説明

ナノチューブの支持アレイからの繊維の製造方法

繊維がナノチューブの支持アレイから紡糸される。例えば、支持ナノチューブと接触し、相互に撚り合せて繊維作成を開始するフック状端を備えた紡糸シャフトを使用して、繊維が紡糸される。撚り合されたナノチューブが支持体から分離するにつれて、シャフトは回転して追加のナノチューブを撚り合せて支持体から分離し、繊維の長さを伸ばすので、制御された方向に制御された速度で支持アレイから離れ、支持アレイに沿って動く。アレイが希釈ポリマー溶液により予熱される場合は、過剰な溶液は紡糸中に成長中繊維から絞り出される。強度の高いナノチューブ複合体繊維を提供するために、ポリマーを高温で硬化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【関連事例】
【0001】
本出願は、ここに参照され組み込まれる2004年10月18日出願された米国仮出願第60/620,088号の利益を請求する。
【連邦政府の権利に関する記述】
【0002】
本発明は、米国エネルギー省により発注された契約第W−7405−ENG−36号の下での政府支援を受けて行なわれたものである。政府は発明に対して一定の権利を有する。
【技術分野】
【0003】
本発明は一般的には繊維の製造に関し、詳細にはナノチューブの支持アレイから長い繊維を紡糸する方法に関するものである。
【背景技術】
【0004】
個々のカーボンナノチューブ(CNT)はその他のあらゆる公知の材料よりも少なくとも1桁程度以上強度が高い。完璧な原子構造を有するCNTの理論的強度は約300GPaである[1]。ただし、現実には完全な構造を有するカーボンナノチューブは存在しない。しかしながら、製造されたCNTの最大測定強度は約150GPaであり、この強度はアニーリングにより向上することもある。比較するために、現在防弾チョッキに使用されているケブラー繊維は強度がわずか3GPaであり、スペースシャトルやその他の宇宙構造物の製造に使用される炭素繊維の強度はわずか2〜5GPaであるに過ぎない[2]。
【0005】
その強度を構造的に利用するためには、CNTは相互に接合しなければならない。最も一般的なアプローチは、CNTをポリマー結合剤と混合し、その混合物からCNT複合体繊維を紡糸するものであった。これまでのところは、このアプローチは大成功であるとはいえず、かかる繊維はあまり強いものではない。微細構造解析により、これらの複合体繊維のCNTは不整列および/または糸絡み状態であることが明らかになっている。この不整列と糸絡みがCNTの体積分率と充填密度を、さらには、対応する複合体繊維の耐加重効率を低下させている。これら繊維のCNTの体積分率が比較的低いために、複合体繊維の強度が限定されることになる。CNTを結合するため、ポリマーを使用する際の1つの問題が、CNTとポリマー結合剤との間でこれまで観察されている結合力の弱さにある。
多くの研究グループが試みているポリマー/CNT界面の化学的な制御は重要な課題である。これまで最良のカーボンナノチューブ/ポリマー複合体繊維は堆積分率が60%のCNTにより製造されたものであり、その強度はわずか1.8GPaであった[3]。
【0006】
強度を向上させた長い炭素繊維の必要性が依然として求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の一つの目的は、強度の向上したカーボンナノチューブとポリマー結合剤との複合体繊維を提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、強度の向上したカーボンナノチューブとポリマーとの複合体繊維の製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的、効果および新規な特徴については以下に述べるが、その一部については以下の説明を検討することにより当業者には明らかになるであろうし、また本発明を実行することによって学習することも可能であろう。本発明の目的と効果は、添付の特許請求の範囲に特に指摘した手段と組合せにより実現および達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的に従って、ここに実施され、幅広く説明されているように、本発明は、ナノチューブの支持アレイから繊維を紡糸することからなる繊維を製造する方法を含み得る。この方法は、アレイからの支持ナノチューブと接触し、ナノチューブの少なくともいくつかを相互に撚り合わせ繊維紡糸を開始するために、紡糸シャフトの一端をナノチューブの支持アレイまで移動することを含み得る。撚り合されたナノチューブが支持体から分離するにつれて、アレイからの追加の支持ナノチューブが成長中繊維のまわりに撚り合され、成長中繊維長さを伸ばすように、紡糸シャフトが支持アレイに対して動かされる。紡糸の前に、アレイをポリマー溶液でコーティングすることができる。紡糸中に、過剰な溶液は繊維から絞り出され、その後に、ポリマーを高温で硬化させ得る。
【0011】
本発明は、ナノチューブを撚り合わせ、ナノチューブの支持アレイから分離することにより製造される複合体繊維をも含み得る。アレイからの支持ナノチューブと接触し、ナノチューブの少なくともいくつかを相互に撚り合わせ繊維紡糸を開始するために、紡糸シャフトの一端をナノチューブの支持アレイまで動かし、撚り合されたナノチューブが支持体から分離するにつれて、アレイからの追加の支持ナノチューブが成長中繊維のまわりに撚り合され、成長中繊維長さを伸ばすように、紡糸シャフトを支持アレイに対して動かすことにより、ナノチューブは分離され、相互に撚り合される。紡糸の前に、アレイをポリマー溶液でコーティングすることができる。紡糸中に、過剰な溶液は繊維から絞り出され、その後に、ポリマーを高温で硬化させ得る。
【0012】
本発明は繊維を紡糸するための装置をも含み得る。この装置は、ナノチューブの支持アレイと、シャフトと、その紡糸シャフトが制御された速度と角速度で繊維をナノチューブアレイから引張できるように制御された角速度で紡糸を行うためにシャフトと係合する少なくとも1つのモータとを含み得る。シャフトの一端は粘着性および/または粗面化状態および/またはナノチューブを支持アレイから集めることが可能なフックまたはその他の構造のような形状とする。紡糸シャフトと支持アレイの一方または両方は制御された方向(水平、垂直または任意の角度)に移動でき、任意の角度で対向でき、その結果、支持ナノチューブがアレイから分離し、紡糸された繊維の一部になった時には、アレイはシャフトから制御された方向に離れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
明細書に取入れられ、その一部を形成する添付図面は本発明の実施の形態を例示したものであり、説明とともに、本発明の原理を説明する。
本発明は繊維の製造に関し、詳細にはナノチューブの支持アレイからナノチューブを紡糸する方法および装置に関するものである。本発明はカーボンナノチューブを支持アレイから繊維に対してらせん状に整列する。支持アレイからの繊維の紡糸の効果は、アレイからのナノチューブが糸絡みせず、繊維に紡糸される前に一般的には相互に整列されることにある。紡糸工程はナノチューブをらせん状に整列し、このらせん状整列配置が複合体繊維に高い強度を提供する。本発明の複合体繊維は、カーボンナノチューブを相互に撚り合せることでより強くなるロープ状構造を有する。
【0014】
繊維に紡糸される前に、アレイのナノチューブにはポリマー溶液をコーティングすることもできる。紡糸工程はポリマーコーティングされたナノチューブをらせん状に整列し、ナノチューブがカーボンナノチューブである場合は、得られる繊維は高い体積分率(ナノチューブの60%以上)を有し、撚り合わせがナノチューブとポリマーとの結合力を向上させる。本発明の複合体繊維は、略整列・糸絡みなしアレイからナノチューブ(例えば、カーボンナノチューブ、ボロンナノチューブ、BCNナノチューブ、硫化タングステンナノチューブ、Y203:Euナノチューブ、MnドープGeナノチューブ)を紡糸することにより製造することもできる。
【0015】
ナノチューブの長さが約1〜2ミリメートル以上のカーボンナノチューブはこれまで触媒化学蒸着(CDV)により製造されてきた[4]。例えば、石英管反応炉内でのフェロセンとキシレンの混合物の分解により製造された多重カーボンナノチューブは約50μm/分の速度で成長する。長さが1〜2ミリメートル以上のカーボンナノチューブのアレイは、FeClのエタノール(COH)溶液を使用して製造することもできる。CNT用の最もクリーンな炭素源であることが報告されているエタノールを使用すれば、欠陥が減少し、小径のカーボンナノチューブを製造でき、強度を高めた繊維を製造するために、これらのナノチューブを本発明で使用することもできる。
【0016】
紡糸アプローチは前紡アプローチに比べていくつかの効果を有する。1つの効果は、前紡工程と比べて紡糸工程の方が繊維の製造が簡単な点にある。
【0017】
前紡アプローチと比べた紡糸アプローチのもう1つの効果は、ナノチューブを紡糸し、相互に撚り合せた結果として得られるナノチューブのらせん状配置に関するものである。複合体繊維が荷重を受けている場合は、撚り合されたナノチューブは相互に半径方向に絞ることができるので、このらせん状配置が荷重伝達に寄与し、結合強度を高め、結果として荷重伝達効率を高める。前紡により製造された非撚り合わせカーボンナノチューブ/ポリマー複合体繊維は強力な繊維ではない[5]。その理由は、ナノチューブ・ポリマー界面が滑りやすく、荷重をナノチューブに伝達することを困難にしているからであると推定される。
【0018】
本発明の紡糸工程のもう1つの効果は、撚り合わせにより過剰なポリマーが絞り出され、その結果、個々のCNTの間隔を狭めたCNTの配置が可能になる点にある。この狭い間隔が複合体繊維のCNT体積分率を高めることになる。
【0019】
本発明のもう1つの効果は、繊維複合体の製造にカーボンナノチューブの略整列アレイを使用することに関するものである。紡糸前のナノチューブの整列は紡糸された複合体繊維における整列を保証することになる。
【0020】
本発明の複合体繊維は多種多様な用途に使用することができる。これらの繊維は高品質積層品、織布およびその他の構造用繊維複合体製品にも使用することができる。本発明の繊維複合体は、航空機、ミサイル、宇宙ステーション、スペースシャトルおよびその他の高強度製品用の高強度・軽量装甲を製造するために使用することもできる。軽量化により、航空機、ミサイル、ロケット等が高速化し、航続距離も伸びることになる。これらの特徴は、(例えば、月や火星への)将来の宇宙ミッション用の宇宙船にとっても重要であり、複合体繊維の高強度と軽量という特徴が非常に重要になる。
【0021】
複合体繊維の製造に金属カーボンナノチューブを使用した場合に、本発明のもう1つの効果が明らかになる。金属カーボンナノチューブはその導電性が銅の約1000倍であることが明らかになっている[6]。従って、前駆体として金属カーボンナノチューブを使用して製造された本発明の複合体繊維は非常に高強度であるだけではなく、導電性も非常に高いことになる。
【0022】
本発明の複合体繊維は、図1、図3および図4に例示されたタイプの略平行整列カーボンナノチューブアレイを使用して製造される。例示されたようなアレイは製造後に使用することもできるし、例えば、ナノチューブアレイをビーカーの中のポリマー溶液に浸漬し、湿潤化を促進するために浸漬されたアレイを超音波振動させることにより、アレイにポリマーの希釈溶液をコーティングすることもできる。カーボンナノチューブ・ポリマー複合体を製造するために過去に使用されたポリマー溶液を本発明で使用することもでき、これらのポリマー溶液を例示すると、ポリスチレンのトルエン溶液[8]、低粘度液体エポキシ[6]、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)のPMF溶液[9]、ポリビニルアルコール(PVA)の水溶液、およびポリ(ビニルピロリドン)の(PVP)の水溶液[10]があるが、これらに限定されるわけではない。
【0023】
次のステップは、支持ナノチューブのアレイから繊維を紡糸する工程を含む。図3は紡糸工程の概略を示したものである。図3に示したように、繊維は速度vで引っ張られながら速度ωで紡糸される。紡糸パラメータωおよびvは、得られる複合体繊維の微細構造特性(例えば、繊維の直径、繊維中の個々のCNTのらせん角度等)に影響を与える可能性が高い。繊維構造を最高強度になるよう最適化するために、紡糸パラメータを調節することができる。
【0024】
図4a〜図4cは、略整列され、糸絡みのない支持ナノチューブのアレイの繊維を製造する方法の一実施形態のより詳細な概略図である。ナノチューブはカーボンナノチューブとすることもでき、支持アレイの製造が可能な任意のタイプのナノチューブとすることもできる。図4aには、ナノチューブの支持アレイの上方に位置する紡糸シャフトのフック状端が示されている。図4a〜図4cの縮尺比は、シャフトの幅がナノチューブの幅とほぼ同じであることを意味するものではない。現実には、ナノチューブは紡糸シャフトよりも狭くなる。また、フック状端の代わりに、数十、数百、数千、数万または数十万のナノチューブを集めることのできるその他の構造を使用することもできる。ナノチューブを接合するためのフック状端の代わりに、またはフック状端に加えて、接着剤を使用することができる。図4bでは、フック状端が支持アレイからのナノチューブと接触し、シャフトが回転するにつれて、ナノチューブをフック状端のまわりで撚り合わせ始めるように、シャフトはアレイの十分近くまで移動している。何千何万のナノチューブが最初に撚り合される可能性が高い。図4cでは、シャフトが紡糸を行い、ナノチューブが相互に撚り合され、支持アレイから分離するので、アレイが紡糸シャフトから離れて垂直に、紡糸シャフトに対して水平軸に沿って動くにつれて、繊維は成長し始める。紡糸シャフトとアレイとの相対運動は、紡糸シャフトおよび/またはアレイの垂直および水平位置を調節することにより実現することもできる。アレイは紡糸シャフトに対するもう1つの水平軸に沿って、紡糸軸から離れるように移動でき、その結果、アレイからの追加のナノチューブを成長中繊維のまわりで撚り合わせ、繊維の長さを伸ばすことができる。
【0025】
繊維が所望の長さに達した後に、紡糸工程は停止され、紡糸された繊維がほどけることのないように、繊維の端を接着剤により処理でき、ピンチングまたはその他の方法で処理することもできる。
【0026】
紡糸されたままの繊維を延伸し、ナノチューブの整列を改善することができる。
【0027】
ポリマーコーティングナノチューブを含む場合は、紡糸および延伸の後に、溶剤が蒸発させられ、ポリマーは適当な温度で硬化させられる。詳細な処理パラメータは、製造中に使用された当該のポリマーおよび溶剤により決まることになる。溶剤を除去及び硬化するために真空炉を使用することもできる。
【0028】
本発明の硬化複合体繊維は、強度、長さへの強度依存性(すなわち、寸法効果)、ヤング率、延性、およびその他の特性を求めるために、引張り状態で評価することができる。故障モードを調べてCNT/ポリマー界面の強度を評価するために、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して、複合体繊維の破断面を調べることもできる。複合体繊維およびCNT/ポリマー界面における個々のCNT配置を調べるために、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用することもできる。
【0029】
要約すれば、本発明は、現在のところスペースシャトルや防弾チョッキ用に好適な材料である炭素繊維やケブラーを含めた現在入手可能なあらゆる構造用材料よりも何倍もの強度(10〜40GPa)を有すると期待されるカーボンナノチューブ複合体繊維に関するものである。本発明の複合体繊維と他の方法により製造されるCNT繊維との相違点は、CNTが完全に近い整列と高いCNT体積分率状態で相互にらせん状に撚り合されることにある。繊維は見掛けの長さ制限なしで連続的に紡糸し、スピンドルまたはローラに巻付けることができる。
【0030】
上記実施の形態は本発明を例示及び説明する目的で示したものに過ぎず、これで完全、また、開示した上記の形態に本発明を限定することを意図したものではなく、上記の教示に鑑みて、多くの修正や変更が可能なことは明白であろう。
【0031】
上記実施の形態は、本発明の原理とその実用的な適用例を最もうまく説明し、当業者が本発明を様々な実施の形態および当該の用途に適していると考えられる様々な修正において最もうまく利用できるようにするために選択され、記載されたものである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定められるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の繊維を製造するために使用できる化学蒸着(CVD)により製造されたカーボンナノチューブの整列略平行アレイの走査電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明の様々なステップを要約したフローダイヤグラムである。
【図3】支持カーボンナノチューブから繊維を紡糸する概略図であり、ここに、‘ω’は紡糸速度、‘v’は引張り速度である。
【図4a】紡糸シャフトのフック状端がナノチューブの支持アレイの上方にある状態を示しており、略整列され、糸絡みのない支持ナノチューブのアレイの繊維を製造する方法の実施の形態の概略図である。
【図4b】フック状端が支持アレイからのナノチューブと接触し、ナノチューブをフック状端のまわりに撚り合わせ始める状態を示しており、略整列され、糸絡みのない支持ナノチューブのアレイの繊維を製造する方法の実施の形態の概略図である。
【図4c】ナノチューブが相互に撚り合わされ、支持アレイから分離し、繊維の紡糸を開始するにつれて、アレイが軸に沿って紡糸シャフトに対して移動する状態を示しており、略整列され、糸絡みのない支持ナノチューブのアレイの繊維を製造する方法の実施の形態の概略図である。
【参考文献】
【0033】
以下の参考文献は本明細書中に組み込まれている。
1. B. Z. Demcxyk, Y. M. Wang, J. Cunnings, M. Han, A. Zettl, and R. O. Ritchie, Mater. Sci. Eng. A334(2002) pp.137-178.
2. Concise Encyclopedia of Composite Materials, edited by A. Kelly, Pergamon, Oxford, UK(1995) pp.42, 50, 94.
3. A. B. Dalton, S. Collins, E. Munoz, J. M. Razal, V. H. Ebron, J. P. Ferraris, J. N. Coleman, B. G. Kim, and R. H. Baughman, Nature 423(2003) p.703.
4. X. Zhang, A. Cao, B. Wei, Y. Li, J. Wei, C. Xu, and D. Wu, Chem. Phys. Lett. 362(2002) pp.285-290.
5. K. Jiang, Q. Li, and S. Fan, Nature 419(2002) p.801.
6. D. Penumadu, A. Dutta, G. M. Pharr, and B. Flies, J. Mater. Res. 18(2003) pp.1849-1853.
7. S. Maruyama, R. Kojima, Y. Miyauchi, S. Chiashi, and M. Kohno, Appl. Phys. Lett. 360(2002) pp.229-234.
8. B. Safadi, R. Andrew, and E. A. Grulke, J. Applied Polymer Sci. 84(2002) pp.2660-2669.
9. R. Haggenmueller, H. H. Gommans, A. G. Rinzler, J. E. Fisher, and K. I. Winey, Chem. Phys. Lett. 330(2000) pp.219-225.
10. J. N. Coleman, W. J. Blau, A. B. Dalton, E. Munoz, S. Collins, B. G. Kim, J. Razal, M. Selvidge, G. Vieiro, and R. H. Baughman, Appl. Phys. Lett. 82(2003) pp.1682; and M. Cakek, J. N. Coleman, V. Barron, K. Hedicke, and W. J. Blau, Appl. Phys. Lett. 81(2002) pp.5123-5125.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノチューブの支持アレイから繊維を紡糸することから成る繊維の製造方法。
【請求項2】
上記アレイからの支持ナノチューブと接触させ、ナノチューブの少なくともいくつかを相互に撚り合わせ繊維とするために、紡糸シャフトの一端をナノチューブの上記支持アレイまで移動させ、上記撚り合されたナノチューブが支持体から分離するにつれて、上記アレイから追加の支持ナノチューブが成長中繊維の周りに撚り合わされ、成長中繊維の長さを伸ばすように、紡糸シャフトを上記支持アレイに対して移動させることから成る請求項1記載の方法。
【請求項3】
上記ナノチューブがカーボンナノチューブから成る請求項1記載の方法。
【請求項4】
さらに、ナノチューブの上記支持アレイを繊維に紡糸する前にポリマー溶液をナノチューブの上記支持アレイに溶着させて成る請求項1記載の方法。
【請求項5】
さらに、紡糸の後に過剰なポリマー溶液を除去し、上記カーボンナノチューブを支持体から取外して、次にポリマーを硬化させて成る請求項4記載の方法。
【請求項6】
ポリマーの硬化が、上記ポリマーを硬化させるのに十分な高温で上記ポリマーを加熱することから成る請求項4記載の方法。
【請求項7】
ナノチューブを撚り合わせ、ナノチューブの支持アレイから分離することにより製造される繊維。
【請求項8】
上記アレイからの支持ナノチューブと接触し、ナノチューブの少なくともいくつかを相互に撚り合わせ繊維とするために、紡糸シャフトの一端をナノチューブの上記支持アレイまで移動させ、撚り合されたナノチューブが支持体から分離するにつれて、上記アレイからの追加の支持ナノチューブが成長中繊維の周りに撚り合され、成長中繊維の長さを伸ばすように、紡糸シャフトを上記支持アレイに対して移動することにより、ナノチューブが分離され、相互に撚り合されて成る請求項7記載の繊維。
【請求項9】
ナノチューブが撚り合され、ナノチューブの上記支持アレイから分離される前に、ポリマーの溶液がナノチューブの上記支持アレイに溶着されることから成る請求項7記載の繊維。
【請求項10】
繊維を撚り合わせ、上記支持アレイから分離し、上記ポリマーが硬化させられた後に、過剰なポリマー溶液が除去されることから成る請求項9記載の繊維。
【請求項11】
上記ナノチューブがカーボンナノチューブをから成る請求項7記載の繊維。
【請求項12】
基本的にはらせん状に整列したカーボンナノチューブから成る繊維。
【請求項13】
らせん状に整列したカーボンナノチューブとポリマー結合剤から成る繊維複合体。
【請求項14】
らせん状に整列したカーボンナノチューブと硬化結合剤から成る繊維複合体。
【請求項15】
ナノチューブの支持アレイと、シャフトと、制御された角速度で上記シャフトを回転させるために上記シャフトと係合する少なくとも1つのモータを含み、上記シャフトは、モータが上記シャフトと係合した時にナノチューブを上記支持アレイから集め、上記シャフトが回転した時に上記ナノチューブを相互に撚り合せるための1つの端部を含み、支持されたナノチューブがアレイから分離し、紡糸された繊維の一部になる時に、上記アレイが制御された方向と制御された速度で上記シャフトから離れることが可能であることを特徴とする繊維を紡糸するための装置。

【図2】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−517182(P2008−517182A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537870(P2007−537870)
【出願日】平成17年5月5日(2005.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/015502
【国際公開番号】WO2006/073460
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507128229)ロス アラモス ナショナル セキュリティ,リミテッド ライアビリテイ カンパニー (9)
【Fターム(参考)】