説明

データ管理システム、データ処理装置、データ処理方法、およびプログラム

【課題】従来、データのセキュリティーの確保が十分ではなかった。
【解決手段】データを格納し得るデータ格納部と、データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、識別子が付与された2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置に送信する端末サブデータ送信部とを具備するデータ処理装置により、データのセキュリティーを十分に担保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを管理するデータ管理システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデータ管理システムは、暗号化して、データのセキュリティーを担保するシステムであった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−193249号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のデータ管理システムにおいては、データのセキュリティーの確保が十分ではなかった。つまり、例えば、暗号キーが漏洩すれば、容易に元のデータが復元される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明のデータ管理システムは、データ処理装置と2以上のサーバ装置と一の端末装置を具備するデータ管理システムであって、データ処理装置は、データを格納し得るデータ格納部と、データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、2以上のサブデータからデータを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、識別子が付与された2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信部とを具備し、サーバ装置は、サブデータを格納し得るサブデータ格納部と、データ処理装置から識別子が付与されたサブデータを受信するサブデータ受信部と、サブデータ受信部が受信した識別子付きのサブデータを、サブデータ格納部に蓄積するサブデータ蓄積部と、識別子を含む送信要求を端末装置から受信する送信要求受信部と、送信要求受信部が送信要求を受信した場合に、送信要求に含まれる識別子が付与されたサブデータを、サブデータ格納部から読み出し、サブデータを端末装置に送信するサーバサブデータ送信部とを具備し、端末装置は、識別子を含む送信要求を受け付ける端末受付部と、送信要求を2以上のサーバ装置に送信する送信要求送信部と、送信要求の送信に対応して、2以上のサーバ装置から2以上のサブデータを受信するサブデータ受信部と、サブデータ受信部が受信した2以上のサブデータから、データを構成するデータ構成部と、データ構成部が構成したデータを出力するデータ出力部とを具備するデータ管理システムである。
【0006】
かかる構成により、データのセキュリティーを十分に担保できる。
【0007】
また、本第二の発明のデータ管理システムは、第一の発明に対して、データ処理装置は、データに関連する情報である関連情報を格納し得る関連情報格納部と、分割部が分割し、取得した2以上のサブデータのうちのいずれかのサブデータに、関連情報を付与する関連情報付与部とをさらに具備し、端末装置は、サブデータ受信部が受信した1以上のサブデータから関連情報を取得する関連情報取得部と、データ出力部は、関連情報取得部が取得した関連情報およびデータ構成部が構成したデータを出力するデータ管理システムである。
【0008】
かかる構成により、データおよび当該データに関連する関連情報のセキュリティーを十分に担保できる。
【0009】
また、本第三の発明のデータ管理システムは、第一または第二の発明に対して、媒体が配置されたスキャナとデータ読取制御装置とをさらに具備し、データ読取制御装置は、スキャナを動作させるスキャナ制御部と、スキャナが媒体を読み取って取得した画像データを取得する画像データ取得部と、画像データをデータ処理装置に送信する画像データ送信部とを具備し、データ処理装置は、データ読取制御装置から画像データを受信する画像データ受信部をさらに具備し、データ格納部のデータは、画像データ受信部が受信したデータであるデータ管理システムである。
【0010】
かかる構成により、スキャナで読み取った画像データのセキュリティーを十分に担保できる。
【0011】
また、本第四の発明のデータ管理システムは、第三の発明に対して、媒体は、アパチュアカードであり、データ読取制御装置は、アパチュアカードのパンチから関連情報を構成する関連情報構成部と、関連情報を送信する関連情報送信部とをさらに具備し、データ処理装置は、データ読取制御装置から関連情報を受信する関連情報受信部をさらに具備し、関連情報格納部の関連情報は、関連情報受信部が受信した関連情報であるデータ管理システムである。
【0012】
かかる構成により、アパチュアカードをデジタル化する際のデータセキュリティーを十分に担保できる。
【0013】
また、本第五の発明のデータ管理システムは、第一から第四いずれかの発明に対して、データは、画像データであり、分割部は、データを構成する画素の色と、2以上の各サブデータの画素の色の集合との対応を管理している画素変換対応表を格納し得る画素変換対応表格納手段と、データの各画素の色を取得する色取得手段と、色取得手段が取得した各画素の色に対応する、2以上の各サブデータの画素の色の集合を、画素ごとに画素変換対応表を用いて取得する変換画素色取得手段と、変換画素色取得手段が取得した各サブデータの各画素の色の集合から、2以上の各サブデータを構成するサブデータ構成手段とを具備するデータ管理システムである。
【0014】
かかる構成により、画像データのセキュリティーを十分に担保できる。
【0015】
また、本第六の発明のデータ管理システムは、第五の発明に対して、画素変換対応表は、データを構成する画素の一の色に対して、2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補が2以上存在し、変換画素色取得手段は、画素変換対応表から、色取得手段が取得した画素の色に対応する、2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補から、一の色の集合をランダムに画素ごとに取得するデータ管理システムである。
【0016】
かかる構成により、一部のサブデータのみが漏洩した場合でも、データのセキュリティーを十分に担保できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるデータ管理システムによれば、データのセキュリティーを十分に担保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1におけるデータ管理システム1の概念図
【図2】同データ管理システムのブロック図
【図3】同データ処理装置のブロック図
【図4】同データ処理装置の動作について説明するフローチャート
【図5】同分割処理の動作について説明するフローチャート
【図6】同端末装置の動作について説明するフローチャート
【図7】同画素変換対応表示す図
【図8】同スキャナ11の読み取り部に配置されている設計図の用紙を示す図
【図9】同2つのサブデータを示す図
【図10】同復元したデータを示す図
【図11】同他の画素変換対応表を示す図
【図12】同コンピュータシステムの概観図
【図13】同コンピュータシステムの内部構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、データ管理システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0020】
(実施の形態1)
【0021】
本実施の形態において、データのセキュリティーを十分に担保できるデータ管理システムについて説明する。さらに具体的には、本データ管理システムでは、一のデータから2以上のサブデータを構成し、サブデータにIDを付与し、ID付きの各サブデータを2以上のサーバ装置14に蓄積する。そして、端末装置では、当該IDを用いて、2以上のサーバから2以上のサブデータを受信し、当該2以上のサブデータから元のデータを復元できる。
【0022】
図1は、本実施の形態におけるデータ管理システム1の概念図である。データ管理システム1は、スキャナ11、データ読取制御装置12、データ処理装置13、2以上のサーバ装置14、端末装置15を備える。データ読取制御装置12の制御により、スキャナ11で読み取ったデータは、データ読取制御装置12からデータ処理装置13に送信される。そして、データ処理装置13で、データから2以上のサブデータが構成され、当該サブデータにIDが付与される。そして、データ処理装置13は、ID付きの各サブデータを2以上のサーバ装置14に送信する。次に、2以上の各サーバ装置14では、ID付きの各サブデータを受信し、蓄積する。そして、端末装置15では、IDをキーとして2以上の各サーバ装置14からサブデータを取得し、当該2以上のサブデータから元のデータを構成して、出力する。なお、端末装置15は、いわゆるパーソナルコンピュータ、携帯端末、携帯電話、テレビジョン等、データを出力できる端末であれば何でも良い。また、サブデータは、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能なデータである。
【0023】
図2は、本実施の形態におけるデータ管理システム1のブロック図である。図3は、データ処理装置13の詳細なブロック図である。
【0024】
データ読取制御装置12は、スキャナ制御部121、画像データ取得部122、関連情報構成部123、画像データ送信部124、関連情報送信部125を備える。
【0025】
データ処理装置13は、データ格納部131、関連情報格納部132、画像データ受信部133、関連情報受信部134、データ蓄積部135、分割部136、識別子付与部137、関連情報付与部138、サブデータ送信部139を備える。
【0026】
分割部136は、画素変換対応表格納手段1361、色取得手段1362、変換画素色取得手段1363、サブデータ構成手段1364を備える。
【0027】
サーバ装置14は、サブデータ格納部141、サブデータ受信部142、サブデータ蓄積部143、送信要求受信部144、サーバサブデータ送信部145を備える。
【0028】
端末装置15は、端末受付部151、送信要求送信部152、端末サブデータ受信部153、データ構成部154、関連情報取得部155、データ出力部156を備える。
【0029】
スキャナ11は、紙などの媒体を読み取って、画像データを取得する装置である。スキャナ11は、いわゆるアパチュアカードスキャナでも良い。アパチュアカードおよびアパチュアカードスキャナは、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
【0030】
データ読取制御装置12を構成するスキャナ制御部121は、スキャナ11を動作させる。スキャナ制御部121は、通常、ユーザ指示を受け付け、スキャナ11を動作させる。 スキャナ制御部121は、例えば、スキャナのドライバーソフトにより実現され得る。
【0031】
画像データ取得部122は、スキャナ11が媒体を読み取って取得した画像データを取得する。なお、媒体とは、例えば、紙やアパチュアカードやアパチュアカード以外のマイクロフィルムや写真やネガなどである。画像データ取得部122は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。画像データ取得部122の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0032】
関連情報構成部123は、アパチュアカードのパンチ等の媒体または媒体の一部から関連情報を構成する。また、関連情報構成部123は、図示しない記憶手段に予め格納されている関連情報を読み出しても良い。関連情報構成部123は、公知技術であるので詳細な説明は省略する。関連情報構成部123は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。関連情報構成部123の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0033】
画像データ送信部124は、画像データ取得部122が取得した画像データを、データ処理装置13に送信する。画像データ送信部124は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0034】
関連情報送信部125は、関連情報構成部123が取得した関連情報を、データ処理装置13に送信する。関連情報送信部125は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0035】
データ処理装置13を構成するデータ格納部131は、1以上のデータを格納し得る。データとは、セキュリティーを担保する対象のデータである。データは、画像データ(静止画データ)が好適であるが、音声データ、楽音データ、動画データ、テキストデータなどでも良い。データ格納部131は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。データ格納部131データ報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してデータがデータ格納部131で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたデータがデータ格納部131で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたデータがデータ格納部131で記憶されるようになってもよい。
【0036】
関連情報格納部132は、データに関連する情報である1以上の関連情報を格納し得る。関連情報は、例えば、データの属性(サイズ、色、データタイプ、圧縮形式など)、作成された(スキャナ11でスキャンされた)日、作成された日時、データの所有者などである。関連情報格納部132は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。関連情報格納部132に関連情報が記憶される過程は問わない。
【0037】
画像データ受信部133は、データ読取制御装置12から画像データを受信する。画像データ受信部133は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0038】
関連情報受信部134は、データ読取制御装置12から関連情報を受信する。関連情報受信部134は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0039】
データ蓄積部135は、画像データ受信部133が受信した画像データをデータ格納部131に蓄積する。また、データ蓄積部135は、関連情報受信部134が受信した関連情報を関連情報格納部132に蓄積する。データ蓄積部135は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。データ蓄積部135の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0040】
なお、データ管理システム1において、スキャナ11、データ読取制御装置12は、必須ではない。また、データ処理装置13において、関連情報格納部132、画像データ受信部133、関連情報受信部134、およびデータ蓄積部135、および関連情報付与部138は、必須ではない。
【0041】
分割部136は、データを2以上のサブデータに分割し、2以上のサブデータを得る。各サブデータは、意味が伝わる態様での読解が不可能または、意味が伝わる態様での視聴が不可能なデータである。また、2以上のサブデータからデータ(元のデータ)が復元できる。復元は、例えば、サブデータを重ね合わせることにより実現する。また、復元は、例えば、複数のサブデータを演算することにより実現する。なお、復元方法は予め決められているが、復元方法は問わない。また、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能とは、出力したり再生したりした場合に、人には意味がわからないことを言う。分割部136は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。分割部136の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0042】
分割部136を構成する画素変換対応表格納手段1361は、画素変換対応表を格納し得る。画素変換対応表とは、データを構成する画素の色と、2以上の各サブデータの画素の色の集合との対応を管理している情報(表)である。また、画素変換対応表は、通常、データを構成する画素の色と2以上の各サブデータの画素の色の集合とを有するレコードを複数レコード有する。また、画素変換対応表において、データを構成する画素の一の色に対して、2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補が2以上存在することは好適である。なお、画素変換対応表において、データを構成する画素の色と、2以上の各サブデータの画素の色の集合とが1レコードを構成している、と言える。そして、当該1レコード内のデータの画素の位置とサブデータの各画素の位置とは同じ位置であることは言うまでもない。画素変換対応表格納手段1361は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。画素変換対応表格納手段1361に画素変換対応表が記憶される過程は問わない。
【0043】
色取得手段1362は、データの各画素の色を取得する。このデータは、データ格納部131のデータである。なお、データが文字列(文字コードの集合)の場合、色取得手段1362は、例えば、文字列を画像化し、当該画像化したデータの各画素の色を取得するようにしても良い。
【0044】
変換画素色取得手段1363は、2以上の各サブデータの画素の色の集合を取得する。この色の集合は、色取得手段1362が取得した各画素の色に対応する2以上の各サブデータの画素の色の集合である。変換画素色取得手段1363は、画素ごとに画素変換対応表を用いて、2以上の各サブデータの画素の色の集合を取得する。例えば、変換画素色取得手段1363は、色取得手段1362が取得した画素の色に対応する2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補のうちの一の色の集合を、画素変換対応表から画素ごとに取得する。なお、画素の色の集合の候補から一の色の集合を取得する方法は、順番でも良いし、乱数を発生させて一の色の集合を決定して、取得しても良い。また、例えば、変換画素色取得手段1363は、色取得手段1362が取得した画素の色に対応する2以上の各サブデータの画素の色の集合を、画素変換対応表から画素ごとに取得する。かかる場合は、データの画素の色が決まれた、一意にサブデータの画素の色の集合が決まる場合である。
【0045】
サブデータ構成手段1364は、変換画素色取得手段1363が取得した各サブデータの各画素の色の集合から、2以上の各サブデータを構成する。なお、サブデータを構成する各画素の色が決定すれば、サブデータは決定される。つまり、サブデータ構成手段1364の処理は公知技術である。
【0046】
識別子付与部137は、分割部136が分割し、取得した2以上の各サブデータに、データを識別する識別子を付与する。ここで、識別子の付与とは、識別子をデータに埋め込みこと(例えば、電子透かしやヘッダー部への書き込みなど)でも良いし、識別子をデータと対応付けることでも良い。識別子付与部137は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。識別子付与部137の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0047】
関連情報付与部138は、関連情報受信部134が受信した関連情報を、取得された2以上のサブデータのうちのいずれかのサブデータに付与する。ここで、付与とは、関連情報のデータへの埋め込み(例えば、電子透かしやヘッダー部への書き込みなど)でも良いし、関連情報とデータとを対応付けることでも良い。また、関連情報付与部138は、通常、一のサブデータにすべての関連情報を付与する。しかし、関連情報付与部138は、関連情報を2以上のサブデータに分散して付与しても良い。つまり、関連情報付与部138は、一のサブデータに一部の関連情報を付与し、他のサブデータに他の関連情報を付与するなどでも良い。なお、関連情報が存在しない場合、関連情報付与部138は、機能しないことは言うまでもない。関連情報付与部138は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。関連情報付与部138の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0048】
サブデータ送信部139は、2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置14に送信する。なお、ここでのサブデータは、識別子が付与されたサブデータ、または識別子と関連情報が付与されたサブデータである。また、サブデータ送信部139は、送信先のサーバ装置14を特定する情報(IPアドレス等)を予め保持している。サブデータ送信部139は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0049】
サーバ装置14を構成するサブデータ格納部141は、サブデータを格納し得る。サブデータ格納部141は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0050】
サブデータ受信部142は、データ処理装置13から識別子が付与されたサブデータを受信する。なお、このサブデータには、関連情報も付与されている場合がある。サブデータ受信部142は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い
【0051】
サブデータ蓄積部143は、サブデータ受信部142が受信した識別子付きのサブデータを、サブデータ格納部141に蓄積する。なお、このサブデータには、関連情報も付与されている場合がある。サブデータ蓄積部143は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。サブデータ蓄積部143の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0052】
送信要求受信部144は、識別子を含む送信要求を端末装置15から受信する。送信要求とは、サブデータを送信する旨の要求である。送信要求受信部144は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0053】
サーバサブデータ送信部145は、送信要求受信部144が送信要求を受信した場合に、送信要求に含まれる識別子が付与されたサブデータを、サブデータ格納部141から読み出し、当該サブデータを端末装置15に送信する。サーバサブデータ送信部145は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0054】
端末装置15を構成する端末受付部151は、識別子を含む送信要求を受け付ける。ここで、受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。送信要求の入力手段は、キーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。端末受付部151は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0055】
送信要求送信部152は、端末受付部151が受け付けた送信要求を2以上のサーバ装置14に送信する。なお、送信要求送信部152は、通常、送信要求を送信するサーバ装置14を特定する情報(IPアドレス等)を、予め保持している。送信要求送信部152は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0056】
端末サブデータ受信部153は、送信要求の送信に対応して、2以上のサーバ装置14から2以上のサブデータを受信する。端末サブデータ受信部153は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0057】
データ構成部154は、サブデータ受信部142が受信した2以上のサブデータからデータを構成する。なお、構成とは、例えば、2以上のサブデータを重ね合わせるなどの処理である。また、構成とは、2以上のサブデータに所定の演算を行って、データを取得する処理である。つまり、構成とは、データ処理装置13が2以上のサブデータを取得した処理と逆の処理である。つまり、データ構成部154は、例えば、画素変換対応表を用いて、2以上のサブデータの各画素の色の集合を取得し、当該色の集合から元のデータの各画素の色を取得する。そして、データ構成部154は、元のデータの各画素の色から元のデータを構成する。また、元のデータが文字列(テキスト)の場合、データ構成部154は、さらに、文字認識処理を行い、文字列を取得しても良い。データ構成部154は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。データ構成部154の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0058】
関連情報取得部155は、サブデータ受信部142が受信した1以上のサブデータから関連情報を取得する。関連情報取得部155は、例えば、電子透かしにより埋め込まれた関連情報を取り出す。なお、かかる処理は公知技術であるので、詳細な説明は省略する。関連情報取得部155は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。関連情報取得部155の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0059】
データ出力部156は、データ構成部154が構成したデータを出力する。また、データ出力部156は、関連情報取得部155が取得した関連情報およびデータ構成部154が構成したデータを出力する。ここで、出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。データ出力部156は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。データ出力部156は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0060】
次に、データ管理システム1の動作について説明する。まず、データ読取制御装置12の動作について説明する。データ読取制御装置12のスキャナ制御部121は、ユーザの指示により、スキャナ11を動作させる。そして、画像データ取得部122は、スキャナ11の動作により得られた画像データを取得する。次に、関連情報構成部123は、画像データまたは図示しない記憶媒体から、関連情報を取得する。そして、画像データ送信部124は、画像データをデータ処理装置13に送信する。また、関連情報送信部125は、関連情報をデータ処理装置13に送信する。
【0061】
次に、データ処理装置13の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0062】
(ステップS401)画像データ受信部133は、データを受信したか否かを判断する。データを受信すればステップS402に行き、データを受信しなければステップS401に戻る。なお、ここでのデータは、通常、画像データであるが、他のタイプのデータでも良い。
【0063】
(ステップS402)データ蓄積部135は、ステップS401で受信されたデータをデータ格納部131に蓄積する。
【0064】
(ステップS403)関連情報受信部134は、関連情報を受信したか否かを判断する。受信すればステップS404に行き、受信しなければステップS412に行く。
【0065】
(ステップS404)データ蓄積部135は、ステップS403で受信された関連情報を関連情報格納部132に蓄積する。
【0066】
(ステップS405)分割部136は、データを2以上のサブデータに分割し、2以上のサブデータを得る。かかる処理を分割処理という。分割処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
(ステップS406)識別子付与部137は、識別子を取得する。なお、識別子は、外部から与えられる情報でも良いし、識別子付与部137が生成する情報でも良い。識別子付与部137は、例えば、先に生成した識別子をインクリメントして、ユニークな識別子を作り出す。その他、識別子付与部137は、ユニークな識別子を生成すれば良く、アルゴリズムは問わない。また、識別子は、データ読取制御装置12から送信されてきても良い。
【0068】
(ステップS407)識別子付与部137は、ステップS406で取得した識別子を、2以上の各サブデータに付与する。
【0069】
(ステップS408)関連情報付与部138は、ステップS403で関連情報を受信できたか否かを判断する。関連情報を受信できていればステップS409に行き、受信できていなければステップS401に戻る。
【0070】
(ステップS409)関連情報付与部138は、関連情報格納部132の関連情報(ステップS403で受信した関連情報)を取得する。
【0071】
(ステップS410)関連情報付与部138は、ステップS409で取得した関連情報を、例えば、一のサブデータに付与する。なお、関連情報を付与するサブデータ(サブデータが蓄積されるサーバ装置)は予め決まっていても良いし、ランダムに決定しても良い。
【0072】
(ステップS411)サブデータ送信部139は、2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置14に送信する。ステップS401に戻る。
【0073】
(ステップS412)関連情報受信部134は、タイムアウトか否かを判断する。タイムアウトであればステップS405に行き、タイムアウトでなければステップS403に戻る。なお、タイムアウトとは、例えば、データを受信した後、閾値の時間以上、関連情報を受信しなかったことである。
【0074】
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0075】
次に、ステップS405の分割処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
(ステップS501)分割部136の色取得手段1362は、カウンタiに1を代入する。
【0077】
(ステップS502)色取得手段1362は、データ格納部131のデータのi番目の画素が存在するか否かを判断する。i番目の画素が存在すればステップS503に行き、存在しなければ上位処理にリターンする。
【0078】
(ステップS503)色取得手段1362は、データのi番目の画素の色を取得する。
【0079】
(ステップS504)変換画素色取得手段1363は、ステップS503で取得されたi番目の画素の色に対応する、2以上の各サブデータの画素の色の集合を、画素ごとに画素変換対応表を用いて取得する。ここで、変換画素色取得手段1363は、ステップS503で取得されたi番目の画素の色に対応する2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補から、一の色の集合をランダムに取得することは好適である。
【0080】
(ステップS505)サブデータ構成手段1364は、カウンタjに1を代入する。
【0081】
(ステップS506)サブデータ構成手段1364は、j番目のサブデータが存在するか否かを判断する。存在すればステップS507に行き、存在しなければステップS509に行く。
【0082】
(ステップS507)サブデータ構成手段1364は、ステップS504で取得された画素の色の集合のうちのj番目の色を、j番目のサブデータのi番目の画素の色として蓄積する。
【0083】
(ステップS508)サブデータ構成手段1364は、カウンタjを1、インクリメントする。ステップS506に戻る。
【0084】
(ステップS509)色取得手段1362は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS502に戻る。
【0085】
なお、図5のフローチャートは、分割処理の一例であることは言うまでもない。
【0086】
また、図5のフローチャートは、処理を行う(着目する)画素の順序は問わない。
【0087】
次に、サーバ装置14の動作について説明する。サーバ装置14のサブデータ受信部142は、データ処理装置13からサブデータを受信する。そして、サブデータ蓄積部143は、サブデータ受信部142が受信したサブデータを、サブデータ格納部141に蓄積する。そして、送信要求受信部144が識別子を含む送信要求を端末装置15から受信すると、サーバサブデータ送信部145は、当該送信要求に含まれる識別子が付与されたサブデータを、サブデータ格納部141から読み出し、当該サブデータを端末装置15に送信する。
【0088】
次に、端末装置15の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0089】
(ステップS601)端末受付部151は、送信要求を受け付けたか否かを判断する。送信要求を受け付ければステップS602に行き、送信要求を受け付けなければステップS601に戻る。
【0090】
(ステップS602)送信要求送信部152は、ステップS601で受け付けられた送信要求を2以上のサーバ装置14に送信する。
【0091】
(ステップS603)端末サブデータ受信部153は、送信要求の送信に対応して、2以上のサーバ装置14から2以上のすべてのサブデータを受信したか否かを判断する。すべてのサブデータを受信すればステップS604に行き、受信しなければステップS603に戻る。
【0092】
(ステップS604)データ構成部154は、ステップS603で受信された2以上のサブデータからデータを構成する。
【0093】
(ステップS605)関連情報取得部155は、ステップS603で受信された1以上のサブデータから関連情報を取得する。なお、ここで、関連情報を取得できない場合もある。
【0094】
(ステップS606)データ出力部156は、ステップS604で構成されたデータを出力する。
【0095】
(ステップS607)データ出力部156は、ステップS605で関連情報を取得できたか否かを判断する。取得できていればステップS608に行き、取得できていなければステップS601に戻る。
【0096】
(ステップS608)データ出力部156は、ステップS605で取得された関連情報を出力する。ステップS601に戻る。
【0097】
なお、図6のフローチャートにおいて、上述したように、データの構成方法は問わないが、データの構成方法はサブデータの作成方法の逆の処理である。
【0098】
また、図6のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0099】
以下、本実施の形態におけるデータ管理システム1の具体的な動作について説明する。データ管理システム1の概念図は図1である。
【0100】
以下の具体例において、データ管理システム1を構成するサーバ装置14は2つである、とする。そして、2つのサーバ装置14は、サーバ装置14(1)とサーバ装置14(2)である、とする。また、ここでのデータは、モノクロの画像データである、とする。
【0101】
また、データ処理装置13の画素変換対応表格納手段1361は、図7に示す画素変換対応表を保持している、とする。画素変換対応表は、「ノイズ画像1」「ノイズ画像2」および「元データ」の属性値を有するレコードを4つ有する。「ノイズ画像1」はサブデータ1の画素の色、「ノイズ画像2」はサブデータ2の画素の色である。また、「元データ」は、元のデータの画素の色である。つまり、図7において、元のデータの画素の色が「黒」の場合、2つの各サブデータの画素の色の集合は(白,黒)と(黒,白)である。また、元のデータの画素の色が「白」の場合、2つの各サブデータの画素の色の集合は(白,白)と(黒,黒)である。
【0102】
また、図8に示す設計図の用紙がスキャナ11の読み取り部に配置されている。そして、ユーザが、データ読取制御装置12に対して、データの読み取りと管理の指示を入力した、とする。
【0103】
すると、データ読取制御装置12のスキャナ制御部121は、スキャナ11を動作させる。そして、画像データ取得部122は、スキャナ11の動作により得られた画像データ(図8の画像データ)を取得する。次に、関連情報構成部123は、画像データから関連情報を取得する。ここでは、関連情報構成部123は、画像データを画像認識し、画像データの下部の文字列「D159_705014_02」を取得した、とする。
【0104】
そして、画像データ送信部124は、図8の画像データをデータ処理装置13に送信する。また、関連情報送信部125は、関連情報「D159_705014_02」をデータ処理装置13に送信する。
【0105】
次に、データ処理装置13の画像データ受信部133は、画像データを受信する。そして、データ蓄積部135は、受信された画像データをデータ格納部131に蓄積する。次に、関連情報受信部134は、関連情報「D159_705014_02」を受信する。そして、データ蓄積部135は、受信された関連情報を関連情報格納部132に蓄積する。
【0106】
次に、分割部136は、図8の画像データを2つのサブデータに分割し、2つのサブデータを得る。ここでは、分割部136は、図7の画素変換対応表に従って、画像データの画素が「黒」の場合、2つの各サブデータ(ノイズ画像1,ノイズ画像2)の画素の色の集合は(白,黒)または(黒,白)のうちのいずれかをランダムに選択し、決定する。また、分割部136は、元のデータの画素の色が「白」の場合、2つの各サブデータの画素の色の集合は(白,白)または(黒,黒)のうちのいずれかをランダムに選択し、決定する。
【0107】
そして、分割部136は、図9に示す2つのサブデータを得た、とする。2つのサブデータは、ノイズ画像1とノイズ画像2である。
【0108】
次に、識別子付与部137は、現在の識別子(例えば、「10」)に1を加えた識別子(例えば、「11」)を取得する。そして、識別子付与部137は、取得した識別子(例えば、「11」)を、2以上の各サブデータ(ノイズ画像1とノイズ画像2)に付与する。そして、識別子付与部137は、現在の識別子を「11」に更新する。なお、識別子付与部137は、現在(最新)の識別子を常に格納している、とする。
【0109】
次に、関連情報付与部138は、関連情報「D159_705014_02」を取得する。そして、関連情報付与部138は、取得した関連情報を、例えば、一のサブデータ(ノイズ画像1)に付与する。なお、ノイズ画像2には、関連情報は付与しない。また、関連情報付与部138は、例えば、電子透かしの手法により、関連情報「D159_705014_02」をノイズ画像1に付与する、とする。
【0110】
次に、サブデータ送信部139は、ノイズ画像1を、例えば、サーバ装置14(1)に送信し、ノイズ画像2を、例えば、サーバ装置14(2)に送信する。
【0111】
次に、サーバ装置14(1)のサブデータ受信部142は、ノイズ画像1(識別子「11」と関連情報「D159_705014_02」が付与されている)を受信する。そして、サーバ装置14(1)のサブデータ蓄積部143は、サブデータ受信部142が受信したノイズ画像1をサブデータ格納部141に蓄積する。
【0112】
また、サーバ装置14(2)のサブデータ受信部142は、ノイズ画像2(識別子「11」が付与されている)を受信する。そして、サーバ装置14(2)のサブデータ蓄積部143は、サブデータ受信部142が受信したノイズ画像1をサブデータ格納部141に蓄積する。
【0113】
以上の処理により、データが2以上のサブデータに分割され、復元できる形態で、サーバ装置14に蓄積される。
【0114】
そして、ユーザは、識別子「11」を有する送信要求を、端末装置15に入力した、とする。
【0115】
次に、端末装置15の端末受付部151は、識別子「11」を有する送信要求を受け付ける。そして、送信要求送信部152は、受け付けられた送信要求をサーバ装置14(1)およびサーバ装置14(2)に送信する。
【0116】
そして、サーバ装置14(1)の送信要求受信部144が識別子「11」を含む送信要求を端末装置15から受信する。そして、サーバサブデータ送信部145は、当該送信要求に含まれる識別子「11」が付与されたサブデータ(図9のノイズ画像1)を、サブデータ格納部141から読み出し、当該サブデータを端末装置15に送信する。なお、ここでのノイズ画像1には、関連情報「D159_705014_02」が付加されている。ただし、識別子「11」は付加されていても、付加されていなくても良い。
【0117】
また、サーバ装置14(2)の送信要求受信部144が識別子「11」を含む送信要求を端末装置15から受信する。そして、サーバサブデータ送信部145は、当該送信要求に含まれる識別子「11」が付与されたサブデータ(図9のノイズ画像2)を、サブデータ格納部141から読み出し、当該サブデータを端末装置15に送信する。なお、ここでのノイズ画像2には、識別子「11」は付加されていても、付加されていなくても良い。
【0118】
次に、端末サブデータ受信部153は、送信要求の送信に対応して、サーバ装置14(1)からノイズ画像1を受信する。また、端末サブデータ受信部153は、送信要求の送信に対応して、サーバ装置14(2)からノイズ画像2を受信する。
【0119】
次に、データ構成部154は、受信された2以上のサブデータ(ノイズ画像1、ノイズ画像2)からデータを構成する。つまり、データ構成部154は、ノイズ画像1の各画素の色と、ノイズ画像2の各画素の色とを取得し、同じ位置の画素が(白,黒)または(黒,白)の場合は、復元するデータの画素の色を「黒」にする。そして、データ構成部154は、ノイズ画像1とノイズ画像2の同じ位置の画素が(白,白)または(黒,黒)の場合は、復元するデータの画素の色を「白」にする。そして、データ構成部154は、復元したデジタルデータを得る。ここで、復元したデジタルデータは、図10であり、図8の紙を読み取った画像データと一致している。
【0120】
次に、関連情報取得部155は、受信されたノイズ画像1から関連情報「D159_705014_02」を取得する。
【0121】
そして、データ出力部156は、構成されたデータ(図10)を出力する。また、データ出力部156は、取得された関連情報「D159_705014_02」を出力する。
【0122】
以上、本実施の形態によれば、データのセキュリティーを十分に担保できるデータ管理システム1を提供できる。つまり、一のサーバ装置のサブデータが漏洩しても、元のデータを復元することができない。
【0123】
また、本実施の形態によれば、複数のサブデータに同じ識別子が付与されているので、復元が容易である。
【0124】
また、本実施の形態によれば、関連情報を1以上のサブデータにのみ付与するので、関連情報のセキュリティーも担保し易い。
【0125】
なお、本実施の形態おいて、画素変換対応表は、一のデータの画素の色に、2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補が2つ対応付いていたが、一のデータの画素の色に対して、一のサブデータの画素の色の集合が対応付いていても良い。
【0126】
また、データはカラー画像でも良い。また、データから作成されるサブデータは3以上でも良い。つまり、画素変換対応表は、図11に示す表でも良い。図11において、データが65536色のカラー画像を対象としている。また、図11において、一のデータの画素の色に対して、一のサブデータの画素の色の集合のみが対応付いている。また、サブデータは3つでる。
【0127】
また、本実施の形態のデータ管理システム1おいて、スキャナ11、およびデータ読取制御装置12は必須ではない。つまり、データ処理装置13が予めデジタルデータをデータ格納部131に格納していても良い。かかる場合、データ処理装置13は、データ格納部131、分割部136、識別子付与部137、サブデータ送信部139を備える。
【0128】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態におけるデータ処理装置13を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、記憶媒体に、データを格納しており、コンピュータを、前記データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、前記分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、前記データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、前記識別子が付与された2以上の各サブデータを、前記2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信部として機能させるためのプログラム、である。
【0129】
また、上記プログラムにおいて、前記分割部が分割し、取得した2以上のサブデータのうちのいずれかのサブデータに、記憶媒体に格納されている関連情報を付与する関連情報付与部として、コンピュータを機能させることは好適である。
【0130】
また、上記プログラムにおいて、前記分割部は、前記データを構成する画素の色と、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合との対応を管理している画素変換対応表を格納し得る画素変換対応表格納手段と、前記データの各画素の色を取得する色取得手段と、前記色取得手段が取得した各画素の色に対応する、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合を、画素ごとに前記画素変換対応表を用いて取得する変換画素色取得手段と、前記変換画素色取得手段が取得した各サブデータの各画素の色の集合から、前記2以上の各サブデータを構成するサブデータ構成手段とを具備するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0131】
また、上記プログラムにおいて、前記画素変換対応表は、前記データを構成する画素の一の色に対して、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補が2以上存在し、前記変換画素色取得手段は、前記画素変換対応表から、前記色取得手段が取得した画素の色に対応する、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補から、一の色の集合をランダムに画素ごとに取得するものとして、コンピュータを機能させることは好適である。
【0132】
また、図12は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態のデータ読取制御装置12、データ処理装置13、サーバ装置14、および端末装置15を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図12は、このコンピュータシステムの概観図であり、図13は、コンピュータシステムの内部構成を示す図である。
【0133】
図12において、コンピュータシステム340は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412を含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
【0134】
図13において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、MPU3413と、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3415とに接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0135】
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態のデータ処理装置13等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0136】
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態のデータ処理装置13等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0137】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0138】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0139】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0140】
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0141】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明にかかるデータ管理システムは、データのセキュリティーを十分に担保できる、という効果を有し、データ管理システム等として有用である。
【符号の説明】
【0143】
1 データ管理システム
11 スキャナ
12 データ読取制御装置
13 データ処理装置
14 サーバ装置
15 端末装置
121 スキャナ制御部
122 画像データ取得部
123 関連情報構成部
124 画像データ送信部
125 関連情報送信部
131 データ格納部
132 関連情報格納部
133 画像データ受信部
134 関連情報受信部
135 データ蓄積部
136 分割部
137 識別子付与部
138 関連情報付与部
139 サブデータ送信部
141 サブデータ格納部
142 サブデータ受信部
143 サブデータ蓄積部
144 送信要求受信部
145 サーバサブデータ送信部
151 端末受付部
152 送信要求送信部
153 端末サブデータ受信部
154 データ構成部
155 関連情報取得部
156 データ出力部
1361 画素変換対応表格納手段
1362 色取得手段
1363 変換画素色取得手段
1364 サブデータ構成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理装置と2以上のサーバ装置と一の端末装置を具備するデータ管理システムであって、
前記データ処理装置は、
データを格納し得るデータ格納部と、
前記データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、
前記分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、前記データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、
前記識別子が付与された2以上の各サブデータを、前記2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信部とを具備し、
前記サーバ装置は、
サブデータを格納し得るサブデータ格納部と、
前記データ処理装置から識別子が付与されたサブデータを受信するサブデータ受信部と、
前記サブデータ受信部が受信した識別子付きのサブデータを、前記サブデータ格納部に蓄積するサブデータ蓄積部と、
識別子を含む送信要求を前記端末装置から受信する送信要求受信部と、
前記送信要求受信部が送信要求を受信した場合に、前記送信要求に含まれる識別子が付与されたサブデータを、前記サブデータ格納部から読み出し、当該サブデータを前記端末装置に送信するサーバサブデータ送信部とを具備し、
前記端末装置は、
識別子を含む送信要求を受け付ける端末受付部と、
前記送信要求を前記2以上のサーバ装置に送信する送信要求送信部と、
前記送信要求の送信に対応して、前記2以上のサーバ装置から2以上のサブデータを受信するサブデータ受信部と、
前記サブデータ受信部が受信した2以上のサブデータから、前記データを構成するデータ構成部と、
前記データ構成部が構成したデータを出力するデータ出力部とを具備するデータ管理システム。
【請求項2】
前記データ処理装置は、
前記データに関連する情報である関連情報を格納し得る関連情報格納部と、
前記分割部が分割し、取得した2以上のサブデータのうちのいずれかのサブデータに、前記関連情報を付与する関連情報付与部とをさらに具備し、
前記端末装置は、
前記サブデータ受信部が受信した1以上のサブデータから関連情報を取得する関連情報取得部と、
前記データ出力部は、
前記関連情報取得部が取得した関連情報および前記データ構成部が構成したデータを出力する請求項1記載のデータ管理システム。
【請求項3】
媒体が配置されたスキャナとデータ読取制御装置とをさらに具備し、
前記データ読取制御装置は、
前記スキャナを動作させるスキャナ制御部と、
前記スキャナが媒体を読み取って取得した画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データを前記データ処理装置に送信する画像データ送信部とを具備し、
前記データ処理装置は、
前記データ読取制御装置から画像データを受信する画像データ受信部をさらに具備し、
前記データ格納部のデータは、前記画像データ受信部が受信したデータである請求項1または請求項2記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記媒体は、アパチュアカードであり、
前記データ読取制御装置は、
前記アパチュアカードのパンチから関連情報を構成する関連情報構成部と、
前記関連情報を送信する関連情報送信部とをさらに具備し、
前記データ処理装置は、
前記データ読取制御装置から関連情報を受信する関連情報受信部をさらに具備し、
前記関連情報格納部の関連情報は、前記関連情報受信部が受信した関連情報である請求項3記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記データは、画像データであり、
前記分割部は、
前記データを構成する画素の色と、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合との対応を管理している画素変換対応表を格納し得る画素変換対応表格納手段と、
前記データの各画素の色を取得する色取得手段と、
前記色取得手段が取得した各画素の色に対応する、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合を、画素ごとに前記画素変換対応表を用いて取得する変換画素色取得手段と、
前記変換画素色取得手段が取得した各サブデータの各画素の色の集合から、前記2以上の各サブデータを構成するサブデータ構成手段とを具備する請求項1から請求項4いずれか記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記画素変換対応表は、
前記データを構成する画素の一の色に対して、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補が2以上存在し、
前記変換画素色取得手段は、
前記画素変換対応表から、前記色取得手段が取得した画素の色に対応する、前記2以上の各サブデータの画素の色の集合の候補から、一の色の集合をランダムに画素ごとに取得する請求項5記載のデータ管理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6いずれか記載のデータ管理システムを構成するデータ処理装置。
【請求項8】
データを格納し得るデータ格納部と、
前記データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、
前記分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、前記データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、
前記識別子が付与された2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信部とを具備するデータ処理装置。
【請求項9】
記憶媒体に、
データを格納しており、
分割部、識別子付与部、およびサブデータ送信部により実現されるデータ処理方法であって、
前記分割部は、前記データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割ステップと、
前記識別子付与部は、前記分割ステップで分割し、取得した2以上の各サブデータに、前記データを識別する識別子を付与する識別子付与ステップと、
前記サブデータ送信部は、前記識別子が付与された2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信ステップを具備するデータ処理方法。
【請求項10】
記憶媒体に、
データを格納しており、
コンピュータを、
前記データを、意味が伝わる態様での読解が不可能または視聴が不可能な2以上のサブデータであり、当該2以上のサブデータから前記データを復元可能な2以上のサブデータに分割する分割部と、
前記分割部が分割し、取得した2以上の各サブデータに、前記データを識別する識別子を付与する識別子付与部と、
前記識別子が付与された2以上の各サブデータを、2以上の各サーバ装置に送信するサブデータ送信部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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