説明

ネットワークプロジェクタシステム

【課題】任意のネットワーク網を介して撮像素子を搭載した情報端末装置とプロジェクタを接続するネットワークプロジェクタシステムにおいて、情報端末装置から任意のネットワーク網に接続されたプロジェクタを検索し、複数台検出された場合、使用者がどのプロジェクタと接続したらよいか迷うといった従来の課題を解決し、情報端末装置から所望のプロジェクタに対し接続を容易に確立することを目的とする。
【解決手段】プロジェクタ2からスクリーン4に対し2次元コードのような接続情報5を投射し、携帯電話に代表される情報端末装置1は、撮像素子11で接続情報5を撮像し、撮像した接続情報5を解析することにより、プロジェクタ2との接続を確立する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話に代表される情報端末装置を、任意のネットワーク網を介して簡単な操作でネットワーク機能を搭載したプロジェクタに接続するネットワークプロジェクタシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、RGBケーブルを使用せずに、ネットワーク網(特に無線LAN)を介してパソコン上に表示された画像をネットワーク機能搭載のプロジェクタに転送し投射するネットワークプロジェクタシステムが急速に広まっている。
【0003】
一方、技術革新が急激に進んでいる携帯電話に至っては、表示パネルの高解像度化や撮像素子搭載は勿論のこと、無線LAN機能や規格化されたQRコード(登録商標)に代表される2次元コードの解読機能が搭載された機種が普及している。
【0004】
このような携帯電話の機能進化により、携帯電話の表示画像をプロジェクタに投射したいという要望が高まっている。
【0005】
以下に従来のネットワークプロジェクタシステムについて説明する。
【0006】
従来、情報端末装置を任意のネットワーク網を介して接続可能とするネットワークプロジェクタシステムは、情報端末装置から任意のネットワーク網に接続されたネットワーク機能を有したプロジェクタを検索し、複数台検出された場合は、その検出されたプロジェクタの一覧から所望のプロジェクタを選択し、接続を行うという手段が一般的であった。
【0007】
また、プロジェクタに任意の接続情報を持たせることにより、情報端末装置との接続操作を容易に行える方法として、特許文献1に記載されたものが知られている。そのシステムの構成図を図6に示す。
【0008】
図6において、100は無線LAN機能搭載の携帯電話に代表される情報端末装置、200はネットワーク機能搭載のプロジェクタ、300は任意のネットワーク網、400はプロジェクタ200から拡大投射された画像を投影するスクリーン、500はスクリーン400上に貼り付けられ、プロジェクタ200とネットワーク接続を確立するための情報が記載された2次元コードなどの接続情報である。
【0009】
以上のように構成された従来のネットワークプロジェクタシステムについて説明する。
【0010】
情報端末装置100の使用者は、所望のプロジェクタ200に対し任意のネットワーク網300を介して接続を確立するために、情報端末装置100を接続情報500の近くに持っていき、その情報を情報端末装置100が有する任意の手段で読み取ることにより接続方法を認識し、情報端末装置100とプロジェクタ200との接続を確立する。
【特許文献1】国際公開第03/015451号パンフレット(頁番号「24頁から25頁」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら上記の従来の構成では、プロジェクタの接続情報は予め設定されたものでなければならず、また、複数台のプロジェクタが検出された場合、使用者がどのプロジェクタと接続したらよいか迷う、あるいは誤接続を行うという課題を有していた。
【0012】
また、特許文献1の方法では、接続情報はスクリーンの中で投射画像の邪魔にならない位置に貼り付ける必要があり、サイズを大きくするには限界があった。
【0013】
このため、情報端末装置をプロジェクタに接続するために、わざわざ情報端末装置の使用者はスクリーンの側まで寄っていき、接続情報を読み取らねばならないという課題を有していた。
【0014】
例えば、複数の参加者が出席している会議において、急遽、プレゼンテーション資料をプロジェクタから投射しなくてはならなくなった発表者は、わざわざ席を立って、一旦、スクリーン側の接続情報を読み取りにいかねばならず、スムーズな議事進行の妨げになっていた。
【0015】
また、スクリーンに接続情報を貼付している場合、悪意を持った人がその接続情報を予め読み取ることで、該プロジェクタに対して無線ネットワークの使用により、遠隔地から不適切な画像データを該プロジェクタに送信され投射されるといったいたずらが容易にされるという問題を有していた。
【0016】
更に、ネットワーク網として無線LANを使用している場合、複数台の無線プロジェクタや無線対応機器が同一無線ネットワーク網に存在している場合、通常、無線の通信品質を保つために無線のチャンネル変更等の策を講じるが、従来の構成では、スクリーンに貼付された固定の接続情報により無線接続を行っているため、無線のチャンネル変更が容易にできないという課題も有する。
【0017】
勿論、無線プロジェクタの無線チャンネルやSSIDなどの無線ネットワーク接続情報を変更する度にスクリーンに貼り付けられた接続情報を貼り替える事で前記課題は解決されるが、作業が繁雑であり、メンテナンス費用がかかるといった新たな課題が生じるため、実使用上、困難である。
【0018】
更に、上記の従来の構成では、プロジェクタが固定されず都度設置の場合、プロジェクタが保有している接続情報とスクリーンに貼り付けられている接続情報とを常時一致させることは非常に困難である。
【0019】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、プロジェクタとの接続情報をプロジェクタ自身から投射することにより、セキュリティを確保した上で、情報端末装置との接続を簡単に確立するネットワークプロジェクタシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の請求項1に記載の発明は、情報端末装置と、前記情報端末装置と任意のネットワーク網を介して接続可能とするネットワーク機能を搭載したプロジェクタとから構成されるネットワークプロジェクタシステムにおいて、
前記情報端末装置は、
撮像素子と、前記撮像素子により撮像された画像を任意のフォーマットに変換する撮像手段と、前記撮像手段により変換された画像データの内容を解析する情報解析手段と、前記情報解析手段により解析された結果を基に、前記プロジェクタに対してネットワーク接続を行うための接続情報を設定する接続設定手段と、前記接続設定手段により設定された情報を基に前記プロジェクタとの接続を前記任意のネットワーク網を介して確立する第一の通信手段と、前記撮像手段に対して撮像命令を出すと共に前記接続設定手段及び前記第一の通信手段に対し制御を行う第一の制御手段とから構成され、
前記プロジェクタは、
前記任意のネットワーク網を介して前記情報端末装置との接続を確立する第二の通信手段と、前記第二の通信手段が接続を確立するために必要とする接続情報を発生する接続情報発生手段と、前記接続情報発生手段により出力された接続情報を投射する表示手段と、任意の外部から入力された外部制御信号に従って前記接続情報発生手段を制御すると共に、前記第二の通信手段を制御する第二の制御手段とから構成され、
前記情報端末装置は、前記プロジェクタから前記スクリーン上に投射された接続情報を前記撮像手段により撮像し、その撮像された接続情報を解析することにより、前記プロジェクタと任意のネットワーク網を介して接続可能とすることを特徴とするネットワークプロジェクタシステムとしたものであり、情報端末装置の使用者は、プロジェクタからスクリーン上に投射された接続情報を情報端末装置で撮像するのみで簡単に所望のプロジェクタとの接続を確立可能とする作用を有する。
【0021】
請求項2に記載の発明は、前記接続情報発生手段は、前記プロジェクタの電源が投入される毎に前記接続情報の内容を変更することを特徴とする請求項1記載のネットワークプロジェクタシステムとしたものであり、前記接続情報が常時固定されない事によりセキュリティの向上を図る作用を有する。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記接続情報発生手段は、一定時間毎に前記接続情報を変更すると共に前記接続情報が変更する一定時間前から前記表示手段に対し前記接続情報を変更する旨のメッセージを出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワークプロジェクタシステムとしたものであり、前記接続情報が常時固定されない事によりセキュリティの向上を図る作用を有する。
【0023】
請求項4に記載の発明は、前記接続情報発生手段は、前記第二の制御手段より制御された情報により、前記任意のネットワーク網に接続された複数の情報端末装置の画像データを同時に前記スクリーン上に投射させるモードに設定された場合、前記各情報端末装置の画像データを投射する領域毎に異なる接続情報を発生することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステムとしたものであり、複数台の機器をプロジェクタに任意のネットワーク網を介して接続し、各機器の画像データを同時にスクリーン上に投射するアプリケーションを使用する際において、使用者は迷うことなくスクリーン上の所望の投射領域に画像データを投射可能とする作用を有する。
【0024】
請求項5に記載の発明は、前記情報端末装置は、前記情報解析手段により解析された接続情報を格納する設定保存手段を更に有し、前記第一の制御手段から過去に接続した実績のあるプロジェクタと前記任意のネットワーク網を介して接続する際に前記接続設定手段を制御し、前記設定保存手段に格納された接続情報を再度前記接続設定手段に転送することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステムとしたものであり、過去に接続を確立した実績のあるプロジェクタに対して再度接続を行う場合、短時間で所望のプロジェクタとの接続を確立する作用を有する。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明は、プロジェクタから投射される接続情報を情報端末装置により撮像することで、容易に所望のプロジェクタと任意のネットワーク網を介して接続可能とする優れた効果が得られる。
【0026】
また、プロジェクタとの接続確立を図るための接続情報は、該プロジェクタの稼働時にしか表示されないため、従来の構成に比べセキュリティの向上が図れると共に、その接続情報を定期的に変更する手段を備えることにより、セキュリティの向上が更に図れるという優れた効果が得られる。
【0027】
また、プロジェクタから自動的に接続情報をスクリーン上に投射させることで、プロジェクタの管理者は、定期的にプロジェクタの接続情報を変更する手間も省け、メンテナンス費用が安くなるという効果も得られる。
【0028】
また、所望のプロジェクタから投射された接続情報を撮像することにより、情報端末装置の使用者は、迷うことなく確実に所望のプロジェクタに対してネットワーク接続の確立が行えるという優れた効果が得られる。
【0029】
また、プロジェクタに複数台の機器が任意のネットワーク網を介して接続され、各機器における表示画像データをプロジェクタからスクリーン上に同時に投射するアプリケーションにおいて、各機器を保有している使用者は、スクリーン上の所望の投射領域に表示画像データを迷うことなく投射可能とする優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図5を用いて説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるネットワークプロジェクタシステムの構成図である。
【0032】
図1において、1は、携帯電話に代表される情報端末装置、2は、ネットワーク機能を有するプロジェクタ、3は、情報端末装置1とプロジェクタ2を接続する任意のネットワーク網、4は、プロジェクタ2から拡大投射された映像を投射するスクリーンである。
【0033】
また、11は、情報端末装置1に内蔵された撮像素子、5は、プロジェクタ2からスクリーン4上に投射された任意のネットワーク網3を介してプロジェクタ2と接続するための2次元コードなどの接続情報である。
【0034】
図2は、情報端末装置1及びプロジェクタ2の内部構成図である。図2において、情報端末装置1は、撮像素子11、撮像素子11を介して対象物を撮像しその撮像されたデータを任意のフォーマットに変換する撮像手段12、撮像手段12から出力されたデータを解析する情報解析手段14、情報解析手段14により解析されたデータを基に、プロジェクタ2と任意のネットワーク網3を介して接続を確立するための接続設定を行う接続設定手段15、接続設定手段15により設定された接続情報を基に、プロジェクタ2との接続を確立する通信手段16、撮像手段12及び接続設定手段15及び通信手段16に対して制御を行う制御手段13から構成される。
【0035】
プロジェクタ2は、情報端末装置1と任意のネットワーク網3を介して接続を確立する通信手段21、通信手段21が接続を確立するために必要とする接続情報を発生する接続情報発生手段22、接続情報発生手段22により出力された接続情報をスクリーン4に対して拡大投射する表示手段23、外部から入力された外部制御信号25に従って接続情報発生手段22を制御すると共に通信手段21を制御する制御手段24から構成される。
【0036】
以上のように構成されたネットワークプロジェクタシステムについて、図3のフローチャートを用いてその動作を以下に説明する。
【0037】
まず、情報端末装置1とプロジェクタ2を任意のネットワーク網3を介して接続するために、使用者は、プロジェクタ2用のリモートコントローラに代表される制御機器(図示せず)から接続情報表示命令となる外部制御信号25をプロジェクタ2に対して実行する(ステップS1)。
【0038】
ステップS1により送信された外部制御信号25を受信した制御手段24は、接続情報発生手段22に対して接続情報を生成するように制御を行う。
【0039】
ここで、接続情報とは、任意のネットワーク網3を介してプロジェクタ2と接続するために必要となる情報を指し、IPアドレスやサブネットマスクといったアドレス情報や、プロジェクタ2の機種名や、無線チャンネル情報や、SSIDなどの識別情報を含む。また、WEPキーなどの暗号化情報を含むことも可能である。
【0040】
これらの接続情報は、予めプロジェクタ2に登録されている情報をそのまま反映しても良いし、識別情報などはネットワーク機器毎にユニークな番号が割り振られているMACアドレス情報から自動的に生成させても良い。
【0041】
これらの接続情報をQRコードに代表される2次元コードに変換した接続情報発生手段22は、その変換した2次元コードを表示手段23に出力する。
【0042】
2次元コードを用いた場合、数千文字の情報を格納することが可能となり、これらの接続情報を一つの画像情報に変換することが容易に可能である。
【0043】
勿論、2次元コードではなく、1次元のバーコードを使用しても同様の効果を得るが、1つのバーコードでは20文字程度の情報しか体現できないため、複数個のバーコードを同時に或いは順次表示を行わねばならない。
【0044】
表示手段23はこのようにして入力された2次元コードに変換された接続情報5をスクリーン4に対して拡大投射する(ステップS2)。
【0045】
プロジェクタ2に接続するための接続情報を2次元コードで体現することにより、スクリーン4上に投射された接続情報5を見ても第三者には容易に解読できないため、プロジェクタ2に対するいたずら防止が可能となる。
【0046】
例えば、プロジェクタ2の通信手段としてIEEE802.11g規格に代表される無線LANモジュールを搭載した場合、プロジェクタ2に対する接続情報を入手した悪意を持った第三者は、無線LANが使用できる遠隔地から該プロジェクタ2を自由に操作可能となり、セキュリティ上、非常に問題となるが、本実施の形態により上記課題を容易に解決可能となる。
【0047】
悪意を持った第三者が無線LANの使用範囲内である遠隔地より接続情報5を撮像した場合、従来の構成と同様の課題が生じるように思えるが、接続情報5を撮像した情報端末装置1の情報解析手段14で正常に解析を行うためには、ある程度スクリーン4に近づく必要があるため、容易にいたずら防止が可能となる。
【0048】
また、本実施の形態では、WEPキーなどの暗号化情報も2次元コードに含めてスクリーン4上に投射可能とする例を示したが、QRコードのような2次元コードの解読方法は公知であるため、時間をかければ解読される危険性がある。
【0049】
そこで、このような危険性を回避するために、WEPキーなどの暗号化情報は2次元コードには含めず、SSID毎に暗号化情報を予め決めておき、情報解析手段14がSSIDを解読した時点で自動的にWEPキーを生成する手段を情報端末装置1が備えることにより、WEPキーの漏洩といった課題を解決可能となる。
【0050】
このようにしてスクリーン4上に投射された接続情報5に対し、情報端末装置1の使用者は、その接続情報5を撮像するために、任意のアプリケーションソフトを起動させ、撮像素子11を介して撮像手段12に所望の接続情報5を取得する(ステップS3)。
【0051】
一般的な携帯電話には2次元コードを読込むためのアプリケーションソフトが予め備わっているため、そのアプリケーションソフトを使用して2次元コードの読込みを行っても良いが、この場合、読込みを行い、解析された結果を使用者が該情報端末装置1に再度設定する必要がある。
【0052】
そこで、情報端末装置1に予めプロジェクタ2とネットワーク接続させるアプリケーションソフトをインストールしておき、そのアプリケーションソフトが起動している間に撮像された2次元コードを自動的に該情報端末装置1のネットワーク設定に反映させる手段を備えることにより、使用者は2次元コードの撮像をするのみで自動的にネットワーク設定が行えるという効果を得る。
【0053】
ステップS3により撮像された接続情報5は、撮像手段12から情報解析手段14へ出力され、情報解析手段14にて解析される(ステップS4)。
【0054】
情報解析手段14はステップS3により撮像された接続情報を一定の文字列に変換し、ステップS2においてプロジェクタ2が接続情報5に格納した全情報を抽出する。
【0055】
ステップS4により解析された結果は接続設定手段15に転送され、通信手段16に対する接続情報が生成される(ステップS5)。
【0056】
ステップS5において、接続設定手段15は、情報解析手段14により解析された結果を基に、情報端末装置1内のIPアドレスや無線チャンネルやSSIDなどのネットワーク接続に関する設定を行う。
【0057】
また、WEPキーなどの暗号化情報に関してはSSID情報から自動的に参照されるデータテーブルから設定を行っても良い。
【0058】
ステップS5によりネットワーク接続に関する設定がなされた通信手段16は、任意のネットワーク網3を介して所望のプロジェクタ2との接続が確立される(ステップS6)。
【0059】
このように、任意のネットワーク網3を介して所望のプロジェクタ2との接続が確立された情報端末装置1の使用者は、情報端末装置1の表示画像データをプロジェクタ2へネットワーク網3を介して転送することにより、情報端末装置1を使用したプレゼンテーションが容易に行える。
【0060】
また、接続情報発生手段22は、接続情報をプロジェクタ2の電源起動、或いはスタンバイ電源からの起動毎に変更する手段を更に備えることにより、より一層セキュリティを高めることが可能となる。
【0061】
接続情報の変更は、インフラストラクチャで任意のネットワーク網に接続している状態で行うと、プロジェクタ2自体がそのネットワーク網から切断されるという問題点が生じるため、制御手段24が、プロジェクタ2が接続されるネットワークの状態を検出し、他の機器との接続が既に確立している場合やインフラストラクチャで接続情報が構築されている時は接続情報の変更を行わないといった手段を有することにより、上記問題点を容易に解決可能となる。
【0062】
更に、接続情報発生手段22が一定時間毎に接続情報の内容を変更する手段を備えることにより、セキュリティ効果を高めることが可能となる。
【0063】
勿論、情報端末装置1と接続が確立した後に接続情報を更新した場合、現在確立されている接続が切断されてしまうため、接続状態を制御手段24が常時検出を行い、接続が確立している場合は接続情報の内容更新を行わない手段を備える必要がある。
【0064】
また、接続情報の内容を更新する間隔が短すぎた場合、ステップS3とステップS5の間にプロジェクタ2側の接続情報が更新される可能性が発生し、情報端末装置1の使用者は、情報端末装置1に設定された接続情報とプロジェクタ2が保有している接続情報の相違により、いつまで経っても所望のプロジェクタ2との接続確立が行えないという課題が生じる。
【0065】
そこで、表示手段23は、接続情報が更新されるまでの時間をカウントダウンでプロジェクタ2に投射して使用者に通知したり、接続情報が更新される数十秒前には接続情報5の表示をスクリーン4上に行わないなどの手段を備えることにより、情報端末装置1の使用者が撮像した接続情報が更新されて所望のプロジェクタ2との接続確立が行えないという不具合を容易に解決することが可能となる。
【0066】
本実施の形態では、接続情報の更新タイミングを表示手段23による視覚データとして使用者に通知する手段を挙げたが、勿論、プロジェクタ2に内蔵された音声データで通知しても同様の効果を得る。
【0067】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるネットワークプロジェクタシステムの情報端末装置1及びプロジェクタ2の内部構成図である。図4において実施の形態1の図2と異なるところは、情報解析手段14で解析された接続情報を格納する設定保存手段17を設けた点である。
【0068】
設定保存手段17を備えることにより、一度、所望のプロジェクタ2と接続した情報端末装置1は2回目以降の接続については、実施の形態1の図3におけるステップS3及びステップS4の手順を踏まずに、接続設定手段15が設定保存手段17から前回接続を行った接続情報を読み出すことにより、迅速に所望のプロジェクタ2と接続を確立することが可能となる。
【0069】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3におけるネットワークプロジェクタシステムの構成図である。図5において、51から54は、プロジェクタ2からスクリーン4に投射された各々異なる接続情報である。尚、前述した実施の形態1と同じ構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0070】
ネットワーク機能を有するプロジェクタの使い方として、任意のネットワーク網を介して接続された複数の画像装置の表示画面を1台のプロジェクタから同時に投射する機能がある(例えば、特開2004−54783号公報)。
【0071】
プロジェクタ2に対して、リモコンなどの制御機器から送信される外部制御信号25により、前述の機能で使用する旨の制御信号を受信した制御手段24は、接続情報発生手段22に対し、複数の接続情報を発生するように制御する。
【0072】
この制御信号を受信した接続情報発生手段22は、投射領域毎に異なる接続情報51から54を表示手段23を介してスクリーン4に投射を行う。
【0073】
このように、情報端末装置1の使用者は、所望の投射領域に投射された接続情報を撮像することにより、情報端末装置1上の画像データを所望の投射領域に表示可能となる。
【0074】
例えば、図5において、接続情報51を撮像した情報端末装置は、スクリーン4の左上に画像データが投射され、接続情報54を撮像した情報端末装置は、スクリーン4の右下に画像データが投射可能となる。
【0075】
図5において、情報端末装置とプロジェクタ2との接続が確立された投射領域の接続情報をスクリーン4上から消去することにより、後からネットワーク網3に参加する使用者は、どの投射領域から画像データ表示可能か一目瞭然となり、より簡単に複数台接続が可能となる。
【0076】
本実施の形態においては、スクリーン4上の投射領域を4面としたが、例えば2面や16面などに拡張しても同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0077】
以上のように本実施の形態によれば、複数台の情報端末装置の表示画面を同時にスクリーンに投射するアプリケーションを使用する場合、表示可能な領域毎に接続情報をプロジェクタから投射したものを対応する情報端末装置で撮像することで、使用者は容易に所望の投射領域に各情報端末装置上の画像データを表示することが可能となる。
【0078】
以上のように本発明によれば、撮像機能を備えた情報端末装置とネットワーク機能を備えたプロジェクタとの接続を簡単に行うことが可能となる。
【0079】
また、接続情報が拡大投射されるため、使用者がそばに近づかなくても容易に読み取ることができる。
【0080】
また、接続後の接続情報はすぐに消去されるため、投射画像の邪魔になることはない。
【0081】
また、従来のネットワークプロジェクタシステムにおいて、情報端末装置側で所望のプロジェクタの検出を行う場合があるが、同一のSSIDを保有したプロジェクタが複数台存在している場合、どのプロジェクタに接続すべきか使用者が迷うという課題を有していたが、本実施の形態により、確実に所望のプロジェクタとの接続を使用者が迷うことなく行えるという効果が得られる。
【0082】
更に、接続情報を定期的に更新する機能を備えることにより、悪意を持った第三者によるいたずらを防止することが容易に可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明にかかるネットワークプロジェクタシステムは、任意のネットワーク網を介して接続された携帯電話に代表される情報端末装置上の画像データをプロジェクタから投射する場合において、プロジェクタから2次元コード等の接続情報を投射し、投射された接続情報を情報端末装置が備える撮像機能を利用して撮像することにより、使用者は容易に所望のプロジェクタに接続可能となる優れた効果を有し、今後ますます普及が加速している携帯電話とネットワークプロジェクタを使用したシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態1におけるネットワークプロジェクタシステムの構成図
【図2】同実施の形態1におけるネットワークプロジェクタシステムの情報端末装置及びプロジェクタの内部構成図
【図3】同実施の形態1におけるネットワークプロジェクタシステムの動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態2におけるネットワークプロジェクタシステムの情報端末装置及びプロジェクタの内部構成図
【図5】本発明の実施の形態3におけるネットワークプロジェクタシステムの構成図
【図6】従来のネットワークプロジェクタシステムの構成図
【符号の説明】
【0085】
1 情報端末装置
2 プロジェクタ
3 任意のネットワーク網
4 スクリーン
5、51、52、53、54 接続情報
11 撮像素子
12 撮像手段
13、24 制御手段
14 情報解析手段
15 接続設定手段
16、21 通信手段
17 設定保存手段
22 接続情報発生手段
23 表示手段
25 外部制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末装置と、前記情報端末装置と任意のネットワーク網を介して接続可能とするネットワーク機能を搭載したプロジェクタとから構成されるネットワークプロジェクタシステムにおいて、
前記情報端末装置は、
撮像素子と、前記撮像素子により撮像された画像を任意のフォーマットに変換する撮像手段と、前記撮像手段により変換された画像データの内容を解析する情報解析手段と、前記情報解析手段により解析された結果を基に、前記プロジェクタに対してネットワーク接続を行うための接続情報を設定する接続設定手段と、前記接続設定手段により設定された情報を基に前記プロジェクタとの接続を前記任意のネットワーク網を介して確立する第一の通信手段と、前記撮像手段に対して撮像命令を出すと共に前記接続設定手段及び前記第一の通信手段に対し制御を行う第一の制御手段とから構成され、
前記プロジェクタは、
前記任意のネットワーク網を介して前記情報端末装置との接続を確立する第二の通信手段と、前記第二の通信手段が接続を確立するために必要とする接続情報を発生する接続情報発生手段と、前記接続情報発生手段により出力された接続情報を投射する表示手段と、任意の外部から入力された外部制御信号に従って前記接続情報発生手段を制御すると共に、前記第二の通信手段を制御する第二の制御手段とから構成され、
前記情報端末装置は、前記プロジェクタから前記スクリーン上に投射された接続情報を前記撮像手段により撮像し、その撮像された接続情報を解析することにより、前記プロジェクタと任意のネットワーク網を介して接続可能とすることを特徴とするネットワークプロジェクタシステム。
【請求項2】
前記接続情報発生手段は、前記プロジェクタの電源が投入される毎に前記接続情報の内容を変更することを特徴とする請求項1記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項3】
前記接続情報発生手段は、一定時間毎に前記接続情報を変更すると共に、前記接続情報が変更する一定時間前から前記表示手段に対し前記接続情報を変更する旨のメッセージを出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項4】
前記接続情報発生手段は、他の機器との接続が既に確立している場合やインフラストラクチャで接続情報が構築されている時は接続情報の変更を行わないことを特徴とする請求項2に記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項5】
前記接続情報発生手段は、前記第二の制御手段より制御された情報により、前記任意のネットワーク網に接続された複数の情報端末装置の画像データを同時に前記スクリーン上に投射させるモードに設定された場合、前記各情報端末装置の画像データを投射する領域毎に異なる接続情報を発生することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項6】
前記情報端末装置は、前記情報解析手段により解析された接続情報を格納する設定保存手段を更に有し、前記第一の制御手段から過去に接続した実績のあるプロジェクタと前記任意のネットワーク網を介して接続する際に、前記接続設定手段を制御し、前記設定保存手段に格納された接続情報を再度前記接続設定手段に転送することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項7】
前記接続情報として2次元コードを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステム。
【請求項8】
前記情報端末装置は、携帯電話であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のネットワークプロジェクタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−267578(P2009−267578A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112342(P2008−112342)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】