説明

データ通信システム

【課題】通信負荷を軽減しながら、遠隔管理サーバとコントローラとの間の機器構成情報の不整合を回避することができるデータ通信システムを提供する。
【解決手段】データ通信システムは、店舗に設置された機器を制御する統合コントローラ2と、ネットワークを介してデータの送受信を行うことにより、当該統合コントローラ2を遠隔管理する遠隔管理サーバ4から構築される。統合コントローラ2は、店舗に設置された機器の構成に関する最新の機器構成情報を把握する手段と、遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握しているか否かを示す情報を有し、遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握していない場合には、遠隔管理サーバ4からの要求があったときに、当該要求に対する応答に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバ4に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等の施設に設置された冷設機器等の機器をネットワーク経由で遠隔管理するデータ通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗(施設)に設置されたショーケースや空気調和機等の冷設機器(機器)の計測データを遠隔管理するシステムが開発されてきている。この場合、店舗に設置された冷設機器の運転状態(警報も含まれる)、設定等に関する各種データは、これら複数台の冷設機器を統合制御する当該店舗の統合コントローラが収集し、制御している。
【0003】
遠隔管理サーバは統合コントローラに情報の要求を行い、当該統合コントローラが収集した上記各種データをネットワーク経由でダウンロードし、データベースに保存すると共に、統合コントローラには設定等に関するデータの情報を送信し、冷設機器を遠隔管理する。そして、クライアントはブラウザ等を介して遠隔管理サーバ上のデータを参照できるようにしていた。
【0004】
ここで、遠隔管理サーバは、店舗に設置されている冷設機器の構成(どのようなショーケース等がどのような関連付けで設置されているか等)に関する情報(以下、機器構成情報と称する)を統合コントローラから取得し、データベースに格納している。そして、遠隔管理サーバは、データベースに保有している機器構成情報に基づき、個々の冷設機器の設定(温度設定等)や霜取Gr.等に関するデータを統合コントローラに提供するものであるが、この機器構成情報が最新のものでない場合、即ち、遠隔管理サーバが把握している機器構成情報と実際の店舗における現在の冷設機器の構成とが異なっている場合、不整合が発生して管理機能に異常を来してしまう。
【0005】
そこで、例えば特許文献1では監視対象機器(上記統合コントローラに相当)が状態変化した場合、状態が定常状態に戻るまで一定時間毎に状態変化通知データを監視機器(上記遠隔管理サーバに相当)へ状態変化を送信する。そして、監視機器は無通信時間を計測し、所定の時間が過ぎている場合には定常状態に戻ったものとみなす制御を行っていた。係る方法によれば、監視機器が一定周期で要求パケットを送信し、監視対象機器が応答パケットを返信することで監視対象機器の情報を取得する従来の方法に比べて、通信負荷を軽減することができる。
【0006】
係る特許文献1の方法について、図5と図6を用いて上記従来の遠隔管理サーバ101と統合コントローラ102の関係で説明すると、店舗において冷設機器の構成が変更された場合、店舗の統合コントローラ102は冷設機器の接続状態に基づいて機器構成の変更を把握する。そして、統合コントローラ102は機器構成情報を遠隔管理サーバ101に送信する。遠隔管理サーバ101は統合コントローラ102から機器構成情報を受信すると、正常に受信した旨の受理通知を統合コントローラ102に応答するというものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−218510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、係る方法でも店舗における冷設機器の構成が変更されるたびに統合コントローラ102から遠隔管理サーバ101に機器構成情報を送信されることになる。一方で、遠隔管理サーバ101としては、統合コントローラ102に情報を要求するときに自らが把握している機器構成情報が最新のものであれば問題はないので、上記のような遠隔管理サーバ101からの機器構成情報の送信は、無用な通信負荷となる。
【0009】
また、統合コントローラ102から送信された機器構成情報を遠隔管理サーバ101が正常に受信できない場合は、図6に示すように遠隔管理サーバ101から正常受信の受理通知が来るまで統合コントローラ102は一定の送信待機時間をおいて機器構成情報の送信を繰り返すことになるので、これによっても通信負荷が増大する。
【0010】
更に、係る正常受信が行われない送信待機中に遠隔管理サーバ101からデータの要求があった場合、統合コントローラ102から送られてくる各種データを、遠隔管理サーバ101は古い機器構成情報に基づいて処理することになるので、不整合が発生する。
【0011】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、通信負荷を軽減しながら、遠隔管理サーバとコントローラとの間の機器構成情報の不整合を回避することができるデータ通信システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明のデータ通信システムは、施設に設置された機器を制御するコントローラと、ネットワークを介してコントローラとの間でデータの送受信を行うことにより、当該コントローラを遠隔管理する遠隔管理サーバとから構築されるものであって、コントローラは、施設に設置された機器の構成に関する最新の機器構成情報を把握する手段と、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握しているか否かを示す情報を有し、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していない場合には、遠隔管理サーバからの要求があったときに、当該要求に対する応答に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバに送信することを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明のデータ通信システムは、上記においてコントローラは、遠隔管理サーバからの要求に対して最新の機器構成情報を付加して応答した後、遠隔管理サーバから最新の機器構成情報を受理した旨の応答があったことにより、当該遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握しているものと確認する手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明のデータ通信システムは、上記においてコントローラは、機器構成情報が更新された場合に機器構成情報更新フラグをセットし、遠隔管理サーバから最新の機器構成情報を受理した旨の応答があった場合に機器構成情報更新フラグをリセットすると共に、当該機器構成情報更新フラグがセットされている場合、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していないものと判断することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明のデータ通信システムは、上記においてコントローラは、遠隔管理サーバから機器構成情報の要求があった場合、最新の機器構成情報を遠隔管理サーバに送信することを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明のデータ通信システムは、上記各発明においてコントローラは、警報に関する情報については、遠隔管理サーバからの要求に拘わらず、当該遠隔管理サーバに送信すると共に、当該遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していない場合には、警報に関する情報に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバに送信することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明のデータ通信システムは、上記各発明において機器は店舗に複数台設置された冷設機器であり、コントローラは店舗において複数台の冷設機器を統合制御する統合コントローラであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、施設に設置された機器を制御するコントローラと、ネットワークを介してコントローラとの間でデータの送受信を行うことにより、当該コントローラを遠隔管理する遠隔管理サーバとから構築されるデータ通信システムであって、コントローラは、施設に設置された機器の構成に関する最新の機器構成情報を把握する手段と、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握しているか否かを示す情報を有し、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していない場合には、遠隔管理サーバからの要求があったときに、当該要求に対する応答に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバに送信するようにしたので、遠隔管理サーバからコントローラに情報の要求が行われたときに、コントローラで機器構成情報が更新されていた場合に、当該最新の機器構成情報がコントローラから遠隔管理サーバへの応答に付加されて送られることになる。
【0019】
このような構成により、遠隔管理サーバは必要な最新の機器構成情報を把握することが可能となり、遠隔管理サーバにおける処理の不整合は発生しない。一方で、コントローラ側では遠隔管理サーバからの要求時における最新の機器構成情報のみ、遠隔管理サーバへの応答に付加して送ることになるので、機器構成情報の更新に関する通信は最小限に必要最小限に抑えられ、通信負荷の著しい軽減を図ることが可能となる。
【0020】
これは例えば請求項6の如き店舗において複数台の冷設機器を統合制御し、且つ、これらを遠隔管理する場合に極めて効果的である。
【0021】
この場合、請求項2の発明の如くコントローラが、遠隔管理サーバからの要求に対して最新の機器構成情報を付加して応答した後、遠隔管理サーバから最新の機器構成情報を受理した旨の応答があったことにより、当該遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握しているものと確認する手段を有する。
【0022】
更には、請求項3の発明の如くコントローラが、機器構成情報が更新された場合に機器構成情報更新フラグをセットし、遠隔管理サーバから最新の機器構成情報を受理した旨の応答があった場合に機器構成情報更新フラグをリセットすると共に、当該機器構成情報更新フラグがセットされている場合、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していないものと判断するようにすれば、簡単な構成で、遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握しているか否かをコントローラは判断することが可能となる。
【0023】
また、請求項4の発明の如くコントローラが、遠隔管理サーバから機器構成情報の要求があった場合、最新の機器構成情報を遠隔管理サーバに送信するようにすれば、遠隔管理サーバからコントローラに要求して最新の機器構成情報を把握することも可能となる。
【0024】
また、請求項5の発明の如くコントローラが、警報に関する情報については、遠隔管理サーバからの要求に拘わらず、当該遠隔管理サーバに送信すると共に、当該遠隔管理サーバが最新の機器構成情報を把握していない場合には、警報に関する情報に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバに送信するようにすれば、緊急を要する警報についてはコントローラから迅速に遠隔管理サーバに通報され、遠隔管理サーバにおいては最新の機器構成情報に基づいて当該警報を支障なく処理することが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用したデータ通信システムの構成図である。
【図2】図1のデータ通信システムを構成する遠隔管理サーバの構成図である。
【図3】図1のデータ通信システムを構成する遠隔管理サーバと統合コントローラとの通信シーケンスを示す図である。
【図4】同じく図1のデータ通信システムを構成する遠隔管理サーバと統合コントローラとの通信シーケンスを示す図である。
【図5】従来の遠隔管理サーバと統合コントローラとの間の通信シーケンスを示す図である。
【図6】同じく従来の遠隔管理サーバと統合コントローラとの間の通信シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1において、実施例のデータ通信システムは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗1に設置されたコントローラとしての統合コントローラ2と、管理センター3に設置された遠隔管理サーバ4と、同じく管理センター3やサービス会社6等に設置された監視クライアント7とから構築される。
【0027】
統合コントローラ2は、当該店舗1に設置された複数台のショーケースSや空気調和機AC、冷凍機R等の冷設機器、電力計W等の全機器から一定の間隔でデータ(庫内温度や装置の温度等の計測データ、設定データ、警報情報等の運転状態に関するデータ)を収集し、保存している。また、統合コントローラ2は、各種処理(霜取Gr.、照明Gr.等)の設定情報を保持している。更に、統合コントローラ2は自らにおいて設定され、或いは、後述するように遠隔管理サーバ4から送信された設定温度等の設定情報や霜取Gr.(複数台のショーケースSをグループ分けして霜取するときの当該Gr.)、照明Gr.等に関する情報を各機器(ショーケースS、空気調和機AC、電力計W、冷凍機R)に送信し、これらを統合制御している。
【0028】
また、統合コントローラ2は自らに接続されている制御対象としての個々の機器(ショーケースS、空気調和機AC、電力計W、冷凍機R)に関する情報を有している。そして、これらの機器の増設、削減等の構成の変更が行われた場合、個別のIDに基づいて係る増設、削減された機器を認識し、それら機器構成の更新を行って常に最新の機器構成情報を把握している。
【0029】
更に、統合コントローラ2は後述する遠隔管理サーバ4の機器構成情報更新フラグを有している。この場合、制御する機器の構成が変更された場合、統合コントローラ2は機器構成情報の再構築を行う。そして、再構築を行った場合には、上記機器構成情報更新フラグを「true」(セット)とする。
【0030】
尚、この機器構成情報更新フラグは、後述する如く遠隔管理サーバ4からの正常受理の通知を受けた場合等に「false」(リセット)とされる。
【0031】
遠隔管理サーバ4は、ネットワークを介して統合コントローラ2とデータの送受信を行うことにより、店舗1の各機器(ショーケースS、空気調和機AC、電力計W、冷凍機R)の遠隔管理を行うと共に、クライアント7からの要求に応じ、WEBブラウザ等により当該クライアント7に統合コントローラ2からの機器の運転状態に関するデータの情報提供を行う。
【0032】
即ち、遠隔管理サーバ4は、図2に示す如く演算部(CPU)11、メモリ12、ハードディスク(HDD)13、http通信部14、データベース16、コントローラとの通信部17等から構成されており、通信部18がネットワーク経由で店舗1の統合コントローラ2と接続され、http通信部14がwebブラウザを用いて各監視クライアント7に接続される。
【0033】
このうちデータベース16には主に以下のテーブルが構成されている。
i.コントローラテーブル:統合コントローラ2の情報を管理
ii.機器テーブル:統合コントローラ2が管理する機器(ショーケースS、空気調和機AC、電力計W、冷凍機R)の情報を管理
iii.機器データテーブル:機器毎に端末の設定データ、計測データを保存するテーブル
【0034】
そして、遠隔管理サーバ4は監視クライアント7に対して参照、設定を行うGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を提供し、クライアント7からの要求に応じて統合コントローラ2に対して情報の参照要求を行い、また、設定温度等の設定や霜取Gr.、照明Gr.等のデータを送信する。また、統合コントローラ2から警報に関するデータが送信された場合に警報を受理し、監視クライアント7にその警報を通報する。
【0035】
次に、図3、図4を用いて係る遠隔管理サーバ4と統合コントローラ2との間の通信シーケンスを説明する。図3において遠隔管理サーバ4から例えば霜取Gr.や照明Gr.等に関する情報のように、個々の機器についての情報ではない情報を統合コントローラ2に要求(個々の機器についての情報を要求するものではない要求)した場合、統合コントローラ2は自らが有する機器構成情報更新フラグをチェックする。そして、機器構成情報更新フラグが「false」(リセット)である場合、統合コントローラ2は自らに接続された機器の霜取Gr.に関する情報を遠隔管理サーバ4に送信し、応答する。
【0036】
即ち、店舗1における機器構成の変更がなく、統合コントローラ2の機器構成情報更新フラグが「false」(リセット)となっている場合には、統合コントローラ2は遠隔管理サーバ4から要求された霜取Gr.に関する情報のみを遠隔管理サーバ4に返信する。遠隔管理サーバ4は受信したデータに基づいて処理を行う。
【0037】
一方、店舗1において既に機器構成の変更が行われていている場合のシーケンスが図4に示されている。この場合も遠隔管理サーバ4から例えば霜取Gr.に関する情報を統合コントローラ2に要求したものとすると、統合コントローラ2は同様に自らが有する機器構成情報更新フラグをチェックする。このとき、機器構成の変更が行われているので、統合コントローラ2は機器構成更新フラグを「true」(セット)としている。その場合、統合コントローラ2は自らに接続された機器の霜取Gr.に関する情報に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバ4に送信し、応答する。
【0038】
尚、遠隔管理サーバ4から要求があるまでに複数回機器構成の変更があった場合、統合コントローラ2はその都度機器構成情報を最新にものに更新しているので、遠隔管理サーバ4はその時点での最新の機器構成情報のみを入手できる。
【0039】
遠隔管理サーバ4は霜取Gr.に関する情報と共に受信した最新の機器構成情報に基づいて自らのデータベース16の機器テーブルにおける機器構成情報を最新のものに更新する。また、統合コントローラ2には正常受理の応答を送信する。そして、受信した最新の機器構成情報に基づいて同じく受信した霜取Gr.に関する情報を処理する。
【0040】
一方、統合コントローラ2は遠隔管理サーバ4から正常受理の応答を受信した場合、自らが保有する機器構成情報更新フラグを「false」(リセット)にする。これによって機器構成情報更新フラグは「true」ではなくなるので、その後遠隔管理サーバ4からの要求があった場合には、図3のシーケンスとなる。即ち、統合コントローラ2はこの機器構成情報更新フラグによって遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握しているか否かを認識でき、「true」の場合には認識していない、「false」の場合には認識していると判断することができることになる。
【0041】
このように、統合コントローラ2は、店舗1に設置された機器の構成に関する最新の機器構成情報を把握している。また、遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握しているか否かを示す機器構成情報更新フラグを有しており、遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握していない場合には、遠隔管理サーバ4からの要求があったときに、当該要求に対する応答に最新の機器構成情報を付加して遠隔管理サーバ4に送信するようにしたことにより、遠隔管理サーバ4から統合コントローラ2に情報の要求が行われたときに、統合コントローラ2で機器構成情報が更新されていた場合に、当該最新の機器構成情報が統合コントローラ2から遠隔管理サーバ4への応答に付加されて送られる。
【0042】
このような構成により、遠隔管理サーバ4は必要な最新の機器構成情報を把握することが可能となり、遠隔管理サーバ4における処理の不整合は発生しない。一方で、統合コントローラ2側では遠隔管理サーバ4からの要求時における最新の機器構成情報のみ、遠隔管理サーバ4への応答に付加して送ることになるので、機器構成情報の更新に関する通信は最小限に必要最小限に抑えられ、通信負荷の著しい軽減を図ることが可能となる。
【0043】
これにより、実施例のように店舗1において複数台のショーケースSや空気調和機AC、冷凍機R等の冷設機器を統合制御し、且つ、これらを遠隔管理する場合の通信コストを著しく削減することができるようになる。
【0044】
この場合、統合コントローラ2は機器構成情報が更新された場合に機器構成情報更新フラグを「true」(セット)とし、遠隔管理サーバ4から最新の機器構成情報を受理した旨の応答があった場合に機器構成情報更新フラグを「false」(リセット)とすると共に、当該機器構成情報更新フラグが「true」(セット)とされている場合、遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握していないものと判断するので、比較的簡単な構成で遠隔管理サーバ4が最新の機器構成情報を把握しているか否かを統合コントローラ2は判断することができる。
【0045】
尚、上記以外に個々の機器についての情報を要求する場合、遠隔管理サーバ4から自発で統合コントローラ2に機器構成情報(最新)を要求する。この場合には、統合コントローラ2は自らが保有している最新の機器構成情報を遠隔管理サーバ4に返信して応答するので、遠隔管理サーバ4は支障なく最新の機器構成情報を入手できる。そして、遠隔管理サーバ4は係る機器構成情報を正常に受信した場合、図4の場合と同様に正常受信の応答を統合コントローラ2に返信するので、統合コントローラ2は前記機器構成情報更新フラグを「false」(リセット)とする。
【0046】
また、店舗1において警報に関する情報が発生した場合、統合コントローラ2は遠隔管理サーバ4から要求があるか否かに拘わらず、自発で遠隔管理サーバ4に警報に関する情報を送信するが、その場合も機器構成情報更新フラグが「true」(セット)となっている場合には、最新の機器構成情報を警報に関する情報に付加して遠隔管理サーバ4に送信する。
【0047】
遠隔管理サーバ4はその場合にも機器構成情報を正常に受信した場合、同様に正常受信の応答を統合コントローラ2に返信するので、統合コントローラ2は前記機器構成情報更新フラグを「false」(リセット)とする。これにより、緊急を要する警報については統合コントローラ2から迅速に遠隔管理サーバ4に通報され、遠隔管理サーバ4においては最新の機器構成情報に基づいて当該警報を支障なく処理することが可能となる。
【0048】
尚、実施例では施設としてショーケースSや空気調和機AC、冷凍機Rの冷設機器が設置された店舗1を例に挙げて本発明を説明したが、それに限らず、機器を統合制御する統合コントローラとそれらを遠隔管理する遠隔管理サーバから構築される他の種々のシステムに本発明は有効である。
【符号の説明】
【0049】
2 統合コントローラ
4 遠隔管理サーバ
7 クライアント
16 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された機器を制御するコントローラと、ネットワークを介して前記コントローラとの間でデータの送受信を行うことにより、当該コントローラを遠隔管理する遠隔管理サーバとから構築されるデータ通信システムであって、
前記コントローラは、前記施設に設置された機器の構成に関する最新の機器構成情報を把握する手段と、前記遠隔管理サーバが前記最新の機器構成情報を把握しているか否かを示す情報を有し、
前記遠隔管理サーバが前記最新の機器構成情報を把握していない場合には、前記遠隔管理サーバからの要求があったときに、当該要求に対する応答に前記最新の機器構成情報を付加して前記遠隔管理サーバに送信することを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
前記コントローラは、遠隔管理サーバからの要求に対して前記最新の機器構成情報を付加して応答した後、前記遠隔管理サーバから前記最新の機器構成情報を受理した旨の応答があったことにより、当該遠隔管理サーバが前記最新の機器構成情報を把握しているものと確認する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記機器構成情報が更新された場合に機器構成情報更新フラグをセットし、前記遠隔管理サーバから前記最新の機器構成情報を受理した旨の応答があった場合に前記機器構成情報更新フラグをリセットすると共に、
当該機器構成情報更新フラグがセットされている場合、前記遠隔管理サーバが前記最新の機器構成情報を把握していないものと判断することを特徴とする請求項2に記載のデータ通信システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記遠隔管理サーバから前記機器構成情報の要求があった場合、前記最新の機器構成情報を前記遠隔管理サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記コントローラは、警報に関する情報については、前記遠隔管理サーバからの要求に拘わらず、当該遠隔管理サーバに送信すると共に、
当該遠隔管理サーバが前記最新の機器構成情報を把握していない場合には、前記警報に関する情報に前記最新の機器構成情報を付加して前記遠隔管理サーバに送信することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記機器は店舗に複数台設置された冷設機器であり、前記コントローラは前記店舗において前記複数台の冷設機器を統合制御する統合コントローラであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載のデータ通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−203641(P2012−203641A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67497(P2011−67497)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】