説明

ハニカムフィルタ

【課題】 使用時における熱応力に対する強度を維持しつつ、フィルタの再生処理時にパティキュレートを充分に燃焼除去することができ、かつ、圧力損失の上昇を抑制することができるハニカムフィルタを提供すること。
【解決手段】 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたハニカムフィルタであって、上記複数のハニカム焼成体は、最外周に位置する外周ハニカム焼成体と、側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体とからなり、上記外周ハニカム焼成体の外壁は、上記内側ハニカム焼成体の外壁より厚いことを特徴とするハニカムフィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるパティキュレートマター(以下、単にパティキュレートともいう)が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化することができるフィルタとして、多孔質セラミックからなるハニカムフィルタが種々提案されている。
図3は、こうしたハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図であり、図4(a)は、上記ハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。
【0003】
このようなハニカムフィルタは、図3に示したハニカムフィルタ70のように、炭化ケイ素等からなるハニカム焼成体80が、接着材層72を介して複数個結束されてセラミックブロック71を構成し、このセラミックブロック71の周囲にコート層73が形成されている。
【0004】
また、ハニカム焼成体80は、図4(a)及び図4(b)に示したように、長手方向に多数のセル81が並設され、セル81同士を隔てるセル壁83がフィルタとして機能するようになっている。即ち、ハニカム焼成体80に形成されたセル81は、図4(b)に示したように、排ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが封止材82により目封じされ、一のセル81に流入した排ガスは、必ずセル81を隔てるセル壁83を通過した後、他のセル81から流出するようになっている。
【0005】
排ガス浄化装置では、このような構成のハニカムフィルタ70が内燃機関の排気通路に設置され、内燃機関より排出された排ガス中のパティキュレートは、このハニカムフィルタ70を通過する際にセル壁83により捕捉され、排ガスが浄化される。
【0006】
このようなハニカムフィルタとして、多数の流通孔を有するハニカム構造からなる複数のハニカムセグメントが一体化されてなるハニカムフィルタであって、上記ハニカムセグメントの外周側部分における単位体積あたりの熱容量が、上記ハニカムセグメントの中央部分における単位体積あたりの熱容量よりも大きいハニカムフィルタが開示されている(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】国際公開第2003/002231号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のハニカムフィルタでは、使用時の熱応力によって生じるクラックに対する耐久性が改良されているものの、特許文献1は、捕集したパティキュレートの再生時における燃焼効率を向上させる手段については何ら開示していなかった。また、特許文献1に記載のハニカムフィルタは、経時的な圧力損失の上昇を抑制する点について、一定の効果が得られるようであるもののさらに改善の余地があった。
【0009】
本発明者らは、上記のような問題を検討した結果、以下のような知見を得た。
従来のハニカムフィルタでは、ハニカム焼成体のセル壁の厚さに区別はなく、全て等しい厚さのセル壁を有するハニカム焼成体が用いられていた。このようなハニカム焼成体を用いたハニカムフィルタを排ガス流路に設置すると、まず、比較的排ガスが流れ込みやすいハニカムフィルタの内側部分からパティキュレートが蓄積し始める。その後、パティキュレートの蓄積が外周部分へと広がり、最終的には外周部分と内側部分とでほぼ均一にパティキュレートが蓄積される。
【0010】
パティキュレートが所定量蓄積された段階に達すると、蓄積されたパティキュレートを燃焼除去するために再生処理をハニカムフィルタに施す。この再生処理においては、高温のガスがハニカムフィルタに流れ込むことでパティキュレートが燃焼除去される。このとき、パティキュレートの蓄積が内側部分から始まるのと同様に、パティキュレートの燃焼も内側部分から始まる。その後、理想的にはパティキュレートの燃焼が外周部分へと広がってハニカムフィルタ全体でパティキュレートが燃焼除去されて再生処理が終了する。
【0011】
しかし、従来のハニカムフィルタでは、内側部分から始まったパティキュレートの燃焼により、内側部分のみで高温状態が達成され、内側部分でのパティキュレートの燃焼が促進される。そして、外周部分においてパティキュレートを燃焼させるのに充分な高温状態が達成される前に、内側部分に蓄積したパティキュレートの燃焼が完了することにより、高温のガスが、パティキュレートの燃焼が完了してセル壁の通過性が高くなった内側部分にさらに流れ込みやすくなる。一方で、高温のガスが流れ込みにくい外周部分では、パティキュレートを燃焼させるのに充分な高温状態が達成されないことから、パティキュレートの燃焼が不充分となり再生処理後にも残存することがあった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、使用時における熱応力に対する強度を維持しつつ、フィルタの再生処理時にパティキュレートを充分に燃焼除去することができ、かつ、圧力損失の上昇を抑制することができるハニカムフィルタを提供することを目的とする。
【0013】
すなわち、本発明のハニカムフィルタは、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたハニカムフィルタであって、
上記複数のハニカム焼成体は、最外周に位置する外周ハニカム焼成体と、
側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体とからなり、
上記外周ハニカム焼成体の外壁は、上記内側ハニカム焼成体の外壁より厚いことを特徴とする。
【0014】
上記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さは、上記内側ハニカム焼成体の内部のセル壁の厚さと同等か又は内部のセル壁より厚いことが望ましく、また、全ての外周ハニカム焼成体の外壁が、上記内側ハニカム焼成体の外壁より厚いことが望ましい。
【0015】
上記外周ハニカム焼成体の外壁の厚さの上記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さに対する比は、1.05〜2.0であることが望ましい。また、上記外周ハニカム焼成体の外壁の厚さは、0.25〜0.50mmであることが望ましい。
上記内側ハニカム焼成体における外壁の厚さの内部のセル壁の厚さに対する比は、1.0〜2.0であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のハニカムフィルタでは、ハニカムフィルタの最外周に位置する外周ハニカム焼成体の外壁を内側ハニカム焼成体の外壁より厚くすることにより、外周ハニカム焼成体の開口率が減少してハニカムフィルタの外周部分では排ガスが流れ込みにくくなり、これと同時にハニカムフィルタの内側部分に排ガスが多く流れ込むようになるという排ガスの流れ方の制御が行われている。このような排ガスの流れ方の制御により、外周部分と比較して高温となる内側部分により多くのパティキュレートを堆積させて燃焼除去させることができる。また、外周部分では、パティキュレートの燃焼により内側部分で生じた熱を利用することができる。従って、本発明のハニカムフィルタでは、外周部分及び内側部分を含めたハニカムフィルタ全体でのパティキュレートの燃焼効率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明のハニカムフィルタの最外周に位置する外周ハニカム焼成体の外壁は、内側ハニカム焼成体の外壁より厚いので、ハニカム焼成体の機械的強度が増す。これにより、本発明のハニカムフィルタは、使用時における外部からの振動や熱衝撃等に対して優れた耐久性を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明のハニカムフィルタを説明する。
本発明のハニカムフィルタは、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたハニカムフィルタであって、
上記複数のハニカム焼成体は、最外周に位置する外周ハニカム焼成体と、
側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体とからなり、
上記外周ハニカム焼成体の外壁は、上記内側ハニカム焼成体の外壁より厚いことを特徴とする。
なお、本明細書において、「柱状」には、円柱状や楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状を含む。
【0019】
本発明のハニカムフィルタを構成する複数のハニカム焼成体には、外周ハニカム焼成体と内側ハニカム焼成体とが含まれる。さらに、外周ハニカム焼成体には、外壁の厚さと内部のセル壁の厚さとがそれぞれ内側ハニカム焼成体と等しい等厚ハニカム焼成体と、内側ハニカム焼成体より外壁の厚さが厚い壁厚ハニカム焼成体が含まれる。以下、本明細書にて、各ハニカム焼成体について上記それぞれの用語で言及することがあるとともに、単にハニカム焼成体と言及する場合には、外周ハニカム焼成体、等厚ハニカム焼成体、壁厚ハニカム焼成体及び内側ハニカム焼成体を含めた概念として言及する。このようなハニカム焼成体の分類を表1に示す。
【0020】
【表1】

【0021】
本発明のハニカムフィルタにおいて、上記ハニカムフィルタの最外周に位置する外周ハニカム焼成体は、その外壁が、側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体の外壁より厚い壁厚ハニカム焼成体である。
この態様を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明のハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面を模式的に示す正面図である。
【0022】
図1に示したように、本発明のハニカムフィルタ1を構成するハニカム焼成体としては、最外周に位置する外周ハニカム焼成体7と、側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体4とに区別することができる。このようにハニカム焼成体を区別した場合、図1に示したハニカムフィルタ1には、4個の内側ハニカム焼成体4と、12個の外周ハニカム焼成体7とが存在する。
このようなハニカムフィルタ1においては、内側ハニカム焼成体4と外周ハニカム焼成体7とが接着材層5を介して互いに結束されてセラミックブロック2を構成し、このセラミックブロック2の周囲にコート層6が形成されている。そして、長手方向に多数のセル11が並設され、セル11同士を隔てるセル壁がフィルタとして機能するようになっている。
なお、本明細書において、ハニカムフィルタの内側部分とは、ハニカムフィルタ全体のうち内側ハニカム焼成体によって占められる部分(例えば、図1では内側ハニカム焼成体4により占められる部分等)をいい、ハニカムフィルタの外周部分とは、ハニカムフィルタ全体のうち外周ハニカム焼成体によって占められる部分(例えば、図1では外周ハニカム焼成体7により占められる部分等)をいう。
【0023】
図1に示したハニカムフィルタ1において、外周ハニカム焼成体7の外壁13aは、内側ハニカム焼成体4の外壁15aより厚くなっている。すなわち、この場合の外周ハニカム焼成体7は、本発明でいう壁厚ハニカム焼成体に相当する。従って、説明の便宜上、図1に示した態様では、最外周に位置するハニカム焼成体を外周ハニカム焼成体7というとともに、最外周に位置するハニカム焼成体が壁厚ハニカム焼成体7となっている。
【0024】
外周ハニカム焼成体(壁厚ハニカム焼成体)の外壁の厚さは、上記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さより厚ければ特に限定されないが、上記壁厚ハニカム焼成体の外壁の厚さaの上記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さbに対する比(外壁の厚さの比(a/b))は、1.05〜2.0であることが望ましい。
上記外壁の厚さの比(a/b)が1.05未満であると、排ガスの流れ方を制御してハニカムフィルタの内側部分により多くのパティキュレートを蓄積するという効果をほとんど得ることができない。一方、上記外壁の厚さの比が2.0を超えると、パティキュレートを捕集することができるセルの面積が小さくなって、パティキュレートの捕集量(蓄積量)自体が小さくなり、ハニカムフィルタの排ガス浄化処理能力が低下するおそれがある。
【0025】
壁厚ハニカム焼成体の外壁の厚さは、0.25〜0.50mmであることが望ましい。
外壁の厚さが0.25mm未満であると、より多くのパティキュレートをハニカムフィルタの内側部分に蓄積するという効果をほとんど得ることができない。一方、外壁の厚さが0.50mmを超えると、パティキュレートを捕集可能なセルの面積が小さくなって、パティキュレートの捕集量(蓄積量)自体が小さくなり、ハニカムフィルタの排ガス浄化処理能力が低下するおそれがある。
【0026】
上記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さは、上記内側ハニカム焼成体の内部のセル壁の厚さと同等か又は内部のセル壁より厚いことが望ましい。
本発明のハニカムフィルタを構成する内側ハニカム焼成体において、外壁の厚さが内部のセル壁の厚さより薄いと、内側ハニカム焼成体の強度自体が低下し、外部からの振動等の衝撃や使用時に生じる熱衝撃等に対する耐久性が低下するおそれがあるからである。
【0027】
上記内側ハニカム焼成体において、外壁の厚さbの内部のセル壁の厚さtに対する比(セル壁の厚さの比(b/t))は、特に限定されないが、1.0〜2.0であることが望ましい。
上記セル壁の厚さの比(b/t)が1.0未満であると、内側ハニカム焼成体自体の強度が低下するおそれがあり、一方、上記セル壁の厚さの比(b/t)が2.0を超えると、パティキュレートを捕集することができるセルの面積が小さくなって、パティキュレートの捕集量(蓄積量)自体が小さくなり、ハニカムフィルタの排ガス浄化処理能力が低下するおそれがある。
【0028】
内側ハニカム焼成体において、外壁の厚さは、0.20〜0.45mmであることが望ましい。
上記外壁の厚さが0.20mm未満であると、ハニカムフィルタの内側部分により多くのパティキュレートを蓄積するという効果を得ることが困難となる。一方、上記外壁の厚さが0.45mmを超えると、パティキュレートを捕集することができるセルの面積が小さくなって、パティキュレートの捕集量(蓄積量)自体が小さくなる。これにより、ハニカムフィルタの排ガス浄化処理能力が低下するおそれがある。さらに、上記内側ハニカム焼成体では、上記セル壁の厚さの比(b/t)を満たし、かつ、外壁の厚さが上記範囲であることが望ましい。ハニカムフィルタの強度を維持しつつ、上述した排ガスの流れ方の制御をより効率的に行うことができ、パティキュレートの燃焼効率のより一層の向上を図ることができるからである。
【0029】
本発明のハニカムフィルタにおいて、外周ハニカム焼成体の外壁は、内側ハニカム焼成体の外壁の厚さより厚ければよく、複数の外周ハニカム焼成体間での外壁の厚さは、互いに同一でも異なっていてもよいが、互いに同一の方が望ましい。
【0030】
本発明のハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面の断面積に対して、壁厚ハニカム焼成体の断面積の合計が占める割合は、上記外周ハニカム焼成体の少なくとも一つが壁厚ハニカム焼成体であれば、特に限定されないが、20〜60%であることが望ましい。
【0031】
本発明のハニカムフィルタの別の実施形態を図2(a)及び図2(b)を参照しつつ説明する。
図2(a)は、本発明のハニカムフィルタの別の実施形態を模式的に示す正面図であり、また、図2(b)は、本発明のハニカムフィルタのさらに別の実施形態を模式的に示す正面図である。
【0032】
図2(a)に示したハニカムフィルタ40では、内側ハニカム焼成体44と外周ハニカム焼成体47とが接着材層45を介して互いに結束されてセラミックブロック42を構成し、このセラミックブロック42の周囲にコート層46が形成されている。このハニカムフィルタ40では、外周ハニカム焼成体47として、壁厚ハニカム焼成体47aと、等厚ハニカム焼成体47bとが存在する。ハニカムフィルタ40では、ハニカム焼成体が4列×4段で組み上げられており、外周ハニカム焼成体47が12個、内側ハニカム焼成体44が4個存在する。また、外周ハニカム焼成体47のうち、壁厚ハニカム焼成体47aが8個、等厚ハニカム焼成体47bが4個存在することになる。
このようなハニカムフィルタ40も本発明の範囲内にあり、本発明の効果を得ることができる。
【0033】
また、図2(b)に示したハニカムフィルタ60では、内側ハニカム焼成体64と外周ハニカム焼成体67とが接着材層65を介して互いに結束されてセラミックブロック62を構成し、このセラミックブロック62の周囲にコート層66が形成されている。このハニカムフィルタ60では、ハニカム焼成体が3列×3段で組み上げられており、8個の外周ハニカム焼成体67と、1個の内側ハニカム焼成体64とで構成されている。ハニカムフィルタ60では、外周ハニカム焼成体67の全てが壁厚ハニカム焼成体となっている。このようなハニカムフィルタ60も本発明の範囲内に含まれ、本発明の効果を得ることができる。
また、図面に示した実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は図面に示した実施形態に限定されない。
【0034】
ハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体の組み上げの態様は特に限定されず、上述のように3列×3段でも4列×4段でもよく、これら以外の組み上げの態様、例えば、3列×4段や6列×6段等であってもよい。いずれの組み上げの態様であっても、ハニカムフィルタを構成する外周ハニカム焼成体の少なくとも一つが壁厚ハニカム焼成体であれば、本発明の効果を得ることができる。
【0035】
本発明のハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体において、長手方向に垂直な断面におけるセルの開口率は、55%以上であることが望ましい。
上記開口率が55%未満では、ハニカムフィルタの圧力損失が大きくなる。
より望ましい下限は、60%であり、さらに望ましい下限は、65%である。
ここで、セルの開口率とは、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面において、セルが占める割合のことをいう。なお、上記垂直な断面は、封止材により目封じされていない断面とする。
【0036】
上記ハニカム焼成体は、主として多孔質セラミックからなり、その材料としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、シリカ、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等を挙げることができる。また、ハニカム焼成体は、シリコンと炭化ケイ素との複合体から形成されているものであってもよい。シリコンと炭化ケイ素との複合体を用いる場合には、シリコンを全体の5〜45重量%となるように添加することが望ましい。
上記ハニカム焼成体の材料としては、耐熱性が高く、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も高い炭化ケイ素質セラミック又はシリコンと炭化ケイ素との複合体が望ましい。なお、炭化ケイ素質セラミックとは、炭化ケイ素が60重量%以上のものをいうものとする。
【0037】
上記ハニカム焼成体の平均気孔径は特に限定されないが、望ましい下限は1μmであり、望ましい上限は50μmである。より望ましい下限は5μmであり、より望ましい上限は30μmである。平均気孔径が1μm未満であると、圧力損失が高くなり、一方、平均気孔径が50μmを超えると、パティキュレートが気孔を通り抜けやすくなり、該パティキュレートを充分に捕集することができず、パティキュレートの捕集効率が低下することがある。
【0038】
上記ハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、望ましい下限は40%であり、望ましい上限は60%である。より望ましい下限は45%であり、より望ましい上限は55%である。40%未満であると、ハニカムフィルタの気孔がすぐに目詰まりを起こしてしまうことがあり、一方、60%を超えるとハニカムフィルタの強度が低く、容易に破壊されることがある。
なお、上記気孔率は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法及び走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
【0039】
上記ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の断面積は特に限定されないが、5〜50cmが望ましい。
上記断面積が5cm未満では、少なくともセル壁の厚さの分だけ開口率が小さくなり、また、接着材層の厚さの分だけ開口率が小さくなるために、フィルタ全体としての開口率が小さくなって、排ガスの浄化性能が低下する場合があるからである。一方、上記断面積が50cmを超えると、製造時や使用時において、熱応力によりクラック等の破損が発生し易くなるからである。
【0040】
上記ハニカム焼成体のセルの端部を封止する封止材とセル壁とは、同じ多孔質セラミックからなることが望ましい。これにより、両者の密着強度を高くすることができるとともに、封止材の気孔率をセル壁と同様の気孔率に調整することで、セル壁の熱膨張率と封止材の熱膨張率との整合を図ることができ、製造時や使用時の熱応力によって封止材とセル壁との間に隙間が生じたり、封止材や封止材に接触する部分のセル壁にクラックが発生したりすることを防止することができる。
【0041】
本発明のハニカムフィルタにおいて、接着材層は、ハニカム焼成体間に形成され、排ガスが漏れ出すことを防止する機能を有するのが望ましい。一方、シール材層(コート層)は、結束された複数のハニカム焼成体からなるセラミックブロックの外周面に形成され、ハニカムフィルタを内燃機関の排気通路に設置した際、セラミックブロックの外周面からセルを通過する排ガスが漏れ出すことを防止するための封止材として機能する。さらに、シール材層(コート層)は、セラミックブロックの外周形状を整えるとともに外周部を補強する補強材として機能するものである。
【0042】
なお、上記ハニカムフィルタにおいて、接着材層とコート層とは、同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。さらに、接着材層及びコート層が同じ材料からなるものである場合、その材料の配合比は同じであってもよく、異なっていてもよい。また、緻密質でも、多孔質でもよい。
【0043】
接着材層及びコート層を構成する材料としては特に限定されず、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等を挙げることができる。
【0044】
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
【0045】
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
【0046】
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナセラミックファイバー、ムライトファイバー、アルミナファイバー及びシリカファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバーが望ましい。
【0047】
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素等からなる無機粉末等を挙げることができる。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
【0048】
さらに、シール材層を形成するために用いるペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
【0049】
また、本発明のハニカムフィルタには、触媒が担持されていてもよい。
本発明のハニカムフィルタでは、パティキュレートの燃焼を助ける触媒を担持させることにより、パティキュレートをより容易に燃焼除去することができる。また、CO、HC及びNOx等の排ガス中の有害なガス成分を浄化することができる触媒を担持させることにより、パティキュレートの燃焼によって生じた有害なガス成分についても触媒反応によって充分に浄化することが可能となる。
【0050】
上記触媒としては特に限定されないが、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属からなる触媒が挙げられる。また、これらの貴金属に加えて、アルカリ金属元素(元素周期表1族)、アルカリ土類金属元素(元素周期表2族)、希土類元素(元素周期表3族)、遷移金属元素等を含んで担持されていてもよい。
【0051】
また、上記ハニカムフィルタに上記触媒を付着させる際には、予めその表面をアルミナ等の触媒担持層で被覆した後に、上記触媒を付着させることが望ましい。これにより、比表面積を大きくして、触媒の分散度を高め、触媒の反応部位を増やすことができる。また、触媒担持層によって触媒金属のシンタリングを防止することができる。
【0052】
上記触媒担持層としては、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ等の酸化物セラミックが挙げられる。
【0053】
次に、本発明のハニカムフィルタの製造方法を説明する。
本発明のハニカムフィルタの製造方法では、まず、セラミックを主成分とする混合組成物を調製し、該混合組成物を用いて押出成形を行うことにより複数種類のハニカム成形体を作製するハニカム成形体作製工程を行う。
【0054】
上記混合組成物としては特に限定されないが、製造後のハニカムフィルタの気孔率が40〜60%程度となるものが好ましく、例えば、セラミック粉末とバインダと分散媒液とを混合したものが挙げられる。
【0055】
上記セラミック粉末としては特に限定されず、例えば、コージェライト、アルミナ、シリカ、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、及び、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック等の粉末を挙げることができるが、これらのなかでは、耐熱性が大きく、機械的特性に優れ、かつ、熱伝導率も大きい炭化ケイ素が好ましい。
【0056】
上記セラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て製造されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂処理が施されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが望ましく、例えば、1〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
【0057】
上記バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。
上記バインダの配合量は特に限定されないが、通常、上記セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
【0058】
上記分散媒液としては特に限定されず、例えば、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、上記混合組成物の粘度が一定範囲内となるように、適量配合される。
【0059】
これらセラミック粉末、バインダ及び分散媒液等は、アトライター等で混合し、ニーダー等で充分に混練することで上記混合組成物を調製することができる。
【0060】
上記混合組成物を用いて押出成形を行うことにより所定の断面形状を有するとともに、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状成形体を作製し、この成形体を所定の長さに切断することによりハニカム成形体を作製する。
【0061】
本工程では、形の異なる複数種類の押出成形用の金型を用いて複数種類の形状の異なるハニカム成形体を作製する。具体的には、上記ハニカム成形体は、角柱の一部が切除され、その部分に曲面が形成された形状と、角柱形状のものとであることが好ましい。
【0062】
本発明のハニカムフィルタの製造方法において、ハニカム成形体作製工程において作製するハニカム成形体は、目的するハニカムフィルタの形状、大きさ(断面の直径又は長さ)等を考慮して適宜決定される。また、このようなハニカム成形体を作製するには、押出成形に用いる金型として目的とする断面形状を有する金型を用いてセラミック原料を押出成形することにより、所望の形状を有するハニカム成形体を作製することができる。
【0063】
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機及び凍結乾燥機等を用いて乾燥させた後、所定のセルに封止材ペーストを充填し、上記セルに目封じする封止工程を行う。
なお、この乾燥後のハニカム成形体には、少量の分散媒液が含まれていてもよい。
【0064】
次に、上記封止材ペーストが充填された乾燥後のハニカム成形体を150〜700℃に加熱して、上記乾燥後のハニカム成形体に含まれるバインダを除去し、脱脂したハニカム成形体とする脱脂処理を施す。
【0065】
そして、上記脱脂したハニカム成形体を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、2000〜2200℃に加熱することで焼成し、セラミック粉末を焼結させてハニカム焼成体を製造する焼成工程を行う。
【0066】
本発明のハニカムフィルタの製造方法では、上記焼成工程を経て所定の断面形状を有する複数種類のハニカム焼成体を製造する。
【0067】
次に、上記製造した複数種類のハニカム焼成体を接着材ペーストを介して組み合わせ、円柱状、楕円柱状又はこれらに近似した形状のセラミックブロックを作製するセラミックブロック作製工程を行う。
【0068】
このセラミックブロック作製工程においては、例えば、刷毛、スキージ、ロール、ディスペンサー等を用いて、ハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、所定の厚さの接着材ペースト層を形成する。
そして、この接着材ペースト層を形成してから、他のハニカム焼成体を順次接着する工程を繰り返して行い、所定の大きさ及び形状のハニカム焼成体の集合体を作製する。
【0069】
次に、このようにして作製したハニカム焼成体の集合体を、例えば、50〜150℃、1時間の条件で加熱して接着材ペースト層を乾燥、硬化させることで、セラミックブロックを作製する。
【0070】
本発明のハニカムフィルタの製造方法では、上記セラミックブロックを作製した後、更にセラミックブロックの外周部にコート材ペーストを引き延ばし、コート材ペースト層を形成し、この後、例えば、120℃以上の温度で乾燥させることにより、水分等を蒸発させることで、セラミックブロックの外周部にシール材層(コート層)を形成してもよい。
【実施例】
【0071】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0072】
(実施例1)
平均粒径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.2重量%と、平均粒径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.4重量%とを湿式混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂4.8重量%、有機バインダ(メチルセルロース)2.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.9重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して混合組成物を得た後、押出成形を行い、ハニカム成形体を作製した。
【0073】
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記ハニカム成形体を乾燥させ、セラミック乾燥体とした後、上記ハニカム成形体の組成と同じ組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。
【0074】
次いで、再び乾燥機を用いてハニカム成形体を乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、外周ハニカム焼成体、及び、内側ハニカム焼成体を製造した。内側ハニカム焼成体では、気孔率が47.5%、平均気孔径が12.5μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cmであった。外周ハニカム焼成体では、その大きさや形状を異なるものとした。外周ハニカム焼成体及び内側ハニカム焼成体のセル壁の厚さは表2に示す値であった。併せて表2に、壁厚ハニカム焼成体の外壁の厚さaの内側ハニカム焼成体の外壁の厚さbに対する比(a/b)を示す。
【0075】
次に、平均繊維長20μmのアルミナファイバー30重量%、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性の接着材ペーストを用いて、図1に示すように12個の外周ハニカム焼成体及び4個の内側ハニカム焼成体を接着させ、さらに、120℃で乾燥させることにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のセラミックブロックを作製した。
【0076】
次に、上記接着剤ペーストと同じ組成のシール材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部に厚さ0.2mmのシール材ペースト層を形成した。そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、直径143.8mm×長さ150mmの円柱状の集合型ハニカムフィルタを製造した。
【0077】
(実施例2〜10)
外周ハニカム焼成体の外壁の厚さa、並びに、内側ハニカム焼成体の外壁の厚さb及び内部のセル壁の厚さを表2に示した値とした以外は、実施例1と同様にハニカムフィルタを製造した。
【0078】
(比較例1〜5)
外周ハニカム焼成体の外壁の厚さaと、内側ハニカム焼成体の外壁の厚さbとを等しくし、これに加え内部のセル壁の厚さを表2に示した値とした以外は、実施例1と同様にハニカムフィルタを製造した。
【0079】
(ハニカムフィルタの評価)
(再生率の測定)
実施例及び比較例において製造したハニカムフィルタについて再生率を測定した。具体的には図5に示した試験装置を用いてハニカムフィルタの再生率を測定した。図5は、再生率測定試験装置の模式図である。
この再生率測定試験装置270は、2Lのコモンレール式ディーゼルエンジン276と、エンジン276からの排ガスを流通させる排ガス管277と、排ガス管277に接続されこの排ガス管277の一部を構成する金属ケーシング271とで構成されている。この金属ケーシング271に、厚さ5mmのセラミックファイバー製マット272を巻いたハニカムフィルタ290を固定する。
【0080】
測定手順としては、まず、パティキュレートが未堆積の状態でハニカムフィルタ290の重量を測定しておいた。
次に、回転数を2000min−1、トルクを40Nmとしてエンジン276を所定時間運転し、8g/Lのパティキュレートをハニカムフィルタ290に堆積させた。ここで、一旦、ハニカムフィルタ290を取りだし、その重量を測定した。
その後、ポストインジェクション方式で、エンジン276を5分間運転することにより、ハニカムフィルタ290に再生処理を施し、再生処理後のハニカムフィルタ290の重量を測定した。
そして、再生後のパティキュレート(PM)重量から下記計算式(i)を用いて再生率(%)を算出した。
再生率(%)=(再生前PM重量−再生後PM重量)/再生前PM重量×100・・・(i)
結果を表2及び図6に示す。図6は、実施例及び比較例で行った再生率の測定試験の結果を示す説明図である。
【0081】
【表2】

【0082】
表2及び図6に示した結果より明らかなように、実施例で製造したハニカムフィルタでは、再生率が80%以上と高かった。これは、実施例で製造したハニカムフィルタでは外周ハニカム焼成体が全て壁厚ハニカム焼成体であるので、排ガスの流れがハニカムフィルタの内側部分に流れ込むように制御され、パティキュレートの堆積量が内側部分と外周部分とで適切な量となっているからであると考えられる。
【0083】
一方、比較例で製造したハニカムフィルタでは、再生率が70%以下と低く、ハニカムフィルタに堆積したパティキュレートが充分に燃焼除去されていないことがわかった。これは、比較例で製造したハニカムフィルタでは、内側部分と外周部分とでほぼ均一にパティキュレートが堆積するため、高温となりやすい内側部分でのみパティキュレートの燃焼が進行し、外周部分では堆積したパティキュレートを充分に燃焼除去するための熱量が得られなかったからであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明のハニカムフィルタの長手方向に垂直な断面を模式的に示す正面図である。
【図2】図2(a)は、本発明のハニカムフィルタの別の実施形態を模式的に示す正面図であり、また、図2(b)は、本発明のハニカムフィルタのさらに別の実施形態を模式的に示す正面図である。
【図3】図3は、従来のハニカムフィルタの一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】図4(a)は、従来のハニカムフィルタを構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。
【図5】図5は、再生率測定試験装置の模式図である。
【図6】図6は、実施例及び比較例で行った再生率の測定の結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1、40、60、70、290 ハニカムフィルタ
7、47a、47b、67 外周ハニカム焼成体
7、47a、67 壁厚ハニカム焼成体
4、44、64 内側ハニカム焼成体
80 ハニカム焼成体
11 セル
13a 外周ハニカム焼成体の外壁
13b 外周ハニカム焼成体の内部のセル壁
15a 内側ハニカム焼成体の外壁
15b 内側ハニカム焼成体の内部のセル壁
83 セル壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、前記セルのいずれか一方の端部が封止された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されたハニカムフィルタであって、
前記複数のハニカム焼成体は、最外周に位置する外周ハニカム焼成体と、
側面の全てが他のハニカム焼成体に接する内側ハニカム焼成体とからなり、
前記外周ハニカム焼成体の外壁は、前記内側ハニカム焼成体の外壁より厚いことを特徴とするハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さは、前記内側ハニカム焼成体の内部のセル壁の厚さと同等か又は内部のセル壁より厚い請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
全ての前記外周ハニカム焼成体の外壁が、前記内側ハニカム焼成体の外壁より厚い請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記外周ハニカム焼成体の外壁の厚さの前記内側ハニカム焼成体の外壁の厚さに対する比は、1.05〜2.0である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
前記外周ハニカム焼成体の外壁の厚さは、0.25〜0.50mmである請求項1〜4のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【請求項6】
前記内側ハニカム焼成体における外壁の厚さの内部のセル壁の厚さに対する比は、1.0〜2.0である請求項1〜5のいずれかに記載のハニカムフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−238158(P2008−238158A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300619(P2007−300619)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】