説明

ドープされた窒化アルミニウム結晶及びそれを製造する方法

【課題】高濃度のドーパントを含有し、高い導電率及び移動度を有し且つ大きなスケールのAlN又はAlGaN結晶を製造する方法を提供する。
【解決手段】複数の不純物種を含む混晶を形成し、その混晶の少なくとも一部中において、1つの不純物種を電気的に活性化させる。混晶の形成には、多結晶ソースを用いた昇華−再凝縮法を利用する。その際、複数の不純物種を含むソース化合物を多結晶ソースに含有させるか、又はソース化合物のガス前駆体を蒸気混合物に導入することによって行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドープされた窒化アルミニウム結晶及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の参照
本出願は、2005年12月2日付け出願の米国特許仮出願第60/741701号に基づく利益及び優先権を主張するものであり、その開示内容は、参照により本願に組み込まれる。
【0003】
政府の援助
本発明は、米国標準技術局(NIST)によって付された番号70NANB4H3051の下、米国政府の援助を受けてなされたものである。米国政府は、本発明に関する所定の権利を有する。
【0004】
背景技術
半導体材料は、広範囲で制御可能な光学的及び電気的特性、例えば導電率を示す。このような制御は、ドーパントの使用によって可能となるものである。ドーパントは、半導体材料の結晶格子中に導入される不純物であり、電子(負電荷)又は正孔(正電荷)のソースとして作用する。制御可能なドーピングによって、半導体装置、例えば発光ダイオード(LED)、レーザ及びトランジスタの広範囲での(適用性の広い)製造が可能となる。
【0005】
窒化物ベースの半導体材料、例えば窒化ガリウム(GaN)及び窒化アルミニウム(AlN)は、1つにはバンドギャップが広いことを理由として、技術的に極めて重要である。これらの材料の制御可能で且つ再現性のあるドーピングによって、短い波長で、つまり、青、紫の波長で、さらには紫外線の波長でも発光する発光デバイス、例えばLED及びレーザの製造が可能となる。さらに、n型及びp型の窒化物は、高出力及び/又は高温での応用に適するトランジスタの製造において使用することができる。n型半導体では、電子の濃度は、正孔の濃度よりもはるかに大きく、よって、主として電子がキャリアとなっており、導電率を支配している。一方、p型の半導体では、正孔が導電率を支配している。
【0006】
p型窒化物半導体材料を製作することは、一般に、難しいものであり、Al含有量の高いp型窒化アルミニウム(AlN)、又はAlGa1−xN合金の導電性結晶若しくはエピタキシャル層を得る場合には、特に課題も多い。AlNに炭素及び酸素を添加することによってAlNは青色となり、これは、赤で吸収があることを意味する(不純物を加えずに成長させた、N空孔によって青で吸収が起こる傾向がある、より典型的なAlNとは異なる)。いくつかの導電率の測定から、青色結晶がp型であり、他の製作物では、p型AlN製作の可能性については疑問があることが分かった。エネルギーバンドギャップに関し、AlNにおける大抵の置換型ドーパントからのアクセプタのレベルは、深いという傾向があり、これにより、高濃度のドーパントが使用されない場合には、相応の導電率レベルを達成するのが難しくなる。残念なことに、p型不純物の単原子の溶解性は低い傾向にあり、電荷補償空孔欠陥を形成する傾向が高い。
【0007】
いかなる場合でも、従来製造されてきたp型AlN材料のみでは、研究室レベルでの成長で得られる数ミリメートル(mm)のサイズの小さな結晶しか得られなかった。窒化物材料のN型ドーピングも困難である。よって、大型の導電性結晶の生成を成功させることが難しいことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6770135号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/822336号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】G. Schneider, L. J. Gauckler, and G. Petzow, J. Am. Ceram. Soc., Vol. 63, p.32 (1980)
【非特許文献2】C. Qui and R. Metselaar, J. Am. Ceram. Soc., Vol. 80, p. 2013 (1997)
【非特許文献3】Y. Larrere, et al., Int. Hautes Temp. Refract. Fr., Vol. 21, P. 3 (1984)
【非特許文献4】S. Y. Kuo and A. V. Virkar, J. Am. Ceram. Soc., Vol. 73, p.2640 (1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特にpドープ型の結晶について、高濃度のドーパントを含有し、高い導電率及び移動度を有し且つ大きなスケールのAlN又はAlGaN結晶を製造する方法、及びその方法により得られる導電性結晶を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、大きなスケールのドープされたAlN結晶形成を容易にするものである(例えば、いくつかの態様では、少なくとも1cmの直径を有する)。ドーパントは、n型及び/p型であってよく、電気的に活性化させた後、結晶は、市販のデバイスの形成を助成するに十分な導電率及び/又は移動度特性を示す。
【0012】
本発明によれば、アクセプタのレベルは、アルミニウム(Al)又は窒素(N)より1つ少ない電子を有する置換型不純物を導入することによって、完全な化学量論的AlN又はAlGaN格子内で得られる。電荷補償欠陥、例えばNアニオンサイトにおける正孔(Vと表す)又は過剰の電子を有する不純物は、避けるのが望ましいが、より一般には、その密度を低くするか又はより活性を小さくするかである。Al又はNと直径がほぼ同じである原子を使用して局所的な歪みを回避するために、ドーパントは、好ましくは、周期表の上部分から選択される。Alサイトのために選択されるものは、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)及び亜鉛(Zn)を含み、炭素(C)は、Nサイトのための1つの選択肢である。リチウム(Li)のような、Alより電子が2つ少ないドーパントも、p型AlN及びAlGaNの製作のために使用することができる。
【0013】
AlN及びAlGaNのp型ドーピングは、単一の置換型不純物、例えばBe、Mg、Zn、Li又はCをAlN格子内へ導入させることによって得ることができる。この一般的な方法は、モノドーピングと呼ばれる。典型的には、その後、不純物種を電気的に活性化させる結晶の処理が続く。
【0014】
したがって、第1の様相では、本発明は、ドープされたAlN結晶を形成する方法であって、AlN及び複数の不純物種を含む混晶を形成し、該混晶の少なくとも一部中で少なくとも1つの不純物種を電気的に活性化させることを含む方法に関する。一態様では、混晶は、電気的に活性化させるステップの前に、複数のウェハにスライシングされる。電気的に活性化させるステップの後、ドープされたAlN結晶は、室温で、約10−5Ω−1cm−1より大きな若しくは場合によっては約3×10−3Ω−1cm−1より大きな導電率及び/又は25cm−1−1より大きな移動度を有していてよい。
【0015】
本発明の態様は、以下の特徴を1つ以上有していてよい。電気的な活性化の前には、混晶は、室温で約10−2Ω−1cm−1を有していてよく、電気的な活性化の後、ドープされたAlN結晶はn型又はp型であってよい。複数の不純物種は、置換型ドーパント、例えばC、O、Be、Mg、Zn又はSiを含んでいてよい。複数の不純物種は、侵入型ドーパント、例えばLiであってよく、電気的な活性化のステップは、アニール、溶融金属への浸漬又は混晶の少なくとも一部に電圧を印加することのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。このようなステップによって、混晶の少なくとも一部から侵入型ドーパントの抽出が起こる。
【0016】
上記複数の不純物種は、少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタを含んでいてよい。一態様では、少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタは、カチオン格子サイトを占有している。少なくとも1つのドナーはSiを含み、少なくとも1つのアクセプタはBe、Mg又はZnを含む。別の態様では、少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタは、アニオン格子サイトを占有している。少なくとも1つのドナーはOを含み、少なくとも1つのアクセプタはCを含む。様々な態様で、電気的に活性化させるステップは、アニールを含む。
【0017】
別の様相では、本発明は、p型AlN結晶を形成する方法であって、AlN及び置換型不純物のソースを含む混晶を形成し、該置換型不純物の少なくとも一部を電気的に活性化させることを含む方法に関する。
【0018】
本発明の態様は、以下の特徴の1つ以上を含んでいてよい。置換型不純物のソースは、Beを含んでいてよい。置換型不純物の少なくとも一部を電気的に活性化させるステップは、BeをBeに変換することを含んでいてよく、混晶を、窒素雰囲気中で約100MPaより低い圧力及び約2300℃より低い温度に曝すことを含んでいてよい。別態様で又はそれに加えて、置換型不純物のソースは、Mg、Zn、LiN、BeO、BeSiN、LiBeN、BeC、BeSiN、MgSiN、LiSi、LiMgN又はLiZnNの少なくとも1つを含んでいてよい。
【0019】
さらに別の様相では、本発明は、少なくとも約0.1mmの厚み、少なくとも約1cmの直径及び室温で約10−5Ω−1cm−1より大きな導電率を有するドープされたAlN結晶に関する。導電率は、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きくてよい。AlN結晶は、室温で約25cm−1−1より大きな移動度を有していてよい。直径は、少なくとも約2cmであってよい。AlN結晶は、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントを含んでいてよい。
【0020】
さらに別の様相では、本発明は、室温で約25cm−1−1より大きな移動度を有するドープされたp型AlN結晶に関する。AlN結晶は、少なくとも、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントを含んでいてよい。
【0021】
本発明の別の様相は、少なくとも約0.1mmの厚み及び少なくとも約1cmの直径を有するドープされたn型単結晶AlN構造に関する。このAlN構造の移動度は、室温で約25cm−1−1より大きくてよい。AlN結晶は、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントを含んでいてよい。
【0022】
別の様相では、本発明は、少なくとも2mm×2mm×1mmの寸法を有し、室温で約10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有する、ドープされた単結晶AlNに関する。AlN結晶は、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントを含んでいてよい。
【0023】
別の様相では、本発明は、約50%より大きいAl濃度及び約10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有する、ドープされたp型AlGaNエピタキシャル層に関する。導電率は、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きくてよい。このエピタキシャル層は、室温で約25cm−1−1より大きな移動度を有していてよい。一態様では、エピタキシャル層は、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントを含んでいてよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】単結晶AlNの成長のための結晶成長エンクロージャを概略的に示す。
【図2】本発明の多くの態様によるドープされたAlNを形成するプロセスのフローチャートである。
【図3】本発明の別の態様によるドープされたAlNを形成するプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面においては、同様の参照番号は、異なる図面であっても概して同じ部材を示す。また、図面は必ずしも正しい縮尺にはなっておらず、本発明の原理を示す上で強調がされている。以下の説明では、本発明の様々な態様を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1を参照すると、AlN結晶は、その開示内容全体が参照により本願に組み込まれている特許文献1に記載されているような昇華−再凝結法(sublimation-recondensation method)によって形成することができる。結晶成長エンクロージャ(crystal growth enclosure)100は、蒸気混合物110、AlN結晶120、及び多結晶ソース130を含み、加熱炉140によって取り囲まれている。一態様では、結晶成長エンクロージャ100はタングステンを含む。別の態様では、その開示内容全体が参照により本願に組み込まれている特許文献2に記載されているように、結晶成長エンクロージャ100は、タングステン−レニウム合金、レニウム、炭素、炭化タンタル、窒化タンタル、炭窒化タンタル、窒化ハフニウム、タングステンとタンタルとの混合物、並びにこれらの組合せを含む。
【0027】
蒸気混合物110は、結晶成長エンクロージャ100の一方の端部において多結晶ソース130を加熱することによって生じ、温度が低い方のもう一方の端部でAlN結晶120に融合する。AlN結晶120は、侵入型及び置換型不純物の有限の濃度を有していてよい。さらなる処理では、不純物を電気的に活性化して、AlN結晶120をドープし、所望の電気的特性をこれにもたらすことができる。ここに記載の全ての態様では、AlN結晶120は、ガリウム(Ga)を含んでいてよく、これにより、AlGaN結晶が得られる。例えば、Gaを多結晶ソース130に添加して、結晶がAlGaNとして融合するようにできる。このような場合、結晶は、約50%より大きいAl濃度を有していてよい。AlN結晶120は、約0.1mmより大きい厚みを有し、約1cmより大きな直径を有していてよい。直径は、約2cmより大きくてもよい。
【0028】
図2に、p型AlN結晶を形成するためのプロセス200を示す。ステップ220で、AlN結晶120、AlN及び置換型又は侵入型不純物(つまり、少なくとも1種のドーパント)のソースを含む混晶を、約2000℃〜約2300℃の温度での昇華−再凝結によって形成する。複数の置換型不純物のソースは、Be、Mg、Zn、LiN、BeO、BeSiN、LiBeN、BeC、BeSiN、MgSiN、LiSi、LiMgN又はLiZnN、或いは他の適切な材料である。相応な置換型不純物は、Be、Mg、Zn、O等を含む。化合物Beは約2200℃で融解し、N1バールで2250℃までの温度で、液体のBe+Nに分解される。金属Beは、2970℃で沸騰する。化合物Mgは、N1バールで800〜900℃で分解する。マグネシウムは、649℃で融解し、1090℃で沸騰する。ステップ230では、AlN結晶120内の複数の置換型若しくは侵入型の不純物の少なくとも一部を、電気的に活性化させる。一態様では、Beを、窒素雰囲気中での高圧処理によってBeに変換させ、よってBeドーパントを電気的活性化させる。2300℃までの温度で100MPaまでのNの圧力並びに数週間までの時間が必要となり得る。しかし、商業的使用では、Beの人体に対する毒性を留意しなくてはならない。ステップ240で、AlN結晶120を、ワイヤソー又はダイヤモンド環状ソー(diamond annular saw)によってウェハにスライシングし、これは、直接使用されるか、又は半導体層の及び/若しくはその上のデバイス集積の後続のエピタキシャル成長のために用いられる。
【0029】
AlNのドーピングは、成長時又は成長後に2つ以上の異なる元素を結晶中に導入することによって達成することもできる。2つの元素を使用することを、ここでは、バイドーピング(bi-doping)と呼ぶ。3つの元素については、トライドーピング(tri-doping)と呼ぶ。バイドーピングの手法は、2つに分類される。
【0030】
第1の分類は「非対称バイドーピング(ABD)」であり、この場合、2種の不純物は、ドナー元素及びアクセプタ元素であり、ほぼ等しい濃度で導入される。しかし、高濃度では、ドナー間での相互作用は、アクセプタ間での相互作用とは異なる。この多体状態(many-body states)、例えば不純物バンド及び不純物錯体の形成に関する差は、分離された単原子不純物の活性化エネルギー以外の非対称の原因となる。ドナー−アクセプタ対は、好ましくは特別の特性を有する。複数の不純物のためのソースとして作用する適切な化合物は、MgSiN及びBeSiNを含む。MgSiN又はBeSiNでは、Mg又はBeアクセプタは、Siドナーを補償するようにAlカチオン格子サイトを占有する。よって、格子中で最も近い対を形成することはなく、ネットドーピング(net doping)(及びひいては高導電率)が得られる。
【0031】
MgSiNの場合には、ドナー及びアクセプタは、高い成長温度では対をなしていない。1018cm−3を超えるドーピングレベルで、Mg、Be又はSi種は、不純物バンドを形成し始め、その場合、Mg又はBeは、1つの不純物原子から最も近い同一の不純物原子へと移動することができ、p型サブバンドを形成する。不純物種の1つがSi原子である場合には、Si波動関数の重なりは、n型サブバンドを形成することができる。結果として得られたドープされたAlN結晶は、ドーパント濃度を増大させる際にどちらのサブバンドが最初に形成されるかによって、n型又はp型となり得る。好ましくは、約10cm−3を超える不純物種の濃度を導入し、より好ましくは、2×1022cm−3までの濃度を導入する。1つの適切な不純物種ソースであるBeSiNは、固体AlN中に無限に可溶である(非特許文献1を参照、該文献の開示内容全体は、参照により本願に組み込まれる)。同様に、MgSiNは、AlN中で高い可溶性を示す。AlNにおいてSiは浅いドナーであり、Mgがより深いアクセプタであるので、MgSiNでドープされたAlNは、通常n型である。
【0032】
p型AlNを製作するABD法の別の例は、AlNでのNアニオン格子サイトに2つの異なる不純物を配置することである。これは、AlOCを含むAlNの混晶を製作することによって達成できる。AlN中でのAlOCの固溶度は、酸素及び炭素の両方について、3×1022cm−3に等しい。非特許文献2(「Quiの文献」)を参照、その開示内容全体は、参照により本願に組み込まれる。この場合、点欠陥のソースは、Al及びAlである。ガス雰囲気は、CO、AlO、AlCN又はこれら3つのガスの様々な混合物を含んでいてよく、置換型不純物は、C及びOを含んでいてよい。
【0033】
炭素は、毒性が低いため、AlNでのp型ドーパントとして好ましい。化合物Alは、黄色結晶として存在する。また、不活性なグラファイトのるつぼ中では、包晶反応によって2156℃で分解する。1500℃を超える温度でのN 100kPaでは、Alは存在しない。Alは、Nと反応し、AlN及びCを形成する。AlNの結晶は、N100kPaで2000〜2300℃での昇華−再凝結によって、C(グラファイト)るつぼ中で成長させることができる。この結晶は、良好に成長し、黄色をしており、1cm当たり数百の、結晶全体にわたり分布した小さな黒いグラファイト片を含む。主たる炭素輸送蒸気分子は、AlCNである。結晶を高温でアニールすると、過剰な炭素は溶液から析出する。その温度での成長時間は、約150時間である。この結晶は、室温では導電率有しておらず、これは、置換型不純物としてN格子サイト中に導入された、比較的少量のCが、N空孔によって補償されることが要因となり得る。
【0034】
炭素は、化合物AlOCを利用することによって極めて効果的に、置換型不純物として窒素サイトに導入することができる。化合物AlOCは存在し、AlNとほぼ同じ結晶構造を有する。AlOCは、高温で固体状態でAlNと、ゼロから約40モル%AlOCで混和可能である。N及びCO分子は、14の電子を含む。AlOCの結晶自体は、非導電性である。酸素不純物は、深いドナーとして進入し(窒素サイトで)、より浅い炭素アクセプタを補償するように観察される。AlOCドープ結晶の成功裏の成長における重要な要因は、成長中又は成長後に、適宜熱処理して、均一なバルク導電率を得ることである。このABDの例は、Cアクセプタのレベルが、Oドナーレベルよりも極めて浅く、よって、AlOC化合物が、高いドーパント濃度でp型ドーパントとして効果的に作用するということである。
【0035】
また、バイドーピングの第2の類は、1つの不純物が置換型であり、もう一方が侵入型であるという意味で非対称である。AlNをバイドーピングするためのいくつかの有用な化合物の例は、LiBeN、LiMgN及びLiZnNである。元素Be、Mg及びZnは、AlN結晶中を置換型不純物として進む傾向があり、Liは、侵入型不純物である傾向がある。侵入型不純物として、Li原子は、AlN格子中で比較的移動性である。よって、LiBeNでドープされたAlN結晶は、Liイオンを抽出しBeをそこに残すことによって電気的に活性化させることができ、これにより、p型の導電性半導体が得られる。この抽出は、ドープされたAlN結晶を、真空下で加熱してLiを蒸発させる、結晶又は結晶スライスを液体ガリウム(Ga)又はインジウム(In)溶融金属浴中に浸漬させる、又は直流(DC)を印加した電界でLiを表面にドリフトさせることによって行うことができる。Beアクセプタ(又はMg又はZn)は、隔離された補償されていないアクセプタであるか、又は高い濃度でp型サブバンドを形成する。導電性のAlNを製作するこの方法は、抽出活性バイドーピング(extraction-activated bi-doping、EABD)と呼ばれる。この場合でも、バイドーピングによって、AlNを、不純物の含有量の極めて高いレベルにドープすることが可能となり、このことは、大抵、Be、Mg又はZn自体を使用したモノドーピングでは不可能である。
【0036】
p型AlNを製作するEABD法の別の応用は、化合物LiSiを含むAlN混晶の製造を含む。Liは、この場合、Alカチオン格子サイト上の置換型不純物であり、上述のように抽出されてVAlSiでドープされたAlN結晶が残る(つまり、各1つのAl空孔に対してAlサイト上の2つのSi原子がある)。これにより、ネットp型半導体として結晶が残る。しかし、このプロセス中、アルミニウム空孔(VAl)を過度に多くアニールすること(例えば、高すぎる温度にしてしまうこと)を回避するよう留意しなくてはならず、それは、VAlSi(つまり、各1つのVALに対して3つのSi元素)でドープされた結晶は完全に補償され、低いドーピング濃度で導電性を有しないからである。
【0037】
図3に、ドープされたAlN結晶を形成する別のプロセス300を示す。ステップ320で、AlN結晶120、AlN及び複数の不純物種(異なる種類のドーパント原子)を含む混晶が、約2000℃〜約2300℃の温度で昇華−再凝縮によって形成される。不純物種は、置換型ドーパント、例えばC、O、Be、Mg、Zn及びSi、並びに/又は侵入型ドーパント、例えばLiを含んでいてよい。不純物種の導入は、MgSiN、BeSiN、AlOC、LiBeN、LiMgN、LiZnN又はLiSiのような化合物を多結晶ソース130の一部として利用することによって、或いはガス前駆体を蒸気混合物110に、AlN結晶120が目的の化合物及び/又は不純物種を含むように導入することによって行うことができる。この時点では、電気的活性化の前に、AlN結晶120は、例えば室温で約10−2Ω −1より小さい低導電率を有する。これは、複数の不純物種が互いに補償し合うことができるからである。AlN結晶120は、さらに、約10−5Ω−1cm−1より小さい導電率を有していてよい。
【0038】
AlN中でのNアニオンサイト上で極めて高い濃度のCを得るために、混合多結晶材料を、AlOC 0.1〜50モル%及びAlN 99.9〜50モル%で製作することができる。混合多結晶材料は、ドープされたAlN結晶の成長のための多結晶ソース130として使用される。混合多結晶ソース材料は、適切な比のAlN及びAlOC粉体を混合し焼成させることによって形成することができる。しかし、AlOC構造は、純粋であると、どちらかというと不安定であり、AlNと混晶を製作することによって最も安定する。これは、Al、AlN及びAlの熱力学的特性の利点を利用する入念に制御された条件下で行うことができる。
【0039】
そのような、AlN−AlOC多結晶材料を作成する手法の1つは、Al粉体をAl−N−C混合物(具体的には、(i)AlNプラスC粉体、又は(ii)AlN、C及びAl粉体、又は(iii)AlN及びAl粉体)に加えることであり、それを加熱して、比較的高い濃度のAlOCをAlNに組み込むことである。この反応は、好ましくは、AlOCは熱力学的に安定である1700〜2000℃の範囲の温度で行われる(例えば、非特許文献2及び非特許文献3を参照、これらの開示内容全体は、参照により本願に組み込まれる)。2000℃での安定のための最高圧は、約1バールであることが計算される。AlプラスAl−N−C粉体は、冷間圧縮され、ねじ山付きの蓋を有するグラファイト製シリンダ内で1990℃までの温度で焼成することができる。しかし、焼結により、いくらか多孔性の試料が得られるので、2〜3時間、約1900℃で固くシールされたグラファイトダイにおいて、粉体を熱間圧縮した方がよい。このシールによって、ガスの圧縮ダイからのリーク、及び化学組成の変化が防止される。反応性の熱間圧縮を利用することにより、AlOCが形成されるAlとAlとの反応において体積収縮が5%であることが活用される。加圧下で混合物を冷却して、逆反応を防ぐことが望ましい。熱間圧縮によって、理論密度の>98.5%で試料を得ることができ、これは、開示内容全体が参照により本願に組み込まれる非特許文献4に記載されている通りである。
【0040】
ドープされた多結晶材料を含むAlN結晶の成長は、結晶成長エンクロージャ100の種類に注意して行うのが望ましい。例えば、AlN−AlOC多結晶焼結材料の使用では、TaC又はグラファイト(C)からなる結晶成長エンクロージャ100の使用が好ましいであろう。
【0041】
一態様では、複数の不純物種は、少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタを含む。さらに、不純物種のそのような対は、AlN格子においてカチオン又はアニオン構成サイトを占有してよい。例えば、化合物AlOCは、ドナー種O及びアクセプタ種Cのソースとして作用することができ、これらの両方は、アニオン(N)格子サイトを占有する。逆に、BeSiN、MgSiN及びZnSiNのような化合物は、ドナー種Si及びアクセプタ種Be、Mg及びZnのソースとして作用することができ、これらは全て、カチオン(Al)格子サイトを占有する。
【0042】
図3を続けて参照すると、侵入型及び置換型不純物種の組合せも、ステップ320で導入することができる。例えば、LiBeN、LiMgN又はLiZnNのような化合物が、侵入型不純物としてLiを、Be、Mg、Zn又はSiのような種が置換型不純物を供給する。この場合、侵入型不純物及び置換型不純物の両方の存在によって、AlN結晶120が、後続のステップ340(後述)で侵入型不純物が抽出されるまで実質的にそのままとなる(intrinsic)。別の例は、LiSiドーピングであり、その場合、Li及びSiはいずれも、Alカチオンサイト上にある置換型不純物となる。よって、AlN結晶120は、より移動度の高い置換型Li不純物が後続のステップ340(後述)で抽出されるまで、例えば約10−2Ω−1cm−1より小さい低導電率を有する。AlN結晶120は、この段階で、約10−5Ω−1cm−1より低導電率を有していてもよい。
【0043】
一態様では、O不純物のソースはAlであり、これは、Al空孔の形態の点欠陥及び置換型OをAlN結晶120にもたらす。Alは実際にはAlAL[VALは1つのAl空孔を指す]として溶解するので、Alの点欠陥ソースはAl空孔をもたらす。2300℃の成長温度でAlの低濃度で、O原子は、Nサイト上でランダムに分布し、Al空孔は、Alサイト上でランダムに分布する。ゆっくりと冷却すると、O原子は、Al空孔の周りでクラスター化する傾向があり、これは、O原子がN原子よりも直径がわずかに大きく、これにより、応力緩和クラスター化するためである。このクラスター化は、結晶の、成長温度からの30分以下の時間にわたる急速な冷却によって、防止することができる。この急速な冷却によって、Nアニオン格子サイト上でクラスター化されていないOの点欠陥及びAl空孔を有するAlN結晶が得られる。
【0044】
任意のステップ330では、少なくとも1つの不純物種を既に含むAlN結晶120を、ウェハにスライシングする。任意のステップ355では、エピタキシャル層を、AlN結晶120の少なくとも1つのウェハ上に堆積させる。このエピタキシャル層は、AlN、GaN、InN又はこれらの合金若しくは混合物を含んでいてよい。エピタキシャル層は、50%を超えるAl濃度を有していてよい(つまり、AlGa1−xNエピタキシャル層では、xは0.5より大きくてよい)。ステップ335で、エピタキシャル層は、少なくとも1つの不純物種、例えばOでドープすることができる。エピタキシャル層は、約0.5マイクロメートル(μm)〜200μmの厚みを有していてよい。ステップ340で、場合によってはウェハの形状であるAlN結晶120中の(及び/又はその上に堆積させたエピタキシャル層中の)少なくとも一部における少なくとも1つの不純物種を、電気的に活性化し、ドープ結晶を形成する。結晶(及び/又はその上に堆積させたエピタキシャル層)は、電気的活性化の後、ネットn型又はp型のドーピングレベルを有する。電気的活性化は、例えばAlN結晶120を約2000℃〜約2300℃の範囲の温度でアニールすることによって達成することができる。
【0045】
ステップ320で、侵入型不純物種が導入される場合、ステップ340は、侵入型不純物種を抽出する方法を含み、その際、AlN結晶120中で活性化された1つ以上の置換型不純物種が残される。このような態様では、ステップ340は、真空で300℃を超えるが1600℃未満の(AlNホスト結晶に与える過度な損傷を回避するため)温度でAlN結晶120をアニールして侵入型不純物種を蒸発させること、AlN結晶又はそれから得られるウェハを、液体ガリウム(Ga)又はインジウム(In)溶融金属浴中に浸漬させること、或いはAlN結晶120に電圧を印加して、侵入型不純物種を表面にドリフトさせることを含んでいてよい。
【0046】
ステップ340は、周囲圧での(in an ambient)アニールを含んでいてよく、これにより、AlN結晶120に少なくとも1つの追加の不純物種を供給することができる。一態様では、AlN結晶120は、約2000℃〜約2300℃の温度範囲でアニールされる。O不純物の場合には、温度は、クラスター化を防止するか又はO−VALクラスターが再溶解するように選択される。周囲圧は、例えば30バールでのN90%+CO10%の雰囲気であり、アニール時間は、例えば24時間であり、より厚いウェハのためにはより長い時間が必要とされる。COの一部は結晶内に拡散し、一方、窒素及び酸素の一部は拡散して放出される。よって、アニールステップは、追加の不純物種であるCをAlN結晶120内に組み込むものである。同様に、エピタキシャル層が、AlN結晶120のウェハ上に存在する場合には、そのようなアニールによって、エピタキシャル層に追加の不純物種が供給される。よって、エピタキシャル層は、複数の不純物種を含んでいてよく、その少なくとも一部が電気的に活性化される。
【0047】
ステップ340が終了すると、AlN結晶120及び/又はその上に堆積させたエピタキシャル層は、所望の電気的特徴を有し得る。これらには、例えば、室温で約10−5Ω−1cm−1より大きな導電率又は室温で3×10−3Ω−1cm−1より大きな導電率をも含まれる。導電率は、室温で0.1Ω−1cm−1であってもよい。AlN結晶120及び/又はその上に堆積させたエピタキシャル層の移動度は、室温で約25cm−1−1より大きくてよい。
【0048】
結果として、主としてAlNであるが、N格子サイト上の高濃度のO及びCを有する四元結晶が得られる。この結晶は、過剰のOによって、特定の濃度のAl空孔(VAL)も有する。ゆっくりとした冷却では、過剰のOの一部は、Al空孔の周りで再びクラスター化するが、O原子よりも移動度の小さいC原子はクラスター化しない。Cは、Nサイト上の溶液中に存在し且つそこに留まり、C濃度は、O濃度に匹敵するか又はそれより大きい。AlN結晶120は、既に良好なp型導体(室温で導電率σ>3×10−3Ω−1cm−1)となっている。好ましい態様では、AlN結晶120は、室温で25cm−1−1より大きな移動度を有し、これは、Cの高い濃度によって、脱局所化されたアクセプタバンドが生成される一方、Oによって生じたより深いドナーレベルが局所化されたままとなるからである。好ましいAlN結晶は、2mm×2mm×1mmを超える寸法を有し、室温で10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有する。
【0049】
このp型ドーパントに対する活性化エネルギーは、その濃度に依存するが、AlOC及びAlALの両方が高い溶解性を有することにより、縮退ドープされた(degenerately doped)p型AlN及び低ドープされた材料の製作が可能となる。実用的なp型の導電率を得るためには、C濃度は約1×1018cm−3を超えることが望ましい。極めて高いC濃度(2×1022cm−3までの)が、この技術によって可能であり、このような濃度は、p型ドーピングレベル(及びより高い導電率)を得るために有用である。
【0050】
Al及びCOドーピング及びアニール処理は、通常、現存のp型ドーピングを制御するために重要である。好ましい態様では、OのCに対する原子比は、ほぼ1:1であり、Cの大成分が活性化される。これよりもOが多ければ、より少ないC中心が活性化され、一方で、Oの濃度がより低ければ、Cが析出し、電気的に不活性となり得る。
【0051】
本明細書に記載の技術が、AlN及びAlGaNを含むドープされた結晶及びエピタキシャル層の製造のための基礎を提供することが理解されるであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、制限のためではなく説明のためとして使用されており、それらを使用する際、例示され説明されている特徴又はその一部のあらゆる同等物を排除する意図はない。特許請求の範囲内の様々な変形が可能であることを理解されたい。
【0052】
以下、本願の特に好ましい態様を以下に示す。
1.ドープされたAlN結晶を形成する方法であって、
a.AlN及び複数の不純物種を含む混晶を形成し、
b.前記混晶の少なくとも一部中で少なくとも1つの不純物種を電気的に活性化し、ドープされたAlN結晶を形成する
ステップを含む、方法。
2.前記電気的な活性化のステップの前に、前記混晶をウェハにスライシングするステップをさらに含む、上項1に記載の方法。
3.前記電気的な活性化のステップの後、前記ドープされたAlN結晶が、室温で約10−5Ω−1cm−1より大きな導電率を有する、上項1に記載の方法。
4.前記電気的な活性化のステップの後、前記ドープされたAlN結晶が、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きな導電率を有する、上項3に記載の方法。
5.前記電気的な活性化のステップの後、前記ドープされたAlN結晶が、室温で約25cm−1−1より大きな移動度を有する、上項1に記載の方法。
6.前記電気的な活性化のステップの後、前記混晶が、室温で約10−2Ω−1cm−1より大きな導電率を有する、上項1に記載の方法。
7.前記電気的な活性化のステップの後、前記ドープされたAlN結晶がn型となっている、上項1に記載の方法。
8.前記電気的な活性化のステップの後、前記ドープされたAlN結晶がp型となっている、上項1に記載の方法。
9.前記複数の不純物種が、置換型ドーパントを含む、上項1に記載の方法。
10.前記複数の不純物種が、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される、上項9に記載の方法。
11.前記複数の不純物種が、侵入型ドーパントを含む、上項1に記載の方法。
12.前記侵入型ドーパントがLiを含む、上項11に記載の方法。
13.前記電気的な活性化のステップが、前記混晶の少なくとも一部に対するアニール、溶融金属への浸漬及び電圧の印加の少なくとも1つを含む、上項11に記載の方法。
14.前記電気的なのステップが、侵入型ドーパントを、前記混晶の少なくとも一部から抽出する、上項13に記載の方法。
15.前記複数の不純物種が、少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタを含む、上項1に記載の方法。
16.前記少なくとも1つのドナー及び少なくとも1つのアクセプタが、カチオン格子サイトを占有する、上項16に記載の方法。
17.前記少なくとも1つのドナーがSiを含み、前記少なくとも1つのアクセプタがBe、Mg又はZnを含む、上項16に記載の方法。
18.前記少なくとも1つのドナー及び前記少なくとも1つのアクセプタが、アニオン格子サイトを占有する、上項15に記載の方法。
19.前記少なくとも1つのドナーがOを含み、前記少なくとも1つのアクセプタがCを含む、上項18に記載の方法。
20.前記電気的な活性化のステップがアニールを含む、上項1に記載の方法。
21.p型AlN結晶を形成する方法であって、
a.AlN及び置換型不純物のソースを含む混晶を形成し、
b.前記置換型不純物の少なくとも一部を電気的に活性化し、p型AlN結晶を形成する
ステップを含む、方法。
22.前記置換型不純物のソースがBeを含む、上項21に記載の方法。
23.前記電気的な活性化のステップが、BeをBeに変換する、上項22に記載の方法。
24.前記電気的な活性化のステップが、混晶を、窒素雰囲気中で、約100MPaより低い圧力及び約2300℃より低い温度に曝す、上項21に記載の方法。
25.前記置換型不純物のソースが、Mg、Zn、LiN、BeO、BeSiN、LiBeN、BeC、BeSiN、MgSiN、LiSi、LiMgN又はLiZnNの少なくとも1つを含む、上項21に記載の方法。
26.少なくとも約0.1mmの厚み、少なくとも約1cmの直径及び室温で約10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有する、ドーピングされたAlN結晶。
27.前記導電率が、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きい、上項26に記載のAlN結晶。
28.移動度が、室温で約25cm−1−1より大きい、上項26に記載のAlN結晶。
29.直径が、室温で少なくとも約2cmである、上項26に記載のAlN結晶。
30.C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントをさらに含む、上項26に記載のAlN結晶。
31.室温で約25cm−1−1より大きな移動度を有する、ドープされたp型AlN結晶。
32.少なくとも、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントをさらに含む、上項31に記載のAlN結晶。
33.少なくとも約0.1mmの厚み及び少なくとも約1cmの直径を有するドープされたn型単結晶AlN構造。
34.移動度が、室温で約25cm−1−1より大きい、上項33に記載のAlN構造。
35.少なくとも、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択された少なくとも2つの置換型ドーパントをさらに含む、上項33に記載のAlN構造。
36.少なくとも2mm×2mm×1mmの寸法並びに室温で約10−5Ω−1cm−1より大きな導電率を有する、ドープされた単結晶AlN構造。
37.少なくとも、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントをさらにをさらに含む、上項36に記載のAlN構造。
38.約50%より大きいAl濃度並びに室温で約10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有する、ドープされたp型AlGaNエピタキシャル層。
39.前記導電率が、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きい、上項38に記載のエピタキシャル層。
40.移動度が、室温で約25cm−1−1より大きい、上項38に記載のエピタキシャル層。
41.少なくとも、C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントをさらに含む、上項38に記載のエピタキシャル層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約0.1mmの厚み、少なくとも約1cmの直径及び室温で約10−5Ω−1cm−1より大きい導電率を有し、移動度が、室温で約25cm−1−1より大きい、ドーピングされたAlN結晶。
【請求項2】
前記導電率が、室温で約3×10−3Ω−1cm−1より大きい、請求項1に記載のAlN結晶。
【請求項3】
直径が、室温で少なくとも約2cmである、請求項1又は2に記載のAlN結晶。
【請求項4】
C、O、Be、Mg、Zn及びSiからなる群から選択される少なくとも2つの置換型ドーパントをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のAlN結晶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32287(P2013−32287A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−250881(P2012−250881)
【出願日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【分割の表示】特願2008−543541(P2008−543541)の分割
【原出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(508159031)クリスタル・イズ,インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】