説明

ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料

【課題】高い強度、破壊靭性及び耐磨耗性を有し、別の特性を高めるためにこれらの特性の1つを有意に傷つけることのない複合材料を提供する。
【解決手段】隣接率が0.48に等しいかそれよりも小さい焼結炭化物合金分散相と、焼結炭化物合金連続相とを含んでなるハイブリッド複合材料は、連続相の硬さよりも大きい分散相の硬さを有してもよい。分散相の体積分率が50体積%未満である第一焼結炭化物合金分散相と、第二焼結炭化物合金連続相とを含んでなり、該連続相の隣接率が該複合材料における該連続相の体積分率の1.5倍に等しいかそれよりも小さい。分散される焼結炭化物合金グレードの部分的に及び/又は完全に焼結された粒を、連続する焼結炭化物合金グレードの未加工及び/又は未焼結の粒とブレンドして、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料(hybrid cemented carbide composites)と、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料を製造する方法に関する。ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料の態様は、慣用的な焼結炭化物合金が用いられるいかなる適用に用いられてもよいが、加えて、限定はしないが、石油や天然ガスの探索に用いる先金の切断要素や、金属の熱間圧延に用いられるロール等のような、慣用的な焼結炭化物合金よりも改良された靭性(toughness)や耐磨耗性(wear resistance)を必要とする適用に用いられてもよい。
【背景技術】
【0002】
慣用的な焼結炭化物合金は、連続的な結合相中に分散された金属炭化物硬質層の複合材料である。分散相は、典型的に、粒状の1又はそれを超える遷移金属、例えば、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、及びタングステンの炭化物を含んでなる。金属炭化物粒を互いに結合し又は接合するために用いられる結合相は、一般的には、コバルト、ニッケル、鉄、又はこれら金属の合金の少なくとも1つである。加えて、クロム、モリブデン、ルテニウム、ボロン、タングステン、タンタル、チタン、ニオブ等のような合金化要素が、異なる特性を高めるために加えられてもよい。様々な焼結炭化物合金グレードは、分散相及び連続層の組成、分散層の粒度、相の体積分率、並びに他の特性の少なくとも1つを変動させることにより製造される。分散硬質相としてのタングステン炭化物と結合相としてのコバルトに基づく焼結炭化物合金は、入手可能な様々な金属炭化物−結合剤の組み合わせの中で最も商業的に重要である。
【0003】
コバルト結合剤にタングステン炭化物を有する焼結炭化物合金グレードは、商業的に魅力的な、強度(strength)、破壊靭性(fracture toughness)、及び耐磨耗性の組み合わせを有する。“強度”は、材料が破壊又は破損する圧力である。“破壊靭性”は、破壊する前にエネルギーを吸収して塑性的に変形する、材料の能力である。靭性は、原点から破壊点までの応力ひずみ曲線の下の面積に比例する。McGRAW−HILL DICTIONARY OF SCIENTIFIC AND TECHNICAL TERMS(5th ed. 1994)を参照のこと。“耐磨耗性”は、表面への損傷に耐える材料の能力である。磨耗には、一般的に、材料と接触する表面又は基板間の相対運動に起因する材料の進行的な損失が含まれる。METALS HANDBOOK DESK EDITION(2d ed. 1998)を参照のこと。
【0004】
焼結炭化物合金の強度、靭性、及び耐磨耗性は、慣用的な焼結炭化物合金に存在する分散硬質層の平均粒度と、結合相の体積(又は重量)分率に関連する。一般的に、タングステン炭化物の平均粒度の増加及び/又はコバルト結合剤の体積分率の増加は、破壊靭性の増加をもたらすこととなる。しかしながら、この靭性における増加は、一般的には、耐磨耗性における低下を伴う。かくして、焼結炭化物合金冶金学者は、要求される適用のためのグレードを設計することを試みる間、高い耐磨耗性と高い破壊靭性の両方を有する焼結炭化物合金の開発に立ち向かっている。
【0005】
図1は、タングステン炭化物とコバルトを含んでなる慣用的な焼結炭化物合金グレードにおける破壊靭性と耐磨耗性の間に存在する関係を示す。特定の慣用的な焼結炭化物合金グレードの破壊靭性及び耐磨耗性は、典型的に、示される実線1が囲む狭い領域に属することとなる。
【0006】
図1が示すように、焼結炭化物合金は、一般的に、少なくとも2つの群に分類される:(i)領域Iに示される比較的靭性が高いグレード;及び、(ii)領域IIに示される比較的耐磨耗性が高いグレード、である。一般的には、領域IIの耐磨耗性グレードは、比較的小さいタングステン炭化物の粒度(典型的には約2μm及びそれ未満)、及び約3重量%〜約15重量%までの範囲のコバルト含量に基づく。領域IIにおけるもののようなグレードは、鋭い切断端、並びに、高いレベルの耐磨耗性を保持するそれらの能力に起因して、金属及び他の材料を切断及び成形するための工具に最もよく用いられる。
【0007】
逆にいえば、領域1の比較的靭性の高いグレードは、一般的には、比較的粗いタングステン炭化物粒(典型的には、約3μm及びそれより大きい)、及び約6重量%〜約30重量%までの範囲のコバルト含量に基づく。粗いタングステン炭化物粒に基づくグレードは、その材料が激突や衝撃を受け、研磨磨耗や熱疲労も受ける適用における広い使用が見出される。粗い粒のグレードについての通常の適用には、採鉱及び土壌掘削、金属の熱間圧延、及び金属の衝突成形、例えば冷間形成のための工具が含まれる。
【0008】
図1は、慣用技術を用いる領域Iにおける焼結炭化物合金グレードの耐磨耗性の小さな改良でさえも、破壊靭性における大きな減少をもたらすことを示している。故に、靭性を有意に犠牲とすることなく領域I内の焼結炭化物合金グレードの耐磨耗性を増加させる新しい技術が必要である。
【0009】
一定の制限内で、焼結炭化物合金の耐磨耗性は、硬質相の粒度よりも硬質相の含有量に密接に関連する。かくして、所与のレベルの耐磨耗性で改良された靭性を得る論理的な方法は、所与のコバルト含量で、硬質相タングステン炭化物の粒度を増加させることである。実際、これは、研磨並びに衝突、衝撃、及び/又は熱疲労が存在するところの適用のためのグレードを設計する際に用いられる最も通常のアプローチである。しかしながら、タングステン炭化物の粒度の製造には実用的な制限がある。加えて、大きなタングステン炭化物粒は、それら固有の砕けやすい性質のため、研磨磨耗を受ける際に割れたり粉砕する傾向がある。かくして、研磨磨耗の割合は、本質的に、一定の大きさのレベル未満であるタングステン炭化物粒度から独立している一方で、観測される研磨磨耗の割合は、タングステン炭化物粒度が一定の最適な大きさを超えると劇的に増加する。故に、あらゆる所与のコバルト含量でのタングステン炭化物粒度の増加が、所与の耐磨耗性レベルでの改良された靭性を提供する1つの技術である一方で、この方法の実用的用途は制限されている。
【0010】
焼結炭化物合金の特性を改良するために用いられる別の技術は、米国特許番号4,956,012に記載される。この特許は、個々の焼結炭化物合金の特性の中間となる特性を示す2つの焼結炭化物合金グレードの複合材料を製造する方法を記載する。複合材料焼結炭化物合金を製造する方法は、1の焼結炭化物合金グレードの未焼結又は未加工(green)の粒を、異なる焼結炭化物合金の未焼結又は未加工の粒と乾燥ブレンドした後、慣用的な手段を用いて固化成形(consolidation)して焼結することからなる。特性の改良はこの方法により実現されるが、焼結炭化物合金グレードの未焼結粒は、粉末固化成形中に、典型的には粉末加圧操作により崩壊し、他のグレードの内部に絡み合った1の焼結炭化物合金グレードからなる最終材料の微細構造をもたらす。図2、4A、及び5Aを参照のこと。この技術は、グレードのいずれかの領域の形状を制御する能力を制限する。これらの複合材料焼結炭化物合金の微細構造の制御ができないことに起因して、一度始まったひび割れは、硬質グレードの連続した経路を通じて容易に広がる。かくして、これらの複合材料は、割れたり壊れたりする傾向があり、複合材料全体の破壊靭性は、最も低い破壊靭性を有する焼結炭化物合金の相、典型的には硬質相の破壊靭性と比べて、有意には高くない。米国特許番号4,956,012の方法により生産された図2の複合材料は、0.30の硬質相の体積分率を有し、約0.52と計算される硬質相の接触率(contiguity ratio)を有している。
【0011】
前記より示されるように、強度、高い破壊靭性及び耐磨耗性を有し、別の特性を高めるためにこれらの特性の1つを有意に傷つけることのない複合材料を製造する方法は、非常に有利であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,956,012号
【発明の概要】
【0013】
本発明の態様には、焼結炭化物合金の分散相及び第二の焼結炭化物合金の連続相を含んでなるハイブリッド焼結炭化物合金複合材料が含まれる。態様の分散相の接触率は、0.48に等しいか又はそれより低いものであってもよい。ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料は、連続相の硬さ(hardness)よりも大きい分散相の硬さを有してもよい。例えば、ハイブリッド複合材料の一定の態様では、分散相の硬さは、88HRAに等しいか又はそれよりも大きく、95HRAに等しいか又はそれよりも小さく、そして、連続相の硬さは、78に等しいか又はそれよりも大きく、91HRAに等しいか又はそれよりも小さい。
【0014】
追加の態様には、分散相の体積分率が50体積%未満である第一焼結炭化物合金分散相と、第二焼結炭化物合金連続相とを含んでなり、分散相の接触率が複合材料における分散相の体積分率の1.5倍に等しいかそれ未満であるハイブリッド焼結炭化物合金複合材料が含まれる。
【0015】
本発明には、分散された焼結炭化物合金グレードの部分的及び完全に焼結された粒の少なくとも1を、連続する焼結炭化物合金グレードの未加工又は未焼結の粒の少なくとも1とブレンドしてブレンド物を提供することによる、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料を製造する方法も含まれる。ブレンド物は、次いで、固化成形されて、圧縮物を形成してもよい。最終的には、圧縮物は焼結されて、ハイブリッド焼結炭化物合金を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】慣用的な焼結炭化物合金における破壊靭性と耐磨耗性との間の関係を示すグラフ。
【図2】先行技術のハイブリッド焼結炭化物合金の倍率100の拡大写真。
【図3】分散相及び連続基盤相を含んでなる材料の接触率を決定する工程の方法の説明図。
【図4A】0.30の分散相の体積分率と、0.50の接触率を有する先行技術の方法により生産されたハイブリッド焼結炭化物合金の顕微鏡写真。図4Aのハイブリッド焼結炭化物合金は、12.8Mpa.m1/2のパームクイスト硬さを有する。
【図4B】0.30の分散相の体積分率と、0.31の接触率を有する本発明の方法の態様により生産されたハイブリッド焼結炭化物合金の顕微鏡写真。図4Bのハイブリッド焼結炭化物合金は、15.2Mpa.m1/2のパームクイスト硬さを有する。
【図5A】0.45の分散相の体積分率と、0.75の接触率を有する先行技術の方法により生産されたハイブリッド焼結炭化物合金の顕微鏡写真。図5Aのハイブリッド焼結炭化物合金は、10.6Mpa.m1/2のパームクイスト硬さを有する。
【図5B】0.45の分散相の体積分率と、0.48の接触率を有する本発明の方法の態様により生産されたハイブリッド焼結炭化物合金の顕微鏡写真。図5Bのハイブリッド焼結炭化物合金は、13.2Mpa.m1/2のパームクイスト硬さを有する。
【図6A】0.09の分散相の体積分率と、0.12の接触率を有するハイブリッド焼結炭化物合金の態様の顕微鏡写真。
【図6B】図6Aのハイブリッド焼結炭化物合金の分散相及び連続相と同様の組成を有するハイブリッド焼結炭化物合金の態様の顕微鏡写真だが、図6Bのハイブリッド焼結炭化物合金は、0.22の分散相の体積分率と、0.26の接触率を有する。
【図6C】図6Aのハイブリッド焼結炭化物合金の分散相及び連続相と同様の組成を有するハイブリッド焼結炭化物合金の態様の顕微鏡写真だが、図6Cのハイブリッド焼結炭化物合金は、0.35の分散相の体積分率と、0.39の接触率を有する。
【図7】焼結炭化物合金の慣用的な商業的グレードの特性と、連続相における慣用的なグレード及び分散相における比較的硬質の焼結炭化物合金を含んでなる本発明のハイブリッド焼結炭化物合金の様々な態様の特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の態様には、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料と、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料(又は、簡単に“ハイブリッド焼結炭化物合金”という)を形成する方法が含まれる。焼結炭化物合金は、典型的には、連続する結合相中に分散された金属炭化物を含んでなる複合材料であり、一方、ハイブリッド焼結炭化物合金は、第二の焼結炭化物合金の連続相中に分散された1の焼結炭化物合金グレードであり、それにより焼結炭化物合金の複合材料を形成するものである。各々の焼結炭化物合金の金属炭化物硬質相は、典型的には、1又はそれを超える遷移金属、例えば、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、ニオブ、タンタル、及びタングステンの炭化物の粒を含んでなる。金属炭化物粒を互いに結合し又は接合するために用いられる連続する結合相は、一般的に、コバルト、ニッケル、鉄、又はこれら金属の合金である。加えて、クロム、モリブデン、ルテニウム、ボロン、タングステン、タンタル、チタン、ニオブ等のような合金化要素が、異なる特性を高めるために加えられてもよい。本発明のハイブリッド焼結炭化物合金は、他のハイブリッド焼結炭化物合金よりも低い接触率と、他の焼結炭化物合金に対して改善された特性を有する。
【0018】
ハイブリッド焼結炭化物合金を製造する方法の態様は、低い接触率の分散された焼結炭化物合金相を有するような材料を形成することを可能とする。複合材料構造における分散相接触性の程度は、接触率、Cとして特徴付けられる。Cは、参照により本明細書に組み込まれる、Underwood, Quantitative Microscopy, 279−290 (1968)に記載される量的金属組織学技術を用いて決定されてもよい。その技術は、材料の顕微鏡写真としての微細構造上に配置された既知の長さのランダムに配向された線が、特定の構造的特徴とともに作成する交差点の数を計測することからなる。分散相/分散相交差点での線により作成される交差点の総数が計数され(Nαα)、分散相/連続相界面との交差点の数も計数される(Nαβ)。図3は、NααとNαβについての値を得る手順を概略的に示す。図3では、10は、連続相14、βにおけるα相の連続相12を含む複合材料を、一般的に示す。接触率Cは、式、C=2Nαα/(Nαβ+2Nαα)により計算される。
【0019】
接触率は、他の分散された第一相粒子に接触する分散相粒子の表面積の平均的な割合の基準である。その率は、分散された粒子の分布が完全に分散した構造から完全に凝集した構造へと変化するにつれて、0から1へと変動することができる。接触率は、分散相領域の体積分率又は大きさにかかわらず、分散相の接触性の程度を表す。しかしながら、典型的には、分散相の高い体積分率のために、分散相の接触率も、高くなりがちである。
【0020】
硬質焼結炭化物合金分散相を有するハイブリッド焼結炭化物合金の場合には、接触率が低いほど、ひび割れが連続する硬質相領域中に広がらない可能性が高まる。このひび割れプロセスは、ハイブリッド焼結炭化物合金物品、例えば、土壌掘削刃の、全体の靭性の低下をもたらす累積する効果の繰り返しである。ひび割れた刃を交換することは、時間もコストも浪費する。
【0021】
一定の態様では、ハイブリッド焼結炭化物合金は、約2〜約40体積%の、焼結炭化物合金グレードの分散相を含んでなる。他の態様では、ハイブリッド焼結炭化物合金は、約2〜約30体積%の、焼結炭化物合金グレードの分散相を含んでなる。さらなる適用では、ハイブリッド焼結炭化物合金においては、望ましくは、6〜25体積%の、焼結炭化物合金の分散相を有する。
【0022】
ハイブリッド焼結炭化物合金は、これに限定されないが、上記のように、図1の領域Iからの焼結炭化物合金グレードと領域IIからの焼結炭化物合金グレードとを含んでなるハイブリッド焼結炭化物合金のような、焼結炭化物合金の複合材料として定義される。ハイブリッド焼結炭化物合金の態様は、連続する焼結炭化物合金相と分散された焼結炭化物合金相とを有し、連続相の焼結炭化物合金が、分散相の焼結炭化物合金と異なる少なくとも1の特性を有する。ハイブリッド焼結炭化物合金40の例を図4Aに示す。図4の先行技術の方法により製造されたハイブリッド焼結炭化物合金40は、適度の硬さを有する耐磨耗性の焼結炭化物合金であって、2055TMとして売られる商業的に入手可能な焼結炭化物合金の連続相41を有する。2055TMは、10重量%濃度のコバルト結合剤と90重量%濃度で平均粒度が4μm〜6μmであるタングステン炭化物を有する焼結炭化物合金である。2055TMの生じる特性は、87.3HRAの硬さ、0.93 10/mmの耐磨耗性、及び17.4Mpa.m1/2のパームクイスト靭性(palmquist toughness)である。図4Aのハイブリッド焼結炭化物合金40は、高い耐磨耗性を有する硬質の焼結炭化物合金であって、FK10Fとして売られる商業的に入手可能な焼結炭化物合金の分散相42を有する。FK10FTMは、6重量%濃度のコバルト結合剤と94重量%濃度で平均粒度が約0.8μmであるタングステン炭化物を有する焼結炭化物合金である。FK10FTMの生じる特性は、93HRAの硬さ、6.6 10/mmの耐磨耗性、及び9.5Mpa.m1/2のパームクイスト靭性である。
【0023】
ハイブリッド焼結炭化物合金40は、分散相を形成するための30体積%の1の焼結炭化物合金グレードの未焼結又は“未加工の”粒を、連続相を形成するための70体積%の別の焼結炭化物合金グレードの未焼結又は“未加工の”粒と、単にブレンドすることにより製造された。次いで、該ブレンド物を、圧縮等により固化成形して、続いて、慣用的な手法を用いて焼結させる。生じたハイブリッド焼結炭化物合金40は、0.5の硬質相の接触率と、12.8Mpa.m1/2のパームクイスト靭性を有する。図4Aに見られるように、分散相の未焼結の粒は、粉末圧縮の向きに崩壊して、分散相42の領域間に形成される接合部をもたらす。故に、分散相の接合部に起因して、生じたハイブリッド焼結炭化物合金は、約0.5の接触率の硬質相を有する。分散相間の接合部は、ある分散領域で始まったひび割れが、靭性の高い連続相41へと達することにより緩和することなく、硬質分散相42を介する連続する経路に容易に続いてしまう。故に、ハイブリッド焼結炭化物合金が靭性においていくらかの改良を有していても、生じたハイブリッド焼結炭化物合金は、靭性の高い連続相の靭性よりも、硬質分散相に近い靭性を有する。
【0024】
本発明者等は、改良された特性を有するハイブリッド焼結炭化物合金を製造する方法を見出した。ハイブリッド焼結炭化物合金を製造する方法には、少なくとも1の、分散された焼結炭化物合金グレードの部分的及び完全に焼結された粒を、少なくとも1の、連続する焼結炭化物合金グレードの未加工及び未焼結の粒とブレンドすることが含まれる。次いで、該ブレンド物は、固化成形され、慣用的な手法を用いて焼結される。分散相の粒の部分的な又は完全な焼結は、該粒の強化をもたらす(“未加工の”粒と比べて)。次いで、分散相の該強化された粒は、ブレンド物の固化成形中の崩壊に対する高い抵抗性を有することとなる。分散相の粒は、分散相の望まれる強度に依存して、約400〜約1300℃の範囲の温度で部分的に又は完全に焼結されてもよい。粒は、これらに限定されないが、水素焼結及び真空焼結のような様々な手法により焼結されてもよい。粒の焼結は、潤滑剤の除去、酸化物の還元、緻密化、及び微細構造の発達を引き起こす。ブレンドする前に分散相の粒を部分的に又は完全に焼結する方法は、ブレンド物の固化成形中の分散相の崩壊における低減をもたらす。
【0025】
ハイブリッド焼結炭化物合金を製造するこの方法の態様は、低い分散相の接触率を有するハイブリッド焼結炭化物合金を形成することを可能とする。図4B及び5Bを参照のこと。少なくとも1の焼結炭化物合金の粒が、ブレンドする前に部分的に又は完全に焼結されているので、焼結された粒がブレンド後の固化成形中に崩壊せず、生じたハイブリッド焼結炭化物合金の接触性が低い。一般的に言えば、分散相の焼結炭化物合金の粒度が大きいほど、そして、連続する焼結炭化物合金相の粒度が小さいほど、硬質グレードのあらゆる体積分率での接触率が低くなる。図4B、5B、6A、6B、及び6Cに示されるハイブリッド焼結炭化物合金の態様は、最初に分散相の焼結炭化物合金を約1000℃で焼結することにより製造された。
【実施例】
【0026】
実施例1
ハイブリッド焼結炭化物合金を、本発明の方法により調製した。図4Bを参照のこと。図4Bに示されるハイブリッド焼結炭化物合金45の態様では、連続相46は靭性が高くひび割れに耐性がある層であり、分散相47は硬質の耐磨耗性相である。図4Bの態様の2つの相の組成及び体積比は、上記の図4Aのハイブリッド焼結炭化物合金と同じである。しかしながら、ハイブリッド焼結炭化物合金を製造する方法が異なっており、ハイブリッド焼結炭化物合金の微細構造及び特性において生じた違いが有意である。分散相47の粒はブレンドする前に焼結されたので、分散相47の粒はブレンド物の固化成形時に有意には崩壊せず、その結果、図4Bに示される態様の接触率は0.31となった。有意には、この態様の接触率は、それぞれ0.52及び0.5の接触率を有する図2及び4Aに示されるハイブリッド焼結炭化物合金の接触率よりも低い。接触率における低減は、ハイブリッド焼結炭化物合金全体の特性に有意な効果を与える。図4Bに示されるハイブリッド焼結炭化物合金の態様の硬さは、15.2Mpa.m1/2であり、図4Aに示されるハイブリッド焼結炭化物合金に対して18%を超える増加である。これは、分散相領域間の交差点の数が低い結果であると考えられ、故に、硬質の分散相領域47のいずれかで始まるひび割れの広がりが、靭性の高い連続相46により中断されるだろう。本発明の方法は、ハイブリッド焼結炭化物合金の接触率を、ハイブリッド焼結炭化物合金における分散相の体積分率の1.5倍より少なく制限することを可能とし、一定の適用では、ハイブリッド焼結炭化物合金の接触率を、分散相の体積分率の1.2倍よりも少なく制限することは有利である。
【0027】
実施例2
ハイブリッド焼結炭化物合金が、本発明の方法により調製された、硬質焼結炭化物合金であるFK10FTMの粒を、1000℃で焼結させた。焼結されたFK10FTM焼結炭化物合金の粒を、“未加工”又は未焼結の2055TM焼結炭化物合金の粒とブレンドした。次いで、焼結された粒と未焼結の粒とを含んでなるブレンド物を、固化成形し、慣用的な手法を用いて焼結させた。堅いダイにおける機械的又は液圧によるプレス、並びにウェットバッグ又はドライバッグの平衡プレスのような、慣用技術を用いた粉末固化成形が用いられる。最終的には、慣用的な真空炉における液層温度で、又はSinterHip炉における高圧での焼結を行うことができる。図5Bを参照のこと。図5Bに示されたハイブリッド焼結炭化物合金55の態様では、連続相56は靭性の高いひび割れ耐性がある相であり、分散相57は硬質の耐磨耗性相である。図5Bの態様の2つの相の組成及び耐積率は、上に記載された、慣用的な方法により調製された図5Aのハイブリッド焼結炭化物合金と同じである。図5A及び5Bの両方のハイブリッド焼結炭化物合金の分散相の体積分率は、0.45である。しかしながら、ハイブリッド焼結炭化物合金を製造する方法が異なっており、ハイブリッド焼結炭化物合金の微細構造及び特性における違いが有意である。分散相57の粒は、ブレンドする前に焼結されたので、分散相57の粒は、ブレンド物の固化成形時に崩壊せず、結果として、図5Bに示されたハイブリッド焼結炭化物合金の態様の、0.48の接触率をもたらす。有意には、この態様の接触率は、0.75の接触率を有する図5Aに示されたハイブリッド焼結炭化物合金の接触率よりも低い。接触率における低減は、ハイブリッド焼結炭化物合金全体の特性に有意な効果を与える。図5Bに示されたハイブリッド焼結炭化物合金の態様のパームクイスト靭性は、13.2Mpa.m1/2であり、図5Aに示されたハイブリッド焼結炭化物合金の10.6Mpa.m1/2のパームクイスト靭性に対して25%の増加である。これも、分散相間の交差点の低減の結果であると考えられ、故に、硬質の分散相57において始まるひび割れの伝達は、靭性の高い連続相56により中断されるだろう。
【0028】
ハイブリッド焼結炭化物合金の様々な追加の態様が、商業的に入手可能な焼結炭化物合金グレードを用いて本発明の方法により調製された。表1を参照のこと。これらの商業的に入手可能な焼結炭化物合金グレードの各々は、Allegheny Technologies CorporationのFirth Sterling divisionから入手可能である。
【0029】
【表1】

【0030】
しかしながら、そのようなグレードは、例示のために提供されて、分散相又は連続相のいずれかのために本発明の態様に用いることができる可能性のある焼結炭化物合金を網羅しているものではないことが理解されるべきである。
【0031】
本発明のハイブリッド焼結炭化物合金の2つの態様が、FK10FTMの分散相と、AF63TMの連続相とで調製された。表1に示されるように、FK10FTM及びAF63TMは、同じコバルト結合剤濃度を有しているが、AF63TMグレードのタングステン炭化物粒の平均粒度は、FK10FTMグレードよりも大きい。
【0032】
【表2】

【0033】
表2に示されるように、本発明の方法により調製された、これらの慣用的なグレードを用いてブレンドする前に1000℃で焼結された分散相を有するハイブリッド焼結炭化物合金の態様は、個々の焼結炭化物合金各々の特性の好ましい組み合わせとなった。サンプルNo.1においては、ハイブリッド焼結炭化物合金は、7.5体積%のみの硬質グレードの焼結炭化物合金、FK10FTMを含んでいたが、靭性がたった7.5%しか減少しなかった一方で、耐磨耗性が12%を超えて増加した。
【0034】
【表3】

【0035】
ハイブリッド焼結炭化物合金のさらなる態様が、2055TMグレードの焼結炭化物合金の連続相で製造された。2055TMは、焼結炭化物合金の靭性の高いグレードである。サンプルNo.3、4、及び5の各々の断面の顕微鏡写真を、図6A、6B、及び6Cにそれぞれ示す。これらのサンプルの各々の接触率を表3に示す。サンプルNo.3は、9体積%のみの分散相を含んでなり、図6Aは、分散相を分離した領域として明確に示している。図6B、6C及び表3を参照すると、体積分率が22%及び35%に増加するにつれて、ハイブリッド焼結炭化物合金の特性が、耐磨耗性および硬さの増加を示して、硬質分散相の特性の方向へとよりシフトし始めるが、比較的高い靭性が維持されて、連続相におけるように、ひび割れの広がりが妨害される。表3に示されるハイブリッド焼結炭化物合金の態様の特性は、靭性が少々減少した靭性の高い焼結炭化物合金材料の耐磨耗性を示す。
【0036】
【表4】

【0037】
ハイブリッド焼結炭化物合金の態様のさらなる例が、ハイブリッド焼結炭化物合金の特性とともに、表4に示されている。表4のサンプルの態様は、FK10FTMの焼結された粒を、R−61TMとブレンドすることにより調製された。R−61TMは、AF63TM及び2055TMよりも靭性の高い焼結炭化物合金のグレードである。その結果は驚くべきものである。ハイブリッド焼結炭化物合金の耐磨耗性が、靭性の少々の低減のみを有する連続相の耐磨耗性に対して、有意に増加している。たとえば、R−61TMに添加された20体積%の焼結されたFK10FTMで、靭性がたった11%しか減少しない一方、耐磨耗性が78%増加している。本発明の方法は、焼結炭化物合金の特性の、有意な改良をもたらすことができる。
【0038】
【表5】

【0039】
ハイブリッド焼結炭化物合金の態様が、H−25TMを連続相として用いて調製された。特性における同様の驚くべき改良が表5に示されている。
図7は、サンプルNo.1〜11から得られたデータのプロットである。容易にわかるように、本発明の方法によりハイブリッド焼結炭化物合金は、特性、靭性、及び耐磨耗性の改良された組み合わせを有する。本開示の複合材料は、数多くの適用に特に適した物品、例えば、削岩(採鉱及び原油/ガス探査)適用、建築に用いられる機械の摩擦用部品として、鋼鉄や他の金属の熱間圧延におけるロール材料として、そして、衝撃形成適用、例えば冷間形成等における物品へと組み立てられることができる。
【0040】
本記載は、本開示の明確な理解に関連する側面を例示するものであることが理解されるべきである。本開示を簡潔にするために、当業者に明白であって、故に、よりよい理解を促進しないだろう一定の態様は、表されていない。本開示は、一定の態様に関連して記載されているが、当業者は、前記の開示を考慮して、多くの修飾や変更が採用できることを理解するだろう。そのような変更や修飾は、前記の記載や続く特許請求の範囲により支持されることが意図されている。
【0041】
この発明の目的のために、焼結炭化物合金は、限定はしないが、結合剤又は連続相としてのコバルト、ニッケル、又は鉄、又はこれら金属の合金とともに固められた、硬質の分散相としてのチタン、クロム、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、及びタングステンのような1又はそれを超える遷移金属の炭化物を含んでなるものとして定義される。加えて、結合相は、限定はしないが、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、モリブデン、ボロン、カーボン、シリコン、及びルテニウム、並びにその他のような合金化要素を、25重量%まで含有してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料であって:
焼結炭化物合金の分散相;及び、
焼結炭化物合金の連続相
を含んでなり、分散相の接触率が、0.48に等しいかそれ未満であるハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項2】
該分散相の接触率が0.4未満である、請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項3】
該分散相の接触率が0.2未満である、請求項2に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項4】
該分散相の硬さが、該連続相の硬さよりも大きい、請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項5】
請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料であって:
第二の焼結炭化物合金の分散相をさらに含んでなり、該第二の焼結炭化物合金の分散相の組成及び特性の少なくとも1が、もう一方の焼結炭化物合金の分散相とは異なる、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項6】
該分散相が、約2〜約50体積%の複合材料である、請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項7】
該分散相が、2〜25体積%の複合材料である、請求項6に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項8】
該分散相の硬さが、88HRAに等しいかそれよりも大きく、95HRAに等しいかそれよりも少ない、請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項9】
該連続相のパームクイスト靭性が、10Mpa.m1/2よりも大きい、請求項8に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項10】
該連続相の硬さが、78に等しいかそれよりも大きく、91HRAに等しいかそれよりも少ない、請求項8に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項11】
該分散相の焼結炭化物合金及び該連続相の焼結炭化物合金が、チタン、クロム、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、及びタングステンから選ばれる少なくとも1の遷移金属の少なくとも1の炭化物と、コバルト、ニッケル、鉄、及び、コバルト、ニッケル、及び鉄の合金を含んでなる結合剤とを、独立して含んでなる、請求項1に記載のハイブリッド焼結炭化物合金。
【請求項12】
該結合剤が、さらに、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、モリブデン、ボロン、カーボン、シリコン、及びルテニウムから選ばれる合金化剤を含んでなる、請求項11に記載のハイブリッド焼結炭化物合金。
【請求項13】
該焼結炭化物合金の分散相が、タングステン炭化物及びコバルトを含んでなり、該焼結炭化物合金の連続相が、タングステン炭化物及びコバルトを含んでなる、請求項11に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項14】
該分散相の該結合剤の濃度が、約2重量%〜約15重量%であり、該連続相の該結合剤の濃度が、約6重量%〜30重量%である、請求項12に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項15】
ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料であって:
分散相の体積分率が50体積%よりも少ない、第一の焼結炭化物合金の分散相;及び
第二の焼結炭化物合金の連続相
を含んでなり、該分散相が、該複合材料における該分散相の体積分率の1.5倍に等しいかそれよりも少ない接触率を有する、ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項16】
該第一の焼結炭化物合金及び該第二の焼結炭化物合金が、チタン、クロム、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、及びタングステンから選ばれる少なくとも1の遷移金属の少なくとも1の炭化物と、コバルト、ニッケル、鉄、及び、コバルト、ニッケル、及び鉄の合金を含んでなる結合剤とを、独立して含んでなる、請求項15に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項17】
該結合剤が、さらに、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、モリブデン、ボロン、カーボン、シリコン、及びルテニウムから選ばれる合金化剤を含んでなる、請求項16に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項18】
0.7 10/mmよりも大きい耐磨耗性と、10Mpa.m1/2よりも大きいパームクイスト靭性とを有する、請求項15に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項19】
20Mpa.m1/2よりも大きいパームクイスト靭性を有する、請求項18に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項20】
該分散相が、0.48に等しいかそれよりも少ない接触率を有する、請求項15に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項21】
該分散相の接触率が、0よりも大きく、0.4に等しいかそれよりも少ない、請求項20に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項22】
該第一の相の接触率が、0よりも大きく、約0.3までである、請求項21に記載のハイブリッド焼結炭化物合金複合材料。
【請求項23】
ハイブリッド焼結炭化物合金複合材料を製造する方法であって:
第一の分散される焼結炭化物合金グレードの部分的に及び完全に焼結された粒の少なくとも1を、第二の連続する焼結炭化物合金グレードの未加工及び未焼結の粒の少なくとも1とブレンドすること;
該ブレンド物を固化成形して圧縮物を形成すること;そして、
該圧縮物を焼結して、ハイブリッド焼結炭化物合金を形成すること
を含んでなる方法。
【請求項24】
該ブレンド物が、約2から40体積%未満の焼結された粒と、60よりも大きく98体積%までである未焼結の焼結炭化物合金の粒とを含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
金属炭化物を含んでなる金属紛及び結合剤を加熱して、該焼結された粒を形成することをさらに含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該金属紛を焼結することが、400℃〜1300℃の温度で行われる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
該ブレンド物が、約2〜約30体積%の焼結された粒と、約70〜約98体積%の未焼結の粒とを含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
該第一の分散される焼結炭化物合金グレード及び該第二の連続する焼結炭化物合金グレードが、チタン、クロム、バナジウム、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、及びタングステンから選ばれる少なくとも1の遷移金属の少なくとも1の炭化物と、コバルト、ニッケル、鉄、及び、コバルト、ニッケル、及び鉄の合金を含んでなる結合剤とを、独立して含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
該結合剤が、タングステン、チタン、タンタル、ニオブ、クロム、モリブデン、ボロン、カーボン、シリコン、及びルテニウムから選ばれる合金化剤をさらに含んでなる、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図7】
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【図2】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2013−7120(P2013−7120A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−175648(P2012−175648)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2006−543886(P2006−543886)の分割
【原出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(500566936)ティーディーワイ・インダストリーズ・インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】