トランスポート回線設計方法およびプログラム
【課題】許容遅延量を考慮した波長数最小化のための効率的な回線設計方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の直線距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する。次に、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記で設定されたパスに集約した時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する。最後に、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記で集約できなかった需要を集約する。
【解決手段】全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の直線距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する。次に、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記で設定されたパスに集約した時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する。最後に、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記で集約できなかった需要を集約する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の要求する最大許容遅延を考慮した波長数最小化のための効率的な回線設計方法およびプログラムに関し、OTN(Optical Transport Network)やMPLS−TP(Multi Protocol Label Switching-Transport Profile)等の回線を収容・集約可能なノードで構成されるトランスポートネットワークを対象としている。
【背景技術】
【0002】
従来、波長の有効活用のため、複数パスを単一波長に集約する技術が提案されてきた(非特許文献1−5)。非特許文献2−5は、トポロジーがリング型のネットワークに限定されたものである。非特許文献1は、メッシュ型ネットワークにもフレキシブルに適用可能な方式である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】I.Yagyu et.al., "An EfficientHierarchical Optical Path Network Design Algorithm based on a Traffic DemandExpression in a Cartesian Product Space," IEEE Journalon Selected Areas In Communications, Vol.26, No.6, pp.22-31, August 2008.
【非特許文献2】A..L.Chiu et al., "TrafficGrooming Algorithm for Reducing Electronic Multiplexing Costs in WDM RingNetworks," Journal of Lightwave Technology, Vol.18, No.1, pp.2-12, January2000.
【非特許文献3】O.Gerstel,et.al.,"Cost-Effective Traffic Grooming in WDM Rings," IEEE/ACM Transactionon Networking, Vol.8, No.5, pp.618-630, October 2000.
【非特許文献4】X.Zhang et.al., "An Effectiveand Comprehensive Approach for Traffic Grooming and Wavelength Assignment inSONET/WDM Rings," Vol.8, No.5, pp.608-617, October 2000.
【非特許文献5】J. M.Simmons et al.,"Quantifying the Benefit of Wavelength Add-Drop in WDM Rings withDistance-Independent and Dependent Traffic," Journal of LightwaveTechnol.Vol.17, No.1, January 1999.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの方式では各トラヒック需要における許容遅延量を考慮していないといった問題点がある。
【0005】
したがって、本発明は、許容遅延量を考慮した波長数最小化のための効率的な回線設計方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するため本発明による回線設計方法は、許容遅延時間を有する需要に対する回線設計方法において、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する第1のステップと、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記第1のステップで設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する第2のステップと、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記第2のステップで集約できなかった需要を集約する第3のステップとを有する。
【0007】
また、前記第1のステップは、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要をリスト1に登録する第1のサブステップと、前記リスト1に登録された需要の中から、最も遅延制約が厳しい需要を求め、該需要について、最短パスを設定する第2のサブステップと、前記リスト1に登録された需要の中で、前記設定されたパスの通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスに集約する第3のサブステップと、前記第3のサブステップで集約されなかった前記リスト1に登録された需要を新たにリスト1として、前記第2のサブステップと前記第3のサブステップを集約関係が発生しなくなるまで繰り返す第4のサブステップとを有し、
前記第2のステップは、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で、前記第1のステップで設定されたパスの始終点を含む通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、該パスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約し、集約できない需要をリスト2に登録する第5のサブステップであり、
前記第3のステップは、前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノード間を結ぶ線を可能な限り多く通過するようにネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を1本引き、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を引き直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップとを有することも好ましい。
【0008】
また、前記第5のサブステップは、該需要の始点または終点から一定距離以内にOTNノードが存在し、該OTNノードに該需要の始点または終点を収容した場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該需要の始点または終点を該OTNノードに集約することをさらに備えることも好ましい。
【0009】
また、前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割することも好ましい。
【0010】
また、前記第3のステップの別の方式としては、前記リスト2に登録された需要のなかで、始点ノードと終点ノード間の距離が最長となる需要を抽出し、当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含め、他の需要は、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードまたは終点ノード)を集合A、他方をBに属するように、ネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの集合A、Bを、同一集合に属する始点ノードの終点ノード、および終点ノードの始点ノードが、別の同一集合に属する条件を満たすように、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合または前記条件を満たすように分割できない場合、前記第6のサブステップの条件を満たす区画に分割し直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップとであることも好ましい。
【0011】
また、前記遅延制約量は、始点ノードと終点ノード間の直線距離を許容遅延時間で割った値であることも好ましい。
【0012】
また、前記最短パスは、遅延時間をパスコストとして、ダイクストラ法で決定されることも好ましい。
【0013】
また、前記起点となるノードは、前記区画の中にあり、前記リスト2に登録された需要の起点ノードと終点ノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードであることも好ましい。
【0014】
また、前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数となった場合、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てることも好ましい。
【0015】
また、前記第3のステップ終了後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、
集約予定としていた全需要の中で、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中から、該需要の始点および終点から一定距離以内に同一既存波長の通過ノードが存在し、該通過ノードのパスに収容した場合、許容遅延時間を満たす需要を、該通過ノードのパスに収容することで、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満にすることも好ましい。
【0016】
また、前記収容は、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で遅延制約量が大きい需要から順に、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満になるまで、行うことも好ましい。
【0017】
上記目的を実現するため本発明によるプログラムは、許容遅延時間を有する需要に対する回線を設計するためのコンピュータを、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する手段と、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記手段で設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する手段と、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記手段で集約できなかった需要を集約する手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパス集約方法を適用することで、メトロ・コア光ネットワークの設計時に、サービスごとの許容遅延量を最大限に考慮した設計が可能となり、かつ波長数の最小化が実現できるため、ネットワークにおける設備コストの削減に寄与する。
【0019】
また、本発明で、需要パスの始点、終点にて複数需要が合流するようにルート設計することで、OTNノード数の増加を抑えて、コストの増加を抑えることが可能になる。さらに、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースの帯域以上になった場合、他の波長に需要を集約することにより波長数を低減させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるフローチャートを示す。
【図2】ステップ1の実施の例を示す。
【図3】ステップ2の実施の例を示す。
【図4】ステップ3の実施の例を示す。
【図5】ステップ4の実施の例を示す。
【図6】ステップ5−1の実施の例を示す。
【図7】ステップ5−2の実施の例を示す。
【図8】ステップ5−3の実施の例を示す。
【図9】ステップ6の実施の例を示す。
【図10】ステップ7−1の実施の例を示す。
【図11】ステップ7−2の実施の例を示す。
【図12】ステップ7−3の実施の例を示す。
【図13】ステップ6の実施の他の例を示す。
【図14】ステップ7−1の実施の他の例を示す。
【図15】ステップ7−2の実施の他の例を示す。
【図16】ステップ7−3の実施の他の例を示す。
【図17】OTNノード数の増加を抑える方法のフローチャートを示す。
【図18】OTNノード数の増加を抑える方法の実施例を示す。
【図19】波長数を低減する方法のフローチャートを示す。
【図20】波長数を低減する方法の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明によるフローチャートを示す。以下、本フローチャートに基づいて説明する。
【0022】
ステップ1:全ての需要の中で、遅延制約が厳しいものを選択する。その際、まずは全ての需要nnに対して、始点ノード(S:Source)と終点ノード(D:Destination)間の直線距離(d(Sn,Dn))を求め、この直線距離を最大許容遅延lnで割った値である遅延制約量(xn)を算出する。当該値が一定レベルαを超えていれば、該当するパスは遅延制約の厳しいパスとしてリスト1−1に登録する。
【0023】
図2は、ステップ1の実施の例を示す。本例では、需要が、需要n1から需要n13まで13本あると仮定する。全需要に対して、
xn=(d(Sn,Dn))/ln (n=1〜13)
を算出する。本例では、x1からx5が一定レベルαを超えているため、これらの需要をリスト1−1に登録する。また、図2に、これらの需要の直線距離を示す。
【0024】
ステップ2:リスト1−1の中で、xnが最大となる需要を選択し、該需要に対してダイクストラ法でパスを決定する。その時のパスコストは遅延量とする。
【0025】
図3は、ステップ2の実施の例を示す。本例では、リスト1−1の需要で、xnの最大のものがx1であったとする。つまり、
x1=max(x1、x2、x3、x4、x5)
とする。この場合、需要n1に対して、ダイクストラ法でパスを決定する。決定されたS1からD1のパスを図3に示す。
【0026】
ステップ3:ステップ1で登録された需要niの中で、ステップ2でパス設定した需要のnmについて、kを一定の閾値として、
d(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、
もしくは
d(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<k
となる需要niを選び、ステップ2で決定したパスに集約した時に各々の許容遅延時間を満足できるか否かを確認する。
【0027】
許容遅延時間を満足できる需要は、ステップ2で決定したパスに集約するものとし、許容遅延時間を満足できないもの、ならびにd(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、もしくはd(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<kのいずれにも該当しない需要については保留として、これらの需要をリスト1−2に登録する。
【0028】
ただし、d(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、もしくはd(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<kに該当しなくても、Si,Diがステップ2で決定したパス上に存在し、許容遅延時間を満足できる需要は、集約可能とする。
【0029】
図4は、ステップ3の実施の例を示す。ステップ2でパス設定した需要は、需要n1に相当する。リスト1−1の需要n2から需要n5のなかで、需要n2は、d(S2,S1)<kかつd(D2,D1)<kであり、許容遅延時間を満足できるものとして、需要n1のパスに収容する。また、需要n5は、S5,D5ともに需要n1のパス上に存在する。許容遅延時間を満足できるものとして、需要n1のパスに収容する。需要n3と需要n4は、保留とされ、リスト1−2に登録される。
【0030】
ステップ4:リスト1−2の需要をステップ2のリスト1−1として、ステップ2からステップ3の手順を繰り返す。これらを繰り返して、これ以上集約関係が発生しなくなるまで、繰り返す。
【0031】
図5は、ステップ4の実施の例を示す。リスト1−2がステップ2に入力され、
x4=max(x3、x4)
であるとし、需要n4に対して、ステップ2で図5のようにパスが決定される。この後、ステップ3において、d(S4,S3)<kかつd(D4,D3)<kであり、許容遅延時間を満足できるものとして、需要n3は需要n4のパスに収容する最終的に、需要n1、n2、n5は、同一波長λ1に集約され、需要n3、n4は、同一波長λ2に集約される。本例では、これ以上集約関係が発生しなくなるため、次のステップ5に進む。
【0032】
ステップ5:ステップ1でxi≦αであった需要について、ステップ4までで決定したパスの中に集約可能か否かを検討する。まず第一に、始終点がステップ4までに決定したパスの通過ノードに該当する場合は集約を行なうものとする。次に、xi≦αとなる需要のSi,Diがステップ2で決定したパスの始終点を含む通過ノード(Sn,Dn)からd(Si,Sn)<kかつd(Di,Dn)<k、もしくはd(Si,Dn)<kかつd(Di,Sn)<kとなるか否かで判断する。上記条件に該当しないもの、もしくは該当しても許容遅延時間で既存パスに集約できないものについてはリスト2に登録する。
【0033】
図6、図7および図8は、ステップ5の実施の例を示す。需要n1から需要n13まで13本のうち、xi≦αであった需要は、需要n6から需要n13であった。図6に示すように、需要n6は、始終点(S6、D6)が波長λ1のパス上の通過ノードであるため、許容遅延時間を満たせば、波長λ1に集約される。また、図7に示すように、需要n7は、波長λ1のパスの通過ノードからk以内に位置しているため、許容遅延時間を満たせば、波長λ1に集約される。
【0034】
しかし、需要n8から需要n13は、図8に示すように、波長λ1のパスおよび波長λ2のパスの通過ノードでなく、さらに波長λ1のパスおよび波長λ2のパスの通過ノードからk以内に位置していないため、これらはリスト2に登録される。
【0035】
ステップ6:リスト2に挙げられた需要のS/Dノードを結ぶ直線を可能な限り多く通過するようにネットワークのグラフを分割する。ただし、グラフを分割する線(以下分割線と呼ぶ)は、分割線が交差しないように、一意に下方向(もしくは上方向)に引く。ここで、ネットワーク全体を2分割した分割線は、各需要のS、Dがそれぞれ異なる集合に属するように分離するものである。分割した区画の中で集約の起点となるノードを決定する。起点となるノードは、それぞれの区画の中にあるリスト2の需要のS/Dノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードとする。この起点のノード間にパスを設定し、このパスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たせば、このパスに集約する。集約した結果、全てのパスが遅延などの制約を満たせるようであれば、ここで処理を終了する。
【0036】
図9は、ステップ6の実施の例を示す。本例では、点線の分割線でグラフを分割する。ここでは、需要n8から需要n13のS/Dノードを結ぶ直線を全て通過するように分割している。ただし、本例では、2分割しただけでは、同一区画内でパスを1波長に集約することは不可能である。
【0037】
ステップ7:ステップ6で、全てのパスが遅延などの制約を満たせなかった場合、ステップ6の分割線と交差する方向(つまり決してステップ6の分割線と平行にはならない方向)で2本目の分割線を引き、グラフを4分割する。4分割する時には、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割する。新しく出来た4区画の中でステップ6と同様の方法で起点となるノードを探索し、集約を行なう。それでも、全てのパスが制約を満たさないようであれば、1本目の分割線と交差する分割線を引き直し、グラフ全体が6分割、8分割・・・となるように分割数を増加させ、同様の処理を全てのパスが集約できるまで繰り返す。ただし、ステップ6からステップ7の中で"集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数"となった場合には、これ以上波長数が減少することはないため、例外なく直ちに処理を止め、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てる。
【0038】
図10、図11、および図12は、ステップ7の実施の例を示す。図10では、1本目の分割線に交わる形で2本目の分割線を引く。本例では、4区画に分割しても、同一区画の中の需要のS,Dが離れすぎているので、互いの許容遅延時間を満たしながら集約できない。このため、図11のように、1本目の分割線と交差する分割線を2本引き直し、6区画に分割する。6区画に分割すると、図12に示すように全ての需要の許容遅延時間を満たしながら、複数需要を同一波長に集約可能となる。
【0039】
具体的には、図12の黒点で示されるノードが各区画での起点ノードになる。区画1の起点ノードと区画2の起点ノードに設定されたパスが、需要n9と需要n11を集約し、区画3の起点ノードと区画4の起点ノードに設定されたパスが、需要n10と需要n12を集約し、区画5の起点ノードと区画6の起点ノードに設定されたパスが需要n8と需要n13を集約する。
【0040】
ステップ6およびステップ7について、グラフを他の方法で分割して、需要を集約することも可能である。以下に他の方法によるステップ6およびステップ7を示す。
【0041】
ステップ6:リスト2に挙げられた需要のS/D間の距離が最長となる需要を抽出する。当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含めるとすると、その他の需要については、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードもしくは終点ノード)を集合A、他方をBに属するものとする。また、仮に集約した需要同士が完全に同じパス上を通る場合には、最長のパスの始終点のノードを起点とする。
【0042】
例外として、SからもDからも誤差Aの範囲内でほぼ距離が同じものについては、集約の対象から外すものとする。これらについては、各々について単独で波長を割り当てるか、もしくはこれらを纏めて上記のように集約するか、波長数が少なくなる方を適用するものとする。
【0043】
それぞれの集合A,Bにおいて、集約するパスの起点となるノードを定めるが、起点となるノードは、それぞれの集合に属するノードからの距離の総和が最小、もしくはホップ数が最小となるノードを選ぶものとする。このパスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たせば、このパスに集約する。集約した結果、全てのパスが遅延などの制約を満たせるようであれば、ここで処理を終了する。
【0044】
図13はステップ6の実施の例を示す。本例では、区画1と区画2のように、最も始終点間の距離の離れた需要n12の始点を集合A(区画1)、終点を集合B(区画2)に分割し、需要n8〜需要n13の上記以外の需要についても始終点を区画1,2に分割することで、集合A,Bを構成するものとする。
【0045】
ステップ7:ステップ6の2区画に分割、集約した場合に全てのパスについて遅延などの制約条件を満たせなかった場合、ステップ6の集合A,Bをそれぞれ分割し、n個のノード集合を構成する(n:偶数)。このとき、同一集合に属する始点(終点)ノードの終点(始点)ノードは、別の同一集合に属することを条件とする。つまり、図14のような例では、需要n10ならびにn12の始終点が異なる集合に属しているため、不適当であり、かつ需要同士の距離が離れているため、集約が困難である。一方、図15では、上述の条件を満たした区分けとなっている。図15の区分けに基づき、図16にようにそれぞれの区画(集合)における起点のノードを決定し、パスの集約を行なう。ここで、全ての需要が遅延制約を満たせば、パスが設定完了となる。図14〜16の例のように仮に4区画に分割しても条件を満たさない場合、また遅延制約を満たさない場合については、6区画、8区画・・・となるように区画数を増加させ、全てのパスが集約できるまで繰り返す。ただし、ステップ6からステップ7の中で“集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数”となった場合には、これ以上波長数が減少することはないため、例外なく直ちに処理を止め、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てる。
【0046】
具体的には、図16の黒点で示されるノードが各区画での起点ノードになる。区画1の起点ノードと区画2の起点ノードに設定されたパスが、需要n9と需要n11を集約し、区画3の起点ノードと区画4の起点ノードに設定されたパスが、需要n10と需要n12を集約し、区画5の起点ノードと区画6の起点ノードに設定されたパスが需要n8と需要n13を集約する。
【0047】
なお、前記ステップで、全てのパスの始終点にはOTNクロスコネクト、もしくはより低速の回線を高速回線に集約可能な上記に類するネットワーク装置が挿入されるものとする。また、レイヤ0の光スイッチングノードとしては、ROADMもしくはWXCが適用することができるが、4方路以上の方路を有する光スイッチングノードについては、WXCを優先的に使うものとする。
【0048】
また、前記ステップでパスを集約する場合、リンク当たりの波長数の上限を考慮して集約する。例として、λnの上限を超えた需要同士を集約して、別の波長λmを割り振るものとする。このとき、λmのパスはλnと全く同一のパスを通っても良いが、λmに集約される需要同士でステップ6および7のように起点のノードを定めてパスを設定しても良い。
【0049】
また、前記ステップでパスを集約した後、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio)の制約条件を満たさない需要が存在した場合には、3RもしくはOTN−XC(ユニバーサルスイッチ)を始終点にあたらないノードに挿入して、パスがOSNRの制約条件を満たすようにする。
【0050】
なお、上記の実施例では、各需要に対して1本のパスのみ表示しているが、単一の需要に対して現用パス/予備回線の双方を設定する必要がある場合には、現用回線が通過したリンクおよび中継ノード(始終点は含まない)は勿論のこと、中継ノードに接続されたリンクを通らないように(計算上はパスコストを無限大とする)予備回線の経路を定めることとする。
【0051】
なお、上記の実施形態のステップ5で需要を単一ルートに合流・同一波長へ集約する際に、波長ごとにOTNノードをいずれの局に設置すべきかを検討する必要がある。しかしながら、本来OTNノードは複数波長間で共用可能にもかかわらず、波長ごとにOTNを設置したことにより、結果としてOTNノード数が増大し、結果としてコスト増大を招いていた。
【0052】
前述のように、需要パスの始点、終点に相当するノードについては、全てOTNノードが設置されるため、需要パスの始点、終点にて需要が合流するようにルート設計することで、OTNノード数の増加を抑えて、コストの増加を抑えることが可能になる。図17は、OTNノード数の増加を抑える方法のフローチャートを示す。
【0053】
ここで、xi≦αとなる需要niのSi,Diがステップ2で決定したパスの始終点を含む通過ノード(Sn,Dn)からd(Si,Sn)<kかつd(Di,Dn)<k、もしくはd(Si,Dn)<kかつd(Di,Sn)<kであったとする。
【0054】
ステップ51:OTNが存在するノードを把握するためOTNノードリスト(Oi:i=1〜n、nはOTNノード数)を作成する。最初は、少なくとも全需要の始点ノードと終点ノードがOTNノードリストに含まれる。
ステップ52:集約する需要niの始点Siから、k’を一定の閾値として、d(Si、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在するか確認する。存在する場合、ステップ53に進む、存在しない場合、ステップ54に進む。
ステップ53:前記OTNノードOjに需要niの始点を集約する。
ステップ54:もっとも近傍の通過ノードをOTNノードに変換して、該ノードをOTNノードリストに含める。
ステップ55:集約する需要niの終点Diから、k’を一定の閾値として、d(Di、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在するか確認する。存在する場合、ステップ56に進む、存在しない場合、ステップ57に進む。
ステップ56:前記OTNノードOjに需要niの終点を集約する。
ステップ57:もっとも近傍の通過ノードをOTNノードに変換して、該ノードをOTNノードリストに含める。
【0055】
図18は、OTNノード数の増加を抑える方法の実施例を示す。需要niのSiがd(Si,Sn)<kであったとする。始点Siにおいて、d(Si、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在する。このため、SiはSnではなくOjに収容する。
【0056】
また、上記の実施形態のステップ6、7で需要パスを集約した後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、同一ルートにおいて、別波長を割り当てていた。しかしながら、上記とは関連の無い異なる波長においては、集約後の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域以下であり、他の需要を集約できる可能性があるものも存在する。
【0057】
このため、集約予定としていた全需要の中で、遅延制約の緩い需要(ステップ1でxi≦αであった需要)の数量を把握し、これらすべてを別波長に割り当てた場合、1波長当たりの帯域の総和が1インタフェースが有する帯域未満となるか否かについて確認する。1インタフェースの帯域未満となるようであれば、その中で遅延制約の厳しいものから順に当該需要の始点/終点から所定の距離P以内に通過ノードが存在する波長へ集約される。
【0058】
図19は、波長数を低減する方法のフローチャートを示す。本方法は、ステップ6、7が行われ、全需要が集約した後に全ての需要パスに対して行われる。
ステップ71:集約を予定していた需要の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域を上回るか否かについて確認する。当該帯域未満である場合、波長再割り当ての必要がないため終了する。
ステップ72:集約を予定していた需要の中で、遅延制約の緩い需要のみを異波長に割り当てた場合、残りの需要の帯域の総和が、1インタフェースが有する帯域を下回るか否かについて確認する。下回る場合、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ73:上記ステップの遅延制約の緩い需要を、遅延制約の厳しい順に番号(昇順)を付与する。
ステップ74:上記ステップで割り振った番号の小さい方(つまり、遅延制約の厳しい需要パス)から順に当該需要の始点および終点から所定の半径P以内に同一既存波長の通過ノードが存在するか確認する。1つも存在しない場合、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ75:上記ステップで確認した需要を前記通過ノードの需要パスに収容した場合、許容遅延時間を満足できるか否かを確認する(複数波長に該当する場合は全てチェックし、空き帯域の多い波長に収容)。許容遅延時間を満足できるルートがない1つもない場合は、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ76:上記ステップで確認した需要を割り振った番号の小さい方から、全需要の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域未満になるまで取り除き、波長の再割り当てが完了し、終了する。
【0059】
図20は、波長数を低減する方法の実施例を示す。ステップ6、7では需要d(Sn,Dn)は、需要パスλ1に集約される。しかし、需要dを集約した場合、1波長当たりの帯域の総和が1インタフェースの帯域以上になる。需要dが遅延制約の緩い需要であり、需要dの始点および終点から所定の半径P以内に同一既存波長λnの通過ノードが存在する。さらに、λnに収容した場合、需要dの許容遅延時間を満足できる場合、需要dをλnに収容することにより、需要パスλ1を波長数を低減することが可能になる。
【0060】
本発明によるトランスポート回線設計方法は、コンピュータを、上述した各ステップを機能させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。さらに、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せによっても実現可能である。
【0061】
また、以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の要求する最大許容遅延を考慮した波長数最小化のための効率的な回線設計方法およびプログラムに関し、OTN(Optical Transport Network)やMPLS−TP(Multi Protocol Label Switching-Transport Profile)等の回線を収容・集約可能なノードで構成されるトランスポートネットワークを対象としている。
【背景技術】
【0002】
従来、波長の有効活用のため、複数パスを単一波長に集約する技術が提案されてきた(非特許文献1−5)。非特許文献2−5は、トポロジーがリング型のネットワークに限定されたものである。非特許文献1は、メッシュ型ネットワークにもフレキシブルに適用可能な方式である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】I.Yagyu et.al., "An EfficientHierarchical Optical Path Network Design Algorithm based on a Traffic DemandExpression in a Cartesian Product Space," IEEE Journalon Selected Areas In Communications, Vol.26, No.6, pp.22-31, August 2008.
【非特許文献2】A..L.Chiu et al., "TrafficGrooming Algorithm for Reducing Electronic Multiplexing Costs in WDM RingNetworks," Journal of Lightwave Technology, Vol.18, No.1, pp.2-12, January2000.
【非特許文献3】O.Gerstel,et.al.,"Cost-Effective Traffic Grooming in WDM Rings," IEEE/ACM Transactionon Networking, Vol.8, No.5, pp.618-630, October 2000.
【非特許文献4】X.Zhang et.al., "An Effectiveand Comprehensive Approach for Traffic Grooming and Wavelength Assignment inSONET/WDM Rings," Vol.8, No.5, pp.608-617, October 2000.
【非特許文献5】J. M.Simmons et al.,"Quantifying the Benefit of Wavelength Add-Drop in WDM Rings withDistance-Independent and Dependent Traffic," Journal of LightwaveTechnol.Vol.17, No.1, January 1999.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの方式では各トラヒック需要における許容遅延量を考慮していないといった問題点がある。
【0005】
したがって、本発明は、許容遅延量を考慮した波長数最小化のための効率的な回線設計方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するため本発明による回線設計方法は、許容遅延時間を有する需要に対する回線設計方法において、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する第1のステップと、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記第1のステップで設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する第2のステップと、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記第2のステップで集約できなかった需要を集約する第3のステップとを有する。
【0007】
また、前記第1のステップは、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要をリスト1に登録する第1のサブステップと、前記リスト1に登録された需要の中から、最も遅延制約が厳しい需要を求め、該需要について、最短パスを設定する第2のサブステップと、前記リスト1に登録された需要の中で、前記設定されたパスの通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスに集約する第3のサブステップと、前記第3のサブステップで集約されなかった前記リスト1に登録された需要を新たにリスト1として、前記第2のサブステップと前記第3のサブステップを集約関係が発生しなくなるまで繰り返す第4のサブステップとを有し、
前記第2のステップは、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で、前記第1のステップで設定されたパスの始終点を含む通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、該パスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約し、集約できない需要をリスト2に登録する第5のサブステップであり、
前記第3のステップは、前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノード間を結ぶ線を可能な限り多く通過するようにネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を1本引き、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を引き直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップとを有することも好ましい。
【0008】
また、前記第5のサブステップは、該需要の始点または終点から一定距離以内にOTNノードが存在し、該OTNノードに該需要の始点または終点を収容した場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該需要の始点または終点を該OTNノードに集約することをさらに備えることも好ましい。
【0009】
また、前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割することも好ましい。
【0010】
また、前記第3のステップの別の方式としては、前記リスト2に登録された需要のなかで、始点ノードと終点ノード間の距離が最長となる需要を抽出し、当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含め、他の需要は、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードまたは終点ノード)を集合A、他方をBに属するように、ネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの集合A、Bを、同一集合に属する始点ノードの終点ノード、および終点ノードの始点ノードが、別の同一集合に属する条件を満たすように、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合または前記条件を満たすように分割できない場合、前記第6のサブステップの条件を満たす区画に分割し直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップとであることも好ましい。
【0011】
また、前記遅延制約量は、始点ノードと終点ノード間の直線距離を許容遅延時間で割った値であることも好ましい。
【0012】
また、前記最短パスは、遅延時間をパスコストとして、ダイクストラ法で決定されることも好ましい。
【0013】
また、前記起点となるノードは、前記区画の中にあり、前記リスト2に登録された需要の起点ノードと終点ノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードであることも好ましい。
【0014】
また、前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数となった場合、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てることも好ましい。
【0015】
また、前記第3のステップ終了後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、
集約予定としていた全需要の中で、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中から、該需要の始点および終点から一定距離以内に同一既存波長の通過ノードが存在し、該通過ノードのパスに収容した場合、許容遅延時間を満たす需要を、該通過ノードのパスに収容することで、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満にすることも好ましい。
【0016】
また、前記収容は、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で遅延制約量が大きい需要から順に、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満になるまで、行うことも好ましい。
【0017】
上記目的を実現するため本発明によるプログラムは、許容遅延時間を有する需要に対する回線を設計するためのコンピュータを、全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する手段と、前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記手段で設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する手段と、ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記手段で集約できなかった需要を集約する手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のパス集約方法を適用することで、メトロ・コア光ネットワークの設計時に、サービスごとの許容遅延量を最大限に考慮した設計が可能となり、かつ波長数の最小化が実現できるため、ネットワークにおける設備コストの削減に寄与する。
【0019】
また、本発明で、需要パスの始点、終点にて複数需要が合流するようにルート設計することで、OTNノード数の増加を抑えて、コストの増加を抑えることが可能になる。さらに、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースの帯域以上になった場合、他の波長に需要を集約することにより波長数を低減させることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明によるフローチャートを示す。
【図2】ステップ1の実施の例を示す。
【図3】ステップ2の実施の例を示す。
【図4】ステップ3の実施の例を示す。
【図5】ステップ4の実施の例を示す。
【図6】ステップ5−1の実施の例を示す。
【図7】ステップ5−2の実施の例を示す。
【図8】ステップ5−3の実施の例を示す。
【図9】ステップ6の実施の例を示す。
【図10】ステップ7−1の実施の例を示す。
【図11】ステップ7−2の実施の例を示す。
【図12】ステップ7−3の実施の例を示す。
【図13】ステップ6の実施の他の例を示す。
【図14】ステップ7−1の実施の他の例を示す。
【図15】ステップ7−2の実施の他の例を示す。
【図16】ステップ7−3の実施の他の例を示す。
【図17】OTNノード数の増加を抑える方法のフローチャートを示す。
【図18】OTNノード数の増加を抑える方法の実施例を示す。
【図19】波長数を低減する方法のフローチャートを示す。
【図20】波長数を低減する方法の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明によるフローチャートを示す。以下、本フローチャートに基づいて説明する。
【0022】
ステップ1:全ての需要の中で、遅延制約が厳しいものを選択する。その際、まずは全ての需要nnに対して、始点ノード(S:Source)と終点ノード(D:Destination)間の直線距離(d(Sn,Dn))を求め、この直線距離を最大許容遅延lnで割った値である遅延制約量(xn)を算出する。当該値が一定レベルαを超えていれば、該当するパスは遅延制約の厳しいパスとしてリスト1−1に登録する。
【0023】
図2は、ステップ1の実施の例を示す。本例では、需要が、需要n1から需要n13まで13本あると仮定する。全需要に対して、
xn=(d(Sn,Dn))/ln (n=1〜13)
を算出する。本例では、x1からx5が一定レベルαを超えているため、これらの需要をリスト1−1に登録する。また、図2に、これらの需要の直線距離を示す。
【0024】
ステップ2:リスト1−1の中で、xnが最大となる需要を選択し、該需要に対してダイクストラ法でパスを決定する。その時のパスコストは遅延量とする。
【0025】
図3は、ステップ2の実施の例を示す。本例では、リスト1−1の需要で、xnの最大のものがx1であったとする。つまり、
x1=max(x1、x2、x3、x4、x5)
とする。この場合、需要n1に対して、ダイクストラ法でパスを決定する。決定されたS1からD1のパスを図3に示す。
【0026】
ステップ3:ステップ1で登録された需要niの中で、ステップ2でパス設定した需要のnmについて、kを一定の閾値として、
d(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、
もしくは
d(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<k
となる需要niを選び、ステップ2で決定したパスに集約した時に各々の許容遅延時間を満足できるか否かを確認する。
【0027】
許容遅延時間を満足できる需要は、ステップ2で決定したパスに集約するものとし、許容遅延時間を満足できないもの、ならびにd(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、もしくはd(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<kのいずれにも該当しない需要については保留として、これらの需要をリスト1−2に登録する。
【0028】
ただし、d(Si,Sm)<kかつd(Di,Dm)<k、もしくはd(Si,Dm)<kかつd(Di,Sm)<kに該当しなくても、Si,Diがステップ2で決定したパス上に存在し、許容遅延時間を満足できる需要は、集約可能とする。
【0029】
図4は、ステップ3の実施の例を示す。ステップ2でパス設定した需要は、需要n1に相当する。リスト1−1の需要n2から需要n5のなかで、需要n2は、d(S2,S1)<kかつd(D2,D1)<kであり、許容遅延時間を満足できるものとして、需要n1のパスに収容する。また、需要n5は、S5,D5ともに需要n1のパス上に存在する。許容遅延時間を満足できるものとして、需要n1のパスに収容する。需要n3と需要n4は、保留とされ、リスト1−2に登録される。
【0030】
ステップ4:リスト1−2の需要をステップ2のリスト1−1として、ステップ2からステップ3の手順を繰り返す。これらを繰り返して、これ以上集約関係が発生しなくなるまで、繰り返す。
【0031】
図5は、ステップ4の実施の例を示す。リスト1−2がステップ2に入力され、
x4=max(x3、x4)
であるとし、需要n4に対して、ステップ2で図5のようにパスが決定される。この後、ステップ3において、d(S4,S3)<kかつd(D4,D3)<kであり、許容遅延時間を満足できるものとして、需要n3は需要n4のパスに収容する最終的に、需要n1、n2、n5は、同一波長λ1に集約され、需要n3、n4は、同一波長λ2に集約される。本例では、これ以上集約関係が発生しなくなるため、次のステップ5に進む。
【0032】
ステップ5:ステップ1でxi≦αであった需要について、ステップ4までで決定したパスの中に集約可能か否かを検討する。まず第一に、始終点がステップ4までに決定したパスの通過ノードに該当する場合は集約を行なうものとする。次に、xi≦αとなる需要のSi,Diがステップ2で決定したパスの始終点を含む通過ノード(Sn,Dn)からd(Si,Sn)<kかつd(Di,Dn)<k、もしくはd(Si,Dn)<kかつd(Di,Sn)<kとなるか否かで判断する。上記条件に該当しないもの、もしくは該当しても許容遅延時間で既存パスに集約できないものについてはリスト2に登録する。
【0033】
図6、図7および図8は、ステップ5の実施の例を示す。需要n1から需要n13まで13本のうち、xi≦αであった需要は、需要n6から需要n13であった。図6に示すように、需要n6は、始終点(S6、D6)が波長λ1のパス上の通過ノードであるため、許容遅延時間を満たせば、波長λ1に集約される。また、図7に示すように、需要n7は、波長λ1のパスの通過ノードからk以内に位置しているため、許容遅延時間を満たせば、波長λ1に集約される。
【0034】
しかし、需要n8から需要n13は、図8に示すように、波長λ1のパスおよび波長λ2のパスの通過ノードでなく、さらに波長λ1のパスおよび波長λ2のパスの通過ノードからk以内に位置していないため、これらはリスト2に登録される。
【0035】
ステップ6:リスト2に挙げられた需要のS/Dノードを結ぶ直線を可能な限り多く通過するようにネットワークのグラフを分割する。ただし、グラフを分割する線(以下分割線と呼ぶ)は、分割線が交差しないように、一意に下方向(もしくは上方向)に引く。ここで、ネットワーク全体を2分割した分割線は、各需要のS、Dがそれぞれ異なる集合に属するように分離するものである。分割した区画の中で集約の起点となるノードを決定する。起点となるノードは、それぞれの区画の中にあるリスト2の需要のS/Dノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードとする。この起点のノード間にパスを設定し、このパスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たせば、このパスに集約する。集約した結果、全てのパスが遅延などの制約を満たせるようであれば、ここで処理を終了する。
【0036】
図9は、ステップ6の実施の例を示す。本例では、点線の分割線でグラフを分割する。ここでは、需要n8から需要n13のS/Dノードを結ぶ直線を全て通過するように分割している。ただし、本例では、2分割しただけでは、同一区画内でパスを1波長に集約することは不可能である。
【0037】
ステップ7:ステップ6で、全てのパスが遅延などの制約を満たせなかった場合、ステップ6の分割線と交差する方向(つまり決してステップ6の分割線と平行にはならない方向)で2本目の分割線を引き、グラフを4分割する。4分割する時には、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割する。新しく出来た4区画の中でステップ6と同様の方法で起点となるノードを探索し、集約を行なう。それでも、全てのパスが制約を満たさないようであれば、1本目の分割線と交差する分割線を引き直し、グラフ全体が6分割、8分割・・・となるように分割数を増加させ、同様の処理を全てのパスが集約できるまで繰り返す。ただし、ステップ6からステップ7の中で"集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数"となった場合には、これ以上波長数が減少することはないため、例外なく直ちに処理を止め、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てる。
【0038】
図10、図11、および図12は、ステップ7の実施の例を示す。図10では、1本目の分割線に交わる形で2本目の分割線を引く。本例では、4区画に分割しても、同一区画の中の需要のS,Dが離れすぎているので、互いの許容遅延時間を満たしながら集約できない。このため、図11のように、1本目の分割線と交差する分割線を2本引き直し、6区画に分割する。6区画に分割すると、図12に示すように全ての需要の許容遅延時間を満たしながら、複数需要を同一波長に集約可能となる。
【0039】
具体的には、図12の黒点で示されるノードが各区画での起点ノードになる。区画1の起点ノードと区画2の起点ノードに設定されたパスが、需要n9と需要n11を集約し、区画3の起点ノードと区画4の起点ノードに設定されたパスが、需要n10と需要n12を集約し、区画5の起点ノードと区画6の起点ノードに設定されたパスが需要n8と需要n13を集約する。
【0040】
ステップ6およびステップ7について、グラフを他の方法で分割して、需要を集約することも可能である。以下に他の方法によるステップ6およびステップ7を示す。
【0041】
ステップ6:リスト2に挙げられた需要のS/D間の距離が最長となる需要を抽出する。当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含めるとすると、その他の需要については、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードもしくは終点ノード)を集合A、他方をBに属するものとする。また、仮に集約した需要同士が完全に同じパス上を通る場合には、最長のパスの始終点のノードを起点とする。
【0042】
例外として、SからもDからも誤差Aの範囲内でほぼ距離が同じものについては、集約の対象から外すものとする。これらについては、各々について単独で波長を割り当てるか、もしくはこれらを纏めて上記のように集約するか、波長数が少なくなる方を適用するものとする。
【0043】
それぞれの集合A,Bにおいて、集約するパスの起点となるノードを定めるが、起点となるノードは、それぞれの集合に属するノードからの距離の総和が最小、もしくはホップ数が最小となるノードを選ぶものとする。このパスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たせば、このパスに集約する。集約した結果、全てのパスが遅延などの制約を満たせるようであれば、ここで処理を終了する。
【0044】
図13はステップ6の実施の例を示す。本例では、区画1と区画2のように、最も始終点間の距離の離れた需要n12の始点を集合A(区画1)、終点を集合B(区画2)に分割し、需要n8〜需要n13の上記以外の需要についても始終点を区画1,2に分割することで、集合A,Bを構成するものとする。
【0045】
ステップ7:ステップ6の2区画に分割、集約した場合に全てのパスについて遅延などの制約条件を満たせなかった場合、ステップ6の集合A,Bをそれぞれ分割し、n個のノード集合を構成する(n:偶数)。このとき、同一集合に属する始点(終点)ノードの終点(始点)ノードは、別の同一集合に属することを条件とする。つまり、図14のような例では、需要n10ならびにn12の始終点が異なる集合に属しているため、不適当であり、かつ需要同士の距離が離れているため、集約が困難である。一方、図15では、上述の条件を満たした区分けとなっている。図15の区分けに基づき、図16にようにそれぞれの区画(集合)における起点のノードを決定し、パスの集約を行なう。ここで、全ての需要が遅延制約を満たせば、パスが設定完了となる。図14〜16の例のように仮に4区画に分割しても条件を満たさない場合、また遅延制約を満たさない場合については、6区画、8区画・・・となるように区画数を増加させ、全てのパスが集約できるまで繰り返す。ただし、ステップ6からステップ7の中で“集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数”となった場合には、これ以上波長数が減少することはないため、例外なく直ちに処理を止め、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てる。
【0046】
具体的には、図16の黒点で示されるノードが各区画での起点ノードになる。区画1の起点ノードと区画2の起点ノードに設定されたパスが、需要n9と需要n11を集約し、区画3の起点ノードと区画4の起点ノードに設定されたパスが、需要n10と需要n12を集約し、区画5の起点ノードと区画6の起点ノードに設定されたパスが需要n8と需要n13を集約する。
【0047】
なお、前記ステップで、全てのパスの始終点にはOTNクロスコネクト、もしくはより低速の回線を高速回線に集約可能な上記に類するネットワーク装置が挿入されるものとする。また、レイヤ0の光スイッチングノードとしては、ROADMもしくはWXCが適用することができるが、4方路以上の方路を有する光スイッチングノードについては、WXCを優先的に使うものとする。
【0048】
また、前記ステップでパスを集約する場合、リンク当たりの波長数の上限を考慮して集約する。例として、λnの上限を超えた需要同士を集約して、別の波長λmを割り振るものとする。このとき、λmのパスはλnと全く同一のパスを通っても良いが、λmに集約される需要同士でステップ6および7のように起点のノードを定めてパスを設定しても良い。
【0049】
また、前記ステップでパスを集約した後、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio)の制約条件を満たさない需要が存在した場合には、3RもしくはOTN−XC(ユニバーサルスイッチ)を始終点にあたらないノードに挿入して、パスがOSNRの制約条件を満たすようにする。
【0050】
なお、上記の実施例では、各需要に対して1本のパスのみ表示しているが、単一の需要に対して現用パス/予備回線の双方を設定する必要がある場合には、現用回線が通過したリンクおよび中継ノード(始終点は含まない)は勿論のこと、中継ノードに接続されたリンクを通らないように(計算上はパスコストを無限大とする)予備回線の経路を定めることとする。
【0051】
なお、上記の実施形態のステップ5で需要を単一ルートに合流・同一波長へ集約する際に、波長ごとにOTNノードをいずれの局に設置すべきかを検討する必要がある。しかしながら、本来OTNノードは複数波長間で共用可能にもかかわらず、波長ごとにOTNを設置したことにより、結果としてOTNノード数が増大し、結果としてコスト増大を招いていた。
【0052】
前述のように、需要パスの始点、終点に相当するノードについては、全てOTNノードが設置されるため、需要パスの始点、終点にて需要が合流するようにルート設計することで、OTNノード数の増加を抑えて、コストの増加を抑えることが可能になる。図17は、OTNノード数の増加を抑える方法のフローチャートを示す。
【0053】
ここで、xi≦αとなる需要niのSi,Diがステップ2で決定したパスの始終点を含む通過ノード(Sn,Dn)からd(Si,Sn)<kかつd(Di,Dn)<k、もしくはd(Si,Dn)<kかつd(Di,Sn)<kであったとする。
【0054】
ステップ51:OTNが存在するノードを把握するためOTNノードリスト(Oi:i=1〜n、nはOTNノード数)を作成する。最初は、少なくとも全需要の始点ノードと終点ノードがOTNノードリストに含まれる。
ステップ52:集約する需要niの始点Siから、k’を一定の閾値として、d(Si、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在するか確認する。存在する場合、ステップ53に進む、存在しない場合、ステップ54に進む。
ステップ53:前記OTNノードOjに需要niの始点を集約する。
ステップ54:もっとも近傍の通過ノードをOTNノードに変換して、該ノードをOTNノードリストに含める。
ステップ55:集約する需要niの終点Diから、k’を一定の閾値として、d(Di、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在するか確認する。存在する場合、ステップ56に進む、存在しない場合、ステップ57に進む。
ステップ56:前記OTNノードOjに需要niの終点を集約する。
ステップ57:もっとも近傍の通過ノードをOTNノードに変換して、該ノードをOTNノードリストに含める。
【0055】
図18は、OTNノード数の増加を抑える方法の実施例を示す。需要niのSiがd(Si,Sn)<kであったとする。始点Siにおいて、d(Si、Oj)<k’を満たすOTNノードOjが存在する。このため、SiはSnではなくOjに収容する。
【0056】
また、上記の実施形態のステップ6、7で需要パスを集約した後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、同一ルートにおいて、別波長を割り当てていた。しかしながら、上記とは関連の無い異なる波長においては、集約後の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域以下であり、他の需要を集約できる可能性があるものも存在する。
【0057】
このため、集約予定としていた全需要の中で、遅延制約の緩い需要(ステップ1でxi≦αであった需要)の数量を把握し、これらすべてを別波長に割り当てた場合、1波長当たりの帯域の総和が1インタフェースが有する帯域未満となるか否かについて確認する。1インタフェースの帯域未満となるようであれば、その中で遅延制約の厳しいものから順に当該需要の始点/終点から所定の距離P以内に通過ノードが存在する波長へ集約される。
【0058】
図19は、波長数を低減する方法のフローチャートを示す。本方法は、ステップ6、7が行われ、全需要が集約した後に全ての需要パスに対して行われる。
ステップ71:集約を予定していた需要の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域を上回るか否かについて確認する。当該帯域未満である場合、波長再割り当ての必要がないため終了する。
ステップ72:集約を予定していた需要の中で、遅延制約の緩い需要のみを異波長に割り当てた場合、残りの需要の帯域の総和が、1インタフェースが有する帯域を下回るか否かについて確認する。下回る場合、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ73:上記ステップの遅延制約の緩い需要を、遅延制約の厳しい順に番号(昇順)を付与する。
ステップ74:上記ステップで割り振った番号の小さい方(つまり、遅延制約の厳しい需要パス)から順に当該需要の始点および終点から所定の半径P以内に同一既存波長の通過ノードが存在するか確認する。1つも存在しない場合、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ75:上記ステップで確認した需要を前記通過ノードの需要パスに収容した場合、許容遅延時間を満足できるか否かを確認する(複数波長に該当する場合は全てチェックし、空き帯域の多い波長に収容)。許容遅延時間を満足できるルートがない1つもない場合は、他の波長への再割り当てが不可能であるため終了する。
ステップ76:上記ステップで確認した需要を割り振った番号の小さい方から、全需要の帯域の総和が1インタフェースが有する帯域未満になるまで取り除き、波長の再割り当てが完了し、終了する。
【0059】
図20は、波長数を低減する方法の実施例を示す。ステップ6、7では需要d(Sn,Dn)は、需要パスλ1に集約される。しかし、需要dを集約した場合、1波長当たりの帯域の総和が1インタフェースの帯域以上になる。需要dが遅延制約の緩い需要であり、需要dの始点および終点から所定の半径P以内に同一既存波長λnの通過ノードが存在する。さらに、λnに収容した場合、需要dの許容遅延時間を満足できる場合、需要dをλnに収容することにより、需要パスλ1を波長数を低減することが可能になる。
【0060】
本発明によるトランスポート回線設計方法は、コンピュータを、上述した各ステップを機能させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。さらに、本発明は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せによっても実現可能である。
【0061】
また、以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
許容遅延時間を有する需要に対する回線設計方法において、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する第1のステップと、
前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記第1のステップで設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する第2のステップと、
ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記第2のステップで集約できなかった需要を集約する第3のステップと、
を有することを特徴とする回線設計方法。
【請求項2】
前記第1のステップは、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要をリスト1に登録する第1のサブステップと、
前記リスト1に登録された需要の中から、最も遅延制約が厳しい需要を求め、該需要について、最短パスを設定する第2のサブステップと、
前記リスト1に登録された需要の中で、前記設定されたパスの通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスパスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスパスに集約する第3のサブステップと、
前記第3のサブステップで集約されなかった前記リスト1に登録された需要を新たにリスト1として、前記第2のサブステップと前記第3のサブステップを集約関係が発生しなくなるまで繰り返す第4のサブステップと、
を有し、
前記第2のステップは、
前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で、前記第1のステップで設定されたパスの始終点を含む通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、該パスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約し、集約できない需要をリスト2に登録する第5のサブステップであり、
前記第3のステップは、
前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノード間を結ぶ線を可能な限り多く通過するようにネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、
前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を1本引き、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、
前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を引き直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の回線設計方法。
【請求項3】
前記第5のサブステップは、該需要の始点または終点から一定距離以内にOTNノードが存在し、該OTNノードに該需要の始点または終点を収容した場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該需要の始点または終点を該OTNノードに集約することをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項4】
前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割することを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項5】
前記第3のステップの別の方式としては、
前記リスト2に登録された需要のなかで、始点ノードと終点ノード間の距離が最長となる需要を抽出し、当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含め、他の需要は、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードまたは終点ノード)を集合A、他方をBに属するように、ネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、
前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの集合A、Bを、同一集合に属する始点ノードの終点ノード、および終点ノードの始点ノードが、別の同一集合に属する条件を満たすように、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、
前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合または前記条件を満たすように分割できない場合、前記第6のサブステップの条件を満たす区画に分割し直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップと、
であることを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項6】
前記遅延制約量は、始点ノードと終点ノード間の直線距離を許容遅延時間で割った値であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項7】
前記最短パスは、遅延時間をパスコストとして、ダイクストラ法で決定されることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項8】
前記起点となるノードは、前記区画の中にあり、前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードであることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項9】
前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数となった場合、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てることを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項10】
前記第3のステップ終了後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、
集約予定としていた全需要の中で、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中から、該需要の始点および終点から一定距離以内に同一既存波長の通過ノードが存在し、該通過ノードのパスに収容した場合、許容遅延時間を満たす需要を、該通過ノードの波長に収容することで、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満にすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項11】
前記収容は、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で遅延制約量が大きい需要から順に、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満になるまで、行うことを特徴とする請求項10に記載の回線設計方法。
【請求項12】
許容遅延時間を有する需要に対する回線を設計するためのコンピュータを、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する手段と、
前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記手段で設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する手段と、
ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記手段で集約できなかった需要を集約する手段と、
して機能させ、回線を設計することを特徴とするプログラム。
【請求項1】
許容遅延時間を有する需要に対する回線設計方法において、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する第1のステップと、
前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記第1のステップで設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する第2のステップと、
ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記第2のステップで集約できなかった需要を集約する第3のステップと、
を有することを特徴とする回線設計方法。
【請求項2】
前記第1のステップは、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要をリスト1に登録する第1のサブステップと、
前記リスト1に登録された需要の中から、最も遅延制約が厳しい需要を求め、該需要について、最短パスを設定する第2のサブステップと、
前記リスト1に登録された需要の中で、前記設定されたパスの通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスパスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、前記設定された遅延制約の最も厳しいパスパスに集約する第3のサブステップと、
前記第3のサブステップで集約されなかった前記リスト1に登録された需要を新たにリスト1として、前記第2のサブステップと前記第3のサブステップを集約関係が発生しなくなるまで繰り返す第4のサブステップと、
を有し、
前記第2のステップは、
前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で、前記第1のステップで設定されたパスの始終点を含む通過ノードから一定距離以内に始点ノードと終点ノードが存在する需要について、該パスに集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約し、集約できない需要をリスト2に登録する第5のサブステップであり、
前記第3のステップは、
前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノード間を結ぶ線を可能な限り多く通過するようにネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、
前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を1本引き、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、
前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの線と交差する分割線を引き直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の回線設計方法。
【請求項3】
前記第5のサブステップは、該需要の始点または終点から一定距離以内にOTNノードが存在し、該OTNノードに該需要の始点または終点を収容した場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該需要の始点または終点を該OTNノードに集約することをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項4】
前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、それぞれの新しい区画でノード数が可能な限り均等になるように分割することを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項5】
前記第3のステップの別の方式としては、
前記リスト2に登録された需要のなかで、始点ノードと終点ノード間の距離が最長となる需要を抽出し、当該需要の始点ノードを集合A、終点ノードを集合Bに含め、他の需要は、当該需要の始点ノードからより距離の近い端点(始点ノードまたは終点ノード)を集合A、他方をBに属するように、ネットワークを分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否かを確認し、満たす場合は、該パスに集約する第6のサブステップと、
前記第6のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合、前記第6のサブステップの集合A、Bを、同一集合に属する始点ノードの終点ノード、および終点ノードの始点ノードが、別の同一集合に属する条件を満たすように、ネットワークを4分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに需要を集約し、同一波長を用いた場合、許容遅延時間を満たすか否か確認し、満たす場合は、該パスに集約する第7のサブステップと、
前記第7のサブステップまでに全ての需要が集約できない場合または前記条件を満たすように分割できない場合、前記第6のサブステップの条件を満たす区画に分割し直し、6分割、8分割と分割数を増やしながら、前記第7のサブステップの処理を繰り返す第8のサブステップと、
であることを特徴とする請求項2に記載の回線設計方法。
【請求項6】
前記遅延制約量は、始点ノードと終点ノード間の直線距離を許容遅延時間で割った値であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項7】
前記最短パスは、遅延時間をパスコストとして、ダイクストラ法で決定されることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項8】
前記起点となるノードは、前記区画の中にあり、前記リスト2に登録された需要の始点ノードと終点ノードからの直線距離の総和が最小となる、もしくはホップ数の総和が最小となるノードであることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項9】
前記第7のサブステップと前記第8のサブステップで、集約後の波長数+集約できなかった波長数<全てのパスを集約した場合の波長数となった場合、集約できなかったパスについては単独に波長を割り当てることを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項10】
前記第3のステップ終了後、パス集約後の総和の帯域が、1インタフェースが有する帯域以上になった場合、
集約予定としていた全需要の中で、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中から、該需要の始点および終点から一定距離以内に同一既存波長の通過ノードが存在し、該通過ノードのパスに収容した場合、許容遅延時間を満たす需要を、該通過ノードの波長に収容することで、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満にすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の回線設計方法。
【請求項11】
前記収容は、前記遅延制約量が一定値以下である需要の中で遅延制約量が大きい需要から順に、パス集約後の総和の帯域を1インタフェースの帯域未満になるまで、行うことを特徴とする請求項10に記載の回線設計方法。
【請求項12】
許容遅延時間を有する需要に対する回線を設計するためのコンピュータを、
全ての需要に対して、始点ノードと終点ノード間の距離および許容遅延時間から遅延制約量を求め、該遅延制約量が一定値を超える需要に対してパスを設定する手段と、
前記遅延制約量が一定値以下である需要を、前記手段で設定されたパスに集約し、同一波長を用いた時、許容遅延時間を満たす場合、該パスに集約する手段と、
ネットワークを複数の区画に分割し、分割した各区画に起点となるノードを決定し、該起点ノード間にパスを設定し、該パスに前記手段で集約できなかった需要を集約する手段と、
して機能させ、回線を設計することを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−21678(P2013−21678A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112356(P2012−112356)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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