説明

ネットワーク中継装置、コンテンツ再生装置、ネットワーク中継方法、コンテンツ再生システム、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】映像ストリームを受信してから、コンテンツを再生するまでに要する時間を短くする。
【解決手段】ネットワーク中継装置103aは、上記受信したストリームから、各コンテンツを識別する番組識別情報を取得する番組識別情報取得部14と、取得した番組識別情報からストリームに含まれる映像または音声を伝送するパケットを識別するPIDを取得するPID情報取得部15と、取得したPIDをコンテンツ再生装置に送信するPID情報送信部19とを備える。これにより、ネットワーク中継装置103aからPIDを受信するコンテンツ再生装置は、受信したPIDを用いてストリームをデコードすることができるため、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツに含まれる複数の映像および音声が複数のパケットに分割され、該パケットが多重化されて伝送されるストリームを受信し、コンテンツを再生する装置に中継するネットワーク中継装置、該中継されたストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生するコンテンツ再生装置、ネットワーク中継方法、コンテンツ再生システム、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のxDSL(Digital Subscriber Line)や光ファイバー技術を用いた通信速度の高速化、および、圧縮符号化技術の進歩に伴い、インターネットのようなIP(Internet Protocol)ネットワークを用いて映像や音声を配信するサービスが盛んに提供されるようになってきている。このような映像配信サービスにおける映像や音声の配信先は、PC(Personal Computer)であることが多かった。しかしながら、近年、テレビ等のAV機器のデジタル化およびネットワーク化に伴い、映像や音声の配信先として、PC以外のAV機器を対象とするサービスが始まっている。
【0003】
上述したようなインターネットを用いた映像配信サービスでは、衛星/地上波デジタル放送と同様に、映像および音声はデジタルデータとして配信される。そして、衛星/地上波デジタル放送において、圧縮符号化方式としてMPEG2(Moving Picture Experts Group2)、映像や音声のストリームの伝送方式としてMPEG2−TS(MPEG2 - Transport Stream)が採用されていることから、インターネットを用いた映像配信サービスにおいても、伝送データフォーマットとして、MPEG2−TSが用いられることが一般的である。
【0004】
(MPEG2−TS)
以下で、MPEG2−TSを用いた伝送方法について説明する。MPEG2−TSを用いた伝送方法では、1つのトランスポートストリームの中に複数の映像、音声、文字データなどを多重化して伝送することが可能である。例えば、2つの異なるコンテンツを1つの映像ストリームとして伝送する場合を例に挙げて説明する。それぞれのコンテンツは、映像に加えて、日本語による音声と英語による音声との2つの音声を含むものとする。この場合、2つの映像および4つの音声が多重化された状態で、1つのトランスポートストリームに含まれて伝送されることとなる。
【0005】
次に、図14を参照しながら、トランスポートストリームを構成するトランスポートパケット(以下、TSパケットと称する)について説明する。図14は、TSパケットのデータ構造を模式的に示す図である。図14に示すように、TSパケットは188バイトの固定長パケットであり、4バイト固定長のヘッダ部と、0バイトから184バイトの間で可変長のアダプテーション部と、0バイトから184バイトの間で可変長のペイロード部とから構成される。
【0006】
パケット部には、TSパケットの識別情報であるパケット識別子(PID(Packet Identifier))や各種のフラグが設定される。同一の映像、または、同一の音声を伝送するTSパケットにはそれぞれ同じPIDがヘッダ部に設定される。したがって、このPIDを参照することにより、TSパケットの種類を識別することができる。なお、映像データや音声データだけでなく、文字情報や制御情報のTSパケットにもそれぞれ異なるPIDが割り当てられる。
【0007】
次に、図15(a)〜(d)を参照しながら、伝送する映像データおよび音声データをトランスポートストリームに多重化する様子について説明する。図15(a)〜(d)は、伝送する映像データおよび音声データをトランスポートストリームに多重化する様子を模式的に示す図である。
【0008】
図15(a)に示す、映像データ501および音声データ502をトランスポートストリームに多重化する場合、まず、図15(b)に示すように、それぞれをTSパケット単位に分割する。すなわち、TSパケットのペイロード部に格納できるように、184バイト以下に分割する(m1〜m12、および、a1〜a4)。次に、図15(c)に示すように、分割後のデータに対して、ヘッダ部およびアダプテーション部511〜526を付加する。このとき、各ヘッダ部には、映像データ501および音声データ502を識別するPIDが割り当てられる。そして、最後に、図15(d)に示すように、各TSパケットを集めて1つのトランスポートストリームとして伝送する。
【0009】
次に、上述したトランスポートストリームを受信する受信装置が、該トランスポートストリームから映像データおよび音声データを取り出す方法について説明する。
【0010】
受信装置はトランスポートストリームを受信すると、まず、PIDの値が「0」のTSパケットを検出する。ここで、PIDの値が「0」のTSパケットは、番組管理情報(以下、PAT(Program Association Table)という)と称される。
【0011】
PATには、番組対応テーブル(以下、PMT(Program Mapped Table)という)と称される番組を構成している映像や音声を管理する情報を格納した、TSパケットのPIDの一覧が設定されている。すなわち、PATは、ストリーム中にどのようなコンテンツが含まれているかを管理している。
【0012】
また、PMTは、対応するコンテンツに含まれる映像、音声、文字データなどのPIDを記述するためのTSパケットであり、コンテンツ毎に割り当てられる。
【0013】
例えば、2つの異なるコンテンツを1つのトランスポートストリームとして伝送しており、各コンテンツは、映像に加えて、日本語による音声と英語による音声との2つの音声を含むものとする。この場合、PMTには、映像コンテンツに含まれる1つの映像および2つの音声を格納するTSパケットのPIDが含まれる。そして、PATには、2つのPMTに対応するPIDが格納される。なお、PMTには、暗号化されたデータを復号するために必要なECM(Entitlement Control Message)を格納するTSパケットのPIDなどを含んでもよい。
【0014】
そして、PMTを基に、映像や音声などを格納するTSパケットのPIDを得ることができれば、得られたPIDが付加されたTSパケットを集めることにより、元のコンテンツを再生することができる。つまり、PATおよびPMTを参照することにより、トランスポートストリームの中から所望のコンテンツを構成するTSパケットを取り出すことができる。
【0015】
すなわち、受信装置は、特定のコンテンツの再生を行うためには、まず、PIDの値が「0」であるPATを抽出する。次に、PATに格納されているPMTのPIDを抽出する。次に、該PIDを有するPMTから映像および音声を格納するTSパケットのPIDを抽出する。そして、該PIDに基づいて映像および音声をデコードする。
【0016】
ここで、コンテンツの暗号化が行われている場合は、さらに、PMTからECMのPIDを抽出し、復号に必要な情報を取得する。そして、復号鍵を生成し、映像および音声の復号処理を行う。
【0017】
そして、トランスポートストリームで伝送されるコンテンツを、受信装置にて途中から再生する場合があることを考慮し、PAT、PMT、ECM等のTSパケットは周期的に送出される。このとき、上記周期を短くすると、より多くの伝送帯域がPATやPMTを伝送することに用いられるため、ネットワークトラフィックが増大し、コンテンツ伝送のリアルタイム性に影響を及ぼす可能性がある。そこで、通常は、上記周期は100ミリ秒から1秒の間に設定される。
【0018】
ここで、仮に上記周期が100ミリ秒であったとしても、PATおよびPMTの検出にそれぞれ最大で100ミリ秒を要し、合計すると最大で200ミリ秒を要する。つまり、この場合、ユーザがコンテンツを再生する操作を受信装置に対して行ってから、受信装置がコンテンツを再生するまでの応答時間として200ミリ秒要することとなる。
【0019】
また、仮に上記周期が1秒であったとすれば、PATおよびPMTの検出にそれぞれ最大で1秒を要し、合計すると最大で2秒を要する。つまり、この場合、ユーザがコンテンツを再生する操作を受信装置に対して行ってから、受信装置がコンテンツを再生するまでの応答時間として2秒要することとなる。
【0020】
このように、特に、複数のコンテンツを切り替えながら視聴するコンテンツを選択するときに、切り替えてからコンテンツが再生されるまでの間の時間が長いと、ユーザの利便性を損なう。
【0021】
上記問題を解決するために、トランスポートストリームがRTP(Real time Transport Protocol)で配信されるときに、TSパケットの送出を要求するRTSP(Real Time Streaming Protocol)方式によるメッセージ交換において、予めPIDに関する情報を受信することにより、PATやPMTの検出を必要としない方法が開示されている(特許文献1参照)。そして、この方法では、コンテンツサーバ側は、映像伝送の要求に対する応答の中に、映像や音声を格納するTSパケットのPIDの情報を含めることが開示されている。
【0022】
上記開示されている方法によると、コンテンツサーバから、要求したMPEG2−TSストリームを受信した時点で、受信装置は、PATやPMTの検出を行うことなく、映像および音声を格納するTSパケットのPIDを取得することができる。すなわち、PATを抽出したり、PATに格納されているPMTのPIDを抽出したり、該PIDを有するPMTから、映像および音声を格納するTSパケットのPIDを抽出するといった処理を行わずに、コンテンツの再生処理を開始することができる。
【0023】
(IPマルチキャスト技術)
コンテンツをネットワーク経由で配信する方式として、RTSPやHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いたユニキャストによる配信方式の他に、IPマルチキャスト技術を用いた方式がある。IPマルチキャスト技術では、複数の端末に同時配信するために予め用意されているマルチキャストアドレスを用いることにより、複数の送信先に対して、同時に配信することができる。
【0024】
なお、IPマルチキャストを用いた配信は、同時に複数の端末に配信する場合のネットワークへの負荷が小さいという点で、RTSP等によるユニキャスト配信に対して利点があるため、コンテンツの配信において用いられることがある。すなわち、RTSP等によるユニキャスト配信では、例えば、同時に複数の端末に配信するためには、コンテンツの伝送レートに端末数を乗じた分の伝送帯域を必要とする。これに対して、IPマルチキャストを用いた配信では、1つの映像ストリームを複数端末で共用して受信するので、1本分の伝送帯域があればよい。ただし、受信装置にて映像の早送りなどを実現することが難しい等のデメリットがあるため、ユニキャスト配信とIPマルチキャストを用いた配信とのいずれの配信技術を用いるかは、用途によって決定されるのが一般的である。
【0025】
IPマルチキャスト技術を用いる場合、IPマルチキャストを送信する側は、マルチキャストアドレスを送信先のIPアドドレスとして送信パケットに設定する。マルチキャストアドレスとしては、IPv4(Internet Protocol Version 4)の場合は、「224.0.0.1」から「239.255.255.255」が用いられる。また、IPv6(Internet Protocol Version 6)の場合は、アドレスの上位の8ビットがすべて1であるアドレス、例えば、「FF00::1」のようなアドレスが用いられる。
【0026】
そして、コンテンツサーバから送信されているIPマルチキャストパケットを受信するネットワーク中継装置(例えばルータ)は、該IPマルチキャストパケットを別のネットワークへの転送を行うかどうかの判断を、接続された各ネットワークからIGMP(Internet Group Management Protocol)の「JOINリクエスト」を受信しているかどうかによって決定する。
【0027】
ここで、IGMPのJOINリクエストは、IPマルチキャストパケットの転送をネットワーク中継装置に対して要求するためのリクエストである。IGMPのJOINリクエストには、転送を要求するマルチキャストアドレスが指定される。そして、ネットワーク中継装置は、指定されたマルチキャストアドレスが送信先になっているIPパケットのみを、IGMPのJOINリクエストを発したネットワークへ転送する。
【0028】
なお、ネットワーク中継装置が複数存在して多段構成になっている場合において、上記JOINリクエストにて要求されたマルチキャストアドレスを送信先として有するIPパケットが、上記JOINリクエストを受信したネットワーク中継装置に届いてない場合、該ネットワーク中継装置は、さらに上位のネットワーク中継装置に対してIGMPのJOINリクエストを送信し、中継を要求する。
【0029】
また、ネットワーク中継装置に対する、IPマルチキャストパケットの転送を停止する要求は、IGMPの「LEAVEリクエスト」を用いて行われる。LEAVEリクエストを受信したネットワーク中継装置は、指定されたマルチキャストアドレスが送信先になっているパケットの転送を中止する。
【0030】
なお、ネットワーク中継装置が、同一のネットワークから複数のJOINリクエストを受信している場合は、受信したJOINリクエストに対応するLEAVEリクエストを受信するか、または、すべてのJOINリクエストのTIMEアウトが経過した時点で、IPマルチキャストパケットの転送を中止する。そして、該ネットワーク中継装置より上位にネットワーク中継装置が存在する場合は、該上位のネットワーク中継装置に対して、LEAVEリクエストを送信する。
【0031】
次に、図16を参照しながら、IPマルチキャスト技術によって、コンテンツ送信装置からネットワーク中継装置を介してコンテンツ再生装置にコンテンツを配信し、該コンテンツ再生装置がコンテンツを再生する手順、および、コンテンツを切り替える手順について説明する。図16は、IPマルチキャスト技術によって、コンテンツ送信装置からネットワーク中継装置を介して、コンテンツ再生装置にコンテンツを配信し、該コンテンツ再生装置がコンテンツを再生する手順、および、コンテンツを切り替える処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
図16では、2台のネットワーク中継装置があり、コンテンツ再生装置と第1ネットワーク中継装置とがデータのやり取りを行い、第1ネットワーク中継装置と第2ネットワーク中継装置とがデータのやり取りを行い、第2ネットワーク中継装置とコンテンツ送信装置とがデータのやり取りを行う。
【0033】
コンテンツ送信装置から、あるコンテンツがマルチキャストアドレス「FF00::1001」を用いてマルチキャスト配信されており(チャンネルはN)、また、他のコンテンツがマルチキャストアドレス「FF00::1002」を用いてマルチキャスト配信されている(チャンネルはM)ものとする(S911)。そして、第2ネットワーク中継装置は、常時これらマルチキャスト配信されているMPEG2−TSのストリームを受信しているものとする(S912)。
【0034】
コンテンツ再生装置にて、チャンネルNのコンテンツを再生するために、マルチキャストアドレス「FF00::1001」へのJOINリクエストを第1ネットワーク中継装置に送信するものとする(S913)。第1ネットワーク中継装置は、上記JOINリクエストを受信すると(S914にてYES)、第2ネットワーク中継装置にJOINリクエストを送信する(S915)。
【0035】
そして、第2ネットワーク中継装置は、上記JOINリクエストを受信すると(S916にてYES)、第1ネットワーク中継装置にチャンネルがNであるストリームの中継を開始する(S917)。第1ネットワーク中継装置は、上記ストリームを受信し(S918)、コンテンツ再生装置に上記ストリームの中継を開始する(S919)。
【0036】
そして、コンテンツ再生装置は、チャンネルがNであるストリームを受信すると(S920)、まず、ストリームの中から、PIDの値が「0」であるTSパケット、すなわちPATの検出を行い、PATのPIDを取得する(S921)。PATには、前述のとおり、ストリームに含まれるPMTのPIDが1つ以上含まれているので、PATを基にしてPMTを検出する(S922)。そして、PMTから映像、音声、プログラム時刻基準値(以下、PCR(Program Clock Reference)という)などを格納するTSパケットのPIDを取得する(S922)。次に、それら取得したPIDを、映像や音声のデコーダに設定することで、チャンネルNのコンテンツの再生が行われる(S923)。なお、コンテンツが暗号化されている場合は、PMTからさらにECMを取得し、復号鍵を生成してコンテンツの復号を行う。
【0037】
そして、ユーザにより、再生するコンテンツを切り替える指示、例えば、チャンネルMのコンテンツへ切り替える指示が行われると(S924にてYES)、コンテンツ再生装置は、マルチキャストアドレス「FF00::1001」に対するLEAVEリクエストを第1ネットワーク中継装置に送信する(S925)。上記LEAVEリクエストを受信した第1ネットワーク中継装置は(S926にてYES)、上記LEAVEリクエストを第2ネットワーク中継装置に送信する(S927)。
【0038】
そして、上記LEAVEリクエストを受信した第2ネットワーク中継装置は(S928にてYES)、チャンネルNのコンテンツの中継を停止する(S929)。
【0039】
そして受信装置は、LEAVEリクエストの送信に引き続き、マルチキャストアドレス「FF00::1002」へのJOINリクエストを送信し(S913)、上述と同様の流れで、チャンネルMのコンテンツの映像や音声などを格納するTSパケットのPIDを取得し、デコーダに設定する(S914からS923)。これにより、チャンネルMのコンテンツが再生される。
【特許文献1】特開2004−228850号公報(公開日:平成16年8月12日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
特許文献1に開示されている方法によれば、受信装置は、トランスポートストリームを受信する前にメッセージ交換を行い、予めPIDに関する情報を受信する。これにより、PATやPMTの検出を行うことなく、コンテンツの再生処理を開始することができるため、コンテンツ再生までに必要な時間を短縮することができる。
【0041】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、RTSPやHTTPを用いたユニキャストによるコンテンツ配信を前提としている。ところが、コンテンツをネットワーク経由で配信する方式としては、ユニキャスト配信方式の他に、上述したようにIPマルチキャスト技術を用いた方式がある。そして、IPマルチキャストを用いた配信方式においては、HTTPやRTSPを用いたメッセージ交換は行われない。したがって、特許文献1に開示されている方法は、IPマルチキャストを用いたコンテンツの配信において、利用することができないという問題がある。
【0042】
また、特許文献1に開示されている方法では、映像伝送の要求に対する、コンテンツを送信する装置からの応答にPIDの情報を含める必要があるため、コンテンツを送信する装置において、映像および音声を格納するTSパケットのPIDを受信装置と事前にやりとりする仕組みを導入する必要がある。そのため、すでに運用されている既存のシステムに導入する場合は、該既存システムの更改するための手間ならびに更改するためのコストが必要になるという問題がある。
【0043】
さらに、特許文献1に開示されている方法によって事前に取得できるものは、映像および音声を格納するTSパケットのPIDだけであるため、例えば、暗号化されたデータを復号するために必要なECMを取得することはできない。したがって、トランスポートストリームが暗号化されたデータを含む場合、依然としてPMTを解析しなければ復号処理を行うことができないという問題がある。
【0044】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテンツの送信装置と再生装置との間で、あらかじめPIDの情報を含めたメッセージ交換を行わなくても、チャンネルの切り替え指示を受けてから、切り替え後のコンテンツが再生されるまでに要する時間を短くすることができるネットワーク中継装置、コンテンツ再生装置、ネットワーク中継方法、コンテンツ再生システム、プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0045】
上記課題を解決するために、本発明に係るネットワーク中継装置は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置であって、上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得手段と、上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得手段と、上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信手段とを備えることを特徴としている。
【0046】
また、本発明に係るネットワーク中継方法は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置が実行するネットワーク中継方法であって、上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得ステップと、上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得ステップと、上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信ステップとを含むことを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、受信したストリームから番組識別情報を取得し、該取得した番組識別情報からパケット識別情報を取得し、該取得したパケット識別情報をコンテンツ再生装置に送信することができる。
【0048】
よって、上記パケット識別情報を受信したコンテンツ再生装置は、自装置にて外部の装置から受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、上記受信したパケット識別情報を直接使用することにより、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要とすることができる。
【0049】
したがって、上記パケット識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0050】
さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、上記の構成において、上記外部の装置に対して上記ストリームの送信を要求するストリーム送信要求手段をさらに備える構成としてもよい。
【0051】
上記の構成によれば、さらに、外部の装置に対してストリームの送信を要求し、該要求したストリームを受信することができる。
【0052】
よって、ネットワーク中継装置は、外部の装置が中継する複数のストリームについて上記要求を行うことにより、該要求に応じて送信されるストリームを受信し、該受信したストリームから番組識別情報を取得し、該取得した番組識別情報からパケット識別情報を取得することができ、該取得した複数のパケット識別情報をコンテンツ再生装置に送信することができる。
【0053】
そのため、上記パケット識別情報を受信したコンテンツ再生装置は、自装置にて外部の装置から受信したストリームをデコードするとき、上記受信したパケット識別情報を直接使用できる可能性が高まるため、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要にできる可能性が高まる。
【0054】
したがって、上記パケット識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0055】
さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、上記の構成において、上記パケット識別情報取得手段が、上記コンテンツ再生装置からの指示に応じて、上記取得したパケット識別情報を、該コンテンツ再生装置に送信する構成としてもよい。
【0056】
上記の構成によれば、さらに、コンテンツ再生装置からの要求があったとき、パケット識別情報を取得することができる。
【0057】
よって、コンテンツ再生装置が要求したタイミングで最も新しいパケット識別情報を該コンテンツ再生装置に送信することができる。そのため、外部の装置から配信されるストリームが、番組に応じて切り替わり、かつ、それに応じてパケット識別情報も切り替わるような場合であっても、上記要求したコンテンツ再生装置が、自装置で受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、確実に、上記受信したパケット識別情報を使用することができる。
【0058】
したがって、上記パケット識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0059】
さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置であって、上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出してコンテンツ再生装置に中継する対象となるストリームを決定する対象ストリーム決定手段と、上記決定したストリームに含まれる、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して中継する番組識別情報抽出手段とを備えることを特徴としている。
【0060】
また、本発明に係るネットワーク中継方法は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置が実行するネットワーク中継方法であって、上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出してコンテンツ再生装置に中継する対象となるストリームを、所定条件に基づき決定する対象ストリーム決定ステップと、上記決定したストリームに含まれる、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して中継する番組識別情報抽出ステップとを含むことを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、所定条件に基づき決定したストリームから番組識別情報を含むパケットを抽出し、該番組識別情報を含むパケットをコンテンツ再生装置に送信することができる。
【0062】
よって、上記番組識別情報を含むパケットを受信したコンテンツ再生装置は、自装置にて外部の装置から受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、上記受信した番組識別情報を含むパケットから取得したパケット識別情報を使用することにより、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要とすることができる。
【0063】
したがって、上記パケット識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0064】
さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、上記の構成において、対象ストリーム決定手段が、上記コンテンツ再生装置から送信される所定条件に基づき、上記対象とするストリームを決定する構成としてもよい。
【0065】
上記の構成によれば、さらに、コンテンツ再生装置から送信される所定条件に基づき、番組識別情報を含むパケットを抽出してコンテンツ再生装置に中継する対象となるストリームを決定することができる。
【0066】
よって、コンテンツ再生装置が指示する条件に基づいて、番組識別情報を該コンテンツ再生装置に送信することができる。そのため、上記指示したコンテンツ再生装置が、自装置で受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、確実に、上記受信した番組識別情報から取得したパケット識別情報を使用することができる。
【0067】
したがって、上記番組識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0068】
さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、上記の構成において、上記ストリームがMPEG2−TSであり、上記番組識別情報がPATおよびPMTを含み、上記パケット識別情報がPIDである構成としてもよい。
【0069】
上記の構成によれば、さらに、受信したMPEG2−TSからPATおよびPMTを取得し、該取得したPATおよびPMTからPIDを取得し、該取得したPIDをコンテンツ再生装置に送信することができる。
【0070】
また、所定条件に基づいて決定したMPEG2−TSからPATおよびPMTを含むTSパケットを抽出し、コンテンツ再生装置に送信することができる。
【0071】
よって、上記PID、または、PATおよびPMTを含むTSパケットを受信したコンテンツ再生装置は、自装置にて外部の装置から受信したMPEG2−TSをデコードするとき、該受信したMPEG2−TSから取得したPIDを使用する代わりに、上記受信したPID、または、上記受信したPATおよびPMTを含むTSパケットから取得したPIDを直接使用することができるため、該受信したMPEG2−TSからPIDを取得する処理を不要とすることができる。
【0072】
したがって、コンテンツ再生装置に対して、MPEG2−TSを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【0073】
さらに、本発明に係るコンテンツ再生装置は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する第1の外部装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツを再生する第2の外部装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記第1の外部装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記第2の外部装置からの要求に応じて、該第2の外部装置に中継し、上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して上記第2の外部装置に中継する対象となるストリームを決定し、該決定したストリームに含まれる上記番組識別情報を含むパケットを中継するネットワーク中継装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記中継されたストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、上記ネットワーク中継装置から送信される上記番組識別情報を含むパケットを受信する番組識別情報受信手段と、上記受信した番組識別情報から上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得手段と、上記取得したパケット識別情報を使用して、上記受信したストリームをデコードするデコード処理手段とを備えることを特徴としている。
【0074】
上記の構成によれば、上記ネットワーク中継装置から送信される上記番組識別情報を含むパケットを受信し、該受信した番組識別情報から上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得し、該取得したパケット識別情報を使用して、受信したストリームをデコードすることができる。
【0075】
よって、よって、受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、上記取得したパケット識別情報を直接使用することができるため、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要とすることができる。
【0076】
したがって、上記取得したパケット識別情報を直接用いることにより、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0077】
さらに、本発明に係るコンテンツ再生システムは、上記ネットワーク中継装置と、上記コンテンツ再生装置とを備えることを特徴としている。
【0078】
上記の構成によれば、上記ネットワーク中継装置が、所定条件に基づき決定したストリームから番組識別情報を含むパケットを抽出し、該番組識別情報を含むパケットをコンテンツ再生装置に送信するとともに、上記番組識別情報を含むパケットを受信した上記コンテンツ再生装置は、自装置で受信したストリームをデコードするとき、該受信した番組識別情報から上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得し、該取得したパケット識別情報を使用することができる。
【0079】
よって、上記ネットワーク中継装置から上記番組識別情報を含むパケットを受信したコンテンツ再生装置は、自装置で受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、上記取得したパケット識別情報を直接使用することができるため、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要とすることができる。
【0080】
したがって、上記ネットワーク中継装置から上記番組識別情報を含むパケットを受信するコンテンツ再生装置が、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0081】
なお、上記ネットワーク中継装置、上記コンテンツ再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記ネットワーク中継装置、上記コンテンツ再生装置をコンピュータにて実現させる上記ネットワーク中継装置、上記コンテンツ再生装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0082】
以上のように、本発明に係るネットワーク中継装置は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置であって、上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得手段と、上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得手段と、上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信手段とを備えている。
【0083】
また、本発明に係るネットワーク中継方法は、1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置が実行するネットワーク中継方法であって、上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得ステップと、上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得ステップと、上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信ステップとを含んでいる。
【0084】
よって、上記パケット識別情報を受信したコンテンツ再生装置は、自装置にて外部の装置から受信したストリームをデコードするとき、該受信したストリームから取得したパケット識別情報を使用する代わりに、上記受信したパケット識別情報を直接使用することにより、該受信したストリームからパケット識別情報を取得する処理を不要とすることができる。
【0085】
したがって、上記パケット識別情報を受信するコンテンツ再生装置に対して、ストリームを受信してからコンテンツを再生するまでに要する時間を短縮させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0086】
実施の形態において、具体例を挙げて説明する場合、通信ネットワークを介して映像コンテンツが配信されており、コンテンツ再生装置にてチャンネルを切り替える形態について説明する。もちろん、これに限定されるものではない。例えば、配信される対象が映像コンテンツではなく、音声のみのコンテンツであってもよい。
【0087】
また、実施の形態において、具体例を挙げて説明する場合、上記通信ネットワークがIP(Internet Protocol)で構築されている形態について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、IPX(Internet Packet eXchange)やApple Talkで構築されていてもよい。
【0088】
また、実施の形態において、具体例を挙げて説明する場合、IPマルチキャスト技術を用いて映像コンテンツ配信を行う形態について説明するが、これに限定されるものではない。例えば、RTSPなどのユニキャストを用いた配信であってもよい。
【0089】
また、実施の形態において、具体例を挙げて説明する場合、配信する映像コンテンツのトランスポートフォーマットがMPEG2−TSである形態について説明するが、これに限定されるものではない。
【0090】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図8に基づいて説明すると以下の通りである。
【0091】
(コンテンツ再生システムの全体構成)
図2を参照しながら、本実施形態に係るネットワーク中継装置103aとコンテンツ再生装置104aとを含むコンテンツ再生システム100aについて説明する。図2は、本実施形態に係るネットワーク中継装置103aとコンテンツ再生装置104aとを含むコンテンツ再生システム100aの構成を示すブロック図である。
【0092】
図2に示すように、コンテンツ送信装置101と上位ネットワーク中継装置102とは、通信ネットワーク1110により通信可能に接続されている。また、上位ネットワーク中継装置102とネットワーク中継装置103aとは、通信ネットワーク1120により通信可能に接続されている。また、ネットワーク中継装置103aとコンテンツ再生装置104aとは、通信ネットワーク1130により通信可能に接続されている。
【0093】
コンテンツ送信装置101は、放送、動画像、静止画像、テキストなどのコンテンツ、および、それらの表示や制御に関する属性情報を含む映像コンテンツを配信するサーバ装置である。そして、IPマルチキャスト技術を用いて、コンテンツ再生装置104aに対してコンテンツを配信する。
【0094】
上位ネットワーク中継装置102はネットワーク中継装置(例えば、ブロードバンドルータ)であり、通信ネットワーク1110と通信ネットワーク1120とを相互に接続可能とする。上位ネットワーク中継装置102は、IPマルチキャストのJOINおよびLEAVEに対応しており、通信ネットワーク1110からIPマルチキャストで配信される各種データを、通信ネットワーク1120側の装置からのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストに応じて、通信ネットワーク1120側に中継する否かを決定する機能を備えている。
【0095】
本実施形態に係るネットワーク中継装置103aは、ネットワーク中継装置(例えば、ブロードバンドルータ)であり、通信ネットワーク1120と通信ネットワーク1130とを相互に接続可能とする。ネットワーク中継装置103aは、IPマルチキャストのJOINおよびLEAVEに対応しており、通信ネットワーク1120からIPマルチキャストで配信される各種データを、通信ネットワーク1130側の装置からのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストに応じて、通信ネットワーク1130側に中継する否かを決定する機能を備えている。
【0096】
本実施形態に係るコンテンツ再生装置104aは、通信ネットワーク1110と通信ネットワーク1120と通信ネットワーク1130とを介して配信される映像コンテンツを再生するクライアントである。また、コンテンツ再生装置104aは、リモコンなどの入力操作デバイスにより、利用者からの入力を受けつけてもよい。コンテンツ再生装置104aは、例えば、テレビ、PC、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0097】
なお、本実施形態では、通信ネットワーク1110および通信ネットワーク1120としてはインターネットを、また、通信ネットワーク1130としてはLAN(Local Area Network)を想定しているが、特に限定されず、例えば、イントラネット、エキストラネット、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394ケーブル、USBケーブル、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網等の無線でも利用可能である。
【0098】
(ネットワーク中継装置の構成)
次に、図1を参照しながら、本実施形態に係るネットワーク中継装置103aの構成について説明する。図1は、本実施の一形態に係るネットワーク中継装置103aの構成を示すブロック図である。
【0099】
図1に示すようにネットワーク中継装置103aは、制御部10、記憶部20、上位通信部30、下位通信部40、および入出力制御部70を備えて構成される。
【0100】
制御部10は、記憶部20、および入出力制御部70の制御を行うとともに、所定の演算処理を行うものである。所定の演算処理としては、例えば、上位ネットワーク中継装置102からの映像ストリームの受信処理などがある。制御部10の詳細な構成については後述する。
【0101】
記憶部20は、制御部10で利用される各種データ、プログラムの実行によって得られたデータなどを記憶するものであり、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどで実現される。上記各種データは、記憶部20内部の各種記憶部、例えば、PID情報記憶部22などに記憶される。
【0102】
PID情報記憶部22は、受信した映像ストリームから取得される各種PID(PMTのPID、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDなど)の情報を記憶する。
【0103】
なお、記憶部20は、必ずしもネットワーク中継装置103aに備えられる必要はなく、外部記憶装置として、読み取り可能な状態でネットワーク中継装置103aに接続される構成でもよい。
【0104】
上位通信部30は、通信ネットワーク1120を介して上位ネットワーク中継装置102と通信するものであり、内部に上位受信部31および上位送信部32を備えている。
【0105】
上位受信部31は、上位ネットワーク中継装置102から送信された映像ストリームを受信するものであり、上位受信制御部71により制御される。上位受信部31で受信された映像ストリームは、上位受信制御部71へ送られる。
【0106】
入出力制御部70における上位受信制御部71は、上位受信部31を制御し、受信した映像ストリームを後述する映像ストリーム受信部12に送信する。
【0107】
上位送信部32は、上位ネットワーク中継装置102に対して、IGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを送信するものであって、上位送信制御部72により制御される。
【0108】
入出力制御部70における上位送信制御部72は、上位送信部32を制御し、後述する映像ストリーム送信要求部17から受信するIGMPのJOINリクエスト、後述する映像ストリーム送信停止要求部18から受信するIGMPのLEAVEリクエスト、後述する映像ストリーム制御情報処理部11から転送されるIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを上位送信部32に送信する。
【0109】
下位通信部40は、通信ネットワーク1130を介してコンテンツ再生装置104aと通信するものであり、内部に下位受信部43および下位送信部44を備えている。
【0110】
下位受信部43は、コンテンツ再生装置104aから送信されたIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを受信するものであり、下位受信制御部73により制御される。下位受信部43で受信されたIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストは、下位受信制御部73へ送られる。また、コンテンツ再生装置104aから後述するPID取得要求451が送信される場合は、下位受信部43はPID取得要求451を受信し、下位受信制御部73へ送信する。
【0111】
入出力制御部70における下位受信制御部73は、下位受信部43を制御し、受信したIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを後述する映像ストリーム制御情報処理部11に送信する。また、コンテンツ再生装置104aから後述するPID取得要求451が送信される場合は、下位受信制御部73は、PID取得要求451を受信し、PID要求受信部81へ送信する。
【0112】
下位送信部44は、コンテンツ再生装置104aに対して、上位ネットワーク中継装置102から受信した映像ストリームを送信し、また、後述するPIDリスト450を送信するものであって、下位送信制御部74により制御される。
【0113】
入出力制御部70における下位送信制御部74は、下位送信部44を制御し、後述する映像ストリーム転送部13から受信する映像ストリーム、後述するPID情報送信部19から受信するPIDリスト450を下位送信部44に送信する。
【0114】
次に、制御部10について、詳細に説明する。制御部10は、映像ストリーム制御情報処理部11、映像ストリーム受信部12、映像ストリーム転送部13、番組識別情報取得部14、PID情報取得部15、PID情報検査部16、映像ストリーム送信要求部17、映像ストリーム送信停止要求部18、PID情報送信部19を含んでいる。また、図1に示すとおり、PID要求受信部81を含んでいてもよい。
【0115】
映像ストリーム制御情報処理部11は、下位受信部43を介して、コンテンツ再生装置104aから送信されたIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを受信する。そして、所定条件に応じて、上位送信部32を介して、上位ネットワーク中継装置102に該受信したJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを転送する。
【0116】
上記所定条件とは、例えば、映像ストリーム制御情報処理部11がJOINリクエストを受信したとき、該JOINリクエストにて要求されている映像ストリームを、映像ストリーム受信部12が受信していない場合は、上位ネットワーク中継装置102に対して該映像ストリームの転送を要求するために、上記JOINリクエストを転送する。
【0117】
一方、該JOINリクエストにて要求されている映像ストリームを、映像ストリーム受信部12が受信している場合は、該映像ストリームをコンテンツ再生装置104aに転送する旨を、映像ストリーム転送部13に送信する。
【0118】
また、映像ストリーム制御情報処理部11がLEAVEリクエストを受信したとき、通信ネットワーク1130に接続されている他の全てのコンテンツ再生装置が、上記LEAVEリクエストにて転送停止を要求されている映像ストリームを受信していない場合は、LEAVEリクエストにて要求されている映像ストリームの転送を停止する旨を、映像ストリーム転送部13に送信する。また、上位ネットワーク中継装置102に対して該映像ストリームの転送停止を要求するために、上記LEAVEリクエストを転送する。
【0119】
映像ストリーム受信部12は、上位ネットワーク中継装置102が送信する映像ストリームを、上位受信部31を介して受信する。そして、受信した映像ストリームを映像ストリーム転送部13および番組識別情報取得部14に送信する。
【0120】
映像ストリーム転送部13は、映像ストリーム受信部12から映像ストリームを受信し、映像ストリーム制御情報処理部11からの信号に従って、コンテンツ再生装置104aに対して該受信した映像ストリームを転送するか否かを決定する。映像ストリーム制御情報処理部11から転送する旨の信号を受信すると、映像ストリーム転送部13は、下位送信制御部74に該受信した映像ストリームを転送する。一方、映像ストリーム制御情報処理部11から転送を停止する旨の信号を受信すると、映像ストリーム転送部13は、下位送信制御部74に対する映像ストリームの転送を停止する。
【0121】
番組識別情報取得部14は、映像ストリーム受信部12から受信する映像ストリームを解析し、番組識別情報であるPATおよびPMTを取得する。そして、取得したPMTをPID情報取得部15に送信する。
【0122】
PID情報取得部15は、番組識別情報取得部14から送信されるPMTを解析し、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDを取得する。そして、これら取得したPIDを、チャンネル番号毎にPID情報記憶部22に格納する。
【0123】
PID情報検査部16は、PID情報記憶部22を検索し、受信可能なすべてのチャンネルについてPID情報を取得しているかどうかを検査する。そして、すべてのチャンネルについてPID情報を取得していないことを検出したら、そのうちの1つのチャンネルについて映像ストリームを要求する旨の信号を映像ストリーム送信要求部17に送信する。一方、すべてのチャンネルについてPID情報を取得していることを検出したら、その旨の信号をPID情報送信部19に送信する。
【0124】
映像ストリーム送信要求部17は、上位ネットワーク中継装置102に対して、映像ストリームの中継を要求するためのJOINリクエストを送信する。JOINリクエストを送信するタイミングは、例えば、PID情報検査部16からの信号を受信した直後である。
【0125】
映像ストリーム送信停止要求部18は、上位ネットワーク中継装置102に対して、受信している映像ストリームの中継停止を要求するためのLEAVEリクエストを送信する。LEAVEリクエストを送信するタイミングは、例えば、PID情報取得部15が、取得したPIDをPID情報記憶部22に格納した直後である。
【0126】
PID情報送信部19は、PID情報検査部16から、すべてのチャンネルについてPID情報を取得している旨の信号を受信すると、PID情報記憶部22に格納されているPIDを基に、後述するPIDリスト450を生成する。また、PID要求受信部81からの信号を受信したとき、PIDリスト450を生成してもよい。そして、作成したPIDリスト450を、下位送信部44を介してコンテンツ再生装置104aに向けて送信する。
【0127】
上記PIDリスト450の送信方法としては、例えば、IPのブロードキャストアドレスを指定して、同一サブネットマスク内のすべてのクライアントに同時に送信してもよいし、または、予め指定したクライアント(すなわち、コンテンツ再生装置104a)のIPアドレスに対して送信してもよい。
【0128】
PID要求受信部81は、コンテンツ再生装置104aからPID取得要求451が送信される場合、これを受信する。そして、該PID取得要求451に対する応答としてPIDリスト450を送信する旨の信号をPID情報送信部19に送信する。
【0129】
なお、上述の実施形態では、取得したPIDをPID情報記憶部22に格納する形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部10内の一時的な内部ファイルを作成し、PIDを取得するたびに該内部ファイルに記述してもよい。そして、該内部ファイルを基に、PID情報送信部19がPIDリスト450を生成してもよい。
【0130】
(コンテンツ再生装置の構成)
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係るコンテンツ再生装置104aの構成について説明する。図3は、本実施の一形態に係るコンテンツ再生装置104aの構成を示すブロック図である。
【0131】
図3に示すようにコンテンツ再生装置104aは、制御部110、記憶部120、通信部130、表示部140、音声出力部150、入力操作部160、および入出力制御部170を備えて構成される。
【0132】
制御部110は、記憶部120、および入出力制御部170の制御を行うとともに、所定の演算処理を行うものである。所定の演算処理としては、例えば、ネットワーク中継装置103aからの映像ストリームの受信処理などがある。制御部110の詳細な構成については後述する。
【0133】
記憶部120は、制御部110で利用される各種データ、プログラムの実行によって得られたデータなどを記憶するものであり、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどで実現される。上記各種データは、記憶部120内部の各種記憶部、例えば、PID情報記憶部122などに記憶される。
【0134】
PID情報記憶部122は、各種PID(PMTのPID、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDなど)の情報を記憶する。
【0135】
なお、記憶部120は、必ずしもコンテンツ再生装置104aに備えられる必要はなく、外部記憶装置として、読み取り可能な状態でコンテンツ再生装置104aに接続される構成でもよい。
【0136】
通信部130は、通信ネットワーク1130を介してネットワーク中継装置103aと通信するものであり、内部に受信部131および送信部132を備えている。
【0137】
受信部131は、ネットワーク中継装置103aが送信する映像ストリームおよびPIDリスト450を受信するものであり、受信制御部171により制御される。受信部131で受信された映像ストリームおよびPIDリスト450は受信制御部171へ送られる。
【0138】
受信制御部171は、受信部131を制御し、受信した映像ストリームを後述する映像ストリーム受信部113に送信する。また、受信したPIDリスト450を後述するPID情報受信部111に送信する。
【0139】
送信部132は、ネットワーク中継装置103aに対して、IGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを送信するものであり、送信制御部172により制御される。また、PID情報要求部181からPID取得要求451が送信される場合は、ネットワーク中継装置103aに対して、PID取得要求451を送信する。
【0140】
送信制御部172は、送信部132を制御し、後述する映像ストリーム送信要求部112から受信するJOINリクエスト、および、映像ストリーム送信停止要求部119から受信するLEAVEリクエストを送信部132に送信する。また、PID情報要求部181からPID取得要求451が送信される場合は、送信部132に対して、PID取得要求451を送信する。
【0141】
表示部140は、表示制御部174より送られた情報を表示する。表示部140は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶表示装置)で構成される。表示部140に表示する情報としては、後述するデコード部115でデコードされた映像などが含まれる。なお、表示部140は、必ずしもコンテンツ再生装置104aに備えられる必要はなく、外部装置としてコンテンツ再生装置104aに通信可能に接続される構成でもよい。
【0142】
表示制御部174は、表示部140を制御し、制御部110から指示された情報を表示部140に送信する。
【0143】
音声出力部150は、音声出力制御部175から送信される信号を音声に変換して出力する。音声出力部150は、例えばスピーカーで構成される。音声出力部150に出力する情報としては、後述するデコード部115でデコードされた音声などが含まれる。なお、音声出力部150は、必ずしもコンテンツ再生装置104aに備えられる必要はなく、外部装置としてコンテンツ再生装置104aに通信可能に接続される構成でもよい。
【0144】
音声出力制御部175は、音声出力部150を制御し、制御部110から指示された情報を音声出力部150に送信する。
【0145】
入力操作部160は、ユーザ操作を受けつけ、入力操作に応じた信号を入力操作制御部176に送信する。入力操作部160は、例えば、リモコン、マウス、キーボード、スイッチ、タッチパネルなどの入力デバイスで構成される。ユーザが入力操作部160から入力操作を行うことにより、映像ストリームの受信開始指示や映像ストリームの切り替え指示などの入力操作に応じた信号を生成する。なお、入力操作部160は、必ずしもコンテンツ再生装置104aに備えられる必要はなく、外部装置としてコンテンツ再生装置104aに通信可能に接続される構成でもよい。
【0146】
入力操作制御部176は、ユーザ操作を受けつける入力操作部160を制御し、ユーザの入力操作に応じた入力信号を制御部110に送信する。
【0147】
次に、制御部110について、詳細に説明する。制御部110は、PID情報受信部111、映像ストリーム送信要求部112、映像ストリーム受信部113、再生処理部114、デコード部115、映像ストリーム送信停止要求部119を含んでいる。また、図3に示すとおり、PID情報要求部181を含んでいてもよい。
【0148】
PID情報受信部111は、映像を格納するTSパケットのPIDや、音声を格納するTSパケットのPIDなどを含むPIDリスト450を、ネットワーク中継装置103aから受信部131を介して受信する。そして、受信したPIDリスト450に記載されているPIDをPID情報記憶部122に格納する。これらPIDは、デコード部115に設定されるPIDとして利用する。
【0149】
映像ストリーム送信要求部112は、ネットワーク中継装置103aに対して、映像ストリームの中継を要求するためのJOINリクエストを送信する。JOINリクエストを送信するタイミングは、例えば、PID情報受信部111がPIDリスト450を受信した後であって、入力操作部160から、映像ストリームの受信開始指示やチャンネルの切り替え指示などの入力操作に応じた信号を受けたときである。
【0150】
映像ストリーム受信部113は、上記JOINリクエストに対してネットワーク中継装置103aが送信する映像ストリームを、受信部131を介して受信する。そして、受信した映像ストリームを再生処理部114に送信する。
【0151】
再生処理部114は、PID情報記憶部122に格納されているPID情報が有効なものである場合、該PIDをデコード部115に設定する。そして、映像ストリーム受信部113から受信した映像ストリームについて、IP、UDP、RTPなどの各種ヘッダを削除する処理を行った後、デコード部115に送信し、再生指示を行う。一方、PID情報記憶部122に格納されているPID情報が有効なものでない場合、映像ストリーム受信部113から受信した映像ストリーム解析し、PATおよびPMTを取得し、さらに、PMTを解析し、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDを取得する。そして、これら得られたPIDをデコード部115に設定するとともに、映像ストリーム受信部113から受信した映像ストリームをデコード部115に送信し、再生指示を行う。
【0152】
なお、PID情報が有効であるか否かを判断する方法としては、例えば、コンテンツ再生装置103aが番組表情報を保持している場合、PIDを取得した時刻から判断して、番組が切り替わっていればPID情報は有効とし、一方、番組が切り替わっていなければPID情報は無効にすると判断すればよい。
【0153】
デコード部115は、再生処理部114から受信した映像ストリームおよびPID情報を基に、一般的な手法を用いて、映像および音声をデコードする。そして、デコードした映像および音声を表示部140に送信する。そのために、デコード部115は、多重化分割部116、映像デコード部117、音声デコード部118を含んでいる。
【0154】
多重化分割部116は、再生処理部から送信される映像ストリームおよびPID情報を基に、一般的な手法を用いて、多重化された状態の映像ストリームを個々の映像および音声に分割する。そして、分割した映像および音声をそれぞれ映像デコード部117、音声デコード部118に送信する。
【0155】
映像デコード部117は、多重化分割部116から送信された映像を一般的な手法を用いてデコードし、表示制御部174を介して表示部140に送信する。また、音声デコード部118は、多重化分割部116から送信された音声を一般的な手法を用いてデコードし、表示制御部174を介して表示部140に送信する。
【0156】
映像ストリーム送信停止要求部119は、ネットワーク中継装置103aに対して、受信している映像ストリームの中継停止を要求するためのLEAVEリクエストを送信する。LEAVEリクエストを送信するタイミングは、例えば、入力操作部160から、チャンネル切り替え指示などの入力操作に応じた信号を受けたときである。
【0157】
PID情報要求部181は、ネットワーク中継装置103aに対してPIDリスト450の送信を要求するために、PID取得要求451を送信制御部172に送信する。PID取得要求451を送信するタイミングは、例えば、コンテンツ再生装置104aの電源を投入した直後などである。
【0158】
なお、上述の実施形態では、受信したPIDリスト450をPID情報記憶部122に格納する形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部110内の一時的な記憶領域に、受信したPIDリスト450を保持してもよい。そして、PID情報記憶部122に格納されているPID情報の代わりに、PIDリスト450を基に、再生処理部114が処理を行ってもよい。
【0159】
(コンテンツを再生するまでの処理の流れ)
次に、図4から図6を参照しながら、コンテンツ再生装置104aが、ネットワーク中継装置103aから送信されるPIDリスト450を基に、ネットワーク中継装置103aを介してコンテンツ送信装置から送信されるコンテンツを再生する手順について説明する。
【0160】
(上位ネットワーク中継装置における処理の流れ)
まず始めに、図4を参照しながら、IPマルチキャスト技術によって、上位ネットワーク中継装置102がコンテンツ送信装置101からコンテンツを受信し、ネットワーク中継装置103a(図示せず)からのリクエストに応じて該コンテンツを送信する手順について説明する。図4は、IPマルチキャスト技術によって、上位ネットワーク中継装置102がコンテンツ送信装置101からコンテンツを受信し、ネットワーク中継装置103aからのリクエストに応じて該コンテンツを送信する処理の流れを示すフローチャートである。
【0161】
なお、ネットワーク中継装置103aにおける処理の流れは図5にて、コンテンツ再生装置104aにおける処理の流れは図6にて、それぞれ詳細に説明するので、ここでは省略する。
【0162】
図4では、コンテンツ送信装置101から、あるコンテンツがマルチキャストアドレス「FF00::1001」を用いてマルチキャスト配信されており(チャンネルはN)、また、他のコンテンツがマルチキャストアドレス「FF00::1002」を用いてマルチキャスト配信されている(チャンネルはM)ものとする(S111)。そして、上位ネットワーク中継装置102は、常時これらマルチキャスト配信されているMPEG2−TSのストリームを受信しているものとする(S112)。
【0163】
上位ネットワーク中継装置102は、ネットワーク中継装置103aから送信されるJOINリクエストの受信を待ち(S113にてNO)、JOINリクエストを受信すると(S113にてYES)、ネットワーク中継装置103aに対して、該JOINリクエストに対応するストリームの中継を開始する(S114)。
【0164】
また、上位ネットワーク中継装置102は、ネットワーク中継装置103aから送信されるLEAVEリクエストの受信を待ち(S115にてNO)、LEAVEリクエストを受信すると(S115にてYES)、該LEAVEリクエストに対応するストリームの中継を停止する(S116)。そして、再び、ネットワーク中継装置103aから送信されるJOINリクエストの受信を待つ(S113にてNO)。
【0165】
(ネットワーク中継装置における処理の流れ)
次に、図5を参照しながら、ネットワーク中継装置103aが、コンテンツ送信装置101からすべてのチャンネルについてのPIDを取得し、コンテンツ再生装置104aに送信する手順について説明する。図5は、ネットワーク中継装置103aが、コンテンツ送信装置101からすべてのチャンネルについてのPIDを取得し、コンテンツ再生装置104aに送信する流れを示すフローチャートである。
【0166】
なお、ここでは、図4で説明したように、コンテンツ送信装置101から上位ネットワーク中継装置102に対して、すでに複数のコンテンツがマルチキャスト配信されているものとする。また、上位ネットワーク中継装置102では、図4にて示した各ステップと同一の処理を行うため、説明の便宜上、その説明を省略する。また、コンテンツ再生装置104aにおける処理の流れは図6にて詳細に説明するので、ここでは必要な処理のみを簡単に説明する。
【0167】
まず、ネットワーク中継装置103aにて電源が投入された後(S121にてYES)、コンテンツ再生装置104aがJOINリクエストを送信すると(S122)、ネットワーク中継装置103aの映像ストリーム制御情報処理部11が該JOINリクエストを受信する(S123にてYES)。
【0168】
そして、該JOINリクエストに対応する映像ストリームを上位ネットワーク中継装置102からまだ受信していない場合は(S124にてNO)、映像ストリーム制御情報処理部11は上位ネットワーク中継装置102に対して該JOINリクエストを送信し(S125)、その結果として、映像ストリーム受信部12が上位ネットワーク中継装置102から映像ストリームを受信する(S126)。
【0169】
該JOINリクエストに対応する映像ストリームを上位ネットワーク中継装置102からすでに受信していたか(S124にてYES)、または、上位ネットワーク中継装置102に対してリクエストした映像ストリームを受信した後(S126)、映像ストリーム転送部13がコンテンツ再生装置104aに対して、上記映像ストリームを送信する(S127)。
【0170】
コンテンツ再生装置104aは、上記映像ストリームを受信する(S128)。そして、チャンネルの切り替えなどにより、上記映像ストリームの送信停止を要求するためにLEAVEリクエストを送信する(S129)。
【0171】
そして、映像ストリーム制御情報処理部11がコンテンツ再生装置104aからJOINリクエストを受信しなかったか(S123にてNO)、または、映像ストリームをコンテンツ再生装置104aに対して送信した後(S127)、映像ストリーム制御情報処理部11がコンテンツ再生装置104aからLEAVEリクエストを受信したとき(S130にてYES)、通信ネットワーク1130に接続されている他の全てのコンテンツ再生装置が、上記LEAVEリクエストにて転送停止を要求されている映像ストリームを受信していない場合は(S131にてNO)、上位ネットワーク中継装置102に対して該映像ストリームの転送停止を要求するために、映像ストリーム制御情報処理部11が上記LEAVEリクエストを転送する(S132)。
【0172】
そして、コンテンツ再生装置104aからLEAVEリクエストを受信しなかったか(S130にてNO)、または、通信ネットワーク1130に接続されている他のコンテンツ再生装置のいずれかが、上記LEAVEリクエストにて転送停止を要求されている映像ストリームを受信しているか(S131にてYES)、上位ネットワーク中継装置102に対してLEAVEリクエストを転送した後(S132)、ネットワーク中継装置103aのPID情報検査部16が、受信可能なチャンネルのコンテンツのPIDをすべて取得しているか否かを検査する(S133)。
【0173】
そして、上記未取得のチャンネルがある場合(S133にてYES)、ネットワーク中継装置103aの映像ストリーム送信要求部17は、該未取得のチャンネルに対応するマルチキャストアドレスに対するJOINリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信する(S134)。
【0174】
上位ネットワーク中継装置102は、上記JOINリクエストを受信すると、ネットワーク中継装置103aに対して、上記JOINリクエストに対応するマルチキャストアドレスで配信されているコンテンツのトランスポートストリームを中継するので、ネットワーク中継装置103aの映像ストリーム受信部12が、上記ストリームを受信する(S135)。
【0175】
そして、ネットワーク中継装置103a番組識別情報取得部14が、該ストリームの中から、PIDの値が「0」であるTSパケット、すなわちPATの検出を行い、PATのPIDを取得する(S136)。そして、PATには、前述のとおり、ストリームに含まれるPMTのPIDが1つ以上含まれているので、PATを基にしてPMTを検出するとともに、PID情報取得部15が、PMTから映像、音声、PCR(Program Clock Reference)などを格納するTSパケットのPIDを取得する(S137)。そして、該取得したPIDをPID情報記憶部22に格納する。
【0176】
ここで取得するPIDは、映像、音声、PCRを格納するTSパケットのPIDの他、暗号化された映像コンテンツを復号する際に用いるECMやEMM(Entitlement Management Message)などを格納するTSパケットのPIDが考えられるが、これらに限定される物ではない。
【0177】
その後、ネットワーク中継装置103aの映像ストリーム送信停止要求部18は、上記受信しているコンテンツの受信を中止するためのLEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信する(S138)。そして、該LEAVEリクエストを受信した上位ネットワーク中継装置102は、上記コンテンツのトランスポートストリームの中継を停止する。
【0178】
そして、ネットワーク中継装置103aは、上記LEAVEリクエストの送信後、引き続き、上記処理を繰り返す(S123〜S138)。
【0179】
そして、すべてのチャンネルのPIDの取得が完了したら(S133にてNO)、ネットワーク中継装置103aのPID情報送信部19が、PID情報記憶部22に格納しているPIDを基にPIDリスト450を生成し、コンテンツ再生装置104aに送信する(S139)。上記PIDリスト450の送信方法としては、例えば、IPのブロードキャストアドレスを指定して、同一サブネットマスク内のすべてのクライアントに同時に送信してもよいし、または、予め指定したクライアント(すなわち、コンテンツ再生装置104a)のIPアドレスに対して送信してもよい。
【0180】
そして、上記PIDリスト450を送信した後、引き続き、上記処理を繰り返す(S123〜S139)。
【0181】
(コンテンツ再生装置における処理の流れ)
次に、図6を参照しながら、コンテンツ再生装置104aが、ネットワーク中継装置103aから得るPIDリストを基に、コンテンツを再生する手順について説明する。図6は、コンテンツ再生装置104aが、ネットワーク中継装置103aから得るPIDリストを基に、コンテンツを再生する流れを示すフローチャートである。
【0182】
なお、ネットワーク中継装置103aは、図5にて示したステップと同一のステップにて処理を行うため、ここでは説明の便宜上、その説明を省略する。
【0183】
コンテンツ再生装置104aにて電源が投入されると(S141にてYES)、まず、ネットワーク中継装置103aが送信しているPIDリスト450を、PID情報受信部111が受信する(S142)。そして、取得したPIDリスト450に記載されている、映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDをPID情報記憶部122に格納する。
【0184】
次に、入力操作部160へのユーザ操作等によりチャンネルを選択すると、映像ストリーム送信要求部112が、チャンネルに対するマルチキャストアドレスへのJOINリクエストをネットワーク中継装置103aに送信する(S143)。
【0185】
そして、映像ストリーム受信部113が、上記JOINリクエストに対するMPEG2−TSのストリームを受信すると(S144)、再生処理部114が、PID情報記憶部122に記憶されている、上記チャンネルの映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDをデコード部115へ設定するとともに、受信した映像ストリームをデコード部115に入力する(S145)。そしてデコードした映像および音声が表示部140にて再生される。
【0186】
そして、ユーザからのチャンネル切り替え指示があるまで、コンテンツ再生装置104aは待機する(S146でNO)。そして、チャンネルの切り替え指示があったとき(S146でYES)、映像ストリーム送信停止要求部119がLEAVEリクエストを送出して、現在受信しているチャンネルのストリームを停止する(S147)。
【0187】
そして、新たに指定されたチャンネルに対して、映像ストリーム送信要求部112が、再びJOINリクエストを送信し(S143)、上記各処理を行って映像および音声を再生する(S144、S145)。
【0188】
(PIDリスト)
次に、図7(a)を参照しながら、PIDリスト450のデータ構造について説明する。図7(a)は、PIDリスト450のデータ構造を模式的に示す図である。図7(a)に示すとおり、PIDリスト450は、チャンネル番号4501、PID番号4502〜4505を含んでいる。さらに、チャンネル番号4501とPID番号4502〜4505との組を複数含んでいる。
【0189】
チャンネル番号4501は、各チャンネルを識別する番号を示す。また、PID番号4502〜4505は、チャンネルに含まれるPMT、映像、音声、PCRを格納するTSパケットのPID番号を示す。
【0190】
なお、ここではPIDの種類は4つ(すなわち、PID番号4502〜4505)として説明したが、4つに限定されるものではない。
【0191】
次に、図7(b)を参照しながら、PIDリスト450の具体的な記述例について説明する。図7(b)は、PIDリスト450の具体的な記述例を示す図である。図7(b)に示すとおり、このPIDリスト450は、チャンネルとして「Channel1」および「Channel2」を含んでいることを示している。そして、「Channel1」に含まれるPIDが、PMT_PID(値は50)、「Audio_PID」(値は100)、「Video_PID」(値は101)、「PCR_PID」(値は101)であることを示している。また、そして、「Channel2」に含まれるPIDが、PMT_PID(値は51)、「Audio_PID」(値は200)、「Video_PID」(値は201)、「PCR_PID」(値は201)であることを示している。
【0192】
(変形例)
上述では、IPマルチキャストによって、ネットワーク中継装置103aからコンテンツ再生装置104aに対して、PIDリスト450を一方的に送信する形態について説明した。しかしながら、PIDリスト450を送信する方法は、上記に限定されるものではない。
【0193】
例えば、コンテンツ再生装置104aのPID情報要求部181からの要求をネットワーク中継装置103aのPID要求受信部81が受信し、PIDリスト450を送信する形態であってもよい。具体的には、コンテンツ再生装置104aからはHTTPのGETリクエストを送信し、ネットワーク中継装置103aはそれに対するレスポンスとしてPIDリスト450を送信するようにしてもよい。または、コンテンツ再生装置104aからネットワーク中継装置103aの特定のTCPポートに対して,“GET PID LIST”などの文字列を送信することによってPIDリスト450の取得を行ってもよい。
【0194】
図8(a)および図8(b)を参照しながら、上記HTTPのGETリクエストおよびそのレスポンスの記述例を説明する。図8(a)は、上記HTTPのGETリクエストの記述例を模式的に示す図である。また、図8(b)は、上記リクエストに対するレスポンスの記述例を模式的に示す図である。
【0195】
図8(a)に示すとおり、HTTPのGETリクエストでは、ネットワーク中継装置103a内のPIDリストがURL「http://router1/pid_list.txt」として指定している。そして、図8(b)に示すとおり、HTTPのレスポンスでは、図7(b)で説明したPIDリスト450の内容が記載されている。
【0196】
また、上述では、ネットワーク中継装置103aが上位ネットワーク中継装置102に対して、JOINリクエストを送信するか否かの条件は、該JOINリクエストにて要求されている映像ストリームを、映像ストリーム受信部12が受信しているか否かに基づいて決定したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツ再生装置104aがネットワーク中継装置103aに対して、PIDの取得を行うべきチャンネルの情報を送信し、ネットワーク中継装置103aが該チャンネル情報に従って、PIDの取得を実施するためにJOINリクエストを送信するか否かを決定してもよい。
【0197】
また、上述では、ネットワーク中継装置103aが、コンテンツ再生装置104aから送信されるJOINリクエストに応じて、上位ネットワーク中継装置102に対してJOINリクエストを送信する形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、常時、ネットワーク中継装置103aにすべての映像ストリームが到着しているような場合は、ネットワーク中継装置103aからの上位ネットワーク中継装置102に対するJOINリクエストは不要であるので、ネットワーク中継装置103aに到着している映像ストリームを解析し、その結果をコンテンツ再生装置104aに送信してもよい。
【0198】
また、上述では、ネットワーク中継装置103aが、コンテンツ再生装置104aからLEAVEリクエストを受信したとき、LEAVEリクエストを送信したコンテンツ再生装置104a以外の他の装置が対応する映像ストリームを受信していなければ、上位ネットワーク中継装置102に対して、LEAVEリクエストを送信し、映像ストリームの停止を要求する形態について説明したが、これに限定されものではない。例えば、通信ネットワーク1130への映像ストリームの中継は停止させておく。そして、通信ネットワーク1120の伝送帯域に余りがある場合は、LEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信せず、そして、伝送帯域に余りがなくなった時点でLEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信してもよい。
【0199】
さらに、ネットワーク中継装置103aが受信している映像ストリームの数が所定数以下の場合はLEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信せず、所定数を超えたときにLEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信してもよい。また、ネットワーク中継装置103aがLEAVEリクエストを受信した後、所定の期間、LEAVEリクエストの対象となるストリームに対するJOINリクエストを受信しなかった場合にだけ、LEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信してもよい。また、LEAVEリクエストを受信した後、上位ネットワーク中継装置102にLEAVEリクエストを送信せず、そのまま映像ストリームを受信し、該受信している映像ストリームから映像や音声のPIDを取得し、該取得したPIDをコンテンツ再生装置104aに送信してもよい。
【0200】
以上のように、本実施の形態におけるネットワーク中継装置103aは、通信ネットワーク1130に中継されていない映像ストリームから、映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDを取得し、コンテンツ再生装置104aに対してPIDリスト450を送信する。また、本実施の形態におけるコンテンツ再生装置104aは、コンテンツの再生に先立って、ネットワーク中継装置103aから送信されるPIDリスト450を受信し、受信したPIDリスト450に記載されている、映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDを基にして、デコード処理を行い、コンテンツを再生する。
【0201】
これにより、コンテンツ再生装置104aは、PIDを事前に取得することが可能となるため、ユーザからチャンネル変更指示があった後、受信しているストリームからPIDを別途取得しなくてもよい場合がある。したがって、ユーザからのチャンネル切り替え指示があってから、切り替え後のコンテンツが再生されるまでに要する時間を短縮することができる。
【0202】
また、本実施の形態におけるネットワーク中継装置103aは、上位ネットワーク中継装置102に対して映像ストリームの送信を要求し、該映像ストリームから、映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDを取得することを繰り返した上で、コンテンツ再生装置104aに対してPIDリスト450を送信する。
【0203】
これにより、コンテンツ再生装置104aは、あらかじめ複数のチャンネルに対応するPIDを事前に取得することが可能となるため、ユーザからチャンネル変更指示があった後、受信しているストリームからPIDを別途取得しなくてもよい機会が多くなる。したがって、ユーザからのチャンネル切り替え指示があってから、切り替え後のコンテンツが再生されるまでに要する時間を短縮することができる。
【0204】
また、本実施の形態におけるネットワーク中継装置103aは、コンテンツ再生装置104aからの指示に応じてPIDリスト450を送信してもよい。
【0205】
これにより、コンテンツ再生装置104aがPIDを必要とする時点においてネットワーク中継装置103aが取得した最新のPIDをコンテンツ再生装置104aに対して送信することが可能となる。そのため、コンテンツ送信装置101から送信されるストリームが、番組に応じて切り替わり、かつ、それに応じてPIDも切り替わるような場合であっても、コンテンツ再生装置104aは、必要とするPIDを取得できる可能性が高まり、受信しているストリームからPIDを別途取得しなくてもよい機会が多くなる。したがって、ユーザからのチャンネル切り替え指示があってから、切り替え後のコンテンツが再生されるまでに要する時間を短縮することができる。
【0206】
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、IPマルチキャストによって、ネットワーク中継装置103aからコンテンツ再生装置104aに対して、PIDリスト450を送信する形態について説明した。しかしながら、コンテンツ再生装置104aに対して、PIDの情報を送信する方法は、上記に限定されるものではない。
【0207】
そこで、本実地形態では、ネットワーク中継装置が、PIDリスト450を送信する代わりに、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを送信する形態について説明する。
【0208】
本発明の一実施形態について図9から図13に基づいて説明すると以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0209】
(コンテンツ再生システムの全体構成)
図9を参照しながら、本実施形態に係るネットワーク中継装置103bとコンテンツ再生装置104bとを含むコンテンツ再生システム100bについて説明する。図9は、本実施形態に係るネットワーク中継装置103bおよびコンテンツ再生装置104bと、コンテンツ送信装置101と、上位ネットワーク中継装置102とを含むコンテンツ再生システム100bの構成を示すブロック図である。
【0210】
ネットワーク中継装置103bは、ネットワーク中継装置103aと同様に、通信ネットワーク1120と通信ネットワーク1130とを相互に接続可能とするネットワーク中継装置(例えば、ブロードバンドルータ)である。
【0211】
コンテンツ再生装置104bは、コンテンツ再生装置104aと同様に、通信ネットワーク1110と通信ネットワーク1120と通信ネットワーク1130とを介して配信される映像コンテンツを再生するクライアントである。
【0212】
(ネットワーク中継装置の構成)
次に、図10を参照しながら、本実施形態に係るネットワーク中継装置103bの構成について説明する。図10は、本実施の一形態に係るネットワーク中継装置103bの構成を示すブロック図である。
【0213】
図10に示すように、ネットワーク中継装置103bは、実施の形態1のネットワーク中継装置103aとほぼ同様の部材を備えているが、記憶部20に代えて記憶部20bを備えている。また、下位通信部40に代えて下位通信部40bを備えている。また、入出力制御部70に代えて入出力制御部70bを備えている。また、制御部10に代えて制御部10bを備えている。
【0214】
記憶部20bは、制御部10bで利用される各種データ、プログラムの実行によって得られたデータなどを記憶するものであり、ROM(Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどで実現される。上記各種データは、記憶部20b内部の各種記憶部、例えば、番組選択条件記憶部24、フィルタ処理情報記憶部25などに記憶される。
【0215】
番組選択条件記憶部24は、番組選択処理部91が、どの映像ストリームの番組識別情報、すなわち、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームをコンテンツ再生装置104bに転送するかを選択するための条件を記憶する。
【0216】
フィルタ処理情報記憶部25は、番組選択処理部91が決定した映像ストリームについて、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームをコンテンツ再生装置104bに送信した旨を記憶する。
【0217】
なお、記憶部20bは、記憶部20と同様に、外部記憶装置として読み取り可能な状態でネットワーク中継装置103bに接続される構成でもよい。
【0218】
下位通信部40bは、実施の形態1の下位通信部40とほぼ同様の部材を備えているが、下位送信部44に代えて下位送信部44bを備えている。
【0219】
下位送信部44bは、コンテンツ再生装置104bに対して、上位ネットワーク中継装置102から受信した映像ストリームを送信し、また、後述する番組識別情報フィルタ処理部92で処理された、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを送信するものであって、下位送信制御部74bにより制御される。
【0220】
入出力制御部70bは、実施の形態1の入出力制御部70とほぼ同様の部材を備えているが、下位送信制御部74に代えて、下位送信制御部74bを備えている。
【0221】
下位送信制御部74bは、下位送信部44bを制御し、映像ストリーム転送部13から受信する映像ストリーム、番組識別情報フィルタ処理部92から受信する、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを下位送信部44bに送信する。
【0222】
制御部10bは、映像ストリーム制御情報処理部11b、映像ストリーム受信部12b、映像ストリーム転送部13b、実施の形態1の映像ストリーム送信要求部17、実施の形態1の映像ストリーム送信停止要求部18、番組選択処理部91、番組識別情報フィルタ処理部92、未送信情報検査部93を備えている。
【0223】
映像ストリーム制御情報処理部11bは、下位受信部43を介して、コンテンツ再生装置104bから送信されたIGMPのJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを受信する。そして、所定条件に応じて、上位送信部32を介して、上位ネットワーク中継装置102に該受信したJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを転送する。
【0224】
上記所定条件とは、例えば、映像ストリーム制御情報処理部11bがJOINリクエストを受信したとき、該JOINリクエストにて要求されている映像ストリームを、映像ストリーム受信部12bが受信していない場合は、上位ネットワーク中継装置102に対して該映像ストリームの転送を要求するために、上記JOINリクエストを転送する。
【0225】
一方、該JOINリクエストにて要求されている映像ストリームを、映像ストリーム受信部12bが受信している場合は、該映像ストリームをコンテンツ再生装置104bに転送する旨を、映像ストリーム転送部13bに送信する。
【0226】
また、映像ストリーム制御情報処理部11がLEAVEリクエストを受信したとき、通信ネットワーク1130に接続されている他の全てのコンテンツ再生装置が、上記LEAVEリクエストにて転送停止を要求されている映像ストリームを受信していない場合は、LEAVEリクエストにて要求されている映像ストリームの転送を停止する旨を、映像ストリーム転送部13bに送信する。また、上位ネットワーク中継装置102に対して該映像ストリームの転送停止を要求するために、上記LEAVEリクエストを転送する。
【0227】
映像ストリーム受信部12bは、上位ネットワーク中継装置102が送信する映像ストリームを、上位受信部31を介して受信する。そして、受信した映像ストリームを映像ストリーム転送部13bおよび番組識別情報フィルタ処理部92に送信する。
【0228】
映像ストリーム転送部13bは、映像ストリーム受信部12bから映像ストリームを受信し、映像ストリーム制御情報処理部11bからの信号に従って、コンテンツ再生装置104bに対して該受信した映像ストリームを転送するか否かを決定する。映像ストリーム制御情報処理部11bから転送する旨の信号を受信すると、映像ストリーム転送部13bは、下位送信制御部74bに該受信した映像ストリームを転送する。一方、映像ストリーム制御情報処理部11bから転送を停止する旨の信号を受信すると、映像ストリーム転送部13bは、下位送信制御部74bに対する映像ストリームの転送を停止する。
【0229】
また、番組識別情報フィルタ処理部92から送信されるPATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを下位送信制御部74bに送信する。
【0230】
なお、上記ストリームの送信方法としては、IPのブロードキャストアドレスを指定して、同一サブネットマスク内のすべてのクライアントに同時に送信してもよいし、または、予め指定したクライアント(すなわち、コンテンツ再生装置104b)のIPアドレスに対して送信してもよい。
【0231】
番組選択処理部91は、どの映像ストリームの番組識別情報、すなわち、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームをコンテンツ再生装置104bに転送するかを、番組選択条件記憶部24に格納されている所定の条件に基づいて決定し、対象となる映像ストリームを決定し、該決定した内容を番組識別情報フィルタ処理部92に送信する。
【0232】
ここで、所定の条件とは、例えば、全ての番組識別情報を転送するという条件であってもよい。また、例えば、コンテンツ再生装置104bにて現在再生中のチャンネルの前後(例えば、コンテンツ再生装置104bにて現在8チャンネルが再生されている場合は、その前後である6チャンネルおよび10チャンネル)の番組識別情報を転送するという条件であってもよい。この場合、コンテンツ再生装置104bから通知されているJOINリクエストに基づいて現在再生中のチャンネル番号を算出し、その前後にあたるチャンネルを決定すればよい。これにより、コンテンツ再生装置104bのユーザが入力操作部160からリモコン操作等で次ボタンや前ボタンなどを押下する際、映像ストリームの切り替えを早くすることができる。
【0233】
番組識別情報フィルタ処理部92は、番組選択処理部91からの信号を受けて、映像ストリーム受信部12bで受信している映像ストリームのうち、番組選択処理部91が決定した映像ストリームに含まれるPATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを生成する。そして、該生成したストリームを映像ストリーム転送部13bに送信する。
【0234】
例えば、映像ストリーム受信部12bで受信している映像ストリームがIETF(The Internet Engineering Task Force)のRFC 1889で規定されているRTPにて伝送されており、各RTPパケットにはMPEG2−TSデータが7個含まれる場合、PATおよびPMTを含むRTPパケットのみを中継するようにすればよい。
【0235】
また、番組識別情報フィルタ処理部92は、どのPATおよびPMTを含むTSパケットを送信したかを、フィルタ処理情報記憶部25または制御部10b内の図示しない内部ファイルに記憶する。
【0236】
未送信情報検査部93は、フィルタ処理情報記憶部25または制御部10b内の図示しない内部ファイルを参照し、受信可能なチャンネルのうち、番組識別情報フィルタ処理部92がコンテンツ再生装置104bにストリームを送信していないチャンネルが有るかどうかを検査する。そして、該チャンネルがあることを検出したら、そのうちの1つのチャンネルについて映像ストリームを要求する旨の信号を映像ストリーム送信要求部17に送信する。
【0237】
(コンテンツ再生装置の構成)
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係るコンテンツ再生装置104bの構成について説明する。図11は、本実施の一形態に係るコンテンツ再生装置104bの構成を示すブロック図である。
【0238】
図11に示すように、コンテンツ再生装置104bは、実施の形態1のコンテンツ再生装置104aとほぼ同様の部材を備えているが、通信部130に代えて通信部130bを備えている。また、入出力制御部170に代えて入出力制御部170bを備えている。また、制御部110に代えて制御部110bを備えている。
【0239】
通信部130bは、実施の形態1の通信部130とほぼ同様の部材を備えているが、受信部131に代えて受信部131bを備えている。
【0240】
受信部131bは、ネットワーク中継装置103bから送信された映像ストリーム、および、ネットワーク中継装置103bから送信された、PATおよびPMTから構成されるストリームを受信する。受信部131bで受信された映像ストリームおよびPATおよびPMTから構成されるストリームは、受信制御部171bへ送られる。
【0241】
入出力制御部170bは、実施の形態1の入出力制御部170とほぼ同様の部材を備えているが、受信制御部171に代えて、受信制御部171bを備えている。
【0242】
受信制御部171bは、受信部131bを制御し、受信した映像ストリームを映像ストリーム受信部113bに送信することに加え、受信したPATおよびPMTから構成されるストリームを番組識別情報受信部193に送信する。
【0243】
制御部110bは、映像ストリーム送信要求部112、映像ストリーム受信部113b、再生処理部114b、デコード部115、映像ストリーム送信停止要求部119、番組識別情報受信部193、番組識別情報取得部194、PID情報取得部195を含んでいる。
【0244】
映像ストリーム受信部113bは、映像ストリームの中継を要求するためのJOINリクエストに対して、ネットワーク中継装置103bが送信する映像ストリームを、受信部131bを介して受信する。そして、受信した映像ストリームを再生処理部114bに送信する。また、ネットワーク中継装置103bが送信する、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを、受信部131bを介して受信する。そして、受信した該ストリームを番組識別情報受信部193に送信する。
【0245】
再生処理部114bは、PID情報記憶部122に格納されているPID情報が有効なものである場合、該PIDをデコード部115に設定する。そして、映像ストリーム受信部113から受信した映像ストリームについて、IP、UDP、RTPなどの各種ヘッダを削除する処理を行った後、デコード部115に送信し、再生指示を行う。一方、PID情報記憶部122に格納されているPID情報が有効なものでない場合、PID情報取得部195から映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDを取得する。そして、これら得られたPIDをデコード部115に設定するとともに、映像ストリーム受信部113から受信した映像ストリームをデコード部115に送信し、再生指示を行う。
【0246】
番組識別情報受信部193は、ネットワーク中継装置103bから送信された、PATおよびPMTから構成されるストリームを解析し、PATおよびPMTを取得する。そして、取得したPMTをPID情報取得部195に送信する。
【0247】
番組識別情報取得部194は、映像ストリーム受信部113bから受信した映像ストリームを解析し、番組識別情報であるPATおよびPMTを取得する。そして、取得したPMTをPID情報取得部195に送信する。
【0248】
PID情報取得部195は、番組識別情報取得部194から送信されるPMTを解析し、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDなどを取得する。同様に、番組識別情報受信部193から送信されるPMTを解析し、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDなどを取得する。そして、これら取得したPIDを、チャンネル番号毎にPID情報記憶部22に格納する。これらPIDは、デコード部115に設定されるPIDとして利用する。
【0249】
(コンテンツを再生するまでの処理の流れ)
次に、図12および図13を参照しながら、コンテンツ再生装置104bが、ネットワーク中継装置103bから送信される、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを基に、コンテンツ送信装置から送信されるコンテンツを再生する手順について説明する。
【0250】
なお、上位ネットワーク中継装置102がコンテンツ送信装置101からコンテンツを受信し、ネットワーク中継装置103bからのリクエストに応じて該コンテンツを送信する処理は、実施の形態1の図4にて示した各ステップにおける処理と同一であるため、説明の便宜上、図示を省略するとともに、その説明を省略する。
【0251】
(ネットワーク中継装置における処理の流れ)
次に、図12を参照しながら、ネットワーク中継装置103bが、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを、コンテンツ再生装置104bに送信する手順について説明する。図12は、ネットワーク中継装置103bが、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを、コンテンツ再生装置104bに送信する流れを示すフローチャートである。
【0252】
なお、ここでは、実施の形態1の図4で説明したように、コンテンツ送信装置101から上位ネットワーク中継装置102に対して、すでに複数のコンテンツがマルチキャスト配信されているものとする。また、上位ネットワーク中継装置102では、実施の形態1の図4にて示した各ステップと同一の処理を行うため、説明の便宜上、その説明を省略する。また、コンテンツ再生装置104bにおける処理の流れは図13にて詳細に説明するので、ここでは必要な処理のみを図示している。
【0253】
また、ネットワーク中継装置103bにおける各ステップにおいて、実施の形態1の図5にて示した各ステップと同一の処理を行うステップについては、説明の便宜上、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0254】
ネットワーク中継装置103bにて電源が投入した後、コンテンツ再生装置104bからJOINリクエストやLEAVEリクエストを受信し、上位ネットワーク中継装置102に対してJOINリクエストおよびLEAVEリクエストを送信する処理(S121〜S132)については、実施の形態1の図5にて示した各ステップと同様である。
【0255】
そして、ネットワーク中継装置103bの未送信情報検査部93が、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを送信すべきチャンネルの有無を検査する(S211)。
【0256】
そして、上記未取得のチャンネルがある場合(S211にてYES)、ネットワーク中継装置103bの映像ストリーム送信要求部17は、該未取得のチャンネルに対応するマルチキャストアドレスに対するJOINリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信する(S212)。
【0257】
上位ネットワーク中継装置102は、上記JOINリクエストを受信すると、ネットワーク中継装置103bに対して、上記JOINリクエストに対応するマルチキャストアドレスで配信されているコンテンツのトランスポートストリームを中継するので、ネットワーク中継装置103bの映像ストリーム受信部12bが、上記ストリームを受信する(S213)。
【0258】
そして、番組識別情報フィルタ処理部92が受信した映像ストリームのうち、番組選択処理部91が決定した番組の映像ストリームに含まれるPATおよびPMTを含むTSパケットを検出し、該TSパケットから構成されるストリームを生成する(S214)。そして、該生成したストリームを映像ストリーム転送部13bを介してコンテンツ再生装置104bに送信する(S215)。
【0259】
そして、上記ストリームを所定期間送信した後、LEAVEリクエストを上位ネットワーク中継装置102に送信し、上記受信している映像ストリームの停止を要求する(S212)。
【0260】
そして、ネットワーク中継装置103bは、上記LEAVEリクエストの送信後、引き続き、上記処理を繰り返す(S123〜S132、S211〜S216)。
【0261】
(コンテンツ再生装置における処理の流れ)
次に、図13を参照しながら、コンテンツ再生装置104bが、ネットワーク中継装置103bから得る、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを基に、コンテンツを再生する手順について説明する。図13は、コンテンツ再生装置104bが、ネットワーク中継装置103bから得る、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを基に、コンテンツを再生する流れを示すフローチャートである。
【0262】
なお、ネットワーク中継装置103aは、図12にて示したステップと同一のステップにて処理を行うため、ここでは説明の便宜上、その説明を省略する。
【0263】
コンテンツ再生装置104bにて電源が投入されると(S221にてYES)、まず、番組識別情報受信部193が、ネットワーク中継装置103bが送信しているストリームの受信を開始し、該受信したストリームを解析し、PATおよびPMTの取得を開始する(S222)。そして、PID情報取得部195が、番組識別情報取得部194から送信されるPMTを解析し、映像を格納するTSパケットのPID、音声を格納するTSパケットのPID、PCRを格納するTSパケットのPIDなどを取得する(S222)。そして、取得したPIDをPID情報記憶部122に格納する。
【0264】
また、映像ストリーム送信要求部112が、電源投入後に再生する所定のチャンネルに対するJOINリクエストをネットワーク中継装置103aに送信する(S223)。
【0265】
そして、映像ストリーム受信部113bが、上記JOINリクエストに対するMPEG2−TSのストリームを受信すると(S224)、再生処理部114bが、PID情報記憶部122に記憶されている、上記チャンネルの映像、音声、PCRなどを格納するTSパケットのPIDをデコード部115へ設定するとともに、受信した映像ストリームをデコード部115に入力する(S225)。そしてデコードした映像および音声が表示部140にて再生される。
【0266】
そして、ユーザからのチャンネル切り替え指示があるまで、コンテンツ再生装置104bは待機する(S226でNO)。そして、チャンネルの切り替え指示があったとき(S226でYES)、映像ストリーム送信停止要求部119がLEAVEリクエストを送出して、現在受信しているチャンネルのストリームを停止する(S227)。
【0267】
そして、新たに指定されたチャンネルに対して、映像ストリーム送信要求部112が、再びJOINリクエストを送信し(S223)、上記各処理を行って映像および音声を再生する(S224、S225)。
【0268】
なお、上述では、ネットワーク中継装置103bが送信しているストリームの受信を開始し、PATおよびPMTの取得を開始するステップ(S222)の後に、所定のチャンネルに対するJOINリクエストをネットワーク中継装置103aに送信するステップ(S223)を行っているが、この順序に限定されるものではない。例えば、所定のチャンネルに対するJOINリクエストをネットワーク中継装置103aに送信するステップの後に、ネットワーク中継装置103bが送信しているストリームの受信を開始し、PATおよびPMTの取得を開始してもよいし、それらを同時に行ってもよい。
【0269】
(変形例)
上述では、ネットワーク中継装置103bは、あらかじめ番組選択条件記憶部24に格納されている所定条件に基づいて、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを生成する対象となる映像ストリームを決定する形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツ再生装置104bから、上記所定条件を取得し、該取得した情報に基づいて決定してもよい。
【0270】
ここで上記所定条件について以下に例を挙げて説明する。例えば、コンテンツ再生装置104bにて視聴されているチャンネルが切り替わった場合に、切り替わり後のチャンネルの前後の番号に対応するチャンネルの映像ストリームを、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを生成する対象として決定するという所定条件が考えられる。この場合、コンテンツ再生装置104bからネットワーク中継装置103bに対して、上記切り替わり後のチャンネルの前のチャンネル番号と、上記切り替わり後のチャンネルの後のチャンネル番号とを送信する。そして、ネットワーク中継装置103bが送信されたチャンネル番号に基づいて、切り替わり後のチャンネルの前後の番号に対応するチャンネルの映像ストリームを決定する。これにより、コンテンツ再生装置104bのユーザが入力操作部160からリモコン操作等で次ボタンや前ボタンなどを押下する際、映像ストリームの切り替えを早くすることができる。
【0271】
また、上記所定条件の他の例について以下で説明する。例えば、コンテンツ再生装置104bを使用しているユーザを特定することができる場合(例えば、ユーザ個人の携帯電話を入力操作部160としてのリモコンして利用できる場合)、コンテンツ再生装置104bのユーザが切り替わったときに、切り替わり後のユーザの嗜好に合った映像ストリームを、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを生成する対象として決定するという所定条件が考えられる。この場合、コンテンツ再生装置104bは、あらかじめ設定されているユーザの嗜好情報(番組のジャンルなどの情報)と、番組表情報から取得した現在放送中の番組に付随する情報(ジャンルや出演者などの情報)とを比較し、ユーザの嗜好に合う番組のチャンネル番号をネットワーク中継装置103bに対して送信する。そして、ネットワーク中継装置103bが送信されたチャンネル番号に基づいて、映像ストリームを決定する。これにより、コンテンツ再生装置104bのユーザが入力操作部160からリモコン操作等で嗜好にあった番組を選択したとき、映像ストリームの切り替えを早くすることができる。
【0272】
なお、上記に挙げた所定条件の例は一例であり、これに限定されるものではない。
【0273】
また、上述では、ネットワーク中継装置103bは、PATおよびPMTを含むTSパケットを中継する形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ネットワーク中継装置103bがさらにPMTを解析し、ECMやEMMを含むTSパケットのPIDを取得し、該取得したECMやEMMを含むTSパケットも中継してもよい。この場合、コンテンツ再生装置104bは、映像ストリームが到着するより前に、復号鍵を生成するのに必要な情報を獲得できるようになるため、暗号されたコンテンツを受信してから再生するまでに要する時間を短縮することが可能となる。
【0274】
以上のように、本実施の形態におけるネットワーク中継装置103bは、映像ストリームからPATおよびPMTを含むTSパケットのデータを抽出して中継する。また、本実施の形態におけるコンテンツ再生装置104bは、ネットワーク中継装置103bにて抽出されたPATおよびPMTを含むTSパケットの情報に基づいて、すなわち、受信する映像ストリームの解析を行わずに、コンテンツの再生を行う。そして、コンテンツ再生装置104bは、映像ストリームが到着する前に、PATおよびPMTを取得することができる。したがって、映像ストリームが到着してからコンテンツを再生し始めるまでに要する時間を短縮することが可能となる。
【0275】
また、コンテンツ再生装置104bが再生しない映像ストリームを全て通信ネットワーク1130に中継すると、コンテンツ再生装置104bが現在受信している映像ストリームの伝送効率を低下させる可能性がある。しかしながら、本実施の形態におけるネットワーク中継装置103bは、映像ストリームのうち、PATおよびPMTを含むTSパケットを通信ネットワーク1130に中継するので、通信ネットワーク1130に流れるデータ量を減少させることができ、コンテンツ再生装置104bが現在受信している映像ストリームの伝送効率を低下させないようにすることが可能となる。
【0276】
(付記事項)
本発明の各実施形態において、映像の配信方法としてIPマルチキャスト技術を用いる形態について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、RTSPやHTTPによるユニキャストを用いて映像を配信してもよい。この場合、コンテンツ送信装置101に対する映像配信の開始要求は、事前にネットワーク中継装置103a、ネットワーク中継装置103b、コンテンツ再生装置104a、コンテンツ再生装置104bのいずれかから送信するが、実際に映像の再生を行う際に映像ストリームがコンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bに届くように、ネットワーク中継装置103aまたはネットワーク中継装置103bが制御を行う。
【0277】
ここで上記制御とは例えば、コンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bからRTSPやHTTPのリクエストが送信される場合、ネットワーク中継装置103aまたはネットワーク中継装置103bがブロードバンドルータとして、NAT(Network Address Translation)機能によるアドレス変換を行うことにより、コンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bと、コンテンツ送信装置101とが通信できるようにする制御である。
【0278】
さらに、例えば、ネットワーク中継装置103aまたはネットワーク中継装置103bがコンテンツ送信装置101に対してコンテンツを要求しており、また、コンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bに番組識別情報を流しているときに、コンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bから番組のリクエストがあった場合は、1)コンテンツ送信装置101と、コンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bとの間でRTSPやHTTPのコネクションを確立したり、2)ネットワーク中継装置103aまたはネットワーク中継装置103bで受信しているストリームを該要求したコンテンツ再生装置104aまたはコンテンツ再生装置104bに対して再送するようにする制御である。
【0279】
また、本発明に係るネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104bが処理する映像コンテンツは、映像データ、音声データ、またはそれらを組み合わせたものであってもよく、また、特定のフォーマットに限定されるものではない。
【0280】
なお、実施の形態は上述の他に、以下のようにも表現できる。
【0281】
[1]本発明に係るネットワーク中継装置は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継装置であって、前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得する手段と、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送信手段とを有するものであってもよい。
【0282】
[2]さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、前記多重化されたデータストリームの送信を要求する送信要求手段とをさらに有するであってもよい。
【0283】
[3]さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、前記再生装置からの識別情報の要求を受けつける、識別情報要求受付手段をさらに有し、前記識別情報送信手段による識別情報の送信は、前記再生装置からの識別情報の要求に応じて行われるものであってもよい。
【0284】
[4]本発明に係るネットワーク中継装置は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継装置であって、複数のデータストリームの中から、前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるデータストリームを決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたデータストリームの前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるフィルタリング手段とを有するものであってもよい。
【0285】
[5]さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、前記決定手段における決定は、再生装置から指定される条件に基づくものであってもよい。
【0286】
[6]さらに、本発明に係るネットワーク中継装置は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータは、MPEG2-TS(Moving Picture Experts Group 2 − Transport Stream)データであり、番組指定情報はPAT (Program Association Table), PMT(Program Mapped Table)を含み、前記映像及び音声の識別情報は映像及び音声のPID(Program ID)であってもよい。
【0287】
[7]本発明に係る中継方法は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継方法であって、前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得する処理と、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得する識別情報取得処理と、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送信処理とを含むものであってもよい。
【0288】
[8]本発明に係る中継方法は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継方法であって、複数のデータストリームの中から、前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるデータストリームを決定する決定処理と、前記決定手段によって決定されたデータストリームの前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるフィルタリング処理とを含むものであってもよい。
【0289】
[9]本発明に係るコンテンツ再生装置は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを中継する中継装置と、該データストリームを再生する再生装置を含む通信システムにおける再生装置であって、前記中継装置は、前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得し、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得し、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送し、前記再生装置は、前記中継装置から送信された識別情報に基づいて再生を行う再生手段を有するものであってもよい。
【0290】
[10]本発明に係るシステムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを中継する中継装置と、該データストリームを再生する再生装置を含む通信システムであって、前記中継装置は、
前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得する手段と、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送信手段とを有し、前記再生装置は、前記中継装置から送信された識別情報に基づいて再生を開始する開始手段を有するものであってもよい。
【0291】
[11]本発明に係るコンテンツ再生装置は、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを中継する中継装置と、該データストリームを再生する再生装置を含む通信システムにおける再生装置であって、前記中継装置は、複数のデータストリームの中から、前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるデータストリームを決定する決定し、決定されたデータストリームから前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるようにフィルタリングを行い、前記再生装置は、前記中継装置によってフィルタリングされた、前記番組識別情報を含むデータを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信したデータから映像及び音声の識別情報を取得し、該識別情報に基づいて再生を行う再生手段を有するものであってもよい。
【0292】
[12]本発明に係るシステムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを中継する中継装置と、該データストリームを再生する再生装置を含む通信システムであって、前記中継装置は、複数のデータストリームの中から、前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるデータストリームを決定する決定手段と、前記決定手段によって決定されたデータストリームから前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるフィルタリング手段とを有し、前記再生装置は、前記中継装置によってフィルタリングされた、前記番組識別情報を含むデータを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信したデータから識別情報を取得し、該識別情報に基づいて再生を開始する開始手段を有するものであってもよい。
【0293】
[13]本発明に係るプログラムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継装置のプログラムであって、前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得するステップと、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送信ステップを中継装置に実行させるものであってもよい。
【0294】
[14]本発明に係るプログラムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生装置に中継する中継装置のプログラムであって、所定のストリームについては、前記番組識別情報を含むデータのみ中継するステップを中継装置に実行させるものであってもよい。
【0295】
[15]本発明に係るプログラムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを受信する再生装置と、再生装置に前記データストリームを中継する中継装置を含む通信システムにおける再生装置のプログラムであって、前記中継装置は、前記多重化されたデータストリームから番組識別情報を取得し、前記番組識別情報から1つ以上の番組の映像及び音声の識別情報を取得し、前記映像及び音声の識別情報を送信する識別情報送し、前記プログラムは、前記中継装置から送信された識別情報に基づいて再生を開始するステップを再生装置に実行させるものであってもよい。
【0296】
[16]本発明に係るプログラムは、通信網を介して伝送される、番組識別情報を含む情報に異なる識別子を付与することで多重化されたデータストリームを再生する再生装置と再生装置に前記データストリームを中継する中継装置を含む通信システムにおける再生装置のプログラムであって、前記中継装置は、データストリームから、前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるデータストリームを決定し、決定されたデータストリームから前記番組識別情報を含むデータのみを中継させるようフィルタリングし、前記プログラムは、前記中継装置の前記フィルタリング手段によってフィルタリングされた、前記番組識別情報を含むデータを受信するステップと、前記受信手段によって受信したデータから識別情報を取得し、該識別情報に基づいて再生を開始するステップとを再生装置に実行させるものであってもよい。
【0297】
最後に、制御部10、10b、110、110bは、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよいし、ハードウェアロジックによって構成してもよい。ソフトウェアによって実現する場合は、ネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、ネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104bに供給し、ネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104b内のコンピュータ(またはCPUやMPU(Micro Processing Unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0298】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0299】
また、ネットワーク中継装置103a・103b、コンテンツ再生装置104a・104bを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394ケーブル、USBケーブル、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802。11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0300】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0301】
本発明は、通信ネットワークを介して伝送される、多重化された映像や音声をネットワーク上で中継することができるネットワーク中継装置、および、該中継された映像や音声を受信し、再生することができるコンテンツ再生装置に適用することが可能であり、特に、MPEG2−TSを用いて配信される映像ストリームをネットワーク上で中継することができるネットワーク中継装置、および、該映像ストリームを受信し、再生することができるコンテンツ再生装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0302】
【図1】図2に示したコンテンツ再生システムにおけるネットワーク中継装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るネットワーク中継装置とコンテンツ再生装置とを含むコンテンツ再生システムの要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したコンテンツ再生システムにおけるコンテンツ再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した上位ネットワーク中継装置が、図2に示したコンテンツ送信装置からコンテンツを受信し、図2に示したネットワーク中継装置からのリクエストに応じて該コンテンツを送信する処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1に示したネットワーク中継装置が、図2に示したコンテンツ送信装置からすべてのチャンネルについてのPIDを取得し、図3に示したコンテンツ再生装置にPIDリストを送信する流れを示すフローチャートである。
【図6】図3に示したコンテンツ再生装置が、図1に示したネットワーク中継装置から得るPIDリストを基に、コンテンツを再生する流れを示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、本発明の実施形態に係るPIDリストのデータ構造を模式的に示す図である。図7(b)は、図7(a)に示したPIDリストの具体的な記述例を示す図である。
【図8】図8(a)は、本発明の実施形態に係るPIDリストを送信するときの、HTTPのGETリクエストの記述例を模式的に示す図である。図8(b)は、図8(a)に示したリクエストに対するレスポンスの記述例を模式的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る他のネットワーク中継装置と他のコンテンツ再生装置とを含むコンテンツ再生システムの要部構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示したコンテンツ再生システムにおけるネットワーク中継装置の要部構成を示すブロック図である。
【図11】図9に示したコンテンツ再生システムにおけるコンテンツ再生装置の要部構成を示すブロック図である。
【図12】図10に示したネットワーク中継装置が、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを、図11に示したコンテンツ再生装置に送信する流れを示すフローチャートである。
【図13】図11に示したコンテンツ再生装置が、図10に示したネットワーク中継装置から得る、PATおよびPMTを含むTSパケットから構成されるストリームを基に、コンテンツを再生する流れを示すフローチャートである。
【図14】トランスポートストリームパケットのデータ構造を模式的に示す図である
【図15】図15(a)は、トランスポートストリームに多重化する映像データおよび音声データを模式的に示す図である。図15(b)は、図15(a)で示した映像データおよび音声データをトランスポートストリームパケット単位に分割した様子を模式的に示す図である。図15(c)は、図15(b)で示した分割後のデータに対して、ヘッダ部およびアダプテーション部を付加した様子を模式的に示す図である。図15(d)は、図15(c)で示したヘッダ部およびアダプテーション部を付加したパケットを集めて1つのトランスポートストリームとした様子を模式的に示す図である。
【図16】IPマルチキャスト技術によって、コンテンツ送信装置からネットワーク中継装置を介して受信装置にコンテンツを配信し、受信装置がコンテンツを表示する手順、および、コンテンツを切り替える処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0303】
11 映像ストリーム制御情報処理部
11b 映像ストリーム制御情報処理部
12 映像ストリーム受信部
12b 映像ストリーム受信部
13 映像ストリーム転送部
13b 映像ストリーム転送部
14 番組識別情報取得部(番組識別情報取得手段)
15 PID情報取得部(パケット識別情報取得手段)
16 PID情報検査部
17 映像ストリーム送信要求部(ストリーム送信要求手段)
18 映像ストリーム送信停止要求部
19 PID情報送信部(パケット識別情報送信手段)
22 PID情報記憶部
24 番組選択条件記憶部
25 フィルタ処理情報記憶部
81 PID要求受信部
91 番組選択処理部(対象ストリーム決定手段)
92 番組識別情報フィルタ処理部(番組識別情報抽出手段)
93 未送信情報検査部
100a コンテンツ再生システム
100b コンテンツ再生システム
101 コンテンツ送信装置(第1の外部装置)
103a ネットワーク中継装置
103b ネットワーク中継装置
104a コンテンツ再生装置(第2の外部装置)
104b コンテンツ再生装置(第2の外部装置)
111 PID情報受信部
112 映像ストリーム送信要求部
113 映像ストリーム受信部
113b 映像ストリーム受信部
114 再生処理部
114b 再生処理部
115 デコード部(デコード処理手段)
119 映像ストリーム送信停止要求部
122 PID情報記憶部
181 PID情報要求部
193 番組識別情報受信部(番組識別情報受信手段)
194 番組識別情報取得部
195 PID情報取得部(パケット識別情報取得手段)
450 PIDリスト
451 PID取得要求
1110 通信ネットワーク(第1通信ネットワーク)
1120 通信ネットワーク(第1通信ネットワーク)
1130 通信ネットワーク(第2通信ネットワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置であって、
上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得手段と、
上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得手段と、
上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信手段とを備えることを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項2】
上記外部の装置に対して上記ストリームの送信を要求するストリーム送信要求手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク中継装置。
【請求項3】
上記パケット識別情報取得手段が、上記コンテンツ再生装置からの指示に応じて、上記取得したパケット識別情報を、該コンテンツ再生装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク中継装置。
【請求項4】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置であって、
上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出してコンテンツ再生装置に中継する対象となるストリームを、所定条件に基づき決定する対象ストリーム決定手段と、
上記決定したストリームに含まれる、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して中継する番組識別情報抽出手段とを備えることを特徴とするネットワーク中継装置。
【請求項5】
対象ストリーム決定手段が、上記コンテンツ再生装置から送信される所定条件に基づき、上記対象とするストリームを決定することを特徴とする請求項4に記載のネットワーク中継装置。
【請求項6】
上記ストリームがMPEG2−TS(Moving Picture Experts Group2 - Transport Stream)であり、上記番組識別情報がPAT(Program Association Table)およびPMT(Program Mapped Table)を含み、上記パケット識別情報がPID(Packet Identifier)であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワーク中継装置。
【請求項7】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置が実行するネットワーク中継方法であって、
上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出してコンテンツ再生装置に中継する対象となるストリームを決定する対象ストリーム決定ステップと、
上記決定したストリームに含まれる、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して中継する番組識別情報抽出ステップとを含むことを特徴とするネットワーク中継方法。
【請求項8】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する外部の装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツ再生装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記外部の装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記コンテンツ再生装置からの要求に応じて、該コンテンツ再生装置に中継するネットワーク中継装置が実行するネットワーク中継方法であって、
上記受信したストリームから、上記番組識別情報を取得する番組識別情報取得ステップと、
上記取得した番組識別情報から、上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得ステップと、
上記取得したパケット識別情報を、1または複数の上記コンテンツ再生装置に送信するパケット識別情報送信ステップとを含むことを特徴とするネットワーク中継方法。
【請求項9】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する第1の外部装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツを再生する第2の外部装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記第1の外部装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記第2の外部装置からの要求に応じて、該第2の外部装置に中継し、
上記受信したストリームから上記番組識別情報を取得し、該取得した番組識別情報から上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得し、該取得したパケット識別情報を送信するネットワーク中継装置
と第2通信ネットワークを介して接続され、上記中継されたストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、
上記ネットワーク中継装置から送信される上記パケット識別情報を受信するパケット識別情報受信手段と、
上記受信したパケット識別情報を使用して、上記受信したストリームをデコードするデコード処理手段とを備えることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項10】
1または複数のコンテンツに含まれる映像および音声の少なくとも一方を複数のパケットに分割し、該パケットおよびコンテンツを識別する番組識別情報を含むパケットに各パケットが識別可能なパケット識別情報を付与し、該パケット識別情報が付加された各パケットを多重化し、1つのストリームとして伝送する第1の外部装置と第1通信ネットワークを介して接続され、
上記ストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生する1または複数のコンテンツを再生する第2の外部装置と第2通信ネットワークを介して接続され、
上記第1の外部装置から複数の上記ストリームを受信し、該受信したストリームを上記第2の外部装置からの要求に応じて、該第2の外部装置に中継し、
上記受信する複数のストリームの中から、上記番組識別情報を含むパケットを抽出して上記第2の外部装置に中継する対象となるストリームを決定し、該決定したストリームに含まれる上記番組識別情報を含むパケットを中継するネットワーク中継装置
と第2通信ネットワークを介して接続され、上記中継されたストリームを受信し、該受信したストリームに含まれるコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、
上記ネットワーク中継装置から送信される上記番組識別情報を含むパケットを受信する番組識別情報受信手段と、
上記受信した番組識別情報から上記受信したストリームに含まれるパケットのパケット識別情報を取得するパケット識別情報取得手段と、
上記取得したパケット識別情報を使用して、上記受信したストリームをデコードするデコード処理手段とを備えることを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワーク中継装置と、請求項9に記載のコンテンツ再生装置とを備えることを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項12】
請求項4または5に記載のネットワーク中継装置と、請求項10に記載のコンテンツ再生装置とを備えることを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項13】
請求項1から6のいずれか1項に記載のネットワーク中継装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項9または10に記載のコンテンツ再生装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項13または14のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−311968(P2008−311968A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158018(P2007−158018)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】