説明

ハニカム構造体の搬送装置、及び、ハニカム構造体の封口方法

【課題】ハニカム構造体の貫通孔と封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできるハニカム構造体の搬送装置及びハニカム構造体の封口方法を提供する。
【解決手段】初期回転角度認識部が、カメラ90の画像に基づいてハニカム構造体70の初期回転角度を認識し、必要回転角度取得部が、アーム水平旋回部62の駆動に伴うハニカム構造体70の回転角度に基づいて、封口用マスク170に対するハニカム構造体70の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得し、ハンド軸回転制御部が、必要な回転角度に基づいてハンド軸回転部20を駆動してハンド10が把持したハニカム構造体70を回転させる。ハニカム構造体70を封口用マスク170の上に所望の回転角度として配置できるので、封口用マスク170とハニカム構造体70との位置合わせが容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の搬送装置、及びハニカム構造体の封口方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカムフィルタが、DPF(Diesel particulate filter)用等として広く知られている。このハニカムフィルタは、多数の貫通孔を有するハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側を封口材で封じると共に、残りの貫通孔の他端側を封口材で封じた構造を有する。そして、特許文献1には、このようなハニカムフィルタを製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ内に配置したハニカム構造体の一端面に対して、封口する場所に貫通孔を有する封口用マスクを介してピストンにより封口材を貫通孔に押圧することにより、ハニカム構造体の所望の貫通孔の端部に封口材を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭63−24731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハニカム構造体の貫通孔の径は小さい。また、封口用マスクの貫通孔の径もハニカム構造体の貫通孔と同程度である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、マスクの貫通孔とを正しく重ね合わせた状態では、封口用マスクの開口から、ハニカム構造体の外壁の輪郭や貫通孔の輪郭を見ることは困難である。したがって、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせが非常に困難であった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことのできるハニカム構造体の搬送装置及びハニカム構造体の封口方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、柱状のハニカム構造体を把持可能であるハンドと、ハンドをその端部に保持するアームと、アームを少なくとも一つの鉛直軸周りに旋回させるアーム水平旋回部と、アームを少なくとも一つの水平軸周りに旋回させるアーム垂直旋回部と、アームに対してハンドをハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させるハンド旋回部と、アームに対してハンドをハニカム構造体の長手方向の軸周りに回転させるハンド軸回転部と、基準位置においてハンドが把持したハニカム構造体の端面を撮影するカメラと、カメラが撮影した画像に基づいて、基準位置におけるハニカム構造体の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識する初期回転角度認識部と、アーム水平旋回部、アーム垂直旋回部及びハンド旋回部の少なくともいずれかを駆動することにより、ハンドが把持するハニカム構造体を基準位置から封口用マスクまで搬送させるアーム旋回制御部と、初期回転角度認識部が基準位置で認識した初期回転角度、及び基準位置から封口用マスクまでのアーム水平旋回部の駆動に伴うハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、封口用マスクに対するハニカム構造体の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得する必要回転角度取得部と、必要回転角度取得部が取得した必要な回転角度に基づいてハンド軸回転部を駆動して、ハンドが把持したハニカム構造体を長手方向の軸周りに回転させるハンド軸回転制御部とを備えるハニカム構造体の搬送装置である。
【0007】
この構成によれば、初期回転角度認識部が、カメラが撮影した画像に基づいて、基準位置におけるハニカム構造体の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識し、必要回転角度取得部が、初期回転角度認識部が基準位置で認識した初期回転角度、及び基準位置から封口用マスクまでのアーム水平旋回部の駆動に伴うハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、封口用マスクに対するハニカム構造体の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得し、ハンド軸回転制御部が、必要回転角度取得部が取得した必要な回転角度に基づいてハンド軸回転部を駆動して、ハンドが把持したハニカム構造体を長手方向の軸周りに回転させる。これにより、ハンドで把持したハニカム構造体を、封口用マスクの上に所望の回転角度として配置できるので、封口用マスクとハニカム構造体との位置合わせが容易となる。
【0008】
この場合、アームは、水平軸周りに旋回可能な第1アーム、及び第1アームに対して、水平軸周りに旋回可能な第2アームを有し、アーム旋回部は、第1アーム及び第2アームを旋回させることが好適である。
【0009】
この構成によれば、アーム旋回部は、第1アーム及び第2アームを水平軸周りに垂直旋回させるため、ハンドの移動の自由度やハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転の自由度が高くなる。
【0010】
また、カメラはハニカム構造体の下端面を撮影することが好適である。
【0011】
この構成によれば、カメラはハニカム構造体の下端面を撮影する。これにより、ハニカム構造体をハンドで把持したままで端面を容易に撮影できるため、ハンドから開放して撮影し再度ハンドで把持する場合に比べて、角度検出精度や、位置合わせの精度が高くなる。
【0012】
また、アーム旋回制御部によるアーム垂直旋回部及びハンド旋回部の少なくともいずれかの駆動の誤差を較正する較正部をさらに備えることが好適である。
【0013】
この構成によれば、較正部は、アーム旋回制御部によるアーム垂直旋回部及びハンド旋回部の少なくともいずれかの駆動の誤差を較正する。このため、アーム垂直旋回部又はハンド旋回部によるハンドの水平軸周りの垂直旋回の精度を高め、封口用マスクに対して正しい角度でハニカム構造体を位置させることが容易となる。
【0014】
また、本発明は、配置された柱状のハニカム構造体をアームの端部に設けたハンドで把持する工程と、ハンドが把持したハニカム構造体の端面の画像を撮影する工程と、画像に基づいて、撮影がなされた基準位置における、ハニカム構造体の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識する工程と、アームを少なくとも一つの鉛直軸周りと少なくとも一つの水平軸周りとに旋回させ、アームに対してハンドをハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させることによって、ハンドが把持するハニカム構造体を基準位置から封口用マスクまで搬送する工程と、基準位置で認識した初期回転角度、及び基準位置から封口用マスクまでの搬送に伴うハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、封口用マスクに対するハニカム構造体の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得する工程と、必要な回転角度に基づいてアームに対してハンドをハニカム構造体の長手方向の軸周りに回転させる工程と、ハンドの回転後にハニカム構造体を封口用マスクに載置する工程と、載置された封口用マスクを介してハニカム構造体に封口材を供給する工程とを含むハニカム構造体の封口方法である。
【0015】
この場合、アームを少なくとも一つの水平軸周りに旋回させる動作、及びアームに対してハンドをハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させる動作の少なくともいずれかの動作の誤差を較正する工程をさらに含むことが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のハニカム構造体の搬送装置及びハニカム構造体の封口方法によれば、ハニカム構造体の貫通孔と、封口用マスクの貫通孔との正確な位置合わせを容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る搬送装置、フィード装置、封口装置を示す斜視図である。
【図2】図1のコントローラ及びその周辺部の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はハニカム構造体70の基準となる回転状態を示す平面図であり、(b)はハニカム構造体70が角度θ回転した状態を示す平面図である。
【図4】(a)は封口装置を示す断面図であり、(b)は封口装置の動作を示す(a)に続く断面図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる搬送装置のハニカム構造体の封口時における動作を示す図1に続く斜視図である。
【図6】本発明の実施形態にかかる搬送装置のハニカム構造体の封口時における動作を示す図5に続く斜視図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる搬送装置の較正時における動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。まず、
ハニカム構造体について説明する。
【0019】
まず、搬送対象となるハニカム構造体70について説明する。
【0020】
本実施形態に係るハニカム構造体70は、図1に示すように、鉛直方向に延びて上下両端面に開口する多数の貫通孔70aを有する柱体である。ハニカム構造体70の外形形状は特に限定されないが、例えば、円柱、楕円柱、角柱(例えば、正三角柱、正方形柱、正六角柱、正八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の、3角柱、4角柱、6角柱、8角柱等)等である。また、各貫通孔70aの断面形状も特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、六角形等の多角形等が挙げられる。貫通孔70aには、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。
【0021】
ハニカム構造体70の上下の端面から見た場合の、貫通孔70aの配置の形態も特に限定されず、たとえば、貫通孔70aの中心軸が正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている正方形配置、貫通孔70aの中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置等が挙げられる。
【0022】
貫通孔70aの径も特に限定されず、例えば、断面が正方形の場合、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。貫通孔70a同士を隔てる隔壁の厚みは、例えば、0.15〜0.76mmとすることができる。
【0023】
また、ハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さ(鉛直方向の全長)は特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。
【0024】
ハニカム構造体70は、後で焼成することによりセラミクスとなるグリーン(未焼成体)であることが好ましく、特に、多孔性セラミクスとなるグリーンであることが好ましい。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。なお、ハニカム構造体70は、焼結後のセラミクスであってもよい。
【0025】
続いて、このようなハニカム構造体70の搬送装置400について説明する。
【0026】
この搬送装置400は、フィード装置1、及び、封口装置200に隣接して設けられている。フィード装置1は、ハニカム構造体70を搬送装置400にフィードする。搬送装置400は、フィード装置1によりフィードされたハニカム構造体70を、封口装置200の封口用マスク170上に、定められた回転角度で載置する。封口装置200は、ハニカム構造体70の一端面に封口材を供給する。本実施形態では、封口装置200は搬送装置400の周りに二つ並んで設けられている。本実施形態の搬送装置400は、ロボット搬送システムである。
【0027】
搬送装置400は、主として、ハンド10、ハンド軸回転部20、ハンド旋回部22、第1アーム軸回転部42、アーム垂直旋回部50、アーム水平旋回部62、カメラ90及びコントローラ80を主として備える。
【0028】
ハンド10は、ベース部14及びベース部14に固定され、ハニカム構造体70を把持可能な把持部材12を有している。把持部材12は、鉛直方向に沿って配置された柱状のハニカム構造体70を、当該方向を保持した状態で把持する。具体的には、例えば、把持部材12は、ハニカム構造体70の側面の上部を複数本の指部材で挟むことができる。ハンド10には、鉛直回転軸16が接続されている。
【0029】
アーム30は、第1アーム32及び第2アーム34を有する。第1アーム32の一端には、第1アーム32に対してハンド10をハンド10が把持するハニカム構造体70の長手方向に沿ったハンド回転軸16周りに回転させるハンド軸回転部20を介してハンド10が固定されている。
【0030】
また、第1アーム32には、第1アーム32に対してハンド10をハンド10が把持するハニカム構造体70の長手方向と垂直の軸周りに回転させるハンド旋回部22が設けられている。さらに、第1アーム32には、第1アーム32の一端に設けられたハンド10、ハンド回転軸16、ハンド軸回転部20及びハンド旋回部22を第1アーム32の他端に対して第1アーム32の長手方向の軸周りに回転させる第1アーム軸回転部42が設けられている。
【0031】
第1アーム32の他端は、第2アーム34の一端と、第1アーム垂直旋回部52により接続されている。第1アーム旋回部52は、第2アーム34に対して第1アーム32を水平軸周りに旋回させる。第2アーム34の他端は、ベース60に対して第2アーム旋回部54により接続されている。第2アーム垂直旋回部54は、ベース60に対して第2アーム34を水平軸周りに旋回させる。第1アーム垂直旋回部52及び第2アーム垂直旋回部54が、アーム垂直旋回部50を構成する。
【0032】
また、第2アーム34の他端は、ベース60に対してアーム水平旋回部62により接続されている。アーム水平旋回部62は、ベース60に対して第2アーム34を鉛直軸周りに旋回させる。
【0033】
カメラ90は、ハニカム構造体70を把持したハンド10の端面、好ましくは、下端面を撮影できる位置に配置されている。
【0034】
コントローラ80は、図2に示すように、ハンド10、ハンド軸回転部20、ハンド旋回部22、第1アーム軸回転部42、アーム垂直旋回部50、アーム水平旋回部62及びカメラ90と接続されている。コントローラ80は、通常コンピュータにより構成され、以下の機能を発揮できる。
【0035】
把持・初期移動部801は、ハンド10、ハンド旋回部22、第1アーム軸回転部42、アーム垂直旋回部50及びアーム水平旋回部62を駆動して、フィード装置1によりフィードされたハニカム構造体70を把持し、カメラ90の上方の位置(以下、基準位置と呼ぶことがある)までハニカム構造体70を搬送させる。
【0036】
初期回転角度認識部802は、カメラ90によるハニカム構造体70の端面の撮影をすると共に、カメラ90が撮影した画像に基づいて、撮影がなされた基準位置における、ハンド10に把持されたハニカム構造体70の鉛直軸周りの初期回転角度θを認識する。
【0037】
回転角度とは、ハニカム構造体70が、鉛直軸周りにおいて、基準となる回転状態に対して、どれだけの角度で回転中心周りに回転した状態となっているかを示す角度である。例えば、図3の(a)の状態を、ハニカム構造体70の基準となる回転状態とする。ここでは、回転状態を容易に把握すべく、ハニカム構造体70の周辺部にマーク70m(オリエンテーションフラットでもよい)を付与する。そして、基準となる回転状態を、マーク70mが、回転中心Oを通るX軸上にある状態とする。そして、図3の(b)のように、ハニカム構造体70のマーク70mが場所Bにあれば、回転角度θを、X軸と、中心O及び位置Bを結ぶ直線とのなす角と規定することができる。そして、初期回転角度θとは、カメラ90の上の基準位置における回転角度である。
【0038】
カメラ90の画像に基づく初期回転角度の認識方法は公知の画像処理法を用いればよく、特に限定されない。例えば、予めハニカム構造体70の端面における例えば周辺部にマーク70mを設けておき、画像から当該マーク70m及び回転中心Oを抽出し、マーク70mと回転中心Oとを結ぶ線と、基準となる方向例えばX軸とのなす角に基づいて、予め定められた基準状態に対する初期回転角度θを取得できる。また、図3(a)に示すように、回転中心Oをはさんでマーク70mとは反対側に、マーク70nを設け、マーク70m、70nを結ぶ線と、基準方向とのなす角に基づいて初期回転角度θを得てもよい。
【0039】
また、マーク70mを設けない場合でも、初期回転角度θの取得は可能である。例えば、ハニカム構造体70の外形形状が矩形等のように非円形である場合には、画像処理により輪郭を抽出し、頂点を結ぶ線等に基づいて初期回転角度θを求めることができる。また、画像処理によりハニカム構造体70の貫通孔70aの並ぶ方向等を認識し、当該方向とX軸とのなす角によりハニカム構造体70の初期回転角度θを認識することもできる。
【0040】
アーム水平旋回制御部803、アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807は、それぞれアーム水平旋回部62、アーム垂直旋回部50、第1アーム軸回転部42及びハンド旋回部22を駆動することにより、ハンド10が把持するハニカム構造体70を基準位置(カメラ上)から封口用マスク170の上まで搬送させる。具体的には、基準位置及び封口用マスク170の位置の相対的位置関係は予めわかっているので、この位置関係に応じて、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b、第2アーム垂直旋回部54の旋回角度c、第1アーム軸回転部42の回転角度d及びアーム水平旋回部62の旋回角度βをそれぞれ適切に定めることにより、このような搬送は容易である。すなわち、回転角度以外の、XY方向の位置をハニカム構造体70と封口用マスク170との間で合わせることは容易である。
【0041】
特に、アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807は、それぞれアーム垂直旋回部50、第1アーム軸回転部42及びハンド旋回部22を駆動することにより、カメラ90上の基準位置及び封口用マスク170上において、ハンド10が把持するハニカム構造体70の長手方向が鉛直方向と正確に平行になるように、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b、第2アーム垂直旋回部54の旋回角度c及び第1アーム軸回転部42の回転角度dを制御する。
【0042】
この場合、例えば、フィード装置1上でハニカム構造体70の長手方向が正確に鉛直方向となるように載置されているものとし、フィード装置1上でハンド10がハニカム構造体70を把持したときにおいて、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b及び第2アーム垂直旋回部54の旋回角度cの合計値がLであり、第1アーム軸回転部42の回転角度dがMであったとする。この場合、ハニカム構造体70がカメラ90上の基準位置及び封口用マスク170上に搬送された際にも、L=a+b+cであり、且つM=dである必要がある。アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807は、カメラ90上の基準位置及び封口用マスク170上において、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b、第2アーム垂直旋回部54の旋回角度c及び第1アーム軸回転部42の回転角度dが上記値になるように制御する。
【0043】
必要回転角度取得部84は、基準位置で認識した初期回転角度θ、及び、基準位置から封口用マスクの上までのアーム水平旋回部62の駆動に伴うハニカム構造体70の鉛直軸周りの回転角度βに基づいて、封口用マスク170の上におけるハニカム構造体70の最終回転角度を所望の回転角度とするために必要な回転角度を取得する。
【0044】
ここでは、図1に示すように封口用マスク170には周辺部にマーク170mがあり、このマーク170mと、ハニカム構造体70のマーク70mとが合致するように、封口用マスク170上においてハニカム構造体70の最終回転角度を合わせなければならないものとする。封口用マスク170にも、ハニカム構造体70と同様の回転角度を定義できる。ここでは、封口装置200にセットされた封口用マスク170の回転角度がφであるとする。この場合、ハニカム構造体70のとるべき最終回転角度はφとなる。
【0045】
そして、カメラ90の上の基準位置におけるハニカム構造体70の初期回転角度はθであり、アーム水平旋回制御部803による駆動によるアーム水平旋回部62の旋回角度はβとする。アーム水平旋回部62が旋回角度β旋回すると、この旋回に伴って、第1アーム32の先端に固定されたハニカム構造体70は、中心軸周りに角度βで回転することとなる。
【0046】
従って、カメラ90の上の基準位置から封口用マスク170上までの搬送により、ハニカム構造体70の回転角度は、初期回転角度から、角度β変化する。さらに、初期回転角度θ、及び最終回転角度φを考慮すると、封口用マスク170上において、ハニカム構造体70の回転角度を、所望の最終回転角度φにするためには、α=φ−(θ+β)の角度だけ、ハンド10を回転させる必要がある。ハンド軸回転制御部808は、上述の必要な回転角度αに基づいてハンド回転部20を駆動してハニカム構造体70を回転させる。
【0047】
後工程指示部809は、ハンド回転制御部85によるハンド10の回転後に、ハンド旋回部22、第1アーム垂直旋回部52及び第2アーム垂直旋回部54を駆動して、封口用マスク170上のハニカム構造体70を封口用マスク170上に長手方向の角度を鉛直方向に保ちつつ降下させ、さらにハンド10から開放して封口用マスク170上に載置させる。なお、ハンド10からハニカム構造体70を開放せず把持したままでもよい。
【0048】
較正部810は、アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807が与えた制御信号に対するハンド旋回部22、第1アーム垂直旋回部52、第2アーム垂直旋回部54及び第1アーム軸回転部42の実際の動作の誤差を検出し、当該誤差を修正するためのものである。
【0049】
続いて、封口装置200の一例について、図4を参照して説明する。
【0050】
本実施形態に係る封口装置200は、主として、本体部210、弾性板220、ポンプ250を備える。
【0051】
本体部210は、金属(例えばステンレス)やポリマー材料(例えば繊維強化プラスチック等の)等から形成された剛性部材である。本体部210には、凹部210dが形成され、凹部210dの内面には、多孔質部材210pが貼り付けられている。
【0052】
弾性板220は、凹部210dの開口面を覆うように、本体部210の上に配置されている。弾性板220は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性板220としては、ゴム板が好ましい。
【0053】
弾性板220は、リング部材225により本体部210に固定されている。リング部材225は、本体部210の凹部210dに対応する位置に開口225aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材225は、弾性板220における中央部(凹部210dとの対向部)が露出するように弾性板220上に配置されている。
【0054】
本体部210は、さらに、凹部210dの底面の多孔質部材210pに連通する連通路210eを有している。連通路210eにはポンプ250が接続されている。
【0055】
ポンプ250は、シリンダ251、及び、シリンダ251内に配置されたピストン253を備える。ピストン253には、ピストン253を軸方向に往復移動させるモータ255が接続されている。
【0056】
本実施形態では、弾性板220と、ピストン253と、の間には、本体部210、連通路210e、及び、シリンダ251により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、液体等の流体FLが充填されている。
【0057】
そして、ピストン253を移動させることにより、本体部210の凹部210d内から流体FLを排出して弾性板220を凹部210dの内面に密着させて弾性板220による凹部220dを形成することができ(図4の(a)の状態)、また、凹部210d内に流体FLを供給することに弾性板220を凹部210dの底部から引き離すこと(図4の(b)の状態)が出来る。
【0058】
そして、予め、図4の(a)のように、ピストン253を下げることにより、弾性板220による凹部220dを形成し、この凹部220d内に封口ペーストPを貯留しておく。
【0059】
続いて、本体部210の凹部210d上に、封口用マスク170を配置しておく。封口用マスク170の孔170aは、セラミクスハニカム構造体70の貫通孔70aの内、封口すべき孔のみに対向するようにハニカム構造体70に対して位置決めされる必要がある。本実施形態では、図1に示すように、封口用マスク170は外周部にマーク170mを有する。マーク170mは、例えば、オリエンテーションフラット等である。
【0060】
続いて、本実施形態にかかるハニカムフィルタの製造方法を説明する。
【0061】
まず、図1のように、フィード装置1によりハニカム構造体70を搬送装置400の近傍まで搬送する。このとき、搬送されたハニカム構造体70における回転角度は、通常不揃いである。一方、フィード装置1上のハニカム構造体70の長手方向は、正確に鉛直方向となるように載置されている。
【0062】
続いて、コントローラ80の把持・初期移動部801の指示により、ハンド10、ハンド旋回部22、第1アーム軸回転部42、アーム垂直旋回部50及びアーム水平旋回部62が駆動され、ハンド10でハニカム構造体70を把持し、その後、図5に示すようにカメラ90上に搬送する。なお、本実施形態では、フィード装置1上でハンド10がハニカム構造体70を把持したときにおいて、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b及び第2アーム垂直旋回部54の旋回角度cの合計値がLであり、第1アーム軸回転部42の回転角度dがMである。そのため、カメラ1上でも、L=a+b+c且つM=dが保たれ、ハニカム構造体70の長手方向は鉛直方向に保たれる。
【0063】
次に、カメラ90は、ハニカム構造体70の端面を撮影する。
【0064】
続いて、コントローラ80の初期回転角度認識部802が、カメラ90の画像に基づいて、撮影がなされた基準位置における、ハンド10に把持されたハニカム構造体70の鉛直軸周りの初期回転角度θを認識する。
【0065】
続いて、コントローラ80のアーム旋回制御部803は、図6に示すように、ハンド旋回部22、第1アーム軸回転部42、アーム垂直旋回部50及びアーム水平旋回部62を駆動することにより、ハンド10が把持するハニカム構造体70をカメラ90上の基準位置から封口用マスク170の上まで搬送させる。例えば、ここでは、アーム水平旋回部がβ旋回するものとする。また、封口用マスク170上でも、L=a+b+c且つM=dが保たれ、ハニカム構造体70の長手方向は鉛直方向に保たれる。本実施形態では、封口装置200が複数あるので、搬送装置400は、適宜、準備が完了した封口装置200の封口用マスク170の上に搬送すればよい。
【0066】
続いて、コントローラ80の必要回転角度取得部805は、基準位置で認識した初期回転角度θ、及び基準位置から封口用マスク170の上までのアーム水平旋回部62の駆動に伴うハニカム構造体70の鉛直軸周りの回転角度βに基づいて、封口用マスク170の上におけるハニカム構造体70の回転角度を所望の最終回転角度φとするために必要な回転角度αを取得する。本例の場合には、α=φ−(θ+β)である。
【0067】
つづいて、ハンド軸回転制御部808は、上述の必要な回転角度αに基づいてハンド回転部20を駆動してハニカム構造体70を回転させる。これにより、封口用マスク170上において、ハニカム構造体70の回転角度がφとなり、封口用マスク170との回転角度の位置合わせが完了する。
【0068】
その後、後工程指示部809は、ハンド旋回部22、第1アーム垂直旋回部52及び第2アーム垂直旋回部54を駆動して、封口用マスク170上のハニカム構造体70を封口用マスク上に長手方向を鉛直方向に保ちつつ降下させ、さらに、ハンド10から開放して封口用マスク170上に載置させる(図4の(a)の状態)。なお、ハンド10からハニカム構造体70を開放せず把持したままでもよい。
【0069】
続いて、図4の(b)に示すように、ポンプ250のピストン253を上方に移動させることにより、凹部210d内に流体FLを供給し、これによって、弾性板220をマスク170に向かって移動させる。これにより、封口ペーストPがマスク170の貫通孔170aを介して、セラミクスハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部72が形成される。
【0070】
続いて、図示は省略するが、ピストン253をさらに上昇させ弾性板220と本体部210との間にさらに流体FLを供給し、弾性板220を上方向に凸状に変形させ、セラミクスハニカム構造体70及びマスク170を、弾性板220から引き離す。そして、必要に応じて、図示しない反転装置によりハニカム構造体の向きを上下反転させ、同様の操作により(なお、初期の回転角度が一定であれば、撮影や初期回転角度の認識は不要である)、ハニカム構造体70を他の封口部200に載置し、セラミクスハニカム構造体70の他の面に対して同様の封口を行うことができる。そして、封口されたセラミクスハニカム構造体を乾燥、焼成することにより、セラミクスハニカムフィルタを製造することが出来る。このようなセラミクスハニカムフィルタは、例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタとして用いることができる。
【0071】
また、互いに種類や形態の異なる封口用マスク170を多数用意し、封口用マスク170の交換装置(不図示)を設けることにより、二種類以上のハニカム構造体を本装置で順番に封口することができる。
【0072】
本実施形態では、ハニカムフィルタの製造時において、あるいは一定の期間をおいて定期的に、ハンド旋回部22の旋回角度a、第1アーム垂直旋回部52の旋回角度b、第2アーム垂直旋回部54の旋回角度c及び第1アーム軸回転部42の回転角度dの誤差を較正することができる。較正は、図7に示すように、較正用ニードル受け部材300において正確な鉛直方向に設けられた較正用ニードル孔部310に対して、ハンド10で把持した較正用ニードル320を挿入することにより、行なうことができる。コントローラ80の較正部810は、アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807が与えた制御信号に対するハンド旋回部22、第1アーム垂直旋回部52、第2アーム垂直旋回部54及び第1アーム軸回転部42の実際の動作により、較正用ニードル孔部310に較正用ニードル320を挿入することが可能である否かを検出する。もし、較正用ニードル孔部310に較正用ニードル320を挿入することができないときは、較正部810は、アーム垂直旋回制御部804、第1アーム軸回転制御部806及びハンド旋回制御部807に対して、適宜、制御信号を修正するように指令を発行する。これにより、本実施形態では、ハンド10で把持したハニカム構造体70の長手方向の角度を正確に保つことが可能となる。
【0073】
本実施形態によれば、コントローラ80の初期回転角度認識部802が、カメラ90が撮影した画像に基づいて、基準位置におけるハニカム構造体70の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識し、必要回転角度取得部805が、初期回転角度認識部802が基準位置で認識した初期回転角度、及び基準位置から封口用マスク170までのアーム水平旋回部62の駆動に伴うハニカム構造体70の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、封口用マスク170に対するハニカム構造体70の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得し、ハンド軸回転制御部808が、必要回転角度取得部805が取得した必要な回転角度に基づいてハンド軸回転部20を駆動して、ハンド10が把持したハニカム構造体70を長手方向の軸周りに回転させる。これにより、予め回転角度が不揃いであるハニカム構造体70を封口用マスク170の上に移送する際に、ハンド10で把持したハニカム構造体70を、封口用マスク170の上に所望の回転角度として配置できるので、封口用マスク70とハニカム構造体170との位置合わせが容易となる。
【0074】
また、本実施形態によれば、アーム垂直旋回部50は、第1アーム32及び第2アーム34を水平軸周りに垂直旋回させるため、ハンド10の移動の自由度やハニカム構造体70の長手方向の軸周りの回転の自由度が高くなる。特に、本実施形態では、第1アーム32及び第2アーム34は、アーム垂直旋回部50及びアーム水平旋回部62により垂直にも水平にも旋回自在であるため、ハニカムフィルタ製造を行なう工場等における各装置の設置誤差を修正するとともに、アライメントの自由度を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、カメラ90はハニカム構造体70の下端面を撮影する。これにより、ハニカム構造体70をハンド10で把持したままで端面を容易に撮影できるため、ハンド10から開放して撮影し再度ハンド10で把持する場合に比べて、角度検出精度や、位置合わせの精度が高くなる。さらに、ハンド10でハニカム構造体70を把持したままハニカム構造体の端面を撮影し、そのまま、封口用マスク170に移動するため、工程時間を短縮できる。
【0076】
また、本実施形態によれば、コントローラ80の較正部810は、アーム垂直旋回制御部804及びハンド旋回制御部807によるアーム垂直旋回部50及びハンド旋回部22の少なくともいずれかの駆動の誤差を較正する。このため、アーム垂直旋回部50又はハンド旋回部22によるハンド10の水平軸周りの垂直旋回の精度を高め、封口用マスク170に対して正しい角度でハニカム構造体70を位置させることが容易となる。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。
【0078】
例えば、上記実施形態では、カメラ90は、フィード装置1とは離れた位置に配置されているが、フィード装置1の底面を透明とし、ハンド10でフィード装置1からハニカム構造体70を把持する位置で、撮影を行うこともできる。
【0079】
また、上記実施形態では、ハンド回転部20による回転角度αに基づくハンド10の回転のタイミングは、ハニカム構造体70が、封口用マスク170の上に搬送されてからであるが、これに限定されず、例えば、基準位置から封口用マスク170の上まで搬送する間であってもよく、また、搬送前に基準位置にいる間であってもよく、これらの期間の任意の複数の期間にわたって回転させてもよい。
【0080】
また、アーム30は、水平軸周りに旋回可能な第1アーム32及び第2アーム34を有するが、水平軸周りに旋回可能なアームを三つ以上有しても実施は可能である。さらに、本実施形態では、第1アーム軸回転部42を有するが、状況に応じて第1アーム軸回転部42を固定しても、装置から省略することも可能である。
【0081】
さらに、本実施形態では、フィード装置1上に長手方向を鉛直方向にして載置されたハニカム構造体70を封口用マスク170に長手方向を鉛直方向にして搬送する例について説明した。しかし、本実施形態では、ハニカムフィルタを製造する工場等の状況に応じて、フィード装置1上に載置されたハニカム構造体70を、鉛直方向以外の水平方向に向いた封口用マスク170上に、封口用マスク170の方向にハニカム構造体70の長手方向を合わせて搬送することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
1…フィード装置、10…ハンド、12…把持部材、14…ベース部、16…ハンド回転軸、20…ハンド軸回転部、22…ハンド旋回部、32…第1アーム、34…第2アーム、42…第1アーム軸回転部、50…アーム垂直旋回部、52…第1アーム垂直旋回部、54…第2アーム垂直旋回部、60…ベース、62…アーム水平旋回部、70…ハニカム構造体、70a…貫通孔、70m,70n…マーク、80…コントローラ、90…カメラ、170…封口用マスク、170a…貫通孔、170m…マーク、200…封口装置、210…本体部、210d…凹部、210e…連通路、210p…多孔質部材、220…弾性板、225…リング部材、225a…開口、250…ポンプ、251…シリンダ、253…ピストン、255…モータ、300…較正用ニードル受け部材、310…較正用ニードル孔部、320…較正用ニードル、400…搬送装置、801…把持・初期移動部、802…初期回転角度認識部、803…アーム水平旋回制御部、804…アーム垂直旋回制御部、805…必要回転角度取得部、806…第1アーム軸回転制御部、807…ハンド旋回制御部、808…ハンド軸回転制御部、809…後工程指示部、810…較正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のハニカム構造体を把持可能であるハンドと、
前記ハンドをその端部に保持するアームと、
前記アームを少なくとも一つの鉛直軸周りに旋回させるアーム水平旋回部と、
前記アームを少なくとも一つの水平軸周りに旋回させるアーム垂直旋回部と、
前記アームに対して前記ハンドを前記ハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させるハンド旋回部と、
前記アームに対して前記ハンドを前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りに回転させるハンド軸回転部と、
基準位置において前記ハンドが把持したハニカム構造体の端面を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記基準位置における前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識する初期回転角度認識部と、
前記アーム水平旋回部、前記アーム垂直旋回部及び前記ハンド旋回部の少なくともいずれかを駆動することにより、前記ハンドが把持するハニカム構造体を前記基準位置から封口用マスクまで搬送させるアーム旋回制御部と、
前記初期回転角度認識部が前記基準位置で認識した前記初期回転角度、及び前記基準位置から前記封口用マスクまでの前記アーム水平旋回部の駆動に伴う前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、前記封口用マスクに対する前記ハニカム構造体の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得する必要回転角度取得部と、
前記必要回転角度取得部が取得した前記必要な回転角度に基づいて前記ハンド軸回転部を駆動して、前記ハンドが把持した前記ハニカム構造体を長手方向の軸周りに回転させるハンド軸回転制御部と、
を備えるハニカム構造体の搬送装置。
【請求項2】
前記アームは、水平軸周りに旋回可能な第1アーム、及び、前記第1アームに対して、水平軸周りに旋回可能な第2アームを有し、
前記アーム旋回部は、前記第1アーム及び前記第2アームを旋回させる、請求項1記載のハニカム構造体の搬送装置。
【請求項3】
前記カメラは前記ハニカム構造体の下端面を撮影する請求項1又は2記載のハニカム構造体の搬送装置。
【請求項4】
前記アーム旋回制御部による前記アーム垂直旋回部及び前記ハンド旋回部の少なくともいずれかの駆動の誤差を較正する較正部をさらに備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカム構造体の搬送装置。
【請求項5】
配置された柱状のハニカム構造体をアームの端部に設けたハンドで把持する工程と、
前記ハンドが把持した前記ハニカム構造体の端面の画像を撮影する工程と、
前記画像に基づいて、前記撮影がなされた基準位置における、前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りの初期回転角度を認識する工程と、
前記アームを少なくとも一つの鉛直軸周りと少なくとも一つの水平軸周りとに旋回させ、前記アームに対して前記ハンドを前記ハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させることによって、前記ハンドが把持する前記ハニカム構造体を前記基準位置から封口用マスクまで搬送する工程と、
前記基準位置で認識した初期回転角度、及び前記基準位置から前記封口用マスクまでの前記搬送に伴う前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りの回転角度に基づいて、前記封口用マスクに対する前記ハニカム構造体の回転角度を所望の最終回転角度とするために必要な回転角度を取得する工程と、
前記必要な回転角度に基づいて前記アームに対して前記ハンドを前記ハニカム構造体の長手方向の軸周りに回転させる工程と、
前記ハンドの回転後に前記ハニカム構造体を前記封口用マスクに載置する工程と、
載置された前記封口用マスクを介して前記ハニカム構造体に封口材を供給する工程と、
を含むハニカム構造体の封口方法。
【請求項6】
前記アームを少なくとも一つの水平軸周りに旋回させる動作、及び前記アームに対して前記ハンドを前記ハニカム構造体の長手方向に垂直の軸周りに回転させる動作の少なくともいずれかの動作の誤差を較正する工程をさらに含む、請求項5に記載のハニカム構造体の封口方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−161865(P2012−161865A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22973(P2011−22973)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】