説明

ノンガスフォーマ用毛髪化粧料

【課題】 泡質が良好であり、消泡後に毛髪になじみやすく、かつ毛髪の感触を良好に高め得るノンガスフォーマ用毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】 少なくとも、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カチオン性界面活性剤とが配合されたことを特徴とするノンガスフォーマ用毛髪化粧料により、上記課題を解決する。上記カチオン性界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩やハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルアンモニウムが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射剤(ガス)を用いることなく、泡状に吐出するためのポンプフォーマに充填して使用する毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ヘアコンディショナー、ヘアリンス、ヘアスタイリング剤などの各種の毛髪化粧料には、ジェル状、ワックス状、リキッド状、クリーム状、エマルション状など様々な剤状のものが存在している。
【0003】
このような剤状の一つとして泡状も知られているが、毛髪化粧料を泡状とするにあたり、噴射剤を使用することなくポンプフォーマに充填し、このポンプフォーマから吐出する際に泡状とするノンガスタイプがある(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−119113号公報
【特許文献2】特開2009−84226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような剤状で使用される毛髪化粧料、すなわち、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、例えば、泡質が良好であること(きめの細かい泡を形成し得ること)や、消泡後に毛髪になじみやすいこと、毛髪の感触を高め得ることなどが要求されるが、これら3つの特性をいずれも良好とすることは容易ではなく、現状では、これらを満足のいく程度までバランスよく確保するまでには至っていない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、泡質が良好であり、消泡後に毛髪になじみやすく、かつ毛髪の感触を良好に高め得るノンガスフォーマ用毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成し得た本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、少なくとも、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カチオン性界面活性剤とが配合されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、泡質が良好であり、消泡後に毛髪になじみやすく、かつ毛髪の感触を良好に高め得るノンガスフォーマ用毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースとカチオン性界面活性剤とが配合されている。カチオン性界面活性剤を配合することで、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料をポンプフォーマから吐出した際の泡質を高めることができ、また、消泡後に毛髪へなじみやすくすることもできる。その一方で、カチオン性界面活性剤を配合したノンガスフォーマ用毛髪化粧料では、特に処理後の毛髪の感触の点で改善の余地がある。
【0010】
これに対し、カチオン性界面活性剤とともにステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いてノンガスフォーマ用毛髪化粧料を構成することで、泡質の向上効果や消泡後の毛髪へのなじみやすさを損わないばかりか寧ろこれらを高めつつ、処理後の毛髪の感触を高めることができる。このように、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースとカチオン性界面活性剤とを併用することで、上記の3つの特性を高いレベルでバランスよく確保している。
【0011】
ノンガスフォーマ用毛髪化粧料におけるステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、消泡後の毛髪へのなじみやすさや処理後の毛髪の感触を高める効果を良好に確保する観点から、0.001質量%以上であることが好ましく、0.003質量%以上であることがより好ましい。ただし、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料中のステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの量が多すぎると、消泡後の毛髪へのなじみやすさの向上効果が小さくなる虞がある。よって、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料におけるステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量は、0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
【0012】
本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料に係るカチオン性界面活性剤には、公知の各種化粧料で使用されているカチオン性界面活性剤から選択される1種または2種以上を使用することができるが、本発明の効果をより良好に確保し得ることから、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩を使用することが好ましく、また、消泡後の毛髪へのなじみやすさの向上効果をより良好に確保し得ることから、ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムを使用することが好ましく、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩とハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムとを併用することがより好ましい。
【0013】
モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩に係る長鎖アルキル基としては、炭素数が12〜22であるものが好ましい。このようなモノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0014】
ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムにおける酸化プロピレンの平均付加モル数としては、例えば、25〜40であることが好ましい。より具体的には、酸化プロピレンの平均付加モル数が25の塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムや、酸化プロピレンの平均付加モル数が40の塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0015】
また、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、先に例示したもの以外のカチオン性界面活性剤も使用することができる。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミドアミン塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。脂肪酸アミドアミン塩としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが挙げられる。ジアルキル型4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。ベンザルコニウム型4級アンモニウムとしては、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
【0016】
ノンガスフォーマ用毛髪化粧料におけるカチオン性界面活性剤の配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、0.5質量%以上であることが好ましい。ただし、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料中のカチオン性界面活性剤量が多すぎると、消泡が必要以上に遅くなりすぎたり、泡質の向上効果が小さくなる傾向がある。よって、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料におけるカチオン性界面活性剤の配合量は、5質量%以下であることが好ましい。
【0017】
なお、ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムを他のカチオン性界面活性剤(特にモノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩)と併用する場合、ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムの配合量を、0.01質量%以上とすることが好ましく、0.1質量%以上とすることがより好ましく、また、1質量%以下とすることが好ましく、0.4質量%以下とすることがより好ましい。ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムをこのような量で配合しつつ、カチオン性界面活性剤の全配合量を上記の好適値に制御することで、泡質の向上効果を良好に維持しつつ、消泡後の毛髪へのなじみやすさの向上効果や、毛髪の感触向上効果をより一層高めることができる。
【0018】
本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、水を主たる分散媒とする。なお、上記の各種成分の一部は、水に溶解していてもよい。また、分散媒には、水のみを用いてもよく、必要に応じて、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール(炭素数が6以下のアルコール)などの有機溶媒を、分散媒全量中5質量%以下程度の量で水と併用してもよい。また、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料における分散媒の配合量は、例えば、50〜95質量%であることが好ましい。
【0019】
また、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、シリコーンを配合することが好ましく、これにより、毛髪の柔らかさを一層高めることができるようになる。
【0020】
シリコーンの具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、高重合ジメチルシリコーン、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン(アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体など)などが挙げられるが、本発明の毛髪化粧料への配合の容易さの観点から、シリコーンを予め乳化させたエマルションタイプのものが好ましい。シリコーンは、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0021】
ノンガスフォーマ用毛髪化粧料におけるシリコーンの配合量は、例えば、0.1〜5質量%であることが好ましい。
【0022】
また、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、上記の各種成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、毛髪化粧料に通常用いられている成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤、シリコーン以外の油性成分、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、香料、植物・海藻エキス、アミノ酸、タンパク質誘導体などが挙げられる。
【0023】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤および両性界面活性剤が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ヤシ脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸塩;ミリスチン酸カルシウム、イソステアリン酸アルミニウムなどの金属セッケン;ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩;ステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カリウムなどのアシル乳酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキル(12,13)硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;などが挙げられる。
【0024】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテルなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタンなど)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンベンジルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
【0025】
油性成分としては、例えば、油脂、炭化水素、エステル類、高級アルコールなどが挙げられる。湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール;キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖類;ピロリドンカルボン酸塩;などが挙げられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリオンなどが挙げられる。
【0026】
キレート剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸、フィチン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウムなどが挙げられる。
【0027】
本発明の毛髪化粧料はノンガスフォーマ用であり、噴射剤を使用せずにポンプフォーマに充填し、泡状に吐出したものを、濡れた状態の毛髪または乾燥した状態の毛髪に適量塗布する方法により使用される。
【0028】
なお、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料には、例えば、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、スタイリング剤などが含まれ、毛髪に塗布後に洗い流して使用してもよく、洗い流さずに使用してもよい。
【0029】
また、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、縮毛矯正処理、パーマネントウェーブ処理、染毛処理といった化学処理を施す場合の前処理剤や後処理剤としても利用できる。このような用途の中でも、上記の化学処理の前処理剤に特に適している。なお、このような用途に使用する場合、本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は緩衝作用を有していることが好ましいため、酸およびその塩を配合することが推奨される。本発明のノンガスフォーマ用毛髪化粧料に緩衝作用を持たせるために配合可能な酸としては、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などが挙げられ、また、その塩としては、例えば、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素二ナトリウム、クエン酸三ナトリウムなどが挙げられる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。なお、以下の実施例などにおいて、「%」は「質量%」を意味している。また、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料の配合量としては、全体で100%となるように各成分の配合量を%で示し、後記の表1、表2および表4中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
【0031】
実施例1〜5および比較例1〜8
実施例1〜5および比較例1〜8のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を、表1および表2に示す組成で調製した。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
なお、表1および表2における水の欄の「計100とする」とは、ノンガスフォーマ用毛髪化粧料を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している(後記の表4も同様である)。また、表1および表2に記載の「ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液」におけるステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの濃度は10%である。更に、表1および表2に記載の「SM8904」とは、東レ・ダウコーニング株式会社製のもの(商品名)であり、アモジメチコンを40%含むエマルションタイプのものである(後記の表4も同様である)。
【0035】
実施例1〜5および比較例1〜8のノンガスフォーマ用毛髪化粧料について、以下のようにして、泡質(きめの細かさ)、消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触を評価した。
【0036】
<泡質>
実施例1〜5および比較例1〜8のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を充填したポンプフォーマから吐出した泡について、そのきめの細かさを5名のパネラーのそれぞれが下記基準に従って点数付けを行い、全パネラーの合計点を求めて評価した。
【0037】
<消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触>
複数の毛束(長さ20cm、重さ3.0g)を用意し、各実施例および比較例のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を充填したポンプフォーマを1プッシュして吐出した泡を、それぞれ別の毛束に塗布し、消泡後の毛髪へのなじみやすさを、上記5名のパネラーのそれぞれが下記基準に従って点数付けを行い、全パネラーの合計点を求めて評価した。また、各ノンガスフォーマ用毛髪化粧料の泡を塗布した毛束のそれぞれから毛髪化粧料を洗い流した後の毛髪の感触を、上記5名のパネラーのそれぞれが下記基準に従って点数付けを行い、全パネラーの合計点を求めて評価した。
【0038】
<泡質、消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触の評価基準>
優れている・・・ 2点。
よい ・・・ 1点。
普通 ・・・ 0点。
悪い ・・・ −1点。
【0039】
上記の各評価結果を表3に示す。なお、泡質、消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触のいずれにおいても、全パネラーの合計点数が5点以上であれば、その特性が優れていると評価できる。
【0040】
【表3】

【0041】
表3から明らかなように、実施例1〜5のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、泡質、泡質、消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触のいずれもが優れており、これら3つの特性のバランスが良好である。
【0042】
これに対し、カチオン性界面活性剤に代えて他の界面活性剤などを配合した比較例1〜5のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、泡質が特に劣っており、また、消泡後の毛髪へのなじみやすさが劣っているものも多い。更に、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースに代えて塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体を配合した比較例6のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、消泡後の毛髪へのなじみやすさ、および洗い流し後の毛髪の感触が劣っている。また、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースに代えて塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースを配合した比較例7のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、洗い流し後の毛髪の感触が劣っている。更に、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースを配合していない比較例8のノンガスフォーマ用毛髪化粧料は、洗い流し後の毛髪の感触が劣っている。
【0043】
なお、実施例1のノンガスフォーマ用毛髪化粧料の泡を塗布した毛束について、洗い流さずに乾燥させて評価したところ、毛髪の感触は良好であった。
【0044】
実施例6
表4に示す組成のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を調製し、これを充填したポンプフォーマから吐出した泡を、頭髪の中間から毛先にかけて塗布した。その後、その頭髪に、ミルボン社製「プレジューム CMCウェーブC/T−N(商品名)」を用いてパーマネントウェーブ処理を施した。
【0045】
【表4】

【0046】
なお、表4に記載の「POE(20)オレイルエーテル」は、香料の分散剤として使用したものであり、「POE」は「ポリオキシエチレン」の略で、「POE」の後の括弧内の数値は、酸化エチレンの平均付加モル数を表している。
【0047】
実施例6のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を充填したポンプフォーマから吐出した泡は、きめが細かく、泡質が良好であった。また、実施例6のノンガスフォーマ用毛髪化粧料の泡は、頭髪のワインディング中に消泡し、消泡後の毛髪へのなじみやすさに優れており、更に、実施例6のノンガスフォーマ用毛髪化粧料を洗い流した後の頭髪の感触は良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カチオン性界面活性剤とが配合されたことを特徴とするノンガスフォーマ用毛髪化粧料。
【請求項2】
カチオン性界面活性剤として、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が配合された請求項1に記載のノンガスフォーマ用毛髪化粧料。
【請求項3】
カチオン性界面活性剤として、ハロゲン化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウムが配合された請求項1または2に記載のノンガスフォーマ用毛髪化粧料。
【請求項4】
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量が、0.001〜0.2質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のノンガスフォーマ用毛髪化粧料。
【請求項5】
カチオン性界面活性剤の配合量が、0.5〜5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のノンガスフォーマ用毛髪化粧料。

【公開番号】特開2011−178671(P2011−178671A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41774(P2010−41774)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(592255176)株式会社ミルボン (138)
【Fターム(参考)】