説明

データ記録方法および装置、データ再生方法および装置、並びに記録媒体

【課題】再生互換性を保ちつつ、第1のデータ以外に第1のデータと関連する第2のデータをピットの変位として記録する。
【解決手段】20ビットのオーディオデータの上位16ビットの第1のデータと下位4ビットの第2のデータに分離される。第1のデータからEFM変調データ(図2A)が形成される。シリアルデータ列をNRZI変調したチャンネルデータ(図2B)の論理レベルに対応してレーザビームをオン/オフさせる。従って、第1のデータは、コンパクトディスクの場合と同様に記録される。各ピットが第2のデータに応じてトラックセンターに対して左右方向の変位を持つように制御され、変位されたピットが形成される(図2D)。ピットの変位によりデータを記録した場合、再生時に、トラッキングエラー信号の高周波成分が変化することになり、トラッキングエラー信号から第2のデータを取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスク例えばコンパクトディスクに適用して好適なデータ記録方法および装置、データ再生方法および装置、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしてコンパクトディスク(以下、CDと略す)が普及している。CDにおいては、オーディオデータを順次ブロック化して誤り訂正符号の符号化を行った後、EFM(Eight To Fourteen) 変調し、その変調結果がNRZI(Non Return to Zero Inverted) 変調により記録される。
【0003】
EFM変調の結果、チャンネルクロックの周期である基本周期Tに対して、この基本周期Tを単位とした3T〜11Tの9種類の長さによるピットおよびランドの繰り返しでもって、オーディオデータがディスク上に記録されている。CDの場合、3T〜11Tに対応して長さが約0.87〜3.18〔μm〕で、ピット幅が約0.5〔μm〕、深さが約0.1〔μm〕をピットが有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CDに記録されているオーディオデータは、サンプリング周波数が44.1〔kHz〕で、量子化ビット数が16ビットの2チャンネルデータである。しかしながら、高音質化、多チャンネル化の要請もある。この場合、既存のCDプレーヤによって再生できる再生互換性があることが必要とされる。また、高音質化、多チャンネル化に伴い、1枚のCDに記録できるオーディオプログラムの時間が短くなることは好ましくない。さらに、CDでは、著作権保護のためのコピー防止の技術が使用されてないために、不正なコピーが行われている現状がある。
【0005】
従って、この発明の目的は、記録できるプログラムの時間が短くなることがなく、再生互換性があり、より高音質化を図ることができ、また、著作権の保護を可能とし、さらに、CD等の光媒体の利用範囲を拡張することができるデータ記録方法および装置、データ再生方法および装置、並びに記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータをデータ記録媒体に記録するデータ記録装置であって、
ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータをデータ記録媒体に記録すると共に、変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、同期信号エリアに形成されるピットの少なくとも一部がトラックセンターに配置されるデータ記録装置である。
【0007】
また、第2の発明は、所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータをデータ記録媒体に記録するデータ記録方法であって、
ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータをデータ記録媒体に記録すると共に、変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、同期信号エリアに形成されるピットの少なくとも一部がトラックセンターに配置されるデータ記録方法である。
【0008】
また、第3の発明は、所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体を再生するデータ再生装置であって、
第1のデータを再生する第1の再生手段と、
データ記録媒体にピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位に基づき、第2のデータを再生する第2の再生手段と
を備え、
データ記録媒体には、第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットがトラックセンターに配置されているデータ再生装置である。
【0009】
また、第4の発明は、所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体を再生するデータ再生方法であって、
第1のデータを再生する第1の再生ステップと、
データ記録媒体にピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位に基づき、第2のデータを再生する第2の再生ステップと
を備え、
データ記録媒体には、第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットがトラックセンターに配置されているデータ再生方法である。
【0010】
また、第5の発明は、所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体であって、
ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータが記録されると共に、変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットがトラックセンターに配置されるデータ記録媒体である。
【0011】
この発明では、ピットとランドにより第1のデータを記録できると共に、ピットの変位として第2のデータを記録することができる。従って、第2のデータを使用して第1のデータとして記録されている音楽データの高品質化を図ることができ、また、第1のデータの著作権を保護するために第2のデータを使用することができる。第2のデータを記録することによって、第1のデータの記録量が減少することがない。さらに、第1のデータは、既存のプレーヤによって再生することができ、再生互換性を持つものとできる。
【発明の効果】
【0012】
この発明では、ピットとランドにより第1のデータを記録できると共に、ピットの変位として第2のデータを記録することができる。従って、第2のデータを使用して第1のデータとして記録されている音楽データの高品質化を図ることができ、また、第1のデータの著作権を保護するために第2のデータを使用することができる。第2のデータを記録することによって、一つの媒体上に記録できる第1のデータのデータ量が減少することがない。さらに、ピットの変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされているので、第1のデータを既存のプレーヤが再生することができ、再生互換性を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明による記録装置の一実施形態のブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態におけるデータの記録処理の説明に用いる略線図である。
【図3】この発明による再生装置の一実施形態のブロック図である。
【図4】再生装置に設けられたピックアップの一例の説明に用いる略線図である。
【図5】この発明を適用できるコンパクトディスクのデータ構成の説明に用いる略線図である。
【図6】この発明の一実施形態におけるピットの変位の一例の説明に用いる略線図である。
【図7】この発明に使用できる第2のデータの変調処理の一例を説明するための略線図である。
【図8】この発明に使用できる多値記録の処理を説明するための略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。この一実施形態は、CDに対してこの発明を適用した例である。図1において1は、CDの製造に使用する光ディスク記録装置を示す。一実施形態では、光ディスク記録装置1により露光されたディスク原盤2を現像した後、電鋳処理することによってマザーディスクが作成される。さらに、このマザーディスクを用いてCDが製造される。
【0015】
露光処理されるディスク原盤2は、例えば平坦なガラス基板に感光剤(レジスト)を塗布して形成される。スピンドルモータ3は、スピンドルサーボ回路4の制御によりディスク原盤2を回転駆動する。スピンドルモータ3は、底部に設けられたFG信号発生器により所定の回転角毎に信号レベルが立ち上がるFG信号FGを出力する。スピンドルサーボ回路4は、FG信号が所定周波数となるように、スピンドルモータ3を駆動し、それによってディスク原盤2を線速度一定(CLV)で駆動する。
【0016】
このようにして露光処理されるディスク原盤2は、例えば平坦なガラス基板に感光剤(レジスト)を塗布して形成される。スピンドルモータ3は、スピンドルサーボ回路4の制御によりこのディスク原盤2を回転駆動する。このときスピンドルモータ3は、底部に設けられたFG信号発生器により所定の回転角毎に信号レベルが立ち上がるFG信号FGを出力する。スピンドルサーボ回路4は、このFG信号FGが所定周波数になるようにスピンドルモータ3を駆動し、これによりディスク原盤2を線速度一定の条件により回転駆動する。
【0017】
記録用レーザ5は、ガスレーザ等により構成され、所定光量のレーザビームを照射する。光変調器6は、電気音響光学素子等により構成され、記録用レーザ5から入射するレーザビームLを駆動信号S3に応じてオン/オフするようになされる。光変調器6からのレーザ光がミラー8に入射される。
【0018】
ミラー8は、レーザビームLの行路を折り曲げ、ディスク原盤2に向けて射出する。対物レンズ9は、このミラー8の反射光をディスク原盤2の記録面に集光する。ミラー8は、駆動回路7からの駆動信号S4によってトラック方向と交差する方向における変位が制御される。すなわち、生成されるピットがデータの記録方向に対してそれぞれ左右の一方に変位したものとされる。この変位量は、再生時に再生用のレーザビームがオフトラックしない範囲、言い換えると、変位しているピットを読み取ることが可能な所定量以内とされる。
【0019】
ミラー8および対物レンズ9は、図示しないスレッド機構により、ディスク原盤2の回転に周期してディスク原盤2の半径方向に順次移動するようになされている。これにより光ディスク記録装置1は、レーザビームLの集光位置をディスク原盤2の外周方向に順次変位させ、ディスク原盤2上にラセン状にトラックを形成する。このトラック上に、変調信号S3に応じたピット列であって、トラックセンターからの変位が駆動回路7からの変調信号S4によって変調されたピット列が形成される。
【0020】
なお、ミラー8以外にピットを記録方向に対して左右に変位したものとするために光偏向器を使用できる。例えばAOD(Acousto Optic Deflector),EOD(Electro Optic Deflector) によって、記録レーザビームを偏向することができる。
【0021】
所定の音楽源より出力されるオーディオ信号SAがアナログディジタル変換回路(A/D)10に供給される。A/D変換回路10は、オーディオ信号SAをアナログディジタル変換し、サンプリング周波数44.1〔kHz〕、20ビットパラレルのオーディオデータDAを出力する。
【0022】
ビット操作部11は、この20ビットパラレルのオーディオデータDAを上位側16ビットのオーディオデータD2Uと、下位側4ビットのオーディオデータD2Lに分解して出力する。これによりビット操作部11は、オーディオデータDAから従来のコンパクトディスクと同等の音質によるオーディオデータD2Uを分解すると共に、この分離したオーディオデータD2Uに付加してオーディオデータD2Uの音質を向上させることが可能な品質向上のデータD2Lを生成する。
【0023】
データ処理回路12は、コンパクトディスクのリードインエリアに記録するTOC(Table of Contents) のデータを入力し、このTOCのデータをコンパクトディスクについて規定されたフォーマットに従って処理する。これによりデータ処理回路12は、ピット列に対応するチャンネルデータを生成して出力する。
【0024】
このようにして記録するTOCのデータは、品質向上のデータD2Lが記録されていることを示すディスク識別データID、マザーディスクより作成されるオリジナルのコンパクトディスクであることを示すコピー識別データICとが割り当てられるようになされている。これにより一実施形態では、再生時、このディスク識別データIDの検出結果に基づいて、上位16ビットと下位4ビットに分離して処理されたオーディオデータDAを再生できるようになされている。またコピー識別データICに基づいて、オリジナルのコンパクトディスクかコピーされたコンパクトディスクかを判定できるようになされている。
【0025】
また、データ処理回路12は、同様にして、ビット操作部11より出力される上位16ビットのオーディオデータD2Uをコンパクトディスクについて規定されたフォーマットに従って処理し、ピット列に対応するチャンネルデータD3を生成して出力する。
【0026】
すなわち、データ処理回路12は、オーディオデータD2Uに誤り訂正符号等を付加した後、インターリーブ処理し、その処理結果をEFM変調する。このEFM変調において、データ処理回路12は、オーディオデータD2Uの各バイトから基本周期Tの14倍の周期による14チャンネルビットを生成し、これら14チャンネルビットのデータを3チャンネルビットによる接続ビットで接続する。
【0027】
図2Aは、EFM変調データの一部を示す。データ処理回路12は、このシリアルデータ列をNRZI変調してチャンネルデータD3を生成する(図2B)。通常のコンパクトディスクの場合では、図2Cに示すように、チャンネルデータD3に応じてレーザビームLがオンオフ制御されて、ピット幅0.5〔μm〕のピット列が形成される。上述したように、一実施形態では、レーザビームがミラー8により偏向され、各ピットがトラックセンターに対して左または右に変位するようになされる。
【0028】
データ処理回路12は、この上位側16ビットのオ−ディオデータD2Uの処理単位に対応した処理により、下位側4ビットのオーディオデータD2Lに誤り訂正符号を付加すると共にインターリーブ処理した後、シリアルデータ列に変換する。このときのデータ処理回路12は、8ビット単位の単位パリティを2系列かけて誤り訂正符号を付加する。すなわち、データ処理回路12は、上位側のオーディオデータD2Uの処理に対応して、オーディオデータD2Lを8ビット単位でまとめて6個のデータ(48ビット)によるブロックを形成し、各ブロックに4ビットによる1個のパリティを付加する。さらに、データ処理回路12は、これら6個のデータ(48ビット)と1個のパリティ(8ビット)とによる1のブロックをインターリーブ処理した後、8ビットのパリティを付加する。
【0029】
データ処理回路12は、このようにして生成したビット列をシリアルデータ列に変換する。さらに、データ処理回路12は、チャンネルデータD3の論理レベルがピットに対応する論理レベルに対してシリアルデータの各ビットを順次割り当ててなる変位制御データD4を生成して出力する。より具体的には、下位4ビットデータを処理して得られたデータの各ビットの論理0または論理1が各ピットの変位に割り当てられる。
【0030】
駆動回路13は、このようにしてデータ処理回路12により出力されるチャンネルデータD3を受け、このチャンネルデータD3の論理レベルに対応してレーザビームをオン/オフさせる駆動信号S3を生成する。従って、オーディオデータDAを構成する20ビットのデータのうち、上位側16ビットについては、通常のコンパクトディスクプレーヤで再生して正しく再生できるようにディスク原盤2に記録される。
【0031】
駆動回路7は、ディスク上に形成される各ピットが変位制御データD4に応じてトラックセンターに対して左右方向の変位を持つように、駆動信号S4を生成する。従って、ディスク上には、図2Dに示すように、通常のコンパクトディスクと同様に上位16ビットのデータに対応するピットが変位制御データD4に応じて変位されたピットが形成される。変位制御データD4は、下位4ビットのデータに対応するものである。このように、一実施形態においては、品質向上のデータD2Lをピットのトラックセンターからの変位によって記録するようになされる。
【0032】
ピットのトラックセンターからの変位により変位制御データD4を記録した場合、後述するように、変位制御データD4に応じてトラッキングエラー信号RFDが変化することになる。従って、トラッキングエラー信号RFDから変位制御データD4を取り出すことができる。一実施形態では、図2Dに示すように、従来のコンパクトディスクプレーヤによって上位16ビットのオーディオデータを再生できるように、変位幅を±50〔nm〕に選定している。
【0033】
一実施形態では、1サンプルを構成する20ビットが上位16ビットと下位4ビットに分割され、上位16ビットがピットおよびランドとして記録され、下位4ビットがピットの変位として記録される。このように記録方式が異なるので、両方のデータの同期関係を保つことが必要とされる。例えばコンパクトディスクの信号フォーマットでは、1フレームに含まれるデータのワード数(シンボル数)が固定であるので、1フレーム内に含まれる16ビットデータに対応する4ビットデータを同一フレーム内に記録するようになされる。この方法は、一方法であって、同期関係を実現するための方法としては他の方法を使用できる。さらに、後述するように、ピットの変位として記録するデータの種類によっては、同期関係を必ずしも必要としない。
【0034】
以下、この図1の光ディスク記録装置1により製造されるコンパクトディスクを従来からのコンパクトディスクと区別して示す場合にはExCDディスクと呼ぶことにする。Exディスクの場合、最内周側にリートインエリアを有し、最外周側にリードアウトエリアを有する点は、既存のコンパクトディスクと同様である。
【0035】
図3は、コンパクトディスクプレーヤを示すブロック図である。図3において、20が全体としてコンパクトディスクプレーヤを示し、コンパクトディスクプレーヤ20は、従来のコンパクトディスク、ExCDディスクを再生することが可能とされている。21がコンパクトディスクを示し、コンパクトディスク21がスピンドルモータ22により線速度一定の条件により回転駆動される。
【0036】
コンパクトディスク21は、光ピックアップ23により読み取られ、光ピックアップ23の出力信号がRF回路24に供給される。光ピックアップ23は、内蔵の半導体レーザよりコンパクトディスク21にレーザビームを照射し、その戻り光を所定の受光素子により受光する。RF回路24は、光ピックアップ23の出力信号の増幅と信号の演算を行い、再生信号RFとトラッキングエラー信号RFDとを出力する。
【0037】
光ピックアップ23およびRF回路24は、一例として図4に示す構成とされている。図4におい、82が4分割ディテクタである。ディテクタ82は、トラック方向と、トラック方向と直交する方向とで分割された4個の受光素子A〜Dを有する。受光素子A〜Dのそれぞれの検出信号SA〜SDがRF回路24内の演算回路で演算される。加算回路83によって、SA+SB+SC+SDにより再生信号RFが形成される。また、加算回路84および85と減算回路86によって、(SA+SB)−(SC+SD)の演算がなされ、その結果、トラッキングエラー信号RFDが形成される。再生信号RFは、コンパクトディスク21に形成されたピットおよびランドに応じて信号レベルが変化し、さらにトラッキングエラー信号RFDの高周波成分がコンパクトディスク21に形成されたピットの変位方向に応じて変化することになる。
【0038】
トラッキングエラーを検出するための構成としては、図4に示す構成以外に種々のものを使用することができる。例えば3個のビームスポットを使用する3ビーム法、2分割ディテクタを使用するプッシュプル法、4分割ディテクタの対角線方向の受光出力の差をRF信号のエッジでサンプリングするヘテロダイン法等を使用することができる。
【0039】
トラッキングエラー信号RFDがトラッキングサーボ回路(図示しない)に供給され、コンパクトディスク21上の読み取りレーザビームのスポットがトラックセンターを通るようになされる。Exディスクの場合では、ピットがトラックセンターに対して変位されており、その変位に対応してトラッキングエラー信号RFDのレベルが変化する。この変化は、高周波分であり、トラッキングサーボ回路が殆ど応答しない周波数成分である。トラッキングサーボ回路は、ディスク製造時、あるいはディスク装着時に発生する偏心によるオフトラックを補正する機能を有し、比較的低い周波数成分のトラッキングエラーを補正するように構成されているのが普通である。従って、Exディスクの場合でも、ピットの変位によっては影響を受けず、読み取りレーザビームのスポットがトラックセンターを通るようになされ、その場合に、変位量が±0.05〔μm〕に抑えられているので、変位されたピットを読み取ることができる。
【0040】
図3に戻って説明すると、RF回路24からの再生信号RFがEFM(eight to fourteen) 復調回路26に供給され、トラッキングエラー信号RFDが選択回路25およびハイパスフィルタ28を介して2値復調回路30に供給される。ハイパスフィルタ28は、トラッキングエラー信号RFD中のピット変位を表す高周波成分を取り出すために設けられている。選択回路25は、コンパクトディスク21がExCDディスクであることがディスク判別部27により検出されると、このディスク判別部27の制御によりRF回路24からのトラッキングエラー信号RFDをハイパスフィルタ28へ出力する。
【0041】
上述したように、ExCDディスクの場合には、ディスク識別データID、マザーディスクより作成されるオリジナルのコンパクトディスクであることを示すコピー識別データICとがTOCに記録されている。CIRC(Cross Interleaved Reed Solomon Code) デコーダ29は、コンパクトディスク21が装填された直後においては、再生信号RFを処理することにより、コンパクトディスク21のリードインエリアに記録されたTOC情報を再生してシステムコントローラ(ディスク判別部27)に出力する。従って、ディスク判別部27は、このディスク識別データIDの検出結果に基づいて、コンパクトディスク21がExディスクと判別すると、選択回路25をオンとする。
【0042】
EFM復調回路26は、RF回路24から出力される再生信号RFをEFM復調する。CIRCデコーダ29は、このEFM復調回路26の出力データをデスクランブル処理すると共に、記録時に付加した誤り訂正符号により誤り訂正処理し、これによりオーディオデータD6Uを再生して出力する。このように、コンパクトディスク21が既存のコンパクトディスクとExCDディスクの何れであっても、既存のコンパクトディスクプレーヤにおける信号処理の場合と同様に、ピットの有無に対応する再生信号RFから16ビット/サンプルのオーディオデータD6Uが出力される。
【0043】
選択回路25がオンする時にトラッキングエラー信号RFDの高周波成分が2値復調回路30に供給される。2値変調回路30は、トラッキングエラー信号RFDの高周波成分のレベル変化をしきい値との比較処理によって弁別し、これにより品質向上データについての2値の再生データを出力する。
【0044】
ECCデコーダ31は、この2値復調回路30より出力される再生データを誤り訂正処理すると共に、デインターリーブ処理し、これにより4ビットの品質向上データD6Lを再生して出力する。なお、ECCデコーダ31は、コンパクトディスク21が既存ディスクの場合、後述するミキサー35において排他的論理和によりオーディオデータD6Uを処理する場合、この4ビットの品質向上データD6Lに代えて(0000)の4ビットデータを出力する。また、ミキサー35において乗算によりオーディオデータD6Uを処理する場合、所定の乱数データによる4ビットのデータ列を順次出力する。
【0045】
マルチプレクサ(MUX)33は、CIRCデコーダ29より出力される16ビットパラレルのオーディオデータの下位側に、ECCデコーダ31より出力される4ビットパラレルによる品質向上データD6Lを付加し、20ビットパラレルのオーディオデータDAExを出力する。これによりマルチプレクサ33は、コンパクトディスク21がExCDディスクの場合、高音質、すなわち、20ビット/サンプルのオーディオデータDAExを出力するようになされている。
【0046】
これに対してミキサー(MIX)35は、CIRCデコーダ29より出力される16ビットパラレルのオーディオデータD6Uの下位4ビットに、ECCデコーダ31より出力される品質向上データD6Lの各ビットを排他的論理和で加える。これによりミキサー35は、CIRCデコーダ29より出力されるオーディオデータの音質を劣化させてなるオーディオデータDBを出力するようになされている。なお、上述したECCデコーダ31から乱数によるデータを出力する場合に、ミキサー35は、オーディオデータの下位4ビットをこの乱数データにより乗算処理し、これにより音質を劣化させてなるオーディオデータDBを出力するようになされている。
【0047】
ディスク判別部27は、システムコントローラにより構成される。ここでシステムコントローラは、コンパクトディスク21が装填されると、光ピックアップ23をシークさせ、コンパクトディスク21のリードインエリアのTOC情報からコンパクトディスク21に記録された曲数、演算時間等の情報を取得し、所定の表示手段により表示する。このときシステムコントローラは、併せてコンパクトディスク21のディスク識別データIDを取得し、このディスク識別データIDに従ってコンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクかExCDディスクかを判定する。ディスク判別部27は、この判別結果に基づいて選択回路25および36を切り換え制御する。
【0048】
すなわち、コンパクトディスク21がExCDディスクの場合、選択回路25がオンし、選択回路36がマルチプレクサ33の出力を選択する。従って、選択回路36からは、高音質のオーディオデータDAExが出力される。一方、選択回路36は、コンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクの場合、CIRCデコーダ29より出力されるオーディオデータD6Uをディジタルアナログ変換回路(D/A)37に選択的に出力する。
【0049】
D/A変換回路37は、この選択回路36より出力されるオーディオデータをディジタルアナログ変換処理し、アナログ信号によるオーディオ信号SAを出力する。これによりコンパクトディスクプレーヤ20においては、アナログ信号による再生音質においては、従来からのコンパクトディスクの場合、CIRCデコーダ29より出力されるオーディオデータD6Uを処理して従来と同様の16ビット相当の音質(CD音質として示す)により再生できる。一方、ExCDディスクの場合、マルチプレクサ33より出力されるオーディオデータDAExを選択的に処理して、20ビット相当の高音質(ExCD音質)により再生できるようになされている。
【0050】
図3において、38は、インターフェースを示す。インターフェース38は、外部機器等との間で種々のデータを送受する入出力回路を構成し、例えばオーディオレコーダにオーディオデータを出力し、また、オーディオデータに関連する各種のデータを送受する。インターフェース38を介して外部機器判別部39が接続されている。外部機器判別部39は、外部機器との間で認証を行い、接続された外部機器が正規の機器(データのコピー、または移動が許される機器)であるか否かが決定される。
【0051】
外部機器判別部39の判別結果に応じて選択回路40が制御される。認証の結果、正規の機器が接続されていると判断される時には、選択回路36からのディジタルオーディオデータがインターフェース38を介して外部の機器に対して出力される。一方、正規の機器ではないと判断すると、選択回路40がミキサー35からの音質の悪いディジタルオーディオデータを外部の機器に対して出力する。このように、著作権の保護が図られている。
【0052】
なお、ExディスクのTOCとして記録されているコピー識別データICによって、オリジナルでない、すなわち、Exディスクからコピーされたデータであるとディスク判別部27が判断した時に、選択回路25および36を制御し、通常のコンパクトディスクと同様の16ビット/サンプルのデータを出力するようにしても良い。
【0053】
また、ピットの変位として記録されているデータを再生し、コンパクトディスクの再生データとは独立して出力する構成としても良い。
【0054】
上述した一実施形態においては、図2を参照して説明したように、変位制御データD4の各ビットの論理0("0" )および論理1("1" )にそれぞれ対応してピットの変位を記録方向(トラック方向)に対して、左および右にそれぞれ変位させている。つまり、ピットとランドの繰り返して記録される16ビットのオーディオデータを第1のデータとし、変位制御データD4(下位4ビットのデータ)を第2のデータと称すると、第2のデータの各1ビットが各ピットの変位により記録されている。
【0055】
以下、ピットの変位によりデータを記録する点について、より具体的に説明し、さらに、上述したものと異なる例について説明する。図5は、コンパクトディスクのデータフォーマットを示す。コンパクトディスクでは、2チャンネルのディジタルオーディオデータ合計12サンプル(24シンボル)から各4シンボルのパリティQおよびパリティPが形成される。この合計32シンボルに対してサブコードの1シンボルを加えた33シンボル(264データビット)をひとかたまりとして扱う。つまり、EFM変調後の1フレーム内に、サブコードと、データD1〜D24と、パリティQ1〜Q4と、パリティP1〜P4とからなる33シンボルが含まれるようにする。
【0056】
EFM変調では、各シンボル(8データビット)が14チャンネルビットへ変換される。また、各14チャンネルビットの間には、3ビットの接続ビットが配される。さらに、フレームの先頭にフレームシンクパターンが付加される。フレームシンクパターンは、チャンネルビットの周期をTとする時に、11T、11Tおよび2Tが連続するパターンとされている。このようなパターンは、EFM変調規則では、生じることがないもので、特異なパターンによってフレームシンクを検出可能としている。
【0057】
また、EFM変調においては、"0" または"1" が連続する長さが3T〜11Tの間でTの整数倍に規定されている。これは、"0" または"1" が長い期間連続することによって、再生時のクロックの再生が困難となることを防止するためである。EFM変調に限らず、他のディジタル変調例えば8ビットを16チャンネルビットのパターンに変換する8−16変調においても同様の目的を達成しようとするものである。言い換えると、ディジタル変調は、記録/再生データの最小反転間隔がなるべく大きく、また、最大反転間隔がなるべく長くするように、データを変換するものである。従って、ピットの変位として第2のデータを記録する時に、ディジタル変調方式に応じて、平均的に記録できるデータ量が規定されることになる。例えばEFM変調の場合では、データの2バイト(接続ビットを含んで34T)に対して、平均的に3ピット前後が入る。従って、第2のデータを2値で直接記録する場合には、データの2バイトに対して3ビットを記録することができる。後述する3値記録を行えば、4.5ビットを記録することができる。
【0058】
このように、最大反転間隔(最大ピット長)が11Tとされているので、再生ビームスポットの読み取り位置がトラックセンターからずれた位置となることをある程度防止することができる。しかしながら、第2のデータのビットパターンによっては、トラックセンターに対する変位が一方向に偏るおそれがあり、それによって、再生時のトラッキングがオフセットを持つ問題が生じる。この問題を避けるために、1フレーム内にトラックセンター上に位置するピットを意識的に配置する。
【0059】
図6の例では、斜線を付して示すように、1フレームの先頭エリア(フレームシンクパターンおよびサブコード)、並びに1フレームのほぼ中間のエリア(データQ4およびD13)に配置されるピットは、トラックセンター上に形成する。これらのトラックセンター上のピットによって、再生時のトラッキングがオフセットを持つことを防止できる。なお、1フレームの先頭エリアおよび中間のエリアの一方にトラックセンター上のピットを配置するようにしても良く、複数のピットではなく、一つのピットをトラックセンター上に配置しても良い。
【0060】
また、トラッキングがオフセットを持つことを防止するために、第2のデータを直接記録するのではなく、変調して記録することが有効である。変調方式としては、8ビットを9ビットに変換する8−9変換、8ビットを10ビットに変換する8−10変換等種々のものを使用できる。変調を行うことによって、上述したように、トラックセンター上にピットを配置する必要性をなくすことも可能である。
【0061】
図7は、4−5変換の例を示す。図7Aに示すように、ピットの変位の方向に応じて"0" および"1" がそれぞれ割り当てられる。そして、図7Bに示す変換規則のテーブルに従って、データワード(データシンボル)の4ビットをコードワード(コードシンボル)の5ビットへ変換する。各コードワードには、2ビットの"0" (または"1" )と3ビットの"1" (または"0" )が含まれ、コードワード毎では、"0" または"1" が4個以上連続しないようになされる。
【0062】
さらに、図7Bに示す4−5変換は、コードワードの端部では、"0" または"1" が2個以下とされ、2個のコードワードの接続点において、"0" または"1" の連続数が4個以下となるようにされている。このように、4−5変換した第2のデータによって、ピットの変位を変調することによって、トラッキングがオフセットを持つことを防止することができる。よりさらに、図7Bに示す4−5変換は、コードワードの5ビットの排他的論理和を演算すると、奇数パリティとなるようなビットパターンとされ、それによってエラー検出能力を持つものとされている。
【0063】
次に、図8を参照してピットの変位として、記録(再生)方向に対して左右の変位に加えて変位0(すなわち、トラックセンター上のピット)を使用する多値記録について説明する。記録方向に連続する2ピット(ピット長が等しいとは限らない)の変位に対して、第2のデータの3ビットを割り当てる。記録方向が図面に向かって左から右の方向とすると、例えばトラックセンターに対して右の変位を持つピットと、左の変位を持つピットの2ピットに対しては、010の3ビットを割り当てる。
【0064】
図8の最も下側に示すようなトラックセンター上に位置する2つのピットは、通常使用しない特別なピットとして使用する。すなわち、この2個のピットに対しては、000または111の3ビットを割り当て、適宜、通常、000に対して割り当てる2個のピット(共に右の変位を持つ)、または通常、111に対して割り当てる2個のピット(共に左の変位を持つ)の代わりのものとして使用する。若し、第2のデータの000または111が連続する時には、トラッキングのオフセットが生じるので、その場合には、特別な2個のピットを使用するようになされる。特別な2個のピットが000および111の何れであるかは、その前後の2個のピットで表される3ビットによって規定される。図8に示すように、多値記録を行うことによって、所定量の第1のデータに対して記録可能な第2のデータのデータ量を多くすることが可能である。
【0065】
次に、ピットの変位として記録される第2のデータの種類等について説明する。上述した例においては、第2のデータが下位4ビットデータに対応しており、オーディオデータの1サンプル当たりのビット数を20ビットへ拡張することにより音質向上が図られている。音質向上のための第2のデータの他の例として、多チャンネル化のためのオーディオデータがある。コンパクトディスクのデータが2チャンネルであるのに対して、さらに、複数のチャンネルのデータを第2のデータとして記録するものである。例えばセンターの低域成分のデータを記録したり、後方の左右のチャンネルのデータを記録したりできる。この場合、第2のデータとして記録できるデータ量が少ないので、予め圧縮処理(AP3、ATRAC等)を施したオーディオデータを記録するようにしても良い。圧縮処理によっては、第1のデータと同一のオーディオデータを第2のデータとして記録し、再生装置から独立して再生された第2のデータを他のデータ記録媒体例えばメモリカードに記録することもできる。
【0066】
また、第2のデータとして、第1のデータと関連する文字データを記録することができる。例えば曲名、歌手、歌詞等を記録できる。また、レコード会社、アーティストのホームページ等のURL(Uniform Resource Locator)を記録しても良い。第2のデータとして、静止画データ例えばジャケット写真、アーティストの写真等を記録しても良い。画像データの場合も、圧縮処理でデータ量を低減することが望ましい。第2のデータとして、カラオケデータ(すなわち、第1のデータとして記録されている曲の伴奏)を記録しても良い。
【0067】
さらに、第2のデータとして、第1のデータを変換および/または制御するためのデータを記録しても良い。例えば第1のデータの著作権を保護するための著作権データを記録するようにしても良い。すなわち、第1のデータとしてのオーディオデータの著作権を保護するために、暗号化されている場合に、暗号化を復号するための鍵データを第2のデータとして記録する。また、第2のデータとして、SCMS(Serial Copy Management System) と称されるコピー制御情報を記録しても良い。SCMSは、コピーの禁止/許可、コピーの世代等に関する情報である。
【0068】
さらに、ディジタル著作物(画像、音楽等)の不正なコピーを防止する技術として電子透かしが提案されている。これは、ディジタル著作物にID情報(著作権者のID番号、レコード会社のID番号、音楽ソフト利用者のID番号等)、コピー制御情報、暗号化を復号する鍵等を透かし情報として埋め込む方法である。埋め込まれたID情報、コピー制御情報、鍵等は、データ圧縮等の処理を行っても失われることがない。従って、透かし情報として埋め込まれたこれらの情報を使用して不正なコピーかどうかを判断したり、コピーの制御を行ったり、暗号化を復号する等の処理が可能となる。
【0069】
上述したこの発明における第2のデータが埋め込まれたID情報等を検出または制御するための鍵データとして使用することができる。すなわち、鍵データは、ID情報の埋め込んでいる場所、埋め込んでいる方法等を示すものである。鍵データ自身を暗号化して保護するようにしても良い。また、透かし情報の一部を第2のデータによって生成するようにしても良い。
【0070】
以上の実施形態では、コンパクトディスクと、そこに記録された音楽データに対してこの発明を適用した場合である。しかしながら、この発明は、コンパクトディスク以外の光ディスクに対しても適用できる。例えばCDーROM、DVD(Digital Versatile Disc またはDigital Video Disc) に対してもこの発明を適用できる。DVDの場合では、8−16変調がEFM変調に代えて使用される。また、光ディスクに限らず、光カードに対してもこの発明を適用することができる。さらに、音楽データに限らず、CDーROM等に記録されたゲームソフト、ナビゲーションソフト、コンピュータソフト等の著作権保護を図るためにこの発明を適用しても良い。
【符号の説明】
【0071】
2・・・ディスク原盤、8・・・ミラー、21・・・ディスク、23・・・ピックアップ、24・・・RF回路、26・・・EFM変調の復調回路、27・・・ディスク判別部、28・・・ハイパスフィルタ、29・・・CIRCデコーダ、30・・・2値復調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータをデータ記録媒体に記録するデータ記録装置であって、
上記ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータを上記データ記録媒体に記録すると共に、上記変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
上記第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、該同期信号エリアに形成されるピットの少なくとも一部が上記トラックセンターに配置されるデータ記録装置。
【請求項2】
上記第1のデータの同期信号エリアに形成されるピットの位置を基準として、上記ピットが上記変位した位置に配置される請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
トラッキングが上記トラックセンターからのオフセットを持つことを防止するように、上記第2のデータが変調されている請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータをデータ記録媒体に記録するデータ記録方法であって、
上記ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータを上記データ記録媒体に記録すると共に、上記変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
上記第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、該同期信号エリアに形成されるピットの少なくとも一部が上記トラックセンターに配置されるデータ記録方法。
【請求項5】
所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体を再生するデータ再生装置であって、
上記第1のデータを再生する第1の再生手段と、
上記データ記録媒体に上記ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位に基づき、第2のデータを再生する第2の再生手段と
を備え、
上記データ記録媒体には、上記第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、該同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットが上記トラックセンターに配置されているデータ再生装置。
【請求項6】
上記第1のデータの同期信号エリアに形成されるピットの位置を基準として、上記ピットが上記変位した位置に配置される請求項5に記載のデータ再生装置。
【請求項7】
トラッキングが上記トラックセンターからのオフセットを持つことを防止するように、上記第2のデータが変調されている請求項5に記載のデータ再生装置。
【請求項8】
所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体を再生するデータ再生方法であって、
上記第1のデータを再生する第1の再生ステップと、
上記データ記録媒体に上記ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位に基づき、第2のデータを再生する第2の再生ステップと
を備え、
上記データ記録媒体には、上記第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、該同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットが上記トラックセンターに配置されているデータ再生方法。
【請求項9】
所定の基本周期に対応する長さの整数倍の長さにより、順次ピットおよびランドを繰り返して第1のデータが記録されたデータ記録媒体であって、
上記ピットのトラック方向と交差する方向におけるトラックセンターからの変位により、第2のデータが記録されると共に、上記変位がオフトラックしない範囲の所定量以内とされ、
上記第1のデータの同期信号エリアが所定間隔ごとに形成され、該同期信号エリアに形成される少なくとも一部のピットが上記トラックセンターに配置されるデータ記録媒体。
【請求項10】
上記第1のデータの同期信号エリアに形成されるピットの位置を基準として、上記ピットが上記変位した位置に配置される請求項9に記載のデータ記録媒体。
【請求項11】
トラッキングが上記トラックセンターからのオフセットを持つことを防止するように、上記第2のデータが変調されて記録されている請求項9に記載のデータ記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−193664(P2009−193664A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132464(P2009−132464)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【分割の表示】特願平11−238444の分割
【原出願日】平成11年8月25日(1999.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】