAnの最後のデータが”00_00”であり、接続点Kの直後に存在するTSパケットB1の最初のデータが”01_00_20_08”であるとすると、接続点Kでは偶然にIピクチャヘッダ13と同じパターン“00_00_01_00_20_08”の疑似Iピクチャヘッダ15が形成される。その結果、再生装置は疑似Iピクチャヘッダ15の後のデータをIピクチャデータであるとしてデコードを開始するが、本来Iピクチャデータは存在しないため、ほとんどすべての場合においてデコードできないデータ列が現れる。よってデコードエラーが発生し、異常な処理による制御不能状態に陥ってしまう。
この結果、さらに他の問題も生じている。すなわち、デコードエラーが発生すると一般にバッファメモリのクリア処理を含む初期化処理が行われる。そのため、その時点でバッファメモリに次のIピクチャデータが格納されている場合には、そのIピクチャを出画できなくなる。
なお、このような不具合を回避するために、従来、ある程度の対策は講じられていた。しかし、その結果として連続してIピクチャを復号することが困難になり、さらに処理の複雑化、高負荷化を招くという弊害も生じている。例えば、日本国特開2001−36860号公報に記載されている従来の再生装置は、Iピクチャデータの開始・終了アドレスが正確に把握できないストリームを特殊再生するときは、Iピクチャデータの復号中は同じデータをデコーダへ入力し続ける。そして、そのIピクチャデータの復号完了後にバッファメモリをクリアし、同時に、入力するデータを次に出画するIピクチャデータを含むデータストリームに切り替えている。
しかしながら、この再生装置は、エラー回避のために各ピクチャの復号完了を待って次のピクチャの復号を開始するため、連続してIピクチャを復号することが困難である。すなわち、出画が停止しないようにピクチャを次々に更新する復号処理は困難である。また、バッファクリア前に復号を停止し、バッファメモリに所定量のデータが蓄積されてから復号を再開する等の復号処理のリアルタイム制御を必要とするため、処理の複雑化、高負荷化は避けられない。
本発明の目的は、複数のストリームが接続されて生成されたストリームに対して、映像等を高速に、かつ、途切れることなく復号し、再生することである。
【発明の開示】
本発明によるデータ処理装置は、複数のパケットから構成されるデータストリームを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する。各パケットは識別子を有し、前記コンテンツデータは前記コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コード、および、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを有している。データ処理装置は、前記複数のパケットの識別子のいずれとも異なるダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成し、受け取った前記データストリームに基づいて、所定の間隔において前記ダミーパケットを含んだ再生用ストリームを生成するダミーパケット処理部と、前記再生用ストリームの各パケットの識別子を走査して前記ダミー識別子を検出し、その後、前記第1コードを検出して第1検出信号を出力し、前記第2コードを検出して第2検出信号を出力する検出部と、前記再生用ストリームを受け取り、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記コンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるスイッチと、前記スイッチからの出力に基づいて、前記コンテンツの第1部分を再生するデコード部とを備えている。
前記ダミーパケット処理部は、ピクチャの再生時間に応じた時間間隔で前記ダミーパケットを前記データストリームに挿入することにより、前記再生用ストリームを生成してもよい。
前記検出部は、前記第2コードを検出した後は、各パケットの識別子を走査して次のダミー識別子を検出してもよい。
1以上のデータストリームが記録された記録媒体から、前記1以上のデータストリームの複数の部分を、複数の部分ストリームとして連続して抽出する抽出部をさらに備え、前記ダミーパケット処理部は、前記複数の部分ストリームが接続された各データ位置に、前記ダミー識別子を有するダミーパケットを挿入してもよい。
前記ダミーパケット処理部は、前記第2コードの検出に応答して前記データストリームに前記ダミーパケットを挿入することにより、前記再生用ストリームを生成してもよい。
前記データストリームは複数存在し、その各々が番組に関する前記コンテンツデータを含んでおり、複数のデータストリームのうちの一つを選択する選局部をさらに備え、前記選局部は、前記第2コードの検出に応答して、それまで受信していた第1データストリームを第2データストリームに変更し、前記ダミーパケット処理部は、前記第1データストリームが前記第2データストリームに切り替えられたデータ位置に前記ダミーパケットが設けられた再生用ストリームを生成してもよい。
前記ダミーパケット処理部は、前記第1データストリームにおいて、前記第2コードを含むパケットよりも後のパケットを前記ダミーパケットに置換し、その後に前記第2データストリームを接続することにより、前記再生用ストリームを生成してもよい。
前記データストリームは、圧縮符号化されたコンテンツデータを含み、前記デコード部は、前記コンテンツデータを復号化して、前記コンテンツの第1部分を再生してもよい。
前記コンテンツは、複数のピクチャが切り替えられて表示されるビデオに関し、前記コンテンツデータは双方向予測符号化方式によって圧縮符号化されており、前記検出部は、前記第1コードとしてIピクチャのピクチャヘッダコードを検出し、前記第2コードとして前記Iピクチャの直後のピクチャのピクチャヘッダコードを検出してもよい。
前記検出部は、前記第1コードとしてピクチャヘッダコード、PESヘッダコード、シーケンスヘッダコード、グループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードの少なくとも1種類のコードを検出し、前記第2コードとして前記第1コードと同種類のコードを検出してもよい。
本発明によるデータ処理方法は、複数のパケットから構成されるデータストリームを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する。各パケットは識別子を有し、前記コンテンツデータは前記コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コード、および、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを有している。データ処理方法は、前記複数のパケットの識別子のいずれとも異なるダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成するステップと、受け取った前記データストリームに基づいて、所定の間隔で前記ダミーパケットを含んだ再生用ストリームを生成するステップと、前記再生用ストリームの各パケットの識別子を走査して前記ダミー識別子を検出し、その後、前記第1コードを検出して第1検出信号を出力し、前記第2コードを検出して第2検出信号を出力するステップと、前記再生用ストリームを受け取り、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記コンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるステップと、前記スイッチからの出力に基づいて、前記コンテンツの第1部分を再生するステップとを包含する。
前記再生用ストリームを生成するステップは、ピクチャの再生時間に応じた時間間隔で前記ダミーパケットを前記データストリームに挿入することにより、前記再生用ストリームを生成してもよい。
前記検出信号を出力するステップは、前記第2コードを検出した後は、各パケットの識別子を走査して次のダミー識別子を検出してもよい。
1以上のデータストリームが記録された記録媒体から、前記1以上のデータストリームの複数の部分を、複数の部分ストリームとして連続して抽出するステップをさらに包含し、前記再生用ストリームを生成するステップは、前記複数の部分ストリームが接続された各データ位置に、前記ダミー識別子を有するダミーパケットを挿入してもよい。
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第2コードの検出に応答して前記データストリームに前記ダミーパケットを挿入することにより、前記再生用ストリームを生成してもよい。
前記データストリームは複数存在し、その各々が番組に関する前記コンテンツデータを含んでおり、複数のデータストリームのうちの一つを選択するステップをさらに包含し、前記選択するステップは、前記第2コードの検出に応答して、それまで受信していた第1データストリームを第2データストリームに変更し、前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第1データストリームが前記第2データストリームに切り替えられたデータ位置に前記ダミーパケットが設けられた再生用ストリームを生成してもよい。
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第1データストリームにおいて、前記第2コードを含むパケットよりも後のパケットを前記ダミーパケットに置換し、その後に前記第2データストリームを接続することにより、前記再生用ストリームを生成する。
前記データストリームは、圧縮符号化されたコンテンツデータを含み、前記再生するステップは、前記コンテンツデータを復号化して、前記コンテンツの第1部分を再生してもよい。
前記コンテンツは、複数のピクチャが連続的に切り替えられて表示されるビデオに関し、前記コンテンツデータは双方向予測符号化方式によって圧縮符号化されており、前記検出信号を出力するステップは、前記第1コードとしてIピクチャのピクチャヘッダコードを検出し、前記第2コードとして前記Iピクチャの直後のピクチャのピクチャヘッダコードを検出してもよい。
前記検出信号を出力するステップは、前記第1コードとしてピクチャヘッダコード、PESヘッダコード、シーケンスヘッダコード、グループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードの少なくとも1種類のコードを検出し、前記第2コードとして前記第1コードと同種類のコードを検出してもよい。
本発明によるデータ処理プログラムは、コンピュータにより実行可能であり、複数のパケットから構成されるデータストリームを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツの再生を実現する。各パケットは識別子を有し、前記コンテンツデータは前記コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コード、および、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを有している。コンピュータが実装されたデータ処理装置は、このプログラムにしたがって、以下の手順を実行する。すなわち、前記複数のパケットの識別子のいずれとも異なるダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成するステップと、受け取った前記データストリームに基づいて、所定の間隔で前記ダミーパケットを含んだ再生用ストリームを生成するステップと、前記再生用ストリームの各パケットの識別子を走査して前記ダミー識別子を検出し、その後、前記第1コードを検出して第1検出信号を出力し、前記第2コードを検出して第2検出信号を出力するステップと、前記再生用ストリームを受け取り、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記コンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるステップと、前記スイッチからの出力に基づいて、前記コンテンツの第1部分を再生するステップとを実行する。
【図面の簡単な説明】
図1は、光ディスク10に記録された2つのトランスポートストリームAおよびBを接続して得られたエレメンタリストリームCのデータ構造を示す図である。
図2は、MPEG−2トランスポートストリーム20のデータ構造を示す図である。
図3(a)はビデオTSパケット30のデータ構造を示す図である。
図3(b)は、オーディオTSパケット31のデータ構造を示す図である。
図4(a)〜4(d)は、ビデオTSパケットからビデオピクチャを再生する際に構築されるストリームの関係を示す図である。
図5は、実施形態1によるデータ処理装置50の機能ブロックの構成を示す図である。
図6(a)は、ストリーム抽出部52によって抽出されたビデオTSパケット列61を示す図である。
図6(b)は、ダミーパケット挿入部53による処理を経て、スイッチ55に入力されるビデオパケット列(再生用ストリーム)62を示す図である。
図6(c)は、バッファメモリ58aに入力されるIピクチャデータを示す図である。
図6(d)は、デコードされ出力されるIピクチャ群を示す図である。
図7は、データ処理装置50の処理の手順を示すフローチャートである。
図8は、実施形態2によるデータ処理装置80の機能ブロックの構成を示す図である。
図9(a)〜(e)は、実施形態2によるデータ処理装置80によって処理される前後のデータ列を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず初めに、本実施形態によるデータ処理装置において処理の対象となるデータストリームのデータ構造を説明し、その後、データ処理装置の構成および動作を説明する。
図2は、MPEG−2トランスポートストリーム20のデータ構造を示す。MPEG−2トランスポートストリーム20(以下「TS20」と記述する)は、複数のTSオブジェクトユニット(TS OBject Unit;TOBU)21を含み、そのTOBU21は1以上のトランスポートパケット(TSパケット)から構成されている。TSパケットは、例えば、圧縮されたビデオデータが格納されたビデオTSパケット(V_TSP)30、圧縮されたオーディオデータが格納されたオーディオTSパケット(A_TSP)31の他、番組表(プログラム・アソシエーション・テーブル;PAT)が格納されたパケット(PAT_TSP)、番組対応表(プログラム・マップ・テーブル;PMT)が格納されたパケット(PMT_TSP)およびプログラム・クロック・リファレンス(PCR)が格納されたパケット(PCR_TSP)等を含む。各パケットのデータ量は188バイトである。
以下、本発明の処理に関連するビデオTSパケットおよびオーディオTSパケットを説明する。他の種類のパケットは本発明の処理とは直接に関連しないため、その説明は省略する。
図3(a)はビデオTSパケット30のデータ構造を示す。ビデオTSパケット30は、4バイトのトランスポートパケットヘッダ30a、および、184バイトのビデオデータ30bを有する。一方、図3(b)は、オーディオTSパケット31のデータ構造を示す。オーディオTSパケット31も同様に、4バイトのトランスポートパケットヘッダ31a、および、184バイトのオーディオデータ31bを有する。
上述の例から理解されるように、一般にTSパケットは4バイトのトランスポートパケットヘッダと、184バイトのエレメンタリデータとから構成されている。パケットヘッダには、そのパケットの種類を特定するパケット識別子(Packet ID;PID)が記述されている。例えば、ビデオTSパケットのPIDは“0x0020”であり、オーディオTSパケットのPIDは“0x0021”である。エレメンタリデータは、ビデオデータ、オーディオデータ等のコンテンツデータや、再生を制御するための制御データ等である。どのようなデータが格納されているかは、パケットの種類に応じて異なる。なお、TSパケットのTSパケットヘッダの後のデータ格納領域は、ビデオデータ、オーディオデータ等のコンテンツデータが格納されるときはTSパケットの「ペイロード」と呼ばれ、制御データが格納されるときは「アダプテーションフィールド」と呼ばれる。本実施形態による処理の主要な特徴は、TSパケットのペイロードを利用した処理にある。
なお、図2、図3(a)および図3(b)はトランスポートストリームに関するデータ構造の例であるが、このデータ構造は、プログラムストリームにおけるパックにも同様に適用できる。パックでは、パケットヘッダに続けてデータが配置されているからである。「パック」は、パケットの1つの例示的な形態として知られている。ただし、パケットヘッダの前にはパックヘッダが付加され、パックのデータ量は2048キロバイトである等の点においてパケットと相違している。
以下、本明細書では、ビデオを例に挙げて本発明の実施形態による処理を説明する。
図4(a)〜4(d)は、ビデオTSパケットからビデオピクチャを再生する際に構築されるストリームの関係を示す。図4(a)に示すように、TS40は、ビデオTSパケット40a〜40dを含む。なお、TS40には、他のパケットも含まれ得るが、ここではビデオTSパケットのみを示している。ビデオTSパケットは、ヘッダ40a−1に格納されたPIDによって容易に特定される。
ビデオデータ40a−2等の各ビデオTSパケットのビデオデータから、パケット化エレメンタリストリームが構成される。図4(b)は、パケット化エレメンタリストリーム(PES)41のデータ構造を示す。PES41は、複数のPESパケット41a、41b等から構成される。PESパケット41aは、PESヘッダ41a−1およびピクチャデータ41a−2から構成されており、これらのデータがビデオTSパケットのビデオデータとして格納されている。
ピクチャデータ41a−2は、各ピクチャのデータを含んでいる。ピクチャデータ41a−2から、エレメンタリストリームが構成される。図4(c)は、エレメンタリストリーム(ES)42のデータ構造を示す。ES42は、ピクチャヘッダ、および、フレームデータまたはフィールドデータの組を複数有している。なお、「ピクチャ」とは一般にフレームおよびフィールドのいずれも含む概念として用いられるが、以下ではフレームを表すとする。
図4(c)に示すピクチャヘッダ42aには、その後に配置されたフレームデータ42bのピクチャ種別を特定するピクチャヘッダコードが記述され、ピクチャヘッダ42cにはフレームデータ42dのピクチャ種別を特定するピクチャヘッダコードが記述されている。種別とは、Iピクチャ(Iフレーム)、Pピクチャ(Pフレーム)またはBピクチャ(Bフレーム)を表す。種別がIフレームであれば、そのピクチャヘッダコードは、例えば“00_00_01_00_20_08”である。
フレームデータ42b、42d等は、そのデータのみによって、または、そのデータとその前および/または後に復号化されるデータとによって構築可能な1枚分のフレームのデータである。例えば図4(d)は、フレームデータ42bから構築されるピクチャ43aおよびフレームデータ42dから構築されるピクチャ43bを示す。次に説明するデータ処理装置は、TSパケット40a等を取得し、取得したTSパケットに基づいてエレメンタリストリームまでシステムデコードし、その後、復元されたピクチャを出力する。
次に、図5を参照しながら、本実施形態によるデータ処理装置を説明する。図5は、本実施形態によるデータ処理装置50の機能ブロックの構成を示す。データ処理装置50は、複数のパケットから構成されるTSを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生する機能を有している。再生は、例えば、コンテンツ製作者側で意図されたとおりの出力タイミングで映像および音声を再生する通常再生、早送り再生、巻き戻し再生等の特殊再生のいずれも含むが、本実施形態では主にTS内のIピクチャを利用した早送り再生を説明する。
データ処理装置50は、記録媒体51と、ストリーム抽出部52と、ダミーパケット挿入部53と、制御部54と、スイッチ55と、特定データ検出部56と、TS/PESデコーダ57と、デコード部58と、出力インターフェース59とを有する。
これらの構成要素を用いたデータ処理装置50の主要な動作は以下のとおりである。すなわち、データ処理装置50では、ストリーム抽出部52がビデオTSパケットを抽出する。そして、ダミーパケット挿入部53が、ビデオTSパケットを初めとするパケットの識別子(PID)のいずれとも異なるダミーPIDを有するダミーパケットを複数生成し、所定の間隔でTSに挿入して再生用ストリームを生成する。そして、特定データ検出部56が再生用ストリームの各パケットのPIDを走査してダミーPIDを検出すると、次はIピクチャのピクチャヘッダコードを検索する。特定データ検出部56はIピクチャヘッダコードを検出すると、検出信号を出力してスイッチ55を閉じ、Iピクチャのデータを選択的に通過させる。
特定データ検出部56はピクチャヘッダの検索を継続しており、Iピクチャの次に配置されたピクチャ、例えばBピクチャのヘッダコードを検出すると、Iピクチャのデータの受け取りが終了したと判断して検出信号を出力してスイッチ55を閉じる。その結果、スイッチ55は、再生に必要なIピクチャのデータのみを選択的に通過させることができる。Iピクチャのデータは所定のデコード処理を経てピクチャとして出力される。Iピクチャのみを出力することにより、画面が飛び飛びで表示されることになり、早送り再生が実現される。
以下、データ処理装置50の各構成要素を説明する。上述のように、本実施形態では主としてビデオを例に挙げてデータ処理装置50の各構成要素の機能を説明する。
記録媒体51は、図2および図4に示す、映像、音声等のコンテンツに関するデータを格納したTSを記録および保持する媒体であり、例えばハードディスクである。記録媒体51に対してデータを書き込みおよび読み出すためには、ハードディスクを回転させるモータ、磁気ヘッド等を備えたドライブ装置が必要であるが、図5では省略している。なお、記録媒体51はリムーバブルなメディア、例えば光ディスクであってもよいが、その場合にはデータ処理装置50固有の構成要素でなくてもよい。
ストリーム抽出部52は、TSを受け取り、PIDに基づいてTSを構成するパケットからビデオTSパケットを抽出する。このとき、TSは1つであっても複数であってもよい。例えば複数のTSにわたってビデオの再生経路を指定したプレイリストに基づいて再生を行うときには、ストリーム抽出部52は、その再生に必要な複数のTSから各ビデオTSパケットを抽出する。
ダミーパケット挿入部53は、読み出されたビデオTSパケットに所定の間隔でダミーパケットを挿入する。ダミーパケットとは、再生の対象となるコンテンツのデータを含まない、TS内のマーカとして機能するデータ列(パケット)である。ダミーパケットには、ビデオTSパケット、オーディオTSパケット等の他のTSパケットとは異なる、一意に識別可能なPIDが与えられる。より具体的な構造は後述する。
ダミーパケット挿入部53は、例えば隣接するダミーパケット間のビデオTSパケットに必ずIピクチャのデータが含まれるような間隔でダミーパケットを挿入する。一般に、MPEG−2規格に従ってビデオを圧縮符号化すると、再生時間にして約0.5秒ごとにIピクチャが設けられる。よって、ダミーパケット挿入部53は、Iピクチャが存在する間隔に応じた間隔でダミーパケットを挿入すればよい。
さらに、プレイリストに基づいて複数のTSを用いた再生を行うときには、ダミーパケット挿入部53は、TSの接続点、すなわちTSが切り替えられた位置にダミーパケットを挿入する。これにより、図1に関連して説明した、接続点における疑似Iピクチャヘッダの誤検出を確実に回避できる。
以下、本明細書では、ダミーパケット挿入部53がダミーパケットを挿入したデータストリームを、便宜的に「再生用ストリーム」と称する。
制御部54は、ストリーム抽出部52およびダミーパケット挿入部53の動作を制御する。すなわち、制御部54は、データ処理装置50を使用しているユーザから高速再生指示を受け取ると、ストリーム抽出部52に対して受け取るTSおよび抽出すべきTSパケットのPIDを指示する。また、制御部54は、ダミーパケット挿入部53においてダミーパケットを挿入するタイミングを指示する。複数のTSを読み出すときにも、制御部54はTSが切り替えられた位置を把握しているので、TSの切り替え点にダミーパケットを挿入するように指示できる。ダミーパケットの挿入を指示するときは、制御部54は、そのTSのデータレートに基づいて、ダミーパケットのデータ量に相当する時間だけ次のデータの取得を遅延させる。これにより、そのTS内にTSパケットを挿入できる。
スイッチ55は、ダミーパケット挿入部53と接続されて、スイッチ55と並列的に再生用ストリームを受け取り、特定データ検出部56からの信号に基づいて信号経路を接続し、または切断する。具体的には、特定データ検出部56から、後述する第1検出信号および第2検出信号を受け取る。例えば、スイッチ55は、第1検出信号を受け取ると信号経路を接続し、第2検出信号を受け取ると信号経路を切断する。よって、第1検出信号を受け取ってから第2検出信号を受け取るまでの間、信号経路が接続されて再生用ストリームが後続の構成要素に伝送される。なお、スイッチ55にピクチャヘッダを蓄積できる程度の小容量のFIFOバッファを設けて再生用ストリームを一時的に蓄積し、第1検出信号を受信した後、その時点で検出されたピクチャヘッダの先頭から再生用ストリームを伝送するように構成してもよい。
特定データ検出部56もまた、ダミーパケット挿入部53と接続されて再生用ストリームを受け取る。特定データ検出部56は、ダミーPID検出部56aおよびピクチャヘッダ検出部56bを有する。ダミーPID検出部56aは、再生用ストリームを受け取り、再生用ストリームを構成する各パケットのPIDを走査する。そしてダミーパケットのPIDを検出すると、ダミーPID検出部56aはダミーPID検出信号を出力する。
一方、ピクチャヘッダ検出部56bは、再生用ストリームおよびダミーPID検出信号を受け取る。ピクチャヘッダ検出部56bは、ダミーPID検出信号を受信すると、再生用ストリームを構成する各パケットを解析してピクチャヘッダ(図4(c))に格納されたピクチャヘッダコードを確認する。その結果、ピクチャヘッダ検出部56bは、Iピクチャヘッダコードを検出すると第1検出信号を出力し、Iピクチャヘッダコードの検出後にその次に配置されたピクチャのピクチャヘッダコードを検出すると第2検出信号を出力する。すなわち、第1検出信号が出力されてから第2検出信号が出力されるまでは、特定データ検出部56およびスイッチ55は再生用ストリームのIピクチャに関するデータを含むパケットを受け取っていることを意味する。第1検出信号および第2検出信号はスイッチ55に送られる。
TS/PESデコーダ57は、スイッチから出力された再生用ストリームを受け取り、そのストリームからパケットヘッダ、PESヘッダ等を削除する。図4(a)および図4(b)を参照して説明すると、TS/PESデコーダ57は、TSパケット40aからヘッダ40a−1を削除し、さらにTSパケット40aのペイロード40a−2にPESパケットヘッダ41a−1が含まれている場合にはそのPESパケットヘッダ41a−1を削除する。これにより、TS/PESデコーダ57が受け取った再生用ストリームから、ピクチャデータ41a−2等のピクチャデータのみが抽出される。TS/PESデコーダ57は、ピクチャデータを出力する。
デコード部58は、バッファメモリ58aおよびエレメンタリストリームデコーダ(ESデコーダ)58bとを有する。バッファメモリ58aは、TS/PESデコーダ57からピクチャデータを受け取って一時的に格納する。ESデコーダ58bは、バッファメモリ58aに1枚のピクチャを構成できるデータ(エレメンタリデータ)が格納されると、そのデータを復号化して出力する。
出力インターフェース59は、テレビ等の外部機器に対してビデオ信号を出力する。
ここで、図6(a)〜6(d)を参照しながら、記録媒体51に記録されたデータストリームが、上述の各構成要素によってどのように取り扱われていくかを説明する。
図6(a)は、ストリーム抽出部52によって抽出されたビデオTSパケット列61を示す。各ボックスが1つのビデオTSパケットを示す。
次に、図6(b)は、ダミーパケット挿入部53による処理を経て、スイッチ55に入力されるビデオパケット列(再生用ストリーム)62を示す。ダミーパケット挿入部53は、ダミーPIDを有するダミーパケット63、64、65、66等を上述のタイミングで挿入する。図6(b)には、ダミーパケット64および65の詳細な構造も併せて示す。
ダミーパケット64は、ダミーPIDとして例えば”0x1FFF“が与えられたパケットヘッダ64aと、ペイロード64bとを有する。ペイロード64bには、例えば”0xE“によって表されるダミーデータが格納され、ダミーパケットであることを示している。ダミーパケット64および65の間にはIピクチャデータを格納した1以上のTSパケットが存在するため、ダミーパケット64後の特定のTSパケットのペイロードにはIピクチャヘッダ67aが存在する。そしてその後、1以上のTSパケットにわたってIピクチャデータが格納される。
Iピクチャデータに続いて、他のピクチャ(例えばBピクチャとする)のピクチャデータを格納したTSパケットが存在するため、ダミーパケット64および65の間の特定のTSパケットのペイロードには、Bピクチャヘッダ67bも存在する。そして、その後、ダミーPIDが与えられたパケットヘッダ65aとペイロード65bとを有するダミーパケット65が配置されている。Iピクチャのみを再生する高速再生時にはIピクチャに関するデータ以外のピクチャのデータは不要であるから、それらは不要データとして扱われる。
なお、図6(a)に示すビデオパケット列61が、プレイリストによる再生等の、複数のTSの一部分を連続的に抽出して構成されたデータストリームである場合には、ダミーパケット63、64、65、66等の少なくとも1つはその接続点ごとに挿入されたパケットであってもよい。所定の間隔で挿入されるダミーパケットと接続点に挿入されるダミーパケットとを区別する目的で、ダミーパケットのペイロードの値をそれぞれ相違させてもよい。例えば、前者のダミーパケットのペイロードの値を“0xE”にした場合には、後者のダミーパケットのペイロードの値を“0xF”にすることもできる。ダミーPID検出部56aが再生用ストリームのTSパケットからダミーPIDを検出し、さらに上述の値“0xE”または“0xF”を検出した後は、TSパケットのデータサイズは一定(188バイト)であるという特徴を利用して、ダミーPID検出部56aはその後のペイロードの解析を省略できる。
ダミーPID検出後、ピクチャヘッダ検出部56bはダミーパケット後のTSパケットからIピクチャヘッダコードのサーチを行う。ピクチャヘッダ検出部56bもまた、TSパケットのデータサイズに基づいてダミーパケット後のTSパケットを容易に特定できる。ただし、ピクチャヘッダ検出部56bにおける疑似Iピクチャヘッダコード等の誤検出を確実に回避するために、ダミーPIDが検出された後で、かつ、次のTSパケット内のデータサーチを行う直前にその動作をリセットすることが好ましい。これにより、ピクチャヘッダ検出部56bは、既に受け取っていたデータによる影響を受けることなく、ダミーパケット後のTSパケットの解析を開始できる。
次に、図6(c)は、バッファメモリ58aに入力されるIピクチャデータを示す。図6(b)に示すビデオパケット列62は、スイッチ55と並列して特定データ検出部56にも入力されているため、上述した特定データ検出部56、スイッチ55およびTS/PESデコード57の動作の結果、バッファメモリ58aはIピクチャデータ68a、68b等のみを受け取ることができる。図6(d)は、デコードされ出力されるIピクチャ群を示す。デコード部58は、バッファメモリ58aに格納されているIピクチャデータ68a、68b等をデコードして、フレーム画像またはフィール画像として出力する。
次に、データ処理装置50の処理を説明する。まず、上述した構成要素によれば、データ処理装置50は通常再生処理を実行することが可能である。ビデオの通常再生を概略的に説明すると、ストリーム抽出部52がビデオおよびオーディオ等のTSパケットから構成されるTSを抽出する。そして、各パケットのPIDに基づいて種類に応じてパケットを分離し、TS/PESデコーダ57に送る。TS/PESデコーダ57は各種のヘッダを削除してIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのピクチャデータをバッファメモリ58aに展開して、ESデコーダ58bがそれらをデコードする。その結果、製作されたとおりの順序でピクチャが出力され、ビデオが再生される。
次に図7を参照しながら、データ処理装置50による特殊再生処理を説明する。以下に説明する処理は、例えばデータ処理装置50のユーザが早送り再生(高速再生)を開始する指示を与えることによって実行される特殊再生処理である。
図7は、データ処理装置50の処理の手順を示す。制御部54がユーザから高速再生の開始指示を受け取ると、まずステップS70において、ストリーム抽出部52は、記録媒体51に格納されたデータストリーム(TS)を読み出し、ビデオパケットを抽出する。ステップS71では、ダミーパケット挿入部53は、ビデオの再生時間に換算して時間Δtの間隔ごとのパケット位置にダミーパケットを挿入する。その結果、再生用ストリームが得られる。時間Δtは、先のIピクチャの出現間隔であり、例えば0.5秒である。なお、複数のTSを読み出して見かけ上1つのTSにしている場合には、ダミーパケット挿入部53はその接続点ごとにダミーパケットを挿入して再生用ストリームを得る。再生用ストリームはスイッチ55および特定データ検出部56に出力されるが、この時点ではスイッチ55は開いており再生用ストリームはスイッチ55において遮断される。
ステップS72では、ダミーPID検出部56aが再生用ストリームを解析し、ダミーPIDを検出したか否かを判定する。この処理は、図6(b)に示すダミーパケット63、64等のサーチを意味する。ダミーPID検出部56aはTSパケットのパケットヘッダを走査して、そのPIDが特定のダミーPIDであるか否かを検出する。
判定の結果、ダミーPID検出部56aがダミーPIDを検出した場合には、ダミーPID検出信号を出力して処理はステップS73に進む。検出していない場合にはステップS74に進む。ステップS74では、スイッチ55は開かれたままであり、その結果、再生用ストリームの各ビデオTSパケットはその後に伝送されず、破棄される。
ステップS73では、ダミーPID検出信号の受信に応答して、ピクチャヘッダ検出部56bは再生用ストリームを解析し、Iピクチャのピクチャヘッダを検出したか否かを判定する。ピクチャヘッダ検出部56bは、ピクチャヘッダコードがIピクチャヘッダコードに一致するか否かに基づいて、この判定を行う。例えば図6(b)では、ピクチャヘッダ検出部56bは、Iピクチャヘッダコードを検出することによってIピクチャヘッダ66を検出する。
判定の結果、ピクチャヘッダ検出部56bがIピクチャヘッダを検出した場合には第1検出信号を出力してステップS75に進む。検出していない場合には、上述のステップS74に進み、再生用ストリームのTSパケットが破棄される。
ステップS75では、第1検出信号の受信に応答したスイッチ55は信号経路を接続して、再生用ストリームを後続のTS/PESデコーダ57への伝送を開始する。これにより、Iピクチャのピクチャデータ(エレメンタリデータ)を含むTSパケットがTS/PESデコーダ57に伝送され始める。そしてステップS76において、TS/PESデコーダ57は再生用ストリームからTSパケットヘッダ、PESヘッダを除去して、Iピクチャのエレメンタリデータ(図4(c))を徐々に生成しながらバッファメモリ58aに送る。
上述のステップS75およびS76を行いながら、ステップS77では、ピクチャヘッダ検出部56bが引き続き再生用ストリームを解析し、次のピクチャのピクチャヘッダを検出したか否かを判定する。このときの検出もまた、ピクチャヘッダコードに基づいて行われる。例えば図6(b)では、ピクチャヘッダ検出部56bは、Bピクチャヘッダコードを検出することによってBピクチャヘッダ67を検出する。
判定の結果、ピクチャヘッダ検出部56bが後続のBピクチャヘッダを検出した場合には第2検出信号を出力してステップS78に進む。検出していない場合には、上述のステップS76に戻り、再生用ストリームからIピクチャデータの取得を継続する。
ステップS78において、スイッチ55は第2検出信号を受信すると信号経路を遮断して、その後の再生用ストリームのTSパケットを破棄する。その時点で1枚のIピクチャのピクチャデータのみがバッファメモリ58a内に格納されたことになる。この後、ESデコーダ58bはIピクチャデータをデコードして出力する。なお、Iピクチャデータのみをデコードすることになるため、ESデコーダ58bは、図1に関連して説明した疑似Iピクチャデコードを行うことはない。よってデコードエラーが発生することもない。その後処理はステップS79に進む。
ステップS79では、高速再生を継続するか否かを判定する。例えばユーザが高速再生の中止を指示した場合には、制御部54は図7に示す処理を終了する。一方、高速再生の中止の指示を受信していない場合には、処理はステップS72に戻り、次のダミーPIDのサーチが再開される。
ダミーPIDのサーチを行う理由は、ダミーPIDであれば非常に高速に検出できるため、次のIピクチャデータに迅速に到達できるからである。より詳しく説明すると、次のIピクチャのピクチャデータを得るためには、単に再生用ストリームを解析してIピクチャのピクチャヘッダコードを検出すればよい。しかし、ピクチャヘッダコードは、TSパケットのビデオデータ領域に格納されているため、後続の全ビデオTSパケットについてビデオデータ領域を解析する必要がある。各ビデオデータ領域のデータサイズは184バイトである。一方、ダミーPIDはTSパケットのパケットヘッダに格納されている。パケットヘッダのデータサイズは4バイトである(例えば図3(a)および3(b)参照)。よって、ビデオデータ領域を解析する場合と比較して、PIDを検索する方が極めて高速であり、かつ処理負荷も小さいといえる。よって、次のダミーパケットの後に存在する次のIピクチャデータにも高速かつ低負荷で到達できる。
以上の処理により、図6(b)および(c)に示すように、Iピクチャのピクチャデータのみを確実に取得することができる。デコードエラーが発生することはなく、従来行う必要があったバッファメモリ58aのクリアは必要ないため、Iピクチャデータを連続して取得することによってIピクチャを連続的かつ高速に再生することができる。バッファメモリ58aには不要なデータが格納されないため、特殊再生時に使用するバッファ容量は小さくてすむ。
なお、図7に示す処理では、再生用ストリームでは、Iピクチャヘッダ(およびIピクチャデータ)、Bピクチャヘッダ、ダミーパケットの順にヘッダおよびパケットが配置されていることを前提として説明した。しかし、ダミーパケットの挿入タイミングによっては、例えばIピクチャヘッダおよびIピクチャデータの直後にダミーパケットが挿入され、先の例におけるBピクチャヘッダよりも先にダミーパケットが出現することがある。よって、ダミーPID検出部56aが初めにダミーパケットを検出した後には、ピクチャヘッダ検出部56bにおけるIピクチャヘッダのサーチとともに、ダミーPID検出部56aは引き続きダミーパケットのサーチ(ダミーPIDのサーチ)を行ってもよい。そして、Iピクチャヘッダ検出後、次のピクチャヘッダの検出前に、ダミーPID検出部56aがダミーパケットを検出した場合には、ピクチャヘッダ検出部56bに通知して第2検出信号を出力させ、スイッチ55をオフする。その後、ステップS73以降の処理を実行すればよい。
本実施形態のデータ処理装置によれば、再生のために読み出されたデータストリームの接続点および所定のタイミングで特定のダミー識別子を有するダミーパケットを挿入することにより、デコードエラーを確実に回避できる。よって、エラー回避のためにバッファクリア等の特殊な処理をする必要がない。そして、ピクチャヘッダを検出して必要なピクチャデータのみを順次取得することにより、連続してIピクチャを復号および出力することができ、処理の遅延を生じることもない。
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1による処理の応用例を説明する。
図8は、本実施形態によるデータ処理装置80の機能ブロックの構成を示す。データ処理装置80は、デジタル放送等の、受信可能なTSが複数存在するときに、それらを切り替えながら各TSの番組から1シーンずつ取り出し、各シーンを縮小して同一画面に一覧表示する機能、すなわちチャンネルサーチ機能を有する。
データ処理装置80は、受信部81と、選局部82と、ダミーパケット置換部83と、制御部84と、特定データ検出部86と、スイッチ55と、TS/PESデコーダ57と、デコード部58と、出力インターフェース59とを有する。図8では、データ処理装置50(図5)の構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号を付している。
受信部81は、受信可能な複数のTSの一つを選択的に受信することが可能なアンテナ等であり、受信したTSをデジタル信号として出力する。選局部82は、複数のTSから、特定の1つのTSを選択する。同時に送信されるTSには異なる識別情報(TS−ID)が付加されているため、選局部82はその識別情報に基づいて必要なTSを選択することができる。なお、1つのTSには複数の番組コンテンツのデータが含まれ得るが、本実施形態では説明の便宜のため1つのTSには1つの番組に関するデータのみが含まれているとして説明する。
ダミーパケット置換部83は、受信したTSのパケットの1つを、実施形態1において説明したダミーパケットに置換する。ダミーパケットのデータ構造は、実施形態1で説明したとおりである。実施形態1ではストリーム内のパケットを改変せずにダミーパケットを単に挿入したのに対し、本実施形態において「置換する」としている理由は、放送されているTSの受信はいわゆるプッシュ型入力となり、受信のタイミングをデータ処理装置80側で調整できず、ダミーパケットを挿入できないからである。
制御部84は、選局部82およびダミーパケット置換部83の動作を制御して、選局すべきTSの指定、ダミーパケットに置換すべきTSパケットを決定する。この決定は、後述のピクチャヘッダ検出部86bから、Iピクチャヘッダ以外のピクチャヘッダを検出したことを示す第2検出信号に基づいて行われる。具体的には、第2検出信号を受信すると、制御部84は、選局部82に対してTSの変更(切り替え)を指示し、ダミーパケット置換部83に対してダミーパケットの置換を指示する。置換すべきパケットは、例えば検出されたピクチャヘッダが存在するパケットの直後のパケットである。同じパケットでは、Iピクチャのデータが含まれている可能性があるからである。
特定データ検出部86は、ダミーPID検出部56aおよびピクチャヘッダ検出部86bを有する。ダミーPID検出部56aの動作および機能は実施形態1で説明したとおりである。一方、ピクチャヘッダ検出部86bは、実施形態1によるピクチャヘッダ検出部56bと同じ機能を有している。例えば、ピクチャヘッダ検出部86bもまた、Iピクチャヘッダコードを検出すると第1検出信号を出力し、Iピクチャヘッダコードの検出後にその次に配置されたピクチャのピクチャヘッダコードを検出すると第2検出信号を出力する。これらの機能はピクチャヘッダ検出部56bに関連して説明したとおりであるので、より詳細な説明はピクチャヘッダ検出部56bの説明を参照されたい。ピクチャヘッダ検出部86bはさらに、検出したピクチャヘッダコードの種類を示す信号を制御部84に送る。
スイッチ55、TS/PESデコーダ57、デコード部58および出力インターフェース59の動作および機能は、実施形態1においてデータ処理装置50に関連して説明したとおりであるので、その説明は省略する。
次に、図9を参照しながら、本実施形態によるデータ処理装置80の処理を説明する。図9(a)〜9(c)は、データ処理装置80において受信および選局が可能なTS91a〜91cを示す。TS91aはチャンネルAの番組コンテンツのデータを含み、TS91bはチャンネルBの番組コンテンツのデータを含み、TS91cはチャンネルCの番組コンテンツのデータを含む。いま、受信部81および選局部82によってTS91aが受信されているとする。この時点でスイッチ55は開かれ、TS91aはTS/PESデコーダ57に伝送されない状態であるとする。
TS91aは、受信部81、選局部82およびダミーパケット置換部83を介して特定データ検出部86に送られる。このとき、ダミーパケット置換部83は、TS91aを受け取り、処理を加えることなくそのまま出力している。なお、実施形態1と同様、処理の有無にかかわらず、ダミーパケット置換部83から出力されたストリームを再生用ストリームと称する。特定データ検出部86のダミーPID検出部56aは、このときTSパケットのPIDをサーチしているが、ダミーパケットは存在しないため、何らの信号も出力することはない。
特定データ検出部86のピクチャヘッダ検出部86bは、再生用ストリームを受け取って再生用ストリームをサーチし、Iピクチャ(chA−I1)のピクチャヘッダを検出する。そして、第1検出信号をスイッチ55に出力し、スイッチ55が閉じられる。
Iピクチャ(chA−I1)のデータを含むTSパケットの受信が終了すると、TS91aには、他のピクチャ(例えばBピクチャとする)のピクチャヘッダが現れる。ピクチャヘッダ検出部86bはTS91aからBピクチャのピクチャヘッダコードを検出すると第2信号を出力する。これにより、スイッチ55が開かれ、TS/PESデコーダ57を経て、TS91aのIピクチャ(chA−I1)のピクチャデータのみがバッファメモリ58aに格納される。
さらに、第2信号は制御部84にも送信される。制御部84は、第2信号の受信に応答して、ダミーパケット置換部83に対してダミーパケットの挿入を指示する。その指示を受けて、ダミーパケット置換部83はBピクチャのピクチャヘッダが存在したパケットの後続のパケットの一つをダミーパケットに置換する。図9(d)は、スイッチ55に入力されるビデオパケット列(再生用ストリーム)92を示す。TS91aのIピクチャ(chA−I1)の後に、ダミーパケット93が設けられていることが理解される。なお、ダミーパケットに置換されるTSパケットは、必要とされるIピクチャデータ以外のデータを格納しているため、ダミーパケットに置換しても問題は生じない。
制御部84はまた、選局部82に対してチャンネルBへの変更を指示する。その指示を受けて、選局部82はTS91bを選択して出力する。図9(d)に示すように、ダミーパケット93の後にはTS91bのパケット列が出力される。
このダミーパケット93は、ダミーPID検出部56aによって検出される。ダミーPID検出部56aは、ピクチャヘッダ検出部86bにダミーPID検出信号を出力し、ピクチャヘッダ検出部86bは次は、再生用ストリームに含まれるTS91bのIピクチャのピクチャヘッダコードをサーチする。そして、Iピクチャ(ChB−I2)のピクチャヘッダコードを検出すると、スイッチ55に第1検出信号を出力する。そしてIピクチャ(ChB−I2)の次のピクチャのピクチャヘッダコードを検出すると、スイッチ55および制御部84に第2検出信号を出力する。その結果、ダミーパケット置換部83はTS91bの後続のTSパケットの一つをダミーパケット94に置換し、選局部82はチャンネルCに対応するTS91cを選択して出力する。
TS91cについても同様に処理が行われ、Iピクチャ(chC−I3)のデータを格納したTSパケットの後のTSパケットがダミーパケット95に置換されて再生用ストリームとして出力される。
以上のように再生用ストリームが生成され、第1検出信号および第2検出信号が出力されるため、デコード部58には各TS91a〜91cのIピクチャデータのみが順に入力される。図9(e)は、バッファメモリ58aに入力される各TSのIピクチャデータを示す。これらのIピクチャデータをデコードして所定の大きさに縮小し、すべてまたは一部を同じ画面上に表示することにより、各チャンネルの番組の内容の一覧表示が可能になる。
なお、本実施形態では、1つのTSには1つの番組に関するデータのみが含まれているとして説明した。1つのTSに複数の番組コンテンツのデータが含まれる場合には、図2に記載の番組表パケット(PAT_TSP)および番組対応表パケット(PMT_TSP)を抽出して、各番組コンテンツに関するデータストリームを得ることができる。具体的には以下のとおりである。希望の番組の番組番号(チャンネル番号)をXとする。まずはじめに、TSパケットから、番組表パケットが検索される。番組表パケットのパケットID(PID)には、例えば0が与えられているので、その値を有するパケットを検索すればよい。番組表パケット内の番組表には、各番組番号と、その番組番号に対応する各番組の番組対応表パケットのPIDが格納されている。よって、番組番号Xに対応する番組対応表PMTのパケットID(PID)を特定できる。番組対応表PMTのPIDをXXとする。
次に、PID=XXが付された番組対応表パケットを抽出すると、番組番号Xに対応する番組対応表が得られる。番組対応表PMTには、番組ごとに、視聴の対象として各番組を構成する映像・音声情報等が格納されたTSパケットのPIDが格納されている。例えば、番組番号Xの映像情報のPIDはXVであり、音声情報のPIDはXAである。このようにして得られた映像情報を格納したパケットのPID(=XV)と、音声情報を格納したパケットのPID(=XA)とを利用して、1つのTSから特定の番組コンテンツに関する映像・音声のパケットを抽出できる。
上述の説明から明らかなように、1つのTSに複数の番組コンテンツのデータが含まれていても各々は識別可能である。よって、各々が1つの番組コンテンツを含むTSを例にした本実施形態の説明を同様に適用することができる。
以上、本発明の実施形態1および2を説明した。各実施形態では、Iピクチャのピクチャヘッダコード、および、その直後に配置されたピクチャのピクチャヘッダコードに基づいてIピクチャデータのみを切り出す例を説明した。
しかし、ピクチャ単位ではなく、再生対象となるコンテンツの一定の区間を切り出して、間欠的に再生することもできる。例えば、ピクチャヘッダ検出部86bが、Iピクチャヘッダコードを検出して第1検出信号を出力し、その後、N個目(N:自然数)のIピクチャヘッダコードを検出したときに第2検出信号を出力することにより、N枚のIピクチャが含まれたコンテンツの部分を切り出すことができる。例えば、Nを4にすると、約2秒程度の区間再生が行われる。
または、ピクチャヘッダ検出部86bは、MPEG規格のビデオシーケンス情報(シーケンスヘッダ)や画面群構造情報(GOPヘッダ)を検出したときに第1検出信号を出力し、次のシーケンスヘッダまたはGOPヘッダを検出したときに第2検出信号を出力することにより、MPEG規格のビデオオブジェクトユニット(VOB)またはピクチャ群(GOP)が含まれたコンテンツの部分を切り出すことができる。なお、シーケンスヘッダおよびGOPヘッダは、ビデオデータ30bの一部として格納されている。
さらに、PESパケットとアライメントした画像や音声のデータでは、ピクチャヘッダ検出部86bは、PESヘッダコードを検出したときに第1検出信号を出力し、N個目のPESヘッダコードを検出したときに第2検出信号を出力することにより、映像や音声の間欠再生へも適用することも可能である。
なお、上述した複数種類のヘッダのうち、どのヘッダを用いるかは任意であり、ピクチャヘッダコード、PESヘッダコード、シーケンスヘッダコード、グループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードのいずれかのみならず、2つ以上を用いて、ピクチャヘッダ検出部86bが第1検出信号および第2検出信号を出力してもよい。例えば、コンテンツのある部分ではピクチャヘッダコードを用いて第1検出信号および第2検出信号を検出し、他の部分はグループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードを用いて第1検出信号および第2検出信号を検出すればよい。
データ処理装置の再生機能は、図7に示す処理手順を規定したコンピュータプログラムに基づいて実現される。データ処理装置のコンピュータは、そのようなコンピュータプログラムを実行することによってデータ処理装置の各構成要素を動作させ、上述した処理を実現することができる。コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録して市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送される。これにより、コンピュータシステムを、上述のデータ処理装置と同等の機能を有する再生装置として動作させることができる。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、複数のデータストリームが接続された1本のデータストリームに対し、その接続点においてデータ列を誤認識することなく再生可能なデータ処理装置が提供される。このデータ処理装置は、ダミーデータを挿入して、再生対象となるデータの位置にまで迅速に到達して再生に必要なデータのみを抽出するので、処理遅延のない再生を実現できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパケットから構成されるデータストリームを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生するデータ処理装置であって、
各パケットは識別子を有し、前記コンテンツデータは前記コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コード、および、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを有しており、
前記複数のパケットの識別子のいずれとも異なるダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成し、受け取った前記データストリームに基づいて、所定の間隔において前記ダミーパケットを含んだ再生用ストリームを生成するダミーパケット処理部と、
前記再生用ストリームの各パケットの識別子を走査して前記ダミー識別子を検出し、その後、前記第1コードを検出して第1検出信号を出力し、前記第2コードを検出して第2検出信号を出力する検出部と、
前記再生用ストリームを受け取り、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記コンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるスイッチと、
前記スイッチからの出力に基づいて、前記コンテンツの第1部分を再生するデコード部と
を備えたデータ処理装置。
【請求項2】
前記ダミーパケット処理部は、ピクチャの再生時間に応じた時間間隔で前記ダミーパケットを前記データストリームに挿入することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記第2コードを検出した後は、各パケットの識別子を走査して次のダミー識別子を検出する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
1以上のデータストリームが記録された記録媒体から、前記1以上のデータストリームの複数の部分を、複数の部分ストリームとして連続して抽出する抽出部をさらに備え、
前記ダミーパケット処理部は、前記複数の部分ストリームが接続された各データ位置に、前記ダミー識別子を有するダミーパケットを挿入する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記ダミーパケット処理部は、前記第2コードの検出に応答して前記データストリームに前記ダミーパケットを挿入することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記データストリームは複数存在し、その各々が番組に関する前記コンテンツデータを含んでおり、
複数のデータストリームのうちの一つを選択する選局部をさらに備え、
前記選局部は、前記第2コードの検出に応答して、それまで受信していた第1データストリームを第2データストリームに変更し、
前記ダミーパケット処理部は、前記第1データストリームが前記第2データストリームに切り替えられたデータ位置に前記ダミーパケットが設けられた再生用ストリームを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記ダミーパケット処理部は、前記第1データストリームにおいて、前記第2コードを含むパケットよりも後のパケットを前記ダミーパケットに置換し、その後に前記第2データストリームを接続することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項6に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記データストリームは、圧縮符号化されたコンテンツデータを含み、
前記デコード部は、前記コンテンツデータを復号化して、前記コンテンツの第1部分を再生する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記コンテンツは、複数のピクチャが切り替えられて表示されるビデオに関し、前記コンテンツデータは双方向予測符号化方式によって圧縮符号化されており、
前記検出部は、前記第1コードとしてIピクチャのピクチャヘッダコードを検出し、前記第2コードとして前記Iピクチャの直後のピクチャのピクチャヘッダコードを検出する、請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記第1コードとしてピクチャヘッダコード、PESヘッダコード、シーケンスヘッダコード、グループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードの少なくとも1種類のコードを検出し、前記第2コードとして前記第1コードと同種類のコードを検出する、請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
複数のパケットから構成されるデータストリームを受け取りながら、各パケットに格納されたコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生するデータ処理方法であって、
各パケットは識別子を有し、前記コンテンツデータは前記コンテンツの第1部分のデータ位置を特定する第1コード、および、第2部分のデータ位置を特定する第2コードを有しており、
前記複数のパケットの識別子のいずれとも異なるダミー識別子を有するダミーパケットを複数生成するステップと、
受け取った前記データストリームに基づいて、所定の間隔で前記ダミーパケットを含んだ再生用ストリームを生成するステップと、
前記再生用ストリームの各パケットの識別子を走査して前記ダミー識別子を検出し、その後、前記第1コードを検出して第1検出信号を出力し、前記第2コードを検出して第2検出信号を出力するステップと、
前記再生用ストリームを受け取り、前記第1検出信号および前記第2検出信号に基づいて前記コンテンツの第1部分のコンテンツデータを選択的に通過させるステップと、
前記スイッチからの出力に基づいて、前記コンテンツの第1部分を再生するステップと
を包含するデータ処理方法。
【請求項12】
前記再生用ストリームを生成するステップは、ピクチャの再生時間に応じた時間間隔で前記ダミーパケットを前記データストリームに挿入することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項13】
前記検出信号を出力するステップは、前記第2コードを検出した後は、各パケットの識別子を走査して次のダミー識別子を検出する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項14】
1以上のデータストリームが記録された記録媒体から、前記1以上のデータストリームの複数の部分を、複数の部分ストリームとして連続して抽出するステップをさらに包含し、
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記複数の部分ストリームが接続された各データ位置に、前記ダミー識別子を有するダミーパケットを挿入する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項15】
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第2コードの検出に応答して前記データストリームに前記ダミーパケットを挿入することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項16】
前記データストリームは複数存在し、その各々が番組に関する前記コンテンツデータを含んでおり、
複数のデータストリームのうちの一つを選択するステップをさらに包含し、
前記選択するステップは、前記第2コードの検出に応答して、それまで受信していた第1データストリームを第2データストリームに変更し、
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第1データストリームが前記第2データストリームに切り替えられたデータ位置に前記ダミーパケットが設けられた再生用ストリームを生成する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項17】
前記再生用ストリームを生成するステップは、前記第1データストリームにおいて、前記第2コードを含むパケットよりも後のパケットを前記ダミーパケットに置換し、その後に前記第2データストリームを接続することにより、前記再生用ストリームを生成する、請求項16に記載のデータ処理方法。
【請求項18】
前記データストリームは、圧縮符号化されたコンテンツデータを含み、
前記再生するステップは、前記コンテンツデータを復号化して、前記コンテンツの第1部分を再生する、請求項11に記載のデータ処理方法。
【請求項19】
前記コンテンツは、複数のピクチャが連続的に切り替えられて表示されるビデオに関し、前記コンテンツデータは双方向予測符号化方式によって圧縮符号化されており、
前記検出信号を出力するステップは、前記第1コードとしてIピクチャのピクチャヘッダコードを検出し、前記第2コードとして前記Iピクチャの直後のピクチャのピクチャヘッダコードを検出する、請求項18に記載のデータ処理方法。
【請求項20】
前記検出信号を出力するステップは、前記第1コードとしてピクチャヘッダコード、PESヘッダコード、シーケンスヘッダコード、グループ・オブ・ピクチャ(GOP)ヘッダコードの少なくとも1種類のコードを検出し、前記第2コードとして前記第1コードと同種類のコードを検出する、請求項11に記載のデータ処理方法。

【国際公開番号】WO2004/088982
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504182(P2005−504182)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004108
【国際出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】