説明

データ記録装置、データ記録プログラムおよび記録媒体

【課題】映像が記録された記録データを複数の記録媒体に分割してコピーする際、視聴者が注目したいタイミングを避けて分割する位置を決定するデータ記録装置の提供を目的とする。
【解決手段】コピー先の記録媒体の残容量を元にコピー対象の記録データの分割候補点を決定する。次にズーム・パン・チルト操作の有無、合焦状態、映像ビットレート、音量からなる映像音声変化情報を分割候補点前後の記録データから取得する。その後、映像音声変化情報を元に、分割候補点およびその前後の区間にてズームやパン・チルト操作が行われていないかといった、分割可否判断処理を行う。もし分割が可能であれば、分割候補点を分割点とし、記録データのコピーを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録媒体に対して読み書きが可能な、映像音声データの記録を主とするデータ記録装置に係り、特にある記録媒体内の映像音声データを別の記録媒体にコピーする際、コピー先の記録媒体の残容量がコピーしたい映像音声データのサイズよりも小さい場合、コピーしたい映像音声データを分割しコピーするようにしたデータ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型の撮像機器はカセットに巻き込まれた磁気テープに映像信号および音声信号を記録していたが、近年、磁気テープに代わる記録媒体を用いる撮像機器が市場で大きなシェアを持つに至っている。
【0003】
磁気テープに代わる記録媒体を用いる撮像機器のひとつとして、ディスク状記録媒体に動画データを記録する撮像機器が存在する。ディスク状記録媒体とは、例えばレーザ光を用いて信号を記録および再生することのできる光情報記録媒体であり、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどが挙げられる。
【0004】
また、記録媒体としてSD(Secure Digital)カードをはじめとする小型の半導体素子メモリや、小型のHDDを採用している撮像機器も存在する。これらの記録媒体は年々大容量化が進んでおり、光情報記録媒体に比べて長時間の記録が可能であるという特長から、市場に広まりつつある。
【0005】
しかし、半導体素子メモリやHDDといった大容量記録媒体は現在、最終的な保存メディアには適していない。なぜなら、半導体素子メモリは光情報記録媒体と比較して高価であり、また再生環境もPCや一部のレコーダーに限定されるからである。HDDに至っては、撮像機器内から取り出すことができないため、必ず別の記録媒体に記録データをコピーする必要がある。
【0006】
こうした状況から、大容量記録媒体を備える撮像機器は、撮影した記録データを別の記録媒体にコピーする機能を備えている。コピー先の記録媒体としては、再生環境が普及している光情報記録媒体が一般的である。
【0007】
コピーまたは移動する記録データのサイズが、コピー先の記録媒体の容量よりも大きい場合、コピーを行うことができない。例えば、半導体素子メモリであるSDカードの規格上の最大容量は32GBであり、12cmDVD−Rの容量は4.7GBである。そのため、容量の大きい媒体から容量の小さい媒体へと記録データをコピーする際、例えば特許文献1のように、記録データを自動的に分割するものがある。
【0008】
図10は特許文献1に記載されている従来の記録再生装置において、HDDからDVDにデータをコピーする動作を説明するフローチャートである。図10において、コピー開始が指示されると、ステップS1にてDVDが保有している残容量情報を読み込む。続くステップS2では、コピー元のHDDのデータ量と、コピー先のDVD側の残容量を比較する。もし、コピー対象のHDDのデータ量がDVDの残容量より小さければ、ステップS3に分岐し、コピー対象のHDDのデータをDVDに書き込む。ステップS2にて、コピー対象のHDDのデータ量がDVDの残容量より大きいと判定された場合、ステップS4に進み、コピー対象のHDDのデータをDVDの残容量に入るサイズに分割して読み出し、DVDに書き込む。そして、ステップS5にて分割位置を示す分割情報をHDD内のコピー元データに書き込む。その後、続きのデータをコピーするか、あるいは始めからデータをコピーしなおすかがユーザによって選択される(ステップS6)。続きをコピーするよう選択された場合、ステップS5にてHDDに書き込まれた分割情報を参照し、HDD側のデータを全てコピーしたかどうかが判定される(ステップS7)。まだ全てのデータがコピーされていなかった場合、ステップS8に進み、別のDVDを装着するようユーザに促す指示を出す。別のDVDが装着されると、ステップS1に戻って再びステップS2からS8のフローを繰り返し、複数枚のDVDへの分割コピーを実施する。ステップS6にて、もし始めからデータをコピーする場合、ステップS9に進み、ステップS5にて作成した分割情報を参照することなく、コピー対象のHDDのデータの先頭からコピーが実施される。
【0009】
なお、特許文献1においてはコピー先の記録媒体の残容量に基づき記録データの分割を行うが、ゲイン、ホワイトバランス、被写体距離、ズーム、パン情報といった、記録データの撮影時の状態を示す情報に基づき、複数のシーンを階層化された構造に自動的に分割整理する方法も知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−182864号公報
【特許文献2】特開2004−336381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来例である特許文献1記載の発明では、記録データのコピー先の記録媒体の残容量のみに着目して記録データを分割するため、視聴者が注目したいタイミングで記録データが分割されてしまうという課題があった。例えば、野球の試合を撮影した記録データにおいて、打者がホームランを打った瞬間で記録データが分割されてしまうなど、一続きで視聴したいはずの重要なシーンが別々の記録媒体に分断される可能性がある。また、従来例である特許文献2記載の発明を適用して得られた記録データの整理結果に基づいて記録データをコピーする場合も、どの階層の区切りで記録データをコピーすれば、重要なシーンが分割されずにコピーされるか、自動的に判断することができない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明のデータ記録装置は、第1の記録媒体への映像音声情報の書き込みおよび読み出しを行う第1の記録媒体アクセス手段と、第2の記録媒体への映像音声情報の書き込みおよび読み出しを行う第2の記録媒体アクセス手段と、前記第2の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第2の記録媒体の残容量を読み込む残容量検出手段と、前記第1の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第1の記録媒体上の映像音声情報の映像乃至音声の変化をあらわす、映像音声変化情報を前記第1の記録媒体上から読み出し、前記映像音声変化情報を用いて、前記第2の記録媒体の残容量に収まるサイズに前記映像音声情報を分割する映像音声情報分割手段と、前記分割した映像音声情報を前記第2の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第2の記録媒体に書込む書き込み手段と、
を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のデータ記録装置によれば、視聴者が注目して視聴したい重要なシーンが複数の記録媒体にまたがらないように自動的に記録データを分割・コピーするため、視聴者にとって望ましい形で記録データを保存することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明を、半導体素子メモリを記録媒体とするビデオカメラに適用した実施の形態におけるブロック図である。同図において、破線で囲まれた範囲がビデオカメラ100を表す。
【0015】
光学系102は、被写体像を固体撮像素子105上に結像させるための光学系であり、合焦状態調節のために光軸に沿って移動するフォーカスレンズおよび被写体の光学的な像を変倍するため光軸に沿って移動するズームレンズといった複数枚のレンズから構成される。
【0016】
固体撮像素子105は、光学系102により結像された被写体象を電気信号(映像信号)に変換する撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などが用いられる。
【0017】
A/D変換107は、固体撮像素子105からのアナログ映像信号をデジタル映像データに変換する。また、映像信号処理手段110は、A/D変換107を通して得られたデジタル映像データに対しゲイン調整、ノイズ除去、ガンマ補正、アパーチャ処理、ニー処理等の周知の映像信号処理を施す。各種周知の映像信号処理が施されたデジタル映像データは、バッファメモリ112に格納される。
【0018】
マイク115は音声を電気信号(アナログ音声信号)に変換する音声入力手段であり、マイク115で得られたアナログ音声信号はA/D変換117を通してデジタル音声データに変換され、続く音声信号処理手段120において不要なノイズや風切り音の除去等の周知の音声信号処理が施された後、デジタル映像データと同様にバッファメモリ112に格納される。
【0019】
CODEC125は、記録時にはバッファメモリ112に蓄積されたデジタル映像データおよびデジタル音声データを圧縮および多重化し、再生時にはバッファメモリ112に蓄積された記録データを逆多重化および伸張するための手段である。記録時、デジタル映像データは、CODEC125において不可逆圧縮処理が施されるが、その際、VBR(Variable Bit Rate)方式が用いられる。すなわち、動きや色の大きな変化が見られる場合はより多くのビットを割り当てることで映像の劣化を軽減し、動きや色の大きな変化が見られない場合は少ないビットを割り当て、圧縮後のデータ量を抑制する。また、CODEC125は、多重化処理を行う際、デジタル映像データおよびデジタル音声データに加えて、少なくともGOP(Group Of Pictures)ごとに任意の情報を多重化することができる。なお、通常1GOPは15フレームから構成される。
【0020】
加速度検出手段130は、例えばジャイロセンサであり、少なくともX方向とY方向の回転加速度を検出することができる。検出された回転加速度はシステム制御手段140に入力され、X方向の回転加速度からビデオカメラ100のパン操作の方向と速度に、Y方向の回転加速度から、ビデオカメラ100のチルト操作の方向と速度に変換される。
【0021】
光学系制御手段145は、システム制御手段140からの指示に従い光学系102のレンズを移動させることでズーム制御およびフォーカス制御を実現する。ズーム制御は操作手段150から得られるズーム指示情報に従い光学系102のズームレンズを移動させることで実現する。本実施例においては最高ズーム倍率は10倍とする。フォーカス制御は、バッファメモリ112に蓄積されたデジタル映像データに対して、例えばコントラスト検出法といった既知の手段によって合焦状態を判定し、光学系102のフォーカスレンズを移動させることで実現する。
【0022】
操作手段150はビデオカメラ100を操作するための各種ボタン・レバー類であり、撮影を行う撮影モード、あるいは撮影した映像データの再生を行う再生モードへとモードを移行させるモード切替ボタンや、ズームを行うズームレバー、電源のON/OFFを行う電源ボタン、撮影の開始・停止を行う撮影ボタン、メニューを表示するメニューボタン、上下左右および奥への押下が可能な方向ボタン、および決定ボタン等からなる。ズームレバーは例えば左右にスライド可能な形状を有しており、レバーをスライドさせた方向と、スライド量を取得することができる。ビデオカメラ使用者から見て左方向へのズームレバーのスライドはワイド側(ズームアウト:広角)への倍率変更を示し、右方向へのズームレバーのスライドはテレ側(ズームイン:拡大)への倍率変更を示す。システム制御手段140は操作手段150のズームレバーの状態を取得し、光学系制御手段145に対して光学系102のズームレンズを移動させる指示を出すことで、映像の倍率が変更される。
【0023】
表示手段160は、典型的にはD/A変換と小型の液晶パネルを備えた表示手段であり、システム制御手段140からの指示に従い、バッファメモリ112に蓄積されたデジタル映像データに各種操作アイコンや文字列データといったOSD表示を重畳して得られる出力映像データを、D/A変換を通して液晶パネルに入力し、可視画像として表示する。
【0024】
カードI/F手段170はソケット172を介して電気的に接続された記録媒体175に対して読み書きを行う手段である。記録媒体175は半導体素子メモリ、例えばSD(Secure Digital)カードといったランダムアクセス可能な記録媒体である。
【0025】
通信I/F手段180は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠した通信I/F手段であり、コネクタ182を通して接続される外部ドライブ185とのデータの送受信を実現する。外部ドライブ185は、読み書き可能な光学ドライブ装置であり、記録媒体175に記録されたデータをDVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、BD−R、BD−RWなどに代表される、レーザ光を用いてデータを記録および再生することのできる光情報記録媒体にダビングする際、あるいは光情報記録媒体にダビングしたデータを再生表示する際に使用される。通常の撮影時や撮影したデータの再生時は、外部ドライブ185はビデオカメラ100に接続されない。
【0026】
システム制御手段140は、CPUやプログラム実行用のRAMおよびプログラムが記録されたROMやなどからなり、操作手段150を通して得られるユーザの操作情報の処理、加速度検出手段130からの情報を元にしたパン・チルト操作の有無およびその量の検出、光学系制御手段145への指示、表示手段160に表示するための表示データの生成、CODEC125におけるデジタル映像データおよびデジタル音声データの圧縮・伸張処理の実行、停止、およびバッファメモリ112とカードI/F手段170間のデータ転送、並びに通信I/F手段180による外部ドライブ185に対するデータ読み込みおよび書き込み処理などを統合的に制御する。
【0027】
以上のような構成を備えるビデオカメラ100の記録時の動作の概要について説明する。ユーザが操作手段150に備えられたモード切替ボタンにより撮影モードに切り替えると、まず、光学系102によって受光した被写体像が固体撮像素子105上に結像し、電気信号に変換される。その後、A/D変換107によってデジタル映像データに変換され、映像信号処理手段110にてゲイン調整、ノイズ除去、ガンマ補正、アパーチャ処理、ニー処理等の周知の映像信号処理が施される。映像信号処理手段110から出力されるデジタル映像データは、バッファメモリ112に格納される。
【0028】
バッファメモリ112内のデジタル映像データは、記録媒体の残容量、バッテリーの残量といったOSD表示が重畳され、表示手段160に表示される。
【0029】
ここで、ユーザが操作手段150に備えられた録画ボタンを押下すると、ビデオカメラ100は記録を開始する。
【0030】
光学系102からの映像の入力と平行して、マイク115は外界の音声をアナログ音声信号に変換し、A/D変換117に入力する。アナログ音声信号はA/D変換117にてデジタル音声データに変換され、続く音声信号処理手段120にて周知の音声信号処理が施された後、デジタル映像データと同様にバッファメモリ112に格納される。
【0031】
バッファメモリ112に格納されたデジタル映像データおよびデジタル音声データは、CODEC125によって圧縮されるとともに、後述する映像音声変化情報と多重化され、記録データとなる。記録データは、カードI/F手段170を通して、記録媒体175に書き込まれる。
【0032】
なお、記録時、操作手段150をなすズームレバーの操作に応じて、システム制御手段140は光学系制御手段145に対して光学系102の制御を指示する。光学系制御手段145はシステム制御手段140からの指示に基づき、光学系102のズームレンズを移動させ、ユーザの操作に応じた映像の倍率変更を実現する。更に、システム制御手段140はバッファメモリ112に蓄積されたデジタル映像データを解析し合焦状態を判定する。フォーカスが合っていないと判断された場合、光学系制御手段145に対して、フォーカスの調整を指示する。光学系制御手段145は、システム制御手段140からの指示に基づき、光学系102のフォーカスレンズを移動させ、合焦状態を調節する。
【0033】
記録中、表示手段160には記録中の映像に、記録時間、記録媒体の残容量、バッテリーの残量といったOSD表示が重畳され表示される。
【0034】
CODEC125での圧縮・多重化処理、および記録データの記録媒体への書き込み処理は、操作手段150の撮影ボタンが再び押下されるか、記録媒体175の残容量がなくなるまで続けられる。
【0035】
圧縮されたデジタル映像データおよびデジタル音声データと多重化される、映像音声変化情報について説明する。映像音声変化情報は、ズーム倍率情報、パン方向情報、パン速度情報、チルト方向情報、チルト速度情報、フォーカス情報、映像ビットレート情報、および音量情報からなる。ズーム倍率情報は、1バイトの符号なし整数にて表現され、1から100までの整数値を取る。1の場合はワイド端を、100の場合はテレ端(光学10倍ズーム)を表すものとする。すなわち、1倍から10倍までのズーム倍率を0.1刻みで表現した値を10倍した値がズーム倍率情報である。パン方向情報は0から2までの値を取る2ビットの情報であり、0の場合はパン操作が行われていないことを、1の場合は右方向へのパン操作が行われていることを、2の場合は左方向へのパン操作が行われていることを示す。パン速度情報は、パン操作の速さを表す2ビットの値であり、0から2までの値を取る。値が大きいほどパン操作が速く行われていることを示す。チルト方向情報は0から2までの値を取る2ビットの情報であり、0の場合はチルト操作が行われていないことを、1の場合は上方向へのチルト操作が行われていることを、2の場合は下方向へのチルト操作が行われていることを示す。チルト速度情報は、チルト操作の速さを表す2ビットの情報であり、0から2までの値を取る。値が大きいほどチルト操作が速く行われていることを示す。
【0036】
フォーカス情報は、被写体にフォーカスが合っているかどうかを表す1ビットの値であり、0の場合は被写体にフォーカスが合っていないことを、1の場合は被写体にフォーカスが合っていることを示す。映像ビットレート情報は、CODEC125において、デジタル映像データをどれだけのビットレートで圧縮したかを示す値であり、Mbpsの値を10倍し、1バイトの符号なし整数値で表すものとする。例えば値が123だった場合、12.3Mbpsで圧縮されていることを示す。音量情報は、マイク115から入力される音の大きさを示す情報であり、8ビットの符号なし整数値で0から255までの値を取る。
【0037】
以上の情報をまとめて映像音声変化情報とし、CODEC125での多重化処理の際、GOPごとに記録データに挿入する。
【0038】
本実施例におけるVBR記録のビットレートの変化の例を図2に示す。図2は、時間の経過をX軸に、その時点におけるビットレート値をY軸に示した図である。時刻0〜t1までの区間は、映像に動きがあまりなく、ビットレートが安定している。被写体が大きく動く、あるいはビデオカメラをパンまたはチルトするなどして、時刻t1において映像が大きく変化した場合、ビットレートが現在設定されている記録モードにおける最大ビットレート付近まで上昇する(t1〜t2)。映像が大きく変化している間、ビットレートは高い値を維持するが(t2〜t3)、映像の変化量が小さくなると、時間軸方向での前後の映像の相関関係が高くなるため、ビットレートを抑えても高品質の映像を得ることができるので、ビットレートが下がっていく(t3〜t4)。t4以降は、映像の変化が小さいため、ビットレートが一定値近辺で安定する。なお、0〜t1までの間と、t4以降の間でビットレートの平均値が異なるのは、入力映像の複雑さに応じてビットレートの平均値が定まるためである。
【0039】
次に、外部ドライブ185の内部構成について説明する。図3は、外部ドライブ185の内部構成を示すブロック図である。図3において、記録媒体310はレーザ光を用いてデータを記録および再生することのできる光情報記録媒体であり、データの読み込みまたは書き込み時は外部ドライブ185内に挿入される。
【0040】
R/W手段320はバッファメモリ330に蓄積されたデータを記録媒体310に書き込む書き込み動作と、記録媒体310からデータを読み込みバッファメモリ330に格納する読み込み動作とを実現する。
【0041】
通信I/F手段340はコネクタ350を介してビデオカメラ100とバッファメモリ330との間のデータの送受信を制御する。なお、通信I/F手段340は、ビデオカメラ100が備える通信I/F手段180と同一の規格に準じているものとする。
【0042】
システム制御手段360はCPUやプログラム実行用のRAMおよびプログラムが記録されたROMなどからなり、外部ドライブ185内の各種処理を統合的に制御する。
【0043】
以上のような構成を備える外部ドライブ185において、記録媒体310への書き込み動作の概要について説明する。まず、ビデオカメラ100がコネクタ350を介して外部ドライブ185に接続されたことを通信I/F手段340が検知すると、システム制御手段360に通知を行う。システム制御手段360は、通信I/F手段340を介して、転送能力や送受信に使用するプロトコルなどの情報をビデオカメラ100と交換し、ビデオカメラ100との通信を確立する。通信確立後、システム制御手段360は、ビデオカメラ100からの要望に応じて、記録媒体310がセットされているかどうか、記録媒体310がセットされていた場合、その残容量はいくらかといった記録媒体310に関する情報を通信I/F手段340を通してビデオカメラ100に送信する。
【0044】
ビデオカメラ100から記録媒体310に書き込むデータが送られてくると、通信I/F手段340を介して一旦バッファメモリ330にデータが蓄積される。バッファメモリ330内のデータは、R/W手段320を通して記録媒体310に書き込まれる。記録中、バッファメモリ330のデータがなくなった場合や、ビデオカメラ100から送られてくるデータ量に対して、記録媒体310への書き込みが追いつかず、バッファメモリ330があふれてしまった場合、システム制御手段360はエラーと判断し、書き込み処理を中断し、エラーが発生したことをビデオカメラ100に通知する。エラーが発生せず、ビデオカメラ100から送られてきたデータをすべて記録媒体310に書き終えることができた場合、書き込みが完了したことをビデオカメラ100に通知する。
【0045】
次に、ビデオカメラ100に外部ドライブ185を接続し、記録媒体175のデータを外部ドライブ185にセットされた記録媒体310にダビングする際の動作について説明する。
【0046】
操作手段150のモード切替ボタンにて再生モードを選択した後、操作手段150のメニューボタンにてメニューを表示させ、ダビングメニューを選択すると、図4に示すようなダビング方法選択画面が表示手段160に表示される。図4において、カーソル410はダビング方法を選択する選択枠であり、操作手段150に備えた方向ボタンにより上下に移動させることができる。ダビング方法としては、記録媒体175に記録されているすべての記録データをダビングする「すべて」と、特定の日付の記録データ群をダビングする「日付」と、ユーザが指定した任意の記録データ群をダビングする「えらぶ」の3つのうち、ひとつが選択可能である。
【0047】
図4において「日付」を選択した場合、続けて図5に示す画面が表示手段160に表示される。図5は、いつの記録データをダビング対象とするかをユーザが選択する日付選択画面である。図5において、サムネイル画像510は、日付ごとに分類された記録データの代表画像であり、ある日付の記録データ群のうち、一番早い時刻に記録された記録データの先頭Iフレームの縮小画像が表示される。
【0048】
カーソル520はダビング対象を選択する選択枠であり、操作手段150に備えた方向ボタンにより上下左右に移動させることができる。画面の上端で更に上ボタンを押下したとき、表示されている記録データよりも前に記録されたデータが記録媒体175に存在した場合、画面が更新され、過去の記録データが画面に表示される。画面の下端で更に下ボタンを押下したとき、表示されている記録データよりも後に記録されたデータが記録媒体175に存在した場合、画面が更新され、後に記録された記録データが画面に表示される。記録媒体175内の記録データ全体のうち、どのあたりのデータを表示しているかは、スクロールバー530と、バー540の高さでおおよそ知ることができる。本日付選択画面にて、ユーザはいつの日付の記録データ群をダビングするかを決定する。
【0049】
また、図4において「えらぶ」を選択した場合、続けて図6に示す画面が表示手段160に表示される。図6は、ダビング対象の記録データをユーザが任意に選択する任意選択画面である。図6において、サムネイル画像610は、記録データの代表画像であり、記録データの先頭Iフレームの縮小画像が表示される。図5に示した日付選択画面においては、ひとつのサムネイルはある日に記録された記録データ群を示していたが、本画面においては、ひとつのサムネイルはひとつの記録データに対応している。チェックボックス620は、ユーザがダビング対象にすると決定した記録データを表すマークである。操作手段150に備えられた方向ボタンを奥に押下すると、カーソル520にて選択されている記録データのサムネイル画像にチェックボックスが表示される。チェックボックスは複数の記録データに設定することが可能である。
【0050】
その他、カーソル520、スクロールバー530およびバー540の機能は、図5に示した日付選択画面と同様である。
【0051】
以上説明したようにしてダビング対象の記録データをユーザが選択すると、ダビング処理を開始する。なお、この時点でシステム制御手段140は外部ドライブ185が接続されているかどうかを確認し、もし未接続の場合、表示手段160に外部ドライブ185の接続をうながすメッセージを表示させ、外部ドライブ185が接続されるまでダビングを開始しない。
【0052】
外部ドライブ185が接続されていると、システム制御手段140は、通信I/F手段180を介して外部ドライブ185より記録媒体310の残容量を取得する。記録媒体310の残容量がダビング対象の記録データ群の総データ量よりも大きい場合、1枚の記録媒体にダビング対象の記録データ群がすべて収まるため、ただちに記録媒体310への書き込みを開始する。記録媒体175からカードI/F手段170を介して読み出された記録データは、バッファメモリ112に一旦蓄積された後、通信I/F手段180を介して外部ドライブ185に送られる。外部ドライブ185では、既に説明した手順で記録媒体310にビデオカメラ100から受信した記録データを書き込む。
【0053】
記録媒体310の残容量がダビング対象の記録データ群の総データ量よりも小さい場合、ダビング対象の記録データ群をダビング先の記録媒体の残容量に収まるように区切り、複数の記録媒体に分割して書き込みを実施する。ダビング対象の記録データの分割位置検出処理を図7のフローチャートに示す。図7のステップS710にて、まず初期分割点候補を求める。初期分割点候補とは、ダビング先の記録媒体になるべく多くのデータが収まるよう考慮した分割点のことである。続くステップS720では、分割点候補がシーンの最後かどうかの判定を行う。ダビング対象が複数のシーンから構成される場合、シーンとシーンの間は時間的に非連続であるため、シーンの途中をダビングの分割点とするよりも、シーンの区切りをダビングの分割点とする方が好ましい。よって、分割点候補がシーンの切れ目であった場合、ステップS730に進み、現在の分割点候補を分割点に決定する。分割点候補がシーンの切れ目でなかった場合、ステップS740に進み、現在の分割点候補およびその前後の位置の映像音声変化情報を取得する。本実施例では現在の分割点候補の前後20GOP分の映像音声変化情報を取得するものとする。映像音声変化情報取得の後、ステップS750にて、ステップS740にて取得した映像音声変化情報を元に、ダビング対象の記録データの分割可否判断を行う。本ステップの詳細については後述する。続くステップS760において、前ステップS750において得られた分割可否判断結果に基づき、処理を分岐させる。もし分割可否判断結果が『分割条件を満たす』という結果であった場合、ステップS730に進み、現在の分割点候補を分割点と決定し、処理を終了する。もし、ステップS760において分割可否判断結果が『分割条件を満たさない』という結果であった場合、ステップS770に進む。ステップS770では分割点の探索範囲を超えていないかどうかのチェックがなされる。本実施例では、初期分割点候補より60GOPまで遡り、分割点を探索するものとする。現在の分割点の候補が分割条件を満たさない場合、ステップS780に進み、ひとつ前のGOPが次の分割点候補として選出され、本分割点候補を対象に、再びステップS720より上記説明した一連の処理が実施される。もし、ステップS770にてすでに分割点の探索範囲の限界に達した、すなわち、初期分割点候補から60GOP分遡っても分割条件を満たす分割点が見つからなかった場合、適切な分割点は見つからなかったと判断し、ステップS790に進み、ステップS710で求めた初期分割点を分割点とする。
【0054】
以上説明したような処理を実施することで求められた分割点をダビング対象の記録データの分割点とし、ダビング先の記録媒体へデータのコピーを行う。
【0055】
コピー完了後、ダビング対象の記録データがまだすべてコピーされていない場合、外部ドライブ185に新しい記録媒体をセットするようユーザに促すメッセージを、メッセージ表示手段160に表示する。新しい記録媒体が外部ドライブ185にセットされると、外部ドライブ185のシステム制御手段360はビデオカメラ100に新しい記録媒体がセットされたことを通知する。ビデオカメラ100のシステム制御手段140は、外部ドライブ185からの前記通知を受けて、前回の分割点をコピー開始位置とし、前述したダビング処理を再度実施する。
【0056】
ダビング対象の記録データがすべてコピーされた場合、システム制御手段140はダビングが終了した旨を表示手段160に表示し、ダビング処理を終了する。
【0057】
図7におけるステップS750での分割可否判断について図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、以下の処理は、図7のステップS740にて取得した分割候補点およびその前後20GOPにおける映像音声変化情報群(以下単に映像音声変化情報群と記載する)を対象に実施するものとする。
【0058】
まず、図8のステップS810においてズーム中かどうかの判定を実施する。具体的には、映像音声変化情報のひとつであるズーム倍率情報が映像音声変化情報群においてすべて同値であった場合、ズーム中でないと判断する。もし異なる値がひとつでもあれば、映像音声変化情報群が多重化された記録データ区間内でズーム動作がなされていると判断できるので、ステップS815に進み、分割条件を満たさないと判断し処理を終える。ズーム中でなければステップS820に進む。ステップS820では、パン操作中かどうかの判定を行う。具体的には、映像音声変化情報のひとつであるパン方向情報が0であるかどうかをチェックする。映像音声変化情報群においてすべてのパン方向情報が0であった場合、パン中でないと判断しステップS830に進む。もし0でないパン方向情報が映像音声変化情報群に存在した場合は映像音声変化情報群が多重化された記録データ区間内でパン操作が実施されているものと判断できるので、ステップS815に進み、分割条件を満たさないと判断し処理を終える。ステップS830では、チルト中かどうかの判定を行う。具体的には、映像音声変化情報のひとつであるチルト方向情報が0であるかどうかをチェックする。映像音声変化情報群においてすべてのチルト方向情報が0であった場合、チルト中でないと判断しステップS840に進む。もし0でないチルト方向情報が映像音声変化情報群に存在した場合は映像音声変化情報群が多重化された記録データ区間内でチルト操作が実施されているものと判断できるので、ステップS815に進み、分割条件を満たさないと判断し処理を終える。ステップS840では、フォーカスが合っているかどうかの判定を行う。具体的には、映像音声変化情報のひとつであるフォーカス情報が1であるかどうかをチェックする。映像音声変化情報群においてすべてのフォーカス情報が1であった場合、フォーカスが合っていると判断しステップS850に進む。もし1でないフォーカス情報が映像音声変化情報群に存在した場合は映像音声変化情報群が多重化された記録データ区間内でフォーカスが合っていない、すなわち、被写体が動いている等の可能性が考えられるため、ステップS815に進み、分割条件を満たさないと判断し処理を終える。ステップS850では、映像ビットレートが閾値以上かどうかの判定を行う。具体的には、映像音声変化情報のひとつである映像ビットレート情報があらかじめ定められた値、例えば、(最大ビットレート−1Mbps)よりも低いかどうかのチェックを行う。本チェックにより、図2におけるt2〜t3区間のような、映像の動きが激しい、すなわち映像の変化が大きい区間かどうかを判断することができる。(最大ビットレート−1Mbps)を超えるビットレート値が映像音声変化情報群に存在した場合、分割点として適切でないと判断する。更に、下記式を用いて、図2におけるt1〜t2区間のような、動きの少ない映像から動きの大きな映像に移りはじめた区間、すなわち、ビットレートが増加している区間でないかどうかを判定する。
【0059】
【数1】

【0060】
ここで、Bとは映像音声変化情報群におけるi番目の映像音声変化情報のビットレート値を表す。nは映像音声変化情報の個数を示し、αは映像の変化が大きいと判断するビットレートの変化量を示している。これらふたつの判定を満たせばステップS860に進み、そうでなければステップS815に進む。ステップS860では、音量の変化が閾値以下かどうかのチェックを行う。音量についてもビットレートと同様のふたつの判定を実施する。ひとつ目は、音量があらかじめ定められた値、例えば250よりも低いかどうかのチェックを行う。更に、下記式を用いて、音量が増加している区間でないかどうかを判定する。
【0061】
【数2】

【0062】
ここで、Vとは映像音声変化情報群におけるi番目の映像音声変化情報の音量を表す。nは映像音声変化情報の個数を示し、βは音量の変化が大きいと判断する閾値を示している。ステップS860におけるふたつの判定を満たせばステップS870に進み、そうでなければステップS815に進む。ステップS870に進むと、現在の分割候補点が分割条件を満たすと判断して処理を終え、すでに説明したように、図7においてステップS760、ステップS730と処理が実行され、分割候補点において分割を行うことが決定される。
【0063】
なお、記録データのコピーの際には、ダビング先の記録媒体に、FF(早送り)、REW(巻き戻し)といった特殊再生を可能にするための映像インデックス情報や、DVDのトップメニューといった、記録データに付随する情報も一緒に書き込まれる。ダビング先の記録媒体の残容量と、ダビング対象のデータのサイズを比較する際には、これらの記録データに付随する情報のサイズも考慮して比較がなされるものとする。
【0064】
以上説明した処理によって、ダビング対象の記録データ群が区切られる様子を図9に示す。図9は、例として、ダビング対象の記録データが3つの分割映像データに区切られる様子を示している。ダビング対象の記録データの映像音声変化情報はそれぞれ、図上部の”ズーム”、”パン”、”チルト”、”フォーカス”、”映像ビットレート”、”音量”と書かれた線分で示している。ズーム情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、ズーム中であること、すなわち、図8におけるステップS810においてズーム中であると判定される区間であることを示す。パン情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、パン中であること、すなわち、図8におけるステップS820においてパン中であると判定される区間であることを示す。チルト情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、チルト中であること、すなわち、図8におけるステップS830においてチルト中であると判定される区間であることを示す。フォーカス情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、合焦中であること、すなわち、図8におけるステップS840においてフォーカスが合っていないと判定される区間であることを示す。映像ビットレート情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、図8におけるステップS850において映像ビットレートが閾値以下であると判定される区間であることを示す。音量情報を示す線分において、太い線分で示されている区間は、図8におけるステップS860において音量の変化が閾値以上であると判定される区間であることを示す。つまり、図9において太い線分で表されている区間は、図7におけるステップS750で示される分割可否確認処理において、分割条件を満たさないと判断される区間である。
【0065】
ダビング開始時、まずダビング先の記録媒体の残容量を元に、初期分割点が決められる(初期分割点1)。この初期分割点を基準として、図7に示した分割点探索処理を実施し、分割可能と判定できる位置を探す。図9においては、初期分割点1は、ズームやパンが行われており分割可能な位置ではない。そこで、記録データの先頭方向に遡り、分割可能な位置を探す。図8にフローチャートで示した分割可否確認処理にて分割可能と判定できる、初期分割点1に最も近い位置は分割点1である。よって、記録データ先頭から分割点1までの区間がダビング先の記録媒体に書き込まれる。書き込み終了後、新しい記録媒体が外部ドライブ185にセットされると、分割点1をダビング開始点として同様の処理を行う。2枚目の記録媒体に対して、図9に示す初期分割点2が初期分割点となる。初期分割点2ではズーム、チルト操作が行われており、なおかつ映像ビットレートの変化も大きい。そこで記録データの先頭方向に記録データの先頭方向に遡り、分割可能な位置を探す。結果として、分割点1から分割点2までの区間が2枚目の記録媒体へ書き込まれる記録データの区間となる。2枚目の記録媒体への書き込み終了後、3枚目の記録媒体が外部ドライブ185にセットされると、分割点2をダビング開始点として再度ダビング区間の決定処理が実施される。今回は、コピー先の記録媒体の残容量よりも未ダビング区間、すなわち分割点2からダビングデータ終了点の区間に対応するデータ量の方が少ないため、図7に示すフローチャートに対応する処理を実行することなく、未ダビング区間のデータをダビング先の記録媒体に書き込む。これら一連の処理により、ダビング対象のデータが3枚の記録媒体に分割してコピーされる。
【0066】
なお、本発明は、システム制御手段140内に存在するROMに保存されているプログラムがシステム制御手段140内に存在するRAM上に転送され、同じくシステム制御手段140内に存在するCPUが当該プログラムを順次読み出し実行することによって実現される。ただし、本発明におけるプログラムは、システム制御手段140内のROM以外に保持されていてもよく、例えば不揮発性の半導体メモリなどの外部記録媒体にプログラムを保持しておき、ビデオカメラ100動作時に外部記録媒体からシステム制御手段140内のRAMにプログラムを転送し、同じくシステム制御手段140内に存在するCPUが当該プログラムを順次読み出し実行する場合も本発明を構成することになる。更には、ビデオカメラ100に内蔵された不揮発性メモリにプログラムを格納し、当該プログラムを直接CPUが読み出し実行する構成をとってもよい。
【0067】
なお、本実施例においては映像音声変化情報がすべて記録データ中に多重化していたがこれに限るものではなく、ダビング時に分割点候補の前後の記録データを再生し取得してもよい。あるいは、多重化を行わず、記録時に記録データとは別のファイルを記録媒体175内に作成し、映像音声変化情報を当該ファイルに格納してもよい。
【0068】
また、本実施例において説明した映像のビットレート、および音量の変化量の判定方法は一例に過ぎず、GOPごと、あるいはフレームごとといった、映像音声変化情報の多重化の頻度、映像圧縮アルゴリズムの特徴等により、様々な方法が考えられる。例えば音量に関しては、映像音声変化情報群の各音量の分散がある値の範囲内に収まっているかどうかを判定基準としてもよい。その他の映像音声変化情報においても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な判定基準を設定可能である。更には、ダビング処理の処理速度を勘案し、利用する映像音声変化情報の種類を減らしてもよい。同じように、本実施例では分割候補点およびその前後20GOPの範囲において映像音声変化情報を抽出し処理を行うことにしたが、本範囲は一例に過ぎず、範囲を大きく、あるいは小さくしてもよい。
【0069】
なお、本実施例においてはビデオカメラの主たる記録媒体として着脱可能な半導体メモリを想定して説明したがこれに限るものではなく、ビデオカメラに内蔵された半導体メモリ、あるいはHDDなど、ランダムアクセスが可能な記録媒体すべてにおいて適用可能であることは言うまでもない。更には、本実施例においてはビデオカメラと外部ドライブを接続しダビング処理を行う例を示したがこの構成に限るものではなく、ビデオカメラ自体がドライブ装置を備える形態であってもなんら問題はない。
【0070】
また、本発明はビデオカメラのみに限定されるものではなく、HDDレコーダーなど、記録データをある記録媒体から別の記録媒体にダビングする機能を備える装置すべてに適用可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明にかかるデータ記録装置は、記録データの内容を自動的に判断することで長時間の記録データを複数の記録媒体にダビングする際の作業を効率化するものであり、ダビング機能を備えた種々のデータ記録装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態におけるビデオカメラの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態におけるVBR記録時の映像ビットレートの変化例を示す図
【図3】本発明の実施の形態における外部ドライブの構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態におけるダビング方法選択画面を示す図
【図5】本発明の実施の形態におけるダビング対象の日付選択画面を示す図
【図6】本発明の実施の形態におけるダビング対象の記録データ任意選択画面を示す図
【図7】本発明の実施の形態におけるダビング対象の記録データの分割点検出処理の内容を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態における分割可否判断処理の内容を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態におけるダビング対象記録データの分割点設定例を示す図
【図10】従来の記録再生装置において、HDDからDVDにデータをコピーする動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0073】
175 記録媒体(第1の記録媒体)
170 カードI/F手段(第1の記録媒体アクセス手段)
310 記録媒体(第2の記録媒体)
320 R/W手段(第2の記録媒体アクセス手段、書き込み手段)
360 システム制御手段(残容量検出手段)
140 システム制御手段(映像音声情報分割手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記録媒体への映像音声情報の書き込みおよび読み出しを行う第1の記録媒体アクセス手段と、
第2の記録媒体への映像音声情報の書き込みおよび読み出しを行う第2の記録媒体アクセス手段と、
前記第2の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第2の記録媒体の残容量を読み込む残容量検出手段と、
前記第1の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第1の記録媒体上の映像音声情報の映像乃至音声の変化をあらわす、映像音声変化情報を前記第1の記録媒体上から読み出し、前記映像音声変化情報を用いて、前記第2の記録媒体の残容量に収まるサイズに前記映像音声情報を分割する映像音声情報分割手段と、
前記分割した映像音声情報を前記第2の記録媒体アクセス手段を用いて、前記第2の記録媒体に書込む書き込み手段と、
を有するデータ記録装置。
【請求項2】
前記映像音声変化情報は、記録時のズーム情報、パン・チルト情報およびフォーカス情報を含む記録時操作情報と、前記映像音声情報に関するビットレート値および音量値とのいずれかひとつ以上を含むことを特徴とする、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記映像音声変化情報は、前記第1の記録媒体上の映像音声情報の中に格納されていることを特徴とする、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記映像音声変化情報は、前記第1の記録媒体上の映像音声情報とは別ファイルとして前記第1の記録媒体上に記録されていることを特徴とする、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記映像音声変化情報は、前記第1の記録媒体上の映像音声情報を再生することで得ることを特徴とする、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記映像音声情報分割手段は、前記映像音声変化情報があらわす映像乃至音声の変化量があらかじめ定められた値以下となる映像音声情報内の位置を分割位置とする、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1記載の映像音声情報分割手段ならびに書き込み手段として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−10554(P2009−10554A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168449(P2007−168449)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】