説明

ナノ構造体及びその製造方法

【課題】
本発明は、多孔質皮膜の細孔中に、溶媒を予め滲入させておくことにより、粘度の大きなゾルであってもナノメートルサイズの細孔中の底部にまでゾルを自在に滲入させることができるナノ構造体の製造方法の提供を目的とするものである。また、細孔壁表面積より遙かに大きな表面積を持つゲルを有したナノ構造体の提供を目的とするものである。
【解決手段】
本発明1のナノ構造体の製造方法は、ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜にゾル状物質を付着させてなるナノ構造体の製造方法であって、ゾル状物質を溶解又は分散可能な溶媒を細孔に滲入させた多孔質皮膜にゾル状物質を接触させて、ゾルーゲル法により、前記物質を前記細孔内に滲入させてゲル化することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゾルーゲル法により製造されるナノ構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゾルーゲルコーティング法を利用して製造されるナノ構造体及びその製造方法には、規則的に配列した細孔を有する多孔質陽極酸化皮膜を形成し、その細孔中にナノ構造体を形成するゾルをゾルーゲルコーティング法で充填するものがあり、既に、特許文献に開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)
【0003】
【特許文献1】特開2003−73859号公報
【特許文献2】特開2004−130171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来のナノ構造体の製造方法では、陽極酸化により多孔質陽極酸化皮膜を製造し、多孔質陽極酸化皮膜をエタノール等で洗浄した後に乾燥し、酸化物ゾルを多孔質陽極酸化皮膜表面に接触させることにより多孔質陽極酸化皮膜の細孔中に酸化物ゾルを滲入させていた。この方法では、細孔中にゾルを滲入させるために、ゾルの粘度を小さくする必要があった。ゾルの粘度が大きい場合には、ゾルは多孔質皮膜の表面部に留まり、ゾルを細孔中に深く滲入させることができなかった。
ゾルの粘度を低くする方法としては、ゾルの濃度を低くすること、ゾルの温度高くすること、又は、ゾルの熟成時間を調節する必要があり、形成できるナノ構造の形状に制限があった。また、意図した形状のナノ構造体の形成を目的として、粘度の低い、またはゾルの粘度が低くなるような他の添加剤を必要とする場合もあり、ナノ構造体の製造工程を複雑なものにしていた。
しかも、上述の手段でゾルの粘度を小さくしても、細孔径が80nmより小さい場合、ゾルを細孔中に制御しつつ自在に滲入させる技術は知られていなかった。
さらに、従来のナノ構造体は、細孔中にゾルが充填された後にゲル化されるが、生成したゲルはその細孔壁をほぼ均一な厚さで細孔壁全面を覆うものとなり、ゲルの表面積を細孔壁の表面積より大きくすることが実質的には不可能であった。
つまり、従来のナノ構造体では、凹凸のない均一なゲル膜を形成するために、ゲルの表面積を細孔壁の表面積より大きくすることが実質的には不可能となっていた。
【0005】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、多孔質皮膜の細孔中に、溶媒を予め滲入させておくことにより、粘度の大きなゾルであってもナノメートルサイズの細孔中の底部にまでゾルを自在に滲入させることができるナノ構造体の製造方法の提供を目的とするものである。また、細孔壁表面積より遙かに大きな表面積を持つゲルを有したナノ構造体の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明1のナノ構造体の製造方法は、ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜にゾル状物質を付着させてなるナノ構造体の製造方法であって、ゾル状物質を溶解又は分散可能な溶媒を細孔に滲入させた多孔質皮膜にゾル状物質を接触させて、ゾルーゲル法により、前記物質を前記細孔内に滲入させてゲル化することを特徴とする。
【0007】
また、本発明2のナノ構造体は、ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜にゾル状物質を付着させてなるナノ構造体であって、前記細孔の内面壁に前記ゾル状物質から変性したゲル状粒子が固着してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
従来は、多孔質皮膜の細孔中に、溶媒が残っていると、細孔内に滲入するゾルの濃度が希釈されると考えられており、溶媒で多孔質皮膜を洗浄した後に完全に乾燥させていた。しかし、本発明のナノ構造体製造方法においては、予め、敢えて溶媒を滲入させておくことにより、ゾル状物質を細孔内部に吸引するごとく引き込むことになり、サブミクロン以下の特に80nm以下の細孔においても、粘度の高い酸化物ゾルであっても、細孔中の奥深くまでゾル状物質を滲入させることができ、従来にない形状のナノ構造体を製造することができる。
また、本発明のナノ構造体は、ナノメートルサイズの細孔中の内面壁にゲル状粒子を固着してあるので、細孔壁の表面積に比べ遙かに大きな表面積をもって、機能物質が固定されることとなり、触媒など被処理物質に接触することで機能を果たす粒子を固定すると、従来には望み得ない高い処理効率を得ることが可能になった。
【0009】
つまり、80nm以下では、触媒作用を有するナノ構造体の製造が難しいとされてきたが、例えば、30nm〜80nmの細孔径を有する多孔質陽極酸化皮膜を使って、非常に大きな比表面積を有するナノ構造体を製造することができる。
【0010】
さらに、本発明のナノ構造体は、ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜の細孔の内壁にゲルが粒状に形成されたナノ構造体であるので、従来のナノ構造体に比べ、ナノ構造体の比表面積を非常に大きくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明におけるナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜は、製造方法を限定されるものではないが、製造の容易さを考慮すると、多孔質陽極酸化皮膜が好ましい。
【0012】
本発明における溶媒とは、酸化物ゾルの溶媒そのものでもあってもよく、または、酸化物ゾルを分散できる溶媒であってもよい。例えば、金属アルコキシド(チタンイソプロポキシド)を出発原料としたチタニアゾルの場合、エタノールが好適に用いられる。
【0013】
本発明の多孔質化皮膜の細孔径は、30nm以上であることが好ましい。また、触媒としてナノ構造体を利用する場合を考慮すると、30nm〜250nmとすることがさらに好ましい。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明のナノ構造体の製造方法の一例を説明するための模式図であり、図2は実施例1のナノ構造体の破断面SEM像写真であり、図3は実施例2のナノ構造体の破断面SEM像写真であり、図4は実施例3のナノ構造体の破断面SEM像写真である。
【0015】
図1を用いて、本発明のナノ構造体の製造方法を説明する。(1)は多孔質陽極酸化皮膜(10)の細孔(11)にナノ構造体を形成する酸化物ゾル(13)の溶媒(12)を滲入させた状態を示したものである。溶媒(12)を細孔(11)に滲入させる方法としては多孔質皮膜(10)を溶媒(12)に浸漬させ超音波をかけることが効果的である。
【0016】
(2)は酸化物ゾル(13)を多孔質皮膜(10)の表面に接触させた状態を図示したものである。このように、細孔(11)に溶媒(12)を滲入させたものに、酸化物ゾル(13)を接触させることにより、酸化物ゾル(13)が溶媒(12)に溶解・分散され、細孔(11)中の奥深くまで拡散滲入して行く。この現象を利用することにより、従来困難とされていた粘性の高いゾル液であっても細孔内に導入することができる。例えば、高濃度の酸化物ゾル液を使用して酸化物ゾルを細孔内に導入することができる。また、一般に酸化物ゾルの粘度は温度が低いほど高いため、低温の酸化物ゾルを細孔内に導入することが困難であったが、本発明によれば、低温の酸化物ゾル液を使用して酸化物ゾルを細孔内に導入することができる。さらに、80nm以下の従来では酸化物ゾル液を導入することが困難とされていた細孔中に酸化物ゾル液を導入することができる。
【0017】
酸化物ゾル(13)を多孔質皮膜(10)の表面に接触させる方法としては、一般には多孔質皮膜(10)を酸化物ゾル(13)の中に浸漬する方法が採られるが、多孔質皮膜(10)の表面に酸化物ゾル(13)を塗布する等の方法が採られてもよい。
【0018】
(3)は、酸化物ゾル(13)が溶媒(12)に溶解・分散された溶液(14)が、細孔(11)中に充填された状態を示したものである。必ずしも限定されるものではないが、酸化物ゾル(13)を多孔質皮膜(10)の表面に接触させる時間は5分〜60分程度が好ましく、また、接触させている時間中に、超音波振動等の振動を与えることも効果的である。このようして酸化物ゾル(13)が細孔(11)中の溶媒(12)に溶解・分散されたものから、溶媒を揮発させ、さらに加熱することにより、酸化物ナノ構造体を製造することができる。この酸化物ナノ構造体は、ゾルの成分により、触媒作用を持つものとすることや、強度および耐久性に優れたものとすることができる。
【実施例1】
【0019】
本実施例では、次のようにして製造した多孔質のアルミナ皮膜に、前記方法に基づき酸化物ゾルの一種であるチタニアゾル液を滲入させた。
脱脂処理を行った純度99.99 %のAl金属板をアセトン中で超音波洗浄を10分間行った。その後、10℃の3vol%の燐酸溶液中で120Vの電圧を1時間印加して陽極酸化を行った。その後、30℃の5vol%の燐酸中で孔径の拡大処理を行った。その結果、Al板表面に孔径約150nmの規則配列した細孔を有する、厚さ約2μmの緻密な多孔質アルミナ皮膜が得られた。
【0020】
酸化物ゾルの粘度は、ASTM及びJISに準拠して製作されたガラス製毛管式粘度計ウベローデ(SHIBATA、SU−94427)を用いて、規定の条件において、一定量の液体が毛細管を流れる時間を20℃で測定し、流出時間(秒)に粘度計常数を乗じて求めた。つまり、粘度は動粘度(cSt:センチストークス)である。
【0021】
上述のように作製した多孔質アルミナ皮膜をエタノールで20分間超音波洗浄した後、多孔質アルミナ皮膜の細孔中に溶媒であるエタノールを滲入させたまま、20 ℃の一定温度でTTIP濃度の異なるチタニアゾル液に浸け、超音波を10秒間かけた後20分間浸漬した。多孔質アルミナ皮膜からなる試料をゾル液から引き上げた後、乾燥 (室温/1h,100 ℃/1h) と結晶化処理(500 ℃ /2h) を行った。それらの試料を切断し、破断面のXRD解析を行ったところ、光触媒作用を持つアナターゼ型TiOが作製されていることが確認できた。
ここで、TTIP濃度は、(TTIP:ACAC:HO:Et−OH=1: 1: 3:X)とすると、X = 10の場合0.95mol/L,X=60の場合0.25mol/L, X=140の場合0.11mol/Lの濃度にそれぞれ対応する。
【0022】
また、上記試料の破断面の様子を、FESEM(S−5000、Hitachi)を用いて観察した。図2、図3、図4に、各濃度でアルミナ多孔質皮膜へチタニアの充填を行ったときの破断面のSEM像を示す。図2、図3、図4に示すように、(a)0.95mol/L、(b)0.25mol/L、 (c)0.11mol/Lと濃度を変化させて充填を行った結果、いずれも細孔の壁に沿ってチタニアが固着していた。また、粘性の高い高濃度のときも底の方までチタニアが固着しており、細孔の底までゾルが浸入することが確認できた。
【0023】
図2及び図3においては、多孔質アルミナ皮膜の表面に酸化チタンの層が形成されているが、これらの酸化チタンの層を取り除き、細孔を開口させることは容易である。
【0024】
また、上記それぞれの濃度における動粘度は、0.95mol/Lの場合2.3cSt、0.25mol/Lの場合1.5cSt、0.11mol/Lの場合1.3cStであった。
【実施例2】
【0025】
実施例1と同様に作製した多孔質アルミナ皮膜をエタノールで20分間超音波洗浄した後、多孔質アルミナ皮膜の細孔中にエタノールを滲入させたまま、5,30, 50 ℃の各温度に設定したチタニアゾル液(TTIP:ACAC:HO:Et−OH=1: 1: 3:20)に浸け、超音波を10秒間かけた後20分間浸漬した。この場合のTTIP濃度は、0.61mol/Lの濃度に対応する。多孔質アルミナ皮膜からなる試料をゾル液から引き上げた後、乾燥(室温/1h,100 ℃/1h)と結晶化処理 (500℃/2h) を行った。その試料の破断面の様子を、FESEMを用いて観察した。
【0026】
図5、図6、図7に、各ゾル温度でアルミナ多孔質皮膜の細孔中へのチタニアの充填を行ったときの破断面SEM像を示す。図5、図6、図7に示すように、ゾル温度を(a)5℃、(b)30℃、(c)50℃と変化させて充填を行った結果、実施例1のゾル濃度を変化させたときと同様に、いずれの温度においても、細孔中の奥深い底部にまで細孔壁面に沿ってチタニアが付着していた。このとき粘性の高い低温度のときも底の方までチタニアが付着しており、底部までゾルが滲入することが確認できた。
【0027】
また、それぞれのゾル温度における動粘度は、5℃の場合2.0cSt、30℃の場合1.7cSt、50℃の場合1.4cStであった。
【実施例3】
【0028】
脱脂処理を行った純度99.99 %のAl金属板をアセトン中で超音波洗浄を10分間行った。その後、10℃の2wt%のシュウ酸溶液中で40Vの電圧を1時間印加して陽極酸化を行った。その後、30℃の5vol%の燐酸中で孔径の拡大処理を行った。その結果、Al板表面に孔径約33nmの規則配列した細孔を有する、厚さ約1.5μmの緻密なアルミナ皮膜が得られた。
【0029】
上述のように作製した多孔質アルミナ皮膜をエタノールで20分間超音波洗浄した後、多孔質アルミナ皮膜の細孔中にエタノールを滲入させたまま、20 ℃の一定温度でゾル液 (TTIP:ACAC:HO:Et−OH=1: 1: 3:20)に浸け、超音波を10秒間かけた後20分間浸漬した。この場合の動粘度は、1.8cStであった。 試料をゾル液から引き上げた後、乾燥(室温/1h,100 ℃ /1h) と結晶化処理(500 ℃/2 h)を行った。それらの試料の破断面のXRD解析を行ったところ、光触媒作用を持つアナターゼ型TiOが作製されていることが確認できた。
【0030】
また、上記試料の破断面の様子を、FESEM(S−5000、Hitachi)を用いて観察した。図8に、アルミナ多孔質皮膜の細孔中へチタニアの充填を行ったときの破断面のSEM像を図に示す。図8に示すように、細孔の壁に沿って底から上部まで、約20nm程度の径の粒状チタニアが付着していた。
【比較例】
【0031】
実施例3と同様に作製した多孔質アルミナ皮膜をエタノールで20分間超音波洗浄し、その後、エタノールを揮発乾燥させた後、20 ℃の一定温度でゾル液 (TTIP:ACAC:HO:Et−OH=1: 1: 3:20)に浸け、超音波を10秒間かけた後20分間浸漬した。 試料をゾル液から引き上げた後、乾燥(室温/1h,100 ℃ /1h) と結晶化処理(500 ℃/2 h)を行った。それらの試料の破断面のXRD解析を行ったところ、光触媒作用を持つアナターゼ型TiOは認められなかった。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、本発明の具体的構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の原料の変更等があっても本発明に含まれる。
【0033】
例えば、酸化物ゾルは、金属アルコキシドを出発としたチタニアゾルに限られるものではなく、その他の酸化物ゾル、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物ゾルおよびこれらの金属の塩化物を出発原料としたゾルを使用可能である。また、溶媒はエタノールに限られず、酸化物ゾルに適した溶媒を採用することができる。例えばメタノール、プロパノール及びブタノールなどを挙げることができる。また、溶媒にアセトンを加えることも可能である。
また、多孔質皮膜はアルミナ多孔質皮膜に限られるものではなく、バブル金属の多孔質陽極酸化皮膜を採用することができる。バブル金属としては、Mg,Ti,Si,Ta,Nb,Zrなどが挙げられる。また、他の公知の多孔質皮膜であってもよい。また、細孔径の範囲は実施例に限られるものではない。
また、多孔質皮膜は、陽極酸化に限られるものではなく、例えば、リソグラフィープロセスとエッチングプロセスとを利用する方法等公知の方法によって製造することができる。
【0034】
例えば、細孔径が80nm以下の多孔質皮膜を利用したゲル状粒子の付着したナノ構造体の場合、細孔を表裏に貫通させることにより、微小な粒子のフィルターとして好適に利用できる。また、ゲル状粒子が触媒作用を有している場合は、処理気体を、細孔を通過させることにより、必要な触媒作用を効果的に発現させることができる。これらの効果は細孔径が小さいほど顕著であり、特に40nm以下であれば、ナノ構造体の比表面積を非常に大きくすることができるので効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
粘度の高い酸化物ゾルを使用して微細な構造のナノ構造体を製造することができるので、ナノ構造体を利用した高効率な光触媒、化学センサーなどの製造に多大な貢献をなすことができる。また、比表面積の大きいナノ構造体により、従来にない高性能の光触媒、化学センサーなどを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例1のナノ構造体の製造方法を示す説明のための模式図。
【図2】実施例1のナノ構造体の破断面のSEM像写真で0.95mol/Lの場合。
【図3】実施例1のナノ構造体の破断面のSEM像写真で0.25mol/Lの場合。
【図4】実施例1のナノ構造体の破断面のSEM像写真で0.11mol/Lの場合。
【図5】実施例2のナノ構造体の破断面のSEM像写真で5℃の場合。
【図6】実施例2のナノ構造体の破断面のSEM像写真で30℃の場合。
【図7】実施例2のナノ構造体の破断面のSEM像写真で50℃の場合。
【図8】実施例3のナノ構造体の破断面のSEM像写真。
【符号の説明】
【0037】
1 細孔11に溶媒12を滲入させた状態
2 酸化物ゾルを多孔質陽極酸化皮膜の表面に接触させた状態
3 酸化物ゾル13が溶媒12に溶解・分散され、細孔11中に拡散した状態
10 多孔質陽極酸化皮膜(多孔質アルミナ皮膜)
11 細孔
12 溶媒(エタノール)
13 酸化物ゾル(金属アルコキシドを出発原料としたチタニアゾル)
14 酸化物ゾルが溶媒に溶解・分散された溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜にゾル状物質を付着させてなるナノ構造体の製造方法であって、ゾル状物質を溶解又は分散可能な溶媒を細孔に滲入させた多孔質皮膜にゾル状物質を接触させて、ゾルーゲル法により、前記物質を前記細孔内に滲入させてゲル化することを特徴とするナノ構造体の製造方法
【請求項2】
ナノメートルサイズの細孔よりなる多孔質皮膜にゾル状物質を付着させてなるナノ構造体であって、前記細孔の内面壁に前記ゾル状物質から変性したゲル状粒子が固着してなることを特徴とするナノ構造体

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−114302(P2008−114302A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296788(P2006−296788)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】