説明

トロイダル型無段変速機

【課題】遠心油圧で過押付けになる問題を回避して、ローディング圧を低圧にすることができるトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】このトロイダル型無段変速機は、回転力を受ける入力軸1に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスク2と、入力側ディスク2との間に設けられたパワーローラ11を介して入力側ディスク2の回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスク3とを備え、出力回転数およびトルクが一定で動作される。また、出力側ディスク3の背面には、出力側ディスク3を軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置12Aが配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図3および図4に示すように構成されている。図3に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
【0003】
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
【0004】
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図4参照)が回転自在に挟持されている。
【0005】
図3中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図3の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
【0006】
図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図4においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図4の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
【0007】
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸(軸部)23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、ラジアルニードル軸受99を介して各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
【0008】
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図4の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図3の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
【0009】
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図4で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0010】
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0011】
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
【0012】
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図4の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
【0013】
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
【0014】
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図4の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
【0015】
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の変速比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0016】
ところで、一定回転数で駆動される産業機械用(例えば、発電機械用)の変速機としてトロイダル型無段変速機が使用される場合(例えば、特許文献1参照)には、該変速機に一定の動力(トルク)が入力され、出力回転数Noutが一定となるように制御される(図5の破線参照)。そのため、図5に示されるように、最減速時(バリエータ減速比が最大のとき)に、入力回転数Ninが最高になるとともに、入力トルクTinが低くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平11−210869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、図5に示される適用形態で、前述したように入力側ディスク2の側に押圧装置12が設けられていると、図6に示されるように、最減速時(バリエータ減速比が最大のとき;入力回転数Ninが最高のとき)に近づくにつれ、遠心油圧による推力F2が増大して遠心油圧による推力F2と必要推力F1との間の差が大きくなる。すなわち、遠心油圧で過押付けになる(図6中、遠心油圧で過押付けとなる範囲が斜線Sで示されている)。また、この場合、バリエータ減速比が最小のとき(入力回転が低速になるとき)に、必要油圧Pが高くなる(高油圧が必要になる)といった問題も生じる。
【0019】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、遠心油圧で過押付けになる問題を回避して、ローディング圧を低圧にすることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するために、本発明は、回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクとを備え、出力回転数およびトルクが一定のトロイダル型無段変速機において、前記出力側ディスクの背面に配置され且つ前記出力側ディスクを軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置を備えることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、押圧装置が入力側ディスクの側ではなく出力側ディスクの側に設けられているため、図2のグラフからも明らかなように、(出力回転により発生する遠心油圧による押圧力)+(各ディスクの凹面とパワーローラの周面との当接部に押圧力を付与するばねによるばね力)から成る軸力を最減速時(バリエータ減速比が最大のとき)の必要推力とでき、ローディング圧を低圧にすることができる。これにより、ローディングピストン面積を小さくできるなど、軽量化や油圧ロスの低減などにより、高効率化等を図ることができる。また、押圧装置が油圧ローディング形態であるため、高回転で遠心油圧が大きくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、遠心油圧で過押付けになる問題を回避して、ローディング圧を低圧にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図2】図1のごとく出力側ディスクの側に油圧式の押圧装置が設けられる場合におけるバリエータ減速比と必要推力・油圧および遠心油圧による推力との間の関係を示すグラフ図である。
【図3】従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】一定回転数で駆動される産業機械用の変速機としてトロイダル型無段変速機が使用される場合におけるバリエータ減速比と入出力回転数および入力トルクとの間の関係を示すグラフ図である。
【図6】入力側ディスクの側に油圧式の押圧装置が設けられる場合におけるバリエータ減速比と必要推力・油圧および遠心油圧による推力との間の関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
なお、本発明の特徴は、押圧装置の配置形態にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図3および図4と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
【0025】
図1には、本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機の要部構造が概略的に示されている。図示のように、このトロイダル型無段変速機は、出力回転数およびトルクが一定の例えば産業機械用の変速機として、特に発電機械用の変速機として使用されるものであり、回転力を受ける入力軸1に結合され且つ入力軸1と一体で回転する入力側ディスク2と、入力側ディスク2との間に設けられたパワーローラ11を介して入力側ディスク2の回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスク3とを備えるが、出力側ディスク3と入力側ディスク2の配置形態が前述した図3および図4の構造と逆になっている。この場合、入力から出力へ至るトルク(回転力)の伝達原理は前述した図3および図4の構造と同じである。
【0026】
また、本実施形態のトロイダル型無段変速機では、一方側の出力側ディスク3の背面に、出力側ディスク3を軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置12Aが配置されている。そして、出力回転により発生する遠心油圧による押圧力と皿ばね8によるばね力との和から成る軸力が必要とするローディング圧となるように設定されている。
【0027】
ここで、油圧式の押圧装置12Aは、出力軸40の端部40aと一体の第1のシリンダ部141と、入力側ディスク2と一体の第2のシリンダ部159と、第1の環状体(第1のピストン部)161と、第2の環状体(第2のピストン部)160とを備えている。
【0028】
第1のシリンダ部141は、第2のシリンダ部159の外周に係合しており、出力側ディスク3の背面3bと対向した状態で配されている。また、第2のシリンダ部159は、筒状に形成されており、出力側ディスク3の外周縁から第1のシリンダ部141に向けて延びている。
【0029】
第2の環状体160は、その内周面が出力軸40の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第2シリンダ部159の内周面に嵌合されており、出力側ディスク3の背面3bに対向した状態で配されている。また、第1の環状体161は、その内周面が出力軸40の外周面に嵌合されるとともに、その外周面が第1シリンダ部141の内周面に嵌合されており、第2の環状体160と第1のシリンダ部141との間に配されている。
【0030】
第1のシリンダ部141の内面と、第1の環状体161と、出力軸40の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第1の油圧室(油室)170を構成している。この第1の油圧室170は、複数のシール部材171によって、流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部159の内周面と、第2の環状体160と、出力側ディスク3の背面3bと、出力軸40の外周面の一部とによって囲まれた空間は、第2の油圧室(油室)167を構成している。この第2の油圧室167は、複数のシール部材168によって、流体密に保たれている。また、第2のシリンダ部159の内周側において、第2の環状体160と第1の環状体161との間に位置する空間175は空気室となっている。空気室175は、複数のシール部材168,171によって流体密に保たれている。また、第2のシリンダ159は、空気室175を外部に連通させる連通溝としても機能する隙間sを第1の環状体161との間に有しており、この隙間sを介して第1の環状体161と当接可能となっている。そして、この隙間sを一部利用して、第1の環状体161と第2のシリンダ部159との間には、予圧を付与するための皿バネ8が介挿されている。
【0031】
出力軸40の端部40aには内孔40bが出力軸40の長手方向に沿って形成されており、この内孔40bには出力軸40の径方向に延びる油孔180が接続されている。この油孔180は、内孔40bと油圧室167等とを繋いでいる。
【0032】
上記構成によれば、押圧装置12Aが入力側ディスク2の側ではなく出力側ディスク3の側に設けられているため、図2のグラフからも明らかなように、(出力回転により発生する遠心油圧による押圧力)+(各ディスクの凹面とパワーローラの周面との当接部に押圧力を付与するばね8によるばね力)から成る軸力を最減速時(バリエータ減速比が最大のとき)の必要推力とでき、ローディング圧を低圧にすることができる。これにより、ローディングピストン面積を小さくできるなど、軽量化や油圧ロスの低減などにより、高効率化等を図ることができる。また、押圧装置12Aが油圧ローディング形態であるため、高回転で遠心油圧が大きくなる。
【0033】
なお、前述の実施の形態では、入力側ディスク2の外側に出力側ディスク3を設け、この外側の出力側ディスク3を油圧式の押圧装置12Aで押圧するようにしたが、一対の入力側ディスク2の内側に一対の出力側ディスク3を設け、この一対の出力側ディスク3の間に油圧式の押圧装置12Aを設けて、出力側ディスク3を押圧するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
8 皿ばね
11 パワーローラ
12,12A 押圧装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転力を受ける入力軸に結合され且つ入力軸と一体で回転する入力側ディスクと、入力側ディスクとの間に設けられたパワーローラを介して入力側ディスクの回転力を所定の変速比で受ける出力側ディスクとを備え、出力回転数およびトルクが一定のトロイダル型無段変速機において、
前記出力側ディスクの背面に配置され且つ前記出力側ディスクを軸方向へ押圧する油圧式の押圧装置を備えることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
【請求項2】
前記各ディスクの凹面と前記パワーローラの周面との当接部に押圧力を付与するばねを更に備え、
出力回転により発生する遠心油圧による押圧力と前記ばねによるばね力との和から成る軸力が必要とするローディング圧となることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
【請求項3】
発電機械用の変速機であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−172685(P2012−172685A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31822(P2011−31822)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】