説明

トイレを消毒・脱臭する方法と装置

【課題】小便器、便器及び尿や糞便用の他の容器やホルダからの空気と液滴を脱臭・消毒する方法と装置が提供される。
【解決手段】本装置は、空気入口(2)と空気出口(3)を有するハウジング(1)からなり、ハウジング(1)は、空気流からの液滴を除去する液滴除去室(4);空気流内の空気汚染物を除去する脱臭・消毒室(5);及び空気流発生用供給ユニット(6)、を囲む。本装置へ積極的に引き込むことで、臭い、細菌やウイルスなどの空気汚染物は、汚染された空気の排出や二次汚染を起こすことなく除去される。本装置と方法は、無臭で快適な環境を提供し、公衆と家庭の両トイレにおける病気伝染を回避する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ、小便器、便器、及び尿と糞便用の他の容器やホルダからの空気を脱臭・消毒する方法と装置に関する。特に、それは、二次汚染を起こさずに、トイレ内の臭い、細菌やウイルスの除去に有効である。
【背景技術】
【0002】
トイレ内の悪臭は、尿と糞便から来ることが知られている。SARSや細菌などのウイルスは、このような排泄物から空気へ伝えられる。尿が小便器壁へ流れている場合、尿のしぶきや分散が起こり、次に小さい尿の液滴や蒸気が発生する。尿の液滴の一部は、小便器を離れ、空気中に浮遊する。さらに、この種の尿や糞便は、不快な臭いを起こし、トイレ環境を汚染する。さらに、液滴や空気は、常に、病気を伝染する臭い、細菌やウイルスの良き胆体である。それは特に伝染病棟のトイレにおける病気伝染への関心をより高める。
【0003】
トイレにおける空気の脱臭と消毒に対しては、様々な方法が提案されてきたが、それらはそれぞれ自身の限界と欠点を有する。
【0004】
例えば、米国特許第6,003,157号と、第7,461,410号で開示される発明は、便器からの汚染空気を抽出し、それらを、空気ダクトを介して大気へ放出するために、換気装置を利用する。それにも拘らず、細菌やウイルスを含む汚染空気は、それを他のエリアへ移送するだけで、処理されないので、最終的には病気は伝染される。
【0005】
他のシステムは、空気汚染が吸収性材料表面で吸収されるように、活性炭フィルタのような吸収性フィルタへ汚染空気を引き込むために、換気装置を利用する。しかし、吸収効率は、水滴や蒸気により低下する。吸収性フィルタは、高湿度や二次汚染に至る有機栄養素の存在により、細菌の成長や再生に適した環境とても作用することができる。
【0006】
米国特許第5,991,934号と、第7,165,274号などのほとんどの特許は、主に気相汚染物を対象とするが、この感染問題における、さらに重要な役割を果たす水滴抽出では有効でない。
【0007】
臭いを酸化するため、イオンを発生させるトイレシートが、米国特許第66,785,912号により開示される。しかし、イオンと臭い間の酸化速度は低いと考えられている。さらに、過剰なイオンは人間にとって有害である。
【0008】
従って、従来取り組まれていないニーズが、上記欠点と不完全さに取り組むための技術に存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,003,157号
【特許文献2】米国特許第7,461,410号
【特許文献3】米国特許第5,991,934号
【特許文献4】米国特許第7,165,274号
【特許文献5】米国特許第66,785,912号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、トイレ、小便器、便器、及び尿や糞便用の他の容器やホルダからの空気や液滴を脱臭・消毒する方法と空気清浄装置に関する。本発明は病院、商業建物、公衆トイレ、交換輸送及び住宅街などの施設に広く適用することができる。
【0011】
本発明の一態様は、ハウジングであって、空気流からの液滴を除去する液滴除去室と、空気流内の空気汚染物を除去する脱臭・消毒室と、空気流発生のための空気供給ユニットと、を囲み、空気入口と空気出口を有する前記ハウジングからなる、空気清浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に関して、液滴や空気を空気入口を介してハウジング内へ抽出するための空気流の発生能力を有し、小便器とトイレ容器に設置される空気供給ユニットが設けられる。空気入口の位置、形状や寸法は、十分な空気抽出を達成し、汚染空気を拡散させずに捕捉するための負圧を発生させるように設計されている。これにより、処理された空気は、直接排出されるか、または再循環のために小便器又は便器へ再送される。付加的なブロワファンが、汚染空気のより良好な捕捉のために、小便身や便器の表面にエアーカーテンを形成するために利用される。
【0013】
水排出口を有し、反応性酸化種(ROS)発生器と液滴除去フィルタとを囲む、本発明の液滴除去室は、空気流中の液滴を除去するためにある。空気中の液滴は、吸収型及び/又はスクラバタイプの液滴除去フィルタにより遮断される。凝集した液滴は、水排出口を介して脱臭・消毒室から排出される。
【0014】
反応性酸化種発生器、ダストフィルタ、及び吸収性フィルタを囲む、本発明の脱臭・消毒室は、気相汚染物を除去するためにある。ダストフィルタは、ダスト、空中浮遊細菌やウイルスを捕捉するために役立つ線維及びセルロース材料から作ることができる。吸収性フィルタは、それらを吸収性材料のマイクロ/ナノ細孔へ閉じ込めることにより、気相汚染物を除去する多孔性筐体及び吸収性材料からなる。反応性酸化種発生器は、ダストフィルタ上に捕捉された細菌やウイルスを根絶し、二次汚染を防止するために、反応性酸化種を放出する。さらに、ROSは、空気汚染物の更なる吸収のために、マイクロ/ナノ細孔の再生になる、水分子や二酸化炭素のような無害生成物へ気相汚染物を分解する。さらに、吸収性材料は、リークが防止される過剰ROSの分解に効果的である。UV光は、更なる消毒とROS生成のためのシステムに設置することができる。処理された空気は、排出されるか、または更なる空気循環のため、小便器又は便器へ再送される。
【0015】
本発明の別の態様は、本発明による空気清浄装置を採用することにより、トイレシステムを消毒・脱臭するため、空気清浄法を提供することであり、前記方法は以下のステップ、
【0016】
a)空気流を発生させるため、空気供給ユニットのスイッチをオンにするステップ、
【0017】
b)小便器と便器から液滴と空気を、空気入口を介して空気清浄装置内へ抽出するステップ、
【0018】
c)液滴除去室で空気流からの液滴を液滴フィルタにより除去し、
【0019】
d)脱臭・消毒室で、空気流からの空気汚染物を除去するステップ、
【0020】
e)処理された空気は、空気出口を介して排出されるか、または更なる循環のため、小便器又は便器へ再送されるステップからなる。
【0021】
本発明のこれらや他の態様は、その中の変更や改良が本発明の新規概念の精神と範囲から離れることなく行われるが、以下の図面と関連して行われる好適実施例の以下の記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
付属の図面は、本発明の1つ以上の実施例を図示し、記載とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。可能な場合、同一参照番号は実施例の同一または類似の要素に言及するために、全図面を通して使用される。
【0023】
【図1】本発明の一実施例による空気清浄装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施例による小便器内の空気流を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施例による吸収性液滴フィルタを備える液滴除去室の概略図である。
【図4】本発明の一実施例によるスクラバを備える液滴除去室の概略図である。
【図5】本発明の一実施例による脱臭・消毒室の概略図である。
【図6】本発明の一実施例による吸収性フィルタの概略図である。
【図7】本発明の一実施例による空気清浄装置の作動フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、その中の多くの改良と変更が当業者に明らかであるので、図示のみと意図される以下の例で、より詳細に記載される。本発明の様々な実施例が、ここで詳細に記載される。図面を参照して、類似番号は全図面を通して類似の構成要素を示す。ここの記載に使用されるように、以下の請求項を通して、“a”,“an”、および、“the”の意味は、文脈が他を明確に指示しない限り、複数の参照を含む。また、ここの記載で使用されるように、及び以下の請求項を通して、“in”の意味は、文脈が他を明確に指示しない限り、“in”と“on”を含む。
【0025】
記載は、図1〜7の付属図面と関連して、本発明の実施例について行われる。この発明の目的に応じて、ここで具体化され、広く記載されるように、この発明は、一態様で、空気清浄装置に関する。
【0026】
図1を参照して、本発明の一実施例による空気清浄装置が示される。本発明の空気清浄装置は、空気入口2と空気出口3を有するハウジング1を含む。ハウジング1は、液滴除去室4、脱臭・消毒室5及び空気供給ユニット6を囲む。空気供給ユニット6は、小便器、便器及びトイレから汚染空気と液滴を空気清浄装置へ抽出するため、空気流を発生させる。汚染空気は、空気入口2、液滴除去湿4、および脱臭・消毒室5を通過する。最後に、処理された空気は、出口3から排出されるか、または更なる空気循環のため、小便器へ再送される。
【0027】
図2は、本発明に一実施例による、小便器内の空気流を示す概略図である。図2に示すように、入り口2は小便器の水平側面に設置される。本発明の別の実施例で、空気入口2は、小便器の垂直側面に設置される。本発明の更なる実施例で、空気入口2は小便器の垂直側面と水平側面の両方に設置される。ここで論ずる空気入口は1つ以上であり、又異なる寸法と形状であり、その種類は当業者に周知である。
【0028】
人が小便をする場合、空気供給ユニット6は、スイッチをオンにし、汚染空気は空気入口2へ抽出される。負圧が空気流により小便器内を支配するので、液滴と汚染空気は広がらずに閉じ込められる。更に、ブロワファンは、エアーカーテンを形成するため、小便器表面上に空気流の層を発生させるために、小便器内に設置することができる。それは小便器からの空気汚染物のリークの防止能力を増加させる。空気流により装置へ抽出された液滴と汚染空気は、液滴除去室4へ入る。
【0029】
図3は本発明の一実施例による吸収性液滴フィルタを備える液滴除去室の概略図である。図3に示すように、水排出口7を有する液滴除去室4は、ROS発生器8と液滴フィルタ9を囲む。液滴除去室4の形状は、長方形、正方形、円筒形または他の適当な形状でよい。液滴除去室4の材料は、金属、セラミック、プラスチックまたは他の防水材料でよい。さらに、液滴除去室4も、防水被覆した木材または類似材料から作ることができ、その種類は当業者にはよく知られている。
【0030】
空気流方向に沿って、ROS発生機8は、液滴フィルタ9の前面に設置される。空気流内の液滴は、吸収タイプ及び/又はスクラバタイプの液滴フィルタ9により遮断される。ROS発生器8により放出されるROSは、液滴フィルタ9上に捕捉された汚染液滴の脱臭・消毒のため、液滴フィルタ9方向への空気流により積極的に移送される。凝集液滴は、水排出口7を介して室から排出される。
【0031】
図3は、吸収性液滴フィルタ9を備える液滴除去室4の構造を示す。吸収性液滴フィルタ9は、液滴除去室4内に設置される。すべての空気流は、リークせずに吸収性液滴フィルタ9を通過しなければならない。吸収性液滴フィルタ9は、多孔質構造と、高い水吸収能力を有する、金属ネット、金属枠、ハネカム構造の金属枠、バッフル、スポンジ、泡、多孔質セラミック、多孔質活性カーボン、繊維及びセルロースである。空気流からの液滴は、吸収性材料の細孔上で吸収され、大きな液滴を形成するように凝集して、これが次に水排出口7を介して排出される。吸収性液滴フィルタ9は、凝縮による液滴除去効率を上昇させるため、冷却装置により冷却することができる。
【0032】
水排出を調節する弁が水排出口7に設置される。吸収性液滴フィルタ9の吸収性材料は、紛体又は顆粒状の要素を脱臭・消毒することで含浸する。一定時間の後、吸収性液滴フィルタ9は、更なる使用のために洗浄され、又は清潔なものと交換される。
【0033】
図4は、スクラバを備える液滴除去室4の構造を示す。水槽11へ接続されるノズル10は、10〜100μmの寸法の水スプレを発生させるために、液滴除去室4に設置される。弁は水スプレ放出を調節する水槽11とノズル10との間に設置される。汚染空気が液滴除去室4を通過する場合、ノズル10は水スプレを放出する。空気流からの液滴は、空気中に浮遊するには重すぎ、最終的に液滴除去室4の底へ落下する、大きな液滴を形成するため、この水スプレで遮断される。次に、凝集液滴は水排出口7を介して排出される。水放出弁を調節する弁は、水排出口7に設置される。水層11内の水は、脱臭・消毒能力を増強させるため、オゾン、塩素及び/又は漂白溶液のような脱臭・消毒剤と混合される。水排出口7を介して、凝集液滴は、清浄・殺菌するため、小便器かまたは更なる利用のため、水槽11へ向けることができる。
【0034】
本発明の別の実施例で、1つ以上の水槽と接続される複数のノズル10が、各々10〜100μmの寸法を有する複数の水スプレを発生させるために、液滴除去室4内に設置される。水放出を調節する弁は、水排出口7に設置される。
【0035】
液滴は液滴除去室4で除去されるので、汚染空気は脱臭・消毒室5内へ供給される。図5に示すように、脱臭・消毒室5は、ROS発生器12、ダストフィルタ13、及び吸収性フィルタ14を囲む。脱臭・消毒室5の形状は、長方形、正方形、円筒形または他の適当な形状でよい、脱臭・消毒室5の材料は、金属、セラミック、プラスチック、または他の防水材料でよい。さらに、脱臭・消毒室5は、防水被覆処理した木材、または類似の材料から作ることもでき、その種類は当業者によく知られている。
【0036】
空気流の方向に沿って、ROS発生器12はダクトフィルタ13前面に設置される一方、吸収性フィルタ14はダストフィルタ13の後ろに設置される。空気流はすべてリークなしでフィルタを通過しなければならない。
【0037】
繊維又はセルロース材料からなるダストフィルタ13は、ダスト、細菌やウイルスを捕捉するために使用される。ダストフィルタ13は、HEPA及び/又は静電フィルタである。
【0038】
図6は本発明の一実施例による吸収性フィルタ14構造を示す。多孔質筐体15や吸収性材料16からなる吸収性フィルタ14は、気相汚染物を吸収するために利用される。吸収性材料16は、少なくとも1つの被覆層17と枠18からなる多孔質筐体15へ含浸される。被覆層17の孔径は、吸収性材料16の損失を防止するために、吸収性材料16の直径より小さい一方、同時に、空気流の吸収性フィルタ14への通過には十分大きい。被覆層17の材料は、プラスチックネット、金属ネット、布、HEPA及び泡である。枠18は、吸収性フィルタ14のw形を形成し、吸収性フィルタ14への機械的支持を提供する。枠18の材料は、金属、紙、木材、プラスチック、または他の適当な材料でよい。
【0039】
吸収性材料16の形状は、球形、円筒形、長方形、不規則な形、または小球又は顆粒状でよい。吸収性材料16の寸法は、1〜10mmの範囲である。吸収性材料16は、活性炭素、ゼオライト、金属酸化物枠、アルミナ、シリカまたは前記吸収性材料の混合物である。トイレに通常見られる空気汚染物は、吸収性材料16の孔径が効率的吸収のため、4〜20オングストロームの範囲に調節されるように、4〜20オングストロームの間の寸法であると知られていた。吸収性材料16の特性は、両タイプでの空気汚染物の効率的吸収のため、疎水性または親水性または両方の物理的混合物である。遷移金属は、それらの触媒特性のため、空気汚染物の分解速度を向上させるように、吸収性材料16の多孔質構造へ組み込むことができる。
【0040】
ROS発生器12により放出されるROSは、空気汚染物の分解と消毒剤のため、吸収性フィルタ14へ向かう空気流により積極的に移送される。ダストフィルタ13へ供給される場合、ROSはダストフィルタ13上に捕捉された細菌やウイルスを絶滅させ、こうして二次汚染を回避する。ROSは、吸収性材料16のマイクロ/ナノ細孔内に取り込まれた気相汚染物を、水分子や二酸化炭素のような無害生成物へ分解する。水分子や二酸化炭素は、孔の中へ保持されるには小さすぎるので、それらは細孔から放出され、吸収性材料16は再生される。従って、ダストフィルタ13と吸収性フィルタ14は、両方とも二次汚染を起こさずに、更なる吸収のために再生される。ROS発生器は、イオン発生器、荷電粒子発生器、オゾン発生器、過酸化物発生器、水酸基などの基類発生器、反応性酸化ガス発生器、静電集塵機である。ROSは、陽イオン、陰イオン、荷電粒子、オゾン、過酸化物、水酸基などの基類、または他の反応性酸化ガスである。ROSは、静電集塵機やコロナ放電などの電気的方法、UVなどの化学的及び光分解的方法により発生させることができる。過剰ROSは、リークを回避するため、吸収性フィルタ14により容易に閉じ込められ、かつ分解される。ROSの選択と量は、空気汚染の性質と量により決定される。UV光放射器は、細菌やウイルスの絶滅のため、及び水酸基のようなROSの発生のため、消毒室5に設置することができる。
【0041】
処理された空気は、空気出口3を介して直接排出されるか、または更なる循環のため、小便器又は便器へ再送されることができる。
【0042】
空気清浄装置は、電子回路と赤外線センサにより制御される。電子回路は、空気供給ユニット6、ROS発生器8、12、および弁を制御する一方で、赤外線センサは切り替えシステムを制御する。ユーザが居る場合、センサはそれらを検出し、電子回路を起動し、自動的に装置をオンまたはオフにする。
【0043】
図7は、本発明の一実施例による空気清浄装置の作動フローチャートである。本発明の方法は上で論じた空気清浄装置を利用することにより実施することができ、以下のステップからなる:
【0044】
S1ステップでは、空気供給ユニットは、空気流を発生させるため、スイッチをオンにする。この空気流に、液滴や空気伝達臭、及び病気を伝染できる細菌やウイルスが含まれる。
【0045】
S2ステップでは、小便器又は便器からの液滴と空気が、空気入口を介して空気清浄装置へ抽出される。本発明による一実施例で、空気入口を介して液滴と空気を空気清浄装置のハウジングへ抽出するために、空気流の発生能力を有し、小便器と便器へ設置される空気供給ユニットが設けられる。空気入口の位置、形状及び寸法は、十分な空気抽出を達成し、拡散させずに汚染空気を捕捉するための負圧を発生させるように、よく設計されている。
【0046】
S3ステップでは、液滴除去室で、空気流からの液滴は、液滴フィルタにより除去される。液滴フィルタは、上で論じた液滴フィルタのいずれによっても構築することができる。
【0047】
S4ステップには、脱臭・消毒室で、空気流からの臭い、細菌やウイルスが除去される。
この実施例で、反応性酸化種発生器、ダストフィルタ、及び吸収性フィルタを囲む脱臭・消毒室は、気相汚染物を除去するためにある。ダストフィルタは、ダスト、空中浮遊細菌やウイルスを捕捉するのに役立つ。吸収性フィルタは、それらを吸収性材料のマイクロ/ナノ細孔へ取り込むことで気相汚染物を除去する多孔質筐体と吸収性材料からなる。反応性酸化種発生器は、反応性酸化種を放出し、ダストフィルタ上に捕捉された細菌やウイルスを絶滅させ、吸収性フィルタ上に捕捉されたに臭いを分解して、無害生成物にすることで二次汚染を防止する。
【0048】
S5ステップでは、処理された空気は空気出口を介して排出されるか、または更なる空気循環のために小便器又は便器へ再送される。
【0049】
本発明の他の実施例で、上で論じた他の空気清浄装置は、図7で開示された作動フローチャートを実施するために使用することができる。
【0050】
本発明による空気の脱臭・消毒の方法と装置を利用することにより、トイレの臭い、細菌やウイルスが二次汚染を起こさずに除去される。
【0051】
上記記載は、単なる本発明の好適実施例である。それは本発明を限定することを意図するものではない。本発明の精神と範囲から離れることなく行われ、改良、変更及び改善は、本発明の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0052】
1:ハウジング
2:空気入口
3:空気出口
4:液滴除去室
5:脱臭・消毒室
6:空気供給ユニット
7:水排出口
8、12:ROS発生器
9:液滴フィルタ
10:ノズル
11:水槽
13:ダストフィルタ
14:吸収性フィルタ
15:多孔質筐体
16:吸収性材料
17:被覆層
18:枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入口と空気出口を有するハウジングからなる空気清浄装置であって、前記ハウジングは、空気流からの液滴を除去する液滴除去室と、空気流内の空気汚染物を除去する脱臭・消毒室、及び空気流発生のための空気供給ユニット、を囲む空気清浄装置。
【請求項2】
前記空気流を発生させる空気供給ユニットが備えられる、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項3】
空気抽出のための1つ以上の空気入口が設けられる、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項4】
この空気清浄装置は、トイレに設置され、空気抽出のための空気入口は、小便器又は便器に設置される、請求項3に記載の空気清浄装置。
【請求項5】
小便器と便器内の空気汚染物は、空気流により空気入口に引き込まれる、請求項4に記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記空気汚染物は、尿と糞便から放出される、臭い、空中浮遊細菌とウイルスである、請求項5に記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記汚染物は、液滴と気相の形である、請求項6に記載の空気清浄装置。
【請求項8】
前記液滴の寸法は1〜3mmである、請求項7に記載の空気清浄装置。
【請求項9】
負圧が、空気汚染物の拡散を回避するため、前記空気流により小便器と便器の内側に発生する、請求項4に記載の空気清浄装置。
【請求項10】
前記便器または便器内に設置されるブロワファンは、空気汚染物の拡散を回避するために、エアーカーテンを形成する空気流層を、小便器又は便器の表面に発生させる、請求項9に記載の空気清浄装置。
【請求項11】
前記液滴除去室は、水排出口を有し、ROS発生器と液滴フィルタを囲む、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項12】
前記液滴除去室の形状は、長方形、正方形、または円筒形であり、及び/又は前記室の材料は、金属、プラスチック、またはセラミックである、請求項11に記載の空気清浄装置。
【請求項13】
単独で、または両方が使用される、2タイプの液滴フィルタがある、請求項11に記載の空気清浄装置。
【請求項14】
前記2タイプの液滴フィルタは、吸収性フィルタとスクラバからなる、請求項13に記載の空気清浄装置。
【請求項15】
吸収性液滴フィルタは、金属ネット、金属枠、ハネカム構造の金属枠、バッフル、スポンジ、泡、多孔質セラミック、多孔質活性炭素、繊維及びセルロース、である、請求項14に記載の空気清浄装置。
【請求項16】
吸収性液滴フィルタは、空気中の液滴を捕捉するために、多孔質構造と高い吸水能力を有する、請求項14に記載の空気清浄装置。
【請求項17】
前記液滴は、前記多孔質構造の細孔上で吸収される、請求項16に記載の空気清浄装置。
【請求項18】
凝縮により液滴除去効率を増加させるため、冷却装置が設けられる、請求項17に記載の空気清浄装置。
【請求項19】
前記液滴は、大きい液滴を形成するために凝集する、請求項17に記載の空気清浄装置。
【請求項20】
前記大きい液滴は、前記水排出口を介して排出される、請求項19に記載の空気清浄装置。
【請求項21】
前記吸収性フィルタは、粉末又は顆粒状の脱臭・消毒要素を含浸する吸収性材料から作られる、請求項14に記載の空気清浄装置。
【請求項22】
一定時間の後、前記吸収性フィルタは、更なる利用のために洗浄され、または新しい物と交換される、請求項14に記載の空気清浄装置。
【請求項23】
前記液滴除去室は、少なくとも1つのノズルを備える、請求項11に記載の空気清浄装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの各ノズルは、10〜100mmの水スプレを発生させるために、水槽へ接続される、請求項23に記載の空気清浄装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのノズルからの水スプレの放出を制御するため、少なくとも1つの弁が設けられる、請求項24に記載の空気清浄装置。
【請求項26】
前記水スプレは、大きな液滴を形成するため、空気流からの液滴汚染物を遮断する、請求項24に記載の空気清浄装置。
【請求項27】
前記水スプレは、消毒剤及び/又は脱臭剤と混合される、請求項24に記載の空気清浄装置。
【請求項28】
前記消毒剤と脱臭剤は、オゾン、塩素と漂白剤の溶液からなる、請求項27に記載の空気清浄装置。
【請求項29】
前記液滴は、前記水排出ダクトを介して排出される、請求項26に記載の空気清浄装置。
【請求項30】
前記液滴は、清浄化と殺菌のために、前記水排出ダクトを介して小便器又は便器へ向けられ、又は更なる利用のために、前記水層へ向けられる、請求項29に記載の空気清浄装置。
【請求項31】
前記ROS発生器により発生したROSは、液滴の消毒と脱臭のために、空気流により前記液滴フィルタへ供給される、請求項11に記載の空気清浄装置。
【請求項32】
前記脱臭・消毒室は、吸収性フィルタ、空気流の方向に沿って前記吸収性フィルタの前に設置されるダストフィルタ、および空気流方向に沿って前記ダストフィルタの前に設置されるROS発生器を囲む、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項33】
前記室の形状は、長方形、正方形、または円筒形であり、及び/又は前記室の材料は、金属、プラスチック、またはセラミックである、請求項32に記載の空気清浄装置。
【請求項34】
前記ダストフィルタは、ダスト、細菌やウイルスの捕捉用である、請求項32に記載の空気清浄装置。
【請求項35】
前記ダストフィルタは、HEPA及び/又は静電フィルタである、請求項32に記載の空気清浄装置。
【請求項36】
前記吸収性フィルタは、気相汚染物の吸収用である、請求項32に記載の空気清浄装置。
【請求項37】
前記吸収性フィルタは、含浸した吸収材を備える多孔質筐体からなる、請求項36に記載の空気清浄装置。
【請求項38】
前記多孔質筐体は、枠からなり、少なくとも1つの被覆層が前記枠を覆う、請求項37に記載の空気清浄装置。
【請求項39】
前記被覆層は、空気流が前記吸収性フィルタを通過することを可能にする細孔を有する、請求項38に記載の空気清浄装置。
【請求項40】
前記被覆層の細孔径は、吸収性材料の損失を防止するため、前記吸収性材料の径より小さい、請求項38に記載の空気清浄装置。
【請求項41】
前記被覆層の材料は、プラスチックネット、金属ネット、布、HEPA又は泡である、請求項38に記載の空気清浄装置。
【請求項42】
前記枠は形状を形成し、前記吸収性フィルタに機械的支持を提供する、請求項38に記載の空気清浄装置。
【請求項43】
前記枠の材料は、金属、紙、木材、またはプラスチックである、請求項42に記載の空気清浄装置。
【請求項44】
前記吸収性材料の形状は、球形、円筒形、長方形、不規則な形又は小球又は顆粒状である、請求項37に記載の空気清浄装置。
【請求項45】
前記吸収性材料は、活性炭素、ゼオライト、金属酸化物枠、アルミナ、シリカまたは前記吸収性材料の混合物である、請求項44に記載の空気清浄装置。
【請求項46】
前記吸収性材料の形状は、1〜10mmの範囲である、請求項45に記載の空気清浄装置。
【請求項47】
前記吸収性材料は、4〜20オングストロームの範囲のマイクロ/ナノ細孔を有する、請求項45に記載の空気清浄装置。
【請求項48】
前記吸収性材料は、疎水性、親水性、または両方の混合である、請求項45に記載の空気清浄装置。
【請求項49】
遷移金属が、前記吸収性材料の多孔質構造に組み込まれる、請求項45に記載の空気清浄装置。
【請求項50】
UV光放射器が、UV光による細菌とウイルスの絶滅、及びROS発生のために、前記脱臭・消毒室に設置される、請求項32に記載の空気清浄装置。
【請求項51】
前記ROSは、陽イオン、陰イオン、荷電粒子、オゾン、過酸化物、基類又は反応性酸化ガスである、請求項11又は32に記載の空気清浄装置。
【請求項52】
前記ROS発生器は、
イオン発生器、以下に列挙される発生器:
荷電粒子発生器、オゾン発生器、過酸化物発生器、基類発生器、反応性酸化ガス発生器、および静電集塵機
のいずれか1つを含む、請求項51に記載の空気清浄装置。
【請求項53】
前記ROSは、電気的、化学的または光分解法により発生させることができる、請求項51に記載の空気清浄装置。
【請求項54】
前記ROSの選択と量は、空気汚染物の性質と量により決定される、請求項51に記載の空気清浄装置。
【請求項55】
前記ROSは、前記吸収性材料のマイクロ/ナノ細孔内に閉じ込められた空気汚染物を分解して、無害生成物にする、請求項54に記載の空気清浄装置。
【請求項56】
前記吸収性材料のマイクロ/ナノ細孔は、更なる吸収のために前記ROSにより再生される、請求項55に記載の空気清浄装置。
【請求項57】
前記吸収性材料は、リークを回避するために、過剰ROSを閉じ込め、かつ分解する、請求項51に記載の空気清浄装置。
【請求項58】
前記処理された空気流は、排出されるか、又は更なる循環のために、小便器又は便器へ再送される、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項59】
前記空気清浄装置は、電子回路と赤外線センサにより制御される、請求項1に記載の空気清浄装置。
【請求項60】
前記電子回路は、前記空気供給ユニット、ROS発生器、および弁を制御する、請求項59に記載の空気清浄装置。
【請求項61】
前記赤外線センサは、ユーザが居るかどうかにより、前記空気清浄装置の切り替えを制御する、請求項59に記載の空気清浄装置。
【請求項62】
a)前記空気供給ユニットが空気流を発生させるためにスイッチをオンにするステップと、
b)小便器と便器からの液滴と空気が、前記空気入口を介して前記空気清浄装置内へ抽出されるステップと、
c)前記液滴除去室で、前記空気流からの液滴が前記液滴フィルタにより除去されるステップと、
d)前記脱臭・消毒室内で、前記空気流からの空気汚染物が除去されるステップと、
e)前記処理された空気流は、前記空気出口を介して排出されるか、または更なる循環のために、小便器又は便器へ再送される、請求項1に記載の空気清浄装置を採用することにより、トイレシステムを消毒・脱臭する方法。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504343(P2013−504343A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528208(P2012−528208)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/CN2009/073881
【国際公開番号】WO2011/029236
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(512063416)ウィン ユニオン ディヴェロップメント リミテッド (1)
【Fターム(参考)】