説明

ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるための方法

マルチキャストリピータは、ネットワーク上のホストコンピュータシステム上に配置されている。他のネットワーク上の1つ以上の他のマルチキャストリピータが見つかる。これら他のマルチキャストリピータは、UDPマルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されない少なくとも1台のネットワーク装置によってホストを具備し、ネットワークから分離されるネットワークに配置されている。マルチキャストを介してUDPマルチキャストリクエストパケットを受信する各回において、マルチキャストリピータは、マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断する。マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送していた場合、UDPマルチキャストリクエストパケットを無視する。しかしながら、マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、マルチキャストリピータは、TCP/IPを介して、見つかった1つ以上の他のマルチキャストリピータにUDPマルチキャストリクエストパケットを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的なコンピュータとコンピュータ関連技術に関する。より具体的には、本発明はネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータや通信技術は、急速な歩みで進み続けている。事実、コンピュータや通信技術は、人間の日常の多くの側面に関わる。例えば、今日消費者によって使用される多くの装置は、その装置内部に小型コンピュータを有する。これらの小型コンピュータは、精密さに関して様々なサイズ及び程度のものが提供されている。これらの小型コンピュータは、1つのマイクロコントローラから、全ての機能を持つ完全なコンピュータシステムまで、全てを含んでいる。例えば、これらの小型コンピュータは、マイクロコントローラのようなワンチップコンピュータ、コントローラのような1ボードのタイプのコンピュータ、IBMTM−PCコンパチブルのような典型的なデスクトップコンピュータなどであっても良い。
【0003】
コンピュータは、一般的に、そのコンピュータの心臓部に1つ以上のプロセッサを有する。プロセッサは、通常、異なる外部の入力と出力に相互接続されており、特定のコンピュータ又は装置を管理するために機能する。例えば、サーモスタットのプロセッサは、温度設定を選択するために使用されるボタン、温度を変えるための暖炉やエアコン、及び現在の温度をディスプレイ上から読んだり表示したりするための温度センサと接続できる。
【0004】
多くの電気製品や装置などは、1つ以上の小型コンピュータを含んでいる。例えば、サーモスタット、暖炉、空調システム、冷蔵庫、電話機、タイプライタ、自動車、自動販売機、及び多くの異なるタイプの産業機器は、現在一般的に、小型コンピュータ又はプロセッサをそれらの内部に有する。コンピュータソフトウェアは、これらコンピュータのプロセッサを動かして、いかに所定のタスクを実行するかをプロセッサに指示する。例えば、サーモスタット上で動作するコンピュータソフトウェアは、特定の温度に達している場合エアコンの実行を止めたり、又は必要に応じて暖房機をオンにしたりすることができる。
【0005】
装置、電気製品、ツールなどの一部であるこれらのタイプの小型コンピュータは、しばしば組込み機器又は組込みシステムと呼ばれる。(用語「組込み機器」と「組込みシステム」は本明細書において互換性を持って使用される)。組込みシステムは、通常、コンピュータハードウェアと、より大きいシステムの一部であるソフトウェアについて言及する。組込みシステムは、キーボード、マウス、及び/又はモニタなどの典型的な入出力装置を有することができない。通常、それぞれの心臓部で組み込まれているシステムは、1つ以上のプロセッサである。
【0006】
照明システムは、組込みシステムを組み込むことができる。照明システムの効力を監視し、制御するために組込みシステムを使用できる。例えば、組込みシステムは、照明システムの中で照明の明るさを薄暗くするための制御を与えることができる。あるいはまた、組込みシステムは、照明の明るさを強めるための制御を与えることができる。組込みシステムは、照明システム内の個々の照明内の特定の照明パターンを起動するための制御を与えることができる。組込みシステムは、照明システム内の個々のスイッチと結合できる。これらの組込みシステムは、個々の照明又は全体の照明システムにパワーアップ、パワーダウンするためのスイッチ対して指示できる。同様に、組込みシステムは、照明システム内の個々の照明と結合できる。それぞれの個々の照明の明るさ又は電源状態は、組込みシステムにより制御できる。
【0007】
セキュリティシステムもまた、組込みシステムを組み込むことができる。組込みシステムは、セキュリティシステムを備える個人セキュリティセンサを制御するために使用できる。例えば、組込みシステムは、それぞれのセキュリティセンサを自動的に強化する制御を与えることができる。組込みシステムは、それぞれの個人セキュリティセンサと結合できる。例えば、組込みシステムは、動作センサと結合できる。動きが検出された場合、組込みシステムは、自動的に個々の動作センサをパワーアップして、動作センサを作動するための制御を与えることができる。動作センサの作動では、動作センサの中に配置されたLEDパワーアップするための指示を与えたり、動作センサの出力部からアラームを出力したり、等を含むことができる。組込みシステムは、ドアを監視するセンサとも結合できる。組込みシステムは、ドアが開けられるか、又は閉じられるとき、作動するためにドアを監視するセンサに指示を与えることができる。同様に、組込みシステムは、窓を監視するセンサと結合できる。窓が開けられるか、閉じられた場合、組込みシステムは、窓のセンサモニタリングを作動するために指示を与えることができる。
【0008】
携帯電話などのワイヤレス製品を制御するのにもまた、いくつかの組込みシステムを使用できる。組込みシステムは、携帯電話のLEDディスプレイをパワーアップするための指示を与えることができる。組込みシステムは、携帯電話に関する音声通知をユーザに与えるために、携帯電話内のオーディオスピーカーもまた作動することができる。
【0009】
家庭電化製品もまた、組込みシステムを組み込むことができる。家電は、従来の台所で通常使用される電気製品、例えば、ストーブ、冷蔵庫、電子レンジなどを含むことができる。家電はまた、ユーザの健康と快適な暮らしに関する電気製品を含むことができる。例えば、マッサージリクライニングシートは、組込みシステムを組み込むことができる。組込みシステムは、椅子の背もたれ部分を、ユーザの好みに従って自動的にもたれさせるための指示を与えることができる。組込みシステムはまた、リクライニングシート内の振動を、ユーザの好みに従って引き起こす椅子内の振動装置を始動するためにも指示を与えることができる。
【0010】
家庭内で通常備えられる更なる製品もまた、組込みシステムを組み込むことができる。例えば、コンテナータンクを詰め替えるのに使用される水のレベルを制御するために、トイレ内で組込みシステムを使用できる。空気の流出を制御するためにジェットバス内で組込みシステムを使用できる。
【0011】
組込みシステムは、様々な理由のため他の電子装置への接続を確立できる。例えば、組織が、所定のリモートクライアントに利用可能な組込みシステムに関するデータを作成したいということも可能である。組込みシステムは、組込みシステムの動作を制御するためのこれらのリモートクライアントもまた可能にすることができる。例えば、キャリブレーションで見つかる問題を、組込みシステムの位置に人を送る代わりに、リモートで調整可能にすることができる。代わりに、又は更に、組込みシステムは、ローカルで変更されることができる動作と大体同じようなやり方を、リモートで変更されることを可能にすることができる。1つの例が、リモートでドアをロックすることであろう。この種のリモートコントロールは、ローカルに利用可能な機能に制限されず、多くの場合、ローカルな機能を超えることができる。1つの例が、ローカルインタフェースを全く持っていないが、その動作のリモートコントロールを可能にするセンサである。
【0012】
他の電子装置と通信するために、組込みシステムはコンピュータネットワークに接続できる。時々、1つ以上のコンピュータネットワークに位置する電子装置グループへメッセージを送信する組込みシステムが望ましい。受信グループがサイズでは数の上で大きいが、ネットワークにおける装置の全体的な数と比べて小さいところでは、マルチキャストルーティングがしばしば使用される。マルチキャスティングとは、ネットワーク上の1つ以上の宛て先に、メッセージを同時に送信する処理をいう。マルチキャスティングは、ネットワーク内の特定のグループへのマルチキャスティング送信手段であるところがブロードキャスティングと異なっており、ブロードキャスティングはネットワーク上の全員に送信することを意味する。マルチキャスト技術では、データの大部分は、通常、一旦送信元からネットワークのメジャーなバックボーンまで伝送され、そして宛て先のより近くのスイッチングポイントで増殖又は分散される。
【0013】
マルチキャストルーティングへの接続において、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)を使用できる。これはしばしばUDPマルチキャスティングと呼ばれる。UDPは、カプセル封入IPデータグラムを送信し、接続を確立する必要なく、それらを送信するアプリケーションのための方法を与えることがする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
組込みシステムが異なるネットワークに位置する電子装置へのUDPマルチキャスティングを介してメッセージ送信を試みるとき、問題は生じるかも知れない。コンピュータネットワークは、特定のネットワークトラフィックを隔離して、制限されたコンピュータのセットが通信するのを容認するのを抑制されるかも知れない。ルーターやファイアウォールなどのネットワーク装置によって課されたこれらの制約条件は、意図的にUDPマルチキャストアドレッシングの行使を制限する。2つのネットワークが、マルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されないネットワーク装置によって分離されるならば、1つの孤立しているネットワーク上で起こるマルチキャストリクエストに、別の孤立しているネットワーク上でコンピュータに配送するのは、難しいかもしれない。従って、必要なのは、ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるための機構、すなわち、マルチキャストアドレッシングをルーティングさせるように構成されていないネットワーク装置を越えて、1つのネットワークから別のネットワークまでマルチキャストパケットを得るための機構である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるためのシステムと方法が開示される。例示される実施形態では、ネットワーク上のホストコンピュータシステムのマルチキャストリピータは、見つかった他のネットワークで他の1つ以上のマルチキャストリピータに関する情報を保持する。これらの各マルチキャストリピータは、UDPマルチキャストアドレッシングをルーティングするように構成されていない少なくとも1台のネットワーク装置によって、ホストを備えるネットワークから分離されるネットワーク内に位置することができる。マルチキャストを介してUDPマルチキャストリクエストパケットを受信する各回において、マルチキャストリピータは、マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断する。もしマルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送していた場合、UDPマルチキャストリクエストパケットは無視される。もしマルチキャストリピータが以前にUDPを転送していなかった場合、マルチキャストリピータは、見つかった1つ以上の他のマルチキャストリピータへUDPマルチキャストリクエストパケットを送信する。
【0016】
UDPマルチキャストリクエストパケットは、見つかった他のリピータに、接続(例えば、TCP/IP接続)を介して送信されても良い。UDPマルチキャストリクエストパケットが他のマルチキャストリピータに送信される前に、マルチキャストリピータは、ラッパプロトコルに従って、UDPマルチキャストリクエストパケットのデータをカプセル化することができる。
【0017】
一部の実施例において、マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送したかどうか判断するステップは、UDPマルチキャストリクエストパケットからグローバルにユニークなパケットIDを抽出して、IDキャッシュの中でパケットIDを検索することを伴うことができる。マルチキャストリピータが以前にUDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、マルチキャストリピータはパケットIDをIDキャッシュに記録できる。マルチキャストリピータはまた、UDPマルチキャストリクエストパケットがIDキャッシュで起こったネットワークアドレスとポートも記録できる。
【0018】
マルチキャストリピータは、異なるネットワーク上の別のマルチキャストリピータから転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを受信できる。ラッパプロトコルに従って転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットのデータがカプセル化された場合、マルチキャストリピータは、カプセル化されたデータを得るために転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを開封することができる。マルチキャストリピータは、マルチキャストリピータのネットワーク上のマルチキャストを介して転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを送信することができる。
【0019】
マルチキャストリピータは、UDPマルチキャスト応答パケットを受信できる。応答においては、マルチキャストリピータは、対応するUDPマルチキャストリクエストパケットがネットワーク上で発生したかどうか判断できる。対応するUDPマルチキャストリクエストパケットがネットワーク上で発生した場合、マルチキャストリピータは、対応するUDPマルチキャストリクエストパケットのために送信側のアプリケーションを特定し、送信側のアプリケーションへUDPマルチキャスト応答パケットを送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の例示された実施形態は、以下の説明と添付の特許請求の範囲から、添付図面と共により完全に明らかになる。これらの図面について理解することは、例示された実施形態についてのみ描いていることであり、従って、本発明の範囲の限定であることは考慮されない。本発明の例示された実施形態は、更なる特定性で説明され、添付図面を用いて詳しく述べる。
【0021】
図面を参照しながら本発明の様々な実施例について説明する。同一参照番号は同一か機能上同様の要素を示す。本明細書において一様に説明し図面に示す本発明の実施例は、広く様々な異なる形態でアレンジし設計することができるであろう。それ故、図面で表される本発明の様々に例示された実施形態の以下のより詳細な説明は、本発明のクレームとしての範囲を限定する意図でなく、単に本発明の実施例を示す意図である。
【0022】
「例」という言葉は、「実施例、実例、又は図示としての役目をすること」を意味するために本明細書において排他的に使用される。本明細書に「例」として記述されたどんな実施例も、他の実施例を越えて好ましい又は有利であると理解されるために必ずしも必要ではない。図面に実施例の種々の外観を提示するが、特別に示さなかったといって、比例するように必ずしも図面を作成するというわけではない。
【0023】
本明細書に開示された実施例の多くの特徴を、コンピュータソフトウェア、電子ハードウェア、又は両方の組合せとして、実施することができる。一般的に、明確にハードウェアとソフトウェアのこの互換性を示すために、それらの機能性において種々の装置について説明する。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実施されるか否かは、システム全体に課された特殊なアプリケーションと設計制約条件に依存する。当業者は各特殊アプリケーションのために様々な方法で説明した機能性を実施することができるが、本発明の範囲から逸脱して、そのような実施決定を解釈するべきでない。
【0024】
説明された機能性がコンピュータソフトウェアとして実施される場合、そのようなソフトウェアは、どのようなタイプの機械命令も含むことができるか、コンピュータ実行可能コードがメモリデバイスの中に位置し及び/又は電子信号としてシステムバス又はネットワーク上を伝送される。本明細書で説明される装置に関連する機能性を実施するソフトウェアは、ただ一つの指示、又は多くの指示を具備することができ、異なるプログラムの中といくつかのメモリデバイスにまたがって、様々な異なるコードセグメントに分散できる。
【0025】
図1は、一実施例によるUDPマルチキャストトラフィックにネットワークブリッジを備えるためのシステム100を示している。システム100は複数のコンピュータネットワーク102を含んでいる。図示された実施例では、2つのネットワーク102が配置されている。すなわち、ネットワーク(A)102aとネットワーク(B)102bである。各ネットワーク102は複数の相互接続形コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムはホスト104と呼ばれる。
【0026】
ネットワーク102は、マルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されない少なくとも1台のネットワーク装置106によって分離される。例えば、ルーターやファイアウォールなどはネットワーク102を分離できる。
【0027】
各ネットワーク102は、マルチキャストリピータ108を含む少なくとも1台のホスト104を含んでいる。大まかに言えば、マルチキャストリピータ108は、別の孤立されたネットワーク(例えば、ネットワーク(B)102b)上のホスト104によって繰り返され、応答されるための1つの孤立されたネットワーク(例えば、ネットワーク(A)102a)上で発生するマルチキャストリクエストであることを可能にするネットワークブリッジである。これを達成するために、それぞれのマルチキャストリピータ108は、他のすべての既知のリピータ108に受信する各マルチキャストリクエストを転送するために構成される。(リピータ108がマルチキャストリクエストを既に処理していなければ、以下で更に詳細にこれについて議論する)。各リピータ108は、それ自身のグローバルにユニークなIDを持つ。このIDは、マルチキャストリクエストをリピータ108に転送するために使用できる。マルチキャストリピータ108はUDPマルチキャストデータ配布のアプリケーションレベルコントロールを容易にする。その結果、規制されて保護されたネットワーク102の制約条件の中で、ネットワークトラフィックを所望のアプリケーションニーズに制限する。
【0028】
図1には2つのネットワーク102が示されているが、2つ以上のネットワーク102がマルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されないネットワーク装置106によって接続されるシステムの実施例も実施できる。そのような実施例では、各ネットワーク102における少なくとも1台のホスト104が、マルチキャストリピータ108を含むことができる。更にまた、図1に示される両方のネットワーク102は、単一のリピータ108を含んでいるのみであるが、別の実施例では、多重のリピータ108を単一ネットワーク102の中に配置できる。
【0029】
図2は、マルチキャストリピータ108を具備するホスト104に配置できるソフトウェアコンポーネントと他のデータを示している。図示されているように、マルチキャストリピータ108は、ホスト104で動作しているサーバアプリケーション210の一部であっても良い。サーバアプリケーション210は、UDPサーバモジュール212を含むことができる。UDPサーバモジュール212は、UDPマルチキャストパケットのための特定のマルチキャストアドレスとポートをリッスンするよう構成できる。一部の実施例では、マルチキャストリピータ108は、UDPサーバモジュール212とともに登録し、UDPサーバモジュール212は、処理のためにマルチキャストリピータ108に受信するどのようなUDPマルチキャストパケットも転送する。
【0030】
サーバアプリケーション210は、他のネットワーク102上のマルチキャストリピータ108にTCP/IP接続をセットアップするために構成されるTCP/IP接続モジュール214もまた含むことができる。TCP/IP接続が別のネットワーク102に確立される場合、いくつかのマルチキャストリピータ108は、自動的に見つかったリピータのリスト216に追加されるネットワーク102上にある。
【0031】
マルチキャストリピータはIDキャッシュ218を保持する。IDキャッシュ218は、マルチキャストリピータ108が以前に他のリピータ108に転送したリクエストパケットに関する情報を保存するために使用される。
【0032】
図3は、一実施例によるUDPマルチキャストリクエストパケット320を示している。図示された実施例では、それぞれのマルチキャストリクエストパケット320は、送信されたグローバルにユニークなパケットID322を含んでいる。グローバルにユニークなパケットID322に加えて、送信される各リクエストパケット320はまた、送信元ホスト104のネットワークアドレス324、及び送信側のアプリケーションが送信元ホスト104に割り当てられるポート326を示す。(送信側のアプリケーションは、本来はリクエストパケット320を送信したアプリケーションである。送信元ホスト104は送信側のアプリケーションが実行されているホスト104である。)リクエストパケット320はまた、他の情報328を通常含んでいる。
【0033】
図4は、マルチキャストを介して別のホスト104のネットワーク102から、UDPマルチキャストリクエストパケット320を受信する際(ステップ402)の、マルチキャストリピータ108の動作を示している。ステップ404において、マルチキャストリピータ108は、ステップ402で受信されたリクエストパケット320からパケットID322を抽出する。
【0034】
ステップ406において、マルチキャストリピータ108は、パケットID322をそのIDキャッシュ218の中から検索する。パケットID322がIDキャッシュ218内に既に格納されている場合、これはマルチキャストリピータ108が既にリクエストパケット320を処理したことを意味し、そして、ステップ408において、ループを防ぐためにリクエストパケット320は無視される。しかしながら、IDキャッシュ218内のエントリがリクエストパケット320のために既に存在していない場合、ステップ410において、マルチキャストリピータ108は、IDキャッシュ218のリクエストパケット320のためにパケットID322を記録する。一部の実施例では、ID322は限定的な時間だけ有効である。(望ましくは、その時間は、ループを検出するためにIDキャッシュ218を使用するのに十分長く)。
【0035】
ステップ412において、マルチキャストリピータ108は、ステップ402において受信したリクエストパケット320から、送信元ホスト104のネットワークアドレス324と送信側のアプリケーションが割り当てられる送信元ホスト104の上のポート326を抽出する。ステップ414において、マルチキャストリピータ108は、この情報をIDキャッシュ218に記録する。それに続いてマルチキャストリクエスト320への何らかの応答を受信した場合、送信側のアプリケーションへの応答を返すために、ネットワークアドレス324とポート326を使用できる。これについて以下で更に詳細に説明する。
【0036】
ステップ416において、マルチキャストリピータ108は、ラッパプロトコルに従って、パケットID322を含むリクエストパケット320のデータをカプセル化する。ステップ418において、マルチキャストリピータ108は、TCP/IPを用いて、カプセル化されたリクエストパケット320を、見つかった各リピータ108(例えば、見つかったリピータのリスト216で特定される各リピータ108に)に転送する。
【0037】
図5は、別のネットワーク102で発生し、TCP/IPを介してマルチキャストリピータ108に転送されたUDPマルチキャストリクエストパケット320を受信する際(ステップ502)の、マルチキャストリピータ108の動作を示している。前述のとおり、マルチキャストリピータ108がTCP/IPを介して他のマルチキャストリピータ108にリクエストパケット320を転送するとき、リクエストパケット320は、ラッパプロトコルに従って伝送の前にカプセル化される。従って、ステップ504において、マルチキャストリピータ108は、カプセル化されたデータを得るためにカプセル化されたリクエストパケット320を開ける。ステップ506において、マルチキャストリピータ108は、マルチキャストを介してネットワーク102にリクエストパケット320を送信する。
【0038】
図6は、別のマルチキャストリピータ108からUDPマルチキャスト応答パケットを受信する際(ステップ602)の、マルチキャストリピータ108の動作を示している。ステップ604において、マルチキャストリピータ108は、応答パケットからパケットID322を抽出する。(図示した実施例では、応答パケットの中に収納されるパケットID322は、対応する応答パケット320のためのパケットID322と同じである)。ステップ606において、マルチキャストリピータ108は、ステップ604で抽出されたパケットID322をそのIDキャッシュ218の中から検索する。パケットID322がIDキャッシュ218の中に格納されていない場合、これはマルチキャストリピータ108が応答パケットに対応するリクエストパケット320を転送しなかったことを意味する。従って、ステップ608において、マルチキャストリピータ108は、応答パケットを無視する。
【0039】
IDキャッシュ218の中にパケットID322がある場合、ステップ612において、マルチキャストリピータ108は、送信元ホスト104のネットワークアドレス324と送信側のアプリケーションに関連するポート326を特定する。これは、パケットID322を用いて、リピータ108のIDキャッシュ218の中からネットワークアドレス324とポート326を調べることを伴うことができる。ステップ614において、リピータ108は、UDPユニキャストアドレッシングを用いて送信側のアプリケーションに応答を送信する。
【0040】
リピータ108は、マルチキャストリクエストを転送するだけにするように構成できる。一部の実施例では、マルチキャストリクエストを転送するだけであるリピータ108は、リピータとして自らを公表しない。したがって、他のリピータによって見つかることはできない。これは、ブリッジがネットワーク102の間の一方向だけにセットアップされるのを可能にする。
【0041】
図7及び図8は、一実施例による異なるネットワーク702における様々のマルチキャストリピータ708の動作を示す一例を示している。図示した例では、2つのネットワーク702、すなわち、ネットワーク(A)702aとネットワーク(B)702bが配置されている。異なるネットワーク702は、マルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されていないネットワーク装置(図示せず)によって、互いに接続される。従って、従来の手法を使用して、ネットワーク702の1つで発生するマルチキャストリクエストを、他のネットワーク702のいずれかのホストに配送するのは、難しいかもしれない。
【0042】
この問題を解決するために、各ネットワーク702は、マルチキャストリピータ708を含む少なくとも1台のホスト704を含んでいる。ネットワーク(A)702aは、ホスト(A)704aとホスト(D)704dを含んでいる。ホスト(A)704aは、マルチキャストリピータ(A)708aを含んでいる。ホスト(D)704dは、マルチキャストリピータ(D)708dを含んでいる。ネットワーク(B)702bは、ホスト(B)704bとホスト(C)704cを含んでいる。ホスト(B)704bは、マルチキャストリピータ(B)708bを含んでいる。ホスト(C)704cは、マルチキャストリピータ(C)708cを含んでいる。TCP/IP接続は、ネットワーク(A)702a上のホスト(A)704aとネットワーク(B)702b上のホスト(B)704bとの間と、及びネットワーク(B)702b上のホスト(C)704cとネットワーク(A)702a上のホスト(D)704dとの間で確立される。
【0043】
図7に示されているように、送信元ホスト738上の送信側アプリケーション730は、ネットワーク(A)702a上のマルチキャストを介してUDPマルチキャストリクエストパケット720を送信する。マルチキャストリピータ(A)708aは、リクエストパケット720を受信する。リクエストパケット720を転送する前に、マルチキャストリピータ708aは、TCP/IPを介して伝送するためにリクエストパケット720の準備をする。特に、マルチキャストリピータ(A)708aは、リクエストパケット720のデータをカプセル化する。その結果、カプセル化されたリクエストパケット732を生成する。
【0044】
マルチキャストリピータ(A)708aは、その後、TCP/IPを介して、見つかった他のマルチキャストリピータ708にリクエストパケット720を転送する。図示した例では、マルチキャストリピータ(A)708aがマルチキャストリピータ(B)708bを見つけたものとする。従って、マルチキャストリピータ(A)708aは、TCP/IPを介して、マルチキャストリピータ(B)708bにカプセル化されたリクエストパケット732を転送する。
【0045】
マルチキャストリピータ(B)708bがカプセル化されたリクエストパケット732を受信するとき、カプセル化されたデータ、すなわち、リクエストパケット720自体を得るために、カプセル化されたリクエストパケット732を開ける。マルチキャストリピータ(B)708bは、その後、マルチキャストを介してネットワーク(B)702bにリクエストパケット720を送信する。
【0046】
マルチキャストリピータ(C)708cがリクエストパケット720を受信するとき、見つかった他のマルチキャストリピータ708にリクエストパケット720を転送する。図示した例では、マルチキャストリピータ(C)708cがマルチキャストリピータ(D)708dを見つけたものとする。従って、マルチキャストリピータ(C)708cは、TCP/IPを介して、マルチキャストリピータ(D)708dにカプセル化されたリクエストパケット732を転送する。
【0047】
マルチキャストリピータ(D)708dがカプセル化されたリクエストパケット732を受信するとき、カプセル化されたデータ、すなわち、リクエストパケット720自体を得るために、カプセル化されたリクエストパケット732を開ける。マルチキャストリピータ(D)708dは、その後、マルチキャストを介して、ネットワーク(A)702aにリクエストパケット720を送信する。マルチキャストリピータ(A)708aが再びリクエストパケット720を受信するとき、マルチキャストリピータ(A)708aは、既にそのリクエストパケット720を受信しているか否かを判断する。以上説明したとおり、リクエストパケット720からパケットID(図7では図示せず)を抽出し、パケットIDを保持するIDキャッシュ(図7では図示せず)からパケットIDを検索することで、これを成すことができる。マルチキャストリピータ(A)708aが既にリクエストパケット720を受信して転送したと判断した場合、マルチキャストリピータ(A)708aは単にリクエストパケット720を無視する。この方法では、ループは、非分解法で検出され、防がれる。すなわち、たとえループが検出されても、ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるための機構を続行することができる。
【0048】
図8は、ホスト(C)704c上のアプリケーション834がマルチキャストリクエスト720に応答するときの、異なるネットワークでのマルチキャストリピータ708の動作を示している。アプリケーション834は、ユニキャストを介してネットワーク(C)702cに応答パケット836を送信し、そして、マルチキャストリピータ(C)708cは、応答パケット836を受信する。マルチキャストリピータ(C)708cは、応答パケット836をラップして、カプセル化された応答パケット837を、TCP/IPを介して、ネットワーク(A)702a上のマルチキャストリピータ(A)708aに送信する。もしマルチキャストリピータ(C)708cへTCP/IPを介して接続された複数のマルチキャストリピータ708があれば、マルチキャストリピータ(C)708cは、どのマルチキャストリピータ708がリクエスト720を転送したかを判断できない場合に全てのマルチキャストリピータ708に応答836を返送することができる。もしマルチキャストリピータ708が、リクエスト720に対して転送されなかった応答836を受信したなら、その後、マルチキャストリピータ708は、応答836を無視して良い。
【0049】
マルチキャストリピータ(A)708aがカプセル化された応答パケット837を受信した場合、マルチキャストリピータ(A)708aは、カプセル化されたデータ(すなわち、応答パケット836自体)を得るためにカプセル化された応答パケット837を開封し、パケットIDをチェックする。もしパケットIDがマルチキャストリピータ(A)708aのキャッシュの中にない場合、応答パケット836は無視される。マルチキャストリピータ(A)708aは、送信元ホスト738のネットワークアドレスと送信側アプリケーション730に関連するポートを識別するために、キャッシュを有するパケットIDを用いる。マルチキャストリピータ(A)708aは、その後、UDPユニキャストアドレッシングを用いて応答パケット836を送信側アプリケーション730に送信する。
【0050】
本システム及び方法は、様々な場面に使用することができる。
【0051】
図9は本システム及び方法を実施することができるシステムの1つの実施例を示している。図9は、照明コントローラシステム908を含む照明システム900の1つの実施例を示すブロック図である。図9の照明システム900は、家庭内の種々の部屋に組み込むことができる。図示したように、システム900は、部屋(A)902、部屋(B)904、及び部屋(C)906を含んでいる。図9では3つの部屋が示されているが、システム900は、家庭、居住、又は他の環境の中で、どのような数及び種類の部屋でも導入できる。
【0052】
照明コントローラシステム908は、システム900内で、追加組込みシステム及び装置を監視し、制御できる。1つの実施例において、部屋(A)902と部屋(B)904は、それぞれスイッチ装置914、918を含んでいる。スイッチ装置914、918は、セカンダリ組込みシステム916、920もまた含むことができる。セカンダリ組込みシステム916、920は、照明コントローラシステム908からの指示を受信できる。セカンダリ組込みシステム916、920は、その後これらの指示を実行できる。その指示は、種々の照明装置910、912、922、924の電源を入れたり、電源を切ったりすることを含むことができる。その指示は、種々の照明装置910、912、922、924の明るさを薄暗くしたり、明るさを増強したりすることを含むことができる。その指示は、種々のパターンの照明装置910、912、922、924の明るさをアレンジすることを更に含むことができる。セカンダリ組込みシステム916、920は、部屋(A)902と部屋(B)904にある各照明装置910、912、922、924を監視して制御するために、照明コントローラシステム908を円滑にする。
【0053】
照明コントローラシステム908はまた、表現された部屋(C)906にセカンダリ組込みシステム928を含む照明装置926に直接指示を与えるかもしれない。照明コントローラシステム908は、個別の照明装置926をパワーアップ又はパワーダウンするために、セカンダリ組込みシステム928に指示することができる。同様に、照明コントローラシステム908から受信された指示は、個々の照明装置926の明るさを薄暗くしたり、明るさを増強したりすることを含むことができる。
【0054】
照明コントローラシステム908はまた、システム900内の個々の照明装置930及び932に対して、監視し、直接指示を与えることができる。これらの指示は、以前に説明したものと同様の指示を含むことができる。
【0055】
図10は、本発明の本システム及び方法を実施することができるシステムの追加実施例である。図10は、セキュリティシステム1000を示すブロック図である。描かれた実施例におけるセキュリティシステム1000は、部屋(A)1002、部屋(B)1004、部屋(C)1006で実施される。これらの部屋は、家庭又は他の閉じられた環境の範囲にあってもよい。システム1000はまた、部屋(A)1002、部屋(B)1004、及び部屋(C)1006がそれぞれ領域又は境界を表す、開かれた環境で実施することもできる。
【0056】
システム1000は、セキュリティコントローラシステム1008を含んでいる。セキュリティコントローラシステム1008は、システム1000内の種々の装置を監視し、情報を受信する。例えば、動作センサ1014、1018は、セカンダリ組込みシステム1016を含むことができる。動きがセカンダリ組込みシステム1016、1020を介して検出されるとき、動作センサ1014、1018は、動きのために即座に空間を監視し、セキュリティコントローラシステム1008に警告することができる。セキュリティコントローラシステム1008はまた、システム1000内の種々の装置にも指示を与えることができる。例えば、セキュリティコントローラシステム1008は、窓センサ1010、1022とドアセンサ1012、1024を、パワーアップ又はパワーダウンするために、セカンダリ組込みシステム1016、1020へ指示を供給できる。1つの実施例において、セカンダリ組込みシステム1016、1020は、窓センサ1010、1022が窓の動きを検出した場合に、セキュリティコントローラシステム1008に通知する。同様に、セカンダリ組込みシステム1016、1020は、ドアセンサ1012、1024がドアの動きを検出した場合に、セキュリティコントローラシステム1008に通知する。セカンダリ組込みシステム1016、1020は、動作センサ1014、1018内に設置されたLED(図示せず)を作動させるために、動作センサ1014、1018に対して指示できる。
【0057】
セキュリティコントローラシステム1008はまた、システム1000内の個々の装置を監視し、直接指示を与えることができる。例えば、セキュリティコントローラシステム1008は、動作センサ1030又は窓のセンサ1032を監視し、パワーアップ又はパワーダウンするための指示を与えることができる。セキュリティコントローラシステム1008はまた、センサ1030及び1032内でLED(図示せず)又はオーディオの警告通知を作動させるために、動作センサ1030と窓のセンサ1032に対して指示もできる
それぞれの個々の装置はまた、セカンダリ組込みシステムを含むことができるシステム1000を備える。例えば、図10はセカンダリ組込みシステム1028を含むドアセンサ1026を示している。セキュリティコントローラシステム1008は、以前説明したのと同じような方法で、セカンダリ組込みシステム1028を監視し、指示を与えることができる。
【0058】
図11は、ホームコントロールシステム1100の1つの実施例を示すブロック図である。ホームコントロールシステム1100は、照明システム900、セキュリティシステム1000などの種々のシステムのモニタリングを容易にするホームコントローラ1108を含んでいる。ホームコントロールシステム1100は、ユーザに、1つ以上の組込みシステムを通して、種々の装置とシステムを制御することを可能にしている。1つの実施例では、ホームコントローラシステム1108は、以前に図9及び図10に関連して説明したのと同じ方法で、情報を監視して提供する。描かれている実施例では、ホームコントローラ1108は、セカンダリ組込みシステム1120を介して暖房装置1124に指示を与える。暖房装置1124は、居住場所又はオフィスで通常備えられる暖炉又は他の加熱装置を含むことができる。ホームコントローラシステム1108は、セカンダリ組込みシステム1120を介して、暖房装置1124をパワーアップ又はパワーダウンするための指示を与えることができる。
【0059】
同様に、ホームコントローラ1108は、ホームコントロールシステム1100内の冷房装置1130などの装置を監視して、直接指示を与えることができる。冷房装置1130は、居住場所又はオフィスで通常備えられるエアコン又は他の冷却装置を含むことができる。セントラルホームコントローラ1108は、セントラル組込みシステム1108によってコントロールされた計測温度に応じてパワーアップ又はパワーダウンするように、冷房装置1130に指示できる。ホームコントローラシステム1100は、以前に図9及び図10に関連して説明したのと同じ方法で機能する。
【0060】
図12は、コンピュータシステム1201で通常使用される主要なハードウェア機器を示すブロック図である。図示された装置は、同じ物理構造又は別々の住居又は構築物内に配置することができる。
【0061】
コンピュータシステム1201は、プロセッサ1203とメモリ1205を含んでいる。プロセッサ1203は、コンピュータシステム1201の動作を制御して、当技術分野で既知のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)又はその他の機器として具体化されることができる。プロセッサ1203は、通常、メモリ1205内に格納されたプログラム命令に基づいて、論理及び算術演算を実行する。
【0062】
本明細書で用いられるように、タームメモリ1205は、電子的情報を格納できるどんな電子部品としても広く定義され、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶メディア、RAMのフラッシュメモリデバイス、プロセッサ1203に含まれるオンボードメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタなどとして、具体化されることができる、メモリ1205は、プログラム命令と他のタイプに関するデータを通常格納する。プログラム命令は、本明細書に開示された方法のいくつか又は全てを実施するために、プロセッサ1203によって実行されることができる。
【0063】
コンピュータシステム1201はまた、他の電子装置と通信するための1つ以上通信インターフェース1207も通常含んでいる。通信インターフェース1207は、ワイヤードな通信技術、無線通信技術、又は両方に基づくことができる。通信インターフェース1207の異種の実施例は、シリアルポート、パラレルポート、USB(Universal Serial Bus)、イーサネットアダプタ、IEEE1394バスインタフェイス、SCSI(Small Computer System Interface)バスインタフェイス、赤外線(IR:Infrared)のCOMポート、ブルートゥースのワイヤレスの通信アダプタなどを含んでいる。
【0064】
コンピュータシステム1201はまた、1つ以上入力装置1209と1つ以上出力装置1211も通常含んでいる。異種の入力装置1209の実施例は、キーボード、マウス、マイクロホン、リモートコントロール装置、ボタン、ジョイスティック、トラックボール、タッチパッド、ライトペンなどを含んでいる。異種の出力装置1211の実施例は、スピーカー、プリンタなどを含んでいる。コンピュータシステムに通常含まれている1つの特定のタイプの出力装置は、ディスプレイ装置1213である。本明細書に開示される実施例と共に使用されるディスプレイ装置1213は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light-Emitting Diode)、ガスプラズマ、エレクトロルミネセンスなどのように、どのような適合するイメージプロジェクション技術も利用できる。ディスプレイ制御装置1215はまた、メモリ1205に格納されたデータを、ディスプレイ装置1213の上に(適宜)表示されるテキスト、図形、及び/又は動画像に変換するために、配置できる。
【0065】
もちろん、図12はコンピュータシステム1201の1つの可能な構造だけを示している。他の種々のアーキテクチャと装置を利用できる。
【0066】
さまざまな異なった技術と手法のどれかを使用することで、情報と信号を表すことができる。データ、指示、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、例えば、電圧、電流、電磁波、磁場又は粒子、光波場又は粒子、又はそれのどのような組合せによって表すことができる上記の説明を通して参照できる。
【0067】
本明細書に開示された実施例に関して説明した、種々の図示した論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両方の組合せとして実施することができる。明確にハードウェアとソフトウェアのこの互換性を図示するために、種々の図示された装置、ブロック、モジュール、回路、及びステップは、一般的に上記の機能性に関して説明されている。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実施されるか否かは、システム全体に課された特殊用途と設計制約条件に依存する。当業者は、各特殊用途のための様々な方法における説明された機能性を実施することができるが、本発明の範囲からの逸脱しながら、そのような実施判断を解釈するべきでない。
【0068】
本明細書に開示された実施例に関して説明された図示した論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array signal)又は他のプログラマブル論理デバイス、離散的なゲート又はトランジスタロジック、離散的なハードウェア機器、又は本明細書に記載された機能を実行するように設計されたどのような組合せでも、実施又は実行できる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代替として、プロセッサは、どのような従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであっても良い。プロセッサ又は、コンピュータ機器の組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1つ以上マイクロプロセッサ、又はいかなる他のそのような形態の組合せとしても実施することができる。
【0069】
本明細書に開示された実施例に関して説明された方法又はアルゴリズムのステップは、直接的にハードウェアで、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、又は2つの組合せで、具体化されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、又は当技術分野で既知の記憶媒体のいかなる他の形式にも常駐できる。例示された記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み込んで、情報を書き込むことができるように、プロセッサと結合される。別の方法では、記憶媒体はプロセッサに不可欠であろう。プロセッサと記憶媒体は、ASICに常駐できる。ASICは、利用者端末に常駐できる。別の方法では、プロセッサと記憶媒体は、個別装置として利用者端末に常駐できる。
【0070】
本明細書に開示された方法は、説明された方法を遂行するために、1つ以上のステップ又は動作を具備する。方法ステップ及び/又は動作は、本発明の範囲から逸脱しないで、互いに交換できる。言い換えれば、実施例の適切な動作のために、ステップ又は動作に特定の順序を要しない限り、特定のステップ及び/又は動作の順序及び/又は行使は、本発明の範囲を逸脱しないで変更できる。
【0071】
本発明の特定の実施例とアプリケーションを図示して説明したが、本発明が本明細書に開示された正確な形態と装置に限定されないことを理解されるべきである。当分野の当業者にとって明白な種々の修正、変更、及びバリエーションは、本発明の趣旨と範囲から逸脱しないで、本明細書に開示した本発明のアレンジ、操作、及び方法やシステムの詳細を成しうることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】一実施例によるUDPマルチキャストトラフィックにネットワークブリッジを備えるためのシステムを示す。
【図2】一実施例によるマルチキャストリピータを具備するホストで提供できるソフトウェアコンポーネントと他のデータを示す。
【図3】一実施例によるUDPマルチキャストリクエストパケットを示す。
【図4】マルチキャストを介して別のホストからそのネットワークでUDPマルチキャストリクエストパケットを受信するときの、一実施例によるマルチキャストリピータの動作を示す。
【図5】別のネットワークで発生したUDPマルチキャストリクエストパケットを受信して、TCP/IPを介してマルチキャストリピータに転送された、一実施例によるマルチキャストリピータの動作を示す。
【図6】UDPマルチキャスト応答パケットを受信するときの、一実施例によるマルチキャストリピータの動作を示す。
【図7】一実施例による異なるネットワークの様々なマルチキャストリピータの動作例を示す。
【図8】一実施例による異なるネットワークの様々なマルチキャストリピータの動作例を示す。
【図9】本システム及び方法を実施することができる照明システムの一例を示す。
【図10】本システム及び方法を実施することができるセキュリティシステムの一例を示す。
【図11】本システム及び方法を実施することができるホームコントローラシステムの一例を示す。
【図12】コンピュータシステムで通常利用される主要なハードウェア機器を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のホストコンピュータシステム上でマルチキャストリピータによって実行される、UDPマルチキャストトラフィックにネットワークブリッジを備えるための方法であって、
見つかった1つ以上の他のマルチキャストリピータの情報を保持し、各マルチキャストリピータは、UDPマルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されない少なくとも1つのネットワーク装置によって、ホストを備えるネットワークから分離される別々のネットワークに配置され、
マルチキャストを介して、UDPマルチキャストリクエストパケットを受信する各回において、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していた場合、前記UDPマルチキャストリクエストパケットを無視し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、見つかった前記1つ以上の他のマルチキャストリピータに前記UDPマルチキャストリクエストパケットを送信する
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記UDPマルチキャストリクエストパケットは、見つかった前記1つ以上他のマルチキャストリピータに、TCP/IPを介して送信されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記UDPマルチキャストリクエストパケットを前記1つ以上の他のマルチキャストリピータに送信する前に、ラッパプロトコルに従って、前記UDPマルチキャストリクエストパケットのデータをカプセル化することを、更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
異なるネットワーク上の別のマルチキャストリピータから転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを受信するときはいつも、前記マルチキャストリピータのネットワーク上のマルチキャストを介して、前記転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを送信することを、更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットが受信されたとき、前記転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットのデータは、ラッパプロトコルに従ってカプセル化されており、
前記カプセル化されたデータを得るために、前記転送されたUDPマルチキャストリクエストパケットを開封することを、更に含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断するにおいて、更に、
前記UDPマルチキャストリクエストパケットからグローバルにユニークなパケットIDを抽出し、
IDキャッシュの中からパケットIDを検索する
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、前記パケットIDを前記IDキャッシュに記録することを、更に含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、前記UDPマルチキャストリクエストパケットが前記IDキャッシュに起因するネットワークアドレスとポートを記録することを、更に含むことを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
UDPサーバが受信するどのようなUDPマルチキャストパケットも受信するために、前記ホストコンピュータシステムに前記UDPサーバを登録することを、更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
UDPマルチキャスト応答パケットが受信されるときはいつも、対応するUDPマルチキャストリクエストパケットが前記ネットワークで発生したか否かを判断することを、更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記対応するUDPマルチキャストリクエストパケットが前記ネットワークで発生した場合、
前記対応するUDPマルチキャストリクエストパケットのために送信側アプリケーションを特定し、
前記UDPマルチキャスト応答パケットを前記送信側アプリケーションに送信する
ことを更に含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記UDPマルチキャスト応答パケットは、UDPユニキャストアドレッシングを用いて前記送信側アプリケーションに送信されることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記送信側アプリケーションを特定するにおいて、
前記UDPマルチキャスト応答パケットからグローバルにユニークなパケットIDを抽出し、
IDキャッシュ内の送信元ホストのネットワークアドレスと送信側アプリケーションのポートを調べるために前記パケットIDを使用する
ことを更に含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記マルチキャストリピータが以前に転送したどのようなUDPマルチキャストリクエストパケットにも対応しないどのような受信されたUDPマルチキャスト応答パケットも無視することを、更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワーク装置は、ルーターとファイアウォールから成るグループから選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるための方法を実行するために構成されるホストコンピュータシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサを有する電子通信におけるメモリと、
前記メモリに格納されたマルチキャストリピータとを備え、方法を実行するために実行可能である前記マルチキャストリピータは、
見つかった1つ以上の他のマルチキャストリピータの情報を保持し、各マルチキャストリピータは、UDPマルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されない少なくとも1つのネットワーク装置によって、ホストを備えるネットワークから分離される別々のネットワークに配置され、
マルチキャストを介して、UDPマルチキャストリクエストパケットを受信する各回において、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していた場合、前記UDPマルチキャストリクエストパケットを無視し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、見つかった前記1つ以上の他のマルチキャストリピータに前記UDPマルチキャストリクエストパケットを送信すること
を含むことを特徴とするホストコンピュータシステム。
【請求項17】
メモリに格納され、前記マルチキャストリピータを備えるサーバアプリケーションと、
前記ホストコンピュータシステム上でマルチキャストアドレスとポートをリッスンするために構成される、前記サーバアプリケーション内のUDPサーバと、
1つ以上の他のマルチキャストリピータにTCP/IP接続を確立するために構成される、サーバアプリケーション内のTCP/IP接続モジュールと
を更に備えることを特徴とする請求項16記載のホストコンピュータシステム。
【請求項18】
ネットワークブリッジをUDPマルチキャストトラフィックに備えるために方法を実行するために実行可能な指示を備えるコンピュータ読み込み可能な媒体であって、前記方法は、
見つかった1つ以上の他のマルチキャストリピータの情報を保持し、各マルチキャストリピータは、UDPマルチキャストアドレッシングをルーティングするために構成されない少なくとも1つのネットワーク装置によって、ホストを備えるネットワークから分離される別々のネットワークに配置され、
マルチキャストを介して、UDPマルチキャストリクエストパケットを受信する各回において、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送したか否かを判断し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していた場合、前記UDPマルチキャストリクエストパケットを無視し、
前記マルチキャストリピータが以前に前記UDPマルチキャストリクエストパケットを転送していない場合、見つかった前記1つ以上の他のマルチキャストリピータに前記UDPマルチキャストリクエストパケットを送信する
ことを含むことを特徴とするコンピュータ読み込み可能な媒体。

【公表番号】特表2008−511188(P2008−511188A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554375(P2006−554375)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【特許番号】特許第4029912号(P4029912)
【特許公報発行日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/JP2005/024218
【国際公開番号】WO2007/072577
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】