説明

ハンダ液面制御装置およびハンダ液面制御方法

【課題】 ハンダの不足量の供給が迅速に行えると共に使い勝手に優れるハンダ液面制御装置を提供する。
【解決手段】 検出回路に接続された対の電極16を昇降操作自在に備える。昇降操作する駆動源がサーボモータ25とされる。サーボモータ25を駆動制御するためのエンコーダ24を監視し、電極16の下降時におけるハンダ槽17の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際のエンコーダ24の値からハンダ槽17の液面高さを検出し、予め設定入力された設定液面高さと検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダ18をハンダ供給手段26によりハンダ槽17に供給する制御部20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダ槽内に貯留されたハンダにおける液面高さを好適に保つハンダ液面制御装置およびハンダ液面制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の端部における被覆部を皮剥ぎして芯線部を露出させ、その露出された芯線部にフラックス液を付着させ、その後にハンダ槽に挿入して溶解状態で貯留されているハンダを芯線部に付着させる電線処理装置があった。
【0003】
また、前記芯線部に対して安定した量のハンダの付着状態を確保するためには、ハンダ槽におけるハンダの液面高さを所望の高さに保つ必要がある。そのため、ハンダ槽におけるハンダの液面高さを液面検出手段により検出し、ハンダの液面高さが所定位置よりも下がった場合にはハンダ槽内にハンダを供給して、ハンダ槽内におけるハンダの貯留量を所定範囲で維持できるように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
即ち、特許文献1によれば、プレス機構等の昇降機構によって昇降操作されるラム軸体の下端部に支持軸体が装着され、この支持軸体に検出回路に接続された対の電極や電線押さえガイドが装着された構造とされていた。
【0005】
そして、図7および図8に示されるように、ハンダ付け工程が作動して(ステップS1)、ラム軸体が下降操作されると、対の電極1や電線押さえガイド2が下降操作される。
【0006】
この下降操作に伴い、検出回路により対の電極1相互間がハンダ3を通じて通電されたかどうかが判断される(ステップS2)。即ち、下降操作により、対の電極1がハンダ槽4に貯留されているハンダ3の液面に接触すると、ハンダ3を通じて両電極1間に導通が得られ、検出回路により通電が検出される。
【0007】
そして、ハンダ槽4におけるハンダ3の液面高さが所望の高さまで確保されていれば、ラム軸体の最下端位置で、両電極1がハンダ3の液面に接触して通電が検出される。この通電の検出により、ハンダ槽4の液面高さが正常であると判断される(ステップS3)。また,この最下端位置で、電線押さえガイド2により電線5端部の露出された芯線部5aがハンダ3内に漬けられる。
【0008】
その後、ラム軸体は上昇操作され初期位置に復帰し、同様の動作を繰り返す。
【0009】
また、ステップS2において、ハンダ槽4におけるハンダ3量が不足している場合には、ラム軸体の最下端位置でも、両電極1がハンダ3の液面に接触せず、両電極1間の通電が得られないため、ハンダ槽4の液面高さが不足していると判断される(ステップS4)。そして、ハンダ槽4のハンダ3量が不足していると判断されると、ハンダ供給手段により一定量のハンダ3をハンダ槽4に供給するように制御されていた(ステップS5)。
【0010】
【特許文献1】特開2003−50149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来のハンダ液面制御方法によれば、両電極1相互間の通電の検出・非検出により一定量のハンダ3を供給するか否かを制御する方式であるため、ハンダ3表面の酸化被膜の除去処理等において、不用意にハンダ3が多量に不足した状態となった場合には、一度の通電非検出によるハンダ3の供給量では、ハンダ3の不足量を補足しきれず、ハンダ付け工程において、複数回、ハンダ3不足の状態となり、ハンダ3不足に対する対応処理に時間がかかると共に、製品にハンダ3付け不良が多数生じるおそれもあった。
【0012】
また、各電極1の取り付け高さ位置がズレている場合には、高温になった電極1の固定状態を工具により緩めて上下に高さ調整した後、再度固定する必要があり、電極1が高温のため調整し難く、手間がかかり面倒な作業となっていた。
【0013】
さらには、線種や用途の変更等によりハンダ3の種類の変更のため、ハンダ槽4を交換した場合には、ハンダ槽4の取り付け誤差やハンダ3の粘度が変わることによって表面張力による高さが変化し、ハンダ槽4における所望の液面高さ位置にズレが生じるおそれがあった。従ってこの場合にも、各電極1の取り付け高さ位置をそのズレ量に応じて調整する必要があり、上記同様、手間がかかり面倒な作業となっていた。
【0014】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ハンダの不足量の供給が迅速に行えると共に使い勝手に優れるハンダ液面制御装置およびハンダ液面制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するためのハンダ液面制御装置の技術的手段は、ハンダ槽の上方に位置して、検出回路に接続された電極が、昇降操作自在に備えられ、電極の下降時におけるハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により液面高さを検出し、液面高さの検出結果に基づいてハンダ供給手段によりハンダ槽にハンダを供給する制御部を備えたハンダ液面制御装置において、前記電極を昇降操作する駆動源が回転駆動機構とされ、前記制御部は、回転駆動機構を駆動制御するための回転位置検出手段を監視し、前記下降時における電極が前記ハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際の回転位置検出手段の値からハンダ槽の液面高さを換算して検出し、予め設定入力された設定液面高さと前記検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダを前記ハンダ供給手段によりハンダ槽に供給する制御を行う点にある。
【0016】
また、前記電極は、対の電極であってもよく、前記回転駆動機構は、サーボモータであってもよい。
【0017】
さらに、上記課題を解決するためのハンダ液面制御方法の技術的手段は、ハンダ槽の上方に位置して、検出回路に接続された電極が、昇降操作自在に備えられ、電極の下降時におけるハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により液面高さを検出し、液面高さの検出結果に基づいてハンダ供給手段によりハンダ槽にハンダを供給するハンダ液面制御方法において、前記電極を昇降操作する駆動源が回転駆動機構とされ、該回転駆動機構を駆動制御するための回転位置検出手段を監視し、前記下降時における電極が前記ハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際の回転位置検出手段の値からハンダ槽の液面高さを換算して検出し、予め設定入力された設定液面高さと前記検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダを前記ハンダ供給手段によりハンダ槽に供給する点にある。
【0018】
そして、前記電極は、対の電極であってもよく、前記回転駆動機構は、サーボモータであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明のハンダ液面制御装置およびハンダ液面制御方法によれば、電極を昇降操作する駆動源が回転駆動機構とされ、該回転駆動機構を駆動制御するための回転位置検出手段を監視し、下降時における電極がハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際の回転位置検出手段の値からハンダ槽の液面高さを換算して検出し、予め設定入力された設定液面高さと検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダをハンダ供給手段によりハンダ槽に供給する制御方式であり、ハンダの不足量の多少にかかわらず、一度に所望の設定液面高さに至るハンダ量をハンダ槽に供給するため、従来方式のようなハンダ不足の検出のたびごとに一定量のハンダを供給する場合と比較して、ハンダの不足量の供給が迅速に行える利点がある。
【0020】
また、電極の昇降操作に際して、電極をハンダ槽のハンダ溶液中に充分漬かる低い高さ位置に予め取り付け固定しておけば、ハンダ槽におけるハンダの液面高さが多少変化しても、ハンダの液面高さを確実に検出できる。従って、予め所望の設定液面高さを設定入力しておけば、ハンダ槽におけるハンダの液面高さの検出により、ハンダ量が不足していれば、ハンダを供給して常に所望の設定液面高さに補充することができ、ハンダ槽内におけるハンダを安定して所望の液面高さに保つことができる。
【0021】
さらに、設定液面高さにズレが生じている場合には、設定入力するデータを変更することにより容易に所望の設定液面高さに調整でき、従来のように高温になった電極を直接、高さ調整する必要がなく、使い勝手に優れる利点がある。
【0022】
また、線種や用途の変更等によりハンダの種類の変更のため、ハンダ槽を交換した場合に、ハンダ槽の取り付け誤差やハンダの粘度が変わることによって表面張力による高さが変化し、ハンダ槽における所望の液面高さ位置にズレが生じた場合においても、設定入力するデータの変更により容易に対応でき、この点からも使い勝手に優れる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1はハンダ付け装置10の概略側面図を示しており、例えば、特許文献1に開示のハンダ付けユニットに代えて装着されている。なお、その他のハンダ付けを行うための電線処理機、さらにはハンダ付け専用の装置等に適宜、採用してもよい。
【0024】
このハンダ付け装置10によれば、図2や図3にも示されるように、プレス機11における昇降機構により昇降操作されるラム体12の下端部に、固定ネジ13による締結弛緩を介して支持軸体14が着脱自在に装着されている。
【0025】
また、支持軸体14の下部には、取り付けブラケット15を介してステンレス材からなる対の電極16が上下方向に高さ調整可能に取り付けられている。この際、ラム体12の昇降操作に応じて昇降操作される両電極16の昇降範囲で、各電極16の下端部が下方に配置されたハンダ槽17に貯留されたハンダ18の溶解状態の溶液中に充分に漬かるように、両電極16は、適宜高さ位置に取り付け固定されている。
【0026】
そして、各電極16はそれぞれ配線19を通じて制御部20に備えられた検出回路に接続されている。この検出回路としては、特許文献1と同様に構成してもよく、あるいはその他のハンダ18を通じての導通を検出可能な回路であればよい。
【0027】
また、支持軸体14の下部には、取り付けブラケット21を介してパイプ体等からなる電線押さえガイド22が着脱自在に取り付けられている。そして、ラム体12の下降操作により、電線23における端部の被覆部が所定長さ皮剥ぎされて、芯線部23aが露出された状態で順次所定位置に搬送されてくる電線23を上方から押さえて、ハンダ槽17のハンダ18内に芯線部23aを所定長さ漬けるべく、電線押さえガイド22の取り付け位置が適宜高さ位置に設定されている。
【0028】
さらに、支持軸体14の下部には、図示省略されているが特許文献1と同様、ハンダ槽17の一側方に配設されたフラックス槽のフラックス液内に漬けられるフラックスホルダが取り付けブラケットを介して適宜高さ位置に着脱自在に装着されている。
【0029】
前記プレス機11におけるラム体12を昇降駆動するための回転駆動機構としての駆動源は、回転位置検出手段としてのエンコーダ24付きのサーボモータ25とされている。そして、サーボモータ25の所定方向の回転駆動により昇降機構を構成するクランク機構が1回転され、このクランク機構の1回転によりラム体12が上下方向の所定範囲で1回往復駆動され、このラム体12の昇降駆動により各電極16や電線押さえガイド22やフラックスホルダが所定範囲で昇降操作されるように構成されている。
【0030】
また、図3に示されるように、ハンダ付け装置10には、ハンダ槽17内にハンダ18を供給すべく、ハンダ供給手段26が備えられている。本実施形態においては、ハンダ供給手段26は、糸ハンダ27が巻装されたボビン28と、送りローラ29を所定方向に回転駆動させるハンダ送りモータ30とを備え、ハンダ送りモータ30の駆動により送りローラ29を所定方向に回転駆動して、糸ハンダ27をハンダ槽17内に案内して供給する構造とされている。
【0031】
さらに、ハンダ槽17におけるハンダ18の表面に生じる酸化被膜を除去するための被膜除去機構が、特許文献1と同様に備えられており、所定時間経過毎に作動して表面の酸化被膜を自動的に除去するように制御されている。
【0032】
前記制御部20は、サーボモータ25の駆動時に、エンコーダ24を監視しており、下降操作時に、両電極16がハンダ槽17のハンダ18の液面に接触した際のハンダ18を通じての導通による通電を、検出回路により検出した場合、その際のエンコーダ24の値をハンダ槽17におけるハンダ18の液面高さに換算して現状の液面高さを求める方式とされている。
【0033】
そして、予め設定入力された所望の液面高さである設定液面高さと検出された現状の液面高さとの差を求め、この差が許容範囲を超えている場合には、この差に対応する量のハンダ18をハンダ供給手段26によりハンダ槽17に供給するように制御している。
【0034】
ハンダ供給手段26によるハンダ18の供給量の制御は、例えば、予め、ハンダ槽17やハンダ18の種類に応じて、ハンダ送りモータ30の駆動により、ボビン28の糸ハンダ27を送り出した際の液面高さの上昇距離と駆動時間との関係が求められており、設定液面高さと検出された現状の液面高さとの高さの差からの比例計算により、ハンダ送りモータ30の駆動時間が求められ、求められた駆動時間だけハンダ送りモータ30を作動するように制御している。
【0035】
また、制御部20には、最適な所望の液面高さの位置データ等の適宜データを入力するためのキーボード等の入力設定手段が備えられている。そして、プレス機11や制御部20やハンダ供給手段26等によりハンダ液面制御装置が構成されている。
【0036】
本実施形態は以上のように構成されており、次に、電線23の芯線部23aに対するハンダ付け工程におけるハンダ18の液面高さの制御を、図4のフローチャートに基づき説明する。
【0037】
即ち、図1および図2に示されるように、ハンダ槽17の上方位置で、各電極16や電線押さえガイド22が待機した状態で、フラックス液が塗布された電線23がハンダ槽17上方の所定位置に到着すると、ハンダ付け工程が作動して(ステップS11)、サーボモータ25が駆動されるとラム軸体が下降操作され、これに伴って対の電極16や電線押さえガイド22が下降操作される。
【0038】
そして、サーボモータ25が駆動されると、エンコーダ24の値を監視し(ステップS12)、各電極16の下降操作に伴い、検出回路により対の電極16相互間がハンダ18を通じて通電されたかどうかが判断される(ステップS13)。
【0039】
そして、図5に示されるように、各電極16が下降して、両電極16の下端がハンダ槽17におけるハンダ18の表面張力により盛り上がった部分の液面に接触すると、両電極16間が導通状態となって電極16相互間の通電が検出される。そして、この通電が検出されると、その際のエンコーダ24の値からハンダ槽17におけるハンダ18の液面高さに演算処理により換算し、現状のハンダ槽17における液面高さが求められる(ステップS14)。
【0040】
このようにして現状のハンダ槽17における液面高さが検出されると、予め設定されている設定液面高さと検出された現状の液面高さとの液面高さの差を求め、この液面高さの差が許容範囲を超えているかどうかが判断される(ステップS15)。
【0041】
そして、液面高さの差が許容範囲内であれば、ハンダ槽17の液面高さが正常であると判断される(ステップS16)。また、液面高さの差が許容範囲を超えていれば、ハンダ槽17の液面高さが不足していると判断され(ステップS17)、液面高さの差に応じて、設定液面高さに至るハンダ供給量を算出し、対応するハンダ量を供給する(ステップS18)。この際、本実施形態においては、液面高さの差から比例計算による演算により、ハンダ供給量に対応するハンダ送りモータ30の駆動時間が求められ、求められた駆動時間だけハンダ送りモータ30が駆動され、その駆動時間経過後、ハンダ送りモータ30を停止すれば、必要とされる対応するハンダ量に相当する量の糸ハンダ27が供給される。ここに、ハンダ槽17における液面高さが所望の設定液面高さに復帰する。
【0042】
また、図5に示されるように、各電極16がハンダ18の液面に接触した後も、ラム体12は下降操作され、従って、各電極16や電線押さえガイド22が引き続き下降操作される。そして、ラム体12の最下端位置において、図6に示されるように、電線押さえガイド22により電線23の端部が下向に押さえられ、その先端の芯線部23aがハンダ18内に漬かった状態が得られる。この際、各電極16はハンダ18内に充分漬かった状態となっている。
【0043】
その後、ラム体12は上昇操作されて初期位置に復帰され、次のハンダ付け工程が開始されるまで、待機した状態となる。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、ハンダ槽17におけるハンダ18の不足量の多少にかかわらず、不足量に応じて、所望の設定液面高さに至るハンダ量を一度に供給する制御方法であり、ハンダ18表面の酸化被膜の除去処理等において、不用意にハンダ槽17内のハンダ18が多量に不足した場合であっても、従来方式のようにハンダ18不足の検出のたびごとに一定量のハンダ18を供給する場合と比較して、ハンダ18の不足量の供給が迅速に行える利点がある。
【0045】
また、各電極16をハンダ槽17のハンダ18溶液中に充分漬かる低い高さ位置に予め取り付け固定しているため、対の電極16の昇降操作に際して、ハンダ槽17におけるハンダ18の液面高さが多少変化しても、ハンダ18の液面高さを確実に検出できる。従って、ハンダ槽17におけるハンダ18の液面高さの検出により、ハンダ18の量が不足していれば、必要とされる量のハンダ18を供給して常に所望の設定液面高さに補充することができ、ハンダ槽17内におけるハンダ18を安定して所望の液面高さに保つことができる。
【0046】
さらに、設定液面高さにズレが生じている場合には、設定入力するデータの変更により容易に所望の設定液面高さに調整でき、従来のように高温になった各電極を直接、高さ調整する必要がなく、使い勝手に優れる利点がある。
【0047】
また、電線23の線種や用途の変更等によりハンダ18の種類の変更のため、ハンダ槽17を交換した場合に、ハンダ槽17の取り付け誤差やハンダ18の粘度が変わることによって表面張力による高さが変化し、ハンダ槽17における所望の液面高さ位置にズレが生じた場合においても、設定入力するデータの変更により容易に対応でき、この点からも使い勝手に優れる利点がある。
【0048】
なお、ハンダ槽17におけるハンダ18の不足量の供給に際して、比例計算によりハンダ送りモータ30の駆動時間を求めて、所望量のハンダ18を供給する方式を示しているが、その他の算出方法により、ハンダ18の不足量に応じてハンダ18を供給する方法であってもよい。
【0049】
また、プレス機11により各電極16を昇降操作する構造を示しているが、その他のサーボモータ25を利用した昇降機構であってもよい。
【0050】
さらに、検出回路における対の電極16を支持軸体14に取り付ける構造を示しているが、一方の電極16をハンダ槽17に接続しておき、もう一方の電極16のみを支持軸体14に取り付けて昇降操作自在に備え、この電極16がハンダ槽17内のハンダ18の液面に接触した際に、導通を検出する構造としてもよく、何ら上記実施形態に示される構造に限定されない。
【0051】
また、回転駆動機構として、サーボモータ25を採用した構造を示しているが、普通のモータとエンコーダとの組み合わせにより、モータの駆動を制御する構造であってもよく、何ら実施形態に示される構造に限定されない。
【0052】
さらに、回転位置検出手段として、エンコーダ24を採用した構造を示しているが、その他の回転位置検出手段であるレゾルバ・ホール素子・ポテンションメータ等の手段を使用する構造であってもよく、何ら実施形態に示される構造に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態にかかる要部概略側面図である。
【図2】同要部拡大正面図である。
【図3】ハンダ付け装置の概略説明図である。
【図4】ハンダ液面制御方法のフローチャートである。
【図5】要部動作説明図である。
【図6】要部動作説明図である。
【図7】従来のハンダ液面制御方法のフローチャートである。
【図8】従来の要部動作説明図である。
【符号の説明】
【0054】
10 ハンダ付け装置
16 電極
17 ハンダ槽
18 ハンダ
23 電線
24 エンコーダ
25 サーボモータ
26 ハンダ供給手段
27 糸ハンダ
29 送りローラ
30 ハンダ送りモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンダ槽の上方に位置して、検出回路に接続された電極が、昇降操作自在に備えられ、電極の下降時におけるハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により液面高さを検出し、液面高さの検出結果に基づいてハンダ供給手段によりハンダ槽にハンダを供給する制御部を備えたハンダ液面制御装置において、
前記電極を昇降操作する駆動源が回転駆動機構とされ、前記制御部は、回転駆動機構を駆動制御するための回転位置検出手段を監視し、前記下降時における電極が前記ハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際の回転位置検出手段の値からハンダ槽の液面高さを換算して検出し、予め設定入力された設定液面高さと前記検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダを前記ハンダ供給手段によりハンダ槽に供給する制御を行うことを特徴とするハンダ液面制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンダ液面制御装置において、
前記電極は、対の電極であることを特徴とするハンダ液面制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のハンダ液面制御装置において、
前記回転駆動機構は、サーボモータであることを特徴とするハンダ液面制御装置。
【請求項4】
ハンダ槽の上方に位置して、検出回路に接続された電極が、昇降操作自在に備えられ、電極の下降時におけるハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により液面高さを検出し、液面高さの検出結果に基づいてハンダ供給手段によりハンダ槽にハンダを供給するハンダ液面制御方法において、
前記電極を昇降操作する駆動源が回転駆動機構とされ、該回転駆動機構を駆動制御するための回転位置検出手段を監視し、前記下降時における電極が前記ハンダ槽の液面に接触した際の導通の検出により、その導通を検出した際の回転位置検出手段の値からハンダ槽の液面高さを換算して検出し、予め設定入力された設定液面高さと前記検出された液面高さとの差を求め、この差に対応する量のハンダを前記ハンダ供給手段によりハンダ槽に供給することを特徴とするハンダ液面制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のハンダ液面制御方法において、
前記電極は、対の電極であることを特徴とするハンダ液面制御方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のハンダ液面制御方法において、
前記回転駆動機構は、サーボモータであることを特徴とするハンダ液面制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−238237(P2008−238237A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85067(P2007−85067)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】