説明

トランスモジュール及びDC−DCコンバータ装置

【課題】トランス及びその一次側巻線に流れる電流を検出するカレントトランスを設けた装置における回路誤動作や電力損失を低減できるようにする。
【解決手段】一次側巻線21及び二次側巻線を有するトランス20と、当該トランス20の一次側巻線21に流れる交流電流を計測するためのカレントトランス60とを備え、前記一次側巻線21の引き出し線部27Aを、前記カレントトランス60の一次巻線61として構成したトランスモジュール4を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トランスモジュール及びこれを備えるDC−DCコンバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のDC−DCコンバータ装置では、例えば特許文献1のように、トランスやトランス駆動用のスイッチング素子(FET)等のような発熱の大きい回路部品を放熱部材(冷却ブロック等)に搭載し、トランスの一次巻線に流れる交流電流を計測する電流検出センサ(例えばカレントトランス)等のように発熱の小さい回路部品を回路基板(配線基板)に搭載している。
【0003】
このような構造のDC−DCコンバータ装置では、トランスの一次巻線、電流検出センサに計測させるために前記トランスの一次巻線からの電流を流す検出用電気配線(例えばカレントトランスの一次巻線に相当するもの)、及び、スイッチング素子が、回路基板の配線パターンを介して相互に電気接続されることが多い。この場合、トランスの一次巻線の両端、及び、検出用電気配線(例えばカレントトランスの一次巻線)の両端は、半田付けによって回路基板の配線パターンに接続される。なお、上述した回路基板の配線パターンは、交流電流が流れる「交流接続配線」として機能する。
また、上記構造のDC−DCコンバータ装置の回路基板には、DC−DCコンバータ装置に入力電圧を与える直流電源(バッテリ)に接続された配線パターン(以下、「直流接続配線」と呼ぶ。)が形成されることも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−143215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のDC−DCコンバータ装置では、カレントトランスが回路基板に搭載されているため、回路基板の交流接続配線のインダクタンス成分やインピーダンス成分に起因するノイズ電圧が発生する。
また、トランスの一次巻線の両端、及び、前記検出用電気配線の両端が、交流接続配線に接続されているが、各接続部分のインピーダンス成分によってノイズ電圧が発生する。なお、上記従来のように、接続部分が半田付けである場合にはそのインピーダンス成分が大きいため、これに伴って発生するノイズ電圧も大きくなってしまう。
【0006】
そして、回路基板では、装置設計上の制約等により、交流接続配線と直流接続配線とが近くに配置されるため、上述のノイズ電圧が寄生容量を介して直流接続配線上の直流電圧に影響を及ぼしてしまい、DC−DCコンバータ装置の回路誤動作を招く虞がある。例えば、DC−DCコンバータ装置では、直流接続配線において入力電圧を計測し、その計測結果に基づいて装置の動作(例えば過電圧時のスイッチング素子保護動作等)を制御するが、ノイズ電圧によって入力電圧の計測値に誤りが生じると、装置の動作制御に誤りが発生してしまう。
なお、上述したノイズ電圧の大きさは、回路基板の配線パターンに流す電流が大きくなるほど増加し、これに伴って、DC−DCコンバータ装置の誤動作も発生し易くなる。
【0007】
また、トランスの一次巻線や前記検出用電気配線と、回路基板の交流接続配線との接続部分のインピーダンス成分は大きいため、さらに、回路基板の交流接続配線(配線パターン)は導電性膜(銅箔など)である場合が多く、交流接続配線自体のインピーダンス成分も大きいため、これら接続部分や交流接続配線に大電流を流すと発熱して、装置における電力損失が大きくなってしまう、という問題もある。
なお、上述した問題はトランスの一次側で発生することに限らず、トランスの二次側においても起き得る。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、トランス及び電流検出センサ(カレントトランス)を設けた装置における回路誤動作や電力損失を低減できるトランスモジュール及びこれを備えるDC−DCコンバータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明のトランスモジュールは、一次側及び二次側の巻線を有するトランスと、当該トランスの巻線に流れる交流電流を計測するためのカレントトランスとを備え、前記トランスの少なくともいずれか一方の巻線の引き出し線部を、前記カレントトランスの一次巻線として構成することを特徴とする。
【0010】
上記構成のトランスモジュールによれば、トランスの一方の巻線とカレントトランスの一次巻線とが一体に形成されるため、すなわち、トランスの一方の巻線とカレントトランスの一次巻線との接続部分が無くなるため、この接続部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧は発生しない。
また、従来のような回路基板の交流接続配線が無くなることで、トランスの巻線のうち巻線部からカレントトランスの一次巻線をなす引き出し線部に至る配線部分の距離が短くなるため、この配線部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧の発生を抑制することができる。
【0011】
以上のように、本発明のトランスモジュールではノイズ電圧の発生を抑えることができるため、トランスモジュールを設けたDC−DCコンバータ装置では、その回路誤動作を抑えることができる。
また、従来と比較して、トランスの一方の巻線とカレントトランスの一次巻線との接続部分が無くなることで、トランスの巻線とカレントトランスの一次巻線とを接続する配線部分におけるインピーダンス成分が非常に小さくなるため、さらに、従来のような回路基板の交流接続配線が無くなるため、例えトランスの巻線やカレントトランスの一次巻線に大電流が流れたとしても、これらのインピーダンス成分による発熱を抑えて、装置における電力損失を低減することができる。
【0012】
そして、前記トランスモジュールにおいて、前記カレントトランスは、その二次巻線を収容するカレントケース部を備え、該カレントケース部が、前記巻線を収容するトランスのケースに一体に成形されているとよい。
この構成では、カレントトランスの構成要素全てがトランスに一体に固定されることで、トランスとカレントトランスを放熱部材に対して個別に取り付ける必要がなくなるため、放熱部材に対するトランス及びカレントトランスの取り付け作業を容易に行うことができる。
【0013】
さらに、前記トランスモジュールにおいて、前記トランスの巻線の引き出し線部には、直線部分が形成され、前記カレントトランスの二次巻線が、前記直線部分の軸線回りに配されているとよい。
この構成では、カレントトランスの一次巻線をなすトランスの巻線の引き出し線部に巻回部分を形成せずに、カレントトランスを容易かつ簡素に構成することが可能となる。したがって、トランスモジュールを容易に製造することができる。
この構成では、
【0014】
また、前記トランスモジュールにおいては、前記トランスの巻線の巻線部の軸線と、前記引き出し線部の直線部分の軸線とが、互いに直交していることがより好ましい。
この場合には、カレントトランスの二次巻線をトランスの巻線部の近傍に配置しても、カレントトランスにおいて生じる磁界がトランスにおいて生じる磁界の影響を受けにくくなる。したがって、トランスの巻線に流れる電流をカレントトランスにおいて精度よく計測することが可能となる。
【0015】
さらに、前記トランスモジュールでは、前記トランスの巻線の引き出し線部、及び、前記カレントトランスの二次巻線の引き出し線部の延在方向が、互いに直交していると、さらによい。
この構成では、トランスモジュール、スイッチング回路部及び整流回路部を搭載する放熱部材の搭載面の上方に回路基板を配置した場合に、トランスの一次側及び二次側の巻線を、それぞれスイッチング回路部及び整流回路部に容易に接続できると同時に、カレントトランスの二次巻線を容易に回路基板に接続することが可能となる。
言い換えれば、トランスの一次側及び二次側の巻線とスイッチング回路部及び整流回路部との接続配線の長さを短く設定できると同時に、カレントトランスの二次巻線と回路基板との接続配線の長さも短く設定できる。
【0016】
そして、本発明のDC−DCコンバータ装置は、入力直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路部と、前記トランスモジュールと、前記トランスの出力電圧を整流する整流回路部と、前記スイッチング回路部、前記トランスモジュール及び前記整流回路部を搭載する放熱部材と、前記カレントトランスの二次巻線の引き出し線部に電気接続される回路基板と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のトランスモジュールは、一次側及び二次側の巻線を有するトランスと、当該トランスの巻線に流れる交流電流を計測するための電流検出センサとを備え、当該電流検出センサが、前記トランスの少なくともいずれか一方の巻線の引き出し線部に、直接取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
すなわち、上記トランスモジュールでは、電流検出センサを取り付けたトランスの引き出し線部の部分が、トランスの一方の巻線に流れる交流電流を電流検出センサに計測させる検出用電気配線(被検出部分)となる。
なお、上記電流検出センサの具体例としては、例えば、カレントトランスをなす二次巻線、あるいは、ホールセンサ(センサコア及びホール素子によって構成されるもの)などが挙げられる。また、電流検出センサがカレントトランスの二次巻線によって構成される場合には、トランスの引き出し線部のうち電流検出センサを取り付けた部分が、カレントトランスの一次巻線となる。
【0019】
この構成のトランスモジュールでは、トランスの一方の巻線と検出用電気配線とが一体に形成されるため、すなわち、トランスの一方の巻線と検出用電気配線との接続部分が無くなるため、この接続部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧は発生しない。
また、従来のような回路基板の交流接続配線が無くなることで、トランスの巻線のうち巻線部から検出用電気配線をなす引き出し線部に至る配線部分の距離が短くなるため、この配線部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧の発生を抑制することができる。
【0020】
以上のように、本発明のトランスモジュールではノイズ電圧の発生を抑えることができるため、トランスモジュールを設けたDC−DCコンバータ装置では、その回路誤動作を抑えることができる。
また、従来と比較して、トランスの一方の巻線と検出用電気配線との接続部分が無くなることで、トランスの巻線と検出用電気配線とを接続する配線部分におけるインピーダンス成分が非常に小さくなるため、さらに、従来のような回路基板の交流接続配線が無くなるため、例えトランスの巻線や検出用電気配線に大電流が流れたとしても、これらのインピーダンス成分による発熱を抑えて、装置における電力損失を低減することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、トランス及び電流検出センサ(カレントトランス)を設けた装置における回路誤動作や電力損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施形態に係るDC−DCコンバータ装置を示す概略側面図である。
【図2】図1のDC−DCコンバータ装置の回路構成を示す回路図である。
【図3】図1のDC−DCコンバータ装置に備えるトランスモジュールを示す概略斜視図である。
【図4】図3に示すトランスモジュールの分解斜視図である。
【図5】図3,4に示すトランスモジュールのトランスを示す側断面図である。
【図6】図3,4に示すトランスモジュールを示す概略平断面図である。
【図7】図3,4のトランスモジュールのカレントトランスを示す概略断面図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係るトランスモジュールを構成するホールセンサを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第一実施形態〕
以下、図1〜7を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、この実施形態に係るDC−DCコンバータ装置1は、放熱部材2と、その搭載面2aに搭載されるスイッチング回路部3、トランスモジュール4及び整流回路部5と、搭載面2aの上方に間隔をあけて配される回路基板6と、を備えて大略構成されている。
放熱部材2は、アルミニウム等のように熱伝導性に優れた導電性材料を板状に形成して構成されている。
回路基板6には、DC−DCコンバータ装置1の回路に要する各種配線パターンが形成されている。この回路基板6は、例えば、放熱部材2の搭載面2aから突出するように設けられたスペーサやブロック等の突起部(不図示)を介して、ネジ止め等によって放熱部材2に固定されている。
【0024】
スイッチング回路部3は、入力端子10に接続された直流電源100からの入力直流電圧を交流電圧に変換するものであり、四つのスイッチング素子11によって構成されている。各スイッチング素子11は動作時に発熱するため、スイッチング回路部3を放熱部材2に搭載することでスイッチング素子11の熱を放熱部材2に逃がすことができる。
そして、直流電源100とスイッチング回路部3との間には、入力直流電圧を安定化させる入力コンデンサ12も設けられている。入力コンデンサ12は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。なお、直流電源100は、直接あるいは回路基板6の配線パターンを介して、入力コンデンサ12やスイッチング回路部3に接続されるようになっている。
【0025】
整流回路部5は、後述するトランスモジュール4に備えるトランス20の出力電圧を整流するものであり、複数の整流素子13によって構成されている。各整流素子13は動作時に発熱するため、整流回路部5を放熱部材2に搭載することで整流素子13の熱を放熱部材2に逃がすことができる。なお、整流回路部5は、図示例のような二相全波整流に限定されなくてよい。
そして、整流回路部5と負荷装置(不図示)に接続するための出力端子14との間には、整流回路部5において整流された出力電圧を平滑化する平滑回路部15も設けられている。なお、図2においては、平滑回路部15がチョークコイル15A及び出力コンデンサ15Bによって構成されているが、これに限ることはない。また、これら平滑回路部15の各構成要素は、放熱部材2あるいは回路基板6のいずれかに搭載されていればよい。
【0026】
トランスモジュール4は、スイッチング回路部3において変換された交流電圧を変圧して整流回路部5に出力するためのトランス20、及び、トランス20の巻線に流れる交流電流を計測するためのカレントトランス60を備えて大略構成されている。
トランス20は、図3〜6に示すように、スイッチング回路部3に接続される一次側巻線21、整流回路部5に接続される二次側巻線22A,22B、これら一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bを取り付けるトランスコア23、並びに、一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bを収容してそれぞれ所定位置に配するためのボビン24及びケース25を備えて構成されている。
一次側巻線21は、線状に形成され、ボビン24に複数回巻回された状態でケース25に収容されている。以下、本明細書では、一次側巻線21のうちケース25内においてボビン24に巻回された部分に加え、ボビン24に巻回された部分から外側に延びる一次側巻線21の両端部分が交差する部分(図6における交差部分28)までを巻線部26と呼び、この交差部分28からケース25の外側に向けて延びる一次側巻線21の両端部分を引き出し線部27と呼ぶ。
【0027】
ボビン24は、絶縁材料からなり、トランスコア23を挿通させるように平面視楕円形状に形成された筒状部31、及び、筒状部31の中心軸線L1方向の両端から筒状部31の径方向外側に突出する一対の鍔部32を、電気的な絶縁材料により一体に形成して構成されている。一対の鍔部32は、それぞれ平面視楕円環状の平板に形成されており、一次側巻線21の巻線部26は、これら一対の鍔部32の間において筒状部31の外周面に巻回されている。
さらに、本実施形態のボビン24は、筒状部31の中心軸線L1方向の中間部において、鍔部32と同様に筒状部31の外周面から径方向外側に突出して、平面視楕円環状の平板を呈する区画板部33も備えている。この区画板部33は、各鍔部32に対して前記中心軸線L1方向に間隔をあけて位置しており、これによって、区画板部33と各鍔部32との各隙間には、一次側巻線21の巻線部26が筒状部31の径方向に一列に配されるようになっている(特に図5参照)。なお、筒状部31から突出する区画板部33の突出長さは、図示例のように鍔部32の突出長さと同等に設定されてもよいが、例えば鍔部32の突出長さよりも短く設定されてもよい。
【0028】
ケース25は、絶縁材料からなり、浅底状に形成された一対のカップ状部材35によって構成されている。各カップ状部材35は、平面視でボビン24の鍔部32よりも一回り大きく形成された底壁板部36と、底壁板部36の一方の主面の外周縁からその板厚方向に延びる周壁部37とを備えている。すなわち、底壁板部36の一方の主面がカップ状部材35の底面35cとなっている。また、各カップ状部材35の底壁板部36には、その厚さ方向に貫通してトランスコア23を挿通させるための挿通孔38が形成されている。この挿通孔38は、ボビン24の筒状部31と同様に平面視楕円形状を呈している。
【0029】
このケース25は、一対のカップ状部材35の底面35cが対向するように一対のカップ状部材35を組み合わせることで構成される。より詳細に説明すれば、一方のカップ状部材35Aの周壁部37の突出方向先端部は、他方のカップ状部材35Bの周壁部37の先端部よりも一回り大きく形成されている。そして、一対のカップ状部材35を組み合わせる際には、他方のカップ状部材35Bの周壁部37の先端部が一方のカップ状部材35Aの周壁部37の先端部の内側に入り込むようになっている。
また、一対のカップ状部材35の両方あるいは一方の周壁部37には、その厚さ方向に貫通して、一次側巻線21の一対の引き出し線部27を個別にケース25の外側に引き出すための引き出し孔(不図示)も形成されている。そして、一次側巻線21の巻線部26と引き出し線部27との境界をなす交差部分28は、できる限りこの引き出し孔の近くに位置するように配されている(特に図6参照)。
【0030】
本実施形態では、二次側巻線22A,22Bが二つ設けられている。各二次側巻線22A,22Bは、導電性板材によって形成されており、平面視楕円環状に形成されたリング板部(巻線部)41,42と、リング板部41,42の周方向の両端からその径方向外側に延びる一対の引き出し板部(引き出し線部)43,44とを一体に形成して構成されている。リング板部41,42は一周よりも若干短く形成され、平面視C字状を呈している。
各二次側巻線22A,22Bのリング板部41,42は、前述した各カップ状部材35の底壁板部36のうち底面35cと反対側の面(他方の主面35d)に配されている。言い換えれば、一対の二次側巻線22A,22Bは、ケース25を挟み込むように配置されている。
【0031】
このように配されるリング板部41,42に対し、各カップ状部材35の底壁板部36には、その他方の主面35dから突出してリング板部41,42の側部を覆う三つのカバー突起39A,39B,39Cが形成されている。
具体的に説明すれば、二つのカバー突起39A,39Bは、底壁板部36の他方の主面35dの外周縁及び内周縁の周方向に延びるように形成されて、リング板部41,42の外周縁及び内周縁をそれぞれ側方から覆うようになっている。また、残り一つのカバー突起39Cは、底壁板部36の他方の主面35dの内周縁から外周縁に延びるように形成されて、リング板部41,42の周方向の両端の間に入り込むように配されている。そして、底壁板部36の外周縁に形成されるカバー突起39Aには、リング板部41,42からその径方向外側に延びる引き出し板部43,44を他方の主面35dの外側に引き出すための切り欠き40が形成されている。
このカバー突起39が形成されていることにより、ケース25に対する二次側巻線22A,22Bの位置ズレを抑制し、二次側巻線22A,22Bの位置決めを容易に行うことができる。
【0032】
さらに、カップ状部材35の底壁板部36に配されたリング板部41,42は、平面視楕円環状に形成された絶縁シート50によって底壁板部36の他方の主面35dの上方から覆われておいる。これによって、リング板部41,42は外部に対して電気的に絶縁されている。
各二次側巻線22A,22Bの一対の引き出し板部43,44は、各々のリング板部41,42に対してその板厚方向にずれて位置するように折曲げ加工されている。より具体的に説明すれば、上記折曲げ加工によって、二つの二次側巻線22A,22Bの一方の引き出し板部43A,44Aは、二次側巻線22A,22Bをケース25に取り付けた状態で、互いに当接し、電気的に接続される。一方、各二次側巻線22A,22Bの他方の引き出し板部43B,44Bは、一方の引き出し板部43A,44Aに対して前記板厚方向にずれて位置している。
これら二次側巻線22A,22Bの引き出し板部43,44は、平面視で互いに平行するように同一方向に延びるように配されている(例えば図6参照)。
【0033】
以上のように構成されるトランス20では、一次側巻線21、二次側巻線22A,22B、トランスコア23、ボビン24及びケース25を組み立てた状態で、一次側巻線21の巻線部26、二次側巻線22A,22Bのリング板部41,42、ケース25の各中心軸線が、ボビン24の筒状部31の中心軸線L1と一致するようになっている。
【0034】
トランスコア23は、磁性体によって形成され、前述したボビン24、ケース25、リング板部41,42及び絶縁シート40に適宜挿通される挿通部45と、ケース25の外周側に配される外郭部46と、ケース25の中心軸線L1方向の両端に配されて挿通部45と外郭部46とを接続する一対の接続部47,48とを備えることで、側面視で矩形環状(図5参照)に形成されている。そして、挿通部45、外郭部46及び一方の接続部47は一体に形成されており、他方の接続部48は、挿通部45にボビン24、ケース25、リング板部41,42、絶縁シート50を挿通させた上で、挿通部45及び接続部48の端部に固定されるようになっている。これにより、トランスコア23に対するボビン24、ケース25、二次側巻線22A,22B及び絶縁シート50の取り付けが容易となる。
このように構成されるトランスコア23では、その周方向に直交する断面積が、トランスコア23の周方向にわたって一定となるように設定されている。
【0035】
カレントトランス60は、図3,4,6,7に示すように、トランス20の一次側巻線21の一方の引き出し線部27Aからなる一次巻線61と、磁性体からなり一次巻線61を挿通させるリング状のカレントコア62と、カレントコア62に巻回された(カレントコア62と共に)二次巻線63と、カレントコア62及び二次巻線63を収容するカレントケース部(センサケース部)64とを備えて構成されている。
カレントケース部64は、カレントコア62に挿通される内側筒状部65、及び、カレントコア62を収容する外側筒状部66を備えて大略構成されている。言い換えれば、カレントコア62は、その径方向内側が内側筒状部65によって覆われ、かつ、径方向外側が外側筒状部66によって覆われるように、カレントケース部64に収容される。内側筒状部65及び外側筒状部66の相対位置は、これらの軸線L2方向が互いに一致するように設定されている。
【0036】
このカレントケース部64は、その内側筒状部65及び外側筒状部66の軸線L2方向の一端部が、トランス20のケース25に一体に成形されている。より具体的に説明すれば、内側筒状部65及び外側筒状部66の軸線L2方向の一端部は、一次側巻線21の一方の引き出し線部27Aを挿通させる内側筒状部65の挿通孔67が、前記一方の引き出し線部27Aをケース25の外側に引き出す引き出し孔(不図示)に連通するように、ケース25の周壁部37の外周面に固定されている。また、内側筒状部65の外周面と外側筒状部66の内周面とで画成されるカレントコア62及び二次巻線63の収容空間は、周壁部37によってケース25の内部空間と隔離されている。
【0037】
そして、内側筒状部65の挿通孔67は、その軸線L2が直線となるように形成されているため、この挿通孔67内に位置する前記一方の引き出し線部27Aの部分(カレントトランス60の一次巻線61をなす部分)は直線状に配されることになる。
以上のように構成されるカレントケース部64は、例えば、ケース25をなす一対のカップ状部材35のいずれか一方にまとめて成形されていてもよいし、一対のカップ状部材35の両方に分けた状態で成形されてもよい。
なお、上記挿通孔67からケース25及びカレントケース部64の外側に突出するトランス20の一方の引き出し線部27Aの先端部は、他方の引き出し線部27Bと平行するように折り曲げられている。
【0038】
カレントトランス60の二次巻線63は、カレントコア62に巻回されて一方の引き出し線部27Aの直線部分の軸線L2回りに配される巻線部68と、巻線部68からカレントケース部64の外側に引き出される一対の引き出し線部69とによって構成されている。二次巻線63の一対の引き出し線部69は、互いに平行するように、トランス20の巻線部26の中心軸線L1方向に延びている。
そして、二次巻線63の一対の引き出し線部69は、図1に示すように回路基板6に接続され、この回路基板6の配線パターンを介して図2に示す電流検出回路80に電気接続されている。
なお、以上のように構成されるカレントトランス60においては、カレントケース部64内に収容されたカレントコア62及び二次巻線63の巻線部68が、樹脂によって封止されてもよい。
【0039】
上記カレントトランス60では、トランス20の一次側巻線21にかかる交流電圧に基づいて二次巻線63に誘起起電力(交流電圧)が発生し、この誘起起電力を前述の電流検出回路80において検出させることで、トランス20の一次側巻線21にかかる交流電流を計測することができる。言い換えれば、本実施形態では、カレントトランス60のカレントコア62及び二次巻線63によって、トランス20の一次側巻線21に流れる交流電流を計測するための電流検出センサ70が構成されている。また、この電流検出センサを取り付けたトランス20の一次側巻線21の引き出し線部27Aの部分が、トランス20の一次側巻線21に流れる交流電流を電流検出センサ70に計測させる検出用電気配線となる。
【0040】
そして、以上のように構成されるトランスモジュール4においては、トランス20の一次側巻線21の巻線部26及び二次側巻線22A,22Bのリング板部41,42の中心軸線L1と、カレントケース部64の挿通孔67内に配された一次側巻線21の引き出し線部27Aの直線部分の軸線L2とが、互いに直交している。
また、カレントトランス60の二次巻線63の一対の引き出し線部69の延在方向が、トランス20の一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bの引き出し線部27や引き出し板部43,44の延在方向に対して直交している。
【0041】
以上説明したように、本実施形態のDC−DCコンバータ装置1及びこれに備えるトランスモジュール4によれば、トランス20の一次側巻線21とカレントトランス60の一次巻線61とが一体に形成されるため、すなわち、トランス20の一次側巻線21とカレントトランス60の一次巻線61との接続部分が無くなるため、この接続部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧は発生しない。
また、従来のような回路基板6の交流接続配線が無くなることで、トランス20の一次側巻線21のうち巻線部26と引き出し線部27との境界(交差部分28)からカレントトランス60の一次巻線61をなす引き出し線部27Aに至る配線部分の距離が短くなるため、この配線部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧の発生を抑制することができる。
【0042】
以上のように、本実施形態のトランスモジュール4ではノイズ電圧の発生を抑えることができるため、トランスモジュール4を設けたDC−DCコンバータ装置1では、その回路誤動作を抑えることができる。
また、従来と比較して、トランス20の一次側巻線21とカレントトランス60の一次巻線61との接続部分が無くなることで、トランス20の一次側巻線21とカレントトランス60の一次巻線61とを接続する配線部分におけるインピーダンス成分が非常に小さくなるため、さらに、従来のような回路基板6の交流接続配線が無くなるため、例えトランス20の一次側巻線21やカレントトランス60の一次巻線61に大電流が流れたとしても、これらのインピーダンス成分による発熱を抑えて、DC−DCコンバータ装置1における電力損失を低減することができる。
【0043】
さらに、カレントトランス60の構成要素全てがトランス20に一体に固定されることで、トランス20とカレントトランス60を放熱部材2に対して個別に取り付ける必要がなくなるため、放熱部材2に対するトランス20及びカレントトランス60の取り付け作業を容易に行うことができる。すなわち、トランスモジュール4の取り扱いが容易となる。
また、本実施形態のカレントトランス60では、トランス20の一次側巻線21の引き出し線部27Aの直線部分を、カレントトランス60の一次巻線61として構成しているため、言い換えれば、一次巻線61をなす引き出し線部27Aをカレントトランス60の二次巻線63のように巻回していないため、カレントトランス60を容易かつ簡素に構成することができる。したがって、トランスモジュール4を容易に製造することができる。
【0044】
また、本実施形態では、トランス20の一次側巻線21の巻線部26及び二次側巻線22A,22Bのリング板部41,42の中心軸線L1と、カレントケース部64の挿通孔67内に配された一次側巻線21の引き出し線部27Aの直線部分の軸線L2とが、互いに直交しているため、本実施形態のようにカレントトランス60の二次巻線63をトランス20の巻線部26やリング板部41,42の近傍に配置しても、カレントトランス60において生じる磁界がトランス20において生じる磁界の影響を受けにくくなる。したがって、トランス20の一次側巻線21に流れる電流をカレントトランス60によって精度よく計測することが可能となる。
【0045】
さらに、本実施形態のトランスモジュール4では、カレントトランス60の二次巻線63の一対の引き出し線部69の延在方向が、トランス20の一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bの引き出し線部27や引き出し板部43,44の延在方向に対して直交しているため、放熱部材2の搭載面2aに配されたトランス20の一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bを、搭載面2aに配されたスイッチング回路部3及び整流回路部5に対して容易に接続できると同時に、カレントトランス60の二次巻線63を容易に回路基板6に接続することが可能となる。言い換えれば、トランス20の一次側巻線21及び二次側巻線22A,22Bとスイッチング回路部3及び整流回路部5との接続配線の長さを短く設定できると同時に、カレントトランス60の二次巻線63と回路基板6との接続配線の長さも短く設定できる。
【0046】
〔第二実施形態〕
次に、図8を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態のトランスモジュールは、第一実施形態のトランスモジュール4と比較して、電流検出センサの構成のみが異なっている。本実施形態では、第一実施形態のトランスモジュール4と同一の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0047】
図8に示すように、本実施形態の電流検出センサは、センサコア91及びホール素子92を備えるホールセンサ90であり、トランス20の一次側巻線21の一方の引き出し線部27Aに直接取り付けられている。
より具体的に説明すれば、センサコア91は、磁性体からなり、円環形状の周方向の一部を切り欠いてなるC字形状に形成されている。また、ホール素子92は、ホール効果を利用した磁気センサであり、センサコア91の周方向の切欠部分(ギャップ)を埋めるように設けられている。すなわち、ホールセンサ90はこれらセンサコア91及びホール素子92によって円環形状を呈している。
【0048】
そして、このホールセンサ90は、第一実施形態のカレントケース部64と同一形状とされたセンサケース部93に収容されている。すなわち、センサケース部93は、内側筒状部65及び外側筒状部66を備え、第一実施形態と同様に、ケース25の周壁部37の外周面に固定されている。そして、一次側巻線21の一方の引き出し線部27Aが、センサケース部93に収容されたホールセンサ90に挿通されている。このようにホールセンサ90に挿入された一方の引き出し線部27Aの部分が、ホールセンサ90に計測させる検出用電気配線となる。
【0049】
また、ホール素子92には、ホール素子92からの信号を出力する出力信号線94が接続されている。この出力信号線94は、第一実施形態の二次巻線63の引き出し線部69と同様に、センサケース部93の外側に引き出されている。なお、出力信号線94の引き出し方向(延在方向)は、第一実施形態の場合と同様に、トランス20の巻線部26の中心軸線L1方向とされている。
そして、出力信号線94は、第一実施形態の場合と同様に回路基板6に接続され、この回路基板の配線パターンを介して電流検出回路80に電気接続されている。
【0050】
以上のように設けられるホールセンサ90では、トランス20の一次側巻線21にかかる交流電圧に基づいてセンサコア91に生じる磁界(及びその変動)が、ホール素子92において電気信号に変換され、この電気信号を電流検出回路80において検出させることで、トランス20の一次側巻線21に流れる交流電流を計測することができる。
【0051】
本実施形態のトランスモジュールによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
すなわち、トランス20の一次側巻線21とホールセンサ90の計測対称である検出用電気配線とが一体に形成されるため、すなわち、トランス20の一次側巻線21と検出用電気配線との接続部分が無くなるため、この接続部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧は発生しない。
また、従来のような回路基板6の交流接続配線が無くなることで、トランス20の一次側巻線のうち巻線部26と引き出し線部27との境界(交差部分28)から検出用電気配線をなす引き出し線部27Aに至る配線部分の距離が短くなるため、この配線部分のインピーダンス成分によるノイズ電圧の発生を抑制することができる。
【0052】
以上のように、本実施形態のトランスモジュールではノイズ電圧の発生を抑えることができるため、トランスモジュールを設けたDC−DCコンバータ装置では、その回路誤動作を抑えることができる。
また、従来と比較して、トランス20の一次側巻線21と検出用電気配線との接続部分が無くなることで、トランス20の一次側巻線21と検出用電気配線とを接続する配線部分におけるインピーダンス成分が非常に小さくなるため、さらに、従来のような回路基板6の交流接続配線が無くなるため、例えトランス20の一次側巻線21や検出用電気配線に大電流が流れたとしても、これらのインピーダンス成分による発熱を抑えて、DC−DCコンバータ装置における電力損失を低減することができる。
【0053】
以上、上記実施形態により本発明の詳細を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第一実施形態では、カレントトランス60の一次巻線61をなすトランス20の引き出し線部27Aの部分が、直線状に配されることに限らず、少なくとも一次側巻線21にかかる交流電圧に基づいて、カレントトランス60の二次巻線63に誘起起電力が発生するように配されていればよい。したがって、カレントトランス60の一次巻線61をなすトランス20の引き出し線部27Aの部分は、例えば、二次巻線63に電気的に干渉しないように、カレントコア62に巻回されてもよい。
また、第一実施形態のカレントトランス60は、少なくとも上記実施形態のように巻回された二次巻線63を備えていればよく、この二次巻線63を巻回させるカレントコア62は特に備えていなくてもよい。
【0054】
さらに、カレントトランス60の二次巻線63やホールセンサ90は、トランス20の一次側巻線21の引き出し線部27に取り付けられるとしたが、例えばトランス20の二次側巻線22A,22Bに流れる交流電流を計測する場合には、トランス20の二次側巻線22A,22Bの引き出し板部43,44に取り付けられてもよい。
また、カレントトランス60やホールセンサ90は、そのカレントケース部64やセンサケース部93がトランス20のケース25に一体に成形されることで、トランス20に一体に固定されるとしたが、少なくともトランス20の一次側巻線21あるいは二次側巻線22A,22Bの引き出し線部27や引き出し板部43,44を、カレントトランス60の一次巻線61として構成すればよい。したがって、カレントトランス60やホールセンサ90は、トランス20(そのケース25)との間に間隔をあけて配されてもよい。
【0055】
さらに、第一実施形態において示したトランス20では、平面視したボビン24やケース25等の内周縁や外周縁の形状が、いずれも楕円形状あるいは楕円環状を呈しているが、これに限ることはなく、例えば円形状あるいは円環状など任意の平面視形状を呈してもよい。
また、一次側巻線21の引き出し線部27の先端部の延在方向と、二次側巻線22A,22Bの引き出し板部43,44の延在方向とは、第一実施形態の図6に示す方向に限らず、少なくともトランスコア23の外郭部46に干渉しないように、互いに異なる方向を向いていればよい。
【0056】
さらに、第一実施形態では、ケース25の一対のカップ状部材35が、両方共に底壁板部36及び周壁部37を備えているが、例えば、一方のカップ状部材35Aだけが底壁板部36及び周壁部37の両方を備え、他方のカップ状部材35Bは周壁部37を備えず底壁板部36を備える構成としてもよい。
また、本願発明のトランスモジュールは、上記実施形態のようなDC−DCコンバータ装置に設けられることに限らず、トランスを要する各種装置に設けることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 DC−DCコンバータ装置
2 放熱部材
3 スイッチング回路部
4 トランスモジュール
5 整流回路部
20 トランス
21 一次側巻線
22A,22B 二次側巻線
25 ケース
26 巻線部
27,27A,27B 引き出し線部
41,42 リング板部(巻線部)
43,43A,43B,44,44A,44B 引き出し板部(引き出し線部)
60 カレントトランス
61 一次巻線
63 二次巻線
64 カレントケース部(センサケース部)
70 電流検出センサ
90 ホールセンサ(電流検出センサ)
L1 中心軸線
L2 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側及び二次側の巻線を有するトランスと、当該トランスの巻線に流れる交流電流を計測するためのカレントトランスとを備え、
前記トランスの少なくともいずれか一方の巻線の引き出し線部を、前記カレントトランスの一次巻線として構成することを特徴とするトランスモジュール。
【請求項2】
前記カレントトランスは、その二次巻線を収容するカレントケース部を備え、
該カレントケース部が、前記巻線を収容するトランスのケースに一体に成形されていることを特徴とする請求項1に記載のトランスモジュール。
【請求項3】
前記トランスの巻線の引き出し線部には、直線部分が形成され、
前記カレントトランスの二次巻線が、前記直線部分の軸線回りに配されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトランスモジュール。
【請求項4】
前記トランスの巻線の巻線部の軸線と、前記引き出し線部の直線部分の軸線とが、互いに直交していることを特徴とする請求項3に記載のトランスモジュール。
【請求項5】
前記トランスの巻線の引き出し線部、及び、前記カレントトランスの二次巻線の引き出し線部の延在方向が、互いに直交していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のトランスモジュール。
【請求項6】
入力直流電圧を交流電圧に変換するスイッチング回路部と、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のトランスモジュールと、前記トランスの出力電圧を整流する整流回路部と、前記スイッチング回路部、前記トランスモジュール及び前記整流回路部を搭載する放熱部材と、前記カレントトランスの二次巻線の引き出し線部に電気接続される回路基板と、を備えることを特徴とするDC−DCコンバータ装置。
【請求項7】
一次側及び二次側の巻線を有するトランスと、当該トランスの巻線に流れる交流電流を計測するための電流検出センサとを備え、
当該電流検出センサが、前記トランスの少なくともいずれか一方の巻線の引き出し線部に、直接取り付けられていることを特徴とするトランスモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−26597(P2013−26597A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163124(P2011−163124)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】