説明

データ管理装置及び方法

【課題】 メタデータに基づいて動的にデータを分類し,フォルダツリーで表示するデータ管理装置において,生成されるフォルダ数を抑制し,画面サイズやメモリ資源に制約のある小型機器にも適用可能なデータ分類技術を提供する。
【解決手段】 データを、複数のメタデータのそれぞれの観点から、それぞれの分類条件で複数のフォルダに分類する。それらのフォルダ毎に、当該フォルダに対応するメタデータとは異なるメタデータの観点から当該フォルダ中のデータを更に複数のフォルダに分類する。この処理を、前記複数のメタデータの個数に応じて繰り返すことでツリー構造のフォルダシステムを構成する。構成されたフォルダシステムにおいて、1つのメタデータの観点からの分類結果が1つのフォルダにのみ存在し、そのフォルダと同一階層の他のフォルダには存在しない場合、当該他のフォルダを削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,データに付与されたメタデータによってデータを動的に分類する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,データにメタデータを付与し,そのメタデータに基づいてデータを自動的に分類する方法が提案されている。例えば特許文献1においては,ユーザが選択したメタデータ項目の値ごとにフォルダを生成し,そのフォルダの中に該当するメタデータの値を持つデータを配置することにより,メタデータの値で分類を行う方法が示されている。この方法では,分類時におけるメタデータ項目の使用順位を指定することで,ユーザの好みにあった分類の階層化を行うことが可能であり,従来のフォルダ管理では実現できなかった様々なフォルダ体系が実現可能となっている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−250798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,従来技術においては,メタデータの値の数だけフォルダが生成されるために,大量のデータを分類する場合には,生成されるフォルダ数も膨大になっていた。そのため,画面サイズに制限のある小型機器への適用に問題があった。また,静的なフォルダへのデータ配置とは異なり,分類結果のフォルダではフォルダを開く度にメタデータ項目で検索を行う。そのため,パフォーマンスを上げるためには開いていないフォルダに分類されるデータを先読みしてメモリにキャッシュするなどの手段が必須となる。しかし,メモリ量に制限のある小型機器では十分なキャッシュを保持することができず,パフォーマンス面に問題があった。
【0005】
本発明は、メタデータによるデータの自動分類を、資源に制約のある小型機器においても効率よく実行可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、データに複数のメタデータを付与して管理するデータ管理装置であって、データを、複数のメタデータのそれぞれの観点から、それぞれの分類条件で複数のフォルダに分類し、それらの各フォルダ毎に、当該フォルダに対応するメタデータとは異なるメタデータの観点から当該フォルダ中のデータを更に複数のフォルダに分類することを、前記複数のメタデータの個数に応じて繰り返すことによりツリー構造のフォルダシステムを構成する構成手段と、構成された前記ツリー構造のフォルダシステムにおいて、1つのメタデータの観点からの分類結果が1つのフォルダに存在し、該フォルダと親フォルダを共通にする同一階層の他のフォルダには存在しない場合、当該親フォルダ及び該メタデータに基づく下位フォルダを削除することで前記フォルダシステムを再構成する再構成手段と、前記再構成手段により再構成された前記フォルダシステムの一覧である分類閲覧ビューを表示する表示手段ととを有することを特徴とするデータ管理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば,メタデータによるデータの自動分類を行う際に生成されるフォルダ数を抑制することが可能となり,したがって,資源に制約のある小型機器においても大量のデータを効率よく分類することが可能となる。それにより,大量のデータが保存されていてもユーザは素早く目的のデータに到達することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。
【0009】
<実施形態1>
図1は本実施形態に係るデータ管理装置100のモジュール構成図である。
【0010】
101は表示手段としてのデータ表示部で,フォルダツリーやデータ等の表示を行う。102は分類ルール入力部で,後述する分類ルールと分類セットの入力を行う。103は分類ルール管理部で,分類ルールと分類セットの保存と取得を行う。104は構成手段及び再構成手段としての分類実行部で,分類セットに基づいてデータの分類を行い,フォルダの階層構造を生成する。105は取得手段としてのメタデータ管理部で,メタデータの保存と取得を行う。106はメタデータ定義部で,データ管理装置100で利用するメタデータの定義を管理する。107はデータ管理部である。108は分類ルール記憶手段及び分類セット記憶手段としての記憶装置で,データ,メタデータ,分類ルールなどの各種データを保存する。なお,データ管理装置にはこれら以外にもデータの入出力を行うモジュールなどが必要であるが,本発明には直接関係しないものについては説明を省略する。
【0011】
図2は図1に示すデータ管理装置100を実現するコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
CPU201は,OS(Operating System)及び各種アプリケーションプログラムを実行し,コンピュータ装置各部の制御を行う。ROM202は,CPU201が実行するプログラムや演算用のパラメータのうちの固定的なデータを格納する。RAM203は,CPU201の作業領域やデータの一時記憶領域を提供する。ROM202及びRAM203は,バス204を介してCPU201に接続される。キーボードなどの入力装置205,CRT,液晶ディスプレイなどの表示装置206,ハードディスク装置,MO,CD−ROM等の外部記憶装置207は,インタフェース208を介してバス204に接続されている。また,バス204は通信部209を介してネットワークと接続される。
【0013】
入力装置205が分類ルール入力部102に相当し、表示装置206がデータ表示部101に相当する。また、記憶装置108はROM202,RAM203,外部記憶装置207によって構成される。外部記憶装置207にはOSをはじめ、CPU201を分類ルール管理部103、分類実行部104、メタデータ管理部105、データ管理部107として機能させるためのデータ管理プログラムが記憶されている。
【0014】
図3は本実施形態のデータ管理装置が利用するデータタイプとメタデータ定義の例を示す図である。
【0015】
ここでは,(a)に示すように、データタイプとして,文書301,バインダ302,静止画303,動画304の4種類が登録されている。また,それぞれのデータタイプには(b)に示すメタデータが定義されている。本実施形態において、メタデータにはメタデータ名称とデータ型とが定義されるものとする。(c)に本実施形態で利用するメタデータのデータ型を示す。
【0016】
また,本実施形態のデータ管理装置は記憶装置108にリレーショナルデータベース(以下、「RDB」という。)を構成し,メタデータ定義はデータタイプ毎にRDBでテーブル定義されるものとする。(d)に,RDBのテーブル定義の例を示す。ここで,COMMON307は,各データタイプに共通のメタデータに対応するテーブル定義である。また、DOCUMENT308,BINDER309,PICTURE310,MOVIE311はそれぞれ、データタイプ毎のメタデータに対応するテーブル定義である。
【0017】
図4は本実施形態のデータ管理装置が利用する分類ルールを示す図である。
【0018】
本実施形態における分類ルールは,分類に使用するメタデータのデータ型と分類方法とを定義するものである。分類方法は,いくつのカテゴリに分類するかを示す分類数と,各カテゴリの分類条件を定義するものであり,ここではメタデータの値の一致条件によって定義するものとする。分類ルールには一意な識別子(分類ルールID)が割り振られる。例えば,401のルール1では,メタデータのデータ型には“日付型”を用い,一致条件(一致条件1:過去1日,一致条件2:過去1週間,一致条件3:過去1ヶ月,一致条件4:それ以外)に応じて4つのカテゴリに分類するルールを定義する。また、402に示されるルール2は,メタデータのデータ型には“文字列型”を用い,分類数を0としている。分類数に0を指定した場合は,一致条件は用いずにメタデータの値毎に分類される。さらに,同じメタデータのデータ型に対して複数の分類ルールを登録することができる。403の分類ルール3と404の分類ルール4はどちらも“文字列型”に対する分類ルールであるが,それぞれ、先頭1文字の一致条件を使って3分類する分類方法と11分類する分類方法を定義している。405の分類ルール5では、整数型のメタデータの分類ルールを定義している。
【0019】
このような分類ルールは、分類ルール記憶手段としての記憶装置108によって複数種類記憶される。
【0020】
図5は本実施形態のデータ管理装置で用いる分類セットの例を示す図である。
【0021】
分類セットは分類に使用するメタデータの名称とメタデータ毎に適用する分類ルールの識別情報との組を複数個定義するもので,本実施形態においては分類セットによってデータの分類方法が規定される。分類セットは、分類セット記憶手段としての記憶装置108によって記憶される。分類セットには分類に使用するメタデータを任意の数だけ登録することができる。分類セットには一意な識別子(分類セットID)が割り振られる。例えば,501の分類セット1では,分類に使用するメタデータには“サイズ”,“作成日時”,“データタイプ”の3つを用いる。そして、それぞれは、分類ルール2(図4の402),分類ルール1(図4の401),分類ルール5(図4の405)を適用して分類することが規定されている。また,分類セットには同じメタデータを重複して登録することができる。502の分類セット2では,分類に使用するメタデータとして“ファイル名”を用い,分類ルール3(図4の403)と分類ルール4(図4の404)を適用して分類することが規定されている。図6,図7に分類セット1,2を用いた分類結果の例を示す。分類セットを用いた実際の分類処理の詳細は後述する。
【0022】
続いて,図8,9,10のフローチャートを参照して,本実施形態における分類処理の手順を説明する。このフローチャートに対応するプログラムは外部記憶装置207が記憶するデータ管理プログラムに含まれ、電源投入時などの所定のイベントに応じてRAM203にロードされ、CPU201によって実行される。ここではユーザが分類セット1(図5の501)を指定した場合を例に説明する。
【0023】
まず,ユーザが入力装置205を介して分類セットを選択(ここでは分類セット1が選択される)すると、分類実行部104に,分類セットID(SET0001)を指定して分類の実行開始が指示される(S801)。分類実行部104は指定された分類セットIDを分類ルール管理部103に問い合わせて分類セット1を取得する(S802)。次に,取得した分類セット1に登録されている分類ルールID(RULE0005,RULE0001,RULE0002)を分類ルール管理部103に問い合わせて分類ルール5,1,2を取得し,これをメモリ(RAM203)に記憶する(S803)。
【0024】
続いて,複数のメタデータのそれぞれの観点からデータを分類し、ツリー構造のフォルダシステムを構成する。ツリーの作成では,まず分類セットに登録されているメタデータに対応した分類項目フォルダと,データ管理装置に登録されている全コンテンツのリスト(図6の604)をツリーの第1階層の要素として生成する(S804)。ここでは分類セット1に登録されている“サイズ”,“作成日時”,“データタイプ”に対応した分類項目フォルダ(601−603)がそれぞれ作成される。作成された各分類項目フォルダには対応するメタデータ名称と分類ルールIDが設定される(S805)。分類項目フォルダの表示名はこれらの情報を用いて上位のアプリケーションで決定されるものとする。図6の例ではメタデータ名称をそのままフォルダ名として表示している。
【0025】
次に,分類項目フォルダのサブフォルダとして分類フォルダを作成する手順(図9)に進む。分類フォルダは,分類項目フォルダに対応する分類ルールで指定されている一致条件に対応する。ここでは“サイズ”の分類項目フォルダ601を例に説明する。
【0026】
まず分類実行部104が生成した“サイズ”分類項目フォルダ601に設定されている分類ルールID(RULE0005)を取得し(S901),次にその分類ルールIDに対応する分類ルール5を、メモリ(RAM203)から取得する(S902)。続いて,分類ルール5に定義されている一致条件1−3(図4の405参照)にそれぞれ対応する分類フォルダ605−607を生成する(S903)。
【0027】
そして、親の分類項目フォルダ601に対応する分類ルールID(RULE0005)と分類フォルダ605−607にそれぞれ対応する一致条件番号1−3とを設定する(S904)。分類フォルダの表示名はこれらの情報を用いて上位のアプリケーションで決定されるものとする。図6の例では一致条件をそのままフォルダ名として表示している。
【0028】
処理は図10のフローに進み、生成した分類フォルダ605−607に分類されるデータを選択する。本実施形態においては、RDBを使用するとしたので,分類はSQLによるデータベース検索によって行うものとする。ここでは“サイズ”分類項目フォルダ601の下の分類フォルダ605−607を例に説明する。
【0029】
まず,分類実行部104が生成した分類フォルダに設定されている分類ルールID(RULE0005)と一致条件番号(1−3)を取得する(S1001)。次に、メモリ(RAM203)から分類ルール5を取得して登録されている一致条件(「〜1024」「1025−32768」「32769〜」)を取得する(S1002)。続いて,取得した一致条件からSQL文を生成する(S1003)。ここで,メタデータ“サイズ”はRDB上ではCOMMONテーブル307のSIZEカラムに対応するので(図3(d)参照),分類フォルダ605−607に分類されるデータを選択するためのSQL文は,それぞれ図11の(a)−(c)のようになる。SQL文を生成したら,これをメタデータ管理部105に渡してデータベース検索を実行する(S1004)。
【0030】
メタデータ管理部105は指定されたSQLに従って検索を行い,検索にヒットしたデータのメタデータを分類実行部104に返す。最後に,分類実行部104はメタデータ管理部105から取得したメタデータに基づいて,各分類フォルダの下に検索結果のデータ608を配置する(S1005)。
【0031】
以上によりデータの分類が行われる。続いて,分類フォルダのサブフォルダとして他の分類項目フォルダを配置する(S1006)。他の分類項目フォルダとは,選択された分類セットに従い生成されたツリーの第1階層に存在する分類項目フォルダのうち,注目分類フォルダの上位階層の分類項目フォルダを除いたものをいう。例えば分類フォルダ605について説明すると,その上位階層は“サイズ”分類項目フォルダ601であるから,残りの分類項目フォルダである“作成日時”分類項目フォルダ609と“データタイプ”分類項目フォルダ610をサブフォルダとして配置する。こうして,分類フォルダの下にデータと分類項目フォルダが配置される。
【0032】
これ以降,同様の手順に従って分類項目フォルダの下に分類フォルダを配置し,分類フォルダの下に分類されたデータと分類項目フォルダとを配置し,これを分類項目フォルダを生成していないメタデータがなくなるまで繰り返すことで分類ツリーが構成される。ここで,本実施形態において,分類フォルダに分類されるデータは,注目分類フォルダの上位階層に存在する分類フォルダに分類されているデータ集合に対し,当該分類フォルダに対応する一致条件を適用したものになる。すなわち,フォルダツリーの階層を下に辿ることで,分類セットに登録されている分類ルールの論理積が適用されることになる。この規則に従い,第2階層より下位の分類フォルダに分類するデータを選択する際に使用するSQL文は,上位階層の分類フォルダで使用したSQL文とのAND条件で検索を実行するものが生成される。
【0033】
この処理を、要約すると、次のようになる。まず、データを、複数のメタデータのそれぞれ(例えば、「サイズ」、「作成日時」、「データタイプ」のうちの「サイズ」)の観点から、それぞれの分類条件で複数のフォルダ(例えば605−607)に分類する。その後、それらの各フォルダ毎に、当該フォルダに対応するメタデータとは異なるメタデータ(例えば「作成日時」)の観点から当該フォルダ中のデータを更に複数のフォルダ(611−614)に分類する。これを、複数のメタデータの個数に応じて繰り返すことによりツリー構造のフォルダシステムを構成する。
【0034】
図12に,分類フォルダ611に適用されるSQL文の例を示す。分類フォルダ611は、分類セット1(図5の501)の第2メタデータ“作成日時”に適用される、分類ルール1(図4の401)の一致条件1(「過去1日」)に対応するフォルダである。これはRBD上ではCOMMONテーブル307のCREATE_DATEカラムに相当し(図3(d)参照),なおかつ分類フォルダ605の下位フォルダである。したがって,分類フォルダ605に分類されているデータ集合から,分類フォルダ611に適用される分類ルールに該当するデータを選択するようなSQL文を生成する。この例では,分類フォルダ605に対するSQLをサブクエリとして分類フォルダ611のSQLを生成した場合を示している。
【0035】
続いて,データの分類結果に基づいて分類項目フォルダと分類フォルダの再構成を行う。図15に、この再構成処理のフローチャートを示す。
【0036】
本実施形態においては,『いずれか1つの一致条件に合致するデータのみ存在する場合は分類項目フォルダと分類フォルダを生成しない』というルールに基づいて再構成を行う。これを,“サイズ”分類項目フォルダ601の下位に配置した“作成日時”分類項目フォルダ609を例に説明する。ここでは、以下の(1)かつ(2)の条件を満たすの場合を例に説明する。
(1)“作成日時”の分類に適用される分類ルール1の一致条件のうち,一致条件1(「過去1日」)についてのみ該当するデータが存在する。
(2)残りの一致条件2,3,4(「過去1週間」,「過去1ヶ月」「それ以外」)については(すなわち、例えば「過去1日」フォルダ611と同一階層の他のフォルダ612−614については)、該当するデータが0件である。(従ってこの場合,これらの下位フォルダに配置されるデータも0件である。)
【0037】
ステップS1501では、上記(1)かつ(2)の条件を満たすかどうかを判定し、この条件を満たす場合にステップS1502〜S1504の処理が実行される。
【0038】
図13は、上記(1)かつ(2)の条件を満たす場合における、分類結果の例を示す図である。この条件を満たす場合,図13のデータリスト1315及び1325はどちらもサイズが1024以下で,作成日時が過去1日に該当するデータしか含まれていないので,両方の分類結果を重複して保持することは無駄である。同様に,データリスト1320,1322,及び1327はいずれもサイズが1024以下で,作成日時が過去1日で,データタイプが文書のデータしか含まれていないので,やはり重複して結果を保持することは無駄である。
【0039】
そこで本実施形態では、これらの重複を削除するようにフォルダの再構成を行う。まず,“作成日時”分類項目フォルダ609の下位の分類フォルダ611−614及び,更に下位の構成要素1314−1320をすべて削除する(S1502)。次に,“作成日時”分類項目フォルダ609を削除する(S1503)。最後に、“作成日時”分類項目フォルダ609の親フォルダ605に,“作成日時”に対応する分類ルールID(RULE0001)と、分類されるデータが存在した分類フォルダ611に対応する一致条件番号(1)とを追加で設定する(S1504)。同様に,分類項目フォルダ1321以下の構成も削除する。
【0040】
図14に再構成後のフォルダツリーの構成を示す。分類フォルダ1405には分類ルール5の一致条件1と,分類ルール1の一致条件1が設定されている。同様に,分類フォルダ1423には分類ルール2と,分類ルール1の一致条件1とが設定されている(分類ルール2は定義により一致条件無し)。
【0041】
以上が分類処理に関する説明である。
【0042】
<実施形態2>
本実施形態の基本的な構成及び処理は実施形態1と同様であるが、画面構成が異なる。図16に本実施形態における表示画面の例を示す。画面上部に操作ボタンが並び,画面下部にデータの一覧が表示される。ここで、1601、1603、1604、1606はフォルダに対応する操作ボタンを表示するフォルダ表示部である。フォルダ表示部1601内の操作ボタンは図6の分類項目フォルダ601−603に対応する。データ一覧表示部1602はデータリスト604に対応する。分類閲覧ビュー1611におけるフォルダ表示部1603内の操作ボタンは分類フォルダ605−607に対応する。また,分類閲覧ビュー1612におけるフォルダ表示部1604内の操作ボタンは分類項目フォルダ609−610に対応し,データ一覧表示部1605はデータリスト608に対応する。また,分類閲覧ビュー1613におけるフォルダ表示部1606内の操作ボタンは分類フォルダ623,650−652に対応する。
【0043】
例えば、ユーザが分類閲覧ビュー1610でフォルダ表示部1601の“サイズ”ボタンを押下(選択操作)すると,分類項目フォルダ601を開く処理が行われ,分類フォルダ605−607が取得される。取得した分類フォルダをボタン表示した画面が分類閲覧ビュー1611となる。以下同様に,ユーザが操作ボタンを押下することで分類フォルダ及び分類項目フォルダを開きながら分類ツリーを辿る処理が行われる。以上のような画面構成を用いた実施形態も本発明の範疇に含まれる。
【0044】
<実施形態3>
以上の実施形態では,分類フォルダは1つのカテゴリにデータが分類される場合を除いて必ず生成することとしていたが,各分類フォルダに分類されるデータが存在しなかった場合は,個々に生成しないようにしてもよい。
【0045】
<実施形態4>
以上の実施形態では,分類ルールはメタデータのデータ型に対して定義されるものとしていたが,本発明はこれに限定されるものではなく,例えば個々のメタデータに対して分類ルールを定義するようにしてもよい。
【0046】
<実施形態5>
以上の実施形態では,分類項目フォルダと分類フォルダの再構成はフォルダツリーの生成後に行うものとしていたが,本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、分類フォルダの生成時に随時分類結果をチェックして,分類フォルダの生成可否を判断するようにしてもよい。
【0047】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0048】
なお、本発明は、前述した実施形態の各機能を実現するプログラムを、システム又は装置に直接又は遠隔から供給し、そのシステム又は装置に含まれるコンピュータがその供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0049】
したがって、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するために、そのコンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、上記機能・処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0050】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0051】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0052】
また、プログラムは、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードする形態も考えられる。つまり、本発明の機能・処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の構成要件となる場合がある。
【0053】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムをコンピュータにインストールしてもよい。
【0054】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現されてもよい。なお、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。もちろん、この場合も、前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0055】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。このようにして、前述した実施形態の機能が実現されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施形態に係るデータ管理システムのモジュール構成図である。
【図2】図1のデータ管理システムを実現するコンピュータ装置の構成図である。
【図3】実施形態におけるデータ管理システムで利用するメタデータ定義及びデータベースにおけるテーブル定義の説明図である。
【図4】実施形態におけるデータ管理システムで利用する分類ルールの説明図である。
【図5】実施形態におけるデータ管理システムで利用する分類セットの説明図である。
【図6】実施形態における分類セットを用いた分類結果の例を示す図である。
【図7】実施形態における分類セットを用いた分類結果の例を示す図である。
【図8】、
【図9】、
【図10】実施形態における分類処理を示すフローチャートである。
【図11】、
【図12】実施形態における分類ルールの一致条件を記述したSQL文の例を示す図である。
【図13】実施形態における分類ツリーの再構成処理を説明する図である。
【図14】実施形態における再構成処理後の分類ツリーの例を示す図である。
【図15】実施形態における分類ツリーの再構成処理を示すフローチャートである。
【図16】実施形態におけるデータ管理システムの分類閲覧ビューの例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
101 データ表示部
102 分類ルール入力部
103 分類ルール管理部
104 分類実行部
105 メタデータ管理部
106 メタデータ定義部
107 データ管理部
108 記憶装置
601 分類項目フォルダ
602 分類フォルダ
604 データリスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメタデータを利用してデータを管理するデータ管理装置であって、
データを、複数のメタデータのそれぞれの観点から、それぞれの分類条件で複数のフォルダに分類し、それらの各フォルダ毎に、当該フォルダに対応するメタデータとは異なるメタデータの観点から当該フォルダ中のデータを更に複数のフォルダに分類することを、前記複数のメタデータの個数に応じて繰り返すことによりツリー構造のフォルダシステムを構成する構成手段と、
構成された前記ツリー構造のフォルダシステムにおいて、1つのメタデータの観点からの分類結果が1つのフォルダに存在し、該フォルダと親フォルダを共通にする同一階層の他のフォルダには存在しない場合、当該親フォルダ及び該メタデータに基づく下位フォルダを削除することで前記フォルダシステムを再構成する再構成手段と、
前記再構成手段により再構成された前記フォルダシステムの一覧である分類閲覧ビューを表示する表示手段と、
とを有することを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記分類条件を定義する分類ルールを複数種類記憶する分類ルール記憶手段と、
前記構成手段による分類に使用するメタデータの名称と該メタデータに適用する分類ルールの識別情報との組を複数個定義する分類セットを記憶する分類セット記憶手段と、
ユーザにより指定された分類セットを前記分類セット記憶手段から取得する取得手段と、
を更に有し、
前記構成手段は、前記取得手段が取得した前記分類セットに基づいて、前記分類に使用する前記複数のメタデータ及び、各メタデータに適用する分類ルールを設定することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記再構成手段により下位フォルダが削除された親フォルダの情報として、削除された下位フォルダの情報を表示することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記構成手段は、設定した分類ルールからSQL文を生成し、該SQL文に従い前記分類を行うことを特徴とする請求項2に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記分類閲覧ビューは、フォルダに対応する操作ボタンを表示するフォルダ表示部と、ユーザにより選択操作された操作ボタンに対応するフォルダにおけるデータを一覧表示するデータ一覧表示部とを有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
複数のメタデータを利用してデータを管理するデータ管理装置におけるデータ管理方法であって、
構成手段が、データを、複数のメタデータのそれぞれの観点から、それぞれの分類条件で複数のフォルダに分類し、それらの各フォルダ毎に、当該フォルダに対応するメタデータとは異なるメタデータの観点から当該フォルダ中のデータを更に複数のフォルダに分類することを、前記複数のメタデータの個数に応じて繰り返すことによりツリー構造のフォルダシステムを構成する構成ステップと、
再構成手段が、構成された前記ツリー構造のフォルダシステムにおいて、1つのメタデータの観点からの分類結果が1つのフォルダに存在し、該フォルダと親フォルダを共通にする同一階層の他のフォルダには存在しない場合、当該親フォルダ及び該メタデータに基づく下位フォルダを削除することで前記フォルダシステムを再構成する再構成ステップと、
表示手段が、前記再構成ステップにより再構成された前記フォルダシステムの一覧である分類閲覧ビューを表示する表示ステップと、
とを有することを特徴とするデータ管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−310450(P2008−310450A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155725(P2007−155725)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】