説明

トラフ形の低摩擦ポジティブドライブベルトを備えるコンベヤ

コンベヤが、一方の側に実質的な平面を有し他方の側に複数の歯を有する無端熱可塑性ベルトを備える。歯は、駆動スプロケット及びアイドラの周りにおいて張力がかからずに駆動される。コンベヤは、ベルト上で搬送される物品を保持するために、駆動スプロケットとアイドラとの間でベルトに長手方向トラフを形成する手段をさらに含む。この手段は、歯における不連続部、短縮された歯、及び/又はベルトの縁に力を加えるガイドを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、本明細書にその全体が援用される2006年1月31日に出願された米国特許出願第11/275,834号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、無端ベルトを備えるコンベヤに関し、より詳細には、ベルト上で搬送される物品を保持するトラフを形成することが可能な低摩擦ポジティブドライブベルトを備えるコンベヤに関する。
【背景技術】
【0003】
摩擦駆動の平ベルトを備えるコンベヤは、或る場所から別の場所へ物品を移動させる既知のシステムである。張力がかかった無端ベルトが駆動プーリとテールピース(通常はプーリ又は固定棒)との間に延びることで、駆動プーリとベルトとの間の摩擦が前者から後者へのトルクの伝達を可能にすることにより、ベルトの運動を引き起こす。ベルトにかかる張力は、ベルトを動かすのに必要な摩擦を維持するのに必要であるため、このタイプのコンベヤは、張力及び摩擦が落ち得るような環境ではうまく機能しない。例えば、食品業界では、食品からグリース及び排水が導入されることが、摩擦の損失をもたらすことにより、コンベヤの性能に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
別のタイプのコンベヤは、ダイレクト又はポジティブドライブモジュラーベルトを備える。このタイプのコンベヤでは、複数の連動リンクから形成されるモジュラーベルトが駆動プーリとアイドラプーリとの間に延び、駆動プーリ上の対応するシーブと係合する複数の歯を備える。歯とシーブとの相互作用がベルトにトルクを伝達する。その結果、コンベヤがベルトを動かす際に摩擦に依存せず、食品取り扱いに関連する液体が摩擦駆動ベルトに関して上述したように性能に影響を及ぼすことがない。しかしながら、食品業界において低張力ダイレクトドライブモジュラーベルトを用いる場合、主として衛生及び清潔さに関する他の問題が生じる。例えば、流体及び屑が連結リンクの接合部に詰まる可能性があり、これらは衛生的に除去するのが困難である。
【0005】
図1に示すように、一方の側に平面102を有し、他方の側に歯104を有する低摩擦ポジティブドライブベルト100を備えるコンベヤは、摩擦駆動平ベルト及びモジュラーベルトに関連する問題を克服する。継目のない平面102は洗浄しやすく、歯104は、ベルト100と駆動スプロケット108との間の摩擦もベルト100の張力も必要とせずに、駆動スプロケット108のシーブ106と係合してベルト100にトルクを伝達する。このようなコンベヤは、本明細書にその全体が参照により援用される米国特許出願第60/593,493号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
食品取り扱い業界において、コンベヤに関連する1つの問題は、ベルト上で搬送される物品を保持することである。いくつかの物品は、ベルトの縁の方に移動しやすく、拘束しなければベルトから落下する可能性がある。モジュラーベルトを備えるコンベヤの場合、1つの解決手段はサイドレールを設けることであったが、ベルトとサイドレールとの間に物品が挟まる可能性がある。代替的に、摩擦駆動ベルトは、十分な張力がかかると自動的にトラフを形成することができ、物品が自然にトラフ内に入る。トラフは、移動問題を軽減するのには有効だが、低摩擦で無張力のポジティブドライブベルトでは自動的に形成されない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ベルトの一方の側に実質的な平面を有し、ベルトの他方の側に主にベルトの一方の縁から他方の縁まで延びる複数の歯を有する、歯付きベルトを備えるコンベヤであって、該歯はスプロケットによって駆動され、ベルトに長手方向トラフを形成する手段を備えることを特徴とする。一実施例では、歯は、ベルトの縁同士の間に同じ距離で位置決めされる少なくとも1つの不連続部を有するため、ベルトは、不連続部と整列する長手方向トラフを形成することができる。
【0008】
別の実施例によれば、不連続部は、歯の少なくとも1つのスリットによって形成される。歯はスリットを1つだけ備えることができる。平底を有する複合トラフを形成するために、2つ以上のスリットが設けられてもよい。スリットは、歯の全体に延びていてもよく、又は歯の全体よりも小さくても大きくてもよい。
【0009】
別の実施例によれば、不連続部は、歯の少なくとも1つのギャップによって形成される。歯はギャップを1つだけ備えることができる。平底を有する複合トラフを形成するために、2つ以上のギャップが設けられてもよい。ギャップは、歯の全体に延びていてもよく、又は歯の全体よりも小さくても大きくてもよい。
【0010】
別の実施例によれば、コンベヤは、トラフの形状を保持する縁ガイドをさらに備える。
【0011】
別の実施例によれば、ベルトは平面上にクリートをさらに備える。
【0012】
別の実施例によれば、ベルトはベルトの両面を接合する両縁を備え、上記手段は、ベルトの歯と各縁との間のギャップを含む。ギャップは、縁同士の間の中央に歯及びトラフを位置付けるように、縁から歯までの距離が等しい。
【0013】
別の実施例によれば、ベルトはベルトの両面を接合する両縁を備え、上記手段は、縁をベルトの中央に対して変位させてトラフを形成するように、ベルトと接触する縁ガイドを含む。
【0014】
一実施例によれば、ガイドは、駆動スプロケットとアイドラとの間で縁の下に取り付けられて縁に上向きの力を加える一対の棒を含む。
【0015】
別の実施例によれば、ガイドは、駆動スプロケットとアイドラとの間で縁の下に取り付けられて縁に上向きの力を加えるローラを含む。
【0016】
別の実施例によれば、ガイドは、駆動スプロケットとアイドラとの間でベルトの縁を受け入れるように対になって配置されるシューを含み、シューの対は縁に内向きの力を加える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、低摩擦ポジティブドライブベルトと、ベルト上で搬送される物品を保持するようにベルトにトラフを形成させるために、ベルトの一部又はコンベヤの他の何らかの部分を含むことができる手段と、を備えるコンベヤを提供することによって、従来技術の問題を軽減する。トラフは、ベルトに張力を必要とせずに形成され、搬送される物品を保持しやすく且つ物品のベルトの縁の方への移動を防止しやすいチャネルを提供する。トラフ形の低摩擦ポジティブドライブベルトを備えるコンベヤのいくつかの例示的な実施例の説明を続ける。
【0018】
次に図を参照すると、図2及び図3は、本発明による無端ベルト12を備えるコンベヤ10の第1の実施例を示す。図2は、2つのスプロケット14、16間の通常の取り付け状態でのベルト12を示す。少なくとも一方のスプロケット、例えばスプロケット14が、駆動スプロケットであり、他方のスプロケット16は、好ましくはアイドラ若しくは従動スプロケット、又は場合によっては固定棒である。駆動スプロケット14は標準的であり、いくつかの異なる形態及びサイズのいずれであってもよい。駆動スプロケット14は、その円周上に離間したいくつかの横方向の溝又はシーブ18を有する。ベルト12は、通常はPebax(登録商標)樹脂、ポリエステル又はポリウレタン等の熱可塑性材料でできており、側縁24、26で接合される内面20及び外面22を備える。外面22は非常に平滑で不連続部がない。ベルト12は、ベルト12の内面20上に互いに離間している複数の歯28をさらに備える。歯28は、ベルト12がスプロケット14、16に巻き付くときに各スプロケット14、16のシーブ18と係合する。この構成では、ベルト12が矢印30の方向に進むと、ベルト12の上側スパンが積載物を運ぶ。
【0019】
スプロケット14、16及びベルト12は、互いの間で最小限の摩擦を許すように設計される。ベルト12の歯付き内面20は、減摩材、例えばTeflon(登録商標)としても知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされ得る。スプロケット14、16は、歯28以外の場所において、ベルト12との接触面が最小になることが好ましい。例えば、隣接するシーブ18間の支持構造は、スプロケット14、16の外周から凹ませることができる。これは、ベルト12との表面接触を減らすために狭くなったネックを有することもできる。例示的な低摩擦ポジティブドライブベルトのさらなる説明は、上述した援用される米国特許出願第60/593,493号で提供されている。
【0020】
本発明によれば、ベルト12は、ベルト12の外面22上において搬送される物品の保持を容易にするために、ベルト12が長手方向トラフ40を形成することを可能にする手段をさらに備える。図2及び図3の実施例は、歯28に形成されるギャップ42としてこの手段を示している。図3に最適に示されるように、ギャップ42は、歯28のそれぞれを、ギャップ42の幅に等しい距離Aだけ第2の歯部分46から離間させた、第1の歯部分44に分割する。したがって、第1の歯部分44は、側縁24からギャップ42まで延び、第2の歯部分46は、他方の側縁26からギャップ42まで延びる。図3及び他の同様の図(すなわち、図5、図7、図9、図11及び図13)において、点線が、歯28の基部とベルト12の内面20との間のおおよその境目を示す。この点線は、単に説明のためだけに設けられており、必ずしも構造的特徴を表すものではない。図示の実施例によれば、ギャップ42は、歯28のそれぞれにおいてベルト12の縁24、26間に同じ距離で形成されるため、歯28のギャップ42が長手方向に整列する。ギャップ42及びその長手方向の整列の結果として、ベルト12はギャップ42において自然に曲がることができる。このような曲げは、ベルト上の搬送される物体又は場合によってはベルト自体の重量等の力がベルトの中間を撓ませるときに、上側スパンにおいて生じ得る。同様に、側縁24、26が、トラフ40を形成するように、ベルト12の残りの部分に対して撓み得る。
【0021】
第1の歯部分44と第2の歯部分46との間の距離A、及びギャップ42が歯28のそれぞれに延びる深さを表す範囲B等、ギャップ42の幾何学的特性が、トラフ40の深さを少なくとも或る程度は決める。図3において、ギャップ42は、歯28の全体に延びるものとして図示されているが、ギャップ42が歯の途中までしか延びないことは本発明の範囲内にある。図3aに示すように、好適な構成でトラフ40を保持するために縁ガイド41を縁24、26に設けることができる。この場合、縁ガイド41は、ベルトに横力を与えないことが好ましい。
【0022】
さらに、歯28のそれぞれにおけるギャップ42の数がトラフ40の形状に影響を及ぼす。そして、図示の実施例では歯28のそれぞれにギャップ42が1つしか示されていないが、所望のトラフ形状を得るために、歯28のそれぞれが複数のギャップ42含むこと、及びこれにより3つ以上の歯部分を含むことは、本発明の範囲内にある。例えば、平底43を有するトラフを形成するために、互いに離間している2つのギャップ42を示す図3bを参照されたい。さらに、図示の実施例では、ギャップ42は、トラフ40の最下点を側縁24、26間のほぼ中間に位置決めするように歯28のそれぞれの中央に位置付けられているが、ギャップ42を側縁24、26間の中央以外に位置付けてトラフをずらすことは本発明の範囲内にある。また、範囲Bが歯を越えてベルトの基部自体まで延びることは本発明の範囲内にある。例えば、図3cの実施例を参照されたい。
【0023】
本発明によるコンベヤ10の第2の実施例が図4及び図5に示されており、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。第2の実施例のコンベヤ10は、トラフ40の形成を可能にする構造が歯28に形成されたスリット50を含むことを除いて、前の実施例と実質的に同一である。スリット50がギャップ42と異なる点は、スリット50が歯28の部分間に大きな空間を形成しないという点である。むしろ、スリット50は、歯28から材料を除去せずに歯28を複数部分に分離する、歯28における裂け目とみなすことができる。
【0024】
図5に最適に示されるように、スリット50は、歯28のそれぞれを第1の歯部分52及び第2の歯部分54に分割する。したがって、第1の歯部分52は、側縁24からスリット50まで延び、第2の歯部分54は、他方の側縁26からスリット50まで延びる。図示の実施例によれば、第1の実施例と同様に、スリット50は、歯28のそれぞれにおいてベルト12の縁24、26間に同じ距離で形成されるため、歯28のスリット50が長手方向に整列する。スリット50及びその長手方向の整列の結果として、ベルト12は、スリット50において自然に曲がることができる。これにより、側縁24、26がベルト12の残りの部分に対して撓んでトラフ40を形成する。スリット50が歯28のそれぞれに延びる範囲Cが、トラフ40の深さを少なくとも或る程度は決める。図5において、スリット50は、歯28の全体に延びるものとして図示されているが、スリット50が歯の途中までしか延びないことは本発明の範囲内にある。図5aに示すように、好適な構成でトラフ40を保持するために縁ガイド41を縁24、26に設けることができる。この場合、縁ガイド41はベルトに横力を与えないことが好ましい。
【0025】
さらに、歯28のそれぞれにおけるスリット50の数がトラフ40の形状に影響を及ぼす。そして、図示の実施例では歯28のそれぞれにスリット50が1つしか示されていないが、所望のトラフ形状を得るために、歯28のそれぞれが複数のスリット50を含むことは本発明の範囲内にある。例えば、平底43を有するトラフを形成するために互いに離間している2つのスリット50を示す図5bを参照されたい。さらに、図示の実施例では、スリット50は、トラフ40の最下点を側縁24、26間のほぼ中間に位置決めするように歯28のそれぞれの中央に位置付けられているが、スリット50を側縁24、26間の中央以外に位置付けてトラフをずらすことは本発明の範囲内にある。さらに、範囲Cが歯を越えてベルトの基部自体まで延びることは本発明の範囲内にある。例えば、図5cの実施例を参照されたい。
【0026】
コンベヤ10の第1の実施例及び第2の実施例のトラフ40を形成する手段又は構造は、歯28のそれぞれにおけるギャップ42又はスリット50の形態の不連続部を含む。図6及び図7は、トラフの形成を可能にするために歯28が短縮されている、本発明によるコンベヤ10の第3の実施例を示す。これらの図では、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。
【0027】
図7に最適に示されるように、ベルト12の歯28は、歯28がベルト12の側縁24、26間に延びないという点で短縮されている。むしろ、歯28はそれぞれ、ベルト12の側縁24、26から離間している第1の歯側縁60と第2の歯側縁62との間に延びる。第1の歯側縁60は、第1のギャップ64を形成するようにベルト12の側縁24から離間しており、第2の歯側縁62は、第2のギャップ66を形成するようにベルト12の他の側縁26から離間している。図示の実施例によれば、歯28はそれぞれ、ベルト12の側縁24、26間に同じ距離で位置付けられるため、歯28が長手方向に整列し、第1のギャップ64が長手方向に整列し、第2のギャップ66が長手方向に整列する。この構成の結果として、ベルト12の側縁24、26は、トラフ40を形成するように、ベルト12の残りの部分に対して自然に撓む。
【0028】
ギャップ64、66のサイズを画定する歯28の幅D等、歯28の幾何学的特性が、トラフ40の深さを少なくとも或る程度は決める。さらに、図示の実施例では、歯28は、トラフ40の最下点を側縁24、26間のほぼ中間に位置決めするように、ベルト12に沿って中央に位置付けられる。歯28がほぼ中央に位置付けられる場合、第1のギャップ64及び第2のギャップ66は実質的に等しいサイズである。しかしながら、歯28を側縁24、26間の中央以外に位置付けることは本発明の範囲内にある。
【0029】
本発明によるコンベヤ10の第4の実施例が図8及び図9に示されており、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。第4の実施例のコンベヤ10において、歯28は、不連続部を伴わずにベルト12の側縁24、26間に延びるフルサイズの歯であり、トラフ40を形成する手段は一対の棒70の形態のガイドを含む。歯28は、それらを形成する材料又はそれらの構造によって、ベルト12の長手方向軸を中心に或る程度曲がることを可能にするのに十分な可撓性を有する。
【0030】
ベルト12とは別個であるがコンベヤ10の一部である棒70は、ベルト12の上側スパンに沿ってスプロケット14、16間に延び、側縁24、26の下に位置付けられる。トラフ40を形成するために、棒70は、矢印72で示すように側縁24、26に上向きの力を加えるように位置決めされる。これにより、ベルト12の中央(すなわち、側縁24、26間の概ね中間にあるベルト12の部分)に対して側縁24、26を変位させる。棒70のサイズ及び位置決めは、トラフ40の所望の深さを得るように選択される。さらに、それぞれの棒70は、合わせて1本の棒70の長さとほぼ等しい長さになる複数の離間した短い棒によって形成されてもよい。
【0031】
図10及び図11は、ガイドが棒70ではなく複数のローラ80の形態であることを除いて第4の実施例と同様である、本発明によるコンベヤ10の第5の実施例を示す。これらの図では、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。トラフ40の形成に関して、ローラ80は棒70と同じ機能を果たし、ローラ80は、矢印82で示すようにベルト12の側縁24、26に上向きの力を加える。これにより、ベルト12の中央に対して側縁24、26を変位させる。ローラ80は、ベルト12が進むにつれて回転するという、付加的な利点を提供する。そのため、ベルト12の動きに対してほとんど抵抗を与えない。
【0032】
本発明によるコンベヤ10の第6の実施例が図12及び図13に示されており、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。コンベヤ10の第6の実施例は、ガイドがシュー90の形態であることを除いて、ガイドを備える前の実施例と実質的に同一である。
【0033】
ベルト12とは別個であるがコンベヤ10の一部であるシュー90は、ベルト12の上側スパンに沿ってスプロケット14、16間に対になって配置され、矢印92で示すように側縁24、26に内向きの力を加える。内向きの力は、側縁24、26をベルト12の中央に対して撓ませて、トラフ40を形成させる。各シュー90は、ベルト90の側縁24、26の一方を受け入れるようなサイズの本体94を備える。本体94は、本体94によって受け入れられた側縁24、26の上方移動を制限する停止部96を含む。
【0034】
図8〜図13の実施例のガイドは全て、ベルト12にトラフ40を形成させるように、ベルト12に力を加える。これらの実施例はそれぞれ、不連続部を伴わずに側縁24、26間に延びる歯28を有するベルト12を備えるものとして図示されている。しかしながら、トラフ40を形成する他の手段を含むベルトと共にこれらのガイドを利用することは、本発明の範囲内にある。例えば、任意のタイプのガイドを、図2〜図7の実施例のベルト12又はトラフ40を形成する他の構造又は特徴を備えるベルトのいずれかと、共に用いることができる。コンベヤ10がガイド及び改良型のベルト歯を含む場合、これら2つの手段が協働してトラフ40を形成する。
【0035】
上述及び図示されたベルト12は、低摩擦ポジティブドライブベルトに一般的に関連する付加的な特徴をさらに備えることができる。このような特徴は、クリート、仕分け及び計数を容易にするための外面22上の印刷、目打ち、及び特殊製品取り扱い用の異形外面22を含むことができるが、これらに限定されない。図2及び図3に示すギャップ42及びクリート98を備えるコンベヤ10の実施例の一例が、図14に示されており、前の実施例と同様の構成要素及び特徴は同じ参照符号で示されている。
【0036】
本発明は、その特定の実施例に関連して具体的に記載されているが、これは限定のためではなく説明のためであって、添付の特許請求の範囲は従来技術が許容する限り広義に解釈すべきであることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】2つのスプロケット間に取り付けられる低張力ポジティブドライブベルトを備える従来技術のコンベヤの斜視図である。
【図2】ベルトにトラフを形成するために各歯にギャップを有する低張力ポジティブドライブベルトを備える、本発明の第1の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図3】図2の線3−3に沿った断面図である。
【図3a】縁ガイドを加えた図3の断面図である。
【図3b】図3の実施例と同様の断面図であるが、2つのギャップを示す変形例である。
【図3c】図3の実施例と同様の断面図であるが、より深いギャップを示す変形例である。
【図4】ベルトにトラフを形成するために各歯にスリットを有する低張力ポジティブドライブベルトを備える、本発明の第2の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図5】図4の線5−5に沿った断面図である。
【図5a】縁ガイドを加えた図5の断面図である。
【図5b】図5の実施例と同様の断面図であるが、2つのスリットを示す変形例である。
【図5c】図5の実施例と同様の断面図であるが、より深いスリットを示す変形例である。
【図6】ベルトにトラフを形成するためにベルトの歯の端と縁との間にギャップを有する低張力ポジティブドライブベルトを備える、本発明の第3の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図7】図6の線7−7に沿った断面図である。
【図7a】縁ガイドを加えた図7の断面図である。
【図8】低張力ポジティブドライブベルトと、ベルトにトラフを形成するためにベルトの縁に上向きの力を加える棒状のガイドとを備える、本発明の第4の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図9】図8の線9−9に沿った断面図である。
【図10】低張力ポジティブドライブベルトと、ベルトにトラフを形成するためにベルトの縁に上向きの力を加えるローラ状のガイドとを備える、本発明の第5の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図11】図10の線11−11に沿った断面図である。
【図12】低張力ポジティブドライブベルトと、ベルトにトラフを形成するためにベルトの縁に内向きの力を加えるシューの形態のガイドとを備える、本発明の第6の実施例によるコンベヤの斜視図である。
【図13】図12の線13−13に沿った断面図である。
【図14】ベルトにクリートを加えた図2のコンベヤの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側に実質的な平面(22)を有し、他方の側に複数の歯(28)を有し、駆動スプロケット(14)の周りにおいてほとんど又は全く張力がかからずに駆動される歯付きベルト(12)を備える、コンベヤ(10)であって、
前記ベルトに長手方向トラフ(40)を形成する手段(42、50、64、66、70、80、90)を備えることを特徴とする、コンベヤ。
【請求項2】
前記トラフを形成する手段は、各歯が、前記ベルトの縁同士の間において、隣接する歯と同じ距離で位置付けられる少なくとも1つの不連続部(42、50)を有することにより、前記ベルトに作用する力が、該ベルトに前記不連続部と整列する前記長手方向トラフ(40)を形成することを特徴とする、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
前記不連続部は、前記歯における少なくとも1つのスリット(50)によって形成される、請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
前記歯は、スリット(50)を1つだけ備える、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項5】
前記スリット(50)は、前記歯の全体に延びる、請求項3又は4に記載のコンベヤ。
【請求項6】
前記不連続部は、前記歯の少なくとも1つのギャップ(42、64、66)によって形成される、請求項2〜5のいずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項7】
前記歯はギャップ(42)を1つだけ備える、請求項6に記載のコンベヤ。
【請求項8】
前記ギャップ(42)は、前記トラフ(40)を前記ベルトの側縁同士の間の中央に位置付けるように、前記歯の中央に形成される、請求項6又は7に記載のコンベヤ。
【請求項9】
前記歯(28)の2つの不連続部(42、50)が、互いに離間して長手方向に整列することにより、前記トラフ(40)が平底(43)を有すること、を特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項10】
前記ベルトは、該ベルトの両面を接合する両縁(24、26)を備え、前記ギャップ(64、66)は、前記ベルトの前記歯と前記各縁との間にある、請求項6〜8のいずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項11】
前記ギャップ(64、66)は、前記縁同士の間の中央に前記歯及び前記トラフを位置付けるように、前記縁から前記歯までの距離が等しい、請求項9又は10に記載のコンベヤ。
【請求項12】
前記トラフの形状を保持する縁ガイド(41)を特徴とする、請求項2〜10のいずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項13】
前記トラフを形成する手段は、前記縁を前記少なくとも1つの不連続部に対して変位させるように、前記ベルトと接触する縁ガイド(70、80、90)を特徴とする、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項14】
前記ベルトは、前記平面上にクリート(98)をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載のコンベヤ。
【請求項15】
前記ガイド(70、80、90)は、前記ベルトの前記縁に配置されて、前記長手方向トラフ(40)を形成するように、前記縁を前記ベルトの中央に対して変位させる、請求項13に記載のコンベヤ。
【請求項16】
前記ガイドは、前記縁(24、26)の下に取り付けられて該縁に上向きの力を加える一対の棒(70)を含む、請求項13に記載のコンベヤ。
【請求項17】
前記ガイドは、前記縁(24、26)の下に取り付けられて該縁に上向きの力を加えるローラ(80)を含む、請求項13に記載のコンベヤ。
【請求項18】
前記ガイドは、前記ベルトの前記縁(24、26)を受け入れるように対になって配置されるシュー(90)を含み、該シューの対は前記縁に内向きの力を加える、請求項13に記載のコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−525243(P2009−525243A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553478(P2008−553478)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/061379
【国際公開番号】WO2007/090154
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507244057)サーモドライヴ エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】