説明

データ記録装置、データ記録方法及びデータ記録プログラム

【課題】無駄な記録に使用される記録領域を極力低減する。
【解決手段】本発明は、番組データの中で、音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間を特定し、それぞれを異なるビットレートに変換して記録するようにしたことにより、番組データを記録するとき、当該番組データの音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間のうち、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である会話部分区間及び残部分区間のデータ形式を、当該データ形式の変換前よりもデータ量が低減するように変換して記録することで、所望の情報かもしれないデータを確実に残しつつ、後々無駄になるかもしれないデータを極力少ない記録領域を使って記録しておくことができ、かくして、無駄な記録に使用される記録領域を極力低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ記録装置、データ記録方法及びデータ記録プログラムに関し、例えばラジオの放送局(以下、これをラジオ局と呼ぶ)により放送されたラジオ番組の番組データを記録するデータ記録装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデータ記録装置は、ラジオ局から放送されたラジオ番組を番組データとして受信する。かかる番組データには、当該番組データの一部としての音楽データの区間の先頭から後尾にかけて当該音楽データに関連する文字情報が連続的に多重化されている。またデータ記録装置には、番組データに多重化されている文字情報との比較用に所望のキーワードが予め入力されている。そしてデータ記録装置は、番組データを受信したとき、キーワードを番組データに多重化されている文字情報と比較して、番組データの中でキーワードと一致する文字情報が多重化されている区間を検出すると共に、番組データから検出した区間のデータ(以下、これを区間データと呼ぶ)を切り出して記録していた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−51337号公報
【0003】
ところで、かかる構成のデータ記録装置は、番組データの中で検出した区間データしか記録しないため、番組データの中に他にも所望の部分が含まれているとしても、キーワードがなければ検出できなかった。そのためデータ記録装置は、最終的に必要な情報を確実に記録するためには、番組データを受信したとき、当該番組データの中で検出した区間データだけでなく、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である残りの区間も含めて、番組データの全体をそのまま記録しておくことが考えられる。
【0004】
ところが、データ記録装置では、番組データを受信したときに、当該番組データの全体をそのまま記録したのでは、番組データの中で、所望の情報が含まれているか否か不明であり最終的に無駄になるかもしれない部分の記録に対して多くの記録領域を使うことになるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、無駄な記録に使用される記録領域を極力低減し得るデータ記録装置、データ記録方法及びデータ記録プログラムを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定する区間特定部と、混在データのデータ形式を変換するデータ形式変換部と、データ形式変換部によりデータ形式の変換された混在データを記録する記録部と、混在データのデータ形式が変換されるとき、区間特定部により混在データの中で特定された音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するようにデータ形式変換部を制御する制御部とを設けるようにした。
【発明の効果】
【0007】
従って本発明では、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定し、当該特定した音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換して記録するようにしたことにより、混在データを記録するとき、当該混在データの音楽部分区間及び他部分区間のうち、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である方の区間のデータ形式を、当該データ形式の変換前よりもデータ量が低減するように変換して記録することで、所望の情報かもしれないデータを確実に残しつつ、後々無駄になるかもしれないデータを極力少ない記録領域を使って記録しておくことができる。
【0008】
本発明によれば、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定し、当該特定した音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換して記録するようにしたことにより、混在データを記録するとき、当該混在データの音楽部分区間及び他部分区間のうち、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である方の区間のデータ形式を、当該データ形式の変換前よりもデータ量が低減するように変換して記録することで、所望の情報かもしれないデータを確実に残しつつ、後々無駄になるかもしれないデータを極力少ない記録領域を使って記録しておくことができ、かくして、無駄な記録に使用される記録領域を極力低減し得るデータ記録装置、データ記録方法及びデータ記録プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
(1)第1の実施の形態
(1-1)第1の実施の形態の概要
図1において、1は全体として第1の実施の形態によるデータ記録装置の構成の概要を示す。データ記録装置1の区間特定部2は、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定する。またデータ記録装置1のデータ形式変換部3は、混在データのデータ形式を変換する。さらにデータ記録装置1の記録部4は、データ形式の変換された混在データを記録する。さらにデータ記録装置1の制御部5は、混在データのデータ形式が変換されるとき、区間特定部2により混在データの中で特定された音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するようにデータ形式変換部3を制御する。かかる構成によりデータ記録装置1は、混在データを記録するとき、当該混在データの音楽部分区間及び他部分区間のうち、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である方の区間のデータ形式を、当該データ形式の変換前よりもデータ量が低減するように変換して記録することで、所望の情報かもしれないデータを確実に残しつつ、後々無駄になるかもしれないデータを極力少ない記録領域を使って記録しておくことができ、かくして、無駄な記録に使用される記録領域を極力低減することができる。
【0011】
(1-2)第1の実施の形態によるデータ記録装置の詳細構成
次いで図2を用いて、データ記録装置10の機能回路ブロックによる詳細なハードウェア構成を説明する。
【0012】
かかるデータ記録装置10のラジオ受信部11は、操作部12を介してラジオ局が選局されラジオ番組の出力が要求されると、複数のラジオ局のラジオ放送波のうち、ユーザにより選局されたラジオ局のラジオ番組に対応するラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。データ処理部14は、ラジオ受信部11から与えられた番組信号に対しアナログデジタル変換処理及びイコライジング処理等のデジタル処理を施して番組データを生成する。このとき、かかる番組データには、例えばラジオ番組の中で流れた音楽に対応する音楽部分や、会話に対応する会話部分等が混在している。そしてデータ処理部14は、当該生成した番組データに対しデジタルアナログ変換処理及び増幅処理等のアナログ処理を施す。これによりデータ処理部14は、かかるアナログ処理に応じて番組信号を得て、これを出力部15に送出することで、当該出力部15から番組信号に基づくラジオ番組の音声を出力させてユーザに聴取させる。このようにしてデータ記録装置10は、ユーザに対し所望のラジオ局で放送されているラジオ番組を聴かせることができる。
【0013】
またラジオ受信部11は、操作部12を介してラジオ局が選局され、ラジオ番組の録音が要求されると、上述と同様にラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。データ処理部14は、ラジオ受信部11から与えられた番組信号に対しデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを記録部16に送出する。記録部16は、データ処理部14から与えられた番組データをデータファイルとして記録する。このようにしてデータ記録装置10は、所望のラジオ局で放送されているラジオ番組を録音することができる。
【0014】
この後、データ記録装置10の記録部16は、操作部12を介して番組データの再生が要求されると、当該再生が要求された番組データを読出し、これをデータ処理部14に送出する。データ処理部14は、記録部16から与えられた番組データに対し所定のデジタル処理を施した後、このデジタル処理した番組データに対しデジタルアナログ変換処理及び増幅処理等のアナログ処理を施す。これによりデータ処理部14は、かかるアナログ処理に応じて番組信号を得て、これを出力部15に送出することで、当該出力部15から番組信号に基づくラジオ番組を出力させてユーザに聴取させる。このようにしてデータ記録装置10は、ユーザに対し録音したラジオ番組を聴かせることができる。
【0015】
さらにデータ記録装置10の表示部17は、図示しないメモリや記録部16から読み出した、ラジオ番組の出力や録音等の各種プログラムの実行結果に応じ、ラジオ番組の出力や録音等に関する各種画面を表示してユーザに視認させ得るようになされている。
【0016】
かかる構成に加えてデータ記録装置10には、区間特定部18が設けられている。区間特定部18は、ラジオ番組の録音時、データ処理部14で生成された番組データの中に混在している音楽部分に相当する音楽部分区間と、当該音楽部分とは異なる他部分に相当する他部分区間とを特定するようになされている。また区間特定部18は、番組データの中で特定した他部分区間の中で、会話部分に相当する会話部分区間と、例えばCM(Commercial)やニュース、交通情報といった部分(すなわち残りの部分)に相当する残部分区間とを特定するようになされている。
【0017】
またデータ記録装置10には、データ形式変換部19が設けられている。かかるデータ形式変換部19は、ラジオ番組の録音時、データ処理部14で生成された番組データのデータ形式を変換するようになされている。ここでデータ形式とは、番組データのデータ量を規定するものであり、このデータ形式を変換することで、ビットレートやサンプリングレート、圧縮率、音響方式等を変化させることができる。
【0018】
これに加え、データ記録装置10には、制御部20が設けられている。かかる制御部20は、ラジオ番組の録音時、区間特定部18が特定した番組データの中の各区間を、当該区間毎にそれぞれ異なるデータ形式に変換するようにデータ形式変換部19を制御する。
【0019】
これによりデータ記録装置10は、ラジオ番組の録音時、区間特定部18で特定した番組データの各区間を、制御部20の制御に従い、データ形式変換部19でそれぞれ異なるデータ形式に変換して記録部16に記録することで、ラジオ番組を区間毎に異なるビットレートやサンプリングレート、圧縮率、音響方式等で録音することもできる。
【0020】
(1-3)ラジオ番組の区間毎の録音
以下、番組データの中で音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間を特定すると共に、特定した各区間をそれぞれ異なるビットレートのデータ形式に変換して記録することでラジオ番組を区間毎に異なるビットレートで録音する、ラジオ番組区間録音処理について詳述する。
【0021】
ラジオ受信部11は、操作部12を介してラジオ局が選局され、ラジオ番組を区間毎に異なるビットレートで録音することが要求されると、ラジオ番組区間録音処理を開始し、上述と同様にラジオ局のラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。データ処理部14は、ラジオ受信部11から与えられた番組信号に対しデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを所定の処理単位のデータ(例えば、ラジオ番組の数秒程度の番組データに相当し、以下、これを処理単位データと呼ぶ)毎に区間特定部18に送出する。
【0022】
区間特定部18は、データ処理部14から与えられた処理単位データが、どれだけ音楽(すなわち曲)らしいかを数値化して表す曲らしさを検出するようにして、かかる曲らしさの検出を番組データ全体に対して実行する。この曲らしさの検出の詳細については、後述する。また区間特定部18は、曲らしさの検出結果としての曲らしさ値を、予め選定された所定の第1の閾値と比較し、その比較結果に応じて当該曲らしさ値が第1の閾値以上であるかを判別する。
【0023】
このとき区間特定部18は、比較した曲らしさ値が第1の閾値以上である場合、かかる処理単位データが、番組データの中の音楽部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定する。そして区間特定部18は、音楽部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定した処理単位データ(以下、これを音楽部分単位データと呼ぶ)をデータ形式変換部19に送出すると共に、この音楽部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知する。このようにしてデータ記録装置10は、番組データの中の音楽部分区間を特定するようになされている。
【0024】
これに対し区間特定部18は、比較した曲らしさ値が第1の閾値よりも小さい場合、かかる処理単位データが、番組データの中の他部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定する。次いで区間特定部18は、他部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定した処理単位データ(以下、これを他部分単位データと呼ぶ)の曲らしさ値を予め選定された所定の第2の閾値と比較し、その比較結果に基づいて当該曲らしさ値が第2の閾値以上であるかを判別する。
【0025】
このとき区間特定部18は、比較した曲らしさ値が第2の閾値以上である場合、かかる他部分単位データが番組データの中の会話部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定する。そして区間特定部18は、会話部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定した他部分単位データ(以下、これを会話部分単位データと呼ぶ)をデータ形式変換部19に送出すると共に、この会話部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知する。
【0026】
一方、区間特定部18は、比較した曲らしさ値が第2の閾値よりも小さい場合、かかる他部分単位データが番組データの中の残部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定する。そして区間特定部18は、残部分区間に該当するデータの一部または全部であると特定した他部分単位データ(以下、これを残部分単位データと呼ぶ)をデータ形式変換部19に送出すると共に、この残部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知する。このようにしてデータ記録装置10は、番組データの中の会話部分区間と残部分区間とをそれぞれ特定するようになされている。
【0027】
そして区間特定部18は、データ処理部14から処理単位データを与えられる毎に当該処理単位データの曲らしさを検出すると共に、かかる曲らしさの検出結果としての曲らしさ値と第1の閾値及び第2の閾値とを比較する。また区間特定部18は、比較結果に応じて処理単位データを音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データのうちのいずれかと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データのうち、どのデータをデータ形式変換部19に送出したのかを制御部20に通知する。このようにしてデータ記録装置10は、番組データの中の各区間をそれぞれ特定するようになされている。
【0028】
ここで制御部20は、ラジオ番組の録音時、操作部12を介して例えば番組データの中の音楽部分が予め要求されていた場合には、区間特定部18からの通知に応じて、区間特定部18が特定した番組データの中の音楽部分区間を、所望の情報が含まれている区間であると判別し、高音質で再生可能な高ビットレートのデータ形式に変換するようにデータ形式変換部19を制御する。また制御部20は、区間特定部18からの通知に応じて、区間特定部18が特定した番組データの中の会話部分区間を、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明ではあるが良い音質のまま記録するべき区間であると判別し、高ビットレートに比して再生時の音質は悪くなるがデータ量が小さい中ビットレートのデータ形式に変換するようにデータ形式変換部19を制御する。さらに制御部20は、区間特定部18からの通知に応じて、区間特定部18が特定した番組データの中の残部分区間を、その時点において所望の情報が含まれているか不明であり、再生時の音質に関わらず、記録さえしておけば良い区間であると判別し、データ量を極力小さくできる低ビットレートのデータ形式に変換するようにデータ形式変換部19を制御する。
【0029】
これによりデータ形式変換部19は、区間特定部18から音楽部分単位データを与えられると、制御部20の制御に従い、かかる音楽部分単位データを高ビットレートのデータ形式に変換する。またデータ形式変換部19は、区間特定部18から会話部分単位データを与えられると、制御部20の制御に従い、かかる会話部分単位データを中ビットレートのデータ形式に変換する。さらにデータ形式変換部19は、区間特定部18から残部分単位データを与えられると、制御部20の制御に従い、かかる残部分単位データを低ビットレートのデータ形式に変換する。
【0030】
そしてデータ形式変換部19は、データ形式を変換した音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データ(すなわち処理単位データ)を、記録部16に送出する。記録部16は、データ形式変換部19から順次与えられる処理単位データを1つのデータファイルとして記録すると共に、操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されると、かかるラジオ番組区間録音処理を終了する。
【0031】
このようにしてデータ記録装置10は、図3に示すように、ラジオ番組区間録音処理時、記録部16に対し、番組データBDの中でユーザにより予め所望されていた音楽部分区間MSを高音質で再生可能な高ビットレートHBのデータ形式に変換して記録すると共に、ラジオ番組の録音開始の時点において所望の情報が含まれているか否か不明であった会話部分区間TS及び残部分区間RSを、高ビットレートに比してデータ量が低減する中ビットレートMB及び低ビットレートLBのデータ形式に変換して記録する。従ってデータ記録装置10は、所望の情報が含まれているかもしれない会話部分区間TS及び残部分区間RSを確実に残しつつ、その一方で、後々無駄になるかもしれないこの会話部分区間TS及び残部分区間RSを極力少ない記録領域を使って記録できる。
【0032】
(1-4)ラジオ番組区間録音処理手順
ここで、上述したラジオ番組区間録音処理の手順について説明する。データ記録装置10は、ラジオ番組を区間毎に異なるビットレートで録音することが要求されると、図4に示すようなラジオ番組区間録音処理手順RT1を開始する。データ記録装置10のラジオ受信部11は、かかるラジオ番組区間録音処理手順RT1を開始すると、ステップSP1において、ユーザにより選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。そしてデータ処理部14は、番組信号に対しデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを処理単位データ毎に区間特定部18に送出し、次のステップSP2に移る。
【0033】
ステップSP2において区間特定部18は、番組データの処理単位データ毎の曲らしさを検出し、その結果得られた処理単位データ毎の曲らしさ値が第1の閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP2において肯定結果が得られると、このことは曲らしさを検出した処理単位データが番組データの中の音楽部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる処理単位データを音楽部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この音楽部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、次のステップSP3に移る。
【0034】
ステップSP3においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、音楽部分単位データを高ビットレートのデータ形式に変換して記録部16に送出し、次のステップSP4に移る。
【0035】
これに対し、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは曲らしさを検出した処理単位データが番組データの中の他部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる処理単位データを他部分単位データと特定し、ステップSP5に移る。
【0036】
ステップSP5において区間特定部18は、他部分単位データの曲らしさ値が第2の閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP5において肯定結果が得られると、このことは他部分単位データが番組データの中の会話部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる他部分単位データを会話部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この会話部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、次のステップSP6に移る。
【0037】
ステップSP6においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、会話部分単位データを中ビットレートのデータ形式に変換して記録部16に送出し、ステップSP4に移る。
【0038】
これに対し、ステップSP5において否定結果が得られると、このことは他部分単位データが番組データの中の残部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる他部分単位データを残部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この残部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、ステップSP7に移る。
【0039】
ステップSP7においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、残部分単位データを低ビットレートのデータ形式に変換して記録部16に送出し、ステップSP4に移る。
【0040】
ステップSP4において記録部16は、データ形式変換部19から順次与えられる処理単位データを1つのデータファイルとして記録するようにして、データ形式を変換した音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データを順次記録し、ステップSP8に移る。
【0041】
ステップSP8において制御部20は、ラジオ番組区間録音処理手順を終了するか否かを判別する。このステップSP8において否定結果が得られると、このことは操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されておらず、処理すべき番組データの処理単位データがまだ存在することを示している。従って制御部20は、このときステップSP2に戻り、ステップSP8で肯定結果を得られるまで一連の処理を繰り返し実行する。
【0042】
これに対し、ステップSP8において肯定結果が得られると、このことは操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されたことを示している。従って制御部20は、次のステップSP9に移り、かかるラジオ番組区間録音処理手順RT1を終了する。
【0043】
このようなラジオ番組区間録音処理手順RT1により、データ記録装置10は、ラジオ番組を区間毎に異なるビットレートで録音するようになされている。
【0044】
(1-5)ラジオ番組の分割録音
データ記録装置10は、上述したように、ラジオ番組を1つのデータファイルとして録音するだけでなく、ラジオ番組を分割して録音することもできるようになされている。すなわち、上述した構成に加えてデータ記録装置10には、分割部21(図2)が設けられている。この分割部21は、上述したラジオ番組区間録音処理時、データ形式変換部19が番組データの処理単位データ毎に異なるビットレートのデータ形式に変換したとき、かかるデータ形式を変換した番組データの処理単位データのうち、異なるデータ形式に挟まれた単独の処理単位データや同じデータ形式でなる連続する複数の処理単位データ(すなわち、番組データの音楽部分区間、会話部分区間または残部分区間)をそれぞれ音楽部分区間データ、会話部分区間データまたは残部分区間データとして番組データから分割するようになされている。
【0045】
これによりデータ記録装置10は、ラジオ番組の録音時、データ形式変換部19でデータ形式を変換した番組データの音楽部分区間、会話部分区間または残部分区間を、分割部21により、音楽部分区間データ、会話部分区間データまたは残部分区間データとして番組データから分割できる。すなわちデータ記録装置10は、ラジオ番組を区間毎に分割して録音することができる。以下、ラジオ番組を区間毎に分割して録音するラジオ番組分割録音処理について詳述する。
【0046】
ラジオ受信部11は、操作部12を介してラジオ局が選局されてラジオ番組を区間毎に分割して録音することが要求されると、ラジオ番組分割録音処理を開始し、上述したラジオ番組区間録音処理時と同様にして、ユーザにより選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。
【0047】
データ処理部14は、番組信号に対しデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを処理単位データ毎に区間特定部18に送出する。区間特定部18は、データ処理部14から処理単位データを与えられる毎に当該処理単位データの曲らしさを検出すると共に、かかる曲らしさの検出結果としての曲らしさ値と第1の閾値及び第2の閾値と比較し、その比較結果に応じて処理単位データを音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データと特定する。そして区間特定部18は、特定した音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データをデータ形式変換部19に送出すると共に、この音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データのうち、どのデータをデータ形式変換部19に送出したのかを制御部20に通知する。
【0048】
データ形式変換部19は、上述したラジオ番組区間録音処理時と同様にして、制御部20の制御に従い、かかる音楽部分単位データを高ビットレートのデータ形式に変換する。またデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、会話部分単位データを中ビットレートのデータ形式に変換する。さらにデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、残部分単位データを低ビットレートのデータ形式に変換する。そしてデータ形式変換部19は、データ形式を変換した音楽部分単位データ、会話部分単位データ及び残部分単位データ(すなわち処理単位データ)を、分割部21に順次送出する。
【0049】
分割部21は、データ形式変換部19から与えられる一連の処理単位データのうち、単独、及び連続する音楽部分単位データを、番組データの音楽部分区間を形成するひとまとまりのデータ(以下、これを音楽部分区間データと呼ぶ)であると判別し、これを番組データから分割して記録部16に送出する。また分割部21は、データ形式変換部19から与えられる一連の処理単位データのうち、単独、及び連続する会話部分単位データを、番組データの会話部分区間を形成するひとまとまりのデータ(以下、これを会話部分区間データと呼ぶ)であると判別し、これを番組データから分割して記録部16に送出する。さらに分割部21は、データ形式変換部19から与えられる一連の処理単位データのうち、単独、及び連続する残部分単位データを、番組データの残部分区間を形成するひとまとまりのデータ(以下、これを残部分区間データと呼ぶ)であると判別し、これを番組データから分割して記録部16に送出する。
【0050】
記録部16は、分割部21から与えられる各音楽部分区間データ、各会話部分区間データ及び各残部分区間データを、それぞれ別のデータファイルとして順次記録するようにして、番組データを分割して記録すると共に、操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されると、かかるラジオ番組分割録音処理を終了する。
【0051】
このようにしてデータ記録装置10は、ラジオ番組分割録音処理時、番組データを、音楽部分区間データ、会話部分区間データ及び残部分区間データに分割して記録部16に記録する。従ってデータ記録装置10は、記録した番組データを再生するとき、番組データの先頭から順に再生してユーザに内容を確認させること無しに、分割して記録されている音楽部分区間データ、会話部分区間データ及び残部分区間データに直接アクセスして再生するだけで、ユーザに内容を確認させることができる。
【0052】
(1-6)ラジオ番組分割録音処理手順
ここで、上述したラジオ番組分割録音処理の手順について説明する。データ記録装置10は、ラジオ番組を区間毎に分割して録音することが要求されると、図5に示すようなラジオ番組分割録音処理手順RT2を開始する。データ記録装置10のラジオ受信部11は、かかるラジオ番組分割録音処理手順RT2を開始すると、ステップSP11において、ユーザにより選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部14に送出する。そしてデータ処理部14は、番組信号に対しデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを処理単位データ毎に区間特定部18に送出し、次のステップSP12に移る。
【0053】
ステップSP12において区間特定部18は、番組データの処理単位データ毎の曲らしさを検出し、その結果得られた処理単位データ毎の曲らしさ値が第1の閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP12において肯定結果が得られると、このことは曲らしさを検出した処理単位データが番組データの中の音楽部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる処理単位データを音楽部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この音楽部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、次のステップSP13に移る。
【0054】
ステップSP13においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、音楽部分単位データを高ビットレートのデータ形式に変換して分割部21に送出し、次のステップSP14に移る。
【0055】
これに対し、ステップSP12において否定結果が得られると、このことは曲らしさを検出した処理単位データが番組データの中の他部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる処理単位データを他部分単位データと特定し、ステップSP15に移る。
【0056】
ステップSP15において区間特定部18は、他部分単位データの曲らしさ値が第2の閾値以上であるか否かを判別する。このステップSP15において肯定結果が得られると、このことは他部分単位データが番組データの中の会話部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる他部分単位データを会話部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この会話部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、次のステップSP16に移る。
【0057】
ステップSP16においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、会話部分単位データを中ビットレートのデータ形式に変換して分割部21に送出し、ステップSP14に移る。
【0058】
これに対し、ステップSP15において否定結果が得られると、このことは他部分単位データが番組データの中の残部分区間に該当するデータの一部であることを示している。従って区間特定部18は、かかる他部分単位データを残部分単位データと特定してデータ形式変換部19に送出すると共に、この残部分単位データをデータ形式変換部19に送出したことを制御部20に通知し、ステップSP17に移る。
【0059】
ステップSP17においてデータ形式変換部19は、制御部20の制御に従い、残部分単位データを低ビットレートのデータ形式に変換して分割部21に送出し、ステップSP14に移る。
【0060】
ステップSP14において分割部21は、番組データを音楽部分区間データ、会話部分区間データ及び残部分区間データに分割し、これを記録部16に送出し、ステップSP18に移る。
【0061】
ステップSP18において記録部16は、各音楽部分区間データ、各会話部分区間データ及び各残部分区間データを、それぞれ別のデータファイルとして記録するようにして、番組データを分割して順次記録し、ステップSP19に移る。
【0062】
ステップSP19において制御部20は、ラジオ番組分割録音処理手順を終了するか否かを判別する。このステップSP19において否定結果が得られると、このことは操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されておらず、処理すべき番組データの処理単位データがまだ存在することを示している。従って制御部20は、このときステップSP12に戻り、ステップSP19で肯定結果を得られるまで一連の処理を繰り返し実行する。
【0063】
これに対し、ステップSP19において肯定結果が得られると、このことは操作部12を介してラジオ番組の録音終了が要求されたことを示している。従って制御部20は、次のステップSP20に移り、かかるラジオ番組分割録音処理手順RT2を終了する。
【0064】
このようなラジオ番組分割録音処理手順RT2により、データ記録装置10は、ラジオ番組を分割して録音するようになされている。
【0065】
(1-7)曲らしさ検出
ここで、ラジオ番組区間録音処理時及びラジオ番組分割録音処理時に用いた曲らしさの検出について詳述する。
【0066】
ここで区間特定部18による曲らしさの検出手法としては、例えば2種類ある。これら2種類の曲らしさ検出手法のうち一方の曲らしさ検出手法は、人の声の周波数成分が比較的低域側に分布し、かつ楽器等の音の周波数成分が比較的高域側に分布していることを利用するものである。すなわち一方の曲らしさ検出手法は、処理単位データを周波数分析し、その分析結果に基づき曲らしさを検出するものである。また他方の曲らしさ検出手法は、一般に音声データが人の声の生成機構をモデル化してエンコード処理(すなわち、圧縮処理)されているために、楽曲等の声以外の部分のデータをエンコード処理した場合にそのデータの元の波形と、当該データをコーデック処理(すなわち、一旦エンコード処理した後デコード処理)して得られた処理結果データの波形との差分(以下、これをエンコード誤差と呼ぶ)が、声の部分のデータから得られるエンコード誤差に比して大きくなることを利用するものである。すなわち他方の曲らしさ検出手法は、処理単位データのエンコード誤差に基づき曲らしさを検出するものである。そして、かかる区間特定部18には、これら2種類の曲らしさ検出手法のうち何れか一方が適用されていることにより、以下には、これら2種類の曲らしさ検出手法について順番に説明する。
【0067】
まず区間特定部18に対し一方の曲らしさ検出手法が適用されている場合、かかる区間特定部18は、図示しないメモリに予め記憶している曲らしさ検出プログラムに従って図6に示す曲らしさ検出処理手順RT3を開始する。区間特定部18は、かかる曲らしさ検出処理手順RT3を開始すると、ステップSP21においてデータ処理部14から与えられる番組データの中の処理単位データ(例えば、ラジオ番組の放送中の時刻がタイムコードとして付加されている番組データの中で、当該タイムコードとしてのある時刻tを基点とした当該時刻tの経過側への1024サンプルのデータでなる)を取り込む。そして区間特定部18は、その処理単位データに対し高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier Transfer )演算を施すことにより、当該処理単位データを周波数スペクトルに分解して、次のステップSP22に移る。
【0068】
ステップSP22において区間特定部18は、周波数スペクトルspを例えば8〔KHz〕の周波数を境界として低域の周波数スペクトルspと高域の周波数スペクトルspとに分ける。因みに番組データのサンプリング周波数が44.1〔KHz〕の場合、低域の周波数スペクトルspはsp乃至sp185となり、高域の周波数スペクトルspはsp186乃至sp511となる。また区間特定部18は、低域のパワースペクトルaを(1)式
【0069】
【数1】

【0070】
で表されるように、低域の周波数スペクトルsp乃至sp185の大きさ成分を2乗して算出すると共に、高域のパワースペクトルbを(2)式
【0071】
【数2】

【0072】
で表されるように、高域の周波数スペクトルsp186乃至sp511の大きさ成分を2乗して算出する。
【0073】
そして区間特定部18は、低域のパワースペクトルaと高域のパワースペクトルbとの比率(以下、これをパワースペクトル比率と呼ぶ)Rを(3)式
【0074】
【数3】

【0075】
に従って算出して、次のステップSP23に移る。
【0076】
ステップSP23において区間特定部18は、移動平均値の算出手法を用いて、この時点までに求めた合計n個のパワースペクトル比率Rt−nの移動平均の数値xを(4)式
【0077】
【数4】

【0078】
に従って求め、その移動平均の数値xを曲らしさを表す数値(以下、これを曲らしさ値と呼ぶ)とし、次のステップSP24に移る。
【0079】
ステップSP24において区間特定部18は、番組データ全体の処理単位データについて曲らしさを検出し終えたか否かを判別する。その結果、区間特定部18は、未だデータ処理部14から処理単位データを取り込んでいる途中であり、曲らしさの検出が完了してはいないことで否定結果を得ると、ステップSP21に戻る。これにより区間特定部18は、この後、ステップSP24において肯定結果を得るまでの間、ステップSP21乃至ステップSP24の処理を循環的に繰り返し実行する。そして区間特定部18は、番組データ全体の処理単位データに対する曲らしさの検出が完了することでステップSP24において肯定結果を得ると、次のステップSP25に移り、かかる曲らしさ検出処理手順RT3を終了する。このようにして区間特定部18は、一方の曲らしさ検出手法が適用されている場合、上述した(3)式からも明らかなように、番組データでのラジオ番組の番組として人の声が支配的な箇所では曲らしさ値が比較的小さくなり、これに対し人の声以外の楽器の音等が支配的な箇所では曲らしさ値が比較的大きくなることを利用して、番組データの処理単位データ毎に順次曲らしさを検出する。
【0080】
また区間特定部18に対し他方の曲らしさ検出手法が適用されている場合、かかる区間特定部18は、図示しないメモリに予め記憶している曲らしさ検出プログラムに従って図7に示す曲らしさ検出処理手順RT4を開始する。区間特定部18は、かかる曲らしさ検出処理手順RT4を開始すると、ステップSP31においてデータ処理部14から与えられる番組データの中の処理単位データ(例えば、番組データに付加されたタイムコードとしてのある時刻tを基点とした当該時刻tの経過側への200 サンプルのデータでなる)を取り込む。そして区間特定部18は、その処理単位データのサンプリング周波数を変換して、次のステップSP32に移る。因みに区間特定部18は、このとき処理単位データのサンプリング周波数を、後のコーデック処理(例えば、CELP(Code Excited Linear Prediction)方式に準じたコーデック処理)で扱うことのできる周波数に合わせるように例えば8〔KHz〕又は16〔KHz〕に変換する。
【0081】
ステップSP32において区間特定部18は、処理単位データに対しコーデック処理(すなわち、一旦エンコード処理した後、デコード処理する)。そして区間特定部18は、処理単位データの元の波形cと、その処理単位データをコーデック処理して得られた例えば元と同じ200サンプルのデータでなる処理結果データの波形dとからエンコード誤差Eを(5)式
【0082】
【数5】

【0083】
で表されるように、互いのサンプル同士の差分を求めるように算出して、次のステップSP33に移る。因みに区間特定部18は、(5)式に示す演算を実行する場合、処理単位データに対するコーデック処理の開始から、当該処理単位データをコーデック処理して処理結果データを得るまでの遅延delayを考慮してエンコード誤差Eを算出している。
【0084】
ステップSP33において区間特定部18は、移動平均値の算出手法を用いて、この時点までに求めた合計n個のエンコード誤差Eの移動平均の数値xを(6)式
【0085】
【数6】

【0086】
に従って求め、その移動平均の数値xを曲らしさ値とし、次のステップSP34に移る。
【0087】
ステップSP34において区間特定部18は、番組データ全体の処理単位データについて曲らしさを検出し終えたか否かを判別する。その結果、区間特定部18は、未だデータ処理部14から処理単位データを取り込んでいる途中であり、曲らしさの検出が完了してはいないことで否定結果を得ると、ステップSP11に戻る。これにより区間特定部18は、この後、ステップSP34において肯定結果を得るまでの間、ステップSP31乃至ステップSP34の処理を循環的に繰り返し実行する。そして区間特定部18は、番組データ全体の処理単位データに対する曲らしさの検出が完了することでステップSP34において肯定結果を得ると、次のステップSP35に移り、かかる曲らしさ検出処理手順RT4を終了する。このようにして区間特定部18は、他方の曲らしさ検出手法が適用されている場合、上述した(5)式からも明らかなように、番組データでのラジオ番組の番組として人の声が支配的な箇所では曲らしさ値が比較的小さくなり、これに対し人の声以外の楽器の音等が支配的な箇所では曲らしさ値が比較的大きくなることを利用して、番組データの処理単位データ毎に順次曲らしさを検出する。
【0088】
(1-8)動作及び効果
以上の構成においてデータ記録装置10は、ラジオ番組を区間毎に異なるビットレートで録音することが要求されると、抽出したラジオ放送波から番組データを生成する。またデータ記録装置10は、番組データの処理単位データ毎に曲らしさを検出し、その検出結果としての曲らしさ値と第1の閾値及び第2の閾値とを比較することで、処理単位データを音楽部分単位データ、会話部分単位データ又は残部分単位データと特定する。そしてデータ記録装置10は、番組データの中でユーザにより予め所望されていた音楽部分区間を高音質で再生可能な高ビットレートのデータ形式に変換して記録すると共に、ラジオ番組の録音開始の時点において所望の情報が含まれているか否か不明であった会話部分区間及び残部分区間を、高ビットレートに比してデータ量が低減する中ビットレート及び低ビットレートのデータ形式に変換して記録する。
【0089】
従ってデータ記録装置10は、所望の情報が含まれているかもしれない会話部分区間及び残部分区間のデータ形式を、高ビットレートに比して、データ形式の変換前よりもデータ量が小さくなる中ビットレート及び低ビットレートのデータ形式に変換して記録するようにしたことにより、所望の情報が含まれているかもしれない会話部分区間及び残部分区間を確実に残しつつ、その一方で、後々無駄になるかもしれないこの会話部分区間及び残部分区間を極力少ない記録領域を使って記録できる。
【0090】
またデータ記録装置10は、番組データの中で音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間をそれぞれ特定して異なるビットレートのデータ形式に変換したとき、番組データを、音楽部分区間の音楽部分区間データと、会話部分区間の会話部分区間データと、残部分区間の残部分区間データとに分割し、この分割した音楽部分区間データ、会話部分区間データ及び残部分区間データをそれぞれ記録するようにした。これによりデータ記録装置10は、記録した番組データを再生するとき、番組データの先頭から順に再生してユーザに内容を確認させること無しに、分割して記録されている音楽部分区間データ、会話部分区間データ及び残部分区間データに直接アクセスして再生するだけで、ユーザに内容を確認させることができ、かくして使い勝手を向上できる。
【0091】
さらにデータ記録装置10は、番組データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と他部分に相当する他部分区間とを特定したとき、他部分区間の中で、会話部分に相当する会話部分区間と残りの部分に相当する残部分区間とを特定し、会話部分区間と残部分区間とをそれぞれ異なるビットレートのデータ形式に変換して記録するようにした。これによりデータ記録装置10は、番組データを記録するとき、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明でありながらも良い音質のまま記録するべき会話部分区間を、高ビットレートに比して再生時の音質は悪くなるがデータ量が小さい中ビットレートのデータ形式に変換すると共に、その時点において所望の情報が含まれているか不明であり、再生時の音質に関わらず記録さえしておけば良い残部分区間を、データ量を極力小さくした低ビットレートのデータ形式に変換することで、所望の情報かもしれないデータの中で、再生時に良い音質を求められることが想定されるデータを比較的良い音質で残すと共に、再生時の音質にこだわらないデータに関してはデータ量を極力小さくすることができ、かくして再生時を考慮した記録ができる。
【0092】
以上の構成によれば、データ記録装置10は、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる会話部分及び残部分とが混在して形成された番組データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、会話部分に相当する会話部分区間と、残部分に相当する残部分区間とを特定し、当該特定した音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間をそれぞれ異なるビットレートのデータ形式に変換して記録するようにしたことにより、番組データを記録するとき、当該番組データの音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間のうち、その時点において所望の情報が含まれているか否か不明である会話部分区間及び残部分区間のデータ形式を、当該データ形式の変換前よりもデータ量が低減するように変換して記録することで、所望の情報かもしれないデータを確実に残しつつ、後々無駄になるかもしれないデータを極力少ない記録領域を使って記録しておくことができ、かくして、無駄な記録に使用される記録領域を極力低減することができる。
【0093】
(1-9)他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、番組データの各区間をビットレートが異なるデータ形式に変換するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、サンプリングレートや圧縮率、音響方式等が異なるようにデータ形式を変換するようにしても良い。また、所望の情報が含まれていることが録音開始前に予め判明している区間については、特にデータ形式を変換しなくても良い。これに加え、ビットレート、サンプリングレート圧縮率及び音響方式等を組み合わせて変換するようにしても良い。この場合、データ記録装置10は、例えば、番組データの音楽部分区間を高ビットレートでステレオ音響方式のデータ形式に変換し、会話部分区間を低ビットレートでステレオ音響方式のデータ形式に変換し、残部分区間を低ビットレートでモノラル音響方式のデータ形式に変換することで、上述の効果と同様の効果を得ることができる。
【0094】
また上述した第1の実施の形態においては、曲らしさ値と第2の閾値との比較の結果に応じて他部分区間から会話部分区間と残部分区間とを特定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ラジオ番組の放送時、曲及び会話に比して、CM及び交通情報の放送開始の時点から放送終了の時点までの放送継続時間が短いことを利用して、他部分区間の中で所定の放送継続時間以上の区間を会話部分区間と特定すると共に所定の放送継続時間よりも短い区間(すなわち、CMや交通情報が含まれている区間)を残部分区間と特定するようにしても良い。この場合、データ記録装置10は、例えば、ラジオ番組の中に短時間挿入されただけの曲の一部や、曲と曲との間のつなぎとしての短い会話部分等を、所望の情報が含まれている可能性が低い区間(すなわち残部分区間)として特定することができ、かくして、無駄な記録に使用される記録領域をさらに低減することができる。
【0095】
さらに上述した第1の実施の形態においては、番組データの中で、音楽部分区間、会話部分区間及び残部分区間の3つの区間を特定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、番組データの中で特定する区間の種類は、複数種類であれば何種類でも良い。また、番組データの中で特定する区間が1種類の場合でも、例えば、特定した区間を高ビットレートのデータ形式に変換し、特定した区間以外を低ビットレートのデータ形式に変換する等すれば、上述の効果と同様の効果を得ることができる。
【0096】
さらに上述した第1の実施の形態においては、番組データの中の音楽部分区間を高ビットレートのデータ形式に変換し、他部分区間としての会話部分区間及び残部分区間を、高ビットレートよりもデータ量が小さくなる中ビットレート及び低ビットレートのデータ形式に変換するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、処理前の設定に応じて、会話部分区間や残部分区間を高ビットレートのデータ形式に変換し、音楽部分区間を低ビットレートのデータ形式に変換する等しても良く、番組データの各区間のデータ形式の変換は、ユーザの設定でどのようにでもできるものとする。
【0097】
(2)第2の実施の形態
(2-1)第2実施の形態の概要
次いで、図8を用いて第2の実施の形態によるデータ記録装置100のハードウェア回路ブロックによるハードウェア回路構成を示す。かかるデータ記録装置100は、中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit )50と各ハードウェアとがバス51を介して接続され、当該中央処理ユニット50がROM(Read Only Memory)52又はハードディスクドライブ53から読み出したデータ記録プログラム等の各種プログラムをRAM(Random Access Memory)54で展開して実行することにより全体を統括制御すると共に、各種処理を実行するようになされている。
【0098】
これにより中央処理ユニット50は、例えばデータ記録装置100の筐体等に設けられた操作キー55を介してラジオ局が選局されラジオ番組の出力が要求されると、チューナ59に対し複数のラジオ局のラジオ放送波のうち、ユーザによって選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出するように設定して動作させる。また中央処理ユニット50は、このときデータ処理部57をラジオ番組の出力用に制御する。これによりチューナ59は、アンテナ60で受信された各ラジオ局のラジオ放送波の中から、ユーザによって選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出して復調処理等の所定の受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部57に送出する。データ処理部57は、チューナ59から与えられた番組信号に対しアナログデジタル変換処理及びイコライジング処理等のデジタル処理を施し、その結果得られた番組データに対しデジタルアナログ変換処理及び増幅処理等のアナログ処理を施す。これによりデータ処理部57は、かかるアナログ処理に応じて番組信号を得て、これをスピーカ58に送出することで当該スピーカ58から番組信号に基づく番組の音声を出力させてユーザに聴取させる。このようにして中央処理ユニット50は、ユーザに対し所望のラジオ局で放送されているラジオ番組を聴かせることができる。
【0099】
また中央処理ユニット50は、操作キー55を介してラジオ局が選局されラジオ番組の録音が要求されると、上述と同様にチューナ59をユーザによって選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出するように設定して動作させる。また中央処理ユニット50は、このときデータ処理部57をラジオ番組の録音用に制御する。これによりチューナ59は、アンテナ60で受信された各ラジオ局のラジオ放送波の中から、ユーザによって選局されたラジオ局のラジオ放送波を抽出して受信処理を施し、この結果得られたラジオ番組の番組信号をデータ処理部57に送出する。またデータ処理部57は、チューナ59から与えられた番組信号に対してデジタル処理を施し、その結果得られた番組データを中央処理ユニット50に送出する。そして中央処理ユニット50は、番組データをハードディスクドライブ53に送出してデータファイルとして記録する。このようにして中央処理ユニット50は、所望のラジオ局で放送されているラジオ番組を録音することができる。
【0100】
さらに、中央処理ユニット50は、操作キー55を介して番組データの再生が要求されると、ハードディスクドライブ53から再生の要求された番組データを読み出し、これをデータ処理部57に送出する。データ処理部57は、中央処理ユニット50から与えられた番組データに対し所定のデジタル処理を施した後、このデジタル処理した番組データに対しデジタルアナログ変換処理及び増幅処理等のアナログ処理を施す。これによりデータ処理部57は、かかるアナログ処理に応じて番組信号を得て、これをスピーカ58に送出することで当該スピーカ58から番組信号に基づくラジオ番組の音声を出力させてユーザに聴取させることができる。このようにして中央処理ユニット50は、ハードディスクドライブ53に録音したラジオ番組を聴かせることができる。
【0101】
ところでデータ記録装置100は、上述したように中央処理ユニット50がROM52又はハードディスクドライブ53に記憶された各種プログラムに従って各種処理を実行すると共に各ハードウェアを制御している。このためデータ記録装置100では、図2について上述した機能回路ブロックによるハードウェア構成のデータ記録装置10の機能に応じて、ROM52又はハードディスクドライブ53に記憶させる各種プログラムを適宜選定することにより、中央処理ユニット50及びデータ処理部57を、上述のデータ処理部14(図2)と同様に機能させることができる。
【0102】
またデータ記録装置100では、操作キー55を、上述の操作部12(図2)と同様に機能させることができると共に、中央処理ユニット50及びハードディスクドライブ53を、上述の記録部16(図2)と同様に機能させることができる。さらにデータ記録装置100では、中央処理ユニット50、チューナ59及びアンテナ60を、上述のラジオ受信部11(図2)と同様に機能させることができると共に、中央処理ユニット50及び表示部61を、上述の表示部17(図2)と同様に機能させることができる。さらにまたデータ記録装置100では、中央処理ユニット50を、上述の区間特定部18(図2)、データ形式変換部19(図2)、制御部20(図2)及び分割部21(図2)のそれぞれと同様に機能させることができる。そしてスピーカ58は、上述の出力部15(図2)に対応する。
【0103】
従ってデータ記録装置100は、データ記録装置10の機能に応じて、ROM52又はハードディスクドライブ53に記憶させる各種プログラムを適宜選定することにより、当該データ記録装置10と同様の上述した処理を実行することができ、かくして上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
(2-2)他の実施の形態
上述した第2の実施の形態においては、本発明によるデータ記録装置を、図8について上述したデータ記録装置100に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、HDD(Hard Disk Drive)ビデオレコーダ、光ディスクレコーダ、半導体メモリタイプのレコーダ、ラジオ録音機能付きの携帯電話、ラジオ録音機能付きの携帯オーディオプレイヤ及びパーソナルコンピュータ等のように、この他種々のデータ記録装置に広く適用することができる。
【0105】
さらに上述した第2の実施の形態においては、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定する区間特定部として、図8について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、音楽部分に相当する音楽部分区間と、他部分に相当する他部分区間とを特定するハードウェア構成の区間特定回路等のように、この他種々の区間特定部を広く適用することができる。
【0106】
さらに上述した第2の実施の形態においては、混在データのデータ形式を変換するデータ形式変換部として、図8について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、混在データのデータ形式を変換するハードウェア構成のデータ形式変換回路等のように、この他種々のデータ形式変換部を広く適用することができる。
【0107】
さらに上述した第2の実施の形態においては、データ形式変換部によりデータ形式の変換された混在データを記録する記録部として、図8について上述したハードディスクドライブ53を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光ディスクレコーダやカセットテープレコーダ、半導体メモリタイプのレコーダ等、この他種々の記録媒体に対して混在データを記録する記録部を広く適用することができる。
【0108】
さらに上述した第2の実施の形態においては、混在データのデータ形式が変換されるとき、区間特定部により混在データの中で特定された音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するようにデータ形式変換部を制御する制御部として、図8について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、混在データのデータ形式が変換されるとき、区間特定部により混在データの中で特定された音楽部分区間と他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するようにデータ形式変換部を制御するハードウェア構成の制御回路等のように、この他種々の制御部を広く適用することができる。
【0109】
さらに上述した第2の実施の形態においては、データ形式変換部により、音楽部分区間と他部分区間とがそれぞれ異なるデータ形式に変換された混在データを、音楽部分区間の音楽部分区間データと他部分区間の他部分区間データとに分割する分割部として、図8について上述した中央処理ユニット50を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、データ形式変換部により、音楽部分区間と他部分区間とがそれぞれ異なるデータ形式に変換された混在データを、音楽部分区間の音楽部分区間データと他部分区間の他部分区間データとに分割するハードウェア構成の分割回路等のように、この他種々の分割部を広く適用することができる。
【0110】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データとして、図1乃至図8について上述したラジオ局から放送されたラジオ番組の番組データを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、テレビ局から放送されたテレビ番組のビデオデータや、インターネット上の音声コンテンツデータ及び動画コンテンツデータ等、種々の混在データを適用するようにしても良い。これに加えて、他の記録媒体に記録されている番組データ等を読み出して上述の処理を行うようにしても良く、混在データの種類及び取得方法については特に限定しない。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、ラジオ局から放送されたラジオ番組の番組データを記録するデータ記録装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1の実施の形態によるデータ記録装置の概要を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態によるデータ記録装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】番組データのビットレートの様子を示す略線図である。
【図4】ラジオ番組区間録音処理手順を示すフローチャートである。
【図5】ラジオ番組分割録音処理手順を示すフローチャートである。
【図6】曲らしさ検出処理手順を示すフローチャート(1)である。
【図7】曲らしさ検出処理手順を示すフローチャート(2)である。
【図8】第2の実施の形態によるデータ記録装置の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0113】
1、10、100……データ記録装置、2、18……区間特定部、3、19……データ形式変換部、4、16……記録部、5、20……制御部、11…ラジオ受信部、12……操作部、14、57……データ処理部、21……分割部、50……中央処理ユニット、53……ハードディスクドライブ、55……操作キー、59……チューナ、BD……番組データ、MS……音楽部分区間、RS……残部分区間、TS……会話部分区間、RT1…ラジオ番組区間録音処理手順、RT2……ラジオ番組分割録音処理手順、RT3、RT4……曲らしさ検出処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、上記音楽部分に相当する音楽部分区間と、上記他部分に相当する他部分区間とを特定する区間特定部と、
上記混在データのデータ形式を変換するデータ形式変換部と、
上記データ形式変換部により上記データ形式の変換された上記混在データを記録する記録部と、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なる上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する制御部と
を具えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なるビットレートの上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なるサンプリングレートの上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なる圧縮率の上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
上記データ形式変換部により、上記音楽部分区間と上記他部分区間とがそれぞれ異なる上記データ形式に変換された上記混在データを、上記音楽部分区間の音楽部分区間データと上記他部分区間の他部分区間データとに分割する分割部
を具え、
上記記録部は、
上記混在データを、上記分割部により分割された上記音楽部分区間データと上記他部分区間データとして記録する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なる音響方式の上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項7】
上記区間特定部は、
上記混在データの上記他部分区間の中で、会話部分に相当する会話部分区間と残りの部分に相当する残部分区間とを特定し、
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記会話部分区間と上記残部分区間とをそれぞれ異なる上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
上記制御部は、
上記混在データの上記データ形式が変換されるとき、上記区間特定部により上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と、上記会話部分区間及び上記残部分区間とをそれぞれ異なるビットレートで、かつ上記音楽部分区間及び上記会話部分区間と、上記残部分区間とをそれぞれ異なる音響方式の上記データ形式に変換するように上記データ形式変換部を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ記録装置。
【請求項9】
音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、上記音楽部分に相当する音楽部分区間と、上記他部分に相当する他部分区間とを特定する区間特定ステップと、
上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するデータ形式変換ステップと、
上記データ形式の変換された上記混在データを記録する記録ステップと
を具えることを特徴とするデータ記録方法。
【請求項10】
コンピュータに対し、
音楽部分と、当該音楽部分とは異なる他部分とが混在して形成された混在データの中で、上記音楽部分に相当する音楽部分区間と、上記他部分に相当する他部分区間とを特定する区間特定ステップと、
上記混在データの中で特定された上記音楽部分区間と上記他部分区間とをそれぞれ異なるデータ形式に変換するデータ形式変換ステップと、
上記データ形式の変換された上記混在データを記録する記録ステップと
を実行させるためのデータ記録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−26662(P2008−26662A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200041(P2006−200041)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】