説明

ネットワーク管理装置およびネットワーク管理方法

【課題】QoSクラスを用いるネットワークにおける各サービスのトラヒックの運用状況を把握しやすくする。
【解決手段】ネットワーク管理装置10は、ネットワークの転送装置2およびサーバ装置3それぞれの扱うトラヒックの親子関係を示したトラヒック情報間関連情報131と、各サーバ装置3がセッション制御やデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置2を示した収容関係情報133とを記憶する。そして、転送装置2からQoSクラス別の使用帯域、サーバ装置3からサービス別の割り当て帯域を示すトラヒック情報を収集する。そして、これらの情報をもとに、各トラヒックの内訳とともに、各転送装置2のQoSクラス別のトラヒックが、どのサービスに使用されているかを示したサービス利用状況情報を作成し、出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを構成するサーバ装置やルータから収集したトラヒック情報により、ネットワークの使用帯域等を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のネットワーク管理システムにおいて、サーバ装置等が提供するサービス別のトラヒック情報(割り当て帯域)や、転送装置(ルータ等)におけるQoS(Quality of Service)クラスごとのトラヒック情報(実際の使用帯域)を取得する技術がある(非特許文献1〜3)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】新ATOMICS、[online]、[平成21年11月19日検索]、インターネット、<URL:http://www.ntt-review.jp/yougo/word.php?word#id=3370>
【非特許文献2】MRTG、[online]、[平成21年11月19日検索]、インターネット、<URL:http://www.mrtg.jp/doc/>
【非特許文献3】X-OSS、[online]、[平成21年11月19日検索]、インターネット、<URL: http://www.ntt.co.jp/journal/0306/files/jn200306020.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各転送装置により転送されるトラヒックは、どのようなサービスに利用されるトラヒックであるか分からなかったため、例えば、所定の転送装置において、あるQoSクラスの使用帯域が急増したときに、その使用帯域の増加は、どのサービスの使用帯域(割り当て帯域)が増加したことが原因か等を特定することができなかった。つまり、転送装置におけるQoSクラス別の使用帯域に影響を与えているサービスを特定する等、ネットワークにおけるトラヒックの運用状況を把握することが困難であった。そこで、本発明は、前記した問題を解決し、QoSクラスを用いるネットワークにおける各サービスのトラヒックの運用状況を把握可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、端末装置間のセッション制御またはデータ配信を行うサーバ装置と、そのサーバ装置および端末装置へ、QoSクラスに基づくトラヒックの転送を行う転送装置とを備えるネットワークにおいて、ネットワークにおけるトラヒックの運用状況を管理するネットワーク管理装置であって、サーバ装置におけるサービスそれぞれのトラヒック、および、転送装置におけるQoSクラスそれぞれのトラヒックごとに、そのトラヒックと関連するトラヒックを集約した親トラヒックを示したトラヒック情報間関連情報と、ネットワークにおける転送装置およびサーバ装置の接続関係を示した接続関係情報と、サーバ装置ごとに、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際、エッジルータとなる転送装置を示した収容関係情報とを記憶する記憶部と、入出力部経由で、ネットワークの転送装置それぞれから、当該転送装置におけるQoSクラスごとの使用帯域を示す転送装置のトラヒック情報と、サーバ装置それぞれから、当該サーバ装置に割り当てられている帯域を示すサーバ装置のトラヒック情報とを収集するトラヒック収集部と、収集したトラヒック情報を記憶する記憶部と、(1)接続関係情報を参照して、転送装置およびサーバ装置の接続関係を示す情報と、(2)収容関係情報を参照して、サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報とを作成するとともに、(3)トラヒック情報間関連情報およびトラヒック情報を参照して、エッジルータとなる転送装置におけるQoSクラス別のトラヒックの使用帯域と、そのQoSクラスのトラヒックに対し、当該トラヒックを親トラヒックとするサーバ装置のトラヒックの割り当て帯域とを関連付けて示した情報を作成し、出力するトラヒック出力部とを備えることを特徴とするネットワーク管理装置とした。
【0006】
請求項2に記載の発明は、端末装置間のセッション制御またはデータ配信を行うサーバ装置と、そのサーバ装置および前記端末装置へ、QoSクラスに基づくトラヒックの転送を行う転送装置とを備えるネットワークにおいて、サーバ装置におけるサービスそれぞれのトラヒック、および、転送装置におけるQoSクラスそれぞれのトラヒックごとに、そのトラヒックと関連するトラヒックを集約した親トラヒックを示したトラヒック情報間関連情報と、ネットワークを構成する転送装置およびサーバ装置の接続関係を示した接続関係情報と、サーバ装置ごとに、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際、エッジルータとなる転送装置を示した収容関係情報とを記憶する記憶部を備えネットワークにおけるトラヒックの運用状況を管理するネットワーク管理装置が、入出力部経由で、ネットワークの転送装置それぞれから、当該転送装置におけるQoSクラスごとの使用帯域を示す転送装置のトラヒック情報と、サーバ装置それぞれから、当該サーバ装置に割り当てられている帯域を示すサーバ装置のトラヒック情報とを収集するステップと、収集したトラヒック情報を記憶部に記憶するステップと、接続関係情報を参照して、転送装置およびサーバ装置の接続関係を示す情報を作成するステップと、収容関係情報を参照して、サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報を作成するステップと、トラヒック情報間関連情報およびトラヒック情報を参照して、エッジルータとなる転送装置におけるQoSクラス別のトラヒックの使用帯域と、そのQoSクラスのトラヒックに対し、当該トラヒックを親トラヒックとするサーバ装置のトラヒックの割り当て帯域とを関連付けて示した情報を作成し、転送装置およびサーバ装置の接続関係を示す情報と、サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報とともに出力するステップとを実行することを特徴とするネットワーク管理方法とした。
【0007】
このようなネットワーク管理装置によれば、転送装置とサーバ装置とのトラヒックの関連付けが可能となり、QoSクラスを用いるネットワークにおける各サービスのトラヒックの運用状況を把握可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、転送装置とサーバ装置とのトラヒックの関連付けが可能となり、QoSクラスを用いるネットワークにおける各サービスのトラヒックの運用状況を把握可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態のネットワーク管理装置の構成を例示した図である。
【図2】図1のトラヒック情報間関連情報、接続関係情報、収容関係情報およびトラヒック情報DBを例示した図である。
【図3】図1のトラヒック出力部の出力するサービス利用状況情報を例示した図である。
【図4】図1のトラヒック出力部の処理手順を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、図1を用いて本実施の形態のネットワーク管理装置10の構成を説明する。ネットワーク管理装置10は、転送装置2から、この転送装置2におけるQoSクラス別の使用帯域を示すトラヒック情報や、端末装置(図示省略)間のセッション制御を行うサーバ装置3(例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ等)から、サービス別に割り当てられた帯域を示すトラヒック情報を収集する。そして、ネットワーク管理装置10は、この収集したトラヒック情報と、各トラヒックの親子関係(内訳)を示すトラヒック情報間関連情報131(あるサービスに割り当てられた帯域は、実際には、どの装置のインタフェースのどのQoSクラスの帯域を用いた帯域であるか等を示した情報)や、各サーバ装置3がセッション制御を行うトラヒックのエッジルータとなる転送装置2を示した収容関係情報133を参照して、転送装置2におけるQoSクラス別の使用帯域の内訳を示した情報(サービス利用状況情報、図3参照)を作成する。なお、転送装置2は、例えば、ルータや、レイヤ2スイッチ等であり、QoSクラスに基づくパケットの転送を行う。また、サーバ装置3は、SIPサーバ以外に、映像配信サーバ、音声配信サーバ等、端末装置へデータ配信を行う装置であってもよい。
【0011】
このようなネットワーク管理装置10は、入出力部11、記憶部13および処理部12を備えるコンピュータにより実現される。
【0012】
入出力部11は、入出力インタフェースやIP(Internet Protocol)等により通信可能な通信インタフェースから構成される。また、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体から構成される。なお、ネットワーク管理装置10をプログラム実行処理により実現する場合、記憶部13には、このネットワーク管理装置10の機能を実現するためのプログラムが格納される。また、処理部12は、このネットワーク管理装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理や、専用回路等により実現される。
【0013】
まず、記憶部13に記憶される各種情報を説明する。記憶部13は、トラヒック情報間関連情報131と、接続関係情報132と、収容関係情報133とを記憶する。また、この記憶部13は、トラヒック収集部121(後記)により収集されたトラヒック情報群であるトラヒック情報DB134を記憶する領域を備える。
【0014】
トラヒック情報間関連情報131は、サーバ装置3におけるサービスそれぞれのトラヒック、および、転送装置2におけるQoSクラスそれぞれのトラヒックごとに、そのトラヒックと関連するトラヒックを集約した親トラヒックを示した情報である。このトラヒック情報間関連情報131は、図2(a)に例示するように、トラヒックIDごとに、そのトラヒックIDのトラヒックの親トラヒックのトラヒックIDを示した情報である。例えば、図2(a)に示すトラヒック情報間関連情報131は、インタフェース1のQoSクラスA,B,Cのトラヒック(使用帯域)の親トラヒックは、インタフェース1のトラヒックであることを示す。また、サービスA1,A2の使用帯域(割り当て帯域)は、インタフェース1のQoSクラスAの使用帯域であることを示す。このトラヒック情報間関連情報131は、トラヒック出力部123が、サービス利用状況情報(図3参照)を作成する際に参照される。
【0015】
接続関係情報132は、ネットワークを構成する転送装置2およびサーバ装置3がどのインタフェースにより接続されるかを示した情報である。この接続関係情報132は、図2(b)に例示するように、転送装置2やサーバ装置3の装置IDおよびその装置のインタフェースのインタフェースIDごとに、そのインタフェースにより接続される接続先の装置(転送装置2やサーバ装置3)の装置IDと、その接続に用いられるインタフェースのインタフェースIDとを示した情報である。例えば、図2(b)に示す接続関係情報132は、装置ID「2A」の装置(転送装置2A)は、インタフェースID「2」のインタフェースにより、装置ID「2B」の装置(転送装置2B)のインタフェースID「1」のインタフェースに接続されていることを示す。この接続関係情報132も、トラヒック出力部123が、サービス利用状況情報(図3参照)を作成する際に参照される。
【0016】
収容関係情報133は、サーバ装置3ごとに、このサーバ装置3がセッション制御やデータ配信を行う際、エッジルータとなる転送装置2を示した情報である。つまり、サーバ装置3が収容する転送装置2を示した情報である。例えば、図2(c)に示す収容関係情報133は、装置ID「3A」の装置(サーバ装置3A)がセッション制御やデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置2は、装置ID「2A」の装置(転送装置2A)であることを示す。この収容関係情報133は、トラヒック出力部123が、サービス利用状況情報(図3参照)を作成する際に参照される。
【0017】
トラヒック情報DB134は、トラヒック収集部121が収集したトラヒック情報群である。このトラヒック情報は、ネットワーク内の装置IDごとに、その装置(転送装置2およびサーバ装置3)を経由するトラヒックのトラヒックIDと、そのトラヒックのトラヒック値(使用帯域)とを示した情報である。例えば、図2(d)に示すトラヒック情報DB134は、装置ID「2A」の装置(転送装置2A)のインタフェース1の使用帯域は、「500Mbps」であることを示す。また、装置ID「2A」の装置(転送装置2A)のインタフェース1のQoSクラスAの使用帯域は、「100Mbps」であり、QoSクラスBの使用帯域は「150Mbps」であり、QoSクラスCの使用帯域は「250Mbps」であることを示す。また、装置ID「3A」の装置(サーバ装置3A)のサービスA1の使用帯域(割り当て帯域)は、「25Mbps」であり、サービスA2の使用帯域(割り当て帯域)は、「75Mbps」であることを示す。このトラヒック情報DB134は、トラヒック出力部123が、サービス利用状況情報(図3参照)における各インタフェースの使用帯域や使用帯域の内訳を作成する際に参照される。なお、このトラヒック情報DB134は、図2(d)に示すように、各トラヒック情報を計測した(または収集した)日時に関する情報を含んでいてもよい。
【0018】
次に、図1の処理部12を説明する。この処理部12は、ネットワーク管理装置10全体の制御を司り、ここでは主に、転送装置2やサーバ装置3からネットワーク情報を収集し、サービス利用状況情報を作成する。このような処理部12は、トラヒック収集部121と、トラヒック集計部122と、トラヒック出力部123とを備える。
【0019】
トラヒック収集部121は、入出力部11経由で、ネットワーク内の転送装置2(2A,2B,2C)、サーバ装置3(3A,3B,3C)から、各装置により測定されたネットワーク情報を収集する。そして、このネットワーク情報を、トラヒック情報DB134に蓄積する。このネットワーク情報は、前記したトラヒック情報DB134(図2(d)参照)に示すように、その装置が転送装置2であれば、この転送装置2が当該トラヒックに使用している使用帯域およびQoSクラスごとの使用帯域を示した情報である。この情報には、転送装置2が複数のインタフェースを持つのであれば、インタフェースごとに、当該インタフェースを使って転送されるトラヒックの使用帯域およびQoSクラスごとの使用帯域が示される。また、その装置がサーバ装置3であれば、そのサーバ装置3が当該トラヒックにより提供するサービスごとに、そのサービスに割り当てられた帯域(使用帯域)が示される。
【0020】
トラヒック集計部122は、トラヒック情報DB134に蓄積されたトラヒック情報のうち、所定期間のトラヒック情報を読み出し、トラヒック出力部123へ出力する。なお、どの期間のトラヒック情報を読み出すかは、入出力部11経由で設定されるものとする。
【0021】
トラヒック出力部123は、トラヒック集計部122により出力されたトラヒック情報と、記憶部13に記憶されるトラヒック情報間関連情報131、接続関係情報132および収容関係情報133を参照して、サービス利用状況情報(図3参照)を作成する。このトラヒック出力部123による処理の詳細は、フローチャートを用いて後記する。
【0022】
次に、適宜、図1〜3を参照しつつ、図4を用いて、トラヒック出力部123の処理の詳細を説明する。ここでは、既に、ネットワーク管理装置10がトラヒック情報を収集し、収集したトラヒック情報をトラヒック情報DB134に蓄積しているものとする。
【0023】
まず、図1のトラヒック出力部123は、接続関係情報132(図2(b)を参照)を参照して、装置IDごとに、その装置IDに対応する装置と、接続先装置IDに対応する装置との間を、例えば、実線でつないだ画像情報を作成する。また、装置の中にインタフェースを描く場合はインタフェース間を実線でつないだ画像情報を作成する(S1)。
【0024】
例えば、トラヒック出力部123は、接続関係情報132を参照して、図3に例示するように、転送装置2(2A〜2E)、サーバ装置3(3A,3B)および端末装置4(4A,4B)のうち、接続されている装置間を実線でつないだ画像情報を作成する。
【0025】
次に、トラヒック出力部123は、収容関係情報133(図2(c)参照)を参照して、サーバ装置3の装置IDごとに、その装置ID(サーバ装置3)に対応する装置と、収容装置ID(転送装置2)に対応する装置との間を、例えば、破線でつないだ画像情報を作成する(図4のS2)。これにより、各装置間の接続関係を示した情報が作成される。
【0026】
例えば、トラヒック出力部123は、収容関係情報133を参照して、図3に例示するように、サーバ装置3Aと、このサーバ装置3Aの収容装置である転送装置2Aとを破線でつなぎ、サーバ装置3Bと、このサーバ装置3Bの収容装置である転送装置2Eとを破線でつなぐ。これにより、どのサーバ装置3がどの転送装置2をエッジルータとして用いるかを示した情報が作成される。
【0027】
次に、トラヒック出力部123は、トラヒック集計部122から出力されたトラヒック情報に示される各トラヒックのトラヒックIDと、そのトラヒックのトラヒック値(使用帯域や割り当て帯域)とを、装置IDごとに表示した画像情報を作成する(図4のS3)。また、このとき、トラヒックIDごとに、トラヒック情報間関連情報131(図2(c)参照)を検索し、トラヒックIDに親トラヒックIDがある場合は、親トラヒックIDの内訳として表示する(S4)。
【0028】
例えば、トラヒック出力部123は、トラヒック情報(図2(d)参照)およびトラヒック情報間関連情報131(図2(a)参照)を参照して、吹き出し301,302,303,304に示すような情報を表示する。すなわち、トラヒック情報間関連情報131においてインタフェース1のQoSクラスA,B,Cの使用帯域の親トラヒックIDは「インタフェース1の使用帯域」である。また、トラヒック情報から、インタフェース1のQoSクラスA,B,Cの使用帯域はそれぞれ「100Mbps」、「150Mbps」、「250Mbps」である。また、これらのトラヒックの親トラヒックであるインタフェース1の使用帯域は「500Mbps」である。よって、これらの情報をもとにトラヒック出力部123は、吹き出し302に示すように、各装置のインタフェースごとの使用帯域について、そのQoSクラスごとの使用帯域を「内訳」として表示した画像情報を作成する。また、サーバ装置3については、吹き出し301に示すように当該サーバ装置3が提供してるサービスごとの使用帯域(割り当て帯域)を表示した画像情報を作成する。
【0029】
また、トラヒック出力部123は、サービス利用状況情報の表示の際、トラヒック情報間関連情報131における親トラヒックが、サーバ装置3の収容装置を流れるトラヒックの場合、装置間をまたいだ内訳として、別枠に表示する(図4のS5)。例えば、サーバ装置3AのサービスA1,A2のトラヒックの親トラヒックは、転送装置2AのQoSクラスAのトラヒックである。よって、転送装置2AのQoSクラスAの使用帯域の内訳として、トラヒック情報に示される、サーバ装置3AのサービスA1の使用帯域(割り当て帯域)「25Mbps」と、サーバ装置3AのサービスA2の使用帯域「75Mbps」とを、吹き出し304のように関連付けて表示する。ネットワーク管理装置10は、このようなサービス利用状況情報を作成し、出力することで、ネットワーク管理者は、QoSクラスごとのトラヒックについて、そのトラヒックがどのサービスに利用されているトラヒックかを把握しやすくなる。例えば、図3の転送装置2AのQoSクラスAの使用帯域が100Mbpsであり、この転送装置2AのQoSクラスAのトラヒックの子トラヒックがサーバ装置3AのサービスA1,A2のトラヒックであるとき、このQoSクラスAの使用帯域を小さくするためには、サーバ装置3AのサービスA2の使用帯域(割り当て帯域)を小さくすればよい等の判断がしやすくなる。
【符号の説明】
【0030】
2 転送装置
3 サーバ装置
4 端末装置
10 ネットワーク管理装置
11 入出力部
12 処理部
13 記憶部
121 トラヒック収集部
122 トラヒック集計部
123 トラヒック出力部
131 トラヒック情報間関連情報
132 接続関係情報
133 収容関係情報
134 トラヒック情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置間のセッション制御またはデータ配信を行うサーバ装置と、そのサーバ装置および前記端末装置へ、QoSクラスに基づくトラヒックの転送を行う転送装置とを備えるネットワークにおいて、前記ネットワークにおけるトラヒックの運用状況を管理するネットワーク管理装置であって、
前記サーバ装置におけるサービスそれぞれのトラヒック、および、前記転送装置におけるQoSクラスそれぞれのトラヒックごとに、そのトラヒックと関連するトラヒックを集約した親トラヒックを示したトラヒック情報間関連情報と、
前記ネットワークにおける前記転送装置および前記サーバ装置の接続関係を示した接続関係情報と、
前記サーバ装置ごとに、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際、エッジルータとなる前記転送装置を示した収容関係情報とを記憶する記憶部と、
入出力部経由で、前記ネットワークの前記転送装置それぞれから、当該転送装置におけるQoSクラスごとの使用帯域を示す転送装置のトラヒック情報と、前記サーバ装置それぞれから、当該サーバ装置に割り当てられている帯域を示すサーバ装置のトラヒック情報とを収集するトラヒック収集部と、
前記収集したトラヒック情報を記憶する記憶部と、
(1)前記接続関係情報を参照して、前記転送装置および前記サーバ装置の接続関係を示す情報と、(2)前記収容関係情報を参照して、前記サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報とを作成するとともに、(3)前記トラヒック情報間関連情報および前記トラヒック情報を参照して、前記エッジルータとなる転送装置におけるQoSクラス別のトラヒックの使用帯域と、そのQoSクラスのトラヒックに対し、当該トラヒックを親トラヒックとする前記サーバ装置のトラヒックの割り当て帯域とを関連付けて示した情報を作成し、出力するトラヒック出力部とを備えることを特徴とするネットワーク管理装置。
【請求項2】
端末装置間のセッション制御またはデータ配信を行うサーバ装置と、そのサーバ装置および前記端末装置へ、QoSクラスに基づくトラヒックの転送を行う転送装置とを備えるネットワークにおいて、前記サーバ装置におけるサービスそれぞれのトラヒック、および、前記転送装置におけるQoSクラスそれぞれのトラヒックごとに、そのトラヒックと関連するトラヒックを集約した親トラヒックを示したトラヒック情報間関連情報と、前記ネットワークを構成する転送装置および前記サーバ装置の接続関係を示した接続関係情報と、前記サーバ装置ごとに、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際、エッジルータとなる前記転送装置を示した収容関係情報とを記憶する記憶部を備え前記ネットワークにおけるトラヒックの運用状況を管理するネットワーク管理装置が、
入出力部経由で、前記ネットワークの転送装置それぞれから、当該転送装置におけるQoSクラスごとの使用帯域を示す転送装置のトラヒック情報と、前記サーバ装置それぞれから、当該サーバ装置に割り当てられている帯域を示すサーバ装置のトラヒック情報とを収集するステップと、
前記収集したトラヒック情報を記憶部に記憶するステップと、
前記接続関係情報を参照して、前記転送装置および前記サーバ装置の接続関係を示す情報を作成するステップと、
前記収容関係情報を参照して、前記サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報を作成するステップと、
前記トラヒック情報間関連情報およびトラヒック情報を参照して、前記エッジルータとなる転送装置におけるQoSクラス別のトラヒックの使用帯域と、そのQoSクラスのトラヒックに対し、当該トラヒックを親トラヒックとする前記サーバ装置のトラヒックの割り当て帯域とを関連付けて示した情報を作成し、前記転送装置および前記サーバ装置の接続関係を示す情報と、前記サーバ装置と、このサーバ装置がセッション制御またはデータ配信を行う際のエッジルータとなる転送装置とを示す情報とともに出力するステップとを実行することを特徴とするネットワーク管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−119916(P2011−119916A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274706(P2009−274706)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】