説明

ドライブレコーダの録画画質設定方法及びその装置

【課題】画像の画質に応じたデータ量についての詳細な知識を持たないユーザであっても、ドライブレコーダで撮影した画像をメモリに録画するのに適切な画質を容易に設定できるようにすること。
【解決手段】ドライブレコーダ3のリーダライタ38によるカードCへのデータ転送レートを平易な値(例えば、100)の基準値に換算し、各カメラ35a〜35nで撮影する動画のフレームレートや静止画画質に対応するデータ転送レートの値を、基準値に対する相対値に換算する。そして、各カメラ35a〜35nに対応して設定した画質(静止画画質、フレームレート)に対応する相対値の合計が基準以下であるか否かを示すメッセージを、ドライブレコーダ解析ユニット1のディスプレイ13に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に衝撃が加えられた際に、このときの車両周囲の映像、音声、走行速度等の車両の走行に関する各種の情報を記録するために、ドライブレコーダが提案され実用に供されている。ドライブレコーダを用いることにより、例えば車両が衝突事故を起こした場合に、この衝突の前後の情報が記録保存されるので、事故原因の解析等に役立てることができる。
【0003】
従来におけるドライブレコーダとして、例えば特開2005−165805号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。該特許文献1では、車両の運転状況の画像をメモリに記憶し、また、加速度センサで検出される加速度が所定値を超えた場合に、この時刻の前後の画像もメモリに記憶している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−165805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドライブレコーダにおいて撮影しメモリに記憶した画像は、車両の運行終了後等の必要時に、パーソナルコンピュータ等にインストールされた解析プログラムを用いて再生される。このため、ドライブレコーダのメモリには、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)カードのような可搬型の記録媒体が用いられる。
【0006】
可搬型の記録媒体は内蔵メモリに比べてアクセス速度が遅く、データの書き込み速度(データ転送レート)に限界がある。したがって、データ転送レートの上限を超えないように運行中の画像情報を可搬型の記憶媒体に漏らさず記憶させるためには、画像をどのような画質で録画するかの設定が非常に重要となる。
【0007】
ドライブレコーダで録画する画像の画質設定は、ドライブレコーダ側で行うこともでき、解析プログラムをインストールしたパーソナルコンピュータ等の側で、可搬型の記憶媒体に設定内容を書き込むことで行うこともできる。そのいずれの場合にも、適切な画質に設定するには、静止画画質(VGA、HVGA、QVGA等の画像サイズ)に対応するビットレートを考慮し、かつ、動画のフレームレートを考慮する必要がある。
【0008】
しかし、ドライブレコーダのユーザが、ビットレートやフレームレートの十分な知識を有しているとは限らず、そのような知識があることを前提にした画質設定のメニューでは、ユーザにとって使い勝手のよいものとは言い難い。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、画像の画質に応じたデータ量についての詳細な知識を持たないユーザであっても、ドライブレコーダで撮影した画像をメモリに録画するのに適切な画質を容易に設定することができる録画画質設定方法と、この方法を実施する際に用いて好適な録画画質設定装置とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定方法は、
車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する方法であって、
前記画像の画質毎の単位時間当たりのデータ量を、前記メモリへのデータ転送レートに応じた基準値に換算した場合の該基準値に対する相対値にそれぞれ変換し、
前記相対値が前記基準値以内となるように、前記画質を設定するようにした、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項2に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置は、
車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する装置であって、
前記画像の画質毎の単位時間当たりのデータ量を、前記メモリへのデータ転送レートに応じた基準値に換算した場合の該基準値に対する相対値にそれぞれ換算して記憶する換算テーブル記憶手段と、
前記画像の画質を指定する画質指定手段と、
前記画質指定手段により指定した画質に対応して前記換算テーブル記憶手段に記憶されている前記相対値を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出値と前記基準値との大小関係に応じた内容のガイダンスメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
前記メッセージ生成手段が生成した前記ガイダンスメッセージをディスプレイに表示させる表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定方法と、請求項2に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置とによれば、画像の画質毎の単位時間当たりのデータ量を、メモリへのデータ転送レートから換算した基準値に対する相対値で表現する。
【0013】
ここで、基準値を例えば10や100といった平易な値に設定すれば、設定した画質で所定時間の画像をメモリに録画した場合に、相対値が基準値以下であるか否かによって、適切な画質に設定されているかどうかを容易に確認できるようになる。
【0014】
このため、画像の画質に応じたデータ量についての詳細な知識を持たないユーザであっても、ドライブレコーダで撮影した画像をメモリに録画するのに適切な画質を容易に設定することができる。
【0015】
また、請求項3に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置は、請求項2に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置において、前記画質指定手段が、前記ドライブレコーダが有する複数のカメラにそれぞれ対応する各画像の画質を個別に指定するように構成されており、前記メッセージ生成手段が、前記各カメラに対応する各画像についての前記検出手段の各検出値の合計値と前記基準値との大小関係に応じた内容の前記ガイダンスメッセージを生成することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置によれば、請求項2に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置において、複数のカメラによる画像の画質を個別に設定しても、各カメラの画像の画質に対応したデータ量の合計を、基準値に対する相対値に基づいた合計値によって把握することができる。このため、合計値と基準値との大小関係を示すガイダンスメッセージによって、各カメラによる画像の画質が適切に設定されているかどうかを容易に確認させ、適切な画質にそれぞれ容易に設定することができる。
【0017】
さらに、請求項4に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置は、請求項2又は3に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置において、前記画質指定手段が、前記ドライブレコーダが複数のモードにおいてそれぞれ録画する各画像の画質を個別に指定するように構成されており、前記メッセージ生成手段が、前記各モードに対応する各画像についての前記検出手段の各検出値の合計値と前記基準値との大小関係に応じた内容の前記ガイダンスメッセージを生成することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置によれば、請求項2又は3に記載した本発明のドライブレコーダの録画画質設定装置において、各モードにおいてメモリに録画する画像の画質を個別に設定しても、各モードで録画する画像の画質に対応したデータ量の合計を、基準値に対する相対値に基づいた合計値によって把握することができる。このため、合計と基準値との大小関係を示すガイダンスメッセージによって、各モードで録画する画像の画質が適切に設定されているかどうかを容易に確認させ、適切な画質にそれぞれ容易に設定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のドライブレコーダの録画画質設定方法及びその装置によれば、画像の画質に応じたデータ量についての詳細な知識を持たないユーザであっても、ドライブレコーダで撮影した画像をメモリに録画するのに適切な画質を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の録画画質設定方法を適用した録画画質設定装置を含む本発明の一実施形態に係るドライブレコーダシステムの概略構成図である。
【図2】図1に示すドライブレコーダの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すドライブレコーダ解析ユニットのディスプレイに表示される画質設定画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示すドライブレコーダ解析ユニットにおいて設定可能なドライブレコーダの録画画像の画質を示すもので、(a)は常時記録モードで設定可能な画質を示す説明図、(b)はトリガ画像記録モードで設定可能な画質を示す説明図である。
【図5】図1に示すドライブレコーダ解析ユニットにおいて設定可能なドライブレコーダの録画画像の画質とデータ転送レート(ビットレート)との関係を画質別にそれぞれ実際の数値で示すもので、(a)は常時記録モードの場合を示す説明図、(b)はトリガ画像記録モードの場合を画面サイズ(画面解像度)別に示す説明図である。
【図6】図1に示すドライブレコーダ解析ユニットにおいて設定可能なドライブレコーダの録画画像の画質とデータ転送レート(ビットレート)との関係を画質別にそれぞれメモリ容量を基準とした換算値で示すもので、(a)は常時記録モードの場合を示す説明図、(b)はトリガ画像記録モードの場合を画面サイズ(画面解像度)別に示す説明図である。
【図7】(a),(b)は図3に示す画質設定画面のガイダンスメッセージ部分を拡大して示す説明図である。
【図8】図1に示すドライブレコーダ解析ユニットのパーソナルコンピュータのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって実行する画質設定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による録画画質設定方法を適用した録画画質設定装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は本発明の録画画質設定方法を適用した録画画質設定装置を含む本発明の一実施形態に係るドライブレコーダシステムの概略構成図である。図1に示すドライブレコーダシステムは、ドライブレコーダ解析ユニット1とドライブレコーダ3とを有している。
【0023】
ドライブレコーダ解析ユニット1は、ドライブレコーダ3を搭載する車両(図示せず)を管理する営業所等に設置される。ドライブレコーダ解析ユニット1は、キーボード11及びディスプレイ13を有するパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略記する。)10と、パソコン10に接続したプリンタ15及びリーダライタ17とを有している。
【0024】
パソコン10は、CPU、RAM、ROM、及び、ハードディスク等(いずれも図示せず)を内蔵しており、ハードディスクには画像再生解析プログラムがインストールされている。
【0025】
この画像再生解析プログラムは、ドライブレコーダ3の後述するカメラ35a〜35nにより撮影してSDメモリーカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の可搬型メモリカード(以下、「カード」と略記する。)Cに録画した画像を、パソコン10で再生したり解析するためのソフトウェアである。
【0026】
また、画像再生解析プログラムには、カードC(請求項中のメモリに相当)をフォーマットするプログラムや、カメラ35a〜35nを用いてドライブレコーダ3により画像を録画する際の画質を設定してカードCの専用領域に書き込むプログラムが含まれている。
【0027】
プリンタ15は、パソコン10で行った設定や解析の内容等をプリントアウトする際に用いられる。リーダライタ17は、カードスロット17aから挿入したカードCに対するデータの書き込み及び読み出しを、パソコン10のCPUの制御によって行う。
【0028】
ドライブレコーダ3は、例えば不図示の車両のフロントガラスに取り付けられる。ドライブレコーダ3の本体はカメラ35aを内蔵しており、また、外付けのカメラ35b〜35nを有している。
【0029】
図2のブロック図に示すように、ドライブレコーダ3は、本体に内蔵されたCPU31、ROM32、RAM33、メモリ34、カメラ35a〜35nのインタフェース(I/F)35i、カードCに対するデータの書き込み及び読み出し用のリーダライタ38、及び、外部接続用のインタフェース部39を有している。このインタフェース部39には、車両の車速センサ41等が接続される。
【0030】
また、ドライブレコーダ3は、各カメラ35a〜35nにそれぞれ対応する加速度センサ37a〜37nを有している。カメラ35aに対応する加速度センサ37aは本体に内装され、他の加速度センサ37b〜37nは、対応する外付けの各カメラ35b〜35nの設置箇所にそれぞれ配置される。
【0031】
ドライブレコーダ3のCPU31は、ROM32に格納されたプログラムにしたがって、カメラ35a〜35nが撮影する画像を、SRAM等で構成されるメモリ34を用いて一旦録画する。そして、本体のカードスロット38a(図1参照)からリーダライタ38に挿入されたカードCにダウンロードし書き込む。
【0032】
カードCに画像を録画するモードは2つある。一つは常時記録モードであり、リーダライタ38にカードCが装填されている間、あるいは、車両の運行開始及び終了の指示がインタフェース部39を介して外部機器(図示せず)からCPU31に入力される間、比較的低い画質で長時間画像を録画するモードである。
【0033】
もう一つはトリガ記録モードであり、加速度センサ37a〜37nによる一定値以上の加速度検出時や、車速センサ41から入力される車速の一定速度以上の変化、インタフェース部39に接続された不図示の外部機器から荷台ドア開閉や作業開始等の指示が入力された際に、そのトリガ時点の前後一定時間について、比較的高い画質で短時間画像を録画するモードである。
【0034】
ドライブレコーダ3のCPU31は、カードCの専用領域からリーダライタ38が読み出した画質設定情報に基づいて、常時記録モードやトリガ記録モードでカメラ35a〜35nが撮影した画像をそれぞれ設定された画質でカードCに録画する。
【0035】
次に、図1に示すドライブレコーダ解析ユニット1のパソコン10がリーダライタ17に装填したカードCの専用領域に書き込む画質設定情報の設定について、図3の説明図を参照して説明する。
【0036】
図3に示す画質設定画面は、パソコン10で画質設定に関するプログラムを起動することでディスプレイ13に表示される。この画質設定画面では、ドライブレコーダ3のカメラ35a〜35n(図3では5つのカメラ35a〜35eの場合を示している)について、常時記録モードとトリガ記録モードにおける各カメラ35a〜35eの画質を、キーボード11や不図示のマウス等を用いて設定することができる。
【0037】
画質設定画面の中段には、常時記録モードの画質設定メニューが表示される。具体的には、5つのカメラ35a〜35eのそれぞれについて、図4(a)に示す7段階の静止画画質(標準、標準+、高画質、高画質+、超高画質、超高画質+、超超高画質)と、6段階の動画フレームレート(1、2、5、10,15、30fps)とを、プルダウンメニューを用いて画質として設定することができる。
【0038】
また、画質設定画面の下段には、トリガ記録モードの画質設定メニューが表示される。具体的には、図4(b)に示す3段階の静止画画質(標準、高画質、超高画質)と、6段階の動画フレームレート(1、2、5、10,15、30fps)とを、プルダウンメニューを用いて画質として設定することができる。さらに、トリガ記録モードについては、画質設定画面の上部にある画像サイズの選択ボックスで、画質の一部として、画像サイズ(画面解像度)を3段階(VGA、HVGA、QVGA)に設定することができる。
【0039】
なお、トリガ記録モードの画質設定メニューにおいては、トリガとなるイベントの発生時点の前後それぞれについて、どのくらいの時間に亘って動画をカードCに録画するかを、「トリガ前記録時間設定」及び「トリガ後記録時間設定」の各プルダウンメニューを用いて設定することができる。
【0040】
常時記録モードでは、各フレームレートの動画のデータ転送レート(ビットレート)が、7段階の静止画画質毎に、単位時間(この場合は1秒)当たりで図5(a)に示す数値となる。一方、トリガ記録モードでは、各画像サイズについて、各フレームレートの動画のデータ転送レート(ビットレート)が、3段階の静止画画質毎に、単位時間(この場合は1秒)当たりで図5(b)に示す数値となる。
【0041】
そこで、各カメラ35a〜35eについての各モードの画質(静止画画質、フレームレート、画像サイズ)を設定する際には、カードCの記憶容量と比較して、必要な記録時間(特に常時記録モードの記録時間)分の画像をカードCに録画できるように、画質を適切に設定する必要がある。しかし、仮にカードCの記憶容量(又は録画に使用できる有効記憶容量)が事前に分かっていても、図5(a),(b)に示すような動画のデータ転送レート(ビットレート)を実際の数値で認識しておくことは困難である。
【0042】
したがって、任意の画質を選んだ場合にその画質がカードCの記憶容量からして適切な設定内容であるかどうかや、不適切な場合にどのような画質を選ぶと適切な設定内容になるかを、判断するのは難しい。
【0043】
そこで、本実施形態のドライブレコーダ解析ユニット1では、常時記録モードとトリガ記録モードとのそれぞれについて、図6(a),(b)に示す換算テーブルを、パソコン10の不図示のハードディスクに記憶させている。この換算テーブルは、ドライブレコーダ3のリーダライタ38によるカードCへのデータ転送レート(ビットレート)を基準値(本実施形態では100)に換算し、各画質の単位時間当たりのデータ転送レート(ビットレート)を基準値(100)に対する相対値に換算して示すものである。
【0044】
したがって、本実施形態のドライブレコーダ解析ユニット1では、常時記録モードやトリガ記録モードの画質設定を行う際に、図3に示す画質設定画面の各メニューにおいて画質(静止画画質、フレームレート、画像サイズ)をプルダウンメニューを用いて設定すると、設定した画質のデータ転送レート(ビットレート)に対応する相対値が、「画質指数としてそれぞれのメニュー部分に表示される。
【0045】
そして、設定した各カメラ35a〜35eの画質に対応する相対値の合計値(常時記録モードとトリガ記録モードとの合計値)と、カードCへのデータ転送レートから換算した基準値(=100)との大小関係が、画質設定画面の下部に、ガイダンスメッセージMとして表示される。
【0046】
例えば、図7(a)に示すように、合計値が基準値以下である場合は、ガイダンスメッセージM中の「スロット1画質指数余裕度」の値が正の値となり、合計値が基準値(=100)以下である旨が、併せて表示される。
【0047】
一方、図7(b)に示すように、合計値が基準値を上回る場合は、ガイダンスメッセージM中の「スロット1画質指数余裕度」の値が負の値となり、合計値が基準値(=100)オーバーである旨と、「合計画質指数がマイナスにならないよう(静止画)画質とフレームレートの設定を見直して下さい。」とのメッセージとが、併せて表示される。
【0048】
このため、ユーザは、ガイダンスメッセージMの内容を見ることで、現在の画質設定が適切であるかどうかを容易に認識し、また、適切でない場合に画質設定の内容を変更した場合にも、その変更内容が適切であるかどうかを容易に認識することができる。
【0049】
次に、以上のような画質設定を可能とするパソコン10のCPUがROMのプログラムにしたがって実行する画質設定処理の手順を、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
まず、パソコン10のCPUは、図3の画質設定画面の各メニューにおいて、常時記録モードやトリガ記録モードにおける各カメラ35a〜35eの画質(静止画画質、フレームレート、画像サイズ)の設定が入力されたか否かを確認する(ステップS1)。設定が入力された場合は(ステップS1でYES)、入力された各モードにおける各カメラ35a〜35eの画質の設定内容に対応する相対値を、図6(a),(b)の換算テーブルからそれぞれ検出する(ステップS3)。
【0051】
次に、パソコン10のCPUは、ステップS3で検出した相対値の合計値が、カードCへのデータ転送レートから換算した基準値(=100)以下であるか否かを確認する(ステップS5)。基準値以下である場合は(ステップS5でYES)、パソコン10のCPUは、図7(a)に示すガイダンスメッセージMを生成する(ステップS7)。
【0052】
一方、ステップS3で検出した相対値の合計値が基準値以下で無い場合は(ステップS5でNO)、パソコン10のCPUは、図7(b)に示すガイダンスメッセージMを生成する(ステップS9)。
【0053】
そして、パソコン10のCPUは、ステップS7又はステップS9で生成したガイダンスメッセージMをディスプレイ13に表示させて(ステップS11)、一連の処理を終了し、次の周期でステップS1からの処理を再び行う。
【0054】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図8のフローチャート中のステップS1が、請求項中の画質指定手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図8中のステップS3が、請求項中の検出手段に対応する処理となっている。
【0055】
さらに、本実施形態では、図8中のステップS7及びステップS9が、請求項中のメッセージ生成手段に対応する処理となっている。また、本実施形態では、図8中のステップS11が、請求項中の表示手段に対応する処理となっている。
【0056】
さらに、本実施形態では、換算テーブルを記憶する不図示のハードディスクを有するパソコン10が、請求項中の換算テーブル記憶手段に相当している。また、本実施形態では、ドライブレコーダ解析ユニット1のディスプレイ13が、請求項中のディスプレイに相当している。
【0057】
以上に説明したように、本実施形態のドライブレコーダシステムによれば、ドライブレコーダ3のカメラ35a〜35nのリーダライタ38によるカードCへのデータ転送レートや、設定した画質に対応するデータ転送レートの実際の数値に関する知識が無くても、ドライブレコーダ解析ユニット1において、ドライブレコーダ3でカードCに録画する際の画質を、適切な内容に設定することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、画質の設定幅が異なる常時記録モード及びトリガ記録モードのそれぞれについて、各カメラ35a〜35nの撮影画像の画質をそれぞれ設定できる構成としたが、そのための構成は省略してもよい。また、本実施形態では、複数のカメラ35a〜35nのそれぞれについて、撮影画像の画質を設定できる構成としたが、そのための構成は省略してもよい。
【0059】
さらに、本実施形態では、ドライブレコーダ解析ユニット1において画質設定を行う場合について説明したが、ドライブレコーダ3で画質の設定内容を確認できるディスプレイを持たせることができれば、ドライブレコーダ3において画質設定を行う場合にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する際に用いて好適である。
【符号の説明】
【0061】
1 ドライブレコーダ解析ユニット
3 ドライブレコーダ
10 パーソナルコンピュータ(換算テーブル記憶手段、画質指定手段、検出手段、メッセージ生成手段、表示手段)
11 キーボード
13 ディスプレイ
15 プリンタ
17 リーダライタ
17a カードスロット
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 メモリ
35a〜35n カメラ
37a〜37n 加速度センサ
38 リーダライタ
38a カードスロット
39 インタフェース部
41 車速センサ
C 可搬型メモリカード(メモリ)
M ガイダンスメッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する方法であって、
前記画像の画質毎の単位時間当たりのデータ量を、前記メモリへのデータ転送レートに応じた基準値に換算した場合の該基準値に対する相対値にそれぞれ変換し、
前記相対値が前記基準値以内となるように、前記画質を設定するようにした、
ことを特徴とするドライブレコーダの録画画質設定方法。
【請求項2】
車両に搭載したドライブレコーダのメモリに録画する画像の画質を設定する装置であって、
前記画像の画質毎の単位時間当たりのデータ量を、前記メモリへのデータ転送レートに応じた基準値に換算した場合の該基準値に対する相対値にそれぞれ換算して記憶する換算テーブル記憶手段と、
前記画像の画質を指定する画質指定手段と、
前記画質指定手段により指定した画質に対応して前記換算テーブル記憶手段に記憶されている前記相対値を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出値と前記基準値との大小関係に応じた内容のガイダンスメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
前記メッセージ生成手段が生成した前記ガイダンスメッセージをディスプレイに表示させる表示手段と、
を備えることを特徴とするドライブレコーダの録画画質設定装置。
【請求項3】
前記画質指定手段は、前記ドライブレコーダが有する複数のカメラにそれぞれ対応する各画像の画質を個別に指定するように構成されており、前記メッセージ生成手段は、前記各カメラに対応する各画像についての前記検出手段の各検出値の合計値と前記基準値との大小関係に応じた内容の前記ガイダンスメッセージを生成することを特徴とする請求項2記載のドライブレコーダの録画画質設定装置。
【請求項4】
前記画質指定手段は、前記ドライブレコーダが複数のモードにおいてそれぞれ録画する各画像の画質を個別に指定するように構成されており、前記メッセージ生成手段は、前記各モードに対応する各画像についての前記検出手段の各検出値の合計値と前記基準値との大小関係に応じた内容の前記ガイダンスメッセージを生成することを特徴とする請求項2又は3記載のドライブレコーダの録画画質設定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−194785(P2012−194785A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58286(P2011−58286)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】