ドアラッチ装置
【目的】 トランクリッド用ドアラッチ装置の可動接点の改良。
【構成】 ドアラッチ装置10のアクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続する。前記可動接点38の他端67はラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に一体形成した薄い絶縁片65に載置させる。絶縁片65の一方側には前記可動接点38の変形力により前記他端67が当接する絶縁壁66を形成する。
【構成】 ドアラッチ装置10のアクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続する。前記可動接点38の他端67はラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に一体形成した薄い絶縁片65に載置させる。絶縁片65の一方側には前記可動接点38の変形力により前記他端67が当接する絶縁壁66を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアラッチ装置に関するものであり、特に、トランクリッド用のドアラッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トランクリッド用のドアラッチ装置は、低コストで小型化が求められているため、トランクリッドの開閉を検出するための電気配線は、裸線やむき出しの端子が用いられている。
【特許文献1】特開2003−182452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、可動端子もやむき出しの端子になっていることがあるが、むき出しの可動端子は、可動であるが故に短絡事故が発生しやすい課題がある。特に、可動端子は、予定された方向以外にも動くことがあるため、短絡事故が発生は珍しくない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
よって、本発明は、導電性ベースプレート11に、ストライカ23との係合により回転するラッチ17と、前記ラッチ17と係合して前記ラッチ17と前記ストライカ23との係合を保持するラチェット19と、前記ラチェット19をモータ31の動力で回転させて前記ラッチ17から離脱させるアクチュエータ12とを取付けたものにおいて、前記アクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ベースプレート11に電気的に接触することなく前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続し、前記可動接点38の他端67は前記ラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に当接させて前記ラッチ17の回転に応じて前記可動接点38が変位するようにし、前記ベースプレート11には前記可動接点38と接触可能のアース端子68を設けたドアラッチ装置としたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に掛かる発明では、可動端子38の可動側となる他端67をラッチ17の非導電性の樹脂層27で支持させたので、短絡事故を良く防止できる。
請求項2に掛かる発明では、樹脂層27に一体的に形成した絶縁片65で他端67を支持させたので、短絡事故を良く防止でき、可動接点38の他端67に、予定された方向(図1においての左右方向)とは別の方向(ラッチ軸16の軸芯方向)に移動する力が作用しても、絶縁片65でベースプレート11への接触を良好に防止できる。
請求項3に掛かる発明では、絶縁片65の一方側に他端67が当接する絶縁壁66が設けてあるため、他端67が絶縁片65から離脱するのを良く防止できる。
【実施例】
【0006】
本発明の実施例を説明すると、本発明によるトランクリッド用ラッチ装置10は、トランクリッド(図示なし)又は車体にボルト等で固定されるベースプレート11を備えている。ベースプレート11は、モータ式アクチュエータ12が固定される上部部分13と、ラッチ機構14が取付けられる下部部分15とを備えており、下部部分15は上部部分13に対して約45度傾斜している。
【0007】
前記ラッチ機構14は、前記ベースプレート11にラッチ軸16で軸止されたラッチ17及びラチェット軸18で軸止されたラチェット19とを有し、ラッチ17のバネ係止部20と、ラチェット19のバネ係止部21との間にはコイルバネ22が設けられ、図1において、ラッチ17は時計回転方向に、ラチェット19は反時計回転方向に付勢される。
【0008】
前記ラッチ17には車体(又はトランクリッド)に固定されるストライカ23と係合可能の凹部24が形成され、周知のようにトランクリッドを閉扉方向に移動させると、ストライカ23が凹部24に係合してラッチ17をアンラッチ位置からラッチ位置に向かって反時計回転させ、ラッチ17がラッチ位置になると、図1のように、前記ラチェット19の爪25がラッチ17の段部26に係合して、ドアは閉扉状態に保たれる。
【0009】
前記ラッチ17及び前記ラチェット19は、その本体はラッチ金属体17A、ラチェット金属体19Aであり、外周に消音用の樹脂層27、28がそれぞれ取付けられている。
【0010】
前記アクチュエータ12のケース29は複数の螺子30により前記ベースプレート11に固定される。ケース29内には、図10のように、モータ31と、モータ31の出力軸に固定された円筒ウォーム32と、円筒ウォーム32に噛合するウォームホイール33とが設けられる。ウォームホイール33は、モータ31がオフのときはリターンスプリングの弾力で中立位置に復帰する。ケース29の端部には、ソケット34が設けられる。
【0011】
前記ソケット34には3本の端子、即ち、中央のグランド端子35と、モータ端子36と、信号端子37とが設けられる。グランド端子35の第1接点35Aとモータ端子36はモータ31に接続され、両端子間が通電されると、モータ31が回転して、後述するように、前記ラチェット19はコイルバネ22の弾力に抗して回転して、前記ラッチ17を開放し、トランクリッドは開扉可能となる。
【0012】
前記グランド端子35の第2接点35Bは、前記ベースプレート11に接続され、これによりベースプレート11はアースされる。前記信号端子37の接点37Aは、ケース29から外方に突出させ、後述する可動端子38に接続させる。
【0013】
前記ケース29の裏面側は、前記ベースプレート11側に対峙する開放面になっていて、ベースプレート11がケース29の蓋体を兼用している。前記ウォームホイール33の裏面側には徐々に半径が大きくなるカム体39が一体的に形成される。
【0014】
前記ウォームホイール33と前記ベースプレート11との間には、オープンレバー40(図15)が設けられる。オープンレバー40は、略L型形状を呈しており、軸孔41に挿通させたピン42(図1)によりベースプレート11の軸孔43に軸止される。オープンレバー40の右方に伸びる連結アーム44には、ケーブルヘッド連結部45が設けられる。ケーブルヘッド連結部45はL型を呈しており、第1ケーブル46のケーブルヘッド47が係合する第1溝部48と、第2ケーブル49のケーブルヘッド50が係合する第2溝部51とが形成される。
【0015】
前記第1ケーブル46は、車内に設けられたトランクオープナー(図示なし)に連結され、前記第2ケーブル49はトランクリッド又は車体に設けられたキーシリンダー(図示なし)に連結され、これらの操作により、オープンレバー40は、図18において、反時計回転する。52は、オープンレバー40とベースプレート11との間に設けたバネである。
【0016】
前記アクチュエータ12のケース29には、図1、9のように、三角形状の薄いフランジ53とL型の受け部54とが一体的に形成され、フランジ53は第1ケーブルヘッド47と第2ケーブルヘッド50との間に介在させる。受け部54は、第2ケーブルヘッド50の近傍下部に位置し、オープンレバー40が第1ケーブル46の牽引作用により回転した際、残された第2ケーブルヘッド50が第2溝部51から外れないように保持する。
【0017】
前記オープンレバー40の下方に伸びる当接アーム55は、図17のように、前記ラチェット19の上端部56に対峙させ、オープンレバー40が反時計回転すると、ラチェット19は図18のように上端部56が右方に押し出され、これにより、ラチェット19の爪25はラッチ17の段部26から離脱し、トランクリッドは開扉可能状態となる。
【0018】
前記当接アーム55には、前記ウォームホイール33のカム体39と当接可能の当接ピン57が設けられる。当接ピン57は、ウォームホイール33がリターンスプリングの弾力で中立位置にあるときは(図17)、カム体39の小径部58に対峙しており、ウォームホイール33がモータ31の動力で時計回転すると、カム体39により押圧されて、オープンレバー40は徐々に反時計回転し、図18のように、当接ピン57がカム体39の大径部59に当接すると、オープンレバー40の反時計回転により、ラチェット19を回転させてトランクリッドを開扉可能状態にできる。
【0019】
前記可動端子38は、図19、20のように、銅板等の導電性材質で形成された細長い端子で、その途中には、非導電性のケース29に形成した差込溝60に差込まれる差込部61を形成し、差込部61に形成した屈曲部62をケース29に螺子63で固定している。このため、可動端子38は、アースされているベースプレート11に接触させることなく、安定した状態で取付けられる。前記可動端子38の一端64(図1における上部)は、前記ケース29から外部に露出させた前記信号端子37の接点37Aに電気的に接続する。
【0020】
前述のように、前記ラッチ17は非導電性の樹脂層27で覆われており、樹脂層27には、図5、6に示したように、ラッチ本体からラッチ軸16の放射方向に広がる薄い絶縁片65が形成される。絶縁片65は近接するベースプレート11と平行である。絶縁片65の一方側にはラッチ軸16の軸芯方向に突出する絶縁壁66を一体的に形成する。
【0021】
前記可動端子38の他端67は、前記ベースプレート11と接触しないように前記絶縁片65の上面側に載置される。可動端子38は、他端67が絶縁壁66に当接方向の変形力を備えており、この変形力により、ラッチ17の回転に応じて、他端67も図1において左右に移動する。
【0022】
前記ベースプレート11には、図2のように、切り起こしにより形成したアース端子68を形成する。アース端子68は、ラッチ17が図1のようにラッチ位置にあるときは、可動端子38の他端67は図1において左方に移動し、可動端子38はアース端子68に対して離間した状態に保たれる。しかし、ラチェット19がラッチ17から外れて、トランクリッドが開扉されると、ラッチ17は時計回転して、他端67は右方に移動し、可動端子38はアース端子68に接触する。
【0023】
このように、開扉により可動端子38がアース端子68に接触すると、アースとして作用しているベースプレート11を介して、可動端子38が接続された信号端子37は、グランド端子35に電気的に接続され、もって、トランクリッドの開扉を検出できる。このようにして検出したトランクリッドの開扉は、室内灯(トランクルーム灯)の点灯や、インストルメントパネルの警告灯の点灯等に使用される。
【0024】
なお、前記絶縁壁66は、絶縁片65の一方側のみにではなく、他方側にも形成することができ、このように絶縁片65の両側に形成すると、可動端子38の他端67は、凹部に囲まれることになって絶縁片65からの脱落が一層防止される。
【0025】
前記ラッチ装置10の上部側(表面側)は、樹脂カバー69で覆われる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】樹脂カバーを外した状態のラッチ装置の正面図。
【図2】前記ラッチ装置のベースプレートの正面図。
【図3】前記ベースプレートの側面図。
【図4】前記ラッチ装置のラッチの正面図。
【図5】前記ラッチの絶縁片を示す一部拡大斜視図。
【図6】前記ラッチの断面図。
【図7】前記ラッチ装置のラチェットの正面図。
【図8】前記ラチェットの側面図。
【図9】前記ラッチ装置のアクチュエータの正面図。
【図10】前記アクチュエータの背面図。
【図11】前記アクチュエータの一部切欠拡大図。
【図12】前記ラッチ装置の信号端子の正面図。
【図13】前記ラッチ装置のモータ端子の正面図。
【図14】前記ラッチ装置のグランド端子の正面図。
【図15】前記ラッチ装置のオープンレバーの正面図。
【図16】前記オープンレバーのケーブルヘッド連結部を示す斜視図。
【図17】閉扉状態の作用説明図。
【図18】開扉状態の作用説明図。
【図19】前記ラッチ装置の可動端子の正面図。
【図20】前記可動端子の側面図。
【図21】前記ラッチ装置の樹脂カバーの斜視図。
【符号の説明】
【0027】
10…ラッチ装置、11…ベースプレート、12…モータ式アクチュエータ、13…上部部分、14…ラッチ機構、15…下部部分、16…ラッチ軸、17…ラッチ、17A…ラッチ金属体、18…ラチェット軸、19…ラチェット、19Aラチェット金属体、20…バネ係止部、21…バネ係止部、22…コイルバネ、23…ストライカ、24…凹部、25…爪、26…段部、27、28…樹脂層、29…ケース、30…螺子、31…モータ、32…円筒ウォーム、33…ウォームホイール、34…ソケット、35…グランド端子、35A…第1接点、35B…第2接点、36…モータ端子、37…信号端子、37A…接点、38…可動端子、39…カム体、40…オープンレバー、41…軸孔、42…ピン、43…軸孔、44…連結アーム、45…ケーブルヘッド連結部、46…第1ケーブル、47…ケーブルヘッド、48…第1溝部、49…第2ケーブル、50…ケーブルヘッド、51…第2溝部、52…バネ、53…フランジ、54…受け部、55…当接アーム、56…上端部、57…当接ピン、58…小径部、59…大径部、60…差込溝、61…差込部、62…屈曲部、63…螺子、64…一端、65…絶縁片、66…絶縁壁、67…他端、68…アース端子、69…樹脂カバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアラッチ装置に関するものであり、特に、トランクリッド用のドアラッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トランクリッド用のドアラッチ装置は、低コストで小型化が求められているため、トランクリッドの開閉を検出するための電気配線は、裸線やむき出しの端子が用いられている。
【特許文献1】特開2003−182452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、可動端子もやむき出しの端子になっていることがあるが、むき出しの可動端子は、可動であるが故に短絡事故が発生しやすい課題がある。特に、可動端子は、予定された方向以外にも動くことがあるため、短絡事故が発生は珍しくない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
よって、本発明は、導電性ベースプレート11に、ストライカ23との係合により回転するラッチ17と、前記ラッチ17と係合して前記ラッチ17と前記ストライカ23との係合を保持するラチェット19と、前記ラチェット19をモータ31の動力で回転させて前記ラッチ17から離脱させるアクチュエータ12とを取付けたものにおいて、前記アクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ベースプレート11に電気的に接触することなく前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続し、前記可動接点38の他端67は前記ラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に当接させて前記ラッチ17の回転に応じて前記可動接点38が変位するようにし、前記ベースプレート11には前記可動接点38と接触可能のアース端子68を設けたドアラッチ装置としたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に掛かる発明では、可動端子38の可動側となる他端67をラッチ17の非導電性の樹脂層27で支持させたので、短絡事故を良く防止できる。
請求項2に掛かる発明では、樹脂層27に一体的に形成した絶縁片65で他端67を支持させたので、短絡事故を良く防止でき、可動接点38の他端67に、予定された方向(図1においての左右方向)とは別の方向(ラッチ軸16の軸芯方向)に移動する力が作用しても、絶縁片65でベースプレート11への接触を良好に防止できる。
請求項3に掛かる発明では、絶縁片65の一方側に他端67が当接する絶縁壁66が設けてあるため、他端67が絶縁片65から離脱するのを良く防止できる。
【実施例】
【0006】
本発明の実施例を説明すると、本発明によるトランクリッド用ラッチ装置10は、トランクリッド(図示なし)又は車体にボルト等で固定されるベースプレート11を備えている。ベースプレート11は、モータ式アクチュエータ12が固定される上部部分13と、ラッチ機構14が取付けられる下部部分15とを備えており、下部部分15は上部部分13に対して約45度傾斜している。
【0007】
前記ラッチ機構14は、前記ベースプレート11にラッチ軸16で軸止されたラッチ17及びラチェット軸18で軸止されたラチェット19とを有し、ラッチ17のバネ係止部20と、ラチェット19のバネ係止部21との間にはコイルバネ22が設けられ、図1において、ラッチ17は時計回転方向に、ラチェット19は反時計回転方向に付勢される。
【0008】
前記ラッチ17には車体(又はトランクリッド)に固定されるストライカ23と係合可能の凹部24が形成され、周知のようにトランクリッドを閉扉方向に移動させると、ストライカ23が凹部24に係合してラッチ17をアンラッチ位置からラッチ位置に向かって反時計回転させ、ラッチ17がラッチ位置になると、図1のように、前記ラチェット19の爪25がラッチ17の段部26に係合して、ドアは閉扉状態に保たれる。
【0009】
前記ラッチ17及び前記ラチェット19は、その本体はラッチ金属体17A、ラチェット金属体19Aであり、外周に消音用の樹脂層27、28がそれぞれ取付けられている。
【0010】
前記アクチュエータ12のケース29は複数の螺子30により前記ベースプレート11に固定される。ケース29内には、図10のように、モータ31と、モータ31の出力軸に固定された円筒ウォーム32と、円筒ウォーム32に噛合するウォームホイール33とが設けられる。ウォームホイール33は、モータ31がオフのときはリターンスプリングの弾力で中立位置に復帰する。ケース29の端部には、ソケット34が設けられる。
【0011】
前記ソケット34には3本の端子、即ち、中央のグランド端子35と、モータ端子36と、信号端子37とが設けられる。グランド端子35の第1接点35Aとモータ端子36はモータ31に接続され、両端子間が通電されると、モータ31が回転して、後述するように、前記ラチェット19はコイルバネ22の弾力に抗して回転して、前記ラッチ17を開放し、トランクリッドは開扉可能となる。
【0012】
前記グランド端子35の第2接点35Bは、前記ベースプレート11に接続され、これによりベースプレート11はアースされる。前記信号端子37の接点37Aは、ケース29から外方に突出させ、後述する可動端子38に接続させる。
【0013】
前記ケース29の裏面側は、前記ベースプレート11側に対峙する開放面になっていて、ベースプレート11がケース29の蓋体を兼用している。前記ウォームホイール33の裏面側には徐々に半径が大きくなるカム体39が一体的に形成される。
【0014】
前記ウォームホイール33と前記ベースプレート11との間には、オープンレバー40(図15)が設けられる。オープンレバー40は、略L型形状を呈しており、軸孔41に挿通させたピン42(図1)によりベースプレート11の軸孔43に軸止される。オープンレバー40の右方に伸びる連結アーム44には、ケーブルヘッド連結部45が設けられる。ケーブルヘッド連結部45はL型を呈しており、第1ケーブル46のケーブルヘッド47が係合する第1溝部48と、第2ケーブル49のケーブルヘッド50が係合する第2溝部51とが形成される。
【0015】
前記第1ケーブル46は、車内に設けられたトランクオープナー(図示なし)に連結され、前記第2ケーブル49はトランクリッド又は車体に設けられたキーシリンダー(図示なし)に連結され、これらの操作により、オープンレバー40は、図18において、反時計回転する。52は、オープンレバー40とベースプレート11との間に設けたバネである。
【0016】
前記アクチュエータ12のケース29には、図1、9のように、三角形状の薄いフランジ53とL型の受け部54とが一体的に形成され、フランジ53は第1ケーブルヘッド47と第2ケーブルヘッド50との間に介在させる。受け部54は、第2ケーブルヘッド50の近傍下部に位置し、オープンレバー40が第1ケーブル46の牽引作用により回転した際、残された第2ケーブルヘッド50が第2溝部51から外れないように保持する。
【0017】
前記オープンレバー40の下方に伸びる当接アーム55は、図17のように、前記ラチェット19の上端部56に対峙させ、オープンレバー40が反時計回転すると、ラチェット19は図18のように上端部56が右方に押し出され、これにより、ラチェット19の爪25はラッチ17の段部26から離脱し、トランクリッドは開扉可能状態となる。
【0018】
前記当接アーム55には、前記ウォームホイール33のカム体39と当接可能の当接ピン57が設けられる。当接ピン57は、ウォームホイール33がリターンスプリングの弾力で中立位置にあるときは(図17)、カム体39の小径部58に対峙しており、ウォームホイール33がモータ31の動力で時計回転すると、カム体39により押圧されて、オープンレバー40は徐々に反時計回転し、図18のように、当接ピン57がカム体39の大径部59に当接すると、オープンレバー40の反時計回転により、ラチェット19を回転させてトランクリッドを開扉可能状態にできる。
【0019】
前記可動端子38は、図19、20のように、銅板等の導電性材質で形成された細長い端子で、その途中には、非導電性のケース29に形成した差込溝60に差込まれる差込部61を形成し、差込部61に形成した屈曲部62をケース29に螺子63で固定している。このため、可動端子38は、アースされているベースプレート11に接触させることなく、安定した状態で取付けられる。前記可動端子38の一端64(図1における上部)は、前記ケース29から外部に露出させた前記信号端子37の接点37Aに電気的に接続する。
【0020】
前述のように、前記ラッチ17は非導電性の樹脂層27で覆われており、樹脂層27には、図5、6に示したように、ラッチ本体からラッチ軸16の放射方向に広がる薄い絶縁片65が形成される。絶縁片65は近接するベースプレート11と平行である。絶縁片65の一方側にはラッチ軸16の軸芯方向に突出する絶縁壁66を一体的に形成する。
【0021】
前記可動端子38の他端67は、前記ベースプレート11と接触しないように前記絶縁片65の上面側に載置される。可動端子38は、他端67が絶縁壁66に当接方向の変形力を備えており、この変形力により、ラッチ17の回転に応じて、他端67も図1において左右に移動する。
【0022】
前記ベースプレート11には、図2のように、切り起こしにより形成したアース端子68を形成する。アース端子68は、ラッチ17が図1のようにラッチ位置にあるときは、可動端子38の他端67は図1において左方に移動し、可動端子38はアース端子68に対して離間した状態に保たれる。しかし、ラチェット19がラッチ17から外れて、トランクリッドが開扉されると、ラッチ17は時計回転して、他端67は右方に移動し、可動端子38はアース端子68に接触する。
【0023】
このように、開扉により可動端子38がアース端子68に接触すると、アースとして作用しているベースプレート11を介して、可動端子38が接続された信号端子37は、グランド端子35に電気的に接続され、もって、トランクリッドの開扉を検出できる。このようにして検出したトランクリッドの開扉は、室内灯(トランクルーム灯)の点灯や、インストルメントパネルの警告灯の点灯等に使用される。
【0024】
なお、前記絶縁壁66は、絶縁片65の一方側のみにではなく、他方側にも形成することができ、このように絶縁片65の両側に形成すると、可動端子38の他端67は、凹部に囲まれることになって絶縁片65からの脱落が一層防止される。
【0025】
前記ラッチ装置10の上部側(表面側)は、樹脂カバー69で覆われる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】樹脂カバーを外した状態のラッチ装置の正面図。
【図2】前記ラッチ装置のベースプレートの正面図。
【図3】前記ベースプレートの側面図。
【図4】前記ラッチ装置のラッチの正面図。
【図5】前記ラッチの絶縁片を示す一部拡大斜視図。
【図6】前記ラッチの断面図。
【図7】前記ラッチ装置のラチェットの正面図。
【図8】前記ラチェットの側面図。
【図9】前記ラッチ装置のアクチュエータの正面図。
【図10】前記アクチュエータの背面図。
【図11】前記アクチュエータの一部切欠拡大図。
【図12】前記ラッチ装置の信号端子の正面図。
【図13】前記ラッチ装置のモータ端子の正面図。
【図14】前記ラッチ装置のグランド端子の正面図。
【図15】前記ラッチ装置のオープンレバーの正面図。
【図16】前記オープンレバーのケーブルヘッド連結部を示す斜視図。
【図17】閉扉状態の作用説明図。
【図18】開扉状態の作用説明図。
【図19】前記ラッチ装置の可動端子の正面図。
【図20】前記可動端子の側面図。
【図21】前記ラッチ装置の樹脂カバーの斜視図。
【符号の説明】
【0027】
10…ラッチ装置、11…ベースプレート、12…モータ式アクチュエータ、13…上部部分、14…ラッチ機構、15…下部部分、16…ラッチ軸、17…ラッチ、17A…ラッチ金属体、18…ラチェット軸、19…ラチェット、19Aラチェット金属体、20…バネ係止部、21…バネ係止部、22…コイルバネ、23…ストライカ、24…凹部、25…爪、26…段部、27、28…樹脂層、29…ケース、30…螺子、31…モータ、32…円筒ウォーム、33…ウォームホイール、34…ソケット、35…グランド端子、35A…第1接点、35B…第2接点、36…モータ端子、37…信号端子、37A…接点、38…可動端子、39…カム体、40…オープンレバー、41…軸孔、42…ピン、43…軸孔、44…連結アーム、45…ケーブルヘッド連結部、46…第1ケーブル、47…ケーブルヘッド、48…第1溝部、49…第2ケーブル、50…ケーブルヘッド、51…第2溝部、52…バネ、53…フランジ、54…受け部、55…当接アーム、56…上端部、57…当接ピン、58…小径部、59…大径部、60…差込溝、61…差込部、62…屈曲部、63…螺子、64…一端、65…絶縁片、66…絶縁壁、67…他端、68…アース端子、69…樹脂カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性ベースプレート11に、ストライカ23との係合により回転するラッチ17と、前記ラッチ17と係合して前記ラッチ17と前記ストライカ23との係合を保持するラチェット19と、前記ラチェット19をモータ31の動力で回転させて前記ラッチ17から離脱させるアクチュエータ12とを取付けたものにおいて、前記アクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ベースプレート11に電気的に接触することなく前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続し、前記可動接点38の他端67は前記ラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に当接させて前記ラッチ17の回転に応じて前記可動接点38が変位するようにし、前記ベースプレート11には前記可動接点38と接触可能のアース端子68を設けたドアラッチ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記樹脂層27には、前記ラッチ17のラッチ軸16の放射方向に広がり前記ラッチ17の金属体17Aと前記ラッチ軸16の軸芯方向において重合しない薄い絶縁片65を一体的に形成し、前記絶縁片65に前記可動端子38の他端67を載置したドアラッチ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記絶縁片65の一方側には前記可動接点38の変形力により前記他端67が当接する絶縁壁66を形成したドアラッチ装置。
【請求項1】
導電性ベースプレート11に、ストライカ23との係合により回転するラッチ17と、前記ラッチ17と係合して前記ラッチ17と前記ストライカ23との係合を保持するラチェット19と、前記ラチェット19をモータ31の動力で回転させて前記ラッチ17から離脱させるアクチュエータ12とを取付けたものにおいて、前記アクチュエータ12の非導電性ケース29には少なくとも信号端子37を備えたソケット34を形成し、前記信号端子37の内部側接点37Aは前記ベースプレート11に電気的に接触することなく前記ケース29の外部に露出させ、前記内部側接点37Aには導電性の可動接点38の一端64を電気的に接続し、前記可動接点38の他端67は前記ラッチ17の外周部に設けた非導電性の樹脂層27に当接させて前記ラッチ17の回転に応じて前記可動接点38が変位するようにし、前記ベースプレート11には前記可動接点38と接触可能のアース端子68を設けたドアラッチ装置。
【請求項2】
請求項1において、前記樹脂層27には、前記ラッチ17のラッチ軸16の放射方向に広がり前記ラッチ17の金属体17Aと前記ラッチ軸16の軸芯方向において重合しない薄い絶縁片65を一体的に形成し、前記絶縁片65に前記可動端子38の他端67を載置したドアラッチ装置。
【請求項3】
請求項2において、前記絶縁片65の一方側には前記可動接点38の変形力により前記他端67が当接する絶縁壁66を形成したドアラッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−63847(P2007−63847A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251126(P2005−251126)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】
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