説明

データ検出器フィードバックループにおいて遅延を軽減するためのシステム及び方法

本発明の種々の実施例はデータ検出器フィードバックループにおける遅延を軽減するためのシステム及び方法を提供する。その方法は、デジタルサンプルを生成するために或るサンプリングインスタントにおいてアナログ−デジタル変換を実行するステップ、及び検出出力を生成するためにデジタルサンプルに対してデータ検出を実行するステップを含む。検出された出力は、位相エラーを特定するためにデジタルサンプルに比較される。一時的期間中に、デジタルサンプルは位相エラーを反映して調整デジタルサンプルを生成するために調整される。一時的期間後に、位相エラーを反映するためにサンプリングインスタントが調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報を転送するためのシステム及び方法に関し、より具体的にはデータ検出処理における遅延の影響を低減するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ等の種々の製品は通常、あるフォーマットで媒体から情報を取得してそれをデジタルデータフォーマットで受信者に提供する能力を与える読取りチャネルデバイスを利用する。そのような読取りチャネルデバイスは、受信情報を処理するのにデータ依存性が使用できるように実装されたデータ検出器回路とともにアナログ−デジタルコンバータを含む。例えば、データ検出器から供給された情報はアナログ−デジタルコンバータのサンプリング点を特定するのに使用される。図1を参照すると、以前に検出された情報を利用して後の受信情報に関連するサンプリング処理を制御する例示の読取りチャネルデバイス100が図示される。読取りチャネルデバイス100は、連続時間フィルタ105を用いて処理されるアナログ入力103を受信する。フィルタ出力107は、アナログ入力103をデジタル入力115に変換するアナログ−デジタルコンバータ110に供給され、デジタル有限インパルス応答フィルタ120を用いてフィルタリングされる。フィルタ出力122は、フィルタデジタル出力122を処理してデータ出力127を表す決定を供給するデータ検出器125に供給される。エラーレートが充分に低い場合、データ出力127は、データ入力103が引き出された記憶媒体に元々供給されているデータを反映する。
【0003】
さらに、フィルタデジタル出力122は、デジタルフィルタ出力122を遅延させてデータ検出器を通過することによって発生する遅延を反映するよう動作する遅延要素160に供給される。遅延要素160の出力は実質的にアナログ−デジタルコンバータ110のフィルタリング済み出力である。データ検出器125からの出力127は等価ターゲットフィルタ130に供給される。等価ターゲットフィルタ130の出力は実質的に、チャネル欠陥がなかったとしたらアナログ−デジタルコンバータ110のフィルタ出力がそうなったであろうもの、である。受信したいもの(即ち、等価ターゲットフィルタ130の出力)と、受信したもの(即ち、遅延ブロック160の出力)との差は総和回路135を用いて送出される。総和回路135の出力はエラー信号137である。さらに、スロープ検出回路140が出力127を受信してスロープ信号142を特定する。タイミングエラー検出回路145はスロープ信号142とエラー信号137を合成して、タイミングエラー信号147で反映される位相エラー調整値を計算する。タイミングエラー信号147はループフィルタ150によってフィルタリングされ、フィルタリングされた値が位相ミキサ回路155に供給される。位相ミキサ回路155はループフィルタ150の出力を受信し、アナログ−デジタルコンバータ110のサンプリング位相を制御する信号を供給する。
【0004】
データ検出器125からアナログ−デジタルコンバータ110への情報のフィードバックはより正確なデータ検出処理を与えるものの、フィードバックループによって所定レベルの遅延が発生してしまう。記憶アプリケーションの密度が増し続けている中で、フィードバックループに起因して発生した遅延が非常に大きくなり、読取りチャネルデバイスのエラーレート性能を低下させてしまう可能性がある。さらに、フィードバックループ遅延は高いデータ密度及び/又は低い信号対ノイズ比の記憶アプリケーションの開発に対するゲーティングファクタとなり得る。
【0005】
従って、少なくとも上記の理由により、当技術分野ではデータ検出処理を実行するための高度なシステム及び方法へのニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は情報を転送するためのシステム及び方法に関し、より具体的にはデータ検出処理における遅延の影響を低減するためのシステム及び方法に関する。
【0007】
本発明の種々の実施例はデータ取得システムを提供する。そのデータ取得システムは、アナログ−デジタルコンバータ、データ検出器、エラー判定回路、第1のフィードバックループ及び第2のフィードバックループを含む。アナログ−デジタルコンバータは、アナログ信号を受信し、第1のサンプリングインスタントにおいてアナログ信号に対応する第1のデジタル信号を供給するよう動作する。データ検出器は第1のデジタル信号におけるデータ検出処理を実行し、修正されたデータ信号(修正データ信号)を供給するよう動作し、エラー判定回路は修正データ信号を第1のデジタル信号の導関数と比較して第1のエラー表示を特定するよう動作する。第1のフィードバックループは、第1のエラー表示を受信し、アナログ−デジタルコンバータに第2のサンプリングインスタントにおいてアナログ信号に対応する第2のデジタル信号を供給させる。第2のサンプリングインスタントは第1のエラー表示を反映するよう調整される。第2のフィードバックループは、第1のエラー表示を受信し、第1のデジタル信号の導関数を調整し、調整された第1のデジタル信号の導関数に少なくともある程度基づいてエラー判定回路に第2のエラー表示を特定させる。
【0008】
上記の実施例のある例示では、第2のフィードバックループは、一時的期間中に第1のエラー表示を補償するように第1のデジタル信号の導関数を生成するための第1のデジタル信号を補間する補間器を含む。ある場合では、第2のフィードバックループはさらに総和要素及び遅延要素を含む。総和要素及び遅延要素の双方は第1のエラー表示を受信し、総和要素は第1のエラー表示の遅延バージョンから第1のエラー表示を減算するよう動作する。この場合、総和要素の出力は、補間器によって補間される時間量を統制するのに使用される。遅延要素によって付加された遅延は第1のエラー表示が第1のフィードバックループに反映されるのに必要な期間に対応する。この期間は一時的期間であればよい。遅延を用いることによって、第1のデジタル信号の導関数は一時的期間後の第2のデジタル信号に対応する。従って、一時的な訂正信号は、第1のエラー表示が利用可能となってから第2のデジタル信号が利用可能となるまでの期間について使用される。
【0009】
上記の実施例の種々の例示では、エラー判定回路は、修正データ信号を等価する等価ターゲットフィルタを含む。この場合、エラー判定回路は第1のデジタル信号の導関数と、等価された修正データ信号との差を供給する総和要素を含む。第1のエラー表示は差に対応する。上記実施例の他の場合では、エラー判定回路は修正データ信号を等価する等価ターゲットフィルタを含む。エラー判定回路は総和要素及びスロープ検出回路をさらに含む。総和要素は第1のデジタル信号の導関数と、等価された修正データ信号との差を供給し、スロープ検出回路は、修正データ信号に少なくともある程度基づいてスロープ信号を特定する。上記実施例のさらに他の例では、第1のエラー表示は位相エラー表示及び周波数エラー表示を含む。この例では、位相エラー表示と周波数エラー表示の総和が第1のフィードバックループにおける第1のエラー表示として使用され、位相エラー表示が第2のフィードバックループにおける第1のエラー表示として使用される。
【0010】
本発明の他の実施例はエラー訂正されたデータ取得システムにおける遅延を低減するための方法を提供する。その方法は、デジタルサンプルを生成するために或るサンプリングインスタントにおいてアナログ−デジタル変換を実行するステップ、及び検出出力を生成するためにデジタルサンプルに対してデータ検出を実行するステップを含む。検出された出力は、位相エラーを特定するためにデジタルサンプルに比較される。一時的期間中に、デジタルサンプルは、位相エラーを反映して調整デジタルサンプルを生成するために調整される。一時的期間後に、位相エラーを反映するためにサンプリングインスタントが調整される。
【0011】
この概要は本発明の幾つかの実施例の概略を与えるに過ぎない。本発明の多数の他の課題、構成、有利な効果及び他の実施例が以降の詳細な説明、特許請求の範囲及び添付図面から、より完全に明らかとなる。
【0012】
本発明の種々の実施例の更なる理解が、明細書の以降の部分に記載される図面への参照によって実現される。図面では、同様の参照符号は幾つかの図面を通じて類似の部材に言及するのに使用される。ある例示では、複数の類似の部材の1つを示すために小文字からなる下付き文字が参照符号に関連付けられる。存在する下付き文字に対して定義なしに参照符号への言及がなされる場合、そのような複数の類似の部材の全てに言及がなされるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は従来技術の読取りチャネルデバイスを示す図である。
【図2】図2は本発明の種々の実施例によるエラーフィードバック遅延低減を含むデータ取得デバイスを示す図である。
【図3】図3は本発明の実施例による遅延低減エラー訂正のための方法を図示するフローチャートである。
【図4】図4は本発明の種々の実施例によるエラーフィードバック遅延低減を含む他のデータ取得デバイスを示す図である。
【図5】図5は本発明の種々の実施例による遅延低減データ取得システムを含む記憶システムを示す図である。
【図6】図6は本発明の1以上の実施例による遅延低減データ取得システムを含む通信システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は情報を転送するためのシステム及び方法に関し、より具体的にはデータ検出処理における遅延の影響を低減するためのシステム及び方法に関する。
【0015】
本発明の種々の実施例はデータ取得システムにおけるエラー訂正フィードバック情報のアプリケーションでの遅延低減に備える。遅延低減は、エラー訂正フィードバックループの一時的組込みを可能としつつも外部エラー訂正フィードバックループと必ずしも干渉しない一時的フィードバックループの使用によって達成される。上記実施例ある例示では、データ取得システムは記憶媒体又はデータ転送チャネルから受信された情報を再構築するよう設計された読取りチャネルデバイスである。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例による一時的フィードバックループを含むエラー訂正システムの組込みによって有利な効果がもたらされる種々のデータ取得及び他のシステムを認識するはずである。
【0016】
本発明のある実施例では、入着アナログ信号に埋め込まれたデータを検出するためにタイミングループが使用される。タイミングループはアナログ−デジタルコンバータ、データ検出器及び外部エラーフィードバックループを含む。さらに、タイミングループは、それがなかったとしたら外部エラーフィードバック経路を通過した後に入手可能となったであろう時よりも前にエラー訂正情報を用いることを可能とする一時的フィードバックループを含む。一時的フィードバックループは、エラー訂正情報が完全に処理されると外部エラーフィードバックループから利用可能となる信号を予測することを可能とする信号補間器を含む。外部エラーフィードバックループでエラー訂正が完全に処理及び考慮されると、一時的フィードバックループはエラーに基づいて以前のあらゆる訂正を無効にする。本発明のそのような実施例によって、将来の演算におけるエラー訂正情報を取り込む際の遅延が低減される。そのようなエラー訂正遅延の低減によってループ安定性の上昇及び対応するビットエラーレートの低減が可能となる。さらに、エラー訂正情報が外部フィードバックループを介して処理されることを可能とすることによって、アナログ入力信号を受信するアナログ−デジタルコンバータによるサンプリングは、外部フィードバックループによって発生する遅延を要することなく後の時間で調整されることができる。
【0017】
図2を参照すると、本発明の種々の実施例によるエラーフィードバック遅延低減を含むデータ取得デバイス200が示される。データ取得デバイス200は入力203を受信する。入力203は、アナログ領域からデジタル領域に変換される情報を搬送する任意のアナログデータ信号であればよい。本発明のある実施では、入力203は磁気記憶媒体から引き出され、その磁気記憶媒体に以前に書き込まれたデータのアナログ表示である。或いは、入力203は、例えば、無線データ送信チャネルのようなチャネルから引き出され、そのチャネルを介して以前に送信されたデータのアナログ表示である。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例によるデータ取得デバイスを用いて処理され得る種々の入力信号を認識するはずである。入力203は、フィルタ出力207をアナログ−デジタルコンバータ210に供給する連続時間フィルタ205に供給される。連続時間フィルタ205は当技術で周知の任意の連続時間フィルタであってもよいし、アナログ−デジタルコンバータ210によってサンプリングするために入力203を準備することができる他の何らかのフィルタで置き換えられてもよい。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、アナログ−デジタルコンバータ210によってサンプリングするための入力203を準備するために使用され得る種々のフィルタを認識するはずである。アナログ−デジタルコンバータ210はアナログ電気信号をそのデジタル表示に変換することができる任意の回路であればよい。従って、例えば、アナログ−デジタルコンバータ210は、限定するわけではないが、当技術で周知のように静的範囲のフラッシュ・アナログ−デジタルコンバータ又は動的範囲のアナログ−デジタルコンバータであればよい。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の異なる実施例との関連で使用され得る種々のアナログ−デジタルコンバータを認識するはずである。
【0018】
アナログ−デジタルコンバータ210はフィルタ出力207をデジタル入力215に変換する。デジタル入力215は当技術で周知のようにデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタ220によってフィルタリングされる。デジタル有限インパルス応答フィルタ220はフィルタデジタル出力222をデータ検出器225に供給する。データ検出器225は、潜在的に崩壊したデータストリームを受信してデータストリームにおける1以上のエラーを訂正する能力がある当技術で周知の任意の検出器であればよい。従って、データ検出器225は、限定するわけではないが、ソフト及びハード出力双方を供給することができるビタビデータ検出器、ソフト及びハード出力双方を供給することができる最大帰納的データ検出器とすることができる。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例との関連で使用され得る種々のデータ検出器を認識するはずである。データ検出器225はフィルタデジタル出力222におけるエラーを、入力203が引き出される元のデータに対して比較されるときに、検出及び訂正するよう動作する。データ検出器225は、入力203が引き出される元のデータを表す出力227を最終的に供給する。他の態様では、データ検出器225がフィルタデジタル入力225における何らかのエラーを解消した場合、データ出力227はアナログ−デジタルコンバータ210から受信されていたべきものを表す。これは、アナログ−デジタルコンバータ210から実際に受信されたものを表すフィルタデジタル出力222と対照的である。
【0019】
出力227はデータ取得デバイス200で実行される種々のサンプリング処理及び検出処理のタイミングを調整するのに使用される。具体的には、出力227は、再構成された出力232を総和回路235に供給する等価ターゲットフィルタ230に供給される。再構成された出力232はシンボル間干渉の除去後の出力227である。他の態様では、出力232は、データ検出器225によって解消されない何らかの信号崩壊を除いて、実質的にデータ検出器225から期待されていたもの(即ち、再構成されたデータサンプル)である。信号崩壊は電子ノイズ、入力203が引き出される欠陥媒体等によるものである。等価ターゲットフィルタ230は当技術で周知の任意の等価フィルタであればよく、当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例との関連で使用され得る種々の等価フィルタを認識するはずである。さらに、出力227は、当技術で周知のように所与の出力227に関連付けられるスロープ信号242を特定するスロープ検出回路240に供給される。スロープ信号242は、所与の出力227が引き出された正弦波のどこに所与の出力227があるかを示す。スロープ信号242は正弦信号のゼロクロスのところで最大となり、正弦信号の最大及び最小のところで最小となる。スロープ信号242はどれだけの信頼性がエラー信号237に与えられ得るかを示すのに使用される。フィルタデジタル出力222はまた、以下の式で示される(データ検出器225による遅延)+(等価ターゲットフィルタ230による遅延)−(信号補間器250による遅延を反映する遅延)を適用させる遅延要素245に供給される。
遅延245=遅延225+遅延230−遅延250
この態様では、フィルタデジタル出力222の補間されたバージョン(即ち、補間された出力252)は、等価ターゲットフィルタ230を通過した後に対応の出力227と時間において配列される。
【0020】
遅延要素245の出力はアナログ−デジタルコンバータ210から受信されたものを表し、信号補間器250によって供給された補間出力252は、出力227に基づいて位相シフトされた、アナログ−デジタルコンバータ210から受信されたものを表す。信号補間器250からの出力は総和要素235に供給され、それと等価ターゲットフィルタ250の出力との差が生成される。エラー信号237及びスロープ信号242が、エラー信号237とスロープ信号242を合成してタイミングエラー信号277に反映される位相エラー調整を計算するタイミングエラー検出器回路270に供給される。タイミングエラー信号277がループフィルタ275によってフィルタリングされ、フィルタリングされた値が位相ミキサ回路285に供給される。位相ミキサ回路285はループフィルタ275の出力を受信し、アナログ−デジタルコンバータ210のサンプリング位相(即ち、ADCサンプリングインスタント)を制御するフィードバック信号287を供給する。この態様において、データ取得デバイス200は、タイミングエラー信号277に直接基づいてアナログ−デジタルコンバータ210のサンプリング位相を調整することができる。
【0021】
情報をアナログ−デジタルコンバータ210に戻す上述のフィードバックループを介してタイミングエラー信号277に基づいて出力227を訂正する際に関与する遅延を低減するために、一時的フィードバックループ290(破線で示す)が実施される。一時的フィードバックループ290は、アナログ−デジタルコンバータ210のサンプリング位相に取り込まれるまで接続情報が入手可能でない既存のアプローチよりも速く位相訂正済み情報が準備されてタイミングエラー信号277に取り込まれるようにする能力を与える。動作において、一時的フィードバックループ290は総和要素260でタイミングエラー信号277を受信する。総和要素260からの出力は係数計算回路255に供給される。係数計算回路255は係数セット257を信号補間器250に供給する。係数セット257は、タイミングエラー信号277に対応する量だけフィルタデジタル入力222を位相シフトするために信号補間器250によって使用される。この態様において、エラー信号237は以前に生成されたタイミングエラー信号277に基づいて、より速く調整できる。本発明のある実施例では、信号補間器250はデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタであり、係数セット257はデジタルフィルタを駆動するタップのセットである。ある例示では、係数セット257の計算は、ルックアップテーブルをアドレスする総和要素260の出力の導関数(derivative)を用いてルックアップテーブルによって行われる。他の例示では、係数計算回路255は総和要素260の出力に基づいて係数セット257を直接計算する。ある場合では、一時的フィードバックループ290はマスターループ(即ち、信号補間器250からタイミングエラー検出回路270を介して信号補間器250に戻るループ)とみなされ、外部エラー訂正フィードバックループがスレーブループ(即ち、アナログ−デジタルコンバータ210からデータ検出器255を介し、タイミングエラー検出回路270を介してアナログ−デジタルコンバータ210に戻るループ)とみなされる。
【0022】
最終的に、一時的フィードバックループ290を介して訂正されたエラーはアナログ−デジタルコンバータ210の出力に反映される。従って、タイミングエラー信号277は遅延要素265を介して遅延され、遅延要素265の出力が、遅延されなかったタイミングエラー信号から総和要素260によって減算される。遅延要素265によって付加された遅延は、以下の式で示すように、アナログ−デジタルコンバータ210による使用のために翻訳されるべきタイミングエラー信号277、及びフィルタデジタル信号222に翻訳されるべきアナログ−デジタルコンバータ210の出力に必要な時間を反映する
遅延265=遅延235+遅延210+遅延220+遅延245
この態様において、一時的フィードバックループ290を介して導入されたエラー訂正は、その同じエラー訂正が最後に位相ミキサ回路285、アナログ−デジタルコンバータ210、及びDFIR220を介して伝搬するときに無効化される。エラー信号が最終的にスレーブループを介して帰還されるときにエラー信号を無効化することによって、タイミングエラー信号277で示されたエラーは二重にカウントされない。
【0023】
当業者であれば、ここに与えられた開示に基づいて、本発明の異なる実施例による一時的フィードバックループを取り入れたデータ取得システムの実施を介して得られる種々の有利な効果を認識するはずである。例えば、ループ安定性は一時的フィードバックループによって提供されるフィードバック遅延の低減によって増加される一方で、スレーブループを維持することによってアナログ−デジタルコンバータ210のサンプリングインスタントが最適化されることが保障される。
【0024】
図3を参照すると、フロー図300は本発明の実施例による遅延を低減したエラー訂正のための方法を示す。スロー図300をたどると、受信アナログ信号についてアナログ−デジタル変換が実行される(ブロック305)。この処理は所与のサンプリングインスタントにおけるアナログ−デジタル信号に対応するデジタル出力に帰着する。デジタル出力はデータ検出器に供給され、ここではデータ検出処理が実行される(ブロック310)。データ検出器の出力は、崩壊した入力信号からもたらされるエラーが減少又は除去された後のアナログ−デジタルコンバータの出力を表す。前ビットを処理する際に特定された位相エラーが既にアナログ−デジタル変換処理を駆動するサンプリングインスタントに反映されているかも判断される(ブロック315)。位相エラーが既にサンプリングインスタントに取り込まれている場合、アナログ−デジタル変換処理から引き出されたデジタルデータはデータ検出処理から引き出されたデータと比較される(ブロック325)。一方、位相エラーが未だにサンプリングインスタントに取り込まれていない場合、アナログ−デジタル変換処理から引き出されたデジタルデータは補間される(ブロック320)。以前に特定された位相エラーを反映するために、アナログ−デジタル変換処理から出力されたデジタルデータは補間によって更新される。位相エラーが未だにサンプリングインスタントに取り込まれていない場合、アナログ−デジタル変換処理から引き出された補間されたデジタルデータは、データ検出処理から引き出されたデータと比較される(ブロック325)。いずれの場合でも、比較(ブロック325)が用いられて位相エラーを計算し(ブロック330)、位相エラーはアナログ−デジタル変換処理に関連するサンプリングインスタントを調整するのに使用される(ブロック335)。現在計算された位相エラーは、現在計算された位相エラーがアナログ−デジタル変換処理(ブロック305)に取り込まれるまで、補間処理(ブロック315−320)において一時的期間だけ使用される。
【0025】
図4を参照すると、本発明の他の実施例によるエラーフィードバック遅延低減を含むデータ取得デバイス400が示される。なお、データ取得デバイス400は、外部フィードバック経路において供給されるエラー信号の構築が一時的フィードバック経路のものと異なる点以外は、データ取得デバイス200と同様である。データ取得デバイス400は、アナログ信号領域からデジタル信号領域に変換される情報を搬送する任意のアナログデータ信号である入力403を受信する。本発明のある実施例では、入力403は磁気記憶媒体から引き出され、磁気記憶媒体に以前に書き込まれたデータのアナログ表示である。或いは、入力403は、例えば、無線データ送信チャネルのようなチャネルから引き出され、チャネルを介して以前に送信されたデータのアナログ表示である。当業者であれば、ここに与えられた開示に基づいて、本発明の実施例によるデータ取得デバイスを用いて処理され得る種々の入力信号を認識するはずである。入力403は、フィルタ出力407をアナログ−デジタルコンバータ410に供給する連続時間フィルタ405に供給される。連続時間フィルタ405は当技術で周知の任意の連続時間フィルタであればよく、又はアナログ−デジタルコンバータ410によってサンプリングするために入力403を準備することができる何らかの他のフィルタで置き換えられてもよい。当業者であれば、ここに与えられた開示に基づいて、アナログ−デジタルコンバータ410によってサンプリングするための入力403を準備するのに使用され得る種々のフィルタを認識するはずである。アナログ−デジタルコンバータ410はアナログ電気信号をそのデジタル表示に変換することができる任意の回路であればよい。従って、例えば、アナログ−デジタルコンバータ410は、限定するわけではないが、静的範囲のフラッシュ・アナログ−デジタルコンバータ又は当技術で周知の動的範囲のアナログ−デジタルコンバータであればよい。当業者であれば、ここに与えられた開示に基づいて、本発明の異なる実施例に関連して使用され得る種々のアナログ−デジタルコンバータを認識するはずである。
【0026】
アナログ−デジタルコンバータ410はフィルタ出力407をデジタル入力415に変換する。デジタル入力415は、当技術で周知のようにデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタ420によってフィルタリングされる。デジタル有限インパルス応答フィルタ420はフィルタデジタル出力422をデータ検出器425に供給する。データ検出器425は潜在的に崩壊したデータストリームを受信してデータストリームにおける1以上のエラーを訂正する能力がある周知の任意の検出器であればよい。従って、データ検出器425は、限定するわけではないが、ソフト及びハード出力双方を供給することができるビタビデータ検出器、ソフト及びハード出力双方を供給することができる最大帰納的データ検出器とすることができる。当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例との関連で使用され得る種々のデータ検出器を認識するはずである。データ検出器425はフィルタデジタル出力422におけるエラーを、入力403が引き出される元のデータに対して比較されるときに、検出及び訂正するよう動作する。データ検出器425は、入力403が引き出される元のデータを表す出力427を最終的に供給する。他の態様では、データ検出器425はフィルタデジタル入力425における何らかのエラーを解消した場合、データ出力427はアナログ−デジタルコンバータ410から受信されていたべきものを表す。これは、アナログ−デジタルコンバータ410から実際に受信されたものを表すフィルタデジタル出力422と対照的である。
【0027】
出力427はデータ取得デバイス400で実行される種々のサンプリング処理及び検出処理のタイミングを調整するのに使用される。具体的には、出力427は、再構成された出力432を総和回路435に供給する等価ターゲットフィルタ430に供給される。再構成された出力432はシンボル間干渉の除去後の出力427である。他の態様では、出力432は、データ検出器425によって解消されない何らかの信号崩壊を除いて、実質的にデータ検出器425から期待されていたもの(即ち、再構成されたデータサンプル)である。信号崩壊は電子ノイズ、入力403が引き出される欠陥媒体等である。等価ターゲットフィルタ430は当技術で周知の任意の等価フィルタであればよく、当業者であれば、ここに与えられる開示に基づいて、本発明の実施例との関連で使用され得る種々の等価フィルタを認識するはずである。さらに、出力427は、当技術で周知のように所与の出力427に関連付けられるスロープ信号442を特定するスロープ検出回路440に供給される。スロープ信号442は、所与の出力427が引き出された正弦波のどこに所与の出力427があるかを示す。スロープ信号442は正弦信号のゼロクロスのところで最大となり、正弦信号の最大及び最小のところで最小となる。スロープ信号442はどれだけの信頼性がエラー信号437に与えられ得るのかを示すのに使用される。フィルタデジタル出力422はまた、以下の式で示される(データ検出器225による遅延)+(等価ターゲットフィルタ430による遅延)−(信号補間器450による遅延)を反映する遅延を適用させる遅延要素445に供給される。
遅延445=遅延425+遅延430−遅延450
この態様では、フィルタデジタル出力422の補間されたバージョン(即ち、補間された出力452)は、等価ターゲットフィルタ430を通過した後に対応の出力427と時間において配列される。
【0028】
遅延要素445の出力はアナログ−デジタルコンバータ410から受信されたものを表し、信号補間器450によって供給された補間出力452は、出力427に基づいて位相シフトされた、アナログ−デジタルコンバータ410から受信されたものを表す。信号補間器450からの出力は総和要素435に供給され、それと等価ターゲットフィルタ450の出力との差が生成される。エラー信号437及びスロープ信号442が、エラー信号437とスロープ信号442を合成してタイミングエラー信号477に反映される位相エラー調整値を計算するタイミングエラー検出器回路470に供給される。タイミングエラー信号477は位相訂正回路480及び周波数訂正回路485に供給される。位相訂正回路480からの位相エラー出力482は総和回路489を用いて周波数訂正回路485からの周波数エラー出力487に加えられる。周波数エラー出力487及び位相エラー出力482の総和457は位相ミキサ回路495に供給される。位相ミキサ回路495は総和457を受信し、アナログ−デジタル変換器410のサンプリング位相(即ち、ADCサンプリングインスタント)を制御するフィードバック信号459を供給する。この態様において、データ取得デバイス400は、エラー期間におけるエネルギーを最小限とするためにタイミングエラー信号477に直接基づいてアナログ−デジタルコンバータ410のサンプリング位相を調整することができる。
【0029】
情報をアナログ−デジタルコンバータ410に戻す上記のフィードバックループを介したタイミングエラー信号に基づいて出力427を訂正する際に関与する遅延を低減するために、一時的フィードバックループ490(破線で示す)が実装される。一時的フィードバックループ490は、アナログ−デジタルコンバータ410のサンプリング位相にそれが取り込まれるまで訂正情報が入手できない既存のアプローチよりも速く位相訂正済み情報が準備されてタイミングエラー信号477に取り込まれるようにする能力を与える。動作において、一時的フィードバックループ490は位相訂正回路480を介して総和要素460でタイミングエラー信号477を受信する。総和要素460からの出力は係数計算回路455に供給される。係数計算回路455は係数セット458を信号補間器450に供給する。係数セット458は、タイミングエラー信号477から引き出される位相エラー出力482に対応する量だけフィルタデジタル入力422を位相シフトするために信号補間器450によって使用される。この態様において、エラー信号437は以前に生成されたタイミングエラー信号477に基づいて迅速に調整される。本発明のある実施例では、信号補間器450はデジタル有限インパルス応答(DFIR)フィルタであり、係数セット458はデジタルフィルタを駆動するタップのセットである。ある例示では、係数セット458の計算は、ルックアップテーブルをアドレスする総和要素460の出力の導関数を用いてルックアップテーブルによって行われる。他の例示では、係数計算回路455は総和要素460の出力に基づいて係数セット458を直接計算する。ある場合では、一時的フィードバックループ490はマスターループ(即ち、信号補間器450からタイミングエラー検出回路470を介して信号補間器450に戻るループ)とみなされ、外部エラー訂正フィードバックループがスレーブループ(即ち、アナログ−デジタルコンバータ410からデータ検出器425を介し、タイミングエラー検出回路470を介してアナログ−デジタルコンバータ410に戻るループ)とみなされる。
【0030】
最終的に、一時的フィードバックループ490を介して訂正されたエラーはアナログ−デジタルコンバータ410の出力に反映される。従って、タイミングエラー信号477は遅延要素465を介して遅延され、遅延要素465の出力が、遅延されなかったタイミングエラー信号から総和要素460によって減算される。遅延要素465によって付加された遅延は、以下の式で示すように、アナログ−デジタルコンバータ410による使用のために翻訳されるべきタイミングエラー信号477、及びフィルタデジタル信号422に翻訳されるべきアナログ−デジタルコンバータ410の出力に必要な時間を反映する
遅延465=遅延489+遅延495+遅延410+遅延430
この態様において、一時的フィードバックループ490を介して導入されたエラー訂正は、その同じエラー訂正が最後に位相ミキサ回路495、アナログ−デジタルコンバータ410、及びDFIR420を介して伝搬するときに無効化される。エラー信号が最終的にスレーブループを介して帰還されるときにエラー信号を無効化することによって、タイミングエラー信号477で示されたエラーは二重にカウントされない。
【0031】
エラー信号477は、誤った等価レベル、位相エラー及び周波数エラーを含む、位相シフトフィルタリングされたデジタル入力422における種々の不完全さに関する情報を含む。タイミングエラー検出回路470はスロープ信号442及びエラー信号437を用いて、タイミングエラー信号477に含まれる位相及び周波数の両エラー期間を推定する。位相ミキサ回路495は、アナログ−デジタルコンバータ410が、最適にサンプリングされたデジタルデータを生成していることを保障するために両成分を使用する。マスターループと比べて異なるスレーブループの遅延に起因して、エラー信号477の周波数部分がマスターループで利用されない場合にもたらされるパフォーマンス上の優位がある。従って、本発明のある実施例では、補間器において定常状態補間位相が使用されないので、データ検出器425の入力で定常状態位相エラーはない。一例として、入着サンプルが1パーセント(1%)の周波数オフセットを有し、マスターループとスレーブループ間の遅延の差が40サンプルであり、周波数推定値がマスターループに供給された場合、現在のタイミング推定値から過去におけるタイミング推定40T(即ち、40サンプル期間)の減算が総和要素460の総和に起因して実行される。これによって単一の補間器450において40×1%、即ち、40パーセントの位相が導かれる。デジタル位相ロックループ回路はエラー期間のエネルギーを0となるように駆動するので、信号補間器450における位相エラーは約ゼロとなる。これは、信号補間器450の入力における(及び、従ってデータ検出器425の入力における)位相エラーが40パーセントであることを意味し、これはデータ検出器425のパフォーマンスにとって有害となる。
【0032】
当業者であれば、ここに与えられた開示に基づいて、本発明の異なる実施例による一時的フィードバックループを取り入れたデータ取得システムの実施を介して得られる種々の有利な効果を認識するはずである。例えば、スレーブループを維持することによってアナログ−デジタルコンバータ410のサンプリングインスタントが最適化されることが保障されつつも、ループ安定性は一時的フィードバックループによって提供されるフィードバック遅延の低減によって増す。
【0033】
図5を参照すると、本発明の種々の実施例による遅延低減データ取得システムを含む記憶システム500が図示される。例えば、記憶システム500はハードディスクドライブである。記憶システム500は組込み遅延低減データ取得システムを有する読取りチャネル510を含む。組込み遅延低減データ取得システムは、限定するわけではないが、上記図2及び図4に関連して記載したもののいずれかであればよい。なお、記憶システム500はインターフェイスコントローラ520、プリアンプ570、ハードディスクコントローラ566、モータコントローラ568、スピンドルモータ572、ディスクプラッタ578、及び読取り/書込みヘッド576を含む。インターフェイスコントローラ520はディスクプラッタ578への/そこからのデータのアドレッシング及びタイミングを制御する。ディスクプラッタ578上のデータは、読取り/書込みヘッドアセンブリ576がディスクプラッタ578上に適切に位置取りされるときに読取り/書込みヘッドアセンブリ576によって検出される磁気信号のグループからなる。通常の読取り動作では、読取り/書込みヘッドアセンブリ576はディスクプラッタ578の所望のデータトラック上にモータコントローラ568によって正確に位置決めされる。モータコントローラ568は読取り/書込みヘッドアセンブリ576をディスクプラッタ578に対して位置決めするとともに、ハードディスクコントローラ466の誘導下で読取り/書込みヘッドアセンブリ576をディスクプラッタ578の適切なデータトラックまで移動することによってスピンドルモータ572を駆動する。スピンドルモータ572はディスクプラッタ578を所定の回転速度(RPM)で回転させる。
【0034】
読取り/書込みヘッドアセンブリ578は適切なデータトラックに隣接して位置され、ディスクプラッタ578上のデータを表す磁気信号は、ディスクプラッタ578がスピンドルモータ572によって回転されるのにつれて読取り/書込みヘッドアセンブリ576によって検知される。検知された磁気信号は、ディスクプラッタ578上の磁気データを表す連続的な瞬時アナログ信号として供給される。この瞬時アナログ信号は読取り/書込みヘッドアセンブリ576から読取りチャネルモジュール564にプリアンプ570を介して転送される。プリアンプ570はディスクプラッタ578からアクセスされる瞬時アナログ信号を調節するよう動作することができる。さらに、プリアンプ570は、ディスクプラッタ578に書き込まれることが定められた読取りチャネルモジュール510からのデータを調節するように動作することができる。今度は、読取りチャネルモジュール510は受信アナログ信号を復号及びデジタル化して、ディスクプラッタ578に元々書き込まれている情報を再生成する。このデータは読取りデータ503として受信回路に供給される。書込み動作は実質的に先の読取り動作の逆であり、書込みデータ501が読取りチャネルモジュール510に供給される。そして、このデータは符号化されてディスクプラッタ578に書き込まれる。
【0035】
図6は本発明の1以上の実施例による遅延低減データ取得システムを有する受信機620を含む通信システム600を示す図である。通信システム600は当技術で周知の転送媒体630を介してい符号化情報を送信するよう動作する送信機を含む。符号化データは受信機620によって転送媒体630から受信される。受信機620は遅延低減データ取得システムを取り込んでいる。取り込まれた遅延低減データ取得システムは、限定するわけではないが、上記図2及び図4に関して記載したもののいずれかであればよい。
【0036】
結論として、本発明はアナログ−デジタル変換のための新規なシステム、デバイス、方法及び構成を提供する。発明の1以上の実施例の詳細な説明が上記に与えられたが、種々の変更例、修正例及び均等物は発明の精神から変わることなく当業者には明らかなものとなる。従って、上記の説明は発明の範囲を限定するものとして捉えられてはならず、それは以降の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ取得システムであって、その回路が、
アナログ信号を受信し、第1のサンプリングインスタントにおいて該アナログ信号に対応する第1のデジタル信号を供給するよう動作するアナログ−デジタルコンバータ、
前記第1のデジタル信号におけるデータ検出処理を実行し、修正されたデータ信号(修正データ信号)を供給するよう動作するデータ検出器、
前記修正データ信号を前記第1のデジタル信号の導関数と比較して第1のエラー表示を特定するよう動作するエラー判定回路、
前記第1のエラー表示を受信し、前記アナログ−デジタルコンバータに第2のサンプリングインスタントにおいて前記アナログ信号に対応する第2のデジタル信号を供給させる第1のフィードバックループであって、該第2のサンプリングインスタントが該第1のエラー表示を反映するよう調整される、第1のフィードバックループ、及び
前記第1のエラー表示を受信し、前記第1のデジタル信号の導関数を調整する第2のフィードバックループであって、調整された該第1のデジタル信号の導関数に少なくともある程度基づいて前記エラー判定回路に第2のエラー表示を特定させる第2のフィードバックループ
を備えたシステム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、前記第2のフィードバックループが、一時的期間中に前記第1のエラー表示を補償するために時間において前記第1のデジタル信号を補間するよう動作する補間器を含み、前記補間器が前記第1のデジタル信号の導関数を提供する、システム。
【請求項3】
請求項2のシステムにおいて、前記第2のフィードバックループがさらに総和要素及び遅延要素を含み、該総和要素及び該遅延要素の双方が前記第1のエラー表示を受信し、該総和要素は該第1のエラー表示の遅延バージョンから該第1のエラー表示を減算するよう動作する、システム。
【請求項4】
請求項3のシステムにおいて、前記総和要素の出力が、前記補間器によって補間される時間量を統制するのに使用される、システム。
【請求項5】
請求項3のシステムにおいて、前記遅延要素によって付加された遅延は前記第1のエラー表示が前記第1のフィードバックループに反映されるのに必要な期間に対応する、システム。
【請求項6】
請求項2のシステムにおいて、前記第1のデジタル信号の導関数が前記一時的期間後の前記第2のデジタル信号に対応する、システム。
【請求項7】
請求項3のシステムにおいて、前記一時的期間は前記第1のエラー表示が利用可能となった時から前記第2のデジタル信号が利用可能となるまでの期間を反映する、システム。
【請求項8】
請求項1のシステムにおいて、前記エラー判定回路が、前記修正データ信号を等価する等価ターゲットフィルタを含み、該エラー判定回路が前記第1のデジタル信号の導関数と該等価された修正データ信号の差を供給する総和要素を含み、前記第1のエラー表示が該差に対応する、システム。
【請求項9】
請求項1のシステムにおいて、前記エラー判定回路は前記修正データ信号を等価する等価ターゲットフィルタを含み、該エラー判定回路は前記第1のデジタル信号の導関数と該等価された修正データ信号との差を供給する総和要素を含み、該エラー判定回路は該修正データ信号に少なくともある程度基づいてスロープ信号を特定するスロープ検出回路を含み、該エラー判定回路は該差及び該スロープ信号に少なくともある程度基づいて前記第1のエラー表示を生成するタイミングエラー検出回路を含む、システム。
【請求項10】
請求項1のシステムにおいて、前記第1のエラー表示が位相エラー表示及び周波数エラー表示を含み、該位相エラー表示と該周波数エラー表示の総和が前記第1のフィードバックループにおける該第1のエラー表示として使用され、該位相エラー表示が前記第2のフィードバックループにおける該第1のエラー表示として使用される、システム。
【請求項11】
エラー訂正データ取得システムにおける遅延を低減するための方法であって、
デジタルサンプルを生成するために或るサンプリングインスタントにおいてアナログ−デジタル変換を実行するステップ、
検出出力を生成するために前記デジタルサンプルに対してデータ検出を実行するステップ、
位相エラーを特定するために前記検出出力を前記デジタルサンプルと比較するステップ、
一時的期間中に、前記位相エラーを反映して調整デジタルサンプルを生成するために前記デジタルサンプルを調整するステップ、及び
前記一時的期間後に、前記位相エラーを反映するために前記サンプリングインスタントを調整するステップ
を備える方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、さらに、
アナログ入力信号を受信するステップを備え、該アナログ入力信号がそこに含まれるデータストリームを含んでいる、方法。
【請求項13】
請求項11の方法において、前記検出出力を前記デジタルサンプルと比較するステップが、前記一時的期間中に該検出出力を該デジタル出力と比較するステップ、及び該一時的期間の後に該検出出力を該デジタル出力と比較するステップを含む、方法。
【請求項14】
請求項11の方法において、前記アナログ−デジタル変換が第1のアナログ−デジタル変換であり、前記サンプリングインスタントが第1のサンプリングインスタントであり、前記デジタルサンプルが第1のデジタルサンプルであり、前記デジタルサンプルを調整するステップが、第2のサンプリングインスタントを供給し、前記データ検出が第1のデータ検出であり、前記検出出力が第1の検出出力であり、前記位相エラーが第1の位相エラーであり、前記一時的期間が第1の一時的期間であり、前記調整デジタルサンプルが第1の調整デジタルサンプルであり、前記方法がさらに、
第2のデジタルサンプルを生成するために第2のサンプリングインスタントにおいて第2のアナログ−デジタル変換を実行するステップ、
第2の検出出力を生成するために前記第2のデジタルサンプルに対して第2のデータ検出を実行するステップ、
第2の位相エラーを特定するために前記第2の検出出力を前記第2のデジタルサンプルと比較するステップ、
第2の一時的期間中に、前記第2の位相エラーを反映して第2の調整デジタルサンプルを生成するために前記第2のデジタルサンプルを調整するステップ、及び
前記第2の一時的期間後に、前記第2の位相エラーを反映するために前記第2のサンプリングインスタントを調整するステップ
を備える方法。
【請求項15】
請求項14の方法において、前記第1の一時的期間が前記第2の一時的期間に先行し、非ゼロの期間が該第1の一時的期間と該第2の一時的期間の間に挿入される、方法。
【請求項16】
請求項14の方法において、前記第2の検出出力を前記第2のデジタルサンプルと比較するステップが、前記第2の一時的期間中に該第2の検出出力を該第2のデジタル出力と比較するステップ、及び該第2の一時的期間の後に該第2の検出出力を該第2のデジタル出力と比較するステップを含む、方法。
【請求項17】
データ処理システムであって、
媒体からアナログ信号を引き出すデータ受信デバイスを備え、該データ受信デバイスが、
前記アナログ信号を受信し、第1のサンプリングインスタントにおいて該アナログ信号に対応する第1のデジタル信号を供給するように動作するアナログ−デジタルコンバータ、
前記第1のデジタル信号についてデータ検出処理を実行して修正データ信号を供給するように動作するデータ検出器、
前記修正データ信号を前記第1のデジタル信号の導関数と比較して第1のエラー表示を特定するように動作するエラー判定回路、
前記第1のエラー表示を受信し、アナログ−デジタルコンバータに第2のサンプリングインスタントにおいて前記アナログ信号に対応する第2のデジタル信号を供給させる第1のフィードバックループであって、該第2のサンプリングインスタントが該第1のエラー表示を反映するよう調整される、第1のフィードバックループ、及び
前記第1のエラー表示を受信し、前記第1のデジタル信号の導関数を調整して、前記エラー判定回路が該第1のデジタル信号の調整された導関数に少なくともある程度基づいて第2のエラー表示を特定するように動作する、第2のフィードバックループ
を含む、データ処理システム。
【請求項18】
請求項17のデータ処理システムにおいて、前記第2のフィードバックループが補間器、総和要素及び遅延要素を含み、前記第1のデジタル信号の導関数が、一時的期間中に前記第1のエラー表示を補償するために時間的に補間された該第1のデジタル信号に対応し、該総和要素及び該遅延要素の双方が該第1のエラー表示を受信し、該総和要素が該第1のエラー表示を該第1のエラー表示の遅延バージョンから減算するように動作し、該総和要素の出力が、該補間器によって補間された時間量を統制するために使用される、データ処理システム。
【請求項19】
請求項17のデータ処理システムにおいて、前記データ受信デバイスが無線受信機であり、前記媒体が無線伝送媒体である、データ処理システム。
【請求項20】
請求項17のデータ処理システムにおいて、前記データ処理システムがハードディスクドライブシステムであり、前記媒体が磁気記憶媒体である、データ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−523277(P2011−523277A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510468(P2011−510468)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/064121
【国際公開番号】WO2009/142620
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】