説明

ドア開き用ロボットハンドおよびロボット

【課題】 簡単な構造でドアを開くことができるロボットハンドを提供する。
【解決手段】
ロボットハンド1は、ノブ101付きのドア100を開くために用いられる。このロボットハンド1は、ハンド本体と、ハンド本体に回転可能に支持され、外周面がノブ101の外周面に当てられる回転体20と、回転体20をノブ101に当てた状態で回転させることにより、ノブ101を、ドア100のラッチ状態を解除する方向に回転させるモータを備えている。さらにロボットハンド1は、回転体20の外周面から径方向、外方向に突出するようにしてハンド本体の先端に設けられた係止爪41を有している。この係止爪41は、回転体20が上記ノブ101に当たっている状態で、ノブ101とドア100との間に挿入され、ノブ101の裏面に係止される。上記ラッチ解除後に、係止爪41がノブ101に係止された状態でロボットハンド1を後退させることにより、ドア100を開くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットのアームの先端に設けられドアを開くために用いられるハンドと、このハンドを装備したロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
建造物等のドアは、閉じ状態を維持するためラッチ機構を備えているものが多い。このラッチ機構は、ドアの側縁から突出するラッチ部を、建造物の開口の側縁(ドアヒンジと反対側の側縁)に形成された凹部に挿入することにより、ドアをラッチ状態(施錠状態)にする。
【0003】
上記ラッチ機構は、ドアに設けられたノブやレバーと連動するようになっており、ノブやレバーを回すことによりラッチ部が後退しラッチ状態が解除される。上記ノブやレバーの回動操作は人が部屋を出入りする際に行う。
【0004】
例えば、建造物内で事故が発生し、有毒ガスが充満しているような環境で、ロボットにより探査を行う場合、上記のようにラッチ機構付きドアがあると、ロボットが部屋の中に進むことができない。
【0005】
そこで、特許文献1の図32に示すロボットは、そのアーム先端のハンドに一対のノブ回しリングを設け、これらリングをノブに当てて同期回転させることにより、ノブをラッチ解除方向に回すようにしている。
【特許文献1】特許3645460号公報(段落023、図32)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のロボットハンドは、ノブ回し構造だけでは、ラッチ解除後にドアを手前に引いて開くことができない。そのため、このロボットハンドはドアを吸着する手段を備えている。しかし、このような吸着手段はロボットハンドの大型化を招く。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は ノブ付きドアを開くために用いられるロボットハンドにおいて、
(ア)ハンド本体と、
(イ)上記ハンド本体に回転可能に支持され、外周面が上記ノブの外周面に当てられる回転体と、
(ウ)上記ハンド本体に支持され、上記回転体を上記ノブに当てた状態で回転させることにより、上記ノブを、ドアのラッチ状態を解除する方向に回転させる回転駆動手段と、
(エ)上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられ、上記回転体が上記ノブに当たっている状態で、上記ノブとドアとの間に挿入され、ノブの裏面に係止される係止爪と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、回転体と係止爪の簡単な組み合わせにより、ノブを回して引くことが可能となり、ひいてはドアを引いて開けることが可能となる。
【0009】
本発明のロボットハンドは、レバー付きドアを開くためにも用いられる。この場合、上記回転体が上記レバーを押すことにより、上記レバーを、ドアのラッチ状態を解除する方向に回動させるようになっており、上記回転体が上記レバーに当たっている状態で、上記係止爪、または上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられた他の係止爪が、上記レバーとドアとの間に挿入され、レバーの裏面に係止される。
このように、構造を変えないか、または係止爪を追加するだけで、ノブ付きドアのみならずレバー付きドアを開くことができる。
【0010】
好ましくは、さらに引戸式ドアを開くためにも用いられ、上記ハンド本体の先端には、上記係止爪から離れた位置に、前方に向かって突出する他の係止爪が設けられ、当該他の係止爪が上記引戸式ドアの凹または凸をなす係止部に係止される。
これによれば、引戸式ドアを開く場合にも兼用できる。
【0011】
好ましくは、上記ハンド本体は、支持筒と、この支持筒の先端に設けた支持板とを含み、上記支持筒の外周に上記回転体としての回転筒がベアリングを介して支持され、上記支持板の外周に上記係止爪が設けられている。
これによれば、ロボットハンドの構造を簡略化することができる。
【0012】
さらに本発明は、走行体と、走行体に設けられたアームと、このアームの先端に設けられた上記ドア開き用ロボットハンドとを備えたロボットにおいて、上記アームを駆動させて上記ロボットハンドをドアに沿って変位させることにより、上記回転体を上記ドアのノブに当てるとともに上記係止爪を上記ノブとドアとの間に挿入させる変位手段と、上記ノブの回動によりラッチ状態を解除した後で、上記走行体とアームの少なくともいずれか一方を駆動させて上記ロボットハンドを後退させることにより、上記係止爪を上記ノブの裏面に係止させた状態で上記ノブを引き、これによりドアの開き動作を行う後退手段と、を備えている。
このロボットによれば、ノブ付きドアの開き動作を円滑に行うことができる。
【0013】
好ましくは、さらにレバー付きドアを開くためにも用いられ、上記変位手段は、上記ロボットハンドをドアに沿って変位させることにより、上記回転体で上記レバーを押して、ラッチ状態を解除する方向に回すとともに、上記係止爪、または上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられた他の係止爪を上記レバーとドアの間に挿入させ、上記後退手段は、上記レバーの回動によりラッチ状態を解除した後、上記係止爪を上記レバーの裏面に係止させた状態で上記ロボットハンドを後退させることにより、上記係止爪を上記レバーの裏面に係止させた状態で上記レバーを引き、これによりドアの開き動作を行う。
このロボットによれば、ノブ付きドアおよびレバー付きドアの開き動作を円滑に行うことができる。
好ましくは、さらに引戸式ドアを開くためにも用いられ、上記ハンド本体の先端には、上記係止爪から離れた位置に、前方に向かって突出する他の係止爪が設けられ、当該他の係止爪が上記引戸式ドアの凹または凸をなす係止部に係止された状態で、上記走行体を引戸式ドアの軌道に沿って移動させることにより、引戸式ドアを開く。
このロボットによれば、引戸式ドアの開き動作をも行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な構造でありながらノブ付きドアを開くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係わるロボットの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、ドア開き用ロボットハンド1を示す。
このロボットハンド1は、ハンド本体10と、このハンド本体10に設けられた回転筒20(回転体)と、ハンド本体10に設けられ回転筒20を回転駆動するモータ30(回転駆動手段)と、第1、第2、第3の係止爪41、42,43とを主たる構成要素として備えている。
【0016】
上記ハンド本体10は、同軸上に設けられた支持筒11と、円盤形状の第1、第2支持板12,13とを有している。
第1支持板12は、支持筒11の前端に固定され支持筒11の前端開口を塞いでいる。第2支持板13は第1支持板12の前面中央に形成された突起12aに固定され、第1支持板12と離間して平行をなしている。
【0017】
上記回転筒20は、金属製の内筒21と、この内筒21の外周に取り付けられたエラストマー製の外筒22とを有しており、ベアリング23を介して上記支持筒11の外周に回転可能に支持されている。なお、この外筒22の材質は、スポンジやゲル等であってもよく、後述のようにロボットAによる押し付け力で適度に変形して、ノブ101に密着することができ、回転時に摩擦によりノブ101を回転させられる全ての材質を用いることができる。
【0018】
上記モータ30は第1支持板12に固定されて支持筒11内に収容されており、その駆動力が、支持板12,13間の間隙に配置されたギア列35を介して回転筒20に伝達されるようになっている。具体的にはモータ30の出力軸が第1支持板12を貫通し、その先端にピニオン36が固定され、このピニオン36に噛み合うインナーギア37が、回転筒20の内筒21の前端に固定されている。
【0019】
上記係止爪41〜43は、第2支持板13の外周に間隔をおいて形成されており、第1係止爪41は上側に、第2係止爪42は下側に位置し、第3係止爪43は係止爪41,42から90°離れて横に位置している。なお、これら係止爪41〜43の角度間隔は90°に制約されるものではない。例えば、第2係止爪42を後述するレバー201の押し下げ位置でレバー201と直角にするようにした場合、第3係止爪43は第2係止爪42に対して90°以上となる。
【0020】
上記係止爪41〜43は、ハンド本体10の先端、換言すれば回転筒20の先端側(前方)に設けられており、回転筒20の外周面より径方向、外方向に突出している。
【0021】
図3に示すように、第1係止爪41の上縁41a(係合縁)は凹曲線をなすように湾曲している。
図2に示すように、第3係止部43は鉤状をなしており、回転筒20の軸線と平行をなして前方に突出している。
【0022】
上記構成をなすハンド1は、図4に概略的に示すロボットAに装備される。詳述すると、このロボットAは、クローラ50(走行体)と、このクローラ50に装備されたアーム60とを有している。
【0023】
アーム60は、クローラ50に垂直に起立した状態で設けられた第1アーム61と、この垂直アーム61の上端に上下方向に首降り可能に設けられた第2アーム62とを有している。
【0024】
図1に示すように上記ハンド1の支持筒11の後端部は拡径されており、この後端部に上記第2アーム62の先端部が嵌め込まれ固定されている。
【0025】
上記クローラ50には、第1アーム61を垂直軸を中心にして回転する回動駆動手段と、第1アーム61を昇降させる昇降手段とを含む第1駆動手段65が設けられている。
さらに、上記第1アーム61と第2アーム62の連結節には、第2アーム62を上下方向に回動する第2駆動手段66(変位手段)が設けられている。
【0026】
上記クローラ50は左右の走行部が独立したモータにより駆動されるようになっており、前進、後退のみならず、超進地旋回(位置を殆ど変えずに向きを変える)等を行うことができる。
【0027】
図示しないが、上記ロボットAのクローラ50には、ビデオカメラや各種センサが搭載されるとともに、通信機が搭載されている。この通信機と遠隔制御装置の通信機との間での通信により、上記クローラ50のモータ、上記駆動手段65,66のモータ、ハンド1のモータ30が、遠隔制御されるようになっており、ビデオカメラの映像信号や各種センサの検出信号が遠隔制御装置へと送られるようになっている。
なお、上記ロボットAと遠隔制御装置との間の通信は、無線通信、光ファイバー等による有線通信のいずれであってもよい。
【0028】
上記構成をなすロボットAの作用について、特にハンド1の作用を中心にして説明する。最初にノブ101付きのドア100を開ける作用について、図4〜図11を参照しながら説明する。
【0029】
上記ノブ101は、ドア100と直交して突出する軸部102を介して、ラッチ機構に連携されており、人が握り易いように断面円形をなしている。このノブ101を反時計回りに回すことによりラッチ状態を解除するようになっている。なお、このラッチ機構は周知であるので説明を省略する。
【0030】
図4に示すように、クローラ50を前進駆動させることにより、ロボットAを閉じ状態のドア100に近づける。図5に示すように、ロボットAがドア100に近づく前に、第2駆動手段66を駆動させて第2アーム62を水平姿勢より下方に回動させる。なお、第2アーム62は予め下方に回動させておいてもよい。
【0031】
上記第2アーム62を下向き姿勢にしたまま、さらにロボットAを前進させることにより、図5、図9に示すように、ハンド1の回転筒20をノブ101のほぼ真下に位置させる。
【0032】
次に上記第2駆動手段66を駆動して、第2アーム63を上向きに回動させる。これにより、ハンド1がドア1に沿って上方に変位し、図6に示すようにハンド1の回転体20の外周面がノブ101の外周面に当たる。
このように回転体20がノブ101に押し当たった状態で、第1係止爪41はノブ101とドア100との間に挿入される(ノブ101の裏側に配される)。
【0033】
次に、図7、図10に示すように、モータ30を駆動させることにより、ノブ101を反時計回りに回動させる。これにより、ラッチ状態が解除される。
【0034】
次に、図8、図11に示すように、クローラ50を後退させる。これによってハンド1も後退させられる。この際、ハンド1の第1係止爪41がノブ101の裏面に係止されるので、ノブ101が引かれ、ドア100が手前に開かれる。このクローラ50を後退させる手段は、ハンド1の後退手段を構成する。
【0035】
ドア100を十分に開いた後、ハンド1でノブ101を保持してドア100の開き状態を維持したまま、このドア100を回り込むようにクローラ50を制御することにより、ロボットAは部屋に入ることができる。
【0036】
次に、レバー201付きのドア200を開ける場合について、図12〜14を参照しながら説明する。なお、レバー201はドア200と直交する軸部202を介してラッチ機構に連携されている。レバー201は、ドア200と平行にほぼ水平に延びている。このレバー201を下に向かって回動させることにより、ラッチ状態が解除されるようになっている。
【0037】
第2アーム62を上方に回動させた状態でロボットAをドア200に向かって前進させ、図13に示すように回転筒20をレバー201の真上に位置させる。この状態で、図12、図14に示すように、第2駆動手段66を駆動させて第2アーム62を下方に回動させることにより、ハンド1をドア200に沿って下方に変位させる。これにより、回転筒20がレバー201に当たり下方に押し下げる。その結果、ドア200のラッチ状態が解除される。
【0038】
上記のように回転筒20によりレバー201を押し下げた状態では、第2係止爪42がレバー201とドア200との間に挿入され、レバー201の裏側に位置している。そのため、上記ラッチ解錠後にロボットAを後退させると、第2係止爪42がレバー201の裏面に引っ掛かり、これによりドア200が開かれる。
【0039】
次に、引戸式のドア300を開ける場合について図15〜図17を参照しながら説明する。このドア300は、その側縁近傍に人の手指が入る凹部301(係止部)を有している。
【0040】
まず図15に示すように、ロボットAをドア300に向けて前進させ、第3係止爪43を凹部301に挿入する。
【0041】
次に、図16に示すようにクローラ50を超進地旋回させる。この際、アーム62がドア300に対してほぼ直交した状態を保つように、第1駆動手段65は第1アーム61をクローラ50に対してクローラ50の旋回方向と逆方向に回動させる。これにより、第3係止爪43は凹部301に挿入された状態を維持される。
【0042】
上記超進地旋回によりクローラ50がドア300と平行になった後で、図17に示すようにクローラ50をドア300の軌道に沿って前進させる。これにより、ドア300が開かれる。
【0043】
なお、引戸式ドア300の場合、図18に示すように、ドア300に対して斜め方向から前進して第3係止爪43をドア300の凹部301に挿入するようにし、そのまま前進してドア300を開くようにしてもよい。なお、この斜め方向の前進も、特許請求の範囲におけるドア300の軌道に沿う走行とする。
本実施形態では、引戸式ドア300の係止部が凸部であっても、この凸部に上記第3係止爪43を係止させることにより、上記と同様にしてドア300を開くことができる。
また、フック状の回転鈎を用いて建物の開口側縁の突起に施錠するドアの場合には、第3係止爪43で回転鈎を引っ掛けて回すことにより、解錠することができ、ロッド状ラッチをドアにスライド可能に取り付ける場合にも、第3係止爪43でこのロッド状ラッチを移動させて、解錠することができる。
このように、本実施形態によれば殆どのドアを開けることができる。
【0044】
図19は、ハンド1の他の態様を示す。この実施形態では、第3係止爪43が一対設けられ、互いに接近離間するように移動されるようになっている。これにより一対の係止爪43で物をつかむ等の軽作業を行うことができる。また、ハンド1全体は、ロボットの先端において回転筒20と同軸をなして回動されるようになっている。他の構成は最初の実施形態と同じである。
【0045】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の態様を採用可能である。
上記実施形態では、第1駆動手段65の昇降手段は、ノブ101やレバー201や凹部301に対してハンド1の位置調節(高さ調節)を行うために装備されたが、第2アームが首降り可能であるので、省略することができる。
【0046】
なお、第2駆動手段66は省略してもよい。この場合、第1駆動手段65の昇降手段が、ハンド1をドアに沿って変位させる手段として提供される。
【0047】
ノブ付ドアを開く場合に、ロボットハンドをドアに沿って下方に変位させる場合には、下側に設けた係止爪が、ノブ付きドアとレバー付ドアのための係止爪を兼用することができる。
【0048】
ロボットハンドをノブに対して横方向(左右方向)から近づけるように変位させてもよい。この場合、第1係止爪はロボットハンドの左右いずれかに設けられる。
【0049】
ロボットハンド全体をアームに対して回転させる場合にも第1、第2係止爪を1つの係止爪で兼用することができる。
【0050】
多軸アームを用いる場合には、ロボットハンドの後退を、走行体の後退によらずにアーム駆動により行ってもよいし、アーム駆動と走行体の後退により行ってもよい。
【0051】
走行体はクローラの代わりにタイヤ式のものを用いてもよい。
ドアは建造物以外のドアであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態をなすドア開き用ロボットハンドの縦断面図である。
【図2】同ハンドの平面図である。
【図3】同ハンドを先端側から見た正面図である。
【図4】同ハンドを装備したロボットとノブ付きドアを互いに離れた状態で示す概略図である。
【図5】同ハンドをノブ付きドアに近づけた状態を示す概略図である。
【図6】同ハンドの回転筒をドアのノブに当てた状態を示す概略図である。
【図7】同ハンドの回転筒を回してドアのノブを回し、ラッチ解除している状態を示す概略図である。
【図8】同ハンドの係止爪をノブに引っ掛けてロボットを後退させることにより、ドアを開こうとしている状態を示す概略図である。
【図9】同ハンドの回転筒がドアのノブの真下にある状態を示す拡大側面図である。
【図10】同ハンドの回転筒を回してドアのノブを回している状態を示す拡大側面図である。
【図11】同ハンドの係止爪をノブに引っ掛けてドアを開こうとしている状態を示す拡大側面図である。
【図12】同ロボットによりレバー付きドアを開けようとしている状態を示す概略図である。
【図13】同ハンドをドアのレバーの上方に位置させた状態を示すものであり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図14】同ハンドによりドアのレバーを回してラッチ解除し、ドアを開こうとしている状態を示すもので、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図15】同ロボットと引戸式ドアを互いに離れた状態で示す概略平面図である。
【図16】同ロボットのハンドの係止爪を引戸式ドアの凹部に挿入した状態で超進地旋回している状態を示す概略平面図である。
【図17】同ロボットのクローラを引戸式ドアと平行にして前進させることにより、ドアを開けようとしている状態を示す概略平面図である。
【図18】同ロボットによる引戸式ドアの他の開け方を示す概略平面図である。
【図19】本発明の他の実施形態をなすロボットハンドの正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ハンド
10 ハンド本体
11 支持筒
13 支持板
20 回転筒(回転体)
23 ベアリング
30 モータ(回転駆動手段)
41 第1係止爪
42 第2係止爪
43 第3係止爪
50 クローラ(走行体)
60 アーム
65 第2駆動手段(変位手段)
100,200,300 ドア
101 ノブ
201 レバー
301 凹部(係止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノブ付きドアを開くために用いられるロボットハンドにおいて、
(ア)ハンド本体と、
(イ)上記ハンド本体に回転可能に支持され、外周面が上記ノブの外周面に当てられる回転体と、
(ウ)上記ハンド本体に支持され、上記回転体を上記ノブに当てた状態で回転させることにより、上記ノブを、ドアのラッチ状態を解除する方向に回転させる回転駆動手段と、
(エ)上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられ、上記回転体が上記ノブに当たっている状態で、上記ノブとドアとの間に挿入され、ノブの裏面に係止される係止爪と、
を備えたことを特徴とするドア開き用ロボットハンド。
【請求項2】
さらにレバー付きドアを開くためにも用いられ、上記回転体が上記レバーを押すことにより、上記レバーを、ドアのラッチ状態を解除する方向に回動させるようになっており、
上記回転体が上記レバーに当たっている状態で、上記係止爪、または上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられた他の係止爪が、上記レバーとドアとの間に挿入され、レバーの裏面に係止されることを特徴とする請求項1に記載のドア開き用ロボットハンド。
【請求項3】
さらに引戸式ドアを開くためにも用いられ、上記ハンド本体の先端には、上記係止爪から離れた位置に、前方に向かって突出する他の係止爪が設けられ、当該他の係止爪が上記引戸式ドアの凹または凸をなす係止部に係止されることを特徴とする請求項1または2に記載のドア開き用ロボットハンド。
【請求項4】
上記ハンド本体は、支持筒と、この支持筒の先端に設けた支持板とを含み、上記支持筒の外周に上記回転体としての回転筒がベアリングを介して支持され、上記支持板の外周に上記係止爪が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドア開き用ロボットハンド。
【請求項5】
走行体と、走行体に設けられたアームと、このアームの先端に設けられた請求項1に記載のドア開き用ロボットハンドとを備えたロボットにおいて、
上記アームを駆動させて上記ロボットハンドをドアに沿って変位させることにより、上記回転体を上記ドアのノブに当てるとともに上記係止爪を上記ノブとドアとの間に挿入させる変位手段と、
上記ノブの回動によりラッチ状態を解除した後で、上記走行体とアームの少なくともいずれか一方を駆動させて上記ロボットハンドを後退させることにより、上記係止爪を上記ノブの裏面に係止させた状態で上記ノブを引き、これによりドアの開き動作を行う後退手段と、
を備えたことを特徴とするロボット。
【請求項6】
さらにレバー付きドアを開くためにも用いられ、
上記変位手段は、上記ロボットハンドをドアに沿って変位させることにより、上記回転体で上記レバーを押して、ラッチ状態を解除する方向に回すとともに、上記係止爪、または上記回転体の外周面から径方向、外方向に突出するようにして上記ハンド本体の先端に設けられた他の係止爪を上記レバーとドアの間に挿入させ、
上記後退手段は、上記レバーの回動によりラッチ状態を解除した後、上記係止爪を上記レバーの裏面に係止させた状態で上記ロボットハンドを後退させることにより、上記係止爪を上記レバーの裏面に係止させた状態で上記レバーを引き、これによりドアの開き動作を行うことを特徴とする特徴とする請求項5に記載のロボット。
【請求項7】
さらに引戸式ドアを開くためにも用いられ、上記ハンド本体の先端には、上記係止爪から離れた位置に、前方に向かって突出する他の係止爪が設けられ、当該他の係止爪が上記引戸式ドアの凹または凸をなす係止部に係止された状態で、上記走行体を引戸式ドアの軌道に沿って移動させることにより、引戸式ドアを開くことを特徴とする請求項5または6に記載のロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−18371(P2009−18371A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182164(P2007−182164)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000110251)トピー工業株式会社 (255)
【Fターム(参考)】