説明

データ通信装置及びデータ通信装置制御方法

【課題】 データ受信時の使い勝手を向上させるデータ通信装置を提供する。
【解決手段】 データを受信する通信手段と、通信手段で受信したデータを報知する報知手段と、通信手段で受信したデータを分析する分析手段と、受信データを報知手段にて報知した際に、当該データに対するアクションを選択するアクション選択手段とを備え、アクション選択手段は、分析手段による受信データの分析結果に応じて、当該データに対して選択可能なアクションを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した情報の内容に応じて、処理内容を設定するデータ通信装置及びデータ通信装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子メールの普及とブロードバンド化に伴い、受信者が不要と感じる迷惑メールや広告メールが無差別に送られてくることが多くなり、受信者は、全てのメールの内容を確認して、不要なメールについては削除する等の操作を行わなければならず、たいへん手間がかかるという問題がある。
このような問題を解決するために、入力されたメール文書を形態素解析してキーワードの集合にし、このキーワードの集合から当該メール文書の特徴を表す入力キーワードベクトルを生成し、予め記憶された参照用のキーワードベクトルと入力文書から得られたキーワードベクトルとの類似度を算出して、この類似度に基づき当該メール文書を不要か必要かを判定して選別することにより、文書の選別を高精度に行うことを可能にした文書フィルタリングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−348523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示す文書フィルタリングシステムにあっては、不要メールと必要メールの判別を行うのみであったため、受信者は、判別結果を参照して、次に行うべきアクションを行うことになるが、任意のアクションを行う場合の操作は、判別結果に関係なく同一であったため、使い勝手が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、受信した情報の内容に応じて、次に行うべき処理内容を設定することができるデータ通信装置及びデータ通信装置制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、データを受信する通信手段と、前記通信手段で受信した前記データを報知する報知手段と、前記通信手段で受信した前記データを分析する分析手段と、前記データを前記報知手段にて報知した際に、前記分析手段による前記データの分析結果に応じて、前記データに対して選択可能な前記アクションを設定し、当該設定されたアクションを選択可能とするアクション選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明は、前記分析手段は、前記データが所定の第1条件を満たす場合に、当該データが悪質データであると判断し、前記アクション選択手段は、前記分析手段により前記データが悪質データと判断された場合に、前記データを削除するアクションを優先的に選択可能とすることを特徴とする。
【0007】
本発明は、前記分析手段は、前記データが所定の第2条件を満たす場合に、当該データが良質データであると判断し、前記アクション選択手段は、前記分析手段により前記データが良質データと判断された場合、前記データを保存するアクション又は前記データに対して返答するアクションを優先的に選択可能とすることを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記分析手段は、前記データが文書を有する場合に、当該文書に基づき分析することを特徴とする。
【0009】
本発明は、前記分析手段は、前記データがリンク先を有する場合に、当該リンク先を分析することを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記アクション選択手段は、前記データが前記報知手段にて報知された際に、アクション動作を開始するための第1操作手段を有し、前記分析結果に応じて前記第1操作手段により動作が開始されるアクションを設定することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記アクション選択手段は、前記データが前記報知手段にて報知された際に、複数のアクション中から1つのアクションを選択操作する第2操作手段を有し、前記分析結果に応じて前記第2操作手段により選択操作可能な複数のアクションを設定することを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記報知手段は、前記データを表示する表示部を有して構成され、前記アクション選択手段は、前記データが前記表示部に表示された際に、前記分析手段による前記データの分析結果に応じて設定されるアクションを表示することを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記報知手段は、前記データを報知する際に、前記分析手段にて分析された前記データの分析結果を報知することを特徴とする。
【0014】
本発明は、通信手段にて受信されたデータを報知手段により報知し、前記データを報知した際に、当該データに対するアクションを選択可能とし、当該選択されたアクションの動作を行うデータ通信装置の制御方法であって、前記通信手段にて受信された前記データを分析手段により分析し、報知された前記データに対して選択可能なアクションを前記分析手段による分析結果に応じて設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受信したデータの内容を分析し、この分析結果に応じて、受信したデータに対するアクション選択時の選択可能アクションの内容を変更するようにしたため、受信したデータの内容に適したアクション選択を容易に行うことが可能になるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態によるデータ通信装置を図面を参照して説明する。ここでは、移動通信端末を本発明によるデータ通信装置の一例として説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、移動通信端末の処理動作を統括して制御する制御部である。符号2は、ダイヤルキー、ファンクションキー等から構成する入力部である。符号3は、液晶のディスプレイ装置等から構成する表示部である。符号4は、通信相手の装置(例えば、基地局装置)との間で無線通信を確立して情報通信を行う無線通信部である。符号5は、送信するべき情報を送信可能な信号に変換して無線通信部4へ受け渡す送信処理部である。符号6は、無線通信部4を介して受信した信号から受信情報へ変換する受信処理部である。符号7は、無線通信部4が確立した通信回線を介して、音声による通話を行う音声処理部であり、話者の音声を集音するマイク8と、通話相手の音声を発音するスピーカ9が接続される。
【0017】
符号10は、受信した情報について、形態素解析を実行し、解析結果を得る形態素解析部(分析手段)である。符号11は、情報を記憶する記憶部であり、受信メール情報12、解析結果情報13、メニュー候補情報14及び参照情報15が記憶される。受信メール情報12は、無線通信部4及び受信処理部6を介して受信した電子メールの情報である。解析結果情報13は、形態素解析部10が記憶部11に記憶された受信メール情報12を解析した結果の情報であり、受信メール情報12のそれぞれについて、解析結果として「仲良しメール」(良質データ)、「迷惑メール」(悪質データ)、「その他のメール」のいずれかの情報からなる。メニュー候補情報14は、受信メール情報12毎の解析結果情報13に応じて、表示部3に表示するべきメニュー項目候補の情報である。参照情報15は、形態素解析部10が受信メール情報12を「仲良しメール」、「迷惑メール」、「その他のメール」のいずれかに分類するときに参照する情報であり、仲良しメール用参照情報と、迷惑メール用参照情報とが予め記憶されている。符号16は、着信があった場合や電子メールを受信した場合に、着信音を発音させたり、振動を発生させたりして、着信またはメール受信をユーザに対して報知する着信報知部である。
【0018】
次に、図2を参照して、図1に示す移動通信端末が電子メール受信を行う動作を説明する。図2は、図1に示す移動通信端末が電子メール受信を行う動作を示すフローチャートである。まず、受信処理部6は、無線通信部4を介して電子メールを受信した場合(ステップS1)、受信したメールの情報(メールの件名、送信者名、受信日時、メール本文等)に識別番号を付与して、受信メール情報12として記憶部11へ格納する(ステップS2)とともに、識別番号を含むメール受信通知を制御部1に対して出力する。制御部1は、メール受信の通知を受けると、形態素解析部10に対して、受信メールを識別する識別番号を含む形態素解析指示を出力する。これを受けて、形態素解析部10は、制御部1から指示された識別番号が付与された受信メール情報12を読み出し、この受信メール情報12に対して形態素解析を実行する(ステップS3)。このとき、形態素解析部10は、記憶部11に記憶されている仲良しメール用参照情報と、迷惑メール用参照情報とを読み出し、解析対象の受信メールの解析結果が、仲良しメール用参照情報と、迷惑メール用参照情報とのいずれかに類似してるかを判定することによって、受信メールの分類を行う。この判定の結果、仲良しメール用参照情報に類似していれば、解析対象の受信メールを「仲良しメール」と分類し、迷惑メール用参照情報に類似していれば、解析対象の受信メールを「迷惑メール」と分類する。そして、いずれにも類似していなければ「その他のメール」と分類する。
【0019】
次に、形態素解析部10は、得られた形態素解析による分類結果(「仲良しメール」、「迷惑メール」、「その他のメール」のいずれか)と受信メール情報12に付与された識別番号と同じ識別番号を付与して、解析結果情報13として記憶部11へ保存する(ステップS4)。これにより、記憶部11には、受信の度に異なる識別番号が付与された受信メール情報12と、この受信メール情報12に付与された識別番号と同じ識別番号が付与された解析結果情報13が記憶されることになる。そして、制御部1は、着信報知部16に対して、着信報知を指示する。これを受けて、着信報知部16は、予め設定されている方法によって電子メール受信を報知する。また、着信報知部16は、電子メール受信の報知メッセージを表示部3に表示させるとともに、当該受信メールに対する形態素解析による分析結果を報知メッセージに対応させて表示する。
【0020】
次に、図5を参照して、メニュー候補情報13について説明する。図5は、図1に示す記憶部11に記憶されるメニュー候補情報13の一例を示す図である。メニュー候補情報13は、メールリスト表示メニューが選択され、メールリストを表示した場合に表示されるサブメニューのメニュー項目131と、メール本文表示メニューが選択され、メール本文を表示した場合に表示されるサブメニューのメニュー項目132とがそれぞれ記憶されいる。メールリスト表示時のサブメニュー項目131は、さらに、解析結果が仲良しメールであった場合のサブメニュー項目131aと解析結果が迷惑メールであった場合のサブメニュー項目131bとがそれぞれ記憶されている。また、メール本文表示時のサブメニュー項目132は、さらに、解析結果が仲良しメールであった場合のサブメニュー項目132aと解析結果が迷惑メールであった場合のサブメニュー項目132bとがそれぞれ記憶されている。各サブメニューの項目は、優先順位が高い順に予め記憶されている。例えば、メールリスト表示時においては、対象の受信メールが「仲良しメール」であった場合には、「表示」のサブメニューの優先順位が一番高く、「迷惑メール」であった場合は、「削除」のサブメニューの優先順位が一番高くなるように定義されている。同様に、メール本文表示時においては、表示対象の受信メールが「仲良しメール」であった場合には、「返信」のサブメニューの優先順位が一番高く、「迷惑メール」であった場合は、「削除」のサブメニューの優先順位が一番高くなるように定義されている。
【0021】
なお、対象の受信メールが「その他のメール」であった場合は、標準のサブメニュー項目が予め決められた優先順位によって表示されることになるが、図5においては省略している。なお、受信メールが「その他のメール」であった場合にも、「仲良しメール」であった場合のサブメニューと同じとなるようにしてもよい。また、図5に示す各サブメニュー項目131a、131b、132a、132bの優先順位は、ユーザが入力部2を操作して、変更できるようにしてもよい。
【0022】
次に、図3を参照して、受信したメールの内容を表示する動作を説明する。図3は、受信したメールの内容を表示する動作を示すフローチャートである。まず、入力部2において、メールリスト表示のメニュー選択が行われた(ステップS11、S12)場合、制御部1は、記憶部11から受信メール情報12と解析結果情報13とを読み出し、各受信メールの件名と形態素解析結果を関連付けて表示部3にリスト表示する(ステップS13)。このとき、制御部1は、リスト上の1つの受信メールを選択するための選択カーソルも表示する。なお、入力部2、表示部3、選択カーソルを有してアクション選択手段が構成される。
【0023】
次に、制御部1は、メールリストを表示した後に、入力部2におけるカーソル移動操作内容に応じて、表示部3に表示する選択カーソルを移動する(ステップS14)。このとき、制御部1は、選択カーソルが合わせられた受信メールの形態素解析結果が何であるかを判定する(ステップS15)。この判定の結果、「仲良しメール」であれば仲良しメールに関連付けられたメニュー項目候補131aをメニュー候補情報14から選択する(ステップS16)。また、「迷惑メール」であれば迷惑メールに関連付けられたメニュー項目候補131bをメニュー候補情報14から選択する(ステップS17)。また、「その他のメール」であれば標準のメニュー項目候補をメニュー候補情報14から選択する(ステップS18)。そして、制御部1は、選択したメニュー項目候補をサブメニューとして表示部3のサブメニュー表示エリアに表示する(ステップS19)。
【0024】
図6、7にメールリスト表示時の表示部3の表示例を示す。図6に示すように、メールリストには、受信メールを識別する識別番号(「001」)、受信日時(「03/13 09:00」)、送信者名(「山田 太郎」)、件名(「>連絡」)、形態素解析結果31、チェックボックス32、及び文字色と背景色が反転している選択カーソル33が表示される。また、画面下方のサブメニュー表示エリア34a〜34cには、選択カーソル33が合わせられた受信メールの形態素解析結果に応じたメニュー(「表示」、「返信」、「メニュー」)が表示される。図6に示す例では、選択カーソル33が仲良しメールに合わせられているため、記憶部11のメニュー候補情報14として記憶されているメニュー項目候補131aのうち、優先順位の上位2つの候補(この例では、「表示」と「返信」)が直接選択可能なメニュー(ショートカットメニュー)として表示される。また、図7に示すように、選択カーソル33を迷惑メールに合わせると、サブメニュー表示エリア34a〜34cには、記憶部11のメニュー候補情報14として記憶されているメニュー項目候補131bのうち、優先順位の上位2つの候補(この例では、「削除」と「迷惑登録(迷惑メール登録)」)が直接選択可能なメニュー(ショートカットメニュー)として表示される。
【0025】
次に、制御部1は、入力部2における操作内容を読み取り(ステップS20)、選択されたメニューが何であるかを判定する(ステップS21)。この判定の結果、サブメニュー表示エリア34a、34bに対応した入力操作が行われたと判定した場合、サブメニュー表示エリア34a、34bに設定されたメニューの処理を実行する。例えば、解析結果が仲良しメールの場合、サブメニュー表示エリア34aに対応した入力操作が行われて、「表示」が選択された場合、メール本文の表示を実行する(ステップS22)。このメール本文の表示処理の詳細については後述する。なお、サブメニュー表示エリア34a、34bに対応した入力操作が行われて、「表示」を除くその他のメニューが選択された場合、選択されたメニューに応じた処理を実行する。例えば、ショートカットメニューである「返信」が選択された場合、制御部1は、返信を行う処理を実行する。また、サブメニュー表示エリア34cに対応した入力操作が行われて、サブメニューを表示する「メニュー」が選択された場合、表示部3に選択可能なメニュー項目候補の全てを、メニュー候補情報14に定義されている優先順位に基づいて表示し、この中から選択されたメニューに応じた処理を実行する(ステップS23)。ここで、メニュー項目候補の全てを表示する場合、優先順位に基づいて表示するようにしたため、選択カーソルの移動操作を最小限するにことが可能となる。一方、図示しないクリアキー等が入力操作されて「戻る」が選択された場合、制御部1は、受信メールの表示処理を終了する。
【0026】
次に、図4を参照して、メール本文表示処理の詳細な動作を説明する。図4は、図3に示す受信メールの表示動作におけるメール本文表示処理の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部1は、メールリスト表示中にショートカットメニューである「表示」メニューが選択されたり、サブメニューのメニュー項目の中から「表示」メニューが選択されると、選択カーソルが合わされている受信メールの識別番号を特定し、この識別番号が付与されている受信メールの本文を記憶部11から読み出して、表示部3へ表示する(ステップS31)。そして、制御部1は、表示した受信メールの形態素解析結果が何であるかを判定する(ステップS32)。この判定の結果、「仲良しメール」であれば仲良しメールに関連付けられたメニュー項目候補132aをメニュー候補情報14から選択する(ステップS33)。また、「迷惑メール」であれば迷惑メールに関連付けられたメニュー項目候補132bをメニュー候補情報14から選択する(ステップS34)。また、「その他のメール」であれば標準のメニュー項目候補をメニュー候補情報14から選択する(ステップS18)。そして、制御部1は、選択したメニュー項目候補をサブメニューとして表示部3のサブメニュー表示エリアに表示する(ステップS36)。
【0027】
図8、9にメール本文表示時の表示部3の表示例を示す。図8は、図6に示す表示画面において、識別番号が「001」である受信メールに選択カーソル33を合わせ、「表示」を選択した場合に表示される表示画面の一例を示している。図8に示すように、メール本文表示時には、選択した受信メールのメールリスト表示時に表示される内容(受信メールを識別する識別番号(「001」)、受信日時(「03/13 09:00」)、送信者名(「山田 太郎」)、件名(「>連絡」)、形態素解析結果31、チェックボックス32)と受信メールの本文35(「明日遊びに・・・・メールする。」)が表示される。また、画面下方のサブメニュー表示エリア35a〜35cには、メール本文が表示された受信メールの形態素解析結果に応じたメニュー(「返信」、「全員に返信」、「メニュー」)が表示される。図8に示す例では、表示した受信メールが仲良しメールであるため、メニュー項目候補132aのうち、優先順位の上位2つの候補(この例では、「返信」と「全員に返信」)が直接選択可能なメニュー(ショートカットメニュー)として表示される。また、図9に示すように、表示した受信メールが迷惑メールである場合、サブメニュー表示エリア35a〜35cには、メニュー項目候補132bのうち、優先順位の上位2つの候補(この例では、「削除」と「迷惑登録(迷惑メール登録)」)が直接選択可能なメニューとして表示される。
【0028】
次に、制御部1は、入力部2における操作内容を読み取り(ステップS37)、選択されたメニューが何であるかを判定する(ステップS38)。サブメニュー表示エリア35a、35bに対応した入力操作が行われたと判定した場合、このサブメニュー表示エリア35a、35bに設定したメニューの処理が実行される。また、サブメニュー表示エリア35cに対応したサブメニューを表示する「メニュー」が選択された場合、表示部3に選択可能なメニュー項目候補の全てを、メニュー候補情報14に定義されている優先順位に基づいて表示する。そして、何らかのメニューが選択された場合、制御部1は、選択されたメニューに応じた処理を実行し(ステップS39)、図示しないクリアキー等が入力操作されて「戻る」が選択されるまで処理を繰り返す。そして、「戻る」が選択された場合、制御部1は、メール本文表示処理を終了し、メールリスト表示処理(図3ステップS14)へ戻る。
【0029】
なお、形態素解析部10は、受信メール内に記述されたリンク先のURLの文字列を抽出し、この抽出したURLと記憶部11の参照情報15とを照合して、受信メールに対して「仲良しメール」、「迷惑メール」、「その他のメール」の分類を行うようにしてもよい。受信メールに含まれるリンク先が迷惑サイトや有害サイトに該当する場合にも、好適に処理(アクション)を行うことができる。
【0030】
また、前述した説明においては、移動通信端末において受信したメールを「仲良し」、「迷惑」、「その他」に分類(分析)し、この分類結果(分析結果)に応じて、表示するメニューの内容を変更(設定)する例を説明したが、パソコン等を用いて、ウェブブラウザによってインターネットサイトの内容を表示した際に、表示するべき内容を分析し、この分析結果に応じてブラウザ内に表示するメニュー項目やメニューの表示位置等を変更(設定)するようにしてもよい。さらには、電話機に備えられた留守番電話機能において、録音されている音声を分析し、この分析に結果に応じて、録音内容の操作メニュー(削除、再生等)の表示を変更(設定)するようにしてもよい。また、内部のメモリに受信画像を記憶することが可能なFAX装置において、メモリに記憶されている画像を分析し、この分析に結果に応じて、記憶内容の操作メニュー(削除、印刷、保存等)の表示を変更(設定)するようにしてもよい。また、受信したメール(データ)の分析手法として、形態素解析以外の手法を用いてもよい。
【0031】
このように、受信したデータを分析して、その分析結果に応じて、当該データに対して選択可能なアクション内容(処理内容)を変更(設定)するようにしたため、分析結果に対応したアクション(処理)を好適に選択することができる。また、悪質データ(迷惑メール等)の場合には、優先的に削除できるようにし、良質データ(仲良しメール等)の場合には、優先的に保存又は返答できるようにしたため、使い勝手を向上させることができる。また、文書を形態素解析などにより分析するようにしたため、受信データを適正に分析することができる。また、直接選択可能なショートカットメニューを選択することにより動作が開始されるアクションを受信メールの分析結果に応じて変更(設定)するようにしたため、分析結果に応じたアクションの動作開始を迅速に実行することができる。また、サブメニューの表示順を受信メールの分析結果に応じて変更(設定)するようにしたため、アクションの選択を容易に実行することができる。また、メールリスト表示時において、受信メールのデータの報知と共に、分析結果も関連付けて報知するようにしたため、分析結果を認識した上でアクションを選択することができ、使い勝手をより向上させることができる。また、受信メールそれぞれの分析結果に応じたアクションを表示するようにしたため、表示された選択可能なアクション内容を目視で確認することができ、アクションの選択を容易に行うことが可能になる。
【0032】
なお、本発明の移動通信端末(携帯端末)は、移動通信を使用した携帯電話機や移動通信機能を有した携帯情報端末(PDA)、モバイル端末、カーナビ装置などを含むものである。
【0033】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりデータ通信装置の処理動作制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0034】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0035】
なお、上述した実施形態では、サブメニュー表示エリア34a、34b、35a、35bにサブメニューのメニュー項目の中から優先順位の高い項目を順次設定するようにしたが、このサブメニューのメニュー項目の優先順位に関連なく任意の項目に設定(変更)されるようにしてもよい。また、メールリストやメール本文を表示したときに限らずに、電子メール受信後に、表示部に報知メッセージを表示しているとき等にも同様にメニュー項目が設定(変更)されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す記憶部11に記憶されるメニュー候補情報13の一例を示す説明図である。
【図6】図1に示す表示部3の表示例を示す説明図である。
【図7】図1に示す表示部3の表示例を示す説明図である。
【図8】図1に示す表示部3の表示例を示す説明図である。
【図9】図1に示す表示部3の表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・制御部、2・・・入力部、3・・・表示部、4・・・無線通信部、5・・・送信処理部、6・・・受信処理部、7・・・音声処理部、8・・・マイク、9・・・スピーカ、10・・・形態素解析部、11・・・記憶部、12・・・受信メール情報、13・・・解析結果情報、14・・・メニュー候補情報、15・・・参照情報、16・・・着信報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した前記データを報知する報知手段と、
前記通信手段で受信した前記データを分析する分析手段と、
前記データを前記報知手段にて報知した際に、前記分析手段による前記データの分析結果に応じて、前記データに対して選択可能な前記アクションを設定し、当該設定されたアクションを選択可能とするアクション選択手段と
を備えたことを特徴とするデータ通信装置。
【請求項2】
前記分析手段は、前記データが所定の第1条件を満たす場合に、当該データが悪質データであると判断し、
前記アクション選択手段は、前記分析手段により前記データが悪質データと判断された場合に、前記データを削除するアクションを優先的に選択可能とすることを特徴とする請求項1記載のデータ通信装置。
【請求項3】
前記分析手段は、前記データが所定の第2条件を満たす場合に、当該データが良質データであると判断し、
前記アクション選択手段は、前記分析手段により前記データが良質データと判断された場合、前記データを保存するアクション又は前記データに対して返答するアクションを優先的に選択可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ通信装置。
【請求項4】
前記分析手段は、前記データが文書を有する場合に、当該文書に基づき分析することを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項5】
前記分析手段は、前記データがリンク先を有する場合に、当該リンク先を分析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項6】
前記アクション選択手段は、前記データが前記報知手段にて報知された際に、アクション動作を開始するための第1操作手段を有し、前記分析結果に応じて前記第1操作手段により動作が開始されるアクションを設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項7】
前記アクション選択手段は、前記データが前記報知手段にて報知された際に、複数のアクション中から1つのアクションを選択操作する第2操作手段を有し、前記分析結果に応じて前記第2操作手段により選択操作可能な複数のアクションを設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項8】
前記報知手段は、前記データを表示する表示部を有して構成され、
前記アクション選択手段は、前記データが前記表示部に表示された際に、前記分析手段による前記データの分析結果に応じて設定されるアクションを表示することを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項9】
前記報知手段は、前記データを報知する際に、前記分析手段にて分析された前記データの分析結果を報知することを特徴とする請求項1から8のいずれか一に記載のデータ通信装置。
【請求項10】
通信手段にて受信されたデータを報知手段により報知し、前記データを報知した際に、当該データに対するアクションを選択可能とし、当該選択されたアクションの動作を行うデータ通信装置の制御方法であって、
前記通信手段にて受信された前記データを分析手段により分析し、
報知された前記データに対して選択可能なアクションを前記分析手段による分析結果に応じて設定することを特徴とするデータ通信装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−122438(P2007−122438A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314141(P2005−314141)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】