説明

データ送信装置、その制御方法及びプログラム

【課題】 送信したデータを確実に目的の送信先に送信した証拠を生成する。
【解決手段】 画像形成処理装置101は、送信先104に対してデータを送信した後に、送信されたデータを含む処理終了報告書データを、送信先104特有のフォーマットで生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを送信先に確実に送信したことを証拠として生成するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、MFPを用いてスキャンしたデータを送信するようなサービスがある。また、買い物をした際に、購入した商品の情報を印字して購入料金をレシート出力するレジ端末機が存在する(例えば、特許文献1参照)。さらに、文書等をFAX送信するときに、その先頭頁を識別して、これを記憶し、FAX送信の終了後に、送信先電話番号、送信日時、送信結果等を含む送信状況データを生成する。そして、先頭頁データと送信状況データとを併せた送信合成レシートデータを生成して用紙に印刷するファクシミリレシート出力方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭62−254293号公報
【特許文献2】特開平6−105033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サーバにデータを送信した場合、正しくデータ送信されたかどうかはUI画面上の通知で知るだけである。そのため、サービス側で何も送信されていませんと提示されても、証拠を示すことができない。
【0005】
また、特許文献1のようなスーパーのレジ端末機と同様に、送信したデータのサイズや枚数、料金が記述された領収書等の処理終了報告書を出力したとしても、その情報はあくまでも送信した結果を出力しているだけである。そのため、データの送信先が受け取ったデータがスキャンしたデータそのものである証拠にはならない。
【0006】
また、上記特許文献2は、決められたフォーマットの処理終了報告書であるため、簡単にデータの改竄が可能である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、送信したデータを確実に目的の送信先に送信した証拠を生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のデータ送信装置の第1の態様は、送信先に対してデータを送信する送信手段と、前記送信手段によるデータ送信後に、前記送信手段により送信されたデータを含む前記送信手段のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成手段とを有することを特徴とする。
本発明のデータ送信装置の第2の態様は、送信先に対してデータを送信する送信手段と、前記送信手段による前記データの送信後に、前記送信手段により送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信手段の送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
本発明のデータ送信装置の制御方法の第1の態様は、送信先に対してデータを送信する送信ステップと、前記送信ステップによるデータ送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータを含む前記送信ステップのデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のデータ送信装置の制御方法の第2の態様は、送信先に対してデータを送信する送信ステップと、前記送信ステップによる前記データの送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信ステップの送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムの第1の態様は、送信先に対してデータを送信する送信ステップと、前記送信ステップによるデータ送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータを含む前記送信ステップのデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のプログラムの第2の態様は、送信先に対してデータを送信する送信ステップと、前記送信ステップによる前記データの送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信ステップの送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、データ送信後に、送信されたデータを含む処理終了報告書データを送信先特有のフォーマットで生成するように構成している。従って、本発明によれば、送信したデータを確実に目的の送信先に送信した証拠を生成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
先ず、本発明の第1の実施形態を、図1〜図5−3を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。
【0012】
101は、画像形成処理装置であり、後述するチケットサーバ102や送信先104とやり取りを行う。また、画像形成処理装置101は、スキャン処理や印刷処理が行え、内部で処理終了報告書の生成を可能とする。なお、画像形成処理装置101は、本発明のデータ送信装置の適用例となる構成である。また、チケットサーバ102は、本発明における外部装置の適用例となる構成である。
【0013】
102は、チケットサーバであり、ユーザ毎にスキャンした画像を送信するための情報が記述されたチケットを格納している。
【0014】
103は、画像形成処理装置101によってスキャンされたスキャンデータである。104は、スキャンデータ103の送信先となるコンピュータであり、送信されたスキャンデータ103を格納する。
【0015】
105は、送信先104が保持する処理終了報告書テンプレートである。106は、画像形成処理装置101が生成する処理終了報告書である。
【0016】
図2は、画像形成処理装置101の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成処理装置101は、スキャンデータ送信処理部201、ジョブ実行処理部202、スキャン処理部203及び印刷処理部204から構成されている。
【0017】
スキャンデータ送信処理部201は、チケットサーバ102からチケットを受け取り、送信先104にスキャンしたデータを送信する。このチケットには、送信先情報、スキャン用紙のサイズ及び解像度等のスキャン設定情報が記述されている。スキャンデータ送信処理部201の詳細は後述する。
【0018】
ジョブ実行処理部202は、スキャンデータ送信処理部201から指示が与えられ、スキャン処理部203、印刷処理部204等に各ジョブを実行させる。
【0019】
スキャン処理部203は、紙媒体上に記録される情報を読み取り、電子化するためのスキャン処理を実行する。印刷処理部204は、指定された画像の印刷処理を実行する。
【0020】
スキャンデータ送信処理部201において、211はチケット取得部であり、チケットサーバ102からユーザのチケットを取得する。なお、チケット取得部211は、本発明の取得手段の適用例となる構成である。
【0021】
212はチケット解析部であり、チケット取得部211から渡されたチケットの中身を解析する。
【0022】
213はスキャン命令部であり、チケット解析部212から渡された情報(チケットの解析結果)を基に、ジョブ実行処理部202にスキャンを要求する。なお、スキャン命令部213は、本発明のスキャン命令手段の適用例となる構成である。
【0023】
214はデータ送信部であり、チケット解析部212から渡された情報(チケットの解析結果)を基に、スキャン命令部213から渡されたスキャンデータ103を送信先104に送信する。なお、データ送信部214は、本発明の送信手段の適用例となる構成である。
【0024】
215は処理終了報告書生成部であり、データ送信部214から渡された処理終了報告書テンプレート105とスキャンデータ103とを基に処理終了報告書を生成する。なお、処理終了報告書生成部215は、本発明の生成手段の適用例となる構成である。
【0025】
216は印刷命令部であり、処理終了報告書生成部215から渡された処理終了報告書を印刷することをジョブ実行処理部202に要求する。なお、印刷命令部216は、本発明の印刷命令手段の適用例となる構成である。
【0026】
図3は、送信先104から取得される処理終了報告書テンプレート105の一例を示す図である。ここでは、送信先104が保険会社に設置されるコンピュータを想定しており、ユーザが保険の申し込みを行った場合の例を示す図である。処理終了報告書テンプレート105は、送信先104特有のフォーマットのテンプレートである。
【0027】
処理終了報告書テンプレート105は、データのレイアウト情報とレイアウトにマージさせる情報とからなる。301はデータのレイアウト情報であり、ここでは、改竄が不可能な送信先104特有の透かし情報が含まれたレイアウトとなっている。302は、データのレイアウト情報301にマージさせる情報である。
【0028】
データのレイアウト情報301において、311は、マージされる情報302に記述された314の情報とマージする領域を示す。312は、マージされる情報302に記述された315の情報とマージする領域を示す。313は、マージされる情報302に記述された316の情報とマージする領域を示す。
【0029】
マージさせる情報302において、314は、データのレイアウト情報301で示された領域311にマージする情報である。315は、データのレイアウト情報301で示された領域312にマージする情報である。316は、データのレイアウト情報301で示された領域313にマージする情報である。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置101によって生成された処理終了報告書の一例を示す図である。
【0031】
401は処理終了報告書であり、データのレイアウト情報301に、マージさせる情報302に記述されていた送信先104に送信されたスキャンデータ411とユーザ名412とスキャンデータ411を送信先104に送信した時刻413とがマージされている。
【0032】
図5−1〜図5−3は、本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置101のスキャンデータ送信処理部201における処理を示すフローチャートである。
【0033】
先ず、図5−1に示すように、ユーザがログインした際に、チケット取得工程に処理が移る(S501)。チケット取得工程において先ずチケット取得部211は、チケットサーバ102にログインしたユーザのチケットが存在するかをチケットサーバ102に問い合わせる(S502)。
【0034】
続いて、チケット取得部211は、上記問い合わせの結果、チケットサーバ102にユーザのチケットが存在するか否かを判定する(ステップS503)。チケットが存在した場合(S503/YES)、チケット取得部211は、ユーザのチケットをチケットサーバ102から取得する(S504)。一方、チケットが存在しなかった場合(S503/NO)、処理はそこで終了する。
【0035】
続いて、チケット取得部211は、取得したチケットのうち、ユーザが処理を実行するチケットを選択する(S505)。
【0036】
続いて、チケット取得部211は、選択したチケットをチケット解析部212に渡す(S506)。
【0037】
そして、処理はチケット解析工程に移る(S507)。チケット解析工程において先ずチケット解析部212は、チケット取得部211から渡されたチケットの解析を行う(S508)。チケットには、上述したようにスキャン設定情報と送信先情報とが記述されている。チケット解析部212は、送信先情報をデータ送信部214に渡す(S509)。次に、チケット解析部212は、スキャン設定情報をスキャン命令部213に渡す(S510)。
【0038】
そして、図5−2に示すように、処理はスキャン命令工程に移る(S511)。スキャン命令工程において先ずスキャン命令部213は、ユーザの操作によってスキャン指示を受け付ける(S512)。
【0039】
スキャン命令部213は、チケット解析部212から渡されたスキャン設定情報をジョブ実行処理部202に与えてスキャンを要求する(S513)。
【0040】
続いて、スキャン命令部213は、ジョブ実行処理部202からスキャンデータ103を取得する(S514)。
【0041】
続いて、スキャン命令部213は、取得したスキャンデータ103をデータ送信部214に渡す(S515)。
【0042】
そして、図5−3に示すように、処理はデータ送信工程に移る(S516)。データ送信工程において先ずデータ送信部214は、スキャン命令部213から受け取ったスキャンデータ103を、チケット解析部212から渡された送信先情報に示される送信先104に送信する(S517)。
【0043】
続いて、データ送信部214は、送信先104から処理終了報告書テンプレート105を受信したか否かを判定する(S518)。
【0044】
送信先104から処理終了報告書テンプレート105ではなく、エラーメッセージを受信した場合(S518/NO)、データ送信部214は、スキャンデータ103の送信に失敗したことをユーザに通知し(S519)、処理は終了する。
【0045】
一方、送信先104から処理終了報告書テンプレート105を取得した場合(S518/YES)、データ送信部214は、取得した処理終了報告書テンプレート105とスキャンデータ103とを処理終了報告書生成部215に渡す(S520)。
【0046】
そして、処理は処理終了報告書生成工程に移る(S521)。処理終了報告書生成工程において先ず処理終了報告書生成部215は、データ送信部214から渡された処理終了報告書テンプレート105とスキャンデータ103とを基に、処理終了報告書106を生成する(S522)。
【0047】
続いて、処理終了報告書生成部215は、生成した処理終了報告書106を印刷命令部216に渡す(S523)。
【0048】
そして、処理は印刷命令工程に移る(S524)。印刷命令工程において先ず印刷命令部216は、処理終了報告書生成部215から渡された処理終了報告書106をジョブ実行処理部202に渡し、印刷を要求する(S525)。
【0049】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、送信先特有の情報として処理終了報告書テンプレートを送信先独自のものとした。しかし、処理終了報告書テンプレートは複数の送信先が共通で使用できる共通フォーマットであり、送信先から取得するデータが改竄不可能な特有データであっても、送信先の情報が付与された処理終了報告書が作成される。そのため、処理終了報告書としての確かさは変わらない。そこで、第2の実施形態では、処理終了報告書テンプレートは複数の送信先が共通で使用できる共通フォーマットであり、送信先から取得するデータが改竄不可能な特有データである場合の説明を行う。
【0050】
以下、本発明の第2の実施形態を、図6〜図9−3を参照しながら説明する。なお、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明しない。
【0051】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。図6の101〜104は、第1の実施形態と同様である。
【0052】
601は、送信先104が作成し、画像形成処理装置101に渡す送信先特有の画像である。
【0053】
602は、処理終了報告書テンプレートデータベースであり、処理終了報告書テンプレートが格納されている。
【0054】
603は、処理終了報告書テンプレートデータベース602に格納されている処理終了報告書テンプレートの一例である。604は、画像形成処理装置101が生成する処理終了報告書である。
【0055】
図7は、処理終了報告書テンプレートデータベース602から取得される処理終了報告書テンプレートの一例を示す図である。処理終了報告書テンプレートは、第1の実施形態と同様に、データのレイアウト情報とレイアウトにマージさせる情報からなる。
【0056】
701はデータのレイアウト情報である。702は、データのレイアウト情報701にマージさせる情報である。
【0057】
データのレイアウト情報701において、711は、マージされる情報702に記述された713の情報とマージする領域を示し、712は、マージされる情報702に記述された714の情報とマージする領域を示す。
【0058】
マージさせる情報702において、713は、データのレイアウト情報701で示された領域711にマージする情報である。714は、データのレイアウト情報701で示された領域712にマージする情報である。
【0059】
処理終了報告書のテンプレートは複数の送信先104が共通で使用できる共通フォーマットであるため、送信先104特有の情報は含まれない。マージされる情報として、714のように、送信先104から取得される画像601を含ませる。
【0060】
図8は、本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置101によって生成される処理終了報告書の一例を示す図である。
【0061】
図8に示すように、処理終了報告書には、データのレイアウト情報701に、マージさせる情報702に記述されていた、送信先104に送信されたスキャンデータ801と送信先104から取得した画像802とがマージされている。
【0062】
図9−1〜図9−3は、本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置101のスキャンデータ送信処理部201の処理を示すフローチャートである。以下では、図2に示した画像形成処理装置101の各機能構成を用いて説明を行うものとする。
【0063】
先ず、図9−1に示すように、ユーザがログインした際に、チケット取得工程に処理が移る(S501)。チケット取得工程において先ずチケット取得部211は、チケットサーバ102にログインしたユーザのチケットが存在するかをチケットサーバ102に問い合わせる(S502)。
【0064】
続いて、チケット取得部211は、上記問い合わせの結果、チケットサーバ102にユーザのチケットが存在するか否かを判定する(S503)。チケットが存在した場合(S503/YES)、チケット取得部211は、ユーザのチケットをチケットサーバ102から取得する(S504)。チケットが存在しなかった場合(S503/NO)、処理はそこで終了する。
【0065】
続いて、チケット取得部211は、取得したチケットのうち、ユーザが処理を実行するチケットを選択する(S505)。
【0066】
続いて、チケット取得部211は、選択したチケットをチケット解析部212に渡す(S506)。
【0067】
そして、処理はチケット解析工程に移る(S507)。チケット解析工程において先ずチケット解析部212は、チケット取得部211から渡されたチケットの解析を行う(S508)。チケットには、スキャン設定情報と送信先情報と処理終了報告書テンプレートの格納先情報とが記述されている。チケット解析部212は、送信先情報と処理終了報告書テンプレートの格納先情報とをデータ送信部214に渡す(S901)。次に、チケット解析部212は、スキャン設定情報をスキャン命令部213に渡す(S510)。
【0068】
そして、図9−2に示すように、処理はスキャン命令工程に移る(S511)。スキャン命令工程において先ずスキャン命令部213は、ユーザの操作によってスキャン指示を受け付ける(S512)。
【0069】
スキャン命令部213は、チケット解析部212から渡されたスキャン設定情報をジョブ実行処理部202に与えてスキャンを要求する(S513)。
【0070】
続いて、スキャン命令部213は、ジョブ実行処理部202からスキャンデータ103を取得する(S514)。
【0071】
続いて、スキャン命令部213は、取得したスキャンデータ103をデータ送信部214に渡す(S515)。
【0072】
そして、図9−3に示すように、処理はデータ送信工程に移る(S516)。データ送信工程において先ずデータ送信部214は、スキャン命令部213から受け取ったスキャンデータ103を、チケット解析部212から渡された送信先情報に示される送信先104に送信する(S517)。
【0073】
続いて、データ送信部214は、送信先104からデータ送信受け取りの証拠である画像601を受信したか否かを判定する(S902)。ここで、画像601は、送信先特有のタイムスタンプ、電子署名又は会社のロゴ情報等を含む。タイムスタンプの代わりに、送信先104が生成した乱数でもよい。この乱数は、データ送信受け取りの証拠となる程度の桁数を有する。
【0074】
送信先104から画像601ではなく、エラーメッセージを取得した場合(S902/NO)、データ送信部214は、データ送信に失敗したことをユーザに通知し(S519)、処理は終了する。
【0075】
一方、送信先104から画像601を取得した場合(S902/YES)、データ送信部214は、取得した画像601とスキャンデータ103と処理終了報告書テンプレートの格納先情報とを処理終了報告書生成部215に渡す(S903)。
【0076】
そして、処理は処理終了報告書生成工程に移る(S521)。処理終了報告書生成工程において先ず処理終了報告書生成部215は、データ送信部214から渡された処理終了報告書テンプレートの格納先情報を基に、処理終了報告書テンプレートデータベース602から処理終了報告書テンプレート603を取得する(S904)。
【0077】
そして、処理終了報告書生成部215は、データ送信部214から渡された画像601とスキャンデータ103と処理終了報告書テンプレートデータベース602から取得した処理終了報告書テンプレート603とを基に、処理終了報告書604を生成する(S905)。
【0078】
続いて、処理終了報告書生成部215は、生成した処理終了報告書604を印刷命令部216に渡す(S523)。
【0079】
そして、処理は印刷命令工程に移る(S524)。印刷命令工程において先ず印刷命令部216は、処理終了報告書生成部215から渡された処理終了報告書604をジョブ実行処理部202に渡し、印刷を要求する(S525)。
【0080】
第2の実施形態では、処理終了報告書テンプレートの格納先がチケット内に記述してある場合を説明したが、送信先104から、処理終了報告書テンプレートの格納先のURL等をデータ送信完了後に通知されても良い。
【0081】
また、上述した実施形態では、一つの画像形成処理装置101が処理終了報告書を生成する形態を説明した。その他の実施形態として、画像形成処理装置101内に、別の処理終了報告書生成サーバが存在し、そのサーバが処理終了報告書を生成するような画像形成処理装置101でもあっても良い。さらに、画像形成処理装置101が送信先104に処理終了報告書を生成させるように制御する形態であっても良い。
【0082】
上述した実施形態によれば、送信したデータを確実に目的の送信先に送信した証拠として生成することが可能になる。また、送信先特有のフォーマットの処理終了報告書が動的に生成されることで、簡単に改竄されない信頼性の高い処理終了報告書が作成可能である。
【0083】
さらに、もし送信先で処理終了報告書を生成する場合は、生成した処理終了報告書をネットワークを介してデジタル複合機(MFP)に送信する必要があり、通信量がかさむ。しかし、MFPはスキャン処理した送信画像のデータをすでに保持しているので、そのデータを利用してMFP内部で処理終了報告書を生成すればよく、効果的である。また、MFP内に全ての送信先で共通に使用できる処理終了報告書生成処理部が存在すれば、処理終了報告書を生成する機構を各送信先がそれぞれもつ必要がなくなる。
【0084】
上述した本発明の実施形態を構成する各手段及び各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0085】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0086】
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム又は装置に直接、又は遠隔から供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0087】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0088】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。更に、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0089】
更に、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。
【図2】画像形成処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】送信先から取得される処理終了報告書テンプレートの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置によって生成された処理終了報告書の一例を示す図である。
【図5−1】本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部における処理を示すフローチャートである。
【図5−2】本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部における処理を示すフローチャートである。
【図5−3】本発明の第1の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部における処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。
【図7】処理終了報告書テンプレートデータベースから取得される処理終了報告書テンプレートの一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置によって生成される処理終了報告書の一例を示す図である。
【図9−1】本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部の処理を示すフローチャートである。
【図9−2】本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部の処理を示すフローチャートである。
【図9−3】本発明の第2の実施形態における画像形成処理装置のスキャンデータ送信処理部の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
101 画像形成処理装置
102 チケットサーバ
103 スキャンデータ
104 送信先
105 処理終了報告書テンプレート
106 処理終了報告書
201 スキャンデータ送信処理部
202 ジョブ実行処理部
203 スキャン処理部
204 印刷処理部
211 チケット取得部
212 チケット解析部
213 スキャン命令部
214 データ送信部
215 処理終了報告書作成部
216 印刷命令部
601 画像
602 処理終了報告書テンプレートデータベース
603 処理終了報告書テンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信先に対してデータを送信する送信手段と、
前記送信手段によるデータ送信後に、前記送信手段により送信されたデータを含む前記送信手段のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成手段とを有することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項2】
送信先に対してデータを送信する送信手段と、
前記送信手段による前記データの送信後に、前記送信手段により送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信手段の送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成手段とを有することを特徴とするデータ送信装置。
【請求項3】
前記送信先特有のデータは、前記送信先特有のタイムスタンプ、電子署名及びロゴ情報のうちの少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項2に記載のデータ送信装置。
【請求項4】
前記送信手段により送信されるデータは、紙媒体上に記録される情報がスキャン手段によって読み取られ、電子化されたデータであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項5】
紙媒体を読み取り、電子化するための設定情報を外部装置から取得する取得手段と、
前記設定情報に基づき、前記スキャン手段に紙媒体の読み取りを命令するスキャン命令手段とを更に有することを特徴とする請求項4に記載のデータ送信装置。
【請求項6】
前記生成手段により生成された前記処理終了報告書データの印刷処理を印刷処理手段に命令する印刷命令手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のデータ送信装置。
【請求項7】
送信先に対してデータを送信する送信ステップと、
前記送信ステップによるデータ送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータを含む前記送信ステップのデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成ステップとを含むことを特徴とするデータ送信装置の制御方法。
【請求項8】
送信先に対してデータを送信する送信ステップと、
前記送信ステップによる前記データの送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信ステップの送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成ステップとを含むことを特徴とするデータ送信装置の制御方法。
【請求項9】
送信先に対してデータを送信する送信ステップと、
前記送信ステップによるデータ送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータを含む前記送信ステップのデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを、前記送信先特有のフォーマットで生成する生成ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
送信先に対してデータを送信する送信ステップと、
前記送信ステップによる前記データの送信後に、前記送信ステップにより送信されたデータと前記送信先特有のデータとを含む前記送信ステップの送信処理のデータ送信処理の終了を報告するための処理終了報告書データを生成する生成ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【公開番号】特開2010−21658(P2010−21658A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178429(P2008−178429)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】