ネットワークゲームシステム及びネットワークゲーム管理方法
【課題】災害予報の警告時に対戦ゲームを中断対象とすることで対戦者間の公平さを確保する。
【解決手段】ゲーム管理サーバは、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶部362cと、緊急地震速報サービスシステム4から災害予報地域情報等を含む災害予報情報を取得する地震速報受信部361dと、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所情報記憶部362dと、取得した災害予報情報内の災害予測地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中のゲーム端末に対して対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示処理部361eとを備え、ゲーム端末は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理部161gと、警告から所定の中断時間経過後に中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理部161hとを備えたネットワークゲームシステム。
【解決手段】ゲーム管理サーバは、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶部362cと、緊急地震速報サービスシステム4から災害予報地域情報等を含む災害予報情報を取得する地震速報受信部361dと、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所情報記憶部362dと、取得した災害予報情報内の災害予測地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中のゲーム端末に対して対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示処理部361eとを備え、ゲーム端末は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理部161gと、警告から所定の中断時間経過後に中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理部161hとを備えたネットワークゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末装置と、前記ネットワークを介して前記複数のゲーム端末装置のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステム及びネットワークゲーム管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを利用して複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームを行うネットワークゲームシステムが知られている。各ゲーム端末装置は操作部を有し、この操作部を介してプレイヤの操作内容が対戦ゲームに反映されるようになっている。ところで、対戦ゲーム中にプレイヤの1人がゲームから抜けたい場合がある。特許文献1には、対戦ゲーム中に「ゲームから抜ける」ボタンをクリックし、これに対して残りのプレイヤがロボットとの対戦を選択すると、抜けたプレイヤに代えてロボットとの対戦に移行するゲームシステムが提案されている。また、特許文献2には、将棋や囲碁ゲーム中になされた対戦相手からの中断申し込みに応じた場合に、その時点の局面を保存し、後日にその中断時点の局面からゲームを再開するゲームシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2003−53044号公報
【特許文献2】特開2002−210248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、不足の事態、例えば地震のような緊急災害はいつ何時発生するか基本的には判らず、例えば店舗でゲームを行っている時に発生する可能性もあり得る。この場合に、ネットワークゲームのためのゲーム端末装置は日本各地の店舗に設置されているため、緊急災害が発生した地域の店舗のゲーム端末装置とそれ以外の店舗のゲーム端末装置との間で対戦ゲームを行っている場合も十分考えられる。このような場合には、緊急避難の通告を一義としつつも、対戦ゲーム情報の管理もシステム提供者として対策を講じておくことは好ましい。また、緊急災害に起因してプレイの続行が不可能になったり、回線不通が生じたりした場合に、特定のプレイヤがゲーム進行において不利を受けないようにしておくことも望まれる。
【0004】
特許文献1,2には、対戦相手からの操作を受け付けて対戦ゲームから抜けたり、中断したりするものであるとおり、これらはいずれもプレイヤの意志を契機にゲーム情報の管理を行うものであり、不測の事態への対応、また地域性に対する特異な対応についての考察はなされていない。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、災害予報情報を対象地域でプレイ中のゲーム端末装置及びその対戦者全員のゲーム端末に報知し、かつ、これらを対戦ゲームの中断対象とすることで、ゲーム中の対戦者間の公平さを可及的に確保するネットワークゲームシステム及びネットワークゲーム管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、画像表示部と操作部とをそれぞれ備え、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム管理サーバは、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶手段と、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得する災害予報情報取得手段と、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所記憶手段と、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示手段とを備え、前記ゲーム端末は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理手段と、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項12記載の発明は、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段は、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理し、前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段は、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶し、前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段は、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得し、前記ゲーム管理サーバの警告指示手段は、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行い、前記ゲーム端末の中断処理手段は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行い、前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段は、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させることを特徴とするものである。
【0008】
これらの発明によれば、ネットワークを介して複数のゲーム端末で対戦ゲームが行われる。ゲーム管理サーバはネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続され、情報の送受信を行う。前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段によって、対戦中の各ゲーム端末の組合せが管理されており、また、前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段によって、各ゲーム端末の設置箇所が地域情報と関連付けて記憶されている。そして、前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段によって、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報が取得されると、前記ゲーム管理サーバの警告指示手段によって、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告が行われ、この結果、前記ゲーム端末の中断処理手段によって、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断が行われる。次いで、前記警告から所定の中断時間経過後に、前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段によって、前記中断時点からの対戦ゲームが再開される。
【0009】
従って、震災予報の対象地域に設置されたゲーム端末装置でゲーム中のプレイヤに災害予報情報が報知され避難勧告上有益となり、かつ災害対象ゲーム端末と対戦中のゲーム端末にも災害予報情報が報知され、中断処理の対象とされることで、ゲーム中の対戦者間の公平さが確保される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記警告指示手段は、取得した前記災害予報規模が所定レベル以上のとき、警告動作を行うものであることを特徴とする。この構成によれば、所定レベル以上のとき警告動作を行うことで、ゲーム中断が必要以上に発生しないことになる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、災害対象となっていることを示す画像を前記画像表示部に表示し、前記ゲーム端末が前記相手側ゲーム端末となっている場合には、対戦中のゲーム端末に災害予報が出たことを示す画像を前記画像表示部に表示することを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末、相手側ゲーム端末のそれぞれ対応した警告画像が表示される。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム管理サーバに送信する第1の中断データ保全手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末の対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されて保管されるので、再開のためのデータ保管が的確に行われる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記第1の中断データ保全手段は、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管することを特徴とする。この構成によれば、中断時点で災害対象ゲーム端末とゲーム管理サーバとの間が不通となって、中断時点での対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されなかった場合に、自己のゲーム端末の記憶部から読み出して利用することが可能となる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管する第2の中断データ保全手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末では、場合によっては乃至は必要に応じてゲーム再開が可能となる。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、対戦ゲームの中断期間中、ゲーム進行の指示を与える前記操作部への操作を無効とすることを特徴とする。この構成によれば、対戦ゲームの進行の中断が確保されるので、ゲーム中の対戦者間の公平さが可及的に確保される。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断期間経過後の所定時間内に対戦ゲームの再開のための操作入力がないとき、対戦ゲームの再開を禁止することを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末のプレイヤはいたずらに長時間待機する必要がなくなる。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のネットワークゲームシステムにおいて、ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、所定時間経過後に、震災対象ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開することを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末は、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームが再開される。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項8記載のネットワークゲームシステムにおいて、ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記ゲーム管理サーバに対戦ゲーム途中情報が保管されているとき、相手側ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに代えてプレイ再開することを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末は、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームが再開される。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断期間中、前記災害対象ゲーム端末に対して、新規ゲームへの受付操作を禁止する受付禁止手段を備える特徴とする。この構成によれば、災害予報地域に設置されている災害ゲーム端末での新らたなゲームの実行が禁止され、災害報知が一層効果的となる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,12記載の発明によれば、震災予報の対象地域に設置されたゲーム端末装置でゲーム中のプレイヤに災害予報情報が報知され避難勧告上有益となるのみならず、災害対象ゲーム端末と対戦中のゲーム端末にも災害予報情報を報知して中断処理の対象とすることで、ゲーム中の対戦者間の公平さを確保できる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、所定レベル以上のとき警告動作を行うことで、ゲーム中断を必要以上に発生しないことになる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末、相手側ゲーム端末のそれぞれ対応した警告画像を表示することができる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末の対戦ゲーム途中情報をゲーム管理サーバに送信し保管できるので、再開のためのデータ保管を的確に行うことができる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、中断時点で災害対象ゲーム端末とゲーム管理サーバとの間が不通となって、中断時点での対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されなかった場合に、中断時点での対戦ゲーム途中情報を自己のゲーム端末の記憶部から読み出して利用することができる。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、相手側ゲーム端末では、場合によっては乃至は必要に応じてゲーム再開をすることができる。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、対戦ゲームの進行の中断を確保できるので、ゲーム中の対戦者間の公平さを可及的に確保できる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、相手側ゲーム端末のプレイヤをいたずらに長時間待機させる必要がない。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、相手側ゲーム端末に、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームを再開させることができる。
【0029】
請求項10記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末に、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームを再開させることができる。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、災害予報地域に設置されている災害ゲーム端末での新らたなゲームの実行を禁止するので、災害報知を一層効果的にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。ネットワークゲームシステムは、それぞれ識別情報が対応付けされたゲーム端末装置1と、複数の(ここでは8台の)ゲーム端末装置1と通信可能に接続され、これら間の中継・接続及び各ゲーム端末装置1とネットワーク(例えばインターネット)を介して他の店舗のゲーム端末装置1との間での接続を行う通信機器であるルーター2と、各ルーター2を介して通信可能に接続され、複数のプレイヤがゲーム端末装置1を用いて行うためのプレイヤ認証、プレイヤの組合せの選択、及びゲーム履歴に関する情報を管理するサーバ3とを備えている。サーバ3はネットワークを介して、例えば緊急地震速報サービスシステム4と接続されている。緊急地震速報サービスシステム4としては、後述する公的な緊急地震速報サービスシステムや民間の地震予報情報サービスシステムを想定している。
【0032】
ゲーム端末装置1は、プレイヤがモニタに表示されるゲーム画面に基づいて所定の操作を行うことによって、ゲームを進行するものである。なお、ゲーム端末装置1に対応付けされる識別情報は、ゲーム端末装置1が接続されているルーター2毎の識別情報(又はゲーム端末装置1が配設されている店舗の識別情報)とゲーム端末装置1が配設されている店舗内でのゲーム端末装置1毎の識別情報とを含んでいる。例えば、店舗Aの識別情報がAであって、店舗A内でのゲーム端末装置1の識別情報が4である場合には、当該ゲーム端末装置1の識別情報はA4である。
【0033】
ルーター2は、それぞれ複数のゲーム端末装置1及びサーバ3と通信可能に接続され、ゲーム端末装置1とサーバ3との間でデータの送受信を行うものである。
【0034】
サーバ3は、各ルーター2と通信可能に接続され、プレイヤ個人を特定するためのユーザIDに対応付けて前記プレイヤ情報等の情報を格納すると共に、かつゲーム端末装置1の識別情報を用いて、ルーター2を介して各ゲーム端末装置1とデータの送受信を行うことによってプレイヤと同一ゲーム空間上でゲームを行うプレイヤ(対戦相手という)に関する情報を管理する。また、サーバ3は、緊急地震速報サービスシステム4から地震予報地域及びその予報規模を含む災害予報情報を取得する。
【0035】
図2は、ゲーム端末装置1の一実施形態の外観を示す斜視図である。なお、ゲーム端末装置1を用いて行われるゲームは、個人ゲームでもよいし、対戦ゲームでもよく、本実施形態では麻雀ゲームを想定しており、ゲーム端末装置1を操作するプレイヤと、他のゲーム端末装置1を操作するプレイヤとが、また必要に応じて、CPUプレイヤ(仮想的なプレイヤ)との間で対戦するものである。他のゲーム端末装置1を操作するプレイヤと対戦する場合には、後述するネットワーク通信部18、ルーター2を介して、対戦中のゲーム端末装置1との間で各プレイヤが操作した内容に応じた操作データの送受信が行われる。
【0036】
ゲーム端末装置1は、ゲーム画面を表示するモニタ11と、モニタ11に積層され、プレイヤによる押圧を感知して、モニタ11のゲーム画面に表示される選択などを促すボタンのアドレスとプレイヤによる押圧位置とからいずれのボタンが指示されたかを判定するタッチパネル11aと、音声を出力するスピーカ12と、個人カードに記憶されたユーザID等の情報を読み込むカードリーダ13と、プレイヤが投入するコインを受け付けるコイン受付部14とを備えている。モニタ11は画像を表示するもので、液晶表示器やプラズマディスプレイ等である。モニタ11は、画面の主要部分にゲーム画像の表示領域が設定されている。また、個人カードは、ユーザID等の個人情報が記憶された磁気カードやICカード等である。
【0037】
ゲーム端末装置1の適所には、各部からの検出信号や、各部への制御信号を出力するマイクロコンピュータなどで構成される制御部16(図3参照)が配設されている。
【0038】
図3は、ゲーム端末装置1の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部16はゲーム端末装置1の全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理、後述するゲーム中断及び再開処理の他、種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)161と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM162と、後述する所定の画像情報及びゲームプログラム等が予め記憶されたROM163とを備える。
【0039】
外部入出力制御部171は、制御部16とカードリーダ13、タッチパネル11a(操作部)及びコイン受付部14を含む検出部の間で、検出信号を処理用のディジタル信号に変換し、また指令情報を検出部の各機器に対して制御信号に変換して出力するもので、かかる信号処理と入出力処理とを例えば時分割的に行うものである。外部機器制御部172は、それぞれの時分割期間内に検出部の各機器への制御信号の出力動作と、検出部の各機器からの検出信号の入力動作とを行うものである。
【0040】
描画処理部111は、制御部16からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ11に表示させるもので、ビデオRAM等を備える。音声再生部121は制御部16からの指示に従って所定のメッセージやBGM等をスピーカ12に出力するものである。
【0041】
ROM163には、麻雀牌キャラクタ、卓画像、受付画面を構成する画像、各ボタンの他、各種の画像等が記憶されている。また、ROM163には、後述する警告指示に対応する中断時の警告画像(図8〜図10参照)、及び再開を促す画像(図11参照)が記憶されている。麻雀牌キャラクタ等は3次元描画が可能なように、それを構成する所要数のポリゴンで構成されており、描画処理部111はCPU161からの描画指示に基づいて、3次元空間上での位置から擬似3次元空間上での位置への変換のための計算、光源計算処理等を行うと共に、上記計算結果に基づいてビデオRAMに対して描画すべき画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるビデオRAMのエリアに対するテクスチャデータの書き込み(貼り付け)処理を行う。
【0042】
ここで、CPU161の動作と描画処理部111の動作との関係を説明する。CPU161は、内蔵のあるいは外部からモニタ11への画像情報の出力とその表示を行う画像表処理部との装着脱式としてのROM163に記録されているオペレーティングシステム(OS)に基づいて、ROM163から画像、音声及び制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータを読み出す。読み出された画像、音声及び制御プログラムデータ等の一部若しくは全部は、RAM162上に保持される。以降、CPU161は、RAM162上に記憶されている制御プログラム、各種データ(表示物体のポリゴンやテクスチャ等その他の文字画像を含む画像データ、音声データ)、並びに検出部からの検出信号等に基づいて、処理が進行される。
【0043】
ROM163に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0044】
ネットワーク通信部18は、麻雀ゲームの実行中に発生するプレイヤの操作情報をルーター2を介して、さらにはネットワークを介して対戦中のゲーム端末装置1と送受信するためのものである。さらに、ネットワーク通信部18は、ゲーム実行前後での、新たなプレイヤに対する受付処理時の個人認証(ユーザID,パスワード)等に関する情報、ゲーム終了時点でのゲーム成績等をルーター2を介してサーバ3との間で送受信するためのものである。
【0045】
図4は、ゲーム端末装置1の制御部16の機能構成図である。制御部16のCPU161は、プレイヤからのゲームへの参加を受け付ける受付処理部161a、ゲームの開始から終了までの一連の進行を制御するゲーム進行制御部161b、モニタ3に受付画像やゲーム画像を表示する画像表示処理部161cと、操作順に従ってプレイヤが操作する操作部であるタッチパネル11aからの操作情報を受け付けて麻雀ゲームを進行させるゲームプレイヤ対戦制御部161dと、ゲーム中におけるプレイヤの操作を評価することによりゲーム終了時でのゲーム成績(持ち点棒の点数の値)や順位を決定する成績処理部161eと、各種情報の通信制御を行う通信制御部161fとを備えている。また、CPU161は、後述するサーバ3からの警告指示に対応してゲームの中断に関連する処理を実行する中断処理部161gと、中断後に所定条件下でゲームの再開を行うゲーム再開処理部161hと、ゲーム再開の態様として、プレイヤに代えてコンピュータによって制御されるCPUプレイヤで対戦を継続させるCPUプレイヤ対戦制御部161iと、ゲーム進行に必要な各種時間の計時の他、警告指示に関連して必要な時間の計時を行うための内部タイマ161jとを備えている。内部タイマ161jは、さらに、後述する中断時間を設定する上で、時刻情報を生成する計時機能を備えている態様でもよい。
【0046】
受付処理部161aは、ゲームへの参加を希望するプレイヤによって、モニタ11に表示されている図略の受付ボタン等が押下されたことがタッチパネル11aで検知され、かつゲーム端末装置1のカードリーダ13に差し込まれた個人カードからユーザIDを読み取ると共に、モニタ11の例えば文字ボタン、ここでは数字ボタンを介してパスワード(暗証番号)を受け付けるものである。また、受付処理部161aは、警告に関連する所定の条件(後述する中断時間内)下で受付を禁止する受付禁止手段としても機能する。受付禁止の態様としては、モニタ3上の受付ボタンの押下を受け付けないようにしてもよく、あるいは受付ボタン自体の表示を、その間、行わないようにしてもよい。さらには、カードリーダ13の動作を停止するようにしてもよい。
【0047】
ゲームプレイヤ対戦制御部161dは、図7のゲーム画面に示すように、4人のプレイヤによって麻雀ゲームが行われ、プレイヤ間でツモ(牌山から牌を取る)の順序が所定の順序で繰り返し発生するようにしている。ゲームプレイヤ対戦制御部161dは、ツモ発生毎に、内部タイマ161iで計時される所定の制限時間内に、捨てようとする牌の画像の表示位置を押下する操作を受け付け、かかる動作を繰り返すことで、プレイヤが目指す役を完成させるようにしている。麻雀ゲームの場合、所定の対局数が終了することでゲーム終了となるものである。
【0048】
図7は、対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。ゲーム画面は主要領域に対戦画面領域500が設定されている。対戦画面領域500には、画面下側にプレイヤの手牌501が牌の種類が見えるように表示され、画面上側及び左右両側に対戦者の手稗502が牌の種類が見えないように表示され、画面略中央にドラ表示稗を含む山503と、山503の周囲に捨て稗504が表示され、画面下側にプレイヤによって押下される種々のボタン506が表示されている。プレイヤが対戦画面500を見ながらボタン506を適宜押下することによってゲームが進行される。
【0049】
中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、実行中の対戦ゲームの中断に関連する処理及び後述する所定の処理を実行するものである。中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、その旨の警告表示を行わせる警告表示手段として機能するものである。警告表示の内容は、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置となっている場合と、災害対象ゲーム端末装置と対戦ゲームの実行中にある相手側のゲーム端末装置となっている場合とで異なる。自己のゲーム端末装置が災害対象ゲーム端末装置となっている場合、災害対象となっていることを示す画像(図8参照)がモニタ11に表示され、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側のゲーム端末装置となっている場合、対戦相手のゲーム端末装置が災害対象となっていることを示す画像(図10参照)がモニタ11に表示される。なお、コンピュータで制御される仮想的なプレイヤであるCPUプレイヤ3人との間でゲームしている、いわゆる一人プレイ中については、図8と同様な画像がモニタ11に表示され、受付待機状態にあるゲーム端末装置に対しては、図9の画像がモニタ11に表示される。
【0050】
図8には、ゲーム実行中の画面に表示される警告画像で、地震発生の予報、避難勧告(災害対象となっていることを示す情報)、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。図9には、地震発生の予報、避難勧告(災害対象となっていることを示す情報)、新規プレイの禁止(新たなゲームのための受付を禁止)の報知、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。図10には、対戦相手のゲーム端末装置の設置地域で地震が発生した旨の報知、待機要求、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。
【0051】
また、中断処理部161gは、警告情報を受けると、地震予報情報に含まれる地震発生までの残り時間に所定の時間を加算した時間、あるいは地震予報時刻を充分超える所定時間を中断時間として設定し、この中断時間を内部タイマ161jで計時すると共に、その間、タッチパネル11aへの押圧操作の受付を無効とするものである。この操作無効処理は、災害対象ゲーム端末装置、及び相手側のゲーム端末装置の双方に対して行われ、これにより、いずれかの対戦者のみが有利にゲーム進行を図ることがないように管理している。この中断時間を、地震予報情報に含まれる地震発生までの残り時間に所定の時間を加算した時間として算出する態様では、仮に地震が発生した場合に、その時刻から固定された時間となる。あるいは、予め、予報震度と加算時間の対応テーブルを持っておき、予報震度に応じて、加算される時間を可変とする態様、すなわち予報震度が大きい程、加算時間を長くして、より安全に備えるようにしてもよい。
【0052】
さらに、中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、対戦ゲーム途中の(局面の)情報の保全を行うものである。対戦ゲーム途中情報の保全方法は、自己のゲーム端末装置が、災害対象ゲーム端末装置となっている場合と、災害対象ゲーム端末装置と対戦ゲームの実行中にある相手側のゲーム端末装置となっている場合とで異なる。自己のゲーム端末装置1が災害対象ゲーム端末装置となっている場合、中断処理部161gは第1の中断データ保全部として機能し、中断時点での対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信して、サーバ3で保管を行わせ、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側のゲーム端末装置となっている場合、中断処理部161gは第2の中断データ保全部として機能し、中断時点での対戦ゲーム途中情報を途中経過情報記憶部162aに保管させる。なお、中断処理部161gの第1の中断データ保全部が、対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信する処理に加えて、第2の中断データ保全部と同様、中断時点での対戦ゲーム途中情報を途中経過情報記憶部162aに保管させるようにしてもよい。
【0053】
ゲーム再開処理部161hは、前記中断時間が経過した後、災害対象ゲーム端末装置に対して所定の再開受付時間を設定し、この時間中、再開を促す画像(図11参照)をモニタ11に表示すると共に、災害対象ゲーム端末装置から再開のための操作の受け付けを許可し、時間内に操作があると、中断時点(の局面)から対戦ゲームを再開させるものである。この再開受付時間中もプレイのための操作の受付は、前述同様に禁止される。なお、中断時間を、退避のための時間と再開受付時間とに分割する態様としてもよい。
【0054】
図11には、プレイ再開が可能である旨を報知する画像と、パスワード入力を促す数字ボタンが表示されている。
【0055】
なお、ゲーム再開処理部161hは、対戦ゲームの再開に際して、警告時点で災害対象ゲーム端末装置からサーバ3に送信された対戦ゲーム途中情報を対戦相手の全てのゲーム端末装置に配信することで可能としている。あるいは、警告時点で災害対象ゲーム端末装置とサーバ3との回線が不通となる等の支障が生じていて、再開処理時に、サーバ3に該当する情報が伝送されていなかった(保管されていない)と判断され場合には、災害対象ゲーム端末装置の途中経過情報記憶部162aに保管されている情報が利用される。さらには相手側ゲーム端末装置の途中経過情報記憶部162aに保管されている情報を利用してもよい。
【0056】
また、ゲーム再開処理部161hは、再開受付時間内に再開操作の受け付けがなかった場合、再開動作を原則禁止するものである。再開受付時間内に再開操作の受け付けがなかった場合には、以下の態様が採用されている。すなわち、ゲーム再開処理部161hは、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側ゲーム端末装置となっている場合には、震災対象ゲーム端末装置をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なCPUプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開するようにしている。この場合、相手側ゲーム端末装置側のプレイヤは、プレイヤ間で対戦ゲームを再開する態様としてもよいし、個別に3名のCPUプレイヤに置き換えて対戦ゲームを再開する態様としてもよい。
【0057】
一方、ゲーム再開処理部161hは、自己のゲーム端末装置1が災害対象ゲーム端末装置となっている場合には、サーバ3に、あるいは途中経過情報記憶部162aに対戦ゲーム途中情報が保存されていると、相手側ゲーム端末装置をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なCPUプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開するようにしている。
【0058】
CPUプレイヤ対戦制御部161iは、コンピュータを擬人化してゲーム進行のための操作を実行させるものである。CPUプレイヤは予め準備されているゲームのルール(ここでは、麻雀ルール)に則って処理を行うよう制御される。この場合、CPUプレイヤの能力としては、標準的な強さに設定されてもよいし、あるいは、サーバ3のプレイヤ情報記憶部362aに記憶されている、対応するゲーム端末装置1を操作していたプレイヤのプレイヤ情報(ゲーム毎に予め取得され、集計されているゲームでの強さや打ち方の癖)を活用してもよい。このように、CPUプレイヤに置き換えたモードで警告時点での局面からゲームを再開させることで、できるだけゲームを最後まで消化させるようにしている。
【0059】
図5は、本発明に係るサーバ3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部36はサーバ3の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)361と、プレイヤの個人情報、各プレイヤのゲームに関する情報等を一時的に格納するRAM362と、管理用の所定の画像情報、ゲーム管理及び災害管理のための管理用プログラムが予め記憶されたROM363とを備える。
【0060】
ROM363に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0061】
ネットワーク通信部38は、各種データをWWW等からなるネットワークを介して複数のルーター2のいずれかを経て端末識別情報に従って対応するゲーム端末装置1との間で情報の送受信を行うものである。
【0062】
なお、管理プログラムは、ROM363上に記録されており、RAM362上にロードされ、CPU361によりRAM362上のゲーム進行プログラムが順次実行されることによってそれぞれの機能が実現される。
【0063】
緊急地震速報サービスシステム4は、日本全国各地に現在1000台程度設置されている地震計及び観測データを瞬時伝送する伝送部からなる地震観測機40と、地震観測機40から伝送されてきた各地からの観測データを解析して、サービス対象者に配信するセンター41とから構成されている。センター41は、観測データを解析する解析部411と、解析データをネットワーク(例えばインターネット)を介してサービス対象者に配信する配信部412とを備えている。緊急地震速報は、解析部411で、地震における初期微動(P波)と主要動(S波)の伝搬速度の差を利用して、地震発生直後に震源に近い地震計でとらえた観測データを解析して震源及び震度の規模(マグニチュード)を直ちに推定し、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度(地震予報情報)を推定し、配信部412で、可能な限り素早く知らせる仕組みである。
【0064】
図6は、サーバ3の制御部36の機能構成図である。制御部36のCPU361は、各ゲーム端末装置1でのプレイヤのゲーム参加受付に応答して一連の受付管理処理を実行する受付部361aと、受付部361aによって受け付けられたプレイヤの中から、同一ゲーム空間内でプレイする所定数(麻雀の場合、4名)のプレイヤの組合せを所定のルールに則って選定する選定部361bと、各ゲーム端末装置1との間で情報の授受を行う通信制御部361cとを備えている。なお、ゲーム参加の態様として、一人用プレイを希望するプレイヤに対して、コンピュータによって制御される仮想的な3名のCPUプレイヤと同一ゲーム空間上でゲームを実行させるモードもある。
【0065】
また、制御部36のCPU361は、緊急地震速報サービスシステム4から配信されてくる地震予報情報を受信する地震速報受信部361dと、地震予報情報を受信した場合に該当するゲーム端末装置に対して所定の警告指示を発する警告指示処理部361eとを備えている。地震予報情報には、少なくとも地震予報地域情報及びその規模情報が含まれ、さらに地域ごとの到達時刻(予行時刻情報)が含まれる態様としてもよい。
【0066】
RAM362は、ユーザID、パスワード等の個人情報をプレイヤ毎に格納するプレイヤ情報記憶部362aと、プレイヤ毎のゲーム成績(戦績)の履歴を更新的に記憶する履歴記憶部362bと、選定部361bで選定された対戦ゲームの組合せ結果をプレイヤ及びゲーム端末装置の情報を用いて記憶する組合せ情報記憶部362cと、ゲーム端末装置1が設置される店舗とその所在地情報(あるいはゲーム端末装置とその設置された地域情報)を対応付けて記憶する設置箇所情報記憶部362dとを備えている。なお、地域情報は、緊急地震速報サービスシステム4が用いる地域単位と対応するものを採用することが好ましい。
【0067】
受付部361aは、ゲーム端末装置1から送信されたプレイヤのユーザIDの個人情報及びゲーム端末装置1の識別情報を受け付けて、ゲームへの参加を受け付けるものである。また、受付部361aは、プレイヤの参加を受け付けると、選定部361bに対戦相手の組み合わせのための選定処理の指示を行う。
【0068】
選定部361bは、受け付けたプレイヤを所定のルール、例えば先着順に4人ずつ同一ゲーム空間内(同一の卓)に対応付けることで、対戦相手の組合せの選定を行うものである。なお、組合せのルールは、種々の方法が採用可能であり、例えばプレイヤ情報記憶部362a内の個人情報を選定材料として利用することも可能である。
【0069】
通信制御部361cは、組合せの選定結果の対象ゲーム端末装置1への送信、ゲーム終了時点でのゲーム成績の受信の他、警告指示の送信、保全情報の受信等の各送受信処理を行うものである。
【0070】
警告指示処理部361eは、地震速報受信部361dで受信した地震予報情報に含まれる地震予報地域と設置箇所情報記憶部362dとから、対応する地域に設置されているゲーム端末装置を抽出して災害対象ゲーム端末と認定し、さらに、災害対象ゲーム端末装置の情報と組合せ情報記憶部362cとから、災害対象ゲーム端末装置と対戦中にある相手側の(すなわち災害地域以外の地域に設置されている)ゲーム端末装置を相手側ゲーム端末装置として認定し、これらのゲーム端末装置に、所定の警告指示情報を含む警告情報を作成して通信制御部361cを介して送信させるものである。所定の警告指示情報としては、災害対象ゲーム端末装置か相手側のゲーム端末装置かによって、ROM163に記憶されている警告画像の内のいずれの画像を表示させるかを指示する情報が含まれる。なお、災害対象ゲーム端末装置のうち、対戦ゲーム実行中か、一人プレイ中か、あるいは受付待機状態か否かによって、ROM163に記憶されている警告画像の内のいずれの画像を表示させるかについては、ゲーム端末装置1が自己のゲーム端末装置の稼働状態を監視して、その監視状態から対応する警告画像を表示させるようにしてもよい。
【0071】
その他、必要に応じて、報知用としての予報時刻、予報規模を含めてもよい。予報時刻は中断時間を算定する場合に利用する態様でもよい。
【0072】
警告指示処理部361eは、地震速報受信部361dで受信した予報地震情報の震度規模のうち、所定レベル以上の規模(地震の場合、例えば震度4以上)となる地域を抽出し、当該地域に設置されたゲーム端末装置1を災害対象ゲーム端末装置として警告指示対象とするようにしている。
【0073】
図12は、サーバ3による緊急地震速報情報の配信処理の手順を示すフローチャートである。緊急地震速報サービスシステム4から地震発生の情報が伝送されてくると(ステップS1)、サーバ3は少なくともプレイ中の災害対象ゲーム装置に対して警告指示のための情報を配信し(ステップS3)、また、災害対象ゲーム端末装置のうち対戦ゲームを行っているゲーム端末装置の対戦相手であるゲーム端末装置に対して警告指示のための情報を配信する(ステップS5)。サーバ3は、さらに災害対象ゲーム端末装置から対戦ゲーム途中情報を受信すると、該情報を履歴記憶部362bに格納する(ステップS7)。その後、災害対象ゲーム端末装置から対戦ゲーム途中情報の返送要求を受信すると、該災害対象ゲーム端末装置に対戦ゲーム途中情報を返送する(ステップS9)。なお、ステップS7で、地震によって回線不通となるなどの原因によってステップS7の処理が実行されていない場合には、ステップS9の処理は実行されない。
【0074】
図13は、災害対象ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。警告情報がサーバ3から受信されると、プレイ中か否かが判断される(ステップS21)。プレイ中でなければ、すなわち受付待機状態であれば、新規プレイを禁止するべく、モニタ11に図9に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS25)、タッチパネル11aあるいはカードリーダ13を介しての新規プレイへの受付が無効(禁止)とされる。
【0075】
一方、プレイ中であれば、モニタ11に図8に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS27)、タッチパネル11aを介しての操作が無効、すなわちゲームの中断が行われる。次いで、中断時点での対戦ゲーム途中情報(対局の局面情報)がサーバ3に送信される(ステップS29)。なお、回線不通が検知され、サーバ3への情報送信が不可の場合には次善策として、あるいは並列的処理として、対戦ゲーム途中情報は途中経過情報記憶部162aに退避し、格納される。
【0076】
次いで、中断時点から所定の中断時間が経過するまで待機が行われ(ステップS31でNO)、中断時間が経過すると、モニタ11画面は、図11に示すゲーム再開受付画面に切り替えられる(ステップS33)。そして、画面に表示された数字ボタンへの押圧操作を介してパスワードの入力が促される。入力されたパスワードが中断時点でのプレイヤのパスワードと不一致の場合には、パスワードの入力がされていないと判断して(ステップS35でNO)、再開受付画面への移行時点から所定時間(再開受付時間)が経過したか否かの判断が行われる(ステップS37)。再開受付時間内に、中断時点でのプレイヤのパスワードと一致しているパスワードが入力された場合には、正規のパスワードが入力されたとして(ステップS35でYES)、当該ゲーム端末装置に対する中断解除処理、すなわち、中断時点での対戦ゲーム途中情報のサーバ3への返送要求及びそれに伴う返送情報の受信が行われると共に、相手側ゲーム端末装置に対して中断解除の指示信号が送信される(ステップS39)。この結果、中断時点の局面から対戦ゲームが再開され(ステップS41)、最後までゲームが行われる(ステップS43)。
【0077】
一方、再開受付時間内に正規なパスワードの入力がなかった場合には(ステップS37でYES)、プレイヤ同士による対戦ゲームの再開は原則禁止され、その旨の情報が対戦相手のゲーム端末装置に送信される(ステップS45)。
【0078】
図14は、ステップS37の再開受付時間内にプレイヤからパスワード入力がされなかった場合における災害対象ゲーム端末装置でのゲーム再開処理の手順を示すフローチャートである。図14は、災害が大きかった場合等、再開受付時間内に復帰状態になかった状況を想定したもので、このような場合にも、できるだけ中断したゲームの再開を図るためのものである。
【0079】
任意のゲーム端末装置への通常の受付処理が実行され、当該プレイヤが警告処理によって対戦ゲームの中断処理を受けたプレイヤからの受付であると判断され、かつタッチパネル11aから中断した対戦ゲームの再開希望が受け付けられた場合(ステップS51)、当該プレイヤの対戦ゲーム途中情報がサーバ3に保存されているか否かの確認要求がサーバ3に送信される(ステップS53)。
【0080】
次いで、サーバ3からの回答が受信されると、回答内容から該当する情報が存在するか否かが判断され(ステップS55)、該当する情報が存在しておれば、該当する情報の送信要求がサーバ3に発せられ、該当する情報が取得される(ステップS57)。そして、中断時点からの対局で対戦ゲームの再開が実行され(ステップS59)、最後までゲームが行われる(ステップS63)。なお、この再開ゲームでは、中断時点で相手側ゲーム端末装置を操作していた対戦相手(プレイヤ)は、再開時点ではゲーム端末の前に着座していないので、これらの相手側ゲーム端末装置のプレイヤに代えて前記CPUプレイヤに切り換えられている。
【0081】
一方、ステップS55で、該当する情報が存在していない場合には、通常のゲームが実行され(ステップS61)、最後までゲームが行われる(ステップS63)。
【0082】
図15は、相手側ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。警告情報がサーバ3から受信されると(ステップS71)、モニタ11に図10に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS73)、タッチパネル11aを介しての操作が無効、すなわちゲームの中断が行われる。次いで、中断時点から所定時間が経過するまでの間に、災害対象ゲーム端末装置から中断解除の信号が受信されたか否かの待機が行われ(ステップS75でNO)、所定時間内に解除信号が受信されたか、または解除信号が受信されずに所定時間が経過すると(ステップS75でYES)、災害対象ゲーム端末装置と接続の可否、すなわち災害対象ゲーム端末装置との間で対戦ゲームの再開が可能か否かが判断される(ステップS77)。災害対象ゲーム端末装置と接続できなければ、災害対象ゲーム端末装置のプレイヤをCPUプレイヤに置き換える処理が行われ(ステップS79)、プレイが再開され(ステップS81)、最後までゲームが行われる(ステップS83)。
【0083】
また、ステップS77で、災害対象ゲーム端末装置と接続できれば、災害対象ゲーム端末装置のプレイヤとの間で対戦ゲームが再開され(ステップS81)、最後までゲームが行われる(ステップS83)。
【0084】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0085】
(1)警告、再開のためのガイド画像はゲーム端末装置1のROM163に格納する態様の他、サーバ3に格納しておき、警告時にサーバ3から対応するゲーム端末装置に警告指示情報と共に送信する態様としてもよい。
【0086】
(2)ゲーム管理サーバとしてはゲーム管理と災害対応の両方の機能を実行することが可能であれば、ゲーム管理用と災害対応用とは一体でも別体でもよい。
【0087】
(3)本発明は、災害対象ゲーム端末装置1が1台の他、複数台であっても同様に適用可能である。この場合、再開のための操作は、各災害対象ゲーム端末装置から行う必要があるが、サーバ3との間の対戦ゲーム途中情報の返送要求及びその受信は、最後の災害対象ゲーム端末装置からの操作に対応して実行させることが好ましい。
【0088】
(4)本実施形態では、災害対象ゲーム端末装置の対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信して保管する構成としたが、これに代えて災害対象地域でない相手側ゲーム端末装置の対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信し保管させるようにしてもよい。相手側ゲーム端末装置が複数台存在する場合には、所定の方法で1台を選定して、例えばゲーム参加順の上位者を優先して、サーバ3への情報送信を行わせるようにすればよい。また、この場合、サーバ3に送信されるデータ中に災害対象ゲーム端末を操作しているプレイヤを特定可能な個人情報(ユーザIDやパスワード等)を含めておけば、地震が収まった後に、災害発生時の同じ(あるいは同店舗)のゲーム端末からゲーム再開が可能となる。
【0089】
(5)本実施形態では、麻雀ゲームで説明したが、本発明は、これに限定されず、囲碁、将棋、チェス、トランプ等を模擬した各種対戦ゲームでもよく、さらに対戦型のスポーツゲームであってもよい。
【0090】
(6)本発明は、災害の一例としての地震に関して説明したが、これに限定されず、火山噴火、津波、集中豪雨等の、緊急的に避難を要する現象の予報、さらには自然現象として発生する災害予報が可能な現象全般に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】ゲーム端末装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図3】ゲーム端末装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図4】ゲーム端末装置の制御部の機能構成図である。
【図5】本発明に係るサーバ装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図6】サーバ装置の制御部の機能構成図である。
【図7】対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。
【図8】ゲーム実行中の画面に表示される警告画像を示す図面である。
【図9】災害対象ゲーム端末装置に表示する警告画像を示す図面である。
【図10】災害対象ゲーム端末装置の対戦者側の相手側ゲーム端末装置に表示する警告画像を示す図面である。
【図11】災害対象ゲーム端末装置に表示する再開画像を示す図面である。
【図12】サーバ3による緊急地震速報情報の配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】災害対象ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】ステップS37の再開受付時間内にプレイヤからパスワード入力がされなかった場合における災害対象ゲーム端末装置でのゲーム再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】災害対象ゲーム端末と対戦中の相手側ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 ゲーム端末装置(ゲーム端末)
11 モニタ(画像表示部)
11a タッチパネル(操作部)
13 カードリーダ
16 制御部
161a 受付処理部(受付手段、受付禁止手段)
161b ゲーム進行制御部
161c 画像表示処理部
161d ゲームプレイヤ対戦制御部
161g 中断処理部(中断処理手段、第1、第2の中断データ保全手段)
161h ゲーム再開処理部(ゲーム再開処理手段)
161i CPUプレイヤ対戦制御部
162a 途中経過情報記憶部
162a 履歴記憶部
3 サーバ
361a 受付部
361b 選定部
361d 地震速報受信部(災害予報情報取得手段)
361e 警告指示処理部(警告指示手段)
362b 履歴記憶部
362c 組合せ情報記憶部(組合せ情報記憶手段)
362d 設置箇所情報記憶部(設置箇所記憶手段)
4 緊急地震速報サービスシステム(緊急災害情報速報サービスシステム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末装置と、前記ネットワークを介して前記複数のゲーム端末装置のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステム及びネットワークゲーム管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを利用して複数のゲーム端末装置間で対戦ゲームを行うネットワークゲームシステムが知られている。各ゲーム端末装置は操作部を有し、この操作部を介してプレイヤの操作内容が対戦ゲームに反映されるようになっている。ところで、対戦ゲーム中にプレイヤの1人がゲームから抜けたい場合がある。特許文献1には、対戦ゲーム中に「ゲームから抜ける」ボタンをクリックし、これに対して残りのプレイヤがロボットとの対戦を選択すると、抜けたプレイヤに代えてロボットとの対戦に移行するゲームシステムが提案されている。また、特許文献2には、将棋や囲碁ゲーム中になされた対戦相手からの中断申し込みに応じた場合に、その時点の局面を保存し、後日にその中断時点の局面からゲームを再開するゲームシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2003−53044号公報
【特許文献2】特開2002−210248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、不足の事態、例えば地震のような緊急災害はいつ何時発生するか基本的には判らず、例えば店舗でゲームを行っている時に発生する可能性もあり得る。この場合に、ネットワークゲームのためのゲーム端末装置は日本各地の店舗に設置されているため、緊急災害が発生した地域の店舗のゲーム端末装置とそれ以外の店舗のゲーム端末装置との間で対戦ゲームを行っている場合も十分考えられる。このような場合には、緊急避難の通告を一義としつつも、対戦ゲーム情報の管理もシステム提供者として対策を講じておくことは好ましい。また、緊急災害に起因してプレイの続行が不可能になったり、回線不通が生じたりした場合に、特定のプレイヤがゲーム進行において不利を受けないようにしておくことも望まれる。
【0004】
特許文献1,2には、対戦相手からの操作を受け付けて対戦ゲームから抜けたり、中断したりするものであるとおり、これらはいずれもプレイヤの意志を契機にゲーム情報の管理を行うものであり、不測の事態への対応、また地域性に対する特異な対応についての考察はなされていない。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、災害予報情報を対象地域でプレイ中のゲーム端末装置及びその対戦者全員のゲーム端末に報知し、かつ、これらを対戦ゲームの中断対象とすることで、ゲーム中の対戦者間の公平さを可及的に確保するネットワークゲームシステム及びネットワークゲーム管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、画像表示部と操作部とをそれぞれ備え、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム管理サーバは、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶手段と、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得する災害予報情報取得手段と、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所記憶手段と、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示手段とを備え、前記ゲーム端末は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理手段と、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項12記載の発明は、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段は、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理し、前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段は、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶し、前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段は、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得し、前記ゲーム管理サーバの警告指示手段は、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行い、前記ゲーム端末の中断処理手段は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行い、前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段は、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させることを特徴とするものである。
【0008】
これらの発明によれば、ネットワークを介して複数のゲーム端末で対戦ゲームが行われる。ゲーム管理サーバはネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続され、情報の送受信を行う。前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段によって、対戦中の各ゲーム端末の組合せが管理されており、また、前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段によって、各ゲーム端末の設置箇所が地域情報と関連付けて記憶されている。そして、前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段によって、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報が取得されると、前記ゲーム管理サーバの警告指示手段によって、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告が行われ、この結果、前記ゲーム端末の中断処理手段によって、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断が行われる。次いで、前記警告から所定の中断時間経過後に、前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段によって、前記中断時点からの対戦ゲームが再開される。
【0009】
従って、震災予報の対象地域に設置されたゲーム端末装置でゲーム中のプレイヤに災害予報情報が報知され避難勧告上有益となり、かつ災害対象ゲーム端末と対戦中のゲーム端末にも災害予報情報が報知され、中断処理の対象とされることで、ゲーム中の対戦者間の公平さが確保される。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記警告指示手段は、取得した前記災害予報規模が所定レベル以上のとき、警告動作を行うものであることを特徴とする。この構成によれば、所定レベル以上のとき警告動作を行うことで、ゲーム中断が必要以上に発生しないことになる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、災害対象となっていることを示す画像を前記画像表示部に表示し、前記ゲーム端末が前記相手側ゲーム端末となっている場合には、対戦中のゲーム端末に災害予報が出たことを示す画像を前記画像表示部に表示することを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末、相手側ゲーム端末のそれぞれ対応した警告画像が表示される。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム管理サーバに送信する第1の中断データ保全手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末の対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されて保管されるので、再開のためのデータ保管が的確に行われる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記第1の中断データ保全手段は、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管することを特徴とする。この構成によれば、中断時点で災害対象ゲーム端末とゲーム管理サーバとの間が不通となって、中断時点での対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されなかった場合に、自己のゲーム端末の記憶部から読み出して利用することが可能となる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管する第2の中断データ保全手段を備えることを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末では、場合によっては乃至は必要に応じてゲーム再開が可能となる。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断処理手段は、対戦ゲームの中断期間中、ゲーム進行の指示を与える前記操作部への操作を無効とすることを特徴とする。この構成によれば、対戦ゲームの進行の中断が確保されるので、ゲーム中の対戦者間の公平さが可及的に確保される。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断期間経過後の所定時間内に対戦ゲームの再開のための操作入力がないとき、対戦ゲームの再開を禁止することを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末のプレイヤはいたずらに長時間待機する必要がなくなる。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のネットワークゲームシステムにおいて、ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、所定時間経過後に、震災対象ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開することを特徴とする。この構成によれば、相手側ゲーム端末は、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームが再開される。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項8記載のネットワークゲームシステムにおいて、ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記ゲーム管理サーバに対戦ゲーム途中情報が保管されているとき、相手側ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに代えてプレイ再開することを特徴とする。この構成によれば、災害対象ゲーム端末は、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームが再開される。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載のネットワークゲームシステムにおいて、前記中断期間中、前記災害対象ゲーム端末に対して、新規ゲームへの受付操作を禁止する受付禁止手段を備える特徴とする。この構成によれば、災害予報地域に設置されている災害ゲーム端末での新らたなゲームの実行が禁止され、災害報知が一層効果的となる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1,12記載の発明によれば、震災予報の対象地域に設置されたゲーム端末装置でゲーム中のプレイヤに災害予報情報が報知され避難勧告上有益となるのみならず、災害対象ゲーム端末と対戦中のゲーム端末にも災害予報情報を報知して中断処理の対象とすることで、ゲーム中の対戦者間の公平さを確保できる。
【0021】
請求項2記載の発明によれば、所定レベル以上のとき警告動作を行うことで、ゲーム中断を必要以上に発生しないことになる。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末、相手側ゲーム端末のそれぞれ対応した警告画像を表示することができる。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末の対戦ゲーム途中情報をゲーム管理サーバに送信し保管できるので、再開のためのデータ保管を的確に行うことができる。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、中断時点で災害対象ゲーム端末とゲーム管理サーバとの間が不通となって、中断時点での対戦ゲーム途中情報がゲーム管理サーバに送信されなかった場合に、中断時点での対戦ゲーム途中情報を自己のゲーム端末の記憶部から読み出して利用することができる。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、相手側ゲーム端末では、場合によっては乃至は必要に応じてゲーム再開をすることができる。
【0026】
請求項7記載の発明によれば、対戦ゲームの進行の中断を確保できるので、ゲーム中の対戦者間の公平さを可及的に確保できる。
【0027】
請求項8記載の発明によれば、相手側ゲーム端末のプレイヤをいたずらに長時間待機させる必要がない。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、相手側ゲーム端末に、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームを再開させることができる。
【0029】
請求項10記載の発明によれば、災害対象ゲーム端末に、後に、置き換えられた仮想的なプレイヤとの間で対戦ゲームを再開させることができる。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、災害予報地域に設置されている災害ゲーム端末での新らたなゲームの実行を禁止するので、災害報知を一層効果的にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。ネットワークゲームシステムは、それぞれ識別情報が対応付けされたゲーム端末装置1と、複数の(ここでは8台の)ゲーム端末装置1と通信可能に接続され、これら間の中継・接続及び各ゲーム端末装置1とネットワーク(例えばインターネット)を介して他の店舗のゲーム端末装置1との間での接続を行う通信機器であるルーター2と、各ルーター2を介して通信可能に接続され、複数のプレイヤがゲーム端末装置1を用いて行うためのプレイヤ認証、プレイヤの組合せの選択、及びゲーム履歴に関する情報を管理するサーバ3とを備えている。サーバ3はネットワークを介して、例えば緊急地震速報サービスシステム4と接続されている。緊急地震速報サービスシステム4としては、後述する公的な緊急地震速報サービスシステムや民間の地震予報情報サービスシステムを想定している。
【0032】
ゲーム端末装置1は、プレイヤがモニタに表示されるゲーム画面に基づいて所定の操作を行うことによって、ゲームを進行するものである。なお、ゲーム端末装置1に対応付けされる識別情報は、ゲーム端末装置1が接続されているルーター2毎の識別情報(又はゲーム端末装置1が配設されている店舗の識別情報)とゲーム端末装置1が配設されている店舗内でのゲーム端末装置1毎の識別情報とを含んでいる。例えば、店舗Aの識別情報がAであって、店舗A内でのゲーム端末装置1の識別情報が4である場合には、当該ゲーム端末装置1の識別情報はA4である。
【0033】
ルーター2は、それぞれ複数のゲーム端末装置1及びサーバ3と通信可能に接続され、ゲーム端末装置1とサーバ3との間でデータの送受信を行うものである。
【0034】
サーバ3は、各ルーター2と通信可能に接続され、プレイヤ個人を特定するためのユーザIDに対応付けて前記プレイヤ情報等の情報を格納すると共に、かつゲーム端末装置1の識別情報を用いて、ルーター2を介して各ゲーム端末装置1とデータの送受信を行うことによってプレイヤと同一ゲーム空間上でゲームを行うプレイヤ(対戦相手という)に関する情報を管理する。また、サーバ3は、緊急地震速報サービスシステム4から地震予報地域及びその予報規模を含む災害予報情報を取得する。
【0035】
図2は、ゲーム端末装置1の一実施形態の外観を示す斜視図である。なお、ゲーム端末装置1を用いて行われるゲームは、個人ゲームでもよいし、対戦ゲームでもよく、本実施形態では麻雀ゲームを想定しており、ゲーム端末装置1を操作するプレイヤと、他のゲーム端末装置1を操作するプレイヤとが、また必要に応じて、CPUプレイヤ(仮想的なプレイヤ)との間で対戦するものである。他のゲーム端末装置1を操作するプレイヤと対戦する場合には、後述するネットワーク通信部18、ルーター2を介して、対戦中のゲーム端末装置1との間で各プレイヤが操作した内容に応じた操作データの送受信が行われる。
【0036】
ゲーム端末装置1は、ゲーム画面を表示するモニタ11と、モニタ11に積層され、プレイヤによる押圧を感知して、モニタ11のゲーム画面に表示される選択などを促すボタンのアドレスとプレイヤによる押圧位置とからいずれのボタンが指示されたかを判定するタッチパネル11aと、音声を出力するスピーカ12と、個人カードに記憶されたユーザID等の情報を読み込むカードリーダ13と、プレイヤが投入するコインを受け付けるコイン受付部14とを備えている。モニタ11は画像を表示するもので、液晶表示器やプラズマディスプレイ等である。モニタ11は、画面の主要部分にゲーム画像の表示領域が設定されている。また、個人カードは、ユーザID等の個人情報が記憶された磁気カードやICカード等である。
【0037】
ゲーム端末装置1の適所には、各部からの検出信号や、各部への制御信号を出力するマイクロコンピュータなどで構成される制御部16(図3参照)が配設されている。
【0038】
図3は、ゲーム端末装置1の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部16はゲーム端末装置1の全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理、後述するゲーム中断及び再開処理の他、種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)161と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM162と、後述する所定の画像情報及びゲームプログラム等が予め記憶されたROM163とを備える。
【0039】
外部入出力制御部171は、制御部16とカードリーダ13、タッチパネル11a(操作部)及びコイン受付部14を含む検出部の間で、検出信号を処理用のディジタル信号に変換し、また指令情報を検出部の各機器に対して制御信号に変換して出力するもので、かかる信号処理と入出力処理とを例えば時分割的に行うものである。外部機器制御部172は、それぞれの時分割期間内に検出部の各機器への制御信号の出力動作と、検出部の各機器からの検出信号の入力動作とを行うものである。
【0040】
描画処理部111は、制御部16からの画像表示指示に従って所要の画像をモニタ11に表示させるもので、ビデオRAM等を備える。音声再生部121は制御部16からの指示に従って所定のメッセージやBGM等をスピーカ12に出力するものである。
【0041】
ROM163には、麻雀牌キャラクタ、卓画像、受付画面を構成する画像、各ボタンの他、各種の画像等が記憶されている。また、ROM163には、後述する警告指示に対応する中断時の警告画像(図8〜図10参照)、及び再開を促す画像(図11参照)が記憶されている。麻雀牌キャラクタ等は3次元描画が可能なように、それを構成する所要数のポリゴンで構成されており、描画処理部111はCPU161からの描画指示に基づいて、3次元空間上での位置から擬似3次元空間上での位置への変換のための計算、光源計算処理等を行うと共に、上記計算結果に基づいてビデオRAMに対して描画すべき画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるビデオRAMのエリアに対するテクスチャデータの書き込み(貼り付け)処理を行う。
【0042】
ここで、CPU161の動作と描画処理部111の動作との関係を説明する。CPU161は、内蔵のあるいは外部からモニタ11への画像情報の出力とその表示を行う画像表処理部との装着脱式としてのROM163に記録されているオペレーティングシステム(OS)に基づいて、ROM163から画像、音声及び制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータを読み出す。読み出された画像、音声及び制御プログラムデータ等の一部若しくは全部は、RAM162上に保持される。以降、CPU161は、RAM162上に記憶されている制御プログラム、各種データ(表示物体のポリゴンやテクスチャ等その他の文字画像を含む画像データ、音声データ)、並びに検出部からの検出信号等に基づいて、処理が進行される。
【0043】
ROM163に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0044】
ネットワーク通信部18は、麻雀ゲームの実行中に発生するプレイヤの操作情報をルーター2を介して、さらにはネットワークを介して対戦中のゲーム端末装置1と送受信するためのものである。さらに、ネットワーク通信部18は、ゲーム実行前後での、新たなプレイヤに対する受付処理時の個人認証(ユーザID,パスワード)等に関する情報、ゲーム終了時点でのゲーム成績等をルーター2を介してサーバ3との間で送受信するためのものである。
【0045】
図4は、ゲーム端末装置1の制御部16の機能構成図である。制御部16のCPU161は、プレイヤからのゲームへの参加を受け付ける受付処理部161a、ゲームの開始から終了までの一連の進行を制御するゲーム進行制御部161b、モニタ3に受付画像やゲーム画像を表示する画像表示処理部161cと、操作順に従ってプレイヤが操作する操作部であるタッチパネル11aからの操作情報を受け付けて麻雀ゲームを進行させるゲームプレイヤ対戦制御部161dと、ゲーム中におけるプレイヤの操作を評価することによりゲーム終了時でのゲーム成績(持ち点棒の点数の値)や順位を決定する成績処理部161eと、各種情報の通信制御を行う通信制御部161fとを備えている。また、CPU161は、後述するサーバ3からの警告指示に対応してゲームの中断に関連する処理を実行する中断処理部161gと、中断後に所定条件下でゲームの再開を行うゲーム再開処理部161hと、ゲーム再開の態様として、プレイヤに代えてコンピュータによって制御されるCPUプレイヤで対戦を継続させるCPUプレイヤ対戦制御部161iと、ゲーム進行に必要な各種時間の計時の他、警告指示に関連して必要な時間の計時を行うための内部タイマ161jとを備えている。内部タイマ161jは、さらに、後述する中断時間を設定する上で、時刻情報を生成する計時機能を備えている態様でもよい。
【0046】
受付処理部161aは、ゲームへの参加を希望するプレイヤによって、モニタ11に表示されている図略の受付ボタン等が押下されたことがタッチパネル11aで検知され、かつゲーム端末装置1のカードリーダ13に差し込まれた個人カードからユーザIDを読み取ると共に、モニタ11の例えば文字ボタン、ここでは数字ボタンを介してパスワード(暗証番号)を受け付けるものである。また、受付処理部161aは、警告に関連する所定の条件(後述する中断時間内)下で受付を禁止する受付禁止手段としても機能する。受付禁止の態様としては、モニタ3上の受付ボタンの押下を受け付けないようにしてもよく、あるいは受付ボタン自体の表示を、その間、行わないようにしてもよい。さらには、カードリーダ13の動作を停止するようにしてもよい。
【0047】
ゲームプレイヤ対戦制御部161dは、図7のゲーム画面に示すように、4人のプレイヤによって麻雀ゲームが行われ、プレイヤ間でツモ(牌山から牌を取る)の順序が所定の順序で繰り返し発生するようにしている。ゲームプレイヤ対戦制御部161dは、ツモ発生毎に、内部タイマ161iで計時される所定の制限時間内に、捨てようとする牌の画像の表示位置を押下する操作を受け付け、かかる動作を繰り返すことで、プレイヤが目指す役を完成させるようにしている。麻雀ゲームの場合、所定の対局数が終了することでゲーム終了となるものである。
【0048】
図7は、対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。ゲーム画面は主要領域に対戦画面領域500が設定されている。対戦画面領域500には、画面下側にプレイヤの手牌501が牌の種類が見えるように表示され、画面上側及び左右両側に対戦者の手稗502が牌の種類が見えないように表示され、画面略中央にドラ表示稗を含む山503と、山503の周囲に捨て稗504が表示され、画面下側にプレイヤによって押下される種々のボタン506が表示されている。プレイヤが対戦画面500を見ながらボタン506を適宜押下することによってゲームが進行される。
【0049】
中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、実行中の対戦ゲームの中断に関連する処理及び後述する所定の処理を実行するものである。中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、その旨の警告表示を行わせる警告表示手段として機能するものである。警告表示の内容は、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置となっている場合と、災害対象ゲーム端末装置と対戦ゲームの実行中にある相手側のゲーム端末装置となっている場合とで異なる。自己のゲーム端末装置が災害対象ゲーム端末装置となっている場合、災害対象となっていることを示す画像(図8参照)がモニタ11に表示され、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側のゲーム端末装置となっている場合、対戦相手のゲーム端末装置が災害対象となっていることを示す画像(図10参照)がモニタ11に表示される。なお、コンピュータで制御される仮想的なプレイヤであるCPUプレイヤ3人との間でゲームしている、いわゆる一人プレイ中については、図8と同様な画像がモニタ11に表示され、受付待機状態にあるゲーム端末装置に対しては、図9の画像がモニタ11に表示される。
【0050】
図8には、ゲーム実行中の画面に表示される警告画像で、地震発生の予報、避難勧告(災害対象となっていることを示す情報)、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。図9には、地震発生の予報、避難勧告(災害対象となっていることを示す情報)、新規プレイの禁止(新たなゲームのための受付を禁止)の報知、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。図10には、対戦相手のゲーム端末装置の設置地域で地震が発生した旨の報知、待機要求、及び後にゲーム再開を報知するガイダンスが表示されている。
【0051】
また、中断処理部161gは、警告情報を受けると、地震予報情報に含まれる地震発生までの残り時間に所定の時間を加算した時間、あるいは地震予報時刻を充分超える所定時間を中断時間として設定し、この中断時間を内部タイマ161jで計時すると共に、その間、タッチパネル11aへの押圧操作の受付を無効とするものである。この操作無効処理は、災害対象ゲーム端末装置、及び相手側のゲーム端末装置の双方に対して行われ、これにより、いずれかの対戦者のみが有利にゲーム進行を図ることがないように管理している。この中断時間を、地震予報情報に含まれる地震発生までの残り時間に所定の時間を加算した時間として算出する態様では、仮に地震が発生した場合に、その時刻から固定された時間となる。あるいは、予め、予報震度と加算時間の対応テーブルを持っておき、予報震度に応じて、加算される時間を可変とする態様、すなわち予報震度が大きい程、加算時間を長くして、より安全に備えるようにしてもよい。
【0052】
さらに、中断処理部161gは、サーバ3から警告情報を受信すると、対戦ゲーム途中の(局面の)情報の保全を行うものである。対戦ゲーム途中情報の保全方法は、自己のゲーム端末装置が、災害対象ゲーム端末装置となっている場合と、災害対象ゲーム端末装置と対戦ゲームの実行中にある相手側のゲーム端末装置となっている場合とで異なる。自己のゲーム端末装置1が災害対象ゲーム端末装置となっている場合、中断処理部161gは第1の中断データ保全部として機能し、中断時点での対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信して、サーバ3で保管を行わせ、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側のゲーム端末装置となっている場合、中断処理部161gは第2の中断データ保全部として機能し、中断時点での対戦ゲーム途中情報を途中経過情報記憶部162aに保管させる。なお、中断処理部161gの第1の中断データ保全部が、対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信する処理に加えて、第2の中断データ保全部と同様、中断時点での対戦ゲーム途中情報を途中経過情報記憶部162aに保管させるようにしてもよい。
【0053】
ゲーム再開処理部161hは、前記中断時間が経過した後、災害対象ゲーム端末装置に対して所定の再開受付時間を設定し、この時間中、再開を促す画像(図11参照)をモニタ11に表示すると共に、災害対象ゲーム端末装置から再開のための操作の受け付けを許可し、時間内に操作があると、中断時点(の局面)から対戦ゲームを再開させるものである。この再開受付時間中もプレイのための操作の受付は、前述同様に禁止される。なお、中断時間を、退避のための時間と再開受付時間とに分割する態様としてもよい。
【0054】
図11には、プレイ再開が可能である旨を報知する画像と、パスワード入力を促す数字ボタンが表示されている。
【0055】
なお、ゲーム再開処理部161hは、対戦ゲームの再開に際して、警告時点で災害対象ゲーム端末装置からサーバ3に送信された対戦ゲーム途中情報を対戦相手の全てのゲーム端末装置に配信することで可能としている。あるいは、警告時点で災害対象ゲーム端末装置とサーバ3との回線が不通となる等の支障が生じていて、再開処理時に、サーバ3に該当する情報が伝送されていなかった(保管されていない)と判断され場合には、災害対象ゲーム端末装置の途中経過情報記憶部162aに保管されている情報が利用される。さらには相手側ゲーム端末装置の途中経過情報記憶部162aに保管されている情報を利用してもよい。
【0056】
また、ゲーム再開処理部161hは、再開受付時間内に再開操作の受け付けがなかった場合、再開動作を原則禁止するものである。再開受付時間内に再開操作の受け付けがなかった場合には、以下の態様が採用されている。すなわち、ゲーム再開処理部161hは、自己のゲーム端末装置1が、災害対象ゲーム端末装置から見て相手側ゲーム端末装置となっている場合には、震災対象ゲーム端末装置をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なCPUプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開するようにしている。この場合、相手側ゲーム端末装置側のプレイヤは、プレイヤ間で対戦ゲームを再開する態様としてもよいし、個別に3名のCPUプレイヤに置き換えて対戦ゲームを再開する態様としてもよい。
【0057】
一方、ゲーム再開処理部161hは、自己のゲーム端末装置1が災害対象ゲーム端末装置となっている場合には、サーバ3に、あるいは途中経過情報記憶部162aに対戦ゲーム途中情報が保存されていると、相手側ゲーム端末装置をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なCPUプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開するようにしている。
【0058】
CPUプレイヤ対戦制御部161iは、コンピュータを擬人化してゲーム進行のための操作を実行させるものである。CPUプレイヤは予め準備されているゲームのルール(ここでは、麻雀ルール)に則って処理を行うよう制御される。この場合、CPUプレイヤの能力としては、標準的な強さに設定されてもよいし、あるいは、サーバ3のプレイヤ情報記憶部362aに記憶されている、対応するゲーム端末装置1を操作していたプレイヤのプレイヤ情報(ゲーム毎に予め取得され、集計されているゲームでの強さや打ち方の癖)を活用してもよい。このように、CPUプレイヤに置き換えたモードで警告時点での局面からゲームを再開させることで、できるだけゲームを最後まで消化させるようにしている。
【0059】
図5は、本発明に係るサーバ3の一実施形態を示すハードウェア構成図である。制御部36はサーバ3の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)361と、プレイヤの個人情報、各プレイヤのゲームに関する情報等を一時的に格納するRAM362と、管理用の所定の画像情報、ゲーム管理及び災害管理のための管理用プログラムが予め記憶されたROM363とを備える。
【0060】
ROM363に記憶された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0061】
ネットワーク通信部38は、各種データをWWW等からなるネットワークを介して複数のルーター2のいずれかを経て端末識別情報に従って対応するゲーム端末装置1との間で情報の送受信を行うものである。
【0062】
なお、管理プログラムは、ROM363上に記録されており、RAM362上にロードされ、CPU361によりRAM362上のゲーム進行プログラムが順次実行されることによってそれぞれの機能が実現される。
【0063】
緊急地震速報サービスシステム4は、日本全国各地に現在1000台程度設置されている地震計及び観測データを瞬時伝送する伝送部からなる地震観測機40と、地震観測機40から伝送されてきた各地からの観測データを解析して、サービス対象者に配信するセンター41とから構成されている。センター41は、観測データを解析する解析部411と、解析データをネットワーク(例えばインターネット)を介してサービス対象者に配信する配信部412とを備えている。緊急地震速報は、解析部411で、地震における初期微動(P波)と主要動(S波)の伝搬速度の差を利用して、地震発生直後に震源に近い地震計でとらえた観測データを解析して震源及び震度の規模(マグニチュード)を直ちに推定し、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度(地震予報情報)を推定し、配信部412で、可能な限り素早く知らせる仕組みである。
【0064】
図6は、サーバ3の制御部36の機能構成図である。制御部36のCPU361は、各ゲーム端末装置1でのプレイヤのゲーム参加受付に応答して一連の受付管理処理を実行する受付部361aと、受付部361aによって受け付けられたプレイヤの中から、同一ゲーム空間内でプレイする所定数(麻雀の場合、4名)のプレイヤの組合せを所定のルールに則って選定する選定部361bと、各ゲーム端末装置1との間で情報の授受を行う通信制御部361cとを備えている。なお、ゲーム参加の態様として、一人用プレイを希望するプレイヤに対して、コンピュータによって制御される仮想的な3名のCPUプレイヤと同一ゲーム空間上でゲームを実行させるモードもある。
【0065】
また、制御部36のCPU361は、緊急地震速報サービスシステム4から配信されてくる地震予報情報を受信する地震速報受信部361dと、地震予報情報を受信した場合に該当するゲーム端末装置に対して所定の警告指示を発する警告指示処理部361eとを備えている。地震予報情報には、少なくとも地震予報地域情報及びその規模情報が含まれ、さらに地域ごとの到達時刻(予行時刻情報)が含まれる態様としてもよい。
【0066】
RAM362は、ユーザID、パスワード等の個人情報をプレイヤ毎に格納するプレイヤ情報記憶部362aと、プレイヤ毎のゲーム成績(戦績)の履歴を更新的に記憶する履歴記憶部362bと、選定部361bで選定された対戦ゲームの組合せ結果をプレイヤ及びゲーム端末装置の情報を用いて記憶する組合せ情報記憶部362cと、ゲーム端末装置1が設置される店舗とその所在地情報(あるいはゲーム端末装置とその設置された地域情報)を対応付けて記憶する設置箇所情報記憶部362dとを備えている。なお、地域情報は、緊急地震速報サービスシステム4が用いる地域単位と対応するものを採用することが好ましい。
【0067】
受付部361aは、ゲーム端末装置1から送信されたプレイヤのユーザIDの個人情報及びゲーム端末装置1の識別情報を受け付けて、ゲームへの参加を受け付けるものである。また、受付部361aは、プレイヤの参加を受け付けると、選定部361bに対戦相手の組み合わせのための選定処理の指示を行う。
【0068】
選定部361bは、受け付けたプレイヤを所定のルール、例えば先着順に4人ずつ同一ゲーム空間内(同一の卓)に対応付けることで、対戦相手の組合せの選定を行うものである。なお、組合せのルールは、種々の方法が採用可能であり、例えばプレイヤ情報記憶部362a内の個人情報を選定材料として利用することも可能である。
【0069】
通信制御部361cは、組合せの選定結果の対象ゲーム端末装置1への送信、ゲーム終了時点でのゲーム成績の受信の他、警告指示の送信、保全情報の受信等の各送受信処理を行うものである。
【0070】
警告指示処理部361eは、地震速報受信部361dで受信した地震予報情報に含まれる地震予報地域と設置箇所情報記憶部362dとから、対応する地域に設置されているゲーム端末装置を抽出して災害対象ゲーム端末と認定し、さらに、災害対象ゲーム端末装置の情報と組合せ情報記憶部362cとから、災害対象ゲーム端末装置と対戦中にある相手側の(すなわち災害地域以外の地域に設置されている)ゲーム端末装置を相手側ゲーム端末装置として認定し、これらのゲーム端末装置に、所定の警告指示情報を含む警告情報を作成して通信制御部361cを介して送信させるものである。所定の警告指示情報としては、災害対象ゲーム端末装置か相手側のゲーム端末装置かによって、ROM163に記憶されている警告画像の内のいずれの画像を表示させるかを指示する情報が含まれる。なお、災害対象ゲーム端末装置のうち、対戦ゲーム実行中か、一人プレイ中か、あるいは受付待機状態か否かによって、ROM163に記憶されている警告画像の内のいずれの画像を表示させるかについては、ゲーム端末装置1が自己のゲーム端末装置の稼働状態を監視して、その監視状態から対応する警告画像を表示させるようにしてもよい。
【0071】
その他、必要に応じて、報知用としての予報時刻、予報規模を含めてもよい。予報時刻は中断時間を算定する場合に利用する態様でもよい。
【0072】
警告指示処理部361eは、地震速報受信部361dで受信した予報地震情報の震度規模のうち、所定レベル以上の規模(地震の場合、例えば震度4以上)となる地域を抽出し、当該地域に設置されたゲーム端末装置1を災害対象ゲーム端末装置として警告指示対象とするようにしている。
【0073】
図12は、サーバ3による緊急地震速報情報の配信処理の手順を示すフローチャートである。緊急地震速報サービスシステム4から地震発生の情報が伝送されてくると(ステップS1)、サーバ3は少なくともプレイ中の災害対象ゲーム装置に対して警告指示のための情報を配信し(ステップS3)、また、災害対象ゲーム端末装置のうち対戦ゲームを行っているゲーム端末装置の対戦相手であるゲーム端末装置に対して警告指示のための情報を配信する(ステップS5)。サーバ3は、さらに災害対象ゲーム端末装置から対戦ゲーム途中情報を受信すると、該情報を履歴記憶部362bに格納する(ステップS7)。その後、災害対象ゲーム端末装置から対戦ゲーム途中情報の返送要求を受信すると、該災害対象ゲーム端末装置に対戦ゲーム途中情報を返送する(ステップS9)。なお、ステップS7で、地震によって回線不通となるなどの原因によってステップS7の処理が実行されていない場合には、ステップS9の処理は実行されない。
【0074】
図13は、災害対象ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。警告情報がサーバ3から受信されると、プレイ中か否かが判断される(ステップS21)。プレイ中でなければ、すなわち受付待機状態であれば、新規プレイを禁止するべく、モニタ11に図9に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS25)、タッチパネル11aあるいはカードリーダ13を介しての新規プレイへの受付が無効(禁止)とされる。
【0075】
一方、プレイ中であれば、モニタ11に図8に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS27)、タッチパネル11aを介しての操作が無効、すなわちゲームの中断が行われる。次いで、中断時点での対戦ゲーム途中情報(対局の局面情報)がサーバ3に送信される(ステップS29)。なお、回線不通が検知され、サーバ3への情報送信が不可の場合には次善策として、あるいは並列的処理として、対戦ゲーム途中情報は途中経過情報記憶部162aに退避し、格納される。
【0076】
次いで、中断時点から所定の中断時間が経過するまで待機が行われ(ステップS31でNO)、中断時間が経過すると、モニタ11画面は、図11に示すゲーム再開受付画面に切り替えられる(ステップS33)。そして、画面に表示された数字ボタンへの押圧操作を介してパスワードの入力が促される。入力されたパスワードが中断時点でのプレイヤのパスワードと不一致の場合には、パスワードの入力がされていないと判断して(ステップS35でNO)、再開受付画面への移行時点から所定時間(再開受付時間)が経過したか否かの判断が行われる(ステップS37)。再開受付時間内に、中断時点でのプレイヤのパスワードと一致しているパスワードが入力された場合には、正規のパスワードが入力されたとして(ステップS35でYES)、当該ゲーム端末装置に対する中断解除処理、すなわち、中断時点での対戦ゲーム途中情報のサーバ3への返送要求及びそれに伴う返送情報の受信が行われると共に、相手側ゲーム端末装置に対して中断解除の指示信号が送信される(ステップS39)。この結果、中断時点の局面から対戦ゲームが再開され(ステップS41)、最後までゲームが行われる(ステップS43)。
【0077】
一方、再開受付時間内に正規なパスワードの入力がなかった場合には(ステップS37でYES)、プレイヤ同士による対戦ゲームの再開は原則禁止され、その旨の情報が対戦相手のゲーム端末装置に送信される(ステップS45)。
【0078】
図14は、ステップS37の再開受付時間内にプレイヤからパスワード入力がされなかった場合における災害対象ゲーム端末装置でのゲーム再開処理の手順を示すフローチャートである。図14は、災害が大きかった場合等、再開受付時間内に復帰状態になかった状況を想定したもので、このような場合にも、できるだけ中断したゲームの再開を図るためのものである。
【0079】
任意のゲーム端末装置への通常の受付処理が実行され、当該プレイヤが警告処理によって対戦ゲームの中断処理を受けたプレイヤからの受付であると判断され、かつタッチパネル11aから中断した対戦ゲームの再開希望が受け付けられた場合(ステップS51)、当該プレイヤの対戦ゲーム途中情報がサーバ3に保存されているか否かの確認要求がサーバ3に送信される(ステップS53)。
【0080】
次いで、サーバ3からの回答が受信されると、回答内容から該当する情報が存在するか否かが判断され(ステップS55)、該当する情報が存在しておれば、該当する情報の送信要求がサーバ3に発せられ、該当する情報が取得される(ステップS57)。そして、中断時点からの対局で対戦ゲームの再開が実行され(ステップS59)、最後までゲームが行われる(ステップS63)。なお、この再開ゲームでは、中断時点で相手側ゲーム端末装置を操作していた対戦相手(プレイヤ)は、再開時点ではゲーム端末の前に着座していないので、これらの相手側ゲーム端末装置のプレイヤに代えて前記CPUプレイヤに切り換えられている。
【0081】
一方、ステップS55で、該当する情報が存在していない場合には、通常のゲームが実行され(ステップS61)、最後までゲームが行われる(ステップS63)。
【0082】
図15は、相手側ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。警告情報がサーバ3から受信されると(ステップS71)、モニタ11に図10に示す警告画面が所定時間だけ表示され(ステップS73)、タッチパネル11aを介しての操作が無効、すなわちゲームの中断が行われる。次いで、中断時点から所定時間が経過するまでの間に、災害対象ゲーム端末装置から中断解除の信号が受信されたか否かの待機が行われ(ステップS75でNO)、所定時間内に解除信号が受信されたか、または解除信号が受信されずに所定時間が経過すると(ステップS75でYES)、災害対象ゲーム端末装置と接続の可否、すなわち災害対象ゲーム端末装置との間で対戦ゲームの再開が可能か否かが判断される(ステップS77)。災害対象ゲーム端末装置と接続できなければ、災害対象ゲーム端末装置のプレイヤをCPUプレイヤに置き換える処理が行われ(ステップS79)、プレイが再開され(ステップS81)、最後までゲームが行われる(ステップS83)。
【0083】
また、ステップS77で、災害対象ゲーム端末装置と接続できれば、災害対象ゲーム端末装置のプレイヤとの間で対戦ゲームが再開され(ステップS81)、最後までゲームが行われる(ステップS83)。
【0084】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0085】
(1)警告、再開のためのガイド画像はゲーム端末装置1のROM163に格納する態様の他、サーバ3に格納しておき、警告時にサーバ3から対応するゲーム端末装置に警告指示情報と共に送信する態様としてもよい。
【0086】
(2)ゲーム管理サーバとしてはゲーム管理と災害対応の両方の機能を実行することが可能であれば、ゲーム管理用と災害対応用とは一体でも別体でもよい。
【0087】
(3)本発明は、災害対象ゲーム端末装置1が1台の他、複数台であっても同様に適用可能である。この場合、再開のための操作は、各災害対象ゲーム端末装置から行う必要があるが、サーバ3との間の対戦ゲーム途中情報の返送要求及びその受信は、最後の災害対象ゲーム端末装置からの操作に対応して実行させることが好ましい。
【0088】
(4)本実施形態では、災害対象ゲーム端末装置の対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信して保管する構成としたが、これに代えて災害対象地域でない相手側ゲーム端末装置の対戦ゲーム途中情報をサーバ3に送信し保管させるようにしてもよい。相手側ゲーム端末装置が複数台存在する場合には、所定の方法で1台を選定して、例えばゲーム参加順の上位者を優先して、サーバ3への情報送信を行わせるようにすればよい。また、この場合、サーバ3に送信されるデータ中に災害対象ゲーム端末を操作しているプレイヤを特定可能な個人情報(ユーザIDやパスワード等)を含めておけば、地震が収まった後に、災害発生時の同じ(あるいは同店舗)のゲーム端末からゲーム再開が可能となる。
【0089】
(5)本実施形態では、麻雀ゲームで説明したが、本発明は、これに限定されず、囲碁、将棋、チェス、トランプ等を模擬した各種対戦ゲームでもよく、さらに対戦型のスポーツゲームであってもよい。
【0090】
(6)本発明は、災害の一例としての地震に関して説明したが、これに限定されず、火山噴火、津波、集中豪雨等の、緊急的に避難を要する現象の予報、さらには自然現象として発生する災害予報が可能な現象全般に対して適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】ゲーム端末装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。
【図3】ゲーム端末装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図4】ゲーム端末装置の制御部の機能構成図である。
【図5】本発明に係るサーバ装置の一実施形態を示すハードウェア構成図である。
【図6】サーバ装置の制御部の機能構成図である。
【図7】対戦の状況を表わす対戦画面の画面図の一例である。
【図8】ゲーム実行中の画面に表示される警告画像を示す図面である。
【図9】災害対象ゲーム端末装置に表示する警告画像を示す図面である。
【図10】災害対象ゲーム端末装置の対戦者側の相手側ゲーム端末装置に表示する警告画像を示す図面である。
【図11】災害対象ゲーム端末装置に表示する再開画像を示す図面である。
【図12】サーバ3による緊急地震速報情報の配信処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】災害対象ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】ステップS37の再開受付時間内にプレイヤからパスワード入力がされなかった場合における災害対象ゲーム端末装置でのゲーム再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】災害対象ゲーム端末と対戦中の相手側ゲーム端末装置で実行される警告から再開までの処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 ゲーム端末装置(ゲーム端末)
11 モニタ(画像表示部)
11a タッチパネル(操作部)
13 カードリーダ
16 制御部
161a 受付処理部(受付手段、受付禁止手段)
161b ゲーム進行制御部
161c 画像表示処理部
161d ゲームプレイヤ対戦制御部
161g 中断処理部(中断処理手段、第1、第2の中断データ保全手段)
161h ゲーム再開処理部(ゲーム再開処理手段)
161i CPUプレイヤ対戦制御部
162a 途中経過情報記憶部
162a 履歴記憶部
3 サーバ
361a 受付部
361b 選定部
361d 地震速報受信部(災害予報情報取得手段)
361e 警告指示処理部(警告指示手段)
362b 履歴記憶部
362c 組合せ情報記憶部(組合せ情報記憶手段)
362d 設置箇所情報記憶部(設置箇所記憶手段)
4 緊急地震速報サービスシステム(緊急災害情報速報サービスシステム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示部と操作部とをそれぞれ備え、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、
前記ゲーム管理サーバは、
対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶手段と、
緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得する災害予報情報取得手段と、
各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所記憶手段と、
取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示手段とを備え、
前記ゲーム端末は、
警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理手段と、
前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理手段とを備えたことを特徴とするネットワークゲームシステム。
【請求項2】
前記警告指示手段は、取得した前記災害予報規模が所定レベル以上のとき、警告動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載のネットワークゲームシステム。
【請求項3】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、災害対象となっていることを示す画像を前記画像表示部に表示し、前記ゲーム端末が前記相手側ゲーム端末となっている場合には、対戦中のゲーム端末に災害予報が出たことを示す画像を前記画像表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項4】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム管理サーバに送信する第1の中断データ保全手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項5】
前記第1の中断データ保全手段は、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管することを特徴とする請求項4記載のネットワークゲームシステム。
【請求項6】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管する第2の中断データ保全手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項7】
前記中断処理手段は、対戦ゲームの中断期間中、ゲーム進行の指示を与える前記操作部への操作を無効とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断期間経過後の所定時間内に対戦ゲームの再開のための操作入力がないとき、対戦ゲームの再開を禁止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、所定時間経過後に、震災対象ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開することを特徴とする請求項8記載のネットワークゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記ゲーム管理サーバに対戦ゲーム途中情報が保管されているとき、相手側ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに代えてプレイ再開することを特徴とする請求項8記載のネットワークゲームシステム。
【請求項11】
前記中断期間中、前記災害対象ゲーム端末に対して、新規ゲームへの受付操作を禁止する受付禁止手段を備える特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項12】
ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、
前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段は、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理し、
前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段は、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶し、
前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段は、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得し、
前記ゲーム管理サーバの警告指示手段は、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行い、
前記ゲーム端末の中断処理手段は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行い、
前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段は、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させることを特徴とするネットワークゲーム管理方法。
【請求項1】
画像表示部と操作部とをそれぞれ備え、ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、
前記ゲーム管理サーバは、
対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理する組合せ情報記憶手段と、
緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得する災害予報情報取得手段と、
各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶する設置箇所記憶手段と、
取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行う警告指示手段とを備え、
前記ゲーム端末は、
警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行う中断処理手段と、
前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させるゲーム再開処理手段とを備えたことを特徴とするネットワークゲームシステム。
【請求項2】
前記警告指示手段は、取得した前記災害予報規模が所定レベル以上のとき、警告動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載のネットワークゲームシステム。
【請求項3】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、災害対象となっていることを示す画像を前記画像表示部に表示し、前記ゲーム端末が前記相手側ゲーム端末となっている場合には、対戦中のゲーム端末に災害予報が出たことを示す画像を前記画像表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項4】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム管理サーバに送信する第1の中断データ保全手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項5】
前記第1の中断データ保全手段は、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管することを特徴とする請求項4記載のネットワークゲームシステム。
【請求項6】
前記中断処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、前記中断時点での対戦ゲーム途中情報を前記ゲーム端末の記憶部に一時的に保管する第2の中断データ保全手段を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項7】
前記中断処理手段は、対戦ゲームの中断期間中、ゲーム進行の指示を与える前記操作部への操作を無効とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記中断期間経過後の所定時間内に対戦ゲームの再開のための操作入力がないとき、対戦ゲームの再開を禁止することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記相手側のゲーム端末となっている場合には、所定時間経過後に、震災対象ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに変更して、中断時点からの対戦ゲームを再開することを特徴とする請求項8記載のネットワークゲームシステム。
【請求項10】
前記ゲーム再開処理手段は、前記ゲーム端末が前記災害対象ゲーム端末となっている場合には、前記ゲーム管理サーバに対戦ゲーム途中情報が保管されているとき、相手側ゲーム端末をコンピュータ制御によって対戦ゲームを実行する仮想的なプレイヤに代えてプレイ再開することを特徴とする請求項8記載のネットワークゲームシステム。
【請求項11】
前記中断期間中、前記災害対象ゲーム端末に対して、新規ゲームへの受付操作を禁止する受付禁止手段を備える特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のネットワークゲームシステム。
【請求項12】
ネットワークを介して対戦ゲームが実行可能な複数のゲーム端末と、ネットワークを介して前記複数のゲーム端末のそれぞれと通信可能に接続されたゲーム管理サーバとを有するネットワークゲームシステムにおいて、
前記ゲーム管理サーバの組合せ情報記憶手段は、対戦中の各ゲーム端末の組合せを管理し、
前記ゲーム管理サーバの設置箇所記憶手段は、各ゲーム端末の設置箇所を地域情報と関連付けて記憶し、
前記ゲーム管理サーバの災害予報情報取得手段は、緊急災害情報速報システムから災害予報地域情報及びその災害予報規模情報を含む災害予報情報を取得し、
前記ゲーム管理サーバの警告指示手段は、取得した災害予報情報に含まれる災害地域に設置された災害対象のゲーム端末及び該ゲーム端末と対戦中の相手側のゲーム端末に対して、対戦ゲームの中断指示を含む警告を行い、
前記ゲーム端末の中断処理手段は、警告を受けた時点で、実行中の対戦ゲームの中断を行い、
前記ゲーム端末のゲーム再開処理手段は、前記警告から所定の中断時間経過後に前記中断時点からの対戦ゲームを再開させることを特徴とするネットワークゲーム管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−273491(P2009−273491A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124667(P2008−124667)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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