説明

ナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法

【課題】高い品質のナノファイバの効率的な生産を図るナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法を提供すること。
【解決手段】原料液300を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバ301を製造するナノファイバ製造装置100であって、原料液300を空間中に流出させる流出孔118を有する流出体115であって流出孔118の先端である開口部119が配置される外面部116を有する流出体115と、流出体115と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極121と、流出体115と帯電電極121との間に所定の電圧を印加する帯電電源122とを備え、外面部116は、原料液300に対する所定の濡れ性を有することで、流出孔118から流出される原料液300により形成されるテイラーコーン303の底面の大きさを規制するテイラーコーン規制領域120を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、静電延伸現象によりサブミクロンオーダーからナノオーダーの細さである繊維(ナノファイバ)を製造する、ナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂などから成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状(繊維状)物質を製造する方法として、静電延伸現象(エレクトロスピニング)を用いた方法が知られている。
【0003】
この静電延伸現象とは、溶媒中に樹脂などの溶質を分散または溶解させた原料液を空間中にノズルなどにより流出(噴射)させるとともに、原料液に電荷を付与して帯電させ、空間を飛行中の原料液を電気的に延伸させることにより、ナノファイバを得る方法である。
【0004】
より具体的に静電延伸現象を説明すると次のようになる。すなわち、帯電され空間中に流出された原料液は、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は、徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。
【0005】
この結果として、空間を飛行中の原料液は、電荷密度が徐々に上昇することとなる。そして、溶媒は、継続して蒸発し続けるため、原料液の電荷密度がさらに高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力より勝った時点で原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。これが静電延伸現象である。この静電延伸現象が、空間において次々と幾何級数的に発生することで、直径がサブミクロンオーダーの樹脂から成るナノファイバが製造される。
【0006】
以上のような静電延伸現象を用いてナノファイバを製造する装置の専らの課題として生産効率の向上が挙げられる。例えば、原料液を空間中に流出させる細い円筒形状のノズルをマトリクス状に配置し、単位時間あたり単位面積あたりのナノファイバの発生量を増加させ、ナノファイバの生産効率を向上させることが考えられる。しかし、単位面積あたりのナノファイバの発生量を増加させるためには、ノズルの配置間隔を狭めればよいが、間隔が狭まると隣接するノズル同士が電界干渉を起こして発生するナノファイバに不具合が発生する。そこで当該課題を解決するために特許文献1に記載の発明は、ノズルの間に格子状に隔離板を配置し、該隔離板に交流電圧を印加することで、電界干渉を防止している。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明のように、円筒状の流出体の側面に多数の孔を放射状に設け、流出体をその軸周りで回転させることにより原料液を空間中に流出させる装置も提案されている。この発明では、滑らかな曲面(周面)に孔の開口部を配置することで、前記隔離板を設けること事無く電界干渉を抑止することができ、開口部を密に設ける事が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−201559号公報
【特許文献2】特開2008−150769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1の発明では、ノズルの間に隔離板を設ける必要があるため、その分ノズルの間隔が広くなり、生産効率低下を招くことになる。
【0010】
一方、特許文献2に記載の発明では、周面に開口部が並んでいるため、隣接する開口部間における電界干渉は抑制される。これにより、開口部の間隔を短くすることが可能である。しかし、原料液が流出する開口部が周面に形成されているため、開口部周辺に原料液のにじみが発生する。これにより、開口部から流出する原料液によって形成される、流出方向に先細る円錐形状のテイラーコーン(Taylor cone)の底面が不要に大きくなる。
【0011】
なお、このテイラーコーンは、原料液の表面張力、原料液を空気中に流出させる圧力、および、空気中に流出した原料液を堆積膜の方向へ誘引する電界による力などの釣り合いにより形成される円錐形状の液だまりである。
【0012】
ここで、テイラーコーンは、電荷の集中のために必要な場合もある。しかし、本願発明者らは、テイラーコーンの底面が不要に大きくなると、高い品質のナノファイバの効率的な生産に問題が生ずることを見出すに至った。
【0013】
具体的には、テイラーコーンの底面が大きくなるに従い、当該底面の付近に溶液の淀みが発生し原料液が空気と触れる面積が大きくなる。これにより、原料液が固化し、原料液の空間中への流出が妨げられる場合がある。更に、この淀みが液滴となって、ナノファイバが堆積される堆積膜上に落下することで繊維の品質が悪化するという問題も生じる可能性がある。
【0014】
本願発明は、前記問題点や知見に基づくものであり、高い品質のナノファイバの効率的な生産を図るナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造装置は、原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、原料液を空間中に流出させる流出孔を有する流出体であって、前記流出孔の先端である開口部が配置される外面部を有する流出体と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧を印加する帯電電源とを備え、前記外面部は、前記原料液に対する所定の濡れ性を有することで、前記流出孔から流出される前記原料液により形成されるテイラーコーンの底面の大きさを規制するテイラーコーン規制領域を有する。
【0016】
この構成により、流出体から流出する原料液によって形成されるテイラーコーンの底面の大きさは、テイラーコーン規制領域により所定の大きさ以下に規制される。
【0017】
従って、原料液の特性等に応じた形状のテイラーコーンの形成が可能となり、その結果、流出孔の開口部付近における原料液の固化および堆積膜上への原料液の滴下などを防止することができる。また、流出孔が複数存在する場合には、複数の流出孔それぞれの開口部におけるテイラーコーンの形状を揃えることも可能となる。すなわち、本願発明にかかるナノファイバ製造装置により、高品質なナノファイバの効率的な生産が実現される。
【0018】
また、前記テイラーコーン規制領域は、前記開口部を囲むように形成され、前記所定の濡れ性よりも高い濡れ性を有する第一領域と、前記第一領域を囲むように形成され、前記所定の濡れ性を有する第二領域とを有するとしてもよい。
【0019】
この構成により、開口部から流出する原料液の広がりを、第一領域と第二領域との境界で規制することができる。
【0020】
また、前記テイラーコーン規制領域は、前記第一領域が所定の大きさ以下であることにより、前記テイラーコーンの底面の大きさを、前記所定の大きさ以下に規制するとしてもよい。
【0021】
この構成によれば、第一領域の大きさを調整することで、当該原料液の特性、当該ナノファイバ製造装置の設置環境、および、製造すべきナノファイバの種類などに応じた、適切な形状のテイラーコーンを形成させることができる。
【0022】
また、前記流出孔は、非円形の前記開口部から前記原料液を流出させ、前記第一領域は、非円形の前記開口部を囲むように形成された円形の領域であるとしてもよい。
【0023】
この構成により、開口部が多角形などの非円形である場合であっても、底面が円形の安定した形状のテイラーコーンを形成させることができる。これにより、非円形の開口部からの原料液の安定した流出が実現される。
【0024】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかるナノファイバ製造方法は、原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、原料液を空間中に流出させる流出孔を有する流出体であって、前記流出孔の先端である開口部が配置される外面部を有する流出体から原料液を流出させる流出工程と、前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、前記流出体との間に所定の電圧を印加する帯電工程と、前記外面部が有するテイラーコーン規制領域が、前記原料液に対する所定の濡れ性を有することにより、前記流出工程において流出される前記原料液により形成されるテイラーコーンの底面の大きさを規制するテイラーコーン規制工程とを含む。
【0025】
これにより、流出体から流出する原料液によって形成されるテイラーコーンの底面の大きさを、所定の大きさ以下に規制することが可能となる。
【0026】
従って、上述の原料液の固化および堆積膜上への滴下などを防止することができる。また、流出孔が複数存在する場合には、複数の流出孔それぞれの開口部におけるテイラーコーンの形状を揃えることも可能となる。すなわち、本願発明にかかるナノファイバ製造方法により、高品質なナノファイバの効率的な生産が実現される。
【発明の効果】
【0027】
本願発明によれば、ナノファイバの生産効率を向上させると共に、製造されるナノファイバの品質の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施の形態のナノファイバ製造装置を示す斜視図である。
【図2】流出体を切り欠いて示す斜視図である。
【図3】外面部側から見た流出体を示す斜視図である。
【図4A】テイラーコーン規制領域の構成の第一の例を示す、外面部を下方から見た図である。
【図4B】テイラーコーン規制領域の構成の第一の例を示す、外面部を斜め下方から見た図である。
【図4C】テイラーコーン規制領域の構成の第一の例を示す、開口部付近の流出体の部分断面図である。
【図5A】テイラーコーン規制領域の構成の第二の例を示す、外面部を下方から見た図である。
【図5B】テイラーコーン規制領域の構成の第二の例を示す、外面部を斜め下方から見た図である。
【図5C】テイラーコーン規制領域の構成の第二の例を示す、開口部付近の流出体の部分断面図である。
【図6A】矩形の開口部が配置された外面部を下方から見た図である。
【図6B】矩形の開口部が配置された外面部を斜め下方から見た図である。
【図7】曲面を備える外面部を斜め下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願発明の実施の形態のナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法を、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
まず、図1および図2を用いて、実施の形態のナノファイバ製造装置の基本的な構成について説明する。
【0031】
図1は、実施の形態のナノファイバ製造装置を示す斜視図である。
図1に示すように、ナノファイバ製造装置100は、原料液300を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバ301を製造する装置であって、流出体115と、供給手段107と、帯電電極121と、帯電電源122と、収集手段128と、誘引手段104と、移動手段129を備える。
【0032】
図2は、流出体115を切り欠いて示す斜視図である。
流出体115は、原料液300の圧力(重力も含む場合がある)により原料液300を空間中に流出させるための部材であり、流出孔118と、外面部116と、側面部117とを備え、さらに、貯留槽113を備えている。また、流出体115は、流出する原料液300に電荷を供給する電極としても機能しており、原料液300と接触する部分の少なくとも一部は導電性を備えた部材で形成される。本実施の形態の場合、流出体115全体が金属で形成されている。なお、金属の種類は導電性を備えておれば、特に限定されるものではなく、黄銅やステンレス鋼など任意の材料を選定しうる。
【0033】
流出孔118は、原料液300を空間中に流出させる孔であり、流出体115に複数個設けられている。また、複数の流出孔118それぞれの先端にある開口部119は、所定の間隔で一次元的に並んで外面部116に配置されている。
【0034】
流出孔118の孔長や孔径は、特に限定されるものではなく、原料液300の粘度などにより適した形状を選定すればよい。具体的には、孔長は、1mm以上、5mm以下の範囲から選定されるのが好ましい。孔径は、0.1mm以上、2mm以下の範囲から選定されるのが好ましい。また、流出孔118の形状は、円筒形状に限定されるわけではなく、任意の形状を選定しうる。特に開口部119の形状は、円形に限定されるわけではなく、三角形や四角形などの多角形、星形など内側に突出する部分のある形状など、非円形であってもかまわない。
【0035】
また、開口部119が並べられる間隔は、全てを等間隔としてもよい。また、流出体115の、開口部119の並び方向(X方向)における端部における開口部119の間隔は、流出体115の中央部における開口部119の間隔よりも広く(狭く)するなど任意に定めることができる。現在得られている知見において、開口部119の孔径が0.3mmの場合、開口部119のピッチは、2.5mm程度までは短縮可能である。なお、これら孔径やピッチなどは、原料液300の粘度など他の条件に応じて決定することが考えられる。
【0036】
また、開口部119は、同一直線上に配置されるばかりでなく、一次元的に並べられていればよい。ここで、一次元的とは、全ての開口部119が配置されるぎりぎりの領域を矩形で囲った場合、開口部119が前記矩形の幅方向には並ばない状態をいう。また、前記開口部119が配置される矩形の領域は、帯形状となる。この意味において、開口部119は、ジグザグに配置されてもよく、サインカーブなどの波を描くように配置されてもよい。
【0037】
また、図2に示すように、側面部117は外面部116に向かって徐々に細くなるように配置されている。そのため、外面部116に電荷を集中させやすく、原料液300に効率的に電荷を供給することができる。
【0038】
貯留槽113は、図2に示すように、流出体115の内部に形成され、供給手段107(図1参照)から供給される原料液300を貯留するタンクである。また、貯留槽113は、複数の流出孔118に接続され、これら流出孔118に同時に原料液300を供給する。つまり、貯留槽113は、原料液300を流出孔118の近傍で一時的に貯留し、複数の流出孔118に均等な圧力で原料液300を供給する機能を備えている。
【0039】
供給手段107は、図1に示すように、流出体115に原料液300を供給する装置であり、原料液300を大量に貯留する容器151と、原料液300を所定の圧力で搬送するポンプ(図示せず)と、原料液300を案内する案内管114とを備えている。
【0040】
帯電電極121は、流出体115と所定の間隔を隔てて配置され、自身が流出体115に対し高い電圧もしくは低い電圧となることで、流出体115に電荷を誘導するための導電性を備える部材である。本実施の形態の場合、帯電電極121は、ナノファイバ301を誘引する誘引手段104としても機能しており、流出体115の外面部116と対向する位置に配置されており、接地されている。従って、流出体115に正の電圧が印加されると帯電電極121には、負の電荷が誘導され、流出体115に負の電圧が印加されると帯電電極121には、正の電荷が誘導される。
【0041】
帯電電源122は、流出体115に高電圧を印加することのできる電源である。帯電電源122は、一般には、直流電源が好ましい。また、帯電電源122が直流電源である場合、帯電電源122が帯電電極121に印加する電圧は、5KV以上、50KV以下の範囲の値から設定されるのが好適である。
【0042】
本実施の形態のように、帯電電源122の一方電極を接地電位とし、帯電電極121を接地すれば、比較的大型の帯電電極121を接地状態とすることができ、安全性の向上に寄与することが可能となる。
【0043】
なお、帯電電極121に電源を接続して帯電電極121を高電圧に維持し、流出体115を接地することで原料液300に電荷を付与してもよい。また、帯電電極121と流出体115とのいずれも接地しないような接続状態であってもかまわない。
【0044】
更に、流出体115と帯電電極121とにそれぞれ逆の極性の高圧電源を接続してもかまわない。
【0045】
収集手段128は、静電延伸現象により製造されるナノファイバ301を堆積させて収集する部材である。本実施の形態の場合、収集手段128は、電子デバイスであるコンデンサを形成する部材であるタングステンのシートであり、ロール127に巻き付けられた状態で供給されている。
【0046】
なお、収集手段128はこれに限定されるわけではない。例えば、収集手段128は、剛性のある板状の部材からなるものでもかまわない。また、ナノファイバ301の堆積物のみを利用する場合には、収集手段128の表面にフッ素コートを行うなど、ナノファイバ301を剥ぎ取る際の剥離性が高い収集手段128であってもよい。
【0047】
誘引手段104は、空間中で製造されたナノファイバ301を収集手段128に誘引するための装置である。本実施の形態の場合、誘引手段104は、帯電電極121としても機能する金属板であり、収集手段128の後方に配置されている。誘引手段104は、帯電しているナノファイバ301を電界により収集手段128に誘引する。つまり、誘引手段104は、帯電したナノファイバ301を誘引するための電界を発生させるための電極である。
【0048】
移動手段129は、流出体115と、収集手段128とを相対的に移動させる装置である。本実施の形態の場合、流出体115は固定されており、収集手段128のみを移動する。具体的に移動手段129は、長尺の収集手段128を巻き取りながらロール127から引き出し、堆積するナノファイバ301と共に収集手段128を搬送する。
【0049】
なお、移動手段129は、収集手段128を移動させるばかりではなく、流出体115を収集手段128に対して移動させるものでもかまわない、また、移動手段129は、収集手段128を一定方向に移動させ、流出体115を往復動させるなど、任意の動作状態を例示することができる。また、開口部119の並び方向と直交する方向に収集手段128を移動させているが、それに限定するものではなく、開口部119の並び方向に収集手段128を移動させ、流出体115を開口部119の並び方向と直交する方向に往復動させるものであってもかまわない。
【0050】
ここで、ナノファイバ301を構成する樹脂であって、原料液300に溶解、または、分散する溶質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等およびこれらの共重合体等の高分子物質を例示できる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、
本願発明は上記樹脂に限定されるものではない。
【0051】
原料液300に使用される溶媒としては、揮発性のある有機溶剤などを例示することができる。具体的に例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、ピリジン、水等を挙示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明に用いられる原料液300は上記溶媒を採用することに限定されるものではない。
【0052】
さらに、原料液300に無機質固体材料を添加してもよい。当該無機質固体材料としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、珪化物、弗化物、硫化物等を挙げることができるが、製造されるナノファイバ301の耐熱性、加工性などの観点から酸化物を用いることが好ましい。当該酸化物としては、Al23、SiO2、TiO2、Li2O、Na2O、MgO、CaO、SrO、BaO、B23、P25、SnO2、ZrO2、K2O、Cs2O、ZnO、Sb23、As23、CeO2、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、Y23、Lu23、Yb23、HfO2、Nb25等を例示することができる。また、上記より選ばれる一種でもよく、また、複数種類が混在してもかまわない。なお、上記は例示であり、本願発明の原料液300に添加される物質は、上記添加剤に限定されるものではない。
【0053】
原料液300における溶媒と溶質との混合比率は、選定される溶媒の種類と溶質の種類とにより異なるが、溶媒量は、約60重量%から98重量%の間が望ましい。好適には溶質が5〜30%となる。
【0054】
次に、図3を用いて、実施の形態における外面部116の詳細について説明する。
図3は、外面部116側から見た流出体115を示す斜視図である。
【0055】
図3に示すように、外面部116は、流出孔118の開口部119が配置される流出体115の部分であり、所定の間隔で配置される開口部119の間を滑らかな面で接続する部分である。本実施の形態の場合、外面部116は、細長い矩形の平面を表面に備え、その幅は、開口部119の径よりも広くなるように設定されている。
【0056】
また、このように、開口部119の周囲の全てにわたって表面が平面の外面部116が存在することにより、それぞれの開口部119には、流出する原料液300によって形成される、開口部119の孔径以上の円形の底面を有する原料液300の液だまりであるテイラーコーン303が発生する。
【0057】
このテイラーコーン303は、上述のように、原料液300の表面張力などに起因して発生し、外面部116上に円形の底面を備える円錐形状となっている。
【0058】
また、図3に示すように、円錐形状のテイラーコーン303から原料液300が空間中に細く流出する。これにより開口部119が空気と直接接触しないので、開口部119から発生するイオン風は抑制される。
【0059】
また、外面部116は、複数存在する開口部119の間を面でつなげているため、電界干渉を抑制することが可能となる。また、開口部119と開口部119との間の領域で発生するイオン風を抑制することができる。従って、開口部119の間隔を狭めた状態で配置しても、良好にナノファイバ301を製造することができる。
【0060】
ここで、本実施の形態における外面部116は、原料液300に対する所定の濡れ性を有することでテイラーコーン303の底面の大きさを規制するテイラーコーン規制領域120を有している。
【0061】
これにより、テイラーコーン303の底面が不必要に大きくなることが防止される。その結果、当該底面の付近に発生する溶液の淀みの量が抑制され、原料液300の固化および堆積膜上への滴下などが防止される。
【0062】
なお、テイラーコーン規制領域120は、外面部116の全域を覆うように配置されていてもよく、各開口部119の周囲を含む、外面部116の一部のみに配置されていてもよい。また、テイラーコーン規制領域120が有する所定の濡れ性とは、原料液300をはじくことで原料液300の濡れ広がりを抑える程度の濡れ性である。例えば外面部116を形成する金属の表面にフッ素コーティングを施すことにより、原料液300が濡れ広がらないようにすることができる。
【0063】
以下、図4A〜図6を用いて、テイラーコーン規制領域120の構成例について説明する。
【0064】
図4A〜図4Cは、テイラーコーン規制領域120の構成の第一の例を示す図である。具体的には図4Aは、外面部116を下方から見た図であり、図4Bは、外面部116を斜め下方から見た図であり、図4Cは、開口部119付近の流出体115の部分断面図である。
【0065】
これら図4A〜図4Cに示すテイラーコーン規制領域120は、第一領域120aと第二領域120bとを有する。第一領域120aは、当該所定の濡れ性よりも高い濡れ性を有し、開口部119を囲むように形成されている。また、第二領域120bは、当該所定の濡れ性を有し、第一領域120aを囲むように形成されている。
【0066】
このように形成された第一領域120aでは、第一領域120aが、第二領域120bが有する所定の濡れ性よりも高い濡れ性を有することで、原料液300の濡れ広がりが許容される。しかし、第二領域120bでは、第二領域120bが、当該所定の濡れ性を有することで濡れ広がりが抑えられる。その結果、図4Bおよび図4Cに示すように、第一領域120aと第二領域120bとの境界でテイラーコーン303の底面の大きさは規制される。
【0067】
例えば、原料液300が溶媒として水を有する場合、第一領域120aを、例えば酸化チタンでコーティングし、第二領域120bを、例えばフッ素でコーティングする。これにより、第一領域120aでは原料液300が濡れ広がり、第一領域120aと第二領域120bとの境界で濡れ広がりが停止させることができる。
【0068】
なお、第二領域120bが、開口部119から流出する原料液300が濡れ広がらない程度の所定の濡れ性を有し、かつ、第一領域120aが、当該所定の濡れ性よりも高い濡れ性を有していれば、第一領域120aおよび第二領域120bへの、濡れ性を向上または低下させる素材のコーティング等の積極的な加工の有無はいずれかには限定されない。
【0069】
このように構成されたテイラーコーン規制領域120において、第一領域120aの大きさを調整することで、テイラーコーン303の底面の大きさを変化せることができる。
【0070】
例えば、原料液300に含まれる溶質がポリウレタンであり溶媒がジメチルアセトアミドである場合など、原料液300が比較的に乾燥しにくい場合、第一領域120aを大きくする、具体的には、第一領域120aの外周円の半径を比較的大きな値に設定する。これにより、テイラーコーン303の底面が大きくなるとともにテイラーコーン303の表面積が大きくなり、原料液300の適切な乾燥が促進される。
【0071】
また、例えば、原料液300に含まれる溶質がポリビニルアルコールであり溶媒が水である場合など、原料液300の表面張力が比較的大きな場合、第一領域120aの外周円の半径を比較的大きな値に設定する。
【0072】
この場合、テイラーコーン303の底面の半径が長くなることで、開口部119から流出する原料液300が球になろうとする力が弱まる。その結果、開口部119から流出する原料液300は、安定的な円錐形状を形成する。つまり、テイラーコーン303が形成され、原料液300の安定した流出が図られる。
【0073】
また、乾燥しやすい原料液300、言い換えると固化しやすい原料液300を用いる場合など、テイラーコーン303の底面の大きさを極力小さくしたい場合、テイラーコーン規制領域120を、原料液300が濡れ広がらない程度の所定の濡れ性を有する領域のみで構成してもよい。
【0074】
図5A〜図5Cは、テイラーコーン規制領域120の構成の第二の例を示す図である。具体的には図5Aは、外面部116を下方から見た図であり、図5Bは、外面部116を斜め下方から見た図であり、図5Cは、開口部119付近の流出体115の部分断面図である。
【0075】
これら図5A〜図5Cに示すテイラーコーン規制領域120は、例えばフッ素コーティングがなされていることで、原料液300が濡れ広がらない程度の所定の濡れ性を有する領域のみで構成されている。その結果、図5Bおよび図5Cに示すように、開口部119の端縁でテイラーコーン303の底面の大きさは規制される。
【0076】
つまり、テイラーコーン303の底面は、開口部119の孔径と略同一の半径の円形に留められ、原料液300の淀みが防止される。また、テイラーコーン303の表面積も小さくなる。そのため、原料液300が乾燥しやすい特性を有する場合であっても、原料液300の固化、および、原料液300の淀みからの滴下が防止され、その結果、原料液300の安定した流出が図られる。
【0077】
このように、実施の形態におけるナノファイバ製造装置100によれば、所定の濡れ性を有するテイラーコーン規制領域120により、テイラーコーン303の底面の大きさは、所定の大きさ以下に規制される。
【0078】
従って、原料液300の特性等に応じた形状のテイラーコーン303の形成が可能となり、その結果、開口部119付近における原料液300の固化および収集手段128上への原料液300の滴下などを防止することができる。また、複数の開口部119におけるテイラーコーン303の形状を揃えることも可能となる。
【0079】
例えば、原料液300の粘性が高い場合などにおいて、複数の開口部119それぞれで、開口部119周囲への原料液300の濡れ広がり量、言い換えると原料液300のにじみ量が異なる場合がある。その結果、複数の開口部119それぞれからの原料液300の単位時間当たりの流出量が異なることになり、製造されるナノファイバ301の質が低下する。
【0080】
しかしながら、実施の形態におけるナノファイバ製造装置100であれば、複数の開口部119それぞれに形成されるテイラーコーン303の底面の大きさを均一化することができる。その結果、複数の開口部119それぞれからの原料液300の単位時間当たりの流出量は均一化され、高品質なナノファイバ301の効率的な製造が可能となる。
【0081】
また、実施の形態におけるナノファイバ製造装置100は、図4A〜図4Cに示すように、テイラーコーン303の底面を、所定の大きさの円形にすることができる。そのため、例えば、開口部119の形状が非円形であっても、円錐形状のテイラーコーン303を形成することができ、その結果、原料液300の安定した流出が図られる。
【0082】
図6Aは、矩形の開口部119aが配置された外面部116を下方から見た図であり、図6Bは、矩形の開口部119aが配置された外面部116を斜め下方から見た図である。
【0083】
図6Aおよび図6Bに示すように、矩形の開口部119aを囲むように外周が円形の第一領域120aが配置されている。また、第一領域120aを囲むように第二領域120bが配置されている。
【0084】
なお、第一領域120aおよび第二領域120bのそれぞれが有する濡れ性は、図4A〜図4Cに示す第一領域120aおよび第二領域120bと同じである。つまり、開口部119aから流出する原料液300は、第一領域120aを濡れ広がり、その濡れ広がりは第一領域120aと第二領域120bとの境界で停止する。
【0085】
これにより、図6Bに示すように、それぞれの開口部119aには円錐状のテイラーコーン303が形成され、それぞれの開口部119aから原料液300が安定的に流出する。もちろん、開口部119aが楕円または三角形等の非円形であっても同様である。
【0086】
次に、上記構成のナノファイバ製造装置100を用いたナノファイバ301の製造方法を説明する。
【0087】
まず、供給手段107により流出体115に原料液300を供給する(供給工程)。以上により、流出体115の貯留槽113に原料液300が満たされる。
【0088】
次に、帯電電源122により帯電電極121を正または負の高電圧とする。帯電電極121と対向する流出体115の外面部116に電荷が集中し、当該電荷が流出孔118を通過して空間中に流出する原料液300に転移し、原料液300が帯電する(帯電工程)。
【0089】
前記帯電工程と供給工程とは同時期に実施され、流出体115の開口部119から帯電した原料液300が流出する(流出工程)。
【0090】
ここで、開口部119から流出する原料液300は、上述のようにテイラーコーン303を形成する。このテイラーコーン303の形成の際、テイラーコーン303の底面の大きさは、テイラーコーン規制領域120により規制される(テイラーコーン規制工程)。
【0091】
次にある程度空間中を飛行した原料液300に静電延伸現象が作用することによりナノファイバ301が製造される(ナノファイバ製造工程)。ここで、原料液300は、イオン風に影響されることなく強い帯電状態(高い電荷密度)で流出し、また、各開口部119から飛行する原料液300がまとまることなく細い状態で流出する。これにより、原料液300のほとんどがナノファイバ301に変化していく。また、原料液300は、強い帯電状態(高い電荷密度)で流出しているため、静電延伸が何次にもわたって発生し、線径の細いナノファイバ301が大量に製造される。
【0092】
この状態において、収集手段128の背方に配置される誘引手段104と流出体115との間に発生する電界により、ナノファイバ301が収集手段128に誘引される(誘引工程)。
【0093】
以上により、収集手段128にナノファイバ301が堆積して収集される(収集工程)。収集手段128は、移動手段129によりゆっくり移送されているため、ナノファイバ301も移送方向に延びた長尺の帯状部材として回収される。
【0094】
以上のような構成のナノファイバ製造装置100を用い、以上のナノファイバ製造方法を実施することによって、流出体115から流出する原料液300により形成されるテイラーコーン303の底面の大きさを、原料液300の特性等に応じた大きさに規制することができる。その結果、高い生産効率を維持しつつ、品質の高いナノファイバ301を均一に製造することが可能となる。
【0095】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるわけではない。例えば、外面部116が平面ではなくてもテイラーコーン303が発生する場合もある。従って、外面部116は矩形の平面を備えるものに限定されない。
【0096】
図7は、曲面を備える外面部116を斜め下方から見た図である。
図7に示すように、外面部116は曲面を備えている場合であっても、外面部116にテイラーコーン規制領域120を配置することで、各開口部119におけるテイラーコーン303の底面の大きさのコントロールは可能である。
【0097】
また、外面部116が単一平面および局面以外の形状を有していても、テイラーコーン303が形成されるのであれば、外面部116にテイラーコーン規制領域120を配置することで、実施の形態と同様にテイラーコーン303の底面の大きさのコントロールは可能である。
【0098】
なお、曲面を備える外面部116に、図5A等で説明した、原料液300が濡れ広がらない程度の所定の濡れ性を有する領域のみで構成されたテイラーコーン規制領域120を配置してもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、流出体115には流出孔118および開口部119がそれぞれ複数備えられるとした。しかしながら、流出体115に、流出孔118および開口部119が一組のみ備えられていてもかまわない。
【0100】
また、本実施の形態では、帯電電極121が、ナノファイバ301を誘引する誘引手段104としても機能するとした。しかしながら、この構成に限定されず、誘引手段104と帯電電極121とが互いに別の構成要素として設けられていてもよい。例えば、誘引手段114は、電界によりナノファイバ301を誘引するものではなく、エア吸引、または送風によりナノファイバ301を誘引するものでもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本願発明は、ナノファイバの製造やナノファイバを用いた紡糸、不織布の製造に利用可能である。
【符号の説明】
【0102】
100 ナノファイバ製造装置
104 誘引手段
107 供給手段
113 貯留槽
114 案内管
115 流出体
116 外面部
117 側面部
118 流出孔
119、119a 開口部
120 テイラーコーン規制領域
120a 第一領域
120b 第二領域
121 帯電電極
122 帯電電源
127 ロール
128 収集手段
129 移動手段
151 容器
300 原料液
301 ナノファイバ
303 テイラーコーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造装置であって、
原料液を空間中に流出させる流出孔を有する流出体であって、前記流出孔の先端である開口部が配置される外面部を有する流出体と、
前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、
前記流出体と前記帯電電極との間に所定の電圧を印加する帯電電源とを備え、
前記外面部は、前記原料液に対する所定の濡れ性を有することで、前記流出孔から流出される前記原料液により形成されるテイラーコーンの底面の大きさを規制するテイラーコーン規制領域を有する
ナノファイバ製造装置。
【請求項2】
前記テイラーコーン規制領域は、前記開口部を囲むように形成され、前記所定の濡れ性よりも高い濡れ性を有する第一領域と、前記第一領域を囲むように形成され、前記所定の濡れ性を有する第二領域とを有する
請求項1記載のナノファイバ製造装置。
【請求項3】
前記テイラーコーン規制領域は、前記第一領域が所定の大きさ以下であることにより、前記テイラーコーンの底面の大きさを、前記所定の大きさ以下に規制する
請求項2記載のナノファイバ製造装置
【請求項4】
前記流出孔は、非円形の前記開口部から前記原料液を流出させ、
前記第一領域は、非円形の前記開口部を囲むように形成された円形の領域である
請求項2記載のナノファイバ製造装置。
【請求項5】
原料液を空間中で電気的に延伸させて、ナノファイバを製造するナノファイバ製造方法であって、
原料液を空間中に流出させる流出孔を有する流出体であって、前記流出孔の先端である開口部が配置される外面部を有する流出体から原料液を流出させる流出工程と、
前記流出体と所定の間隔を隔てて配置される帯電電極と、前記流出体との間に所定の電圧を印加する帯電工程と、
前記外面部が有するテイラーコーン規制領域が、前記原料液に対する所定の濡れ性を有することにより、前記流出工程において流出される前記原料液により形成されるテイラーコーンの底面の大きさを規制するテイラーコーン規制工程と
を含むナノファイバ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−153390(P2011−153390A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16054(P2010−16054)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】