説明

データ転送処理装置

【課題】1個のモジュールから共通バスを介してデータ信号が転送されている際に、複数のモジュールからデータ信号の転送要求が競合しても、データ信号の転送エラーが生じないデータ転送処理装置を提供する。
【解決手段】データ転送処理装置である画像処理回路10において画像処理モジュールA13から共通バス16を介してフレームメモリ18にデータ信号が転送されている間に、モジュール14、15から順にデータ信号の転送要求が出力された場合、モジュールB14とモジュールC15の待機許容時間の残り時間を比較し、短い方をデータ信号の転送について優先する。同時にこの優先されたモジュールの待機許容時間の残り時間以内に転送できる数にモジュールA13からのデータ信号のバースト数を設定する。転送しきれなかったデータ信号は、他のモジュールのデータ信号を転送した後、続きから転送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DMA制御装置を備えた画像処理回路などのデータ転送処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な画像処理回路は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)、DMA(Direct Memory Access)制御回路および複数の画像処理モジュールを内蔵する。このような画像処理回路は、CCD(Charge Coupled Devices;電荷結合素子)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化物半導体)センサなどの入力デバイスを介して入力されるデータ信号を取り込んで処理し、その結果をLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などの外部デバイスに出力する。出力される前の中間の処理結果は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)などのフレームメモリに取り込んで処理を行う。なお、画像処理回路における画像処理モジュールのように、CPUを介さずに自らマスタとなってフレームメモリとのデータ信号転送を行うモジュールをバスマスタと呼ぶことがある。
【0003】
画像処理回路では、大規模な画像データ信号をフレームメモリと画像処理モジュールとの間で転送する必要があるので、この転送はDMA制御回路によって制御される。したがって、複数の画像処理モジュールからのDMA制御回路への転送要求に適切に対処できるかどうかが、システム全体のパフォーマンスに大きな影響を与える。特に、画像入力モジュールおよび画像出力モジュールからの転送要求に対する対応が遅れると、転送エラーであるアンダーフローエラーまたはオーバーフローエラーが発生する。
【0004】
また、各画像処理モジュールおよびフレームメモリは共通のバスに接続されているため、複数の画像処理モジュールから同時に転送要求が発生するような場合には、DMA制御回路がこれらの複数の転送要求を調停する。
【0005】
特許文献1では以下に説明するバス調停方法が提案されている。複数の入出力制御装置のそれぞれに対して、タイマーとそのタイマーの初期値を記憶する記憶部を設け、記憶部には入出力制御装置毎のバス待ち許容時間を記憶させておく。入出力制御装置からのバス使用要求が通知されたときにタイマーでバス獲得待ち許容時間のカウントダウンを開始し、いずれかの入出力制御装置のバス待ち許容時間に達したときに、その際に転送している入出力制御装置からの転送を中断して、バス待ち許容時間に達した入出力制御装置に対してバス使用許可を与えて、バス転送におけるアンダーフローエラーまたはオーバーフローエラーが発生することを防ぐ。
【特許文献1】特開平9−91247号公報(第5頁−第7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1で提案された方法では、入出力制御装置(バスマスタ)からの転送を中断するため、転送が中断されたデータ信号に欠損が生じたり、再度転送を最初から開始したりしなければならないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、DMA制御回路の制御によって転送エラーであるアンダーフローエラーまたはオーバーフローエラーを防ぎつつ、転送が一時停止されたデータ信号の転送を続きから再開することができるデータ転送処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、データ信号を保持する3個以上のモジュールと、メモリと、前記モジュールからデータ信号の転送要求が出力されると前記モジュールから前記メモリへ前記データ信号を転送する共通バスと、前記モジュールからデータ信号の転送要求が出力されると前記モジュールの各々に設定された待機許容時間の残り時間を計測し、前記モジュールのうち1個から前記共通バスを介して前記メモリへデータ信号が転送されている際に、残りのモジュールからのデータ信号の転送要求が競合すると待機許容時間の残り時間の少ないモジュールに高い優先順位を付与する転送要求調停装置および前記モジュールから転送されるデータ信号についてバースト数を決定するバースト数決定装置を有するDMA制御装置とを備えるデータ転送処理装置において、前記転送要求調停装置において高い優先順位が付与された前記モジュールの待機許容時間の残り時間以内に転送できる数に、その時点でデータ信号が転送されている前記モジュールのバースト数が決定されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は上記構成のデータ転送処理装置において、前記モジュールの1個からデータ信号の転送が完了すると、前記メモリがリフレッシュされるリフレッシュ機能を有し、高い優先順位が付与された前記モジュールの待機許容時間の残り時間から前記メモリのリフレッシュに必要なリフレッシュ所要時間を引いた時間以内に転送できる数に、その時点でデータ信号が転送されている前記モジュールのバースト数が決定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、待機許容時間を超えることなく待機状態のモジュールからデータ信号の転送を開始することができるため、複数のモジュールの転送要求が競合した場合でも転送エラーを生じることなくデータ信号のモジュールからメモリへの転送を完了することができる。また、転送が一時停止されたデータ信号についても、転送をその続きから再開できるため、効率の良いデータ信号の転送が可能である。
【0011】
また、本発明によると、メモリのリフレッシュ機能を有する場合であっても、リフレッシュ所要時間を考慮してバースト数を設定するため、リフレッシュの間に転送エラーを生じることなくデータ信号の転送を完了することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。図1は本発明にかかるデータ転送処理装置である画像処理回路の実施形態の一例の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、画像処理回路10は、CPU11、DMA制御回路12、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14、画像処理モジュールC15、共通バス16、メモリコントローラ17およびフレームメモリ18を備える。画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15はそれぞれ同等の画像処理モジュールである。
【0014】
CPU11にはDMA制御回路12、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15が接続されている。また、共通バス16には、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14、画像処理モジュールC15およびメモリコントローラ17が接続されており、メモリコントローラ17にはフレームメモリ18が接続されている。また、DMA制御回路12には、メモリコントローラ17、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15が接続されており、その内部にはバースト数決定回路12aおよび転送要求調停回路12bが設けられている。
【0015】
フレームメモリ18と、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15との間では、共通バス16を介してデータ信号の転送が行われる。また、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15からは、それぞれ転送要求信号SA、SBおよびSCがDMA制御回路12に出力される。
【0016】
バースト数決定回路12aは、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15のいずれかからデータ信号の転送が開始される前に、そのデータ信号の転送のバースト数を設定する回路である。バースト数とは、フレームメモリ18に対して連続して転送するワード数を示す値であり、その値が大きい方が転送の効率が良いが、その画像処理モジュールが共通バス16を占有することになる。
【0017】
転送要求調停回路12bには、第1のレジスタ12cと第2のレジスタ12dが設けられている。第1のレジスタ12cは、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15から転送要求信号SA、SBおよびSCが出力されるごとに、それぞれの画像処理モジュール13、14および15に設定された待機許容時間を格納するものである。第2のレジスタ12dは、転送要求信号SA、SBおよびSCが出力されてからのそれぞれの画像処理モジュール13、14および15の待機時間を格納するものである。したがって、第1のレジスタ12cと第2のレジスタ12dに格納された時間の差を求めることにより、待機許容時間の残り時間を得ること、つまり待機許容時間のカウントダウンを行うことができる。画像処理モジュール13、14および15からの転送要求が競合した場合、転送要求調停回路12bは、この待機許容時間の残り時間が少ない画像処理モジュールに高い優先順位を付与する。
【0018】
次に、本実施形態の動作を説明する。この説明では、画像処理モジュールA13からの転送要求信号SAの出力が開始された後、画像処理モジュールB14、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SB、SCの出力が順に開始されるものとする。転送要求信号の出力の開始の順番がこれらの場合以外である場合についても、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15を置き替えることによって同様に説明することができる。
【0019】
<転送要求が競合しない場合>
最初に、各画像処理モジュール13、14および15からの転送要求が競合しない場合について図2および図3に示すフローチャートを用いて説明する。まず、各画像処理モジュール13、14および15のいずれからもデータ信号が転送されていない待機状態(S100)で、画像処理モジュールA13から転送要求信号SAの出力が開始される(S101)。このとき、共通バス16は使用されていないため、バースト数決定回路12aでは直ちに画像処理モジュールA13からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定され(S102)、このバースト数に基づいて画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が開始される(S103)。また、待機時間が発生しないため、待機許容時間PAのカウントダウンも行われない。
【0020】
次に、画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送転送されている間に、画像処理モジュールB14から転送要求信号SBの出力が開始される(S104)。この場合、画像処理モジュールB14は待機状態となるため、転送要求調停回路12bにおいて画像処理モジュールB14の待機許容時間PBのカウントダウンが開始される。以下、いずれの画像処理モジュールにおいても、待機状態となる場合は転送要求信号の出力が開始されるとともに、転送要求調停回路12bにおいて対応する画像処理モジュールの待機許容時間のカウントダウンが開始されるものとし、フローチャートには記載しない。また、これに続いて、DMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間の残り時間RBとを比較する(S105)。なお、この時点では待機許容時間PBと待機許容時間の残り時間RBとは同じである。
【0021】
S105の比較の結果がDA≦RBの場合、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S106)、画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S107)。その後、画像処理モジュールA13からこのバースト数のデータ信号の転送が完了するまでに画像処理モジュールC15から転送要求信号SCが出力されなければ、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が全て完了した(S108)後、決定したバースト数に基づいて画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送を開始し(S109)、待機許容時間PBのカウントダウンを停止する。なお、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送を完了すると同時に、画像処理モジュールA13からの転送要求信号SAの出力が停止される。以下、いずれの画像処理モジュールにおいても、データ信号の転送の開始とともに転送要求調停回路12bにおける対応する画像処理モジュールの待機許容時間のカウントダウンは停止されるものとし、また、データ信号の転送を完了するとともに転送要求信号の出力は停止されるものとする。これらについてもフローチャートには記載しない。
【0022】
その後、画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送中に画像処理モジュールA13および画像処理モジュールC15のいずれからも転送要求信号が出力されなければ、画像処理モジュールB14からの全てのデータ信号の転送を完了し(S110)、一連の動作が完了する(S111)。
【0023】
一方、S105の比較の結果がDA>RBの場合、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数が決定し直され(S120)、続いて画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S121)。その後、画像処理モジュールA13から決定し直されたバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールA13からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる(S122)。これに続いて画像処理モジュールB14からデータ信号の転送が開始され(S123)、同時に画像処理モジュールA13からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SAの出力が新たに開始される(S124)。さらに、DMA制御回路12において、画像処理モジュールB14から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DBと、画像処理モジュールA13の待機許容時間の残り時間RAとを比較する(S125)。なお、この時点では待機許容時間PAと待機許容時間の残り時間RAとは同じである。
【0024】
S125の比較の結果がDB≦RAの場合、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAが満了する以前に画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールB14からのデータ信号についてはデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S126)、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S127)。その後、画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が完了するまでに画像処理モジュールC15から転送要求信号SCが出力されなければ、画像処理モジュールB14から決定されたバースト数のデータ信号の転送が全て完了した(S128)後、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が再開される(S129)。その後、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送中に画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15のいずれからも転送要求信号が出力されなければ、画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送を完了し(S130)、一連の動作が完了する(S111)。
【0025】
S125の比較の結果がDB>RAの場合、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAが満了する以前には画像処理モジュールB14からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールB14からのデータ信号のバースト数が決定し直され(S140)、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S141)。画像処理モジュールB14から、決定し直されたバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールB14からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる(S142)。これに続いて、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が再開され(S143)、同時に画像処理モジュールB14からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SBの出力が新たに開始される(S104)。さらに、DMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間の残り時間RBとを比較する(S105)。なお、この時点では待機許容時間PBと待機許容時間の残り時間RBとは同じである。
【0026】
この後は上記と同様の動作を繰り返し、全てのデータ信号の転送を完了して、一連の動作が完了する(S111)。以上では、画像処理モジュールA13と画像処理モジュールB14のみを用いる場合について説明したが、画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15、画像処理モジュールC15と画像処理モジュールA13を用いる場合も同様である。
【0027】
<転送要求が競合する場合>
次に、各画像処理モジュール13、14および15からの転送要求が競合する場合について図4〜図6に示すフローチャートを用いて説明する。まず、各画像処理モジュール13、14および15のいずれからもデータ信号が転送されていない待機状態(S200)で、画像処理モジュールA13から転送要求信号SAの出力が開始される(S201)。このとき、共通バス16は使用されていないため、直ちにバースト数決定回路12aによって画像処理モジュールA13からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定され(S202)、このバースト数に基づいて画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が開始される(S203)。
【0028】
次に、画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送転送されている間に、画像処理モジュールB14から転送要求信号SBの出力が開始される(S204)。また、これに続いて、DMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間の残り時間RBとが、上述の「転送要求が競合しない場合」のS105と同様に比較される(S205)。ここでは、転送要求が競合する場合について説明するため、S205での比較の結果はどのようなものであっても構わない。バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じた数または画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に転送できる数にバースト数が改めて決定され(S206)、画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S207)。
【0029】
続いて、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了する以前に、画像処理モジュールC15から転送要求信号SCの出力が開始される(S208)。この時点で、画像処理モジュールB14から転送要求信号SBと画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCが競合する。ここで、転送要求調停回路12bにおいて画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBと、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較し(S209)、データ信号の転送について画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15のどちらを優先するかを決定する。この時点では待機許容時間PCと待機許容時間PCの残り時間RCとは同じである。残り時間RBと残り時間RCとが同じ場合は、あらかじめ設定しておいた画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15の優先順位の高い方を優先する。なお、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了する以前に画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCの出力が開始されなければ、上述の「転送要求が競合しない場合」として動作が進行する。
【0030】
比較した結果、画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15のうち、待機許容時間の残り時間が短い方の画像処理モジュールをS1、長い方の画像処理モジュールをS2とする。S1の方がS2よりもデータ信号の転送が優先される。次に、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1の残り時間RS1とを比較する(S210)。
【0031】
S210の比較の結果がDA≦RS1の場合、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前に画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了することとなる。しかし、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送に続く画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する前に完了するかどうかわからない。そのため、DAと画像処理モジュールS1のデータ信号を全て転送するのに必要な時間DS1の和DA+DS1と、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2の残り時間RS2とを比較する(S211)。
【0032】
S211の比較の結果がDA+DS1≦RS2の場合、PS2が満了する前に画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S212)、画像処理モジュールS1が画像処理モジュールB14である場合は、既に上述のS107で設定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールS1が画像処理モジュールC15である場合はバースト数決定回路12aでは画像処理モジュールC15からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される。また、同時に画像処理モジュールS2からのデータ信号についてもデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S213)。
【0033】
その後、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了する(S214)と、画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が開始され(S215)、画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が完了する(S216)と、画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が開始される(S217)。その後、画像処理モジュールA13および画像処理モジュールS1のいずれからも転送要求信号が出力されなければ、画像処理モジュールS2からの全てのデータ信号の転送を完了し(S218)、一連の動作が完了する(S219)。画像処理モジュールA13または画像処理モジュールS1から転送要求信号が出力された場合は、上述の動作を繰り返せばよい。
【0034】
S211の比較の結果がDA+DS1>RS2の場合、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前には画像処理モジュールS1からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S220)、画像処理モジュールS1が画像処理モジュールB14である場合は画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールS1すなわち画像処理モジュールB14からのデータ信号のバースト数が決定し直され、同時に画像処理モジュールS2すなわち画像処理モジュールC15からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される。また、画像処理モジュールS1が画像処理モジュールC15である場合は画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールS1すなわち画像処理モジュールC15からのデータ信号のバースト数が決定され、画像処理モジュールS2すなわち画像処理モジュールB14からのデータ信号のバースト数は既に上述のS207で設定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定される(S221)。
【0035】
その後、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が全て完了する(S222)と、画像処理モジュールS1からデータ信号の転送が開始される(S223)。画像処理モジュールS1から設定されたバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールS1からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる。(S224)これに続いて画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が開始され(S225)、同時に画像処理モジュールS1からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SS1が出力される(S226)。続いて、DMA制御回路12において、画像処理モジュールS2から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DS2と、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1の残り時間RS1とを比較する(S227)。なお、この時点では待機許容時間PS1と待機許容時間の残り時間RS1とは同じである。
【0036】
S227の比較の結果がDS2≦RS1の場合、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前に画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは画像処理モジュールS2からのデータ信号についてはデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S228)、続いて画像処理モジュールS1からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S229)。その後、画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が完了するまでに画像処理モジュールA13から転送要求信号SAが出力されなければ、画像処理モジュールS2からのデータ信号を全て転送した(S230)後、画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が再開される(S231)。その後、画像処理モジュールA13および画像処理モジュールS2のいずれからも転送要求信号が出力されなければ、画像処理モジュールS1からの全てのデータ信号の転送を完了し(S232)、一連の動作が完了する(S219)。
【0037】
S227の比較の結果がDS2>RS1の場合、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前には画像処理モジュールS2からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールS2からのデータ信号のバースト数が設定し直され(S240)、続いて画像処理モジュールS1からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S241)。画像処理モジュールS2からこのバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールS2からのデータ信号はまだ残っているためデータ信号の転送が一時停止した状態となる(S242)。これに続いて画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が再開され(S243)、同時に画像処理モジュールS2からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SS2が出力される(S244)。また、DMA制御回路12において、画像処理モジュールS1から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DS1と、新たにカウントダウンが開始された画像処理モジュールS2の待機許容時間PSの残り時間RS2とを比較する(S245)。なお、この時点では待機許容時間PS2と待機許容時間の残り時間RS2とは同じである。
【0038】
S245の比較の結果がDS1≦RS2の場合、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前に画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは画像処理モジュールS1からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S246)、続いて画像処理モジュールS2からのデータ信号についても残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S247)。その後、画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が完了するまでに画像処理モジュールA13から転送要求信号SAが出力されなければ、画像処理モジュールS1からのデータ信号を全て転送した(S248)後、画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が再開される(S249)。その後、画像処理モジュールA13および画像処理モジュールS1のいずれからも転送要求信号が出力されなければ、画像処理モジュールS2からの全てのデータ信号の転送を完了し(S250)、一連の動作が完了する(S219)。
【0039】
S245の比較の結果がDS1>RS2の場合、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前には画像処理モジュールS1からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2が満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールS1からのデータ信号のバースト数が設定し直され(S260)、続いて画像処理モジュールS2からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S261)。画像処理モジュールS1から、このバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールS1からのデータ信号はまだ残っているためデータ信号の転送が一時停止した状態となる(S262)。これに続いて画像処理モジュールS2からのデータ信号の転送が再開され(S263)、同時に画像処理モジュールS1からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SS1が出力される(S226)。また、DMA制御回路12において、画像処理モジュールS2から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DS2と、新たにカウントダウンが開始された画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1の残り時間RS1とを比較する(S227)。なお、この時点では待機許容時間PS1と待機許容時間の残り時間RS1とは同じである。
【0040】
この後は上記のS227以下と同様の動作を繰り返し、全てのデータ信号の転送を完了して、一連の動作が完了する(S219)。
【0041】
一方、S210の比較の結果がDA>RS1の場合、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールS1の待機許容時間PS1が満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数が設定し直され(S270)、続いて画像処理モジュールS1が画像処理モジュールB14である場合は、既に上述のS207で設定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールS1が画像処理モジュールC15である場合はバースト数決定回路12aでは画像処理モジュールC15からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される。また、同時に画像処理モジュールS2からのデータ信号についても量に応じたバースト数が決定される(S271)。
【0042】
その後、画像処理モジュールA13からこのバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールA13からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる(S272)。これに続いて画像処理モジュールS1からのデータ信号の転送が再開され(S273)、同時に画像処理モジュールA13からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SAの出力が開始される(S274)。この時点で、画像処理モジュールS2からの転送要求信号SS2と画像処理モジュールA13からの転送要求信号SAが競合する。ここで、画像処理モジュールS2の待機許容時間PS2の残り時間RS2と、新たにカウントダウンが開始された画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S275)。なお、この時点では待機許容時間PAと待機許容時間PAの残り時間RAとは同じである。
【0043】
比較した結果、画像処理モジュールA13と画像処理モジュールS2のうち、待機許容時間の残り時間が短い方の画像処理モジュールをT1、長い方の画像処理モジュールをT2とする。次に、画像処理モジュールS1から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DS1と、画像処理モジュールT1の待機許容時間PT1の残り時間RT1とを比較する(S276)。
【0044】
S276の比較における画像処理モジュールS1と画像処理モジュールT1と画像処理モジュールT2の関係は、それぞれS210の比較における画像処理モジュールA13と画像処理モジュールS1と画像処理モジュールS2の関係と同じである。したがって、S276以降は、S210以降における画像処理モジュールA13と画像処理モジュールS1と画像処理モジュールS2を、それぞれ画像処理モジュールS1と画像処理モジュールT1と画像処理モジュールT2に置き換えて、S210以降と同様の動作を行うこととなり、全ての画像処理モジュールからのデータ信号の転送を完了して一連の動作が完了する(S219)。
【0045】
以上のように、本実施形態によると画像処理モジュールにおいて転送要求信号が競合した場合でも、いずれの画像処理モジュールも待機許容時間を超えることがなく、転送エラーを生じさせずにデータ信号を転送することができる。
【0046】
なお、本実施形態では画像処理モジュールが3個の場合について説明したが、4個以上の場合にも同様にして、待機許容時間を超えないようにバースト数を決定し、転送の優先順位を設定することによって、転送エラーを生じさせずにデータ信号を転送することができる。
【0047】
また、画像処理回路によっては、フレームメモリ18をリフレッシュするものがある。このような画像処理回路では、メモリコントローラ17内にリフレッシュ生成用カウンタを備え、そのカウント信号をDMA制御回路12に出力する。このリフレッシュ生成用カウンタの値が0になったときに、フレームメモリ18に対してリフレッシュコマンドを発生し、データ信号転送中の画像処理モジュールからのデータ信号の転送後にリフレッシュが実行される。このリフレッシュには一定の時間を要するため、従来のデータ転送処理回路ではリフレッシュの間に待機許容時間を超えてしまい転送エラーが発生することがあった。しかし、本発明にかかるデータ転送処理回路である、DMA制御回路を備えた画像処理回路では、バースト数決定回路12aにおいてバースト数を待機許容時間からリフレッシュ所要時間を引いた時間に収まるように決定することにより、フレームメモリをリフレッシュする場合においても転送エラーを防ぐことができる。
【0048】
次に、図7〜図13を用いて本実施形態の動作を具体的に説明する。図7〜図13は、本実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャートである。図7〜図13のいずれの図においても、待機状態で画像処理モジュールA13の転送要求信号SAの出力が開始された後、画像処理モジュールB14、画像処理モジュールC15の転送要求信号SB、SCの出力が順に開始されるものとする。転送要求信号の出力の開始の順番がこれらの場合以外である場合についても、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15を置き替えることによって説明することができる。また、以下の説明には、図4〜図6のフローチャートに示した各ステップの番号も併せて記している。
【0049】
<画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が画像処理モジュールB14および画像処理モジュールC15の待機許容時間以内に終了する場合>
図7および図8に示すように、各画像処理モジュール13、14および15のいずれからもデータ信号が転送されていない待機状態(S200)で、画像処理モジュールA13の転送要求信号SAの出力が開始される(S201)。これと同時に、バースト数決定回路12aでは画像処理モジュールA13からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定され(S202)、このバースト数に基づいて画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が開始される(S203)。
【0050】
続いて画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送されている間に、画像処理モジュールB14の転送要求信号SBの出力が開始される(S204)。同時に、転送要求調停回路12bにおいて画像処理モジュールB14の待機許容時間PBのカウントダウンが開始される。以下、いずれの画像処理モジュールにおいても、転送要求信号の出力が開始されるとともに、転送要求調停回路12bにおいて対応する画像処理モジュールの待機許容時間のカウントダウンが開始されるものとする。続いてDMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBとを比較する(S205)。ここではDA≦RB、すなわち待機許容時間PBが満了する以前に画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了する場合について説明する。この場合、この比較に続いて、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S206)、画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S207)。
【0051】
さらに画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送されている間に、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCの出力が開始され(S208)、画像処理モジュールB14からの転送要求信号SBと画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCが競合する。ここで、転送要求調停回路12bにおいて、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBのこの時点での残り時間RB2と、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較し(S209)、データ信号の転送について画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15のどちらを優先するかを決定する。この時点では待機許容時間PCと待機許容時間PCの残り時間RCとは同じである。
【0052】
図7ではRB2<RC=PCの場合について示しており、この場合、データ信号の転送は画像処理モジュールB14が優先される。また、図8では、RB2>RC=PCの場合について示しており、この場合、データ信号の転送は画像処理モジュールC15が優先される。すなわち、図7は上述の説明のS1に画像処理モジュールB14、S2に画像処理モジュールC15が該当し、図8はS1に画像処理モジュールC15、S2に画像処理モジュールB14が該当する。続いて、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DAと、優先された画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15の待機許容時間の残り時間RB2またはRCとを比較する(S210)。
【0053】
図7ではDA≦RB2の場合、図8ではDA≦RCの場合、すなわち上述のS210での比較の結果がDA≦RS1の場合について示している。この場合、図7、図8ではそれぞれ優先された画像処理モジュールB14の待機許容時間PBまたは画像処理モジュールC15の待機許容時間PCが満了する以前に画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了することとなる。しかし、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送に続く優先された画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が、その次にデータ信号が転送される画像処理モジュールC15の待機許容時間PCまたは画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に完了するかどうかはわからない。この場合、図7ではDAと画像処理モジュールB14からのデータ信号を全て転送するのに必要な時間DBの和DA+DBと、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較し、図8ではDAと画像処理モジュールC15からのデータ信号を全て転送するのに必要な時間DCの和DA+DCと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBとを比較する(S211)。
【0054】
図7ではDA+DB≦RC、図8ではDA+DC≦RB2、すなわち上述のS211での比較の結果がDA+DS1≦RS2の場合について説明する。この場合、図7、図8ではそれぞれ画像処理モジュールC15の待機許容時間PCまたは画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に、優先された画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15からのデータの信号が完了することとなる。この場合、図7、図8いずれにおいても、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され(S212)、画像処理モジュールB14からのデータ信号については既に上述のS207で設定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールC15からのデータ信号についてはデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S213)。
【0055】
その後、画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了し(S214)、転送要求信号SAの出力が停止されると、優先された画像処理モジュールS1に該当する画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が開始される(S215)。続いて画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が完了する(S216)と、画像処理モジュールC15または画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が開始される(S217)。画像処理モジュールS2に該当する画像処理モジュールC15または画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が完了する(S218)と、転送要求信号SCまたはSBの出力が停止され、一連の動作が完了する(S219)。
【0056】
<画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が画像処理モジュールB14または画像処理モジュールC15の待機許容時間以内に終了しない場合>
次に、図9および図10について説明する。図9および図10では、DA>RB=PBである点が図7と異なる場合について示している。
【0057】
この場合、画像処理モジュールA13の転送要求信号SAの出力が開始され(S201)てから、画像処理モジュールB14の転送要求信号SBの出力が開始され(S204)、DMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBとを比較する(S205)までの動作は図7の場合と同様である。
【0058】
ここではDA>RB=PBであるため、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数が決定し直され(S206)、同時に画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S207)。
【0059】
さらに画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送されている間に、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCの出力が開始され(S208)、画像処理モジュールB14からの転送要求信号SBと画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCが競合する。ここで、転送要求調停回路12bにおいて、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB2と、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較し(S209)、データ信号の転送について画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15のどちらを優先するかを決定する。この時点では待機許容時間PCと待機許容時間PCの残り時間RCとは同じである。図9および図10では図7と同様にRB2<RCの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールB14が優先される。すなわち、上述の画像処理モジュールS1が画像処理モジュールB14、画像処理モジュールS2が画像処理モジュールC15である場合に相当する。
【0060】
続いて、この時点での画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DA2と、優先された画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB2とを比較する(S210)。図9および図10では、この比較の結果は上述の通りDA>RBであり、したがってDA2>RB2であるので画像処理モジュールB14の待機許容時間が満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数を決定し直す(S270)。また、画像処理モジュールB14からのデータ信号については既にS207で決定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールC15からのデータ信号についてもデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S271)。
【0061】
その後画像処理モジュールA13からこのバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールA13からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる。(S272)。これに続いて画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が開始され(S273)、同時に画像処理モジュールA13からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SAの出力が新たに開始される(S274)。この時点で、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCと画像処理モジュールA13からの転送要求信号SAが競合する。ここで、この時点の画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC2と、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S275)。この時点では待機許容時間PAと待機許容時間PAの残り時間RAとは同じである。図9ではRC2<RAの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールC15が優先され、これは上述の画像処理モジュールT1が画像処理モジュールC15、画像処理モジュールT2が画像処理モジュールA13である場合に該当する。図10ではRC2>RAの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールA13が優先される。これは上述の画像処理モジュールT1が画像処理モジュールA13、画像処理モジュールT2が画像処理モジュールC15である場合に該当する。
【0062】
続いて、画像処理モジュールB14から転送されているデータ信号を全て転送するのに必要な時間DBと、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC2(図9)または画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RA(図10)とを比較する(S276)。
【0063】
上述の説明ではS276以降は、S210以降における画像処理モジュールA13、画像処理モジュールS1、画像処理モジュールS2を、それぞれ画像処理モジュールS1、画像処理モジュールT1、画像処理モジュールT2に置き換えて、S210以降と同様の動作を行うと述べた。よって、図9の場合それぞれ画像処理モジュールB14、画像処理モジュールC15、画像処理モジュールA13、図10の場合それぞれ画像処理モジュールB14、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールC15に置き換えてS210以降と同様の動作を行う。
【0064】
図9、図10ではそれぞれDB≦RC2およびDB≦RAの場合を示しており、いずれも画像処理モジュールT1に相当する優先された画像処理モジュールの待機許容時間が満了する以前に画像処理モジュールB14から転送されているデータ信号の転送が完了することとなる。しかし、画像処理モジュールT1に相当する画像処理モジュールC15または画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が、画像処理モジュールT2に相当する画像処理モジュールA13または画像処理モジュールC15の待機許容時間PAまたはPCが満了する前に完了するかどうかわからない。そのため、図9ではDBと画像処理モジュールC15のデータ信号を全て転送するのに必要な時間DCの和DB+DCと、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S211)。図10ではDBと画像処理モジュールA13のデータ信号の残りの全てを転送するのに必要な時間DAとの和DB+DAと、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC2とを比較する(S211)。
【0065】
図9ではDB+DC≦RA、図10ではDB+DA≦RC2の場合について示しており、画像処理モジュールT2に相当する画像処理モジュールの待機許容時間が満了する前に、画像処理モジュールT1に相当する画像処理モジュールからのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールB14からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S212)。続いて、図9、図10いずれの場合も画像処理モジュールA13から転送されるデータ信号の残りの量に応じたバースト数が改めて決定され、同時に画像処理モジュールC15から転送されるデータの量に応じたバースト数が決定される(S213)。
【0066】
その後、画像処理モジュールB14からのデータ信号の転送が完了する(S214)と、図9では画像処理モジュールC15からデータ信号が全て転送され(S215)、続いて画像処理モジュールA13からデータ信号の残りが全て転送され(S218)、一連の動作が完了する(S219)。図10では画像処理モジュールA13からデータ信号の残りが全て転送され(S215)、続いて画像処理モジュールC15からデータ信号が全て転送され(S218)、一連の動作が完了する(S219)。
【0067】
次に、図11について説明する。図11では、画像処理モジュールB14からの全てのデータ信号の転送がPAが満了する以前には完了しない点が図10と異なる場合について示している。
【0068】
この場合、画像処理モジュールA13から残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SAの出力が新たに開始される(S274)までの動作は、図10の場合と同様である。また、この時点での画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC2と、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとの関係についても、図10と同様にRC2>RAの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールA13が優先される。これは図10について既に述べたとおり、画像処理モジュールT1が画像処理モジュールA13、画像処理モジュールT2が画像処理モジュールC15である場合に相当する。
【0069】
次に、画像処理モジュールB14から転送されているデータ信号の全て転送するのに必要な時間DBと、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S276)。ここで、図11の場合も図10の場合と同様にS210以降における画像処理モジュールA13、画像処理モジュールS1、画像処理モジュールS2を、それぞれ画像処理モジュールS1、画像処理モジュールT1、画像処理モジュールT2すなわち画像処理モジュールB14、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールC15に置き換えてS210以降と同様の動作を行う。
【0070】
図11ではDB>RAの場合を示しており、画像処理モジュールT1に相当する優先された画像処理モジュールA13の待機許容時間PAが満了する以前には画像処理モジュールB14から転送されている全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールB14からのデータ信号のバースト数が決定し直され(S270)、続いて画像処理モジュールA13からのデータ信号については既に前回のS270で決定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールC15からのデータ信号についてもデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S271)。
【0071】
その後画像処理モジュールB14からこのバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールB14からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる(S272)。これに続いて画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が開始され(S273)、同時に画像処理モジュールB14からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SBの出力が新たに開始される(S274)。この時点で、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCと画像処理モジュールB14からの転送要求信号SBが競合する。ここで、この時点の画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC3と、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB3とを比較する(S275)。この時点では待機許容時間PBと待機許容時間PBの残り時間RB3とは同じである。
【0072】
図11では、RC3<RB3の場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールC15が優先される。つまり、画像処理モジュールS1、画像処理モジュールT1、画像処理モジュールT2がそれぞれ画像処理モジュールA13、画像処理モジュールC15、画像処理モジュールB14に該当する。続いて画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DAと、優先された画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RC3とを比較する(S276)。ここで再びS210以降における画像処理モジュールA13、画像処理モジュールS1、画像処理モジュールS2を、それぞれ画像処理モジュールS1、画像処理モジュールT1、画像処理モジュールT2すなわち画像処理モジュールA13、画像処理モジュールC15、画像処理モジュールB14に置き換えてS210以降と同様の動作を行う。
【0073】
図11ではDA≦RC3の場合について示しており、この場合、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCが満了する以前に画像処理モジュールA13から残りのデータ信号の転送が完了することとなる。
【0074】
続いてDAと優先された画像処理モジュールC15のデータ信号を全て転送するのに必要な時間DCの和DA+DCと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB3とを比較する(S211)。図11ではDA+DC≦RBの場合について示しており、この場合、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S212)。続いて、画像処理モジュールC15から転送されるデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定され、同時に画像処理モジュールB14から転送されるデータ信号の残りの量に応じたバースト数が決定される(S213)。
【0075】
その後画像処理モジュールA13から残りのデータ信号の転送が完了する(S213)と、画像処理モジュールC15からデータ信号が全て転送され(S216)、続いて画像処理モジュールB14から残りのデータ信号の転送が全て転送され(S217)、一連の動作が完了する(S219)。
【0076】
次に、図12および図13について説明する。図12および図13では、DA>RCである点が図8と異なる場合について示している。
【0077】
この場合、画像処理モジュールA13の転送要求信号SAの出力が開始され(S201)てから、画像処理モジュールB14の転送要求信号SBの出力が開始され(S204)、DMA制御回路12において、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを転送するのに必要な時間DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBとを比較する(S205)までの動作は図8の場合と同様である。
【0078】
図12および図13の場合、DA>RBであっても、DA≦RBであってもよい。DA>RBであれば、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。したがって、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数が決定し直される(S206)。一方、DA≦RBであれば、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBが満了する以前に画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が完了することとなる。したがって、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールA13からのデータ信号について既に決定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定される(S206)。また、いずれの場合も、画像処理モジュールA13からのデータ信号についてのバースト数の決定に続いて、画像処理モジュールB14からのデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S207)。
【0079】
さらに画像処理モジュールA13からのデータ信号が転送されている間に、画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCの出力が開始され(S208)、画像処理モジュールB14からの転送要求信号SBと画像処理モジュールC15からの転送要求信号SCが競合する。ここで、転送要求調停回路12bにおいて、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RBと、画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較し(S209)、データ信号の転送について画像処理モジュールB14と画像処理モジュールC15のどちらを優先するかを決定する。この時点では待機許容時間PCと待機許容時間PCの残り時間RCとは同じである。図12および図13では図8と同様にRB>RCの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールC15が優先される。すなわち、上述の画像処理モジュールS1が画像処理モジュールC15、画像処理モジュールS2が画像処理モジュールB14である場合に相当する。
【0080】
続いて、画像処理モジュールA13から転送されているデータ信号の残りを全て転送するのに必要な時間DAと、優先された画像処理モジュールC15の待機許容時間PCの残り時間RCとを比較する(S210)。図12および図13では、この比較の結果は上述の通りDA>RCであるので画像処理モジュールC15の待機許容時間が満了する以前には画像処理モジュールA13からの全てのデータ信号の転送が完了しないこととなる。この場合、バースト数決定回路12aは、画像処理モジュールA13からのデータ信号については画像処理モジュールC15の待機許容時間PCが満了する以前に転送できる数に画像処理モジュールA13からのデータ信号のバースト数を決定し直す(S270)。また、画像処理モジュールB14からのデータ信号については既にS207で決定されたバースト数と同じバースト数が改めて決定され、画像処理モジュールC15からのデータ信号についてもデータ信号の量に応じたバースト数が決定される(S271)。
【0081】
その後画像処理モジュールA13からこのバースト数のデータ信号の転送が完了すると、画像処理モジュールA13からのデータ信号はまだ残っているため、データ信号の転送が一時停止した状態となる(S272)。これに続いて画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が開始され(S273)、同時に画像処理モジュールA13からは残りのデータ信号を転送するための転送要求信号SAの出力が新たに開始される(S274)。この時点で、画像処理モジュールB14からの転送要求信号SBと画像処理モジュールA13からの転送要求信号SAが競合する。ここで、この時点の画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB3と、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S275)。この時点では待機許容時間PAと待機許容時間PAの残り時間RAとは同じである。図12ではRB3<RAの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールB14が優先され、これは上述の画像処理モジュールT1が画像処理モジュールB14、画像処理モジュールT2が画像処理モジュールA13である場合に該当する。図13ではRB3>RAの場合について示しており、データ信号の転送について画像処理モジュールA13が優先される。これは上述の画像処理モジュールT1が画像処理モジュールA13、画像処理モジュールT2が画像処理モジュールB14である場合に該当する。
【0082】
続いて、画像処理モジュールC15から転送されているデータ信号を全て転送するのに必要な時間DCと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB3(図12)または画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RA(図13)とを比較する(S276)。
【0083】
図12、図13の場合も、図9、図10の場合と同様に、S210以降における画像処理モジュールA13、画像処理モジュールS1、画像処理モジュールS2を、それぞれ画像処理モジュールS1、画像処理モジュールT1、画像処理モジュールT2に置き換えて、S210以降と同様の動作を行う。よって、図12の場合それぞれ画像処理モジュールC15、画像処理モジュールB14、画像処理モジュールA13、図13の場合それぞれ画像処理モジュールC15、画像処理モジュールA13、画像処理モジュールB14に置き換えてS210以降と同様の動作を行う。
【0084】
図12、図13ではそれぞれDC≦RB3およびDC≦RAの場合を示しており、いずれも画像処理モジュールT1に相当する優先された画像処理モジュールの待機許容時間が満了する以前に画像処理モジュールC15から転送されているデータ信号の転送が完了することとなる。しかし、画像処理モジュールT1に相当する画像処理モジュールB14または画像処理モジュールA13からのデータ信号の転送が、画像処理モジュールT2に相当する画像処理モジュールA13または画像処理モジュールB14の待機許容時間PAまたはPBが満了する前に完了するかどうかわからない。そのため、図12ではDCと画像処理モジュールB14のデータ信号を全て転送するのに必要な時間DBの和DC+DBと、画像処理モジュールA13の待機許容時間PAの残り時間RAとを比較する(S211)。図13ではDCと画像処理モジュールA13のデータ信号の残りの全てを転送するのに必要な時間DAとの和DC+DAと、画像処理モジュールB14の待機許容時間PBの残り時間RB2とを比較する(S211)。
【0085】
図12ではDC+DB≦RA、図13ではDC+DA≦RB3の場合について示しており、画像処理モジュールT2に相当する画像処理モジュールの待機許容時間が満了する前に、画像処理モジュールT1に相当する画像処理モジュールからのデータ信号の転送が完了することとなる。この場合、バースト数決定回路12aでは、画像処理モジュールC15からのデータ信号については残りのデータ信号の量に応じたバースト数が改めて決定される(S212)。続いて、図12、図13いずれの場合も画像処理モジュールA13から転送されるデータ信号の残りの量に応じたバースト数が改めて決定され、同時に画像処理モジュールB14から転送されるデータの量に応じたバースト数が決定される(S213)。
【0086】
その後、画像処理モジュールC15からのデータ信号の転送が完了する(S214)と、図12では画像処理モジュールB14からデータ信号が全て転送され(S215)、続いて画像処理モジュールA13からデータ信号の残りが全て転送され(S218)、一連の動作が完了する(S219)。図13では画像処理モジュールA13からデータ信号の残りが全て転送され(S215)、続いて画像処理モジュールB14からデータ信号が全て転送され(S218)、一連の動作が完了する(S219)。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明にかかるデータ転送処理装置である画像処理回路の実施形態の一例の構成を示すブロック図
【図2】転送要求が競合しない場合のフローチャート
【図3】転送要求が競合しない場合のフローチャート
【図4】転送要求が競合する場合のフローチャート
【図5】転送要求が競合する場合のフローチャート
【図6】転送要求が競合する場合のフローチャート
【図7】転送要求が競合する場合のフローチャート
【図8】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【図9】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【図10】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【図11】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【図12】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【図13】本発明の実施形態にかかる画像処理回路の動作を示すのタイミングチャート
【符号の説明】
【0088】
10 データ転送処理回路
12 DMA制御回路
12a バースト数決定回路
12b 転送要求調停回路
13 画像処理モジュール
14 画像処理モジュール
15 画像処理モジュール
16 共通バス
18 フレームメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号を保持する3個以上のモジュールと、メモリと、前記モジュールからデータ信号の転送要求が出力されると前記モジュールから前記メモリへ前記データ信号を転送する共通バスと、前記モジュールからデータ信号の転送要求が出力されると前記モジュールの各々に設定された待機許容時間の残り時間を計測し、前記モジュールのうち1個から前記共通バスを介して前記メモリへデータ信号が転送されている際に、残りのモジュールからのデータ信号の転送要求が競合すると待機許容時間の残り時間の少ないモジュールに高い優先順位を付与する転送要求調停装置および前記モジュールから転送されるデータ信号についてバースト数を決定するバースト数決定装置を有するDMA制御装置とを備えるデータ転送処理装置において、
前記転送要求調停装置において高い優先順位が付与された前記モジュールの待機許容時間の残り時間以内に転送できる数に、その時点でデータ信号が転送されている前記モジュールのバースト数が決定されることを特徴とするデータ転送処理装置。
【請求項2】
前記モジュールの1個からデータ信号の転送が完了すると、前記メモリがリフレッシュされるリフレッシュ機能を有し、
高い優先順位が付与された前記モジュールの待機許容時間の残り時間から前記メモリのリフレッシュに必要なリフレッシュ所要時間を引いた時間以内に転送できる数に、その時点でデータ信号が転送されている前記モジュールのバースト数が決定されることを特徴とする請求項1に記載のデータ転送処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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