説明

トランジスタ圧電発振器

【課題】発振用トランジスタの特性がばらついても安定した合成等価抵抗特性や合成等価キャパシタンス特性を得ることを可能とする。
【解決手段】トランジスタ圧電発振器1は、コルピッツ発振回路を構成しており、発振用トランジスタTR1のベースと接地(GND)間に負荷容量の一部となるコンデンサC1とコンデンサC2との直列回路を接続し、発振用トランジスタTR1のエミッタと接地間にエミッタ抵抗となる抵抗R2と抵抗R3との直列回路を接続し、コンデンサC1とコンデンサC2との直列回路の接続中点と抵抗R2と抵抗R3との直列回路の接続中点とを接続している。また、発振用トランジスタTR1のベースと接地間に圧電振動子X1を接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧電発振器に関し、特に発振用トランジスタの特性がばらついても安定した合成等価回路抵抗特性(負性抵抗)や合成等価回路キャパシタンス特性が得られるトランジスタ圧電発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
安定した周波数信号を供給する圧電発振器は、移動体通信の移動局や基地局の基準発振器として、また、コンピュータなどの基準クロック源として広く使用されている。
図15は、従来のトランジスタ圧電発振器を示す回路構成図である。トランジスタ圧電発振器11は、コルピッツ発振回路を構成しており、発振用トランジスタTR1のベースと接地(GND)間に負荷容量の一部となるコンデンサC12とコンデンサC13との直列回路を接続し、この直列回路の接続中点と発振用トランジスタTR1のエミッタとを接続すると共に、発振用トランジスタTR1のエミッタと接地間にエミッタ抵抗R13を接続している。また、発振用トランジスタTR1のコレクタには、電源(Vcc)との間にコレクタ抵抗R14を接続すると共に、電源と接地間にバイパス用のコンデンサC14を接続し、発振用トランジスタTR1のベースに抵抗RB11、及び抵抗RB12とから成るベースバイアス回路を接続している。更に、発振用トランジスタTR1のベースと接地間に圧電振動子X1を接続し、発振用トランジスタTR1のコレクタに直流カット用のコンデンサC15を接続してコンデンサC15の他端をトランジスタ圧電発振器11の出力(OUT)とするよう構成したものである。
【0003】
次に、従来のトランジスタ圧電発振器としては他に発振用トランジスタを2個カスケードに接続して使用したものがある。図16は、そのような従来のトランジスタ圧電発振器の回路構成図である。
図16に示すトランジスタ圧電発振器12は、発振用トランジスタTR1と発振用トランジスタTR2とをカスケード接続したコルピッツ発振回路を構成している。図16に示す発振器が図15に示す発振器と異なる点は、ベース接地された発振用トランジスタTR2を発振用トランジスタTR1とカスケードに接続し、それぞれの発振用トランジスタのベースに、抵抗RB11、抵抗RB12及び抵抗RB13からなるベースバイアス回路を接続した点である。
【0004】
次に、トランジスタ圧電発振器11の等価発振回路を図示して発振動作について説明する。図17は、従来のトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。なお、等価発振回路は、図15及び図16に示した従来のトランジスタ圧電発振器ともに同様である。ここで、圧電振動子X1のインピーダンスをzxt、インピーダンスzxtとバイアス抵抗RBとの並列回路のインピーダンスをz11、トランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスをCπ、ベース−エミッタ間抵抗をRπとする。そしてキャパシタンスCπと抵抗RπとコンデンサC12との並列回路のインピーダンスをインピーダンスz12、抵抗R13とC13の並列回路のインピーダンスをz13とする。そして、インピーダンスz11とインピーダンスz12に流れる電流をi11、インピーダンスz13に流れる電流をi13とする。また、トランジスタの定電流源をgmz12i11とすると、キルヒホッフの法則より(1)式が得られる。

【0005】
次に、(1)式よりi13を消去し、発振条件であるi11≠0を当てはめると(2)式が得られる。

また、インピーダンスz11、z12、及びz13は、(3)式のように表すことができる。但し、(3)式中のr12、c12、r13、及びc13は、(4)式とする。



【0006】
次に、圧電振動子X1のモーションアーム(インダクタンスL1、キャパシタンスC1、抵抗R1)のインピーダンスをzMとし、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0を発振回路側に含め、zM側から発振回路側を見た合成等価回路抵抗をRcci、合成等価回路キャパシタンスをCcciとする。そして、(3)式を(2)式に代入すると(5)式が得られる。但し、合成等価回路抵抗Rcciと合成等価回路キャパシタンスCcciは、(6)式とする。なお、(6)式中のRciとCciは、それぞれ等価回路抵抗と等価回路キャパシタンスを示し、圧電振動子X1の端子間並列容量C0を発振回路側に含めない場合の関係式である。



なお、図18に等価回路抵抗Rci及び等価回路キャパシタンスCciと、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciの関係を示す。
【0007】
次に、得られた関係式を用いて従来のトランジスタ圧電発振器の発振特性に関するシミュレーションを行い、図19、図20、図21、及び図22にその結果を示す。
図19は、従来のトランジスタ圧電発振器の等価回路抵抗Rci、合成等価回路抵抗Rcci、及び等価回路キャパシタンスCci、合成等価回路キャパシタンスCcciの周波数特性を示すグラフ図である。
図19において、コンデンサC12、C13はともに30pFとし、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3.8pF、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pFとしている。
図19に示すように、等価回路抵抗Rciは、周波数Freq≒10MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRci≒−9kΩを示し、そのとき、等価回路キャパシタンスCciは、Cci≒1pFを示す。
一方、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒15MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRcci≒−1.5kΩを示し、そのとき、合成等価回路キャパシタンスCcciは、Ccci≒4pFを示す。
従って、発振回路において得られる負性抵抗値は、圧電振動子X1の端子間並列容量C0を発振回路側に含めるかどうかにより変化することがわかる。
【0008】
図20は、従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタのコレクタ電流Icとの関係を示すグラフ図である。
図20において、コンデンサC12、C13はともに30pF、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、電流増幅率hfeは100、τFは、0.1nsecとする。また、トランジスタTR1に関するパラメータは、(7)式に従い近似する。

図20に示すように、コレクタ電流IcがIc≒0.6mAで合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗の最大値となるRcci≒−2kΩを示す。また、合成等価回路抵抗Rcciは、コレクタ電流IcがIc≒0.02mA〜3.5mAの範囲で負性抵抗を示し、トランジスタ圧電発振器は発振する。
【0009】
図21は、従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタの電流増幅率hfeとの関係を示すグラフ図である。図21において、コンデンサC12、C13はともに30pF、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3.8pF、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/Vとする。
図21に示すように、トランジスタTR1の電流増幅率hfeが、hfe≒20〜300に変化すると、合成等価回路抵抗Rcciは、Rcci≒−0.2kΩ〜−1.5kΩに変化し、合成等価回路キャパシタンスCcciは、Ccci≒4pF〜3pFに変化する。即ち、トランジスタTR1の特性がばらついて電流増幅率hfeが変化すると、負性抵抗値や負荷容量値が変化して発振回路の特性がばらつくことを示している。
【0010】
図22は、従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπとの関係を示すグラフ図である。
図22において、コンデンサC12、C13はともに30pF、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/Vとする。
図22に示すように、トランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπがCπ≒0.4〜6pFに変化すると、合成等価回路抵抗Rcciは、Rcci≒−1kΩ〜−1.35kΩに変化し、合成等価回路キャパシタンスCcciは、Ccci≒2.9pF〜3.1pFに変化する。即ち、トランジスタTR1の特性がばらついてトランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπが変化すると、負性抵抗値や負荷容量値が変化して発振回路の特性がばらつくことを示している。
なお、図15に示したトランジスタ圧電発振器の回路は特許文献1に開示されている。
なお、トランジスタ圧電発振器の基本的な動作については、非特許文献1、及び非特許文献2に解説されている。
【特許文献1】特開平6−140838号公報(図3)
【非特許文献1】トランジスタ技術オリジナルNo8 Page90 コルピッツ型水晶発振回路「CQ出版社」
【非特許文献2】トランジスタ技術オリジナルNo8 Page94 オーバートーン水晶発振回路「CQ出版社」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来のトランジスタ圧電発振器は、発振用トランジスタの電流増幅率hfeや、発振用トランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπなどのトランジスタの特性がばらつくと、発振回路の重要なパラメータである合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciの値に大きな影響を与えていた。
例えば、前述したように、トランジスタの電流増幅率hfeがばらついて、hfe≒20〜300に変化すると、合成等価回路抵抗Rcciは、Rcci≒−0.2kΩ〜−1.5kΩに変化しており、このように負性抵抗値が変化すると、トランジスタ圧電発振器を製造した際に、発振回路が発振し易いものと発振し難いものとが生じ、製造偏差が大きくなるという問題が発生する。従って、発振回路の安定度が低下して発振余裕度の少ないトランジスタ圧電発振器が製造される可能性があると共に、設計の自由度も少なくなることが考えられる。
本発明は、上述したような問題を解決するためになされたものであって、発振用トランジスタの特性がばらついても安定した合成等価抵抗特性や合成等価キャパシタンス特性が得られるトランジスタ圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明に係るトランジスタ圧電発振器は、発振用トランジスタと、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの直列回路からなり、前記発振用トランジスタのベースと接地との間に接続される第1の直列回路と、第1の抵抗と第2の抵抗との直列回路からなり、前記発振用トランジスタのエミッタと接地との間に接続される第2の直列回路と、前記発振用トランジスタのベースと接地との間に接続される圧電振動子と、を備え、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサの接続点と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗の接続点とを接続したことを特徴とする。
このような本発明のトランジスタ圧電発振器によれば、発振用トランジスタのエミッタに、第2の抵抗を挿入することにより、発振用トランジスタの電流増幅率やベース−エミッタ間キャパシタンスなどの特性がばらついても、安定した合成等価回路抵抗特性及び合成等価回路キャパシタンス特性を得ることが可能となった。従って、トランジスタ圧電発振器の製造偏差を低減すると共に、発振特性の安定したトランジスタ圧電発振器を提供することができる。
【0013】
また、本発明に係るトランジスタ圧電発振器は、第2の抵抗に対して並列に接続される第3のコンデンサを備えたことを特徴とする。
このような本発明のトランジスタ圧電発振器によれば、第3のコンデンサを第2の抵抗に並列に接続することにより、トランジスタ圧電発振器の発振周波数を可変することができ、例えば、発振回路を基本波発振(1st)やオーバートーン発振(3rd)させることが容易となり、簡単な回路構成で所望の周波数を発振するトランジスタ圧電発振器を得ることが可能となる。
【0014】
また、本発明に係るトランジスタ圧電発振器は、複数のコンデンサと、複数のコンデンサから何れかのコンデンサを選択する選択手段とからなるコンデンサ選択回路を備え、コンデンサ選択回路を第2の抵抗に対して並列に接続したことを特徴とする。
このような本発明のトランジスタ圧電発振器によれば、複数のコンデンサから何れかのコンデンサを選択手段により選択することにより、トランジスタ圧電発振器の発振周波数を所望の値に切り替えることが可能となり、多周波の周波数を発振するトランジスタ圧電発振器が容易に実現できる。
【0015】
また、本発明に係るトランジスタ圧電発振器は、第3のコンデンサに対して並列に可変容量ダイオードを備えた可変容量回路を接続したことを特徴とする。
このような本発明のトランジスタ圧電発振器によれば、第3のコンデンサに並列に可変容量回路を接続し、外部から可変容量回路の容量値を制御して第3のコンデンサの容量値を変えることにより、トランジスタ圧電発振器の発振周波数を容易に可変することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係るトランジスタ圧電発振器は、前記発振用トランジスタは、二つのトランジスタをカスケード接続したものであることを特徴とする。
このような本発明のトランジスタ圧電発振器によれば、発振の安定度を高めることができるので、設計の自由度を高めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成図である。トランジスタ圧電発振器1は、コルピッツ発振回路を構成しており、発振用トランジスタTR1のベースと接地(GND)間に負荷容量の一部となるコンデンサ(第1のコンデンサ)C1とコンデンサ(第2のコンデンサ)C2との直列回路(第1の直列回路)を接続し、発振用トランジスタTR1のエミッタと接地間にエミッタ抵抗となる抵抗(第1の抵抗)R2と抵抗(第2の抵抗)R3との直列回路(第2の直列回路)を接続し、コンデンサC1とコンデンサC2との直列回路の接続中点と、抵抗R2と抵抗R3との直列回路の接続中点とを接続している。
また、発振用トランジスタTR1のコレクタと電源(Vcc)との間にコレクタ抵抗R4を接続すると共に、電源と接地間にバイパス用のコンデンサC4を接続し、発振用トランジスタTR1のベースに抵抗RB1、及び抵抗RB2とから成るベースバイアス回路を接続している。更に、発振用トランジスタTR1のベースと接地間に圧電振動子X1を接続し、発振用トランジスタTR1のコレクタに直流カット用のコンデンサC5を接続してコンデンサC5の他端をトランジスタ圧電発振器1の出力(OUT)とするよう構成している。本発明の特徴は、発振用トランジスタTR1のエミッタに抵抗R3を設けたことが特徴であり、抵抗R3を設けたことにより、発振用トランジスタTR1の特性がばらついても安定した合成等価抵抗特性や合成等価キャパシタンス特性が得られるようになった。その具体的な性能については後述する。
【0018】
図2は第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の変形例を示す回路構成図である。
なお、図1に示す回路と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すトランジスタ圧電発振器と異なる点は、発振回路を発振用トランジスタTR1と発振用トランジスタTR2とをカスケード接続したコルピッツ発振回路としたことである。そこで、トランジスタ圧電発振器2は、ベース接地された発振用トランジスタTR2を発振用トランジスタTR1とカスケードに接続し、それぞれの発振用トランジスタのベースに、抵抗RB1、抵抗RB2、及び抵抗RB3からなるベースバイアス回路を接続し、抵抗RB2と抵抗RB3の接続中点と接地間にコンデンサC6を接続したものである。このようなトランジスタ圧電発振器によれば、発振の安定度を高めることができるので、設計の自由度を高めることが可能になる。
【0019】
次に、本実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路の発振動作について説明する。
図3は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。なお、等価発振回路は、図1及び図2に示したトランジスタ圧電発振器において同様である。ここで、圧電振動子X1とバイアス抵抗RBとの並列回路のインピーダンスをzx、トランジスタTR1のベース−エミッタ間キャパシタンスCπとベース−エミッタ間抵抗Rπの並列回路のインピーダンスをzπ、コンデンサC1のインピーダンスをz1、コンデンサC2と抵抗R2の並列回路のインピーダンスをz2、抵抗R3のインピーダンスをz3とする。そして、インピーダンスzxに流れる電流をix、インピーダンスzπに流れる電流をiπ、インピーダンスz1に流れる電流をi1、インピーダンスz2に流れる電流をi2、インピーダンスz3に流れる電流をi3とする。また、トランジスタの定電流源をgmzπiπとすると、キルヒホッフの法則より(8)式と(9)式が得られる。



【0020】
次に、(9)式を展開すると、発振回路が発振するインピーダンス条件である(10)式を得る。

また、z1、z2、z3、及びzπは、(11)式のように表すことができる。但し、(11)式中のr2、c2、rπ、及びcπは、(12)式とする。



【0021】
次に、(11)式を(10)式に代入すると、(13)式が得られる。但し、(13)式中のRc、Cc、ra、xa、rb、及びxbは、(14)式とする。ここで、Rciは等価回路抵抗を示し、Cciは等価回路キャパシタンスを示し、抵抗RBを発振回路側に含めて、圧電振動子X1より発振回路側を見た関係式である。



【0022】
ここで、図18に示すように、圧電振動子X1のモーションアーム(インダクタンスL1、キャパシタンスC1、抵抗R1)のインピーダンスをzMとし、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0を発振回路側に含め、zM側から発振回路側を見た合成等価回路抵抗をRcci、合成等価回路キャパシタンスをCcciとすると、(15)式が得られる。但し、合成等価回路抵抗Rcciと合成等価回路キャパシタンスCcciは、(16)式とする。



【0023】
次に、得られた関係式を用いて、トランジスタ圧電発振器の発振特性に関するシミュレーションを行い、図4、図5、図6、図7、及び図8にその結果を示す。
図4は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、抵抗R3をパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciの周波数特性を示すグラフ図である。図4において、コンデンサC1、C2はともに20pF、抵抗R2は2kΩ、抵抗RBは10kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3pF、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pFとする。
図4に示すように、抵抗R3をR3=0Ω(従来例の場合)とすると、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒30MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.75kΩを示し、抵抗R3をR3=200Ωとすると、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒10MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.7kΩを示す。即ち、抵抗R3の値により、合成等価回路抵抗Rcciの周波数特性が変化することを示している。
【0024】
図5は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、周波数Freqをパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciと抵抗R3の関係を示すグラフ図である。
図5において、コンデンサC1、C2はともに20pF、抵抗R2は2kΩ、抵抗RBは10kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3pF、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pFとする。
図5に示すように、例えば、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒6MHzの場合、抵抗R3がR3≒300Ωのとき負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.5kΩを示し、周波数Freq≒10MHzの場合、抵抗R3がR3≒150Ωのとき負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.8kΩを示し、周波数Freq≒20MHzの場合、抵抗R3がR3≒30Ωのとき負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.9kΩを示す。即ち、抵抗R3と周波数Freqをともに変化させると、抵抗R3の値により合成等価回路抵抗Rcciの周波数特性が変化し、周波数Freqごとに、負性抵抗値が最大となる最適なポイントが有ることが分かる。
【0025】
図6は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、抵抗R3をパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciとコレクタ電流Icの関係を示すグラフ図である。
図6において、コンデンサC1、C2はともに20pF、抵抗R2は2kΩ、抵抗RBは10kΩ、トランジスタTR1の電流増幅率hfeは100、τFは0.1nsec、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、周波数Freqは10MHzとする。なお、トランジスタTR1に関するパラメータは、(17)式に従い近似する。

図6に示すようにコレクタ電流Icを変化させると、抵抗R3の抵抗値により合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を示す範囲が変化している。抵抗R3の抵抗値=0Ω(従来例の場合)とすると、コレクタ電流IcがIc≒0.35mAで合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗を失うが、抵抗R3の抵抗値=50Ωとすると、コレクタ電流IcがIc≒1.2mAで合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗を失う。
また、抵抗R3の抵抗値=200Ωとすると、コレクタ電流Icの値により合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗を失うことはない。即ち、抵抗R3の抵抗値を大きくすると、合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を示すコレクタ電流範囲が広がることが分かる。従って、抵抗R3を大きくすると、コレクタ電流Icを増加させてもトランジスタ圧電発振器は、発振を停止することはなく、発振回路の設計の自由度が向上する。
【0026】
図7は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciと電流増幅率hfeの関係を示すグラフ図である。図7は、本発明の特性と従来例の特性を併記している。
図7において、抵抗R3は0.3kΩ、コンデンサC1、C2はともに20pF、抵抗R2は2kΩ、抵抗RBは10kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3.8pF、ベース−エミッタ間抵抗RπはRπ≒hfe/gm、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、τFは0.1nsecとする。
また、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、周波数Freqは10MHzとし、従来例の特性は、コンデンサC12、C13はともに30pF、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3.8pF、ベース−エミッタ間抵抗RπはRπ≒hfe/gm、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、τFは0.1nsec、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、周波数Freqは10MHzとする。
【0027】
図7に示すように、従来例の場合、電流増幅率hfeがhfe≒20〜300まで変化すると、合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗値を示す範囲がおおよそ−0.2kΩ〜−1.5kΩまで変化するが、本実施形態によれば、電流増幅率hfeがhfe≒20〜300まで変化しても、合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗値を示す範囲がおおよそ−0.5kΩ〜−0.7kΩの変化にとどまっている。
従って、本実施形態に係る発振回路は、従来の発振回路と比べて負性抵抗の変化をおおよそ1/6に抑圧していることが分かる。また、合成等価回路キャパシタンスCcciは、従来例の場合、電流増幅率hfeがhfe≒20〜300まで変化すると、合成等価回路キャパシタンスCcciは、Ccci≒4pF〜2.9pFまで変化するが、本発明によれば、電流増幅率hfeがhfe≒20〜300まで変化しても、Ccci≒8.19pF〜8.22pFの変化であり、電流増幅率hfeが変化しても安定した合成等価回路キャパシタンス特性が得られる。
【0028】
図8は、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciとベース−エミッタ間キャパシタンスCπの関係を示すグラフ図である。
図8には、本実施形態の特性と従来例の特性を併記している。
図8において、本実施形態の回路条件は、抵抗R3は0.3kΩ、コンデンサC1、C2はともに20pFとし、抵抗R2は2kΩ、抵抗RBは10kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπはCπ=τF・gm、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、トランジスタTR1の電流増幅率hfeは100、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、周波数Freqは10MHzとする。
【0029】
一方、従来例の回路条件は、コンデンサC12、C13はともに30pFとし、抵抗R13は2kΩ、抵抗RBは20kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπはCπ=τF・gm、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、トランジスタTR1の電流増幅率hfeは100、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pF、周波数Freqは10MHzとする。
図8に示すように、従来例の場合、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπがCπ≒0.4pF〜6pFまで変化すると、合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗値を示す範囲がおおよそ−1.0kΩ〜−1.34kΩまで変化するが、本実施形態によれば、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπがCπ≒0.4pF〜6pFまで変化しても、合成等価回路抵抗Rcciは、負性抵抗値を示す範囲がおおよそ−0.67kΩでほぼ一定である。
【0030】
従って、本実施形態に係る発振回路は、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπが変化した際に、従来例の発振回路と比べて負性抵抗値の変化が著しく少ないことが分かる。
また、本実施形態による合成等価回路キャパシタンスCcciも、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπがCπ≒0.4pF〜6pFまで変化しても、Ccci≒8.12pF〜8.28pFの変化に止まり、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπが変化しても安定した合成等価回路キャパシタンス特性が得られる。
以上、第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の発振特性のシミュレーション結果を説明したが、発振用トランジスタTR1のエミッタに、抵抗R3を挿入することにより、発振用トランジスタTR1の電流増幅率やベース−エミッタ間キャパシタンスなどの特性がばらついても、安定した合成等価回路抵抗特性及び合成等価回路キャパシタンス特性を得ることが可能となった。
【0031】
次に、本発明の第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器について説明する。
図9は第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成図である。
この図9に示すトランジスタ圧電発振器3は、第1の実施形態と比べ、抵抗R3と並列にコンデンサ(第3のコンデンサ)C3を接続し、発振用トランジスタTR1のベース−エミッタ間にコンデンサC7を接続した点のみが異なる。また、図1に示した第1の実施形態の発振回路と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。コンデンサC7については、発振用トランジスタTR1のベース−エミッタ間にベース−エミッタ間容量が存在するので、コンデンサC7を削除することも可能である。コンデンサC3を追加することにより、合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を生ずる周波数範囲を移動させることができ、発振回路の発振周波数をコンデンサC3の値を可変することにより変化させることができる。その具体的な性能については後述する。
【0032】
図10は第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の変形例を示した回路構成図である。図9に示した発振回路と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。図10が図9と異なる点は、発振回路を発振用トランジスタTR1と発振用トランジスタTR2とをカスケード接続したコルピッツ発振回路としたことである。そこで、トランジスタ圧電発振器4は、ベース接地された発振用トランジスタTR2を発振用トランジスタTR1とカスケードに接続し、それぞれの発振用トランジスタのベースに、抵抗RB1、抵抗RB2、抵抗RB3からなるベースバイアス回路を接続し、抵抗RB2と抵抗RB3の接続中点と接地間にコンデンサC6を接続したものである。
【0033】
次に、第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路の発振動作について説明する。
図11は、第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。なお、等価発振回路は図9及び図10において同様である。
第2の実施形態の等価発振回路は、第1の実施形態の等価発振回路と比べ、z3のインピーダンスが抵抗R3とコンデンサC3の並列回路により構成されることと、zπのインピーダンスがトランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπとベース−エミッタ間抵抗RπとコンデンサC7の並列回路により構成された点のみが異なる。そこで、第2の実施形態における合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciの関係式は、前述した(11)式、及び(12)式において、z3、zπ、r3、c3、rπ、及びcπを(18)式に示す関係式に変更したものとなる。

また、その変更に伴い、前述した(14)式に示したra、及びxaは、(19)式のように変更される。他の関係式は、第1の実施形態において図3を用いて説明したものと同一である。

【0034】
次に、得られた関係式を用いてトランジスタ圧電発振器の発振特性に関するシミュレーションを行い図12にその結果を示す。
図12は第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、コンデンサC3をパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcciの周波数特性を示すグラフ図である。
図12において、コンデンサC1、C2はともに20pF、抵抗R2は2kΩ、抵抗R3は0.3kΩ、抵抗RBは10kΩ、ベース−エミッタ間キャパシタンスCπは3pF、ベース−エミッタ間抵抗Rπは2.6kΩ、トランジスタTR1の相互コンダクタンスgmは38mA/V、C7は0pF、圧電振動子X1の端子間並列キャパシタンスC0は2pFとする。
【0035】
図12に示すように、コンデンサC3の値を変化させることにより、合成等価回路抵抗Rcciの周波数特性が大きく変化していることが分かる。例えば、C3をC3=0pF(第1の実施形態の場合)とすると、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒10MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.5kΩを示し、C3をC3=640pFとすると、合成等価回路抵抗Rcciは、周波数Freq≒30MHzにおいて負性抵抗の最大値なるRcci≒−0.5kΩを示し、C3をC3=40pFとすると、合成等価回路抵抗Rcciは、Rcci<−0.1kΩを示す。
即ち、コンデンサC3の値を変化させることにより、合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を示す周波数範囲がずれることが分かる。そこで、第2の実施形態の特徴は、コンデンサC3の値を大きくすると、合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を示す周波数範囲が高周波側に移動するので、トランジスタ圧電発振器の発振周波数を可変することができ、例えば、オーバートーン発振などを簡単な発振回路で行うことができる。
【0036】
次に本発明の第3の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器について説明する。
図13は第3の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成図である。
この図13に示すトランジスタ圧電発振器5は、抵抗R3に対して並列に、複数のコンデンサC3a、C3bと、この複数のコンデンサC3a、C3bから何れかのコンデンサを選択する選択手段として切替器SW1a、SW1bとからなるコンデンサ選択回路8を備え、コンデンサ選択回路8を接続した点が、図9に示した第2の実施形態のトランジスタ圧電発振器と異なる。
なお、図9に示した発振回路と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。前述したように、コンデンサC3の値を変化させることにより、発振回路の合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を生ずる周波数範囲を移動させることができる。そこで、コンデンサC3aとコンデンサC3bの値を適宜設定しておき、外部(CONT)から切替器SW1a及び切替器SW1bを制御してコンデンサC3a、或いはコンデンサC3bを選択することにより、トランジスタ圧電発振器5の発振周波数を所望の値に切り替えることが可能となる。
そこで、第3の実施形態の特徴は、簡易な発振回路を用いて、多周波の周波数を発振するトランジスタ圧電発振器を実現したことである。なお、図13においては、コンデンサC3としてコンデンサC3aとコンデンサC3bの2つを設けたが、コンデンサC3として3つ以上設けて発振周波数を切り替えることも可能である。
【0037】
次に、本発明の第4の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器について説明する。
図14は、第4の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成図である。
この図14に示すトランジスタ圧電発振器6は、図9に示した第2の実施形態と比べ、抵抗R3に並列に接続したコンデンサC3にさらに並列に可変容量回路7を接続した点のみが異なる。可変容量回路7は、可変容量ダイオードD1を備えており、可変容量ダイオードD1に印加する直流電圧の電圧値を制御することにより、可変容量回路7の容量値を可変する。前述したように、コンデンサC3の値を変化させることにより、発振回路の合成等価回路抵抗Rcciが負性抵抗を生ずる周波数範囲を移動させることができる。
そこで、外部から可変容量回路7に所定の制御電圧(VCONT)を入力して可変容量回路7の容量値を制御し、抵抗R3に並列に接続されるコンデンサの容量値を変化させることにより、トランジスタ圧電発振器6の発振周波数を可変することを可能とした。
【0038】
なお、図9に示した発振回路と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。そこで、第4の実施形態の特徴は、外部より制御電圧を入力することにより、トランジスタ圧電発振器の発振周波数を容易に可変することを可能としたことである。
以上、第3の実施形態と第4の実施形態について説明したが、これらの実施形態においても、変形例として、発振用トランジスタを2つ設け、それぞれの発振用トランジスタをカスケード接続したコルピッツ発振回路とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の変形例の回路構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、抵抗R3をパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciの周波数特性を示すグラフ図である。
【図5】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、周波数Freqをパラメータとした際の合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciと抵抗R3の関係を示すグラフ図である。
【図6】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、抵抗R3をパラメータとした際の、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciとコレクタ電流Icの関係を示すグラフ図である。
【図7】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciと電流増幅率hfeの関係を示すグラフ図である。
【図8】第1の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciとベース−エミッタ間キャパシタンスCπの関係を示すグラフ図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成を示した図である。
【図10】第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の変形例を示した回路構成図である。
【図11】第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。
【図12】第2の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器において、コンデンサC3をパラメータとした際の、合成等価回路抵抗Rcciの周波数特性を示すグラフ図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成を示した図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るトランジスタ圧電発振器の回路構成を示した図である。
【図15】従来のトランジスタ圧電発振器の回路構成を示した図である。
【図16】従来のトランジスタ圧電発振器の他の回路構成を示した図である。
【図17】従来のトランジスタ圧電発振器の等価発振回路を示す図である。
【図18】等価回路抵抗Rci及び等価回路キャパシタンスCciと、合成等価回路抵抗Rcci及び合成等価回路キャパシタンスCcciの関係を示す図である。
【図19】従来のトランジスタ圧電発振器の等価回路抵抗Rci、合成等価回路抵抗Rcci、及び等価回路キャパシタンスCci、合成等価回路キャパシタンスCcciの周波数特性を示すグラフ図である。
【図20】従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタのコレクタ電流Icとの関係を示すグラフ図である。
【図21】従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタの電流増幅率hfeとの関係を示すグラフ図である。
【図22】従来のトランジスタ圧電発振器の合成等価回路抵抗Rcci、及び合成等価回路キャパシタンスCcciとトランジスタのベース−エミッタ間キャパシタンスCπとの関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0040】
1、2、3、4、5、6…トランジスタ圧電発振器、7…可変容量回路、8…コンデンサ選択回路、C1、C2、C3、C3a、C3b、C4、C5、C6、C7…コンデンサ、D1…可変容量ダイオード、R2、R3、R4、RB1、RB2、RB3…抵抗、SW1a、SW1b…切替器、TR1、TR2…トランジスタ、X1…圧電振動子、Cπ…ベース−エミッタ間キャパシタンス、Rπ…ベース−エミッタ間抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振用トランジスタと、
第1のコンデンサと第2のコンデンサとの直列回路からなり、前記発振用トランジスタのベースと接地との間に接続される第1の直列回路と、
第1の抵抗と第2の抵抗との直列回路からなり、前記発振用トランジスタのエミッタと接地との間に接続される第2の直列回路と、
前記発振用トランジスタのベースと接地との間に接続される圧電振動子と、を備え、
前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの接続点と、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続点とを接続したことを特徴とするトランジスタ圧電発振器。
【請求項2】
前記第2の抵抗に対して並列に接続される第3のコンデンサを備えたことを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ圧電発振器。
【請求項3】
複数のコンデンサと、該複数のコンデンサから何れかのコンデンサを選択する選択手段とからなるコンデンサ選択回路を備え、前記コンデンサ選択回路を前記第2の抵抗に対して並列に接続したことを特徴とする請求項1に記載のトランジスタ圧電発振器。
【請求項4】
前記第3のコンデンサに対して並列に可変容量回路を接続したことを特徴とする請求項2に記載のトランジスタ圧電発振器。
【請求項5】
前記発振用トランジスタは、二つのトランジスタをカスケード接続したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のトランジスタ圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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