データ受信装置および電源制御方法
【課題】スタンバイ時の消費電力を低減すると共に、ユーザの初期設定項目の低減を図る。
【解決手段】HDMI端子201にHDMIケーブルを介して接続されるディスクプレーヤが電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、ディスクプレーヤから+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、接続スイッチ251が自動的にオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。この場合、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされ、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。ディスクプレーヤがスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、ディスクプレーヤから+5Vの電源は送られてこないが、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされ、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【解決手段】HDMI端子201にHDMIケーブルを介して接続されるディスクプレーヤが電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、ディスクプレーヤから+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、接続スイッチ251が自動的にオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。この場合、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされ、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。ディスクプレーヤがスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、ディスクプレーヤから+5Vの電源は送られてこないが、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされ、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ受信装置および電源制御方法に関し、特に、外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部を備えるデータ受信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、セットトップボックス(STB:Set Top Box)、その他のAVソース(Audio Visual source)から、テレビ受信機、プロジェクタ、その他のディスプレイに対して、非圧縮(ベースバンド)のデジタル映像信号(画像データ)と、そのデジタル映像信号に付随するデジタル音声信号(音声データ)とを高速に伝送する通信インタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface)が、普及しつつある。
【0003】
HDMIは、PC(Personal Computer)とディスプレイの接続標準規格であるDVI(DigitalVisual Interface)に音声伝送機能や著作権保護機能を加えて、AV(Audio Visual)機器向けにアレンジしたものとなっている。例えば、非特許文献1には、HDMI規格の詳細についての記載がある。
【0004】
従来、機器間の接続にビデオ、オーディオ、コントロールの各信号用の複数のケーブルを用いていた。しかし、HDMIではケーブル1本で済み、コントロール信号は双方向の伝送に対応している。そのため、例えば、テレビ受信機からHDMIで接続されたDVDプレーヤ、セットトップボックス等の出力装置にコントロール信号を中継することで、テレビ受信機のリモコンでAVシステム全体を操作することも可能となった。
【0005】
HDMI規格ではCEC(Consumer Electronics Control)を使った機器間制御が定義されている。このCECによれば、HDMIネットワーク上に存在する各機器に割り当てられる固有の物理アドレスと論理アドレスに基づいて様々な制御を可能としている。例えば、ユーザがテレビ受信機でデジタル放送を視聴しているときに、HDMIで接続されたDVDプレーヤを再生すると、テレビ受信機は自動的にDVDプレーヤが接続された入力に切り換える。また、このDVDプレーヤで表示しているメニュー操作や、電源のオン/オフなどをテレビ受信機のリモコンから操作することができる。
【0006】
HDMI接続されたソース機器およびシンク機器は、それぞれの機器がスタンバイ状態でもCEC機能のための回路(CEC機能部)をアクティブにしておく必要がある。しかし、シンク機器では、スタンバイ状態での待機電力の削減が急務となっている。そのため、工場出荷設定ではCEC機能をオフ設定にして待機電力を必要以上に消費しないようにしている。
【0007】
このように工場出荷設定でシンク機器のCEC機能がオフに設定されている場合、ユーザがCEC対応のソース機器を接続する際に、当該シンク機器のオフ設定をマニュアルで変更する必要があった。つまり、ユーザの初期設定項目がその分だけ多くなり、ユーザにとって煩わしいものとなる。
【0008】
例えば、特許文献1は、HDMI接続されたソース機器の電源制御による消費電力の低減を提案するものであるが、シンク機器の消費電力の低減のための電源制御については何ら提案されていない。
【非特許文献1】High-Definition Multimedia Interface Specification Version1.3a,November 10 2006
【特許文献1】特開2007−274296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、HDMI接続されたソース機器およびシンク機器のうち、シンク機器に関して、その消費電力を低減するための電源制御については何ら提案されていない。
【0010】
この発明の目的は、シンク機器のスタンバイ時(スタンバイ状態)における消費電力を低減すると共に、このシンク機器に係るユーザの初期設定項目の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の概念は、
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部と、
スタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する電源供給部
を備えるデータ受信装置にある。
【0012】
この発明において、データ受信部により、外部機器からコンテンツデータ(画像データ、音声データ)が受信される。この場合、例えば、外部機器から複数チャネルで、差動信号により、伝送路、例えばHDMIのTMDSチャネルを介して、コンテンツデータが受信される。また、通信部により、外部機器との間で制御信号の通信が行われる。この制御信号は、例えば、HDMIケーブルのCECラインを介して送受信される、CEC信号である。
【0013】
スタンバイ時に、外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、この電源は電源供給部により通信部に供給される。そのため、通信部はアクティブな状態となり、外部機器との間で制御信号の通信が可能となる。外部機器から供給される電源は、例えば、外部機器が情報記憶部に保持されている、少なくとも自身の性能に関する情報を読み出すための電源である。
【0014】
このように、スタンバイ時に外部機器から電源が供給されるとき、この電源が通信部に供給されて外部機器との間で制御信号の通信が可能とされることで、外部機器との間の制御信号の通信のためにスタンバイ時に通信部に常に電源を供給しておく必要がなく、消費電力を低減できる。また、消費電力の低減のために、例えば工場出荷設定でCEC機能をオフ設定しておく必要もなく、ユーザはその設定を解除することが不要となり、ユーザの初期設定項目を低減できる。
【0015】
この発明において、例えば、スタンバイマイコンに供給するスタンバイ電源を得る電源回路をさらに備え、電源供給部は、電源オン時に、電源回路で得られたスタンバイ電源または外部機器から電源ラインを介して供給される電源を通信部に供給する、ようにされる。これにより、電源オン時には、通信部に電源が供給されるので、通信部は外部機器との間で制御信号の通信が可能となる。この場合、通信部に予め電源を供給しておく必要がなく、消費電力を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、データ受信部により外部機器からコンテンツデータを受信し、通信部により外部機器との間で制御信号の通信を行うものにあって、スタンバイ時に、外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、この電源を通信部に供給するものであり、スタンバイ時の消費電力を低減できると共に、またユーザの初期設定項目の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0018】
<1.実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAV(Audio Visual)システム10の構成例を示している。このAVシステム10は、ソース機器としてのディスクプレーヤ100と、シンク機器としてのテレビ受信機200とを有している。ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200は、HDMIケーブル300を介して接続されている。ディスクプレーヤ100には、HDMI送信部(HDMITX)102が接続されたHDMI端子101が設けられている。テレビ受信機200には、HDMI受信部(HDMI RX)202が接続されたHDMI端子201が設けられている。HDMIケーブル300の一端はディスクプレーヤ100のHDMI端子101に接続され、このHDMIケーブ300の他端はテレビ受信機200のHDMI端子201に接続されている。
【0019】
[HDMIシステムの説明]
図2は、図1のAVシステム10におけるディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200のHDMI接続部分を示している。
【0020】
HDMI送信部102は、アクティブビデオ区間において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に送信する。ここで、アクティブビデオ区間は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間である。HDMI送信部102は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に一方向に送信する。
【0021】
HDMI送信部102は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。また、HDMI送信部102は、非圧縮の画像に付随する音声データ、制御データその他の補助データ等を対応する差動信号に変換し、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。
【0022】
さらに、HDMI送信部102は、TMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル300でHDMI受信部202に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
【0023】
HDMI受信部202は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、このHDMI受信部202は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。すなわち、HDMI受信部202は、TMDSチャネル#0,#1,#2でHDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、ピクセルクロックに同期して受信する。
【0024】
HDMIシステムの伝送チャネルには、上述のTMDSチャネル#0〜#2およびTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83およびCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。DDC83は、HDMIケーブル300に含まれる図示しない2本の信号線からなっている。このDDC83は、ディスクプレーヤ100(ソース機器)が、テレビ受信機200(シンク機器)から、EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0025】
すなわち、テレビ受信機200は、HDMI受信部102の他に、少なくとも自身の性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDIDを記憶している、情報記憶部としてのEDID ROM(Read Only Memory)85を有している。ディスクプレーヤ100の制御部(図示せず)は、テレビ受信機200のEDIDROM85から、DDC83を介してEDIDを読み出す。ディスクプレーヤ100の制御部は、EDIDに基づき、テレビ受信機200の性能、例えばテレビ受信機200が対応可能なビデオフォーマット、カラーフォーマット等を認識できる。
【0026】
CECライン84は、HDMIケーブル300に含まれる図示しない1本の信号線からなり、制御データラインを構成している。このCECライン84は、ディスクプレーヤ100(ソース機器)とテレビ受信機200(シンク機器)との間で、CEC信号(制御用データ)の双方向通信を行うために用いられる。
【0027】
また、HDMIケーブル300には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるHPDライン86が含まれている。ディスクプレーヤ100(ソース機器)は、HPDライン86を利用して、テレビ受信機200(シンク機器)の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル300には、ディスクプレーヤ100(ソース機器)からテレビ受信機200(シンク機器)に+5Vの電源を供給するために用いられる電源ライン87およびリザーブライン88が含まれている。
【0028】
上述した電源ライン87を介しての+5Vの電源は、本来、ディスクプレーヤ100(ソース機器)が、テレビ受信機(シンク機器)200の上述のEDIDROM85からEDIDを読み出すために使用されるものである。この実施の形態においては、この+5Vの電源は、さらに、上述のCEC制御信号を通信する通信部(CEC機能部)にも供給される。これにより、テレビ受信機(シンク機器)200のスタンバイ時に、CEC機能部をアクティブにできる。
【0029】
図3は、ディスクプレーヤ100のHDMI送信部102と、テレビ受信機200のHDMI受信部202の構成例を示している。
【0030】
HDMI送信部102は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0031】
補助データとしては、例えば、音声データ、制御パケット等がある。制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0032】
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0033】
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0034】
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0035】
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0036】
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0037】
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0038】
HDMI受信部202は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0039】
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0040】
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0041】
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0042】
図4は、TMDS伝送データの構造例を示している。図4は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて3種類の区間が存在する。この3種類の区間は、ビデオデータ区間(Video Data period)、データアイランド区間(Data Islandperiod)、およびコントロール区間(Control period)である。
【0043】
ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間である。この区間は、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平、垂直のブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
【0044】
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する1920ピクセル(画素)×1080ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0045】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
【0046】
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0047】
図5は、HDMI端子101,201のピン配列の一例を示している。図5に示すピン配列はタイプA(type-A)と呼ばれている。TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDSData#i+とTMDS Data#i-が伝送される2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i-が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
【0048】
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、EDID等のSDA(Serial Data)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続される。また、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
【0049】
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのHPDライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するための電源ライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
【0050】
[ディスクプレーヤ、テレビ受信機の要部構成]
図6は、ディスクプレーヤ100の要部構成例を示している。このディスクプレーヤ100は、HDMI端子101と、HDMI送信部102と、メインマイコン103と、スタンバイマイコン104と、キー入力部105と、リモコン受信部106を有している。また、ディスクプレーヤ100は、メイン電源回路107と、スタンバイ電源回路108と、CEC機能部109と、HPD回路110と、プルダウン抵抗111を有している。
【0051】
HDMI送信部102は、HDMIに準拠した通信により、図示しないディスク再生部で得られたベースバンドの画像データVDおよび音声データAD、並びにメインマイコン103から供給される制御データCDを、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して、テレビ受信機200に一方向に送信する。
【0052】
メインマイコン103は、ディスクプレーヤ100の各部の動作を制御する。スタンバイマイコン104は、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部106で受信して処理し、また、キー入力部105の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン104は、ディスクプレーヤ100がスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路107を制御して、メイン電源をオンにする。
【0053】
スタンバイマイコン104には、CEC機能部109が内蔵されている。このCEC機能部109は、CECラインを介して、テレビ受信機200との間で、CEC信号の送受信を行う。メインマイコン103は、このスタンバイマイコン104に接続されたDDCラインを介して、テレビ受信機200のEDIDROMからEDIDデータを読み取る。
【0054】
メイン電源回路107は、ディスクプレーヤ100の内部回路に電源を供給すると共に、+5Vの電源ラインを介して、テレビ受信機200に+5Vの電源を供給する。また、スタンバイ電源回路108は、スタイバイ時にも制御動作が可能なように、スタンバイマイコン104にスタンバイ電源を供給する。メイン電源回路107およびスタンバイ電源回路108は、いずれも、AC入力から電源を生成する。
【0055】
HPD回路110は、HPDラインの電圧に基づいて、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してシンク機器(この実施の形態ではテレビ受信機200)が接続されたこと等を検出する。このHPD回路110の検出出力はメインマイコン103に供給される。なお、ディスクプレーヤ100のHPD端子は、プルダウン抵抗111を介して接地されている。
【0056】
図7は、テレビ受信機200の要部構成例を示している。このテレビ受信機200は、HDMI端子201と、HDMI受信部202と、メインマイコン203と、スタンバイマイコン204と、キー入力部205と、リモコン受信部206を有している。また、テレビ受信機200は、メイン電源回路207と、スタンバイ電源回路208と、CEC機能部209と、EDIDROM210と、HPD回路211と、プルアップ抵抗212を有している。
【0057】
HDMI受信部202は、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100から、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して一方向に送信されてくる画像データVDおよび音声データAD、並びに制御データCDを受信する。制御データCDは、HDMI受信部202からメインマイコン203に供給される。画像データVDは、図示していないが、表示処理部を介して表示パネルに供給される。さらに、音声データADは、図示していないが、D/A変換器でアナログ信号に変換された後にスピーカに供給される。
【0058】
メインマイコン203は、テレビ受信機200の各部の動作を制御する。スタンバイマイコン204は、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部206で受信して処理し、また、キー入力部205の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン204は、テレビ受信機200がスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0059】
スタンバイマイコン204には、CEC機能部209が内蔵されている。このCEC機能部209は、CECラインを介して、ディスクプレーヤ100との間で、CEC信号の送受信を行う。スタンバイマイコン204は、CEC機能部209で電源制御に関するコマンドを受信した場合も、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0060】
このCEC機能部209には、テレビ受信機200がスタンバイ状態にあり、かつディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるときは、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が供給される。また、このCEC機能部209には、テレビ受信機200が電源オンの状態にあり、かつディスクプレーヤ100がスタンバイ状態にあるときは、スタンバイ電源回路208で得られるスタンバイ電源が供給される。このCEC機能部209への電源供給の詳細については後述する。
【0061】
メイン電源回路207は、テレビ受信機200の内部回路に電源を供給する。スタンバイ電源回路208は、スタイバイ時にも制御動作が可能なように、スタンバイマイコン204にスタンバイ電源を供給する。メイン電源回路207およびスタンバイ電源回路208は、いずれも、AC入力から電源を生成する。
【0062】
EDID ROM210には、+5Vの電源ラインが接続されている。このEDIDROM210には、ディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるとき、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインを介して、+5Vの電源が供給される。この+5Vの電源は、ディスクプレーヤ100が、EDIDROM210からEDIDを読み出すために使用される。
【0063】
HPD回路211は、HPDラインの電圧に基づいて、テレビ受信機200にHDMIケーブル300を介してソース機器(この実施の形態ではディスクプレーヤ100)が接続されたことを検出する。このHPD回路211の検出出力はメインマイコン203に供給される。なお、+5Vの電源ラインとHPDラインの間に、規格で規定されている1kΩの抵抗212が接続されている。
【0064】
ディスクプレーヤ100とテレビ受信機200がHDMIケーブル300で接続された場合、ディスクプレーヤ100から電源ラインで送られてくる+5Vの電源により、テレビ受信機200のHDMI端子201の19ピン(HPD端子)の電圧が高くなる。そのため、テレビ受信機200のHPD回路211は、テレビ受信機200にHDMIケーブル300を介してソース機器(ディスクプレーヤ100)が接続されたことを検出できる。
【0065】
また、このとき、ディスクプレーヤ100のHDMI端子101の19ピン(HPD端子)の電圧も高くなる。そのため、ディスクプレーヤ100のHPD回路110は、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してシンク機器(テレビ受信機200)が接続されたことを検出できる。
【0066】
この状態で、例えば、HDMIケーブル300がテレビ受信機200から外された場合、テレビ受信機200のHDMI端子201の19ピン(HPD端子)およびディスクプレーヤ100のHDMI端子101の19ピン(HPD端子)の電圧は共に低くなる。そのため、テレビ受信機200のHPD回路211およびディスクプレーヤ100のHPD回路110は、HDMIケーブル300の接続が外されたことを検出できる。
【0067】
図1、図6、図7に示すAVシステム10の動作を説明する。まず、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してテレビ受信機200が接続されるシステム構成時の動作例を説明する。なお、ディスクプレーヤ100は電源オン状態にあるものとする。
【0068】
HDMIケーブル300の+5Vの電源ラインを通じて、ディスクプレーヤ100からテレビ受信機200に+5Vの電源が供給される。そのため、テレビ受信機200のHDMI端子201における19ピンの電圧が高くなり、ディスクプレーヤ100のHDMI端子101における19ピンの電圧も高くなる。
【0069】
ディスクプレーヤ100のメインマイコン103(HPD回路110)は、HDMI端子101における19ピンの電圧(HPDラインの電圧)を監視している。メインマイコン103は、この電圧が高くなることで、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してテレビ受信機200が接続されたことを認識する。そして、メインマイコン103は、HDMIケーブル300のDDCラインを用いて、テレビ受信機200のEDIDROM210に記憶されているEDIDを読み出し、テレビ受信機200の性能を認識する。
【0070】
次に、システム構成後の動作例を説明する。例えば、ユーザがディスクプレーヤ100の再生を操作すると、ディスクプレーヤ100では再生が開始される。図示しないディスク再生部で得られた非圧縮の画像データVDおよび音声データADはHDMI送信部102に供給される。HDMI送信部102では、HDMIに準拠した通信により、データVD,ADが、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200に、一方向に、送信される。
【0071】
テレビ受信機200では、HDMI受信部202で、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100のHDMI送信部102からHDMIケーブル300を介して一方向に送信されてくる非圧縮の画像データVDおよび音声データADが受信される。HDMI受信部202で受信された画像データVDは、図示しない表示処理部を介して表示パネルに供給され、再生画像が表示される。また、HDMI受信部202で受信された音声データは、図示しないD/A変換器を介してスピーカに供給され、再生音声が出力される。
【0072】
[CEC機能部への電源供給]
テレビ受信機200のスタンバイマイコン204に内蔵されているCEC機能部209への電源供給について説明する。
【0073】
表1は、ソース機器、シンク機器の状態と、シンク機器におけるCEC機能(アクティブ、非アクティブ)の関係を示している。
【0074】
【表1】
【0075】
ソース機器とシンク機器が双方ともスタンバイ状態にある場合、ソース機器とシンク機器との間でCEC信号の通信は不要であり、シンク機器におけるCEC機能は非アクティブでよい。また、シンク機器が電源オン状態にある場合、ソース機器の物理アドレス、論理アドレスを確かめるため、シンク機器は、コマンドやポーリングコマンドをソース機器へ送る必要がある。そのため、この場合、ソース機器がスタンバイ状態あるいは電源オン状態のいずれにあっても、シンク機器におけるCEC機能をアクティブとしておくことが必要となる。また、ソース機器が電源オン状態で、シンク機器がスタンバイ状態にある場合、シンク機器は、ソース機器から送られてくるCEC制御コマンドを常に受信する必要がある。そのため、この場合、シンク機器におけるCEC機能をアクティブにしておくことが必要となる。
【0076】
そこで、この実施の形態において、テレビ受信機200のスタンバイマイコン204に内蔵されているCEC機能部209への電源供給は、表2に示すように、行われる。
【0077】
【表2】
【0078】
ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合、上述したようにCEC機能は非アクティブでよい。そのため、この場合は、CEC機能部209に電源を供給しない。また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、テレビ受信機200内の電源、例えばスタンバイ電源が、CEC機能部209に供給される。
【0079】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が、CEC機能部209に供給される。さらに、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、少なくとも、テレビ受信機200内の電源、あるいはディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が、CEC機能部209に供給される。
【0080】
CEC機能部209に電源を供給する電源供給部250の構成を説明する。図8は、スタンバイマイコン204内における電源供給部250の構成例を示している。
【0081】
+5Vの電源ラインは接続スイッチ251を介してCEC機能部209に接続されている。接続スイッチ251には、+5Vの電源ラインの電圧が、オンオフの制御信号として供給される。この場合、接続スイッチ251は、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなるときオン状態とされ、その他のときはオフ状態とされる。
【0082】
また、スタンバイ電源回路208(図7参照)からのスタンバイ電源は接続スイッチ252を介してCEC機能部209に供給される。この接続スイッチ252のオンオフは、スタンバイマイコン204内の他の機能部253により制御される。
【0083】
図9のフローチャートは、他の機能部253の制御処理を示している。他の機能部253は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、他の機能部253は、テレビ受信機200が電源オンの状態にあるか否かを判定する。
【0084】
ステップST2で電源オン状態にないとき、他の機能部253は、ステップST3において、接続スイッチ252をオフ状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されないようにする。他の機能部253は、ステップST3の処理の後、ステップST4において、処理を終了する。
【0085】
また、ステップST2で電源オン状態にあるとき、他の機能部253は、ステップST5において、接続スイッチ252をオン状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されるようにする。他の機能部253は、ステップST5の処理の後、ステップST4において、処理を終了する。
【0086】
電源供給部250の動作を説明する。ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合は、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。また、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされる。したがって、CEC機能部209には電源は供給されない。
【0087】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ251はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。なお、この場合、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。
【0088】
また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。しかし、この場合、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0089】
また、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ251はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この場合、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0090】
このように、図8に示す電源供給部250においては、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209には、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源とスタンバイ電源の双方が供給される。しかし、この場合、CEC機能部209に、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源あるいはスタンバイ電源が供給されるように構成してもよい。
【0091】
例えば、他の機能部253が、+5Vの電源ラインの電圧を監視し、この+5Vの電源ラインの電圧が+5Vにあるときは、テレビ受信機200が電源オン状態にあっても接続スイッチ252をオフ状態に制御する、ように構成される。この場合には、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209にはディスクプレーヤ100からの+5Vの電源のみが供給される。
【0092】
上述したように、図1に示すAVシステム10のテレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあっても、ディスクプレーヤ100が電源オン状態になる場合、このディスクプレーヤ100から送られてくる+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。これにより、テレビ受信機200がスタンバイ状態にあっても、CEC機能部209はディスクプレーヤ100との間でCEC信号の通信が可能となる。
【0093】
このように、テレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあるとき、CEC機能部209に常に電源を供給しておくものではなく、消費電力を低減できる。また、このテレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあるときCEC機能部209に常に電源を供給しておくものではないことから、消費電力の低減のために、例えば工場出荷設定でCEC機能をオフ設定しておく必要もない。そのため、ユーザはその設定を解除することが不要となり、ユーザの初期設定項目を低減できる。
【0094】
また、図1に示すAVシステム10のテレビ受信機200においては、電源オン状態となるとき、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給される。これにより、CEC機能部209はディスクプレーヤ100との間でCEC信号の通信が可能となる。このように、テレビ受信機200においては、電源オン状態となるときスタンバイ電源をCEC機能部209に供給するものであり、CEC機能部209に常に電源を供給しておくものではなく、消費電力を低減できる。
【0095】
<2.変形例>
上述実施の形態においては、テレビ受信機200として、CEC機能部209がスタンバイマイコン204に内蔵されているものを示した。しかし、CEC機能部209がHDMI受信部202に内蔵されることもある。
【0096】
図10は、CEC機能部209がHDMI受信部202に内蔵されているテレビ受信機200Aの要部構成例を示している。この図10において、図7と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0097】
このテレビ受信機200Aは、HDMI端子201と、HDMI受信部202Aと、メインマイコン203と、スタンバイマイコン204Aと、キー入力部205と、リモコン受信部206を有している。また、テレビ受信機200は、メイン電源回路207と、スタンバイ電源回路208と、CEC機能部209と、EDIDROM210と、HPD回路211と、プルアップ抵抗212を有している。
【0098】
スタンバイマイコン204Aは、CEC機能部209を内蔵していないことを除いて、図7に示すテレビ受信機200のスタンバイマイコン204と同様に構成されている。すなわち、スタンバイマイコン204Aは、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部206で受信して処理し、また、キー入力部205の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン204Aは、テレビ受信機200Aがスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0099】
また、HDMI受信部202Aは、CEC機能部209を内蔵していることを除いて、図7に示すテレビ受信機200のHDMI受信部202と同様に構成されている。すなわち、HDMI受信部202Aは、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100から、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して一方向に送信されてくる画像データVD、音声データADおよび制御データCDを受信する。
【0100】
HDMI受信部202Aには、CEC機能部209が内蔵されている。このCEC機能部209は、CECラインを介して、ディスクプレーヤ100との間で、CEC信号の送受信を行う。上述のスタンバイマイコン204Aは、このCEC機能部209で電源制御に関するコマンドを受信した場合も、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0101】
このCEC機能部209には、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にあり、かつディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるときは、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が供給される。また、このCEC機能部209には、テレビ受信機200Aが電源オンの状態にあり、かつディスクプレーヤ100がスタンバイ状態にあるときは、スタンバイ電源回路208で得られるスタンバイ電源が供給される。
【0102】
図10に示すテレビ受信機200Aのその他の部分については、詳細説明は省略するが、図7に示すテレビ受信機200と同様に構成され、同様に動作する。
【0103】
図11は、HDMI受信部202Aの内部構成例を示している。HDMI受信部202Aは、HDMI受信機能部260の他に、CEC機能部209および電源供給部261を備えている。電源供給部261について説明する。
【0104】
+5Vの電源ラインは接続スイッチ262を介してCEC機能部209に接続されている。接続スイッチ262には、+5Vの電源ラインの電圧が、オンオフの制御信号として供給される。この場合、接続スイッチ262は、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなるときオン状態とされ、その他のときはオフ状態とされる。
【0105】
また、スタンバイ電源回路208(図10参照)からのスタンバイ電源は接続スイッチ263を介してCEC機能部209に供給される。この接続スイッチ263のオンオフは、例えばスタンバイマイコン104により設定される制御用レジスタ264内の制御データに応じて制御される。
【0106】
この場合、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にあるとき、接続スイッチ263をオフ状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されないようにする。一方、テレビ受信機200Aが電源オン状態にあるとき、接続スイッチ263をオン状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されるようにする。
【0107】
電源供給部261の動作を説明する。ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200A(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合は、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。また、接続スイッチ263は、オフ状態とされる。したがって、CEC機能部209には電源は供給されない。
【0108】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ262はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。なお、この場合、接続スイッチ263はオフ状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。
【0109】
また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200Aが電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。しかし、この場合、接続スイッチ263がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0110】
また、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ262はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この場合、接続スイッチ263がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0111】
このように、図11に示す電源供給部261においては、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209には、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源とスタンバイ電源の双方が供給される。しかし、この場合、CEC機能部209に、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源およびスタンバイ電源の一方が供給されるように構成してもよい。
【0112】
例えば、スタンバイマイコン104Aは、電源ラインの電圧を監視し、その電圧が+5Vにあるときは、テレビ受信機200が電源オン状態にあっても、接続スイッチ252がオフ状態となるように制御用レジスタ264内の制御データを設定するようにされる。この場合には、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209にはディスクプレーヤ100からの+5Vの電源のみが供給される。
【0113】
図10に示すテレビ受信機200Aにおいて、スタンバイ状態にあっても、ディスクプレーヤ100が電源オン状態になる場合、このディスクプレーヤ100から送られてくる+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この図10に示すテレビ受信機200Aにおいて、電源オン状態となるとき、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給される。したがって、図10に示すテレビ受信機200Aにおいても、上述の図7に示すテレビ受信機200と同様の効果を得ることができる。
【0114】
また、上述したテレビ受信機200,200Aにおいては、メインマイコン203の他に、電源状態を管理するスタンバイマイコン204,204Aが備えてられている。しかし、必ずしも、メインマイコン203およびスタンバイマイコン204,204Aを備えた構成である必要はない。メインマイコン203だけを備え、このメインマイコン203が電源状態を管理するスタンバイマイコン204,204Aの機能を併せ持っていてもよい。
【0115】
また、上述したテレビ受信機200,200Aにおいては、CEC機能部209は、スタンバイマイコン204に内蔵されるか、あるいはHDMI受信部202Aに内蔵されている。しかし、CEC機能部209は、その他の回路部に内蔵されるか、あるいは独立した回路部とされていてもよい。
【0116】
また、上述においては、ソース機器としてディスクプレーヤ100を使用し、シンク機器としてテレビ受信機200を使用したAVシステム10の例を示した。しかし、その他のソース機器、シンク機器を使用して構成されるシステムにも、この発明を同様に適用できる。
【0117】
また、上述においては、電子機器間(ソース機器とシンク機器の間)を接続する伝送路として、HDMI規格のインタフェースを前提として説明したが、その他の同様な伝送規格にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
この発明は、スタンバイ時の消費電力を低減すると共に、ユーザの初期設定項目の低減を図ることができるものであり、例えば、ディスクプレーヤとテレビ受信機とをHDMIインタフェースを用いて接続してなるAVシステム等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】この発明の実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】AVシステムを構成するディスクプレーヤおよびテレビ受信機のHDMI接続部分を示す図である。
【図3】ディスクプレーヤのHDMI送信部と、テレビ受信機のHDMI受信部の構成例を示す図である。
【図4】TMDS伝送データの構造例(横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合)を示す図である。
【図5】ソース機器およびシンク機器のHDMIケーブルが接続されるHDMI端子のピン配列(タイプA)を示す図である。
【図6】AVシステムを構成するディスクプレーヤの要部構成例を示すブロック図である。
【図7】AVシステムを構成するテレビ受信機の要部構成例(CEC機能部をスタンバイマイコンに内蔵)を示すブロック図である。
【図8】スタンバイマイコン内のCEC機能部に電源を供給する電源供給部の構成例を示す図である。
【図9】CEC機能部へのスタンバイ電源供給の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】AVシステムを構成するテレビ受信機の要部構成例(CEC機能部をHDMI受信部に内蔵)を示すブロック図である。
【図11】HDMI受信部内のCEC機能部に電源を供給する電源供給部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
10・・・AVシステム、100・・・ディスクプレーヤ、101・・・HDMI端子、102・・・HDMI送信部、103・・・メインマイコン、104・・・スタンバイマイコン、105・・・キー入力部、106・・・リモコン受信部、107・・・メイン電源回路、108・・・スタンバイ電源回路、109・・・CEC機能部、110・・・HPD回路、111・・・プルダウン抵抗、200,200A・・・テレビ受信機、201・・・HDMI端子、202,202A・・・HDMI受信部、203・・・メインマイコン、204,204A・・・スタンバイマイコン、205・・・キー入力部、206・・・リモコン受信部、207・・・メイン電源回路、208・・・スタンバイ電源回路、209・・・CEC機能部、210・・・EDIDROM、211・・・HPD回路、212・・・プルアップ抵抗、250・・・電源供給部、251,252・・・接続スイッチ、253・・・他の機能部、260・・・HDMI受信機能部、261・・・電源供給部、262,263・・・接続スイッチ、264・・・制御用レジスタ
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ受信装置および電源制御方法に関し、特に、外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部を備えるデータ受信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、セットトップボックス(STB:Set Top Box)、その他のAVソース(Audio Visual source)から、テレビ受信機、プロジェクタ、その他のディスプレイに対して、非圧縮(ベースバンド)のデジタル映像信号(画像データ)と、そのデジタル映像信号に付随するデジタル音声信号(音声データ)とを高速に伝送する通信インタフェースとして、HDMI(High Definition Multimedia Interface)が、普及しつつある。
【0003】
HDMIは、PC(Personal Computer)とディスプレイの接続標準規格であるDVI(DigitalVisual Interface)に音声伝送機能や著作権保護機能を加えて、AV(Audio Visual)機器向けにアレンジしたものとなっている。例えば、非特許文献1には、HDMI規格の詳細についての記載がある。
【0004】
従来、機器間の接続にビデオ、オーディオ、コントロールの各信号用の複数のケーブルを用いていた。しかし、HDMIではケーブル1本で済み、コントロール信号は双方向の伝送に対応している。そのため、例えば、テレビ受信機からHDMIで接続されたDVDプレーヤ、セットトップボックス等の出力装置にコントロール信号を中継することで、テレビ受信機のリモコンでAVシステム全体を操作することも可能となった。
【0005】
HDMI規格ではCEC(Consumer Electronics Control)を使った機器間制御が定義されている。このCECによれば、HDMIネットワーク上に存在する各機器に割り当てられる固有の物理アドレスと論理アドレスに基づいて様々な制御を可能としている。例えば、ユーザがテレビ受信機でデジタル放送を視聴しているときに、HDMIで接続されたDVDプレーヤを再生すると、テレビ受信機は自動的にDVDプレーヤが接続された入力に切り換える。また、このDVDプレーヤで表示しているメニュー操作や、電源のオン/オフなどをテレビ受信機のリモコンから操作することができる。
【0006】
HDMI接続されたソース機器およびシンク機器は、それぞれの機器がスタンバイ状態でもCEC機能のための回路(CEC機能部)をアクティブにしておく必要がある。しかし、シンク機器では、スタンバイ状態での待機電力の削減が急務となっている。そのため、工場出荷設定ではCEC機能をオフ設定にして待機電力を必要以上に消費しないようにしている。
【0007】
このように工場出荷設定でシンク機器のCEC機能がオフに設定されている場合、ユーザがCEC対応のソース機器を接続する際に、当該シンク機器のオフ設定をマニュアルで変更する必要があった。つまり、ユーザの初期設定項目がその分だけ多くなり、ユーザにとって煩わしいものとなる。
【0008】
例えば、特許文献1は、HDMI接続されたソース機器の電源制御による消費電力の低減を提案するものであるが、シンク機器の消費電力の低減のための電源制御については何ら提案されていない。
【非特許文献1】High-Definition Multimedia Interface Specification Version1.3a,November 10 2006
【特許文献1】特開2007−274296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、HDMI接続されたソース機器およびシンク機器のうち、シンク機器に関して、その消費電力を低減するための電源制御については何ら提案されていない。
【0010】
この発明の目的は、シンク機器のスタンバイ時(スタンバイ状態)における消費電力を低減すると共に、このシンク機器に係るユーザの初期設定項目の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の概念は、
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部と、
スタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する電源供給部
を備えるデータ受信装置にある。
【0012】
この発明において、データ受信部により、外部機器からコンテンツデータ(画像データ、音声データ)が受信される。この場合、例えば、外部機器から複数チャネルで、差動信号により、伝送路、例えばHDMIのTMDSチャネルを介して、コンテンツデータが受信される。また、通信部により、外部機器との間で制御信号の通信が行われる。この制御信号は、例えば、HDMIケーブルのCECラインを介して送受信される、CEC信号である。
【0013】
スタンバイ時に、外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、この電源は電源供給部により通信部に供給される。そのため、通信部はアクティブな状態となり、外部機器との間で制御信号の通信が可能となる。外部機器から供給される電源は、例えば、外部機器が情報記憶部に保持されている、少なくとも自身の性能に関する情報を読み出すための電源である。
【0014】
このように、スタンバイ時に外部機器から電源が供給されるとき、この電源が通信部に供給されて外部機器との間で制御信号の通信が可能とされることで、外部機器との間の制御信号の通信のためにスタンバイ時に通信部に常に電源を供給しておく必要がなく、消費電力を低減できる。また、消費電力の低減のために、例えば工場出荷設定でCEC機能をオフ設定しておく必要もなく、ユーザはその設定を解除することが不要となり、ユーザの初期設定項目を低減できる。
【0015】
この発明において、例えば、スタンバイマイコンに供給するスタンバイ電源を得る電源回路をさらに備え、電源供給部は、電源オン時に、電源回路で得られたスタンバイ電源または外部機器から電源ラインを介して供給される電源を通信部に供給する、ようにされる。これにより、電源オン時には、通信部に電源が供給されるので、通信部は外部機器との間で制御信号の通信が可能となる。この場合、通信部に予め電源を供給しておく必要がなく、消費電力を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、データ受信部により外部機器からコンテンツデータを受信し、通信部により外部機器との間で制御信号の通信を行うものにあって、スタンバイ時に、外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、この電源を通信部に供給するものであり、スタンバイ時の消費電力を低減できると共に、またユーザの初期設定項目の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0018】
<1.実施の形態>
[AVシステムの構成例]
図1は、実施の形態としてのAV(Audio Visual)システム10の構成例を示している。このAVシステム10は、ソース機器としてのディスクプレーヤ100と、シンク機器としてのテレビ受信機200とを有している。ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200は、HDMIケーブル300を介して接続されている。ディスクプレーヤ100には、HDMI送信部(HDMITX)102が接続されたHDMI端子101が設けられている。テレビ受信機200には、HDMI受信部(HDMI RX)202が接続されたHDMI端子201が設けられている。HDMIケーブル300の一端はディスクプレーヤ100のHDMI端子101に接続され、このHDMIケーブ300の他端はテレビ受信機200のHDMI端子201に接続されている。
【0019】
[HDMIシステムの説明]
図2は、図1のAVシステム10におけるディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200のHDMI接続部分を示している。
【0020】
HDMI送信部102は、アクティブビデオ区間において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に送信する。ここで、アクティブビデオ区間は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間である。HDMI送信部102は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随する音声データや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部202に一方向に送信する。
【0021】
HDMI送信部102は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。また、HDMI送信部102は、非圧縮の画像に付随する音声データ、制御データその他の補助データ等を対応する差動信号に変換し、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI受信部202に、一方向にシリアル伝送する。
【0022】
さらに、HDMI送信部102は、TMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブル300でHDMI受信部202に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
【0023】
HDMI受信部202は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、このHDMI受信部202は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部102から一方向に送信されてくる、音声データや制御データに対応する差動信号を受信する。すなわち、HDMI受信部202は、TMDSチャネル#0,#1,#2でHDMI送信部102から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、音声データや制御データに対応する差動信号を、ピクセルクロックに同期して受信する。
【0024】
HDMIシステムの伝送チャネルには、上述のTMDSチャネル#0〜#2およびTMDSクロックチャネルの他に、DDC(Display Data Channel)83およびCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。DDC83は、HDMIケーブル300に含まれる図示しない2本の信号線からなっている。このDDC83は、ディスクプレーヤ100(ソース機器)が、テレビ受信機200(シンク機器)から、EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。
【0025】
すなわち、テレビ受信機200は、HDMI受信部102の他に、少なくとも自身の性能(Configuration/capability)に関する情報であるEDIDを記憶している、情報記憶部としてのEDID ROM(Read Only Memory)85を有している。ディスクプレーヤ100の制御部(図示せず)は、テレビ受信機200のEDIDROM85から、DDC83を介してEDIDを読み出す。ディスクプレーヤ100の制御部は、EDIDに基づき、テレビ受信機200の性能、例えばテレビ受信機200が対応可能なビデオフォーマット、カラーフォーマット等を認識できる。
【0026】
CECライン84は、HDMIケーブル300に含まれる図示しない1本の信号線からなり、制御データラインを構成している。このCECライン84は、ディスクプレーヤ100(ソース機器)とテレビ受信機200(シンク機器)との間で、CEC信号(制御用データ)の双方向通信を行うために用いられる。
【0027】
また、HDMIケーブル300には、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるHPDライン86が含まれている。ディスクプレーヤ100(ソース機器)は、HPDライン86を利用して、テレビ受信機200(シンク機器)の接続を検出することができる。また、HDMIケーブル300には、ディスクプレーヤ100(ソース機器)からテレビ受信機200(シンク機器)に+5Vの電源を供給するために用いられる電源ライン87およびリザーブライン88が含まれている。
【0028】
上述した電源ライン87を介しての+5Vの電源は、本来、ディスクプレーヤ100(ソース機器)が、テレビ受信機(シンク機器)200の上述のEDIDROM85からEDIDを読み出すために使用されるものである。この実施の形態においては、この+5Vの電源は、さらに、上述のCEC制御信号を通信する通信部(CEC機能部)にも供給される。これにより、テレビ受信機(シンク機器)200のスタンバイ時に、CEC機能部をアクティブにできる。
【0029】
図3は、ディスクプレーヤ100のHDMI送信部102と、テレビ受信機200のHDMI受信部202の構成例を示している。
【0030】
HDMI送信部102は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、B成分はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0031】
補助データとしては、例えば、音声データ、制御パケット等がある。制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、音声データは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
【0032】
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0033】
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
【0034】
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0035】
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
【0036】
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0037】
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
【0038】
HDMI受信部202は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0039】
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0040】
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0041】
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
【0042】
図4は、TMDS伝送データの構造例を示している。図4は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて3種類の区間が存在する。この3種類の区間は、ビデオデータ区間(Video Data period)、データアイランド区間(Data Islandperiod)、およびコントロール区間(Control period)である。
【0043】
ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(active edge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間である。この区間は、水平ブランキング期間(horizontal blanking)、垂直ブランキング期間(verticalblanking)、並びに、ビデオフィールド区間から、水平、垂直のブランキング期間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
【0044】
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する1920ピクセル(画素)×1080ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
【0045】
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
【0046】
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
【0047】
図5は、HDMI端子101,201のピン配列の一例を示している。図5に示すピン配列はタイプA(type-A)と呼ばれている。TMDSチャネル#iの差動信号であるTMDSData#i+とTMDS Data#i-が伝送される2本のラインは、TMDS Data#i+が割り当てられているピン(ピン番号が1,4,7のピン)と、TMDS Data#i-が割り当てられているピン(ピン番号が3,6,9のピン)に接続される。
【0048】
また、制御用のデータであるCEC信号が伝送されるCECライン84は、ピン番号が13であるピンに接続され、ピン番号が14のピンは空き(Reserved)ピンとなっている。また、EDID等のSDA(Serial Data)信号が伝送されるラインは、ピン番号が16であるピンに接続される。また、SDA信号の送受信時の同期に用いられるクロック信号であるSCL(Serial Clock)信号が伝送されるラインは、ピン番号が15であるピンに接続される。上述のDDC83は、SDA信号が伝送されるラインおよびSCL信号が伝送されるラインにより構成される。
【0049】
また、上述したようにソース機器がシンク機器の接続を検出するためのHPDライン86は、ピン番号が19であるピンに接続される。また、上述したように電源を供給するための電源ライン87は、ピン番号が18であるピンに接続される。
【0050】
[ディスクプレーヤ、テレビ受信機の要部構成]
図6は、ディスクプレーヤ100の要部構成例を示している。このディスクプレーヤ100は、HDMI端子101と、HDMI送信部102と、メインマイコン103と、スタンバイマイコン104と、キー入力部105と、リモコン受信部106を有している。また、ディスクプレーヤ100は、メイン電源回路107と、スタンバイ電源回路108と、CEC機能部109と、HPD回路110と、プルダウン抵抗111を有している。
【0051】
HDMI送信部102は、HDMIに準拠した通信により、図示しないディスク再生部で得られたベースバンドの画像データVDおよび音声データAD、並びにメインマイコン103から供給される制御データCDを、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して、テレビ受信機200に一方向に送信する。
【0052】
メインマイコン103は、ディスクプレーヤ100の各部の動作を制御する。スタンバイマイコン104は、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部106で受信して処理し、また、キー入力部105の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン104は、ディスクプレーヤ100がスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路107を制御して、メイン電源をオンにする。
【0053】
スタンバイマイコン104には、CEC機能部109が内蔵されている。このCEC機能部109は、CECラインを介して、テレビ受信機200との間で、CEC信号の送受信を行う。メインマイコン103は、このスタンバイマイコン104に接続されたDDCラインを介して、テレビ受信機200のEDIDROMからEDIDデータを読み取る。
【0054】
メイン電源回路107は、ディスクプレーヤ100の内部回路に電源を供給すると共に、+5Vの電源ラインを介して、テレビ受信機200に+5Vの電源を供給する。また、スタンバイ電源回路108は、スタイバイ時にも制御動作が可能なように、スタンバイマイコン104にスタンバイ電源を供給する。メイン電源回路107およびスタンバイ電源回路108は、いずれも、AC入力から電源を生成する。
【0055】
HPD回路110は、HPDラインの電圧に基づいて、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してシンク機器(この実施の形態ではテレビ受信機200)が接続されたこと等を検出する。このHPD回路110の検出出力はメインマイコン103に供給される。なお、ディスクプレーヤ100のHPD端子は、プルダウン抵抗111を介して接地されている。
【0056】
図7は、テレビ受信機200の要部構成例を示している。このテレビ受信機200は、HDMI端子201と、HDMI受信部202と、メインマイコン203と、スタンバイマイコン204と、キー入力部205と、リモコン受信部206を有している。また、テレビ受信機200は、メイン電源回路207と、スタンバイ電源回路208と、CEC機能部209と、EDIDROM210と、HPD回路211と、プルアップ抵抗212を有している。
【0057】
HDMI受信部202は、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100から、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して一方向に送信されてくる画像データVDおよび音声データAD、並びに制御データCDを受信する。制御データCDは、HDMI受信部202からメインマイコン203に供給される。画像データVDは、図示していないが、表示処理部を介して表示パネルに供給される。さらに、音声データADは、図示していないが、D/A変換器でアナログ信号に変換された後にスピーカに供給される。
【0058】
メインマイコン203は、テレビ受信機200の各部の動作を制御する。スタンバイマイコン204は、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部206で受信して処理し、また、キー入力部205の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン204は、テレビ受信機200がスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0059】
スタンバイマイコン204には、CEC機能部209が内蔵されている。このCEC機能部209は、CECラインを介して、ディスクプレーヤ100との間で、CEC信号の送受信を行う。スタンバイマイコン204は、CEC機能部209で電源制御に関するコマンドを受信した場合も、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0060】
このCEC機能部209には、テレビ受信機200がスタンバイ状態にあり、かつディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるときは、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が供給される。また、このCEC機能部209には、テレビ受信機200が電源オンの状態にあり、かつディスクプレーヤ100がスタンバイ状態にあるときは、スタンバイ電源回路208で得られるスタンバイ電源が供給される。このCEC機能部209への電源供給の詳細については後述する。
【0061】
メイン電源回路207は、テレビ受信機200の内部回路に電源を供給する。スタンバイ電源回路208は、スタイバイ時にも制御動作が可能なように、スタンバイマイコン204にスタンバイ電源を供給する。メイン電源回路207およびスタンバイ電源回路208は、いずれも、AC入力から電源を生成する。
【0062】
EDID ROM210には、+5Vの電源ラインが接続されている。このEDIDROM210には、ディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるとき、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインを介して、+5Vの電源が供給される。この+5Vの電源は、ディスクプレーヤ100が、EDIDROM210からEDIDを読み出すために使用される。
【0063】
HPD回路211は、HPDラインの電圧に基づいて、テレビ受信機200にHDMIケーブル300を介してソース機器(この実施の形態ではディスクプレーヤ100)が接続されたことを検出する。このHPD回路211の検出出力はメインマイコン203に供給される。なお、+5Vの電源ラインとHPDラインの間に、規格で規定されている1kΩの抵抗212が接続されている。
【0064】
ディスクプレーヤ100とテレビ受信機200がHDMIケーブル300で接続された場合、ディスクプレーヤ100から電源ラインで送られてくる+5Vの電源により、テレビ受信機200のHDMI端子201の19ピン(HPD端子)の電圧が高くなる。そのため、テレビ受信機200のHPD回路211は、テレビ受信機200にHDMIケーブル300を介してソース機器(ディスクプレーヤ100)が接続されたことを検出できる。
【0065】
また、このとき、ディスクプレーヤ100のHDMI端子101の19ピン(HPD端子)の電圧も高くなる。そのため、ディスクプレーヤ100のHPD回路110は、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してシンク機器(テレビ受信機200)が接続されたことを検出できる。
【0066】
この状態で、例えば、HDMIケーブル300がテレビ受信機200から外された場合、テレビ受信機200のHDMI端子201の19ピン(HPD端子)およびディスクプレーヤ100のHDMI端子101の19ピン(HPD端子)の電圧は共に低くなる。そのため、テレビ受信機200のHPD回路211およびディスクプレーヤ100のHPD回路110は、HDMIケーブル300の接続が外されたことを検出できる。
【0067】
図1、図6、図7に示すAVシステム10の動作を説明する。まず、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してテレビ受信機200が接続されるシステム構成時の動作例を説明する。なお、ディスクプレーヤ100は電源オン状態にあるものとする。
【0068】
HDMIケーブル300の+5Vの電源ラインを通じて、ディスクプレーヤ100からテレビ受信機200に+5Vの電源が供給される。そのため、テレビ受信機200のHDMI端子201における19ピンの電圧が高くなり、ディスクプレーヤ100のHDMI端子101における19ピンの電圧も高くなる。
【0069】
ディスクプレーヤ100のメインマイコン103(HPD回路110)は、HDMI端子101における19ピンの電圧(HPDラインの電圧)を監視している。メインマイコン103は、この電圧が高くなることで、ディスクプレーヤ100にHDMIケーブル300を介してテレビ受信機200が接続されたことを認識する。そして、メインマイコン103は、HDMIケーブル300のDDCラインを用いて、テレビ受信機200のEDIDROM210に記憶されているEDIDを読み出し、テレビ受信機200の性能を認識する。
【0070】
次に、システム構成後の動作例を説明する。例えば、ユーザがディスクプレーヤ100の再生を操作すると、ディスクプレーヤ100では再生が開始される。図示しないディスク再生部で得られた非圧縮の画像データVDおよび音声データADはHDMI送信部102に供給される。HDMI送信部102では、HDMIに準拠した通信により、データVD,ADが、HDMIケーブル300を介して、テレビ受信機200に、一方向に、送信される。
【0071】
テレビ受信機200では、HDMI受信部202で、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100のHDMI送信部102からHDMIケーブル300を介して一方向に送信されてくる非圧縮の画像データVDおよび音声データADが受信される。HDMI受信部202で受信された画像データVDは、図示しない表示処理部を介して表示パネルに供給され、再生画像が表示される。また、HDMI受信部202で受信された音声データは、図示しないD/A変換器を介してスピーカに供給され、再生音声が出力される。
【0072】
[CEC機能部への電源供給]
テレビ受信機200のスタンバイマイコン204に内蔵されているCEC機能部209への電源供給について説明する。
【0073】
表1は、ソース機器、シンク機器の状態と、シンク機器におけるCEC機能(アクティブ、非アクティブ)の関係を示している。
【0074】
【表1】
【0075】
ソース機器とシンク機器が双方ともスタンバイ状態にある場合、ソース機器とシンク機器との間でCEC信号の通信は不要であり、シンク機器におけるCEC機能は非アクティブでよい。また、シンク機器が電源オン状態にある場合、ソース機器の物理アドレス、論理アドレスを確かめるため、シンク機器は、コマンドやポーリングコマンドをソース機器へ送る必要がある。そのため、この場合、ソース機器がスタンバイ状態あるいは電源オン状態のいずれにあっても、シンク機器におけるCEC機能をアクティブとしておくことが必要となる。また、ソース機器が電源オン状態で、シンク機器がスタンバイ状態にある場合、シンク機器は、ソース機器から送られてくるCEC制御コマンドを常に受信する必要がある。そのため、この場合、シンク機器におけるCEC機能をアクティブにしておくことが必要となる。
【0076】
そこで、この実施の形態において、テレビ受信機200のスタンバイマイコン204に内蔵されているCEC機能部209への電源供給は、表2に示すように、行われる。
【0077】
【表2】
【0078】
ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合、上述したようにCEC機能は非アクティブでよい。そのため、この場合は、CEC機能部209に電源を供給しない。また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、テレビ受信機200内の電源、例えばスタンバイ電源が、CEC機能部209に供給される。
【0079】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が、CEC機能部209に供給される。さらに、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、上述したようにCEC機能をアクティブにしておくことが必要である。そのため、この場合は、少なくとも、テレビ受信機200内の電源、あるいはディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が、CEC機能部209に供給される。
【0080】
CEC機能部209に電源を供給する電源供給部250の構成を説明する。図8は、スタンバイマイコン204内における電源供給部250の構成例を示している。
【0081】
+5Vの電源ラインは接続スイッチ251を介してCEC機能部209に接続されている。接続スイッチ251には、+5Vの電源ラインの電圧が、オンオフの制御信号として供給される。この場合、接続スイッチ251は、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなるときオン状態とされ、その他のときはオフ状態とされる。
【0082】
また、スタンバイ電源回路208(図7参照)からのスタンバイ電源は接続スイッチ252を介してCEC機能部209に供給される。この接続スイッチ252のオンオフは、スタンバイマイコン204内の他の機能部253により制御される。
【0083】
図9のフローチャートは、他の機能部253の制御処理を示している。他の機能部253は、ステップST1において、処理を開始し、その後に、ステップST2の処理に移る。このステップST2において、他の機能部253は、テレビ受信機200が電源オンの状態にあるか否かを判定する。
【0084】
ステップST2で電源オン状態にないとき、他の機能部253は、ステップST3において、接続スイッチ252をオフ状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されないようにする。他の機能部253は、ステップST3の処理の後、ステップST4において、処理を終了する。
【0085】
また、ステップST2で電源オン状態にあるとき、他の機能部253は、ステップST5において、接続スイッチ252をオン状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されるようにする。他の機能部253は、ステップST5の処理の後、ステップST4において、処理を終了する。
【0086】
電源供給部250の動作を説明する。ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合は、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。また、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされる。したがって、CEC機能部209には電源は供給されない。
【0087】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200がスタンバイ状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ251はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。なお、この場合、接続スイッチ252は、他の機能部253により、オフ状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。
【0088】
また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。しかし、この場合、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0089】
また、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ251はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この場合、他の機能部253により接続スイッチ252がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0090】
このように、図8に示す電源供給部250においては、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209には、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源とスタンバイ電源の双方が供給される。しかし、この場合、CEC機能部209に、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源あるいはスタンバイ電源が供給されるように構成してもよい。
【0091】
例えば、他の機能部253が、+5Vの電源ラインの電圧を監視し、この+5Vの電源ラインの電圧が+5Vにあるときは、テレビ受信機200が電源オン状態にあっても接続スイッチ252をオフ状態に制御する、ように構成される。この場合には、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200の双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209にはディスクプレーヤ100からの+5Vの電源のみが供給される。
【0092】
上述したように、図1に示すAVシステム10のテレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあっても、ディスクプレーヤ100が電源オン状態になる場合、このディスクプレーヤ100から送られてくる+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。これにより、テレビ受信機200がスタンバイ状態にあっても、CEC機能部209はディスクプレーヤ100との間でCEC信号の通信が可能となる。
【0093】
このように、テレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあるとき、CEC機能部209に常に電源を供給しておくものではなく、消費電力を低減できる。また、このテレビ受信機200においては、スタンバイ状態にあるときCEC機能部209に常に電源を供給しておくものではないことから、消費電力の低減のために、例えば工場出荷設定でCEC機能をオフ設定しておく必要もない。そのため、ユーザはその設定を解除することが不要となり、ユーザの初期設定項目を低減できる。
【0094】
また、図1に示すAVシステム10のテレビ受信機200においては、電源オン状態となるとき、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給される。これにより、CEC機能部209はディスクプレーヤ100との間でCEC信号の通信が可能となる。このように、テレビ受信機200においては、電源オン状態となるときスタンバイ電源をCEC機能部209に供給するものであり、CEC機能部209に常に電源を供給しておくものではなく、消費電力を低減できる。
【0095】
<2.変形例>
上述実施の形態においては、テレビ受信機200として、CEC機能部209がスタンバイマイコン204に内蔵されているものを示した。しかし、CEC機能部209がHDMI受信部202に内蔵されることもある。
【0096】
図10は、CEC機能部209がHDMI受信部202に内蔵されているテレビ受信機200Aの要部構成例を示している。この図10において、図7と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0097】
このテレビ受信機200Aは、HDMI端子201と、HDMI受信部202Aと、メインマイコン203と、スタンバイマイコン204Aと、キー入力部205と、リモコン受信部206を有している。また、テレビ受信機200は、メイン電源回路207と、スタンバイ電源回路208と、CEC機能部209と、EDIDROM210と、HPD回路211と、プルアップ抵抗212を有している。
【0098】
スタンバイマイコン204Aは、CEC機能部209を内蔵していないことを除いて、図7に示すテレビ受信機200のスタンバイマイコン204と同様に構成されている。すなわち、スタンバイマイコン204Aは、ユーザの操作によるリモコンコードをリモコン受信部206で受信して処理し、また、キー入力部205の操作による動作処理を行う。スタンバイマイコン204Aは、テレビ受信機200Aがスタンバイ時、電源オンのリモコン信号を受信した場合や、キー操作により電源オンの操作が行われた場合、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0099】
また、HDMI受信部202Aは、CEC機能部209を内蔵していることを除いて、図7に示すテレビ受信機200のHDMI受信部202と同様に構成されている。すなわち、HDMI受信部202Aは、HDMIに準拠した通信により、ディスクプレーヤ100から、HDMIケーブル300のTMDSチャネルを介して一方向に送信されてくる画像データVD、音声データADおよび制御データCDを受信する。
【0100】
HDMI受信部202Aには、CEC機能部209が内蔵されている。このCEC機能部209は、CECラインを介して、ディスクプレーヤ100との間で、CEC信号の送受信を行う。上述のスタンバイマイコン204Aは、このCEC機能部209で電源制御に関するコマンドを受信した場合も、メイン電源回路207を制御して、メイン電源をオンにする。
【0101】
このCEC機能部209には、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にあり、かつディスクプレーヤ100が電源オン状態にあるときは、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで送られてくる+5Vの電源が供給される。また、このCEC機能部209には、テレビ受信機200Aが電源オンの状態にあり、かつディスクプレーヤ100がスタンバイ状態にあるときは、スタンバイ電源回路208で得られるスタンバイ電源が供給される。
【0102】
図10に示すテレビ受信機200Aのその他の部分については、詳細説明は省略するが、図7に示すテレビ受信機200と同様に構成され、同様に動作する。
【0103】
図11は、HDMI受信部202Aの内部構成例を示している。HDMI受信部202Aは、HDMI受信機能部260の他に、CEC機能部209および電源供給部261を備えている。電源供給部261について説明する。
【0104】
+5Vの電源ラインは接続スイッチ262を介してCEC機能部209に接続されている。接続スイッチ262には、+5Vの電源ラインの電圧が、オンオフの制御信号として供給される。この場合、接続スイッチ262は、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなるときオン状態とされ、その他のときはオフ状態とされる。
【0105】
また、スタンバイ電源回路208(図10参照)からのスタンバイ電源は接続スイッチ263を介してCEC機能部209に供給される。この接続スイッチ263のオンオフは、例えばスタンバイマイコン104により設定される制御用レジスタ264内の制御データに応じて制御される。
【0106】
この場合、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にあるとき、接続スイッチ263をオフ状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されないようにする。一方、テレビ受信機200Aが電源オン状態にあるとき、接続スイッチ263をオン状態とし、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給されるようにする。
【0107】
電源供給部261の動作を説明する。ディスクプレーヤ100(ソース機器)およびテレビ受信機200A(シンク機器)が双方ともスタンバイ状態にある場合は、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。また、接続スイッチ263は、オフ状態とされる。したがって、CEC機能部209には電源は供給されない。
【0108】
また、ディスクプレーヤ100が電源オン状態で、テレビ受信機200Aがスタンバイ状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ262はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。なお、この場合、接続スイッチ263はオフ状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源は供給されない。
【0109】
また、ディスクプレーヤ100がスタンバイ状態で、テレビ受信機200Aが電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてこない。しかし、この場合、接続スイッチ263がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0110】
また、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、以下のようになる。この場合、ディスクプレーヤ100から+5Vの電源ラインで+5Vの電源が送られてくる。そのため、+5Vの電源ラインの電圧が+5Vとなり、接続スイッチ262はオン状態となり、当該+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この場合、接続スイッチ263がオン状態とされるため、CEC機能部209にスタンバイ電源が供給される。
【0111】
このように、図11に示す電源供給部261においては、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209には、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源とスタンバイ電源の双方が供給される。しかし、この場合、CEC機能部209に、ディスクプレーヤ100からの+5Vの電源およびスタンバイ電源の一方が供給されるように構成してもよい。
【0112】
例えば、スタンバイマイコン104Aは、電源ラインの電圧を監視し、その電圧が+5Vにあるときは、テレビ受信機200が電源オン状態にあっても、接続スイッチ252がオフ状態となるように制御用レジスタ264内の制御データを設定するようにされる。この場合には、ディスクプレーヤ100およびテレビ受信機200Aの双方が電源オン状態にある場合、CEC機能部209にはディスクプレーヤ100からの+5Vの電源のみが供給される。
【0113】
図10に示すテレビ受信機200Aにおいて、スタンバイ状態にあっても、ディスクプレーヤ100が電源オン状態になる場合、このディスクプレーヤ100から送られてくる+5Vの電源がCEC機能部209に供給される。また、この図10に示すテレビ受信機200Aにおいて、電源オン状態となるとき、スタンバイ電源がCEC機能部209に供給される。したがって、図10に示すテレビ受信機200Aにおいても、上述の図7に示すテレビ受信機200と同様の効果を得ることができる。
【0114】
また、上述したテレビ受信機200,200Aにおいては、メインマイコン203の他に、電源状態を管理するスタンバイマイコン204,204Aが備えてられている。しかし、必ずしも、メインマイコン203およびスタンバイマイコン204,204Aを備えた構成である必要はない。メインマイコン203だけを備え、このメインマイコン203が電源状態を管理するスタンバイマイコン204,204Aの機能を併せ持っていてもよい。
【0115】
また、上述したテレビ受信機200,200Aにおいては、CEC機能部209は、スタンバイマイコン204に内蔵されるか、あるいはHDMI受信部202Aに内蔵されている。しかし、CEC機能部209は、その他の回路部に内蔵されるか、あるいは独立した回路部とされていてもよい。
【0116】
また、上述においては、ソース機器としてディスクプレーヤ100を使用し、シンク機器としてテレビ受信機200を使用したAVシステム10の例を示した。しかし、その他のソース機器、シンク機器を使用して構成されるシステムにも、この発明を同様に適用できる。
【0117】
また、上述においては、電子機器間(ソース機器とシンク機器の間)を接続する伝送路として、HDMI規格のインタフェースを前提として説明したが、その他の同様な伝送規格にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
この発明は、スタンバイ時の消費電力を低減すると共に、ユーザの初期設定項目の低減を図ることができるものであり、例えば、ディスクプレーヤとテレビ受信機とをHDMIインタフェースを用いて接続してなるAVシステム等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】この発明の実施の形態としてのAVシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】AVシステムを構成するディスクプレーヤおよびテレビ受信機のHDMI接続部分を示す図である。
【図3】ディスクプレーヤのHDMI送信部と、テレビ受信機のHDMI受信部の構成例を示す図である。
【図4】TMDS伝送データの構造例(横×縦が1920ピクセル×1080ラインの画像データが伝送される場合)を示す図である。
【図5】ソース機器およびシンク機器のHDMIケーブルが接続されるHDMI端子のピン配列(タイプA)を示す図である。
【図6】AVシステムを構成するディスクプレーヤの要部構成例を示すブロック図である。
【図7】AVシステムを構成するテレビ受信機の要部構成例(CEC機能部をスタンバイマイコンに内蔵)を示すブロック図である。
【図8】スタンバイマイコン内のCEC機能部に電源を供給する電源供給部の構成例を示す図である。
【図9】CEC機能部へのスタンバイ電源供給の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】AVシステムを構成するテレビ受信機の要部構成例(CEC機能部をHDMI受信部に内蔵)を示すブロック図である。
【図11】HDMI受信部内のCEC機能部に電源を供給する電源供給部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0120】
10・・・AVシステム、100・・・ディスクプレーヤ、101・・・HDMI端子、102・・・HDMI送信部、103・・・メインマイコン、104・・・スタンバイマイコン、105・・・キー入力部、106・・・リモコン受信部、107・・・メイン電源回路、108・・・スタンバイ電源回路、109・・・CEC機能部、110・・・HPD回路、111・・・プルダウン抵抗、200,200A・・・テレビ受信機、201・・・HDMI端子、202,202A・・・HDMI受信部、203・・・メインマイコン、204,204A・・・スタンバイマイコン、205・・・キー入力部、206・・・リモコン受信部、207・・・メイン電源回路、208・・・スタンバイ電源回路、209・・・CEC機能部、210・・・EDIDROM、211・・・HPD回路、212・・・プルアップ抵抗、250・・・電源供給部、251,252・・・接続スイッチ、253・・・他の機能部、260・・・HDMI受信機能部、261・・・電源供給部、262,263・・・接続スイッチ、264・・・制御用レジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部と、
スタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する電源供給部
を備えるデータ受信装置。
【請求項2】
スタンバイ電源を得る電源回路をさらに備え、
上記電源供給部は、電源オン時に、上記電源回路で得られたスタンバイ電源または上記外部機器から電源ラインを介して供給される電源を上記通信部に供給する
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項3】
上記データ受信部は、上記外部機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して、上記コンテンツデータを受信する
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項4】
上記通信部が通信を行う制御信号は、CEC信号である
請求項3に記載のデータ受信装置。
【請求項5】
少なくとも自身の性能に関する情報を保持する情報記憶部をさらに備え、
上記外部機器から電源ラインを介して供給される電源は、上記外部機器が上記情報記憶部に保持されている情報を読み出すための電源である
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項6】
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部を備えるデータ受信装置における電源制御方法であって、
上記データ受信装置のスタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する
電源制御方法。
【請求項1】
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部と、
スタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する電源供給部
を備えるデータ受信装置。
【請求項2】
スタンバイ電源を得る電源回路をさらに備え、
上記電源供給部は、電源オン時に、上記電源回路で得られたスタンバイ電源または上記外部機器から電源ラインを介して供給される電源を上記通信部に供給する
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項3】
上記データ受信部は、上記外部機器から、複数チャネルで、差動信号により、伝送路を介して、上記コンテンツデータを受信する
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項4】
上記通信部が通信を行う制御信号は、CEC信号である
請求項3に記載のデータ受信装置。
【請求項5】
少なくとも自身の性能に関する情報を保持する情報記憶部をさらに備え、
上記外部機器から電源ラインを介して供給される電源は、上記外部機器が上記情報記憶部に保持されている情報を読み出すための電源である
請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項6】
外部機器からコンテンツデータを受信するデータ受信部と、
上記外部機器との間で制御信号の通信を行う通信部を備えるデータ受信装置における電源制御方法であって、
上記データ受信装置のスタンバイ時に、上記外部機器から電源ラインを介して電源が供給されるとき、該電源を上記通信部に供給する
電源制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−140291(P2010−140291A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316479(P2008−316479)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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